JP2009043386A - 光ピックアップおよび光情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の光源を備えて、単一の対物レンズにより異なる基板厚の光記録媒体の記録面に記録する際、対物レンズ光軸に対する収差補正素子の偏芯(ズレ)により生じる収差劣化を抑制する。
【解決手段】収差補正素子501の回折構造が対物レンズ106に対して軸ズレして、対物レンズ106の光軸と収差補正素子501の光軸とが偏芯した際に、収差補正素子501の偏芯方向とは逆の方向に光源の発光点を適切な量だけ動かして偏芯配置する。またWDを調整して、収差補正素子501の偏芯方向と同方向に光源を偏芯配置しても良い。これにより、収差補正素子501に傾いた光束を入射させて、偏芯によって生じたコマ収差をキャンセルするようにコマ収差を発生させることができる。収差補正素子501に入射する光束の角度調整により偏芯によって生じる収差劣化を抑制する。
【選択図】図12

Description

本発明は、光情報処理装置に用いられる光ピックアップに係り、特に、光源の波長または光記録媒体の透明基板厚が異なることで、記録密度が異なる複数種類の光記録媒体に対して情報を記録,再生する際に、互換性を有する光ピックアップおよび光情報処理装置に関するものである。
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD、記録容量4.7GBのDVDなどの光記録媒体が普及しつつある。そして、近年、さらなる記録密度の向上および大容量化の要求が強くなっている。
このような光記録媒体の記録密度を向上させる手段としては、光記録媒体に情報の書き込みまたは読み出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、あるいは、光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって集光され、光記録媒体上に形成されるビームスポットを小径化することが有効である。
そこで、例えば「CD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nmとされているのに対して、「CD系光記録媒体」よりも高記録密度化がなされた「DVD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が660nmとされている。そして、光記録媒体は、前述したように、さらなる記録密度の向上および大容量化が望まれており、そのためには、対物レンズのNAを0.65よりもさらに大きく、あるいは、光源の波長を660nmよりもさらに短くすることが望まれている。
このような大容量の光記録媒体および光情報処理装置として、特許文献1に記載されているような、2つの規格が提案されている。1つは、青色の波長領域の光源とNA0.85の対物レンズを用いて、22GB相当の容量確保を満足する「Blu−ray Disc」の規格(以下、BDという)である。もう1つは、青色波長は同じであるが、NA0.65の対物レンズを用いて、20GB相当の容量確保を満足する「HD−DVD」の規格(以下、HDという)である。
前者はDVD系に比べ短波長化、高NA化の変更により大容量化を行い、後者は高NA化を行わない代わりに信号処理の工夫により線記録密度の向上を可能とし、ランド・グルーブ記録の採用により大容量化を行っている。
また、BDとHDは、光源の発振波長が405nm程度の青紫色半導体レーザ光源を用いる点で共通しているが、光記録媒体は基板厚がそれぞれ0.1mm、0.6mmと異なる。
BDとHDのような高密度な情報の記録および/または再生を行える光ピックアップであっても、従来から大量に供給されたCD、DVDに対しても情報の記録および/または再生を確保する必要がある。さらに、BD、HDの規格が同時に普及した場合は、BD、HD、DVD、CDの光学系を一体にすることが望ましい。
そして、記録,再生すべき光記録媒体の種類に応じて、適切な波長の光源を選択し、この選択した光束に対して適切な光学処理を施し、それぞれの光記録媒体の基板厚の違いによって生じる球面収差を補正することが望ましい。
4つの異なる光記録媒体を1つの光ピックアップを用いて記録あるいは再生するものとしては、2つの対物レンズを用いる手段が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−339718号公報 特開2005−209299号公報
しかしながら、前記の特許文献2の手段では、2つの対物レンズを用いるため、部品点数が多くなり、小型化,低コスト化に適さない。さらに、光記録媒体に応じて、対物レンズを可動させる必要があるため、アクチュエータの機構が複雑となる上、情報へのアクセス時間がかかるという課題が生じる。
4種類の光記録媒体を記録,再生する互換型の光ピックアップにおいて、小型化,低コスト化を実現させるためには、対物レンズを含めて、共通の光学系で達成されることが望ましい。
使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズで、異なる基板厚を有する4種類の光記録媒体の記録面に、必要なNA(開口数)で光束を収束する光ピックアップおよび光情報処理装置として、同心円状の回折構造を有する収差補正素子を使用する方法が提案されている。
この場合、対物レンズと収差補正素子との光軸が精度良く一致していれば、記録,再生すべき光記録媒体の種類に応じて、適切な光学処理を施し、それぞれの光記録媒体の基板厚の違いによって生じる球面収差を補正できる。
しかしながら、対物レンズの光軸に対して収差補正素子が偏芯した場合には、それぞれの光記録媒体の基板厚の違いによって生じる球面収差を補正しきれなかったり、コマ収差が生じてしまう。
また、実際の組み付けに際しても、対物レンズと収差補正素子の光軸を精度良く一致させるのは非常に困難であり、前述した収差劣化を避けることが困難であった。
従来技術(特願2007−6975)には、偏芯による収差劣化を抑制する一案として、横ズレによる波面劣化を低減すために、対物レンズに起因する波面の横ズレにより発生するコマ収差と、収差補正素子からの出射する発散光が持つ球面収差の横ズレにより発生するコマ収差を、逆方向に発生させることで低減させている。
この場合、収差補正素子からの出射する光束の発散角をより大きくする必要があるため、より多くの輪帯数が必要となる。つまり、回折構造のピッチが小さくなり、この回折構造のピッチが小さくなると、回折構造を製造するにあたり、難易度が上がることになる。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズで、異なる基板厚を有する4種類の光記録媒体の記録面に、必要な開口数(NA)で光束を収束すること、また、対物レンズ光軸に対する収差補正素子の偏芯(ズレ)で生じる収差劣化を抑制し、かつ回折構造のピッチのより大きな収差補正素子を提供することを目的している。
収差補正素子のみで偏芯で生じる収差劣化を抑制するためには、前述したように回折構造のピッチを小さくする必要があり、製造の難易度が上がる。本発明の目的は、偏芯で生じる収差劣化の抑制を、収差補正素子へ入射する光束の角度調整によって行うことができ、かつ回折構造のピッチがより大きい収差補正素子を提供することである。
つまり、本発明は、製造容易な回折構造を形成し、かつ対物レンズ光軸に対する収差補正素子の偏芯で生じる収差劣化を抑制することができる光ピックアップおよび光情報処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した発明は、基板厚,適用波長の異なる複数種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、波長の異なる複数の光源と、光源からの出射光をカップリングするカップリングレンズと、所定の基板厚に最適化されカップリングレンズからの出射光を光記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、光記録媒体の基板厚と、対物レンズを最適化した基板厚との基板厚差により生じる球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、補正素子を保持する保持部材とを備え、対物レンズの光軸に対する補正素子の光軸の偏芯に応じて、少なくとも1つの光源の発光点を偏芯配置したことにより、対物レンズの光軸に対し収差補正素子の光軸が偏芯した場合に生じる収差劣化を抑制することができる。
また、請求項2に記載した発明は、基板厚,適用波長の異なる複数種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、波長の異なる複数の光源と、光源からの出射光をカップリングするカップリングレンズと、所定の基板厚に最適化されカップリングレンズからの出射光を光記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、記録媒体の基板厚と、対物レンズを最適化した基板厚との基板厚差により生じる球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、補正素子を保持する保持部材とを備え、対物レンズの光軸に対する補正素子の光軸の偏芯に応じて、少なくとも1つのカップリングレンズの光軸を偏芯配置したことにより、対物レンズの光軸に対し収差補正素子の光軸が偏芯した場合に生じる収差劣化を抑制することができる。
また、請求項3に記載した発明は、基板厚と適用波長の組合せ(T,λ)が、(T1,λ1),(T2,λ1),(T2,λ2),(T3,λ3)、かつ基板厚がT1<T2<T3、波長がλ1<λ2<λ3の関係である4種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、波長λ1,λ2,λ3の3つの光源と、光源からの光束をカップリングする1以上のカップリングレンズと、(T1,λ1)の光記録媒体に最適化された1つの対物レンズと、他の種類の光記録媒体に集光したときの基板厚差による球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、補正素子を保持する保持部材とを備え、補正素子は、対物レンズの光軸に対して偏芯した際に発生する収差が主にコマ収差となる構造を有し、対物レンズとの組合せ特性として、(T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては、光源を対物レンズの光軸に一致する配置とし、(T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては、対物レンズの光軸に対する補正素子の光軸の偏芯に応じて、波長λ2と波長λ3の光源の発光点を偏芯配置したことにより、対物レンズ光軸に対する収差補正素子光軸の偏芯により生じる収差を、(T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては同時に許容範囲を満足し、(T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては光源を偏芯配置することにより、収差補正素子に入射する光束の角度調整をして偏芯による収差劣化を抑制することができる。
また、請求項4に記載した発明は、基板厚と適用波長の組合せ(T,λ)が、(T1,λ1),(T2,λ1),(T2,λ2),(T3,λ3)、かつ基板厚がT1<T2<T3、波長がλ1<λ2<λ3の関係である4種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、波長λ1,λ2,λ3の3つの光源と、光源からの光束をカップリングする1以上のカップリングレンズと、(T1,λ1)の光記録媒体に最適化された1つの対物レンズと、他の種類の光記録媒体に集光したときの基板厚差による球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、補正素子を保持する保持部材とを備え、補正素子は、対物レンズの光軸に対して偏芯した際に発生する収差が主にコマ収差となる構造を有し、対物レンズとの組合せ特性として、(T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては、波長λ1に対応するカップリングレンズを対物レンズ光軸に一致する配置とし、(T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては、対物レンズの光軸に対する補正素子の光軸の偏芯に応じて、波長λ2,λ3に対応するカップリングレンズを偏芯配置したことにより、対物レンズ光軸に対する収差補正素子光軸の偏芯により生じる収差を、(T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては同時に許容範囲を満足し、(T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては波長λ2,λ3に対応のカップリングレンズを偏芯配置することにより、収差補正素子に入射する光束の角度調整をして偏芯による収差劣化を抑制することができる。
また、請求項5に記載した発明は、記録密度の異なる複数種類の光記録媒体に対して記録,再生,消去のうち1以上行う光情報処理装置において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことにより、4種類の光記録媒体に対して、発生する収差を補正し、かつ効率低下を抑制できる。
本発明によれば、対物レンズの光軸に対して収差補正素子の光軸が偏芯することで生じる収差劣化を抑制して、組み付け公差を大きくでき、かつ回折構造のピッチを大きくすることが可能なため回折構造の製造が容易となり製造公差も大きくできる高精度な光ピックアップと、これを用いることで高精度な情報の記録,再生が可能な光情報処理装置を得ることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態1における光ピックアップの概略構成を示す図である。図1に示すように、単一の対物レンズ106で、異なる光源波長を用いて、4種類の光記録媒体(BD系,HD系,DVD系,CD系)を異なる有効瞳半径で記録または再生を行う互換型の光ピックアップである。
BD系,HD系,DVD系,CD系の光記録媒体107,117,127,137の基板厚は、それぞれ0.1mm,0.6mm,0.6mm,1.2mmであり、それぞれBD系,HD系,DVD系,CD系の光記録媒体に対応する。開口数は、それぞれNA0.85,NA0.65,NA0.65,NA0.45であり、また第1,第2,第3の光源の波長λ1,λ2,λ3は、それぞれ405nm,660nm,785nmである。
図1に示す光ピックアップは、BD系光記録媒体107,HD系光記録媒体117に対して、半導体レーザ101,コリメートレンズ102,プリズム104,1/4波長板105,対物レンズ106,偏光ビームスプリッタ103,検出レンズ108,受光素子110,収差補正素子501により構成される。第1の光源である半導体レーザ101の中心波長は405nmであり、対物レンズ106の開口数(NA)は0.85である。HD系光記録媒体117に対する対物レンズ106の開口数(NA)は0.65であり、このNAの切替えは収差補正素子501により制限される。BD系光記録媒体107の基板厚は0.1mm、HD系光記録媒体117の基板厚は0.6mmとする。
半導体レーザ101の出射光は、コリメートレンズ102により略平行光にされる。コリメートレンズ102を通過した光は偏光ビームスプリッタ103に入射し、プリズム104より偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正素子501,対物レンズ106を介して集光されることにより、情報の記録,再生がされる。BD系光記録媒体107からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、偏光ビームスプリッタ103により入射光と分離して偏向され、検出レンズ108により受光素子110上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
また、DVD系光記録媒体127に対して、中心波長が660nmの半導体レーザ130aから出射した光は、発散角変換レンズ132,波長選択性ビームスプリッタ133を経て、プリズム104により偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正素子501,対物レンズ106を介して、DVD系光記録媒体127に集光される。このDVD系光記録媒体127の基板厚は0.6mmであり、対物レンズ106のNAは0.65である。NAの切替えは、収差補正素子501により制限される。DVD系光記録媒体127からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、波長選択性ビームスプリッタ133により偏向され、ホログラム素子130bにより入射光と分離して受光素子130c上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
さらに、CD系光記録媒体137に対して、中心波長が785nmの半導体レーザ140aから出射した光は、発散角変換レンズ142,波長選択性ビームスプリッタ143を経て、プリズム104により偏向される。そして、1/4波長板105,収差補正素子501,対物レンズ106を介して、CD系光記録媒体137に集光される。このCD系光記録媒体137の基板厚は1.2mmであり、対物レンズのNAは0.45である。NAの切替えは、収差補正素子501により制限される。CD系光記録媒体137からの反射光は対物レンズ106,1/4波長板105を通過した後、波長選択性ビームスプリッタ143により偏向され、ホログラム素子140bにより入射光と分離して受光素子140c上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
ここで、対物レンズ106は厚さ0.1mmのBD系光記録媒体107を高精度に記録,再生できるように最適に設計されている。設計波長は405nmであり、405nmでは波面収差が0.01λrms以下と十分小さくなるよう設計されている。なお、本実施形態1の対物レンズ106は、厚さ0.1mmのBD系光記録媒体107に最適に設計されているが、これに限定されるものではない。例えば、情報記録面を2層有する2層のBD系光記録媒体では、情報記録面は光の入射側から0.075mmと0.1mmの位置に有するため、その中間値の厚さ0.0875mmを設計中央値とするように、異なる厚さの基板厚に最適設計されていても良い。
本実施形態1における対物レンズ106は両面非球面形状であり、面の頂点を原点とし、光源から光記録媒体へ向かう光軸方向をX軸とした直交座標系において、rを近軸曲率半径、κを円錐形数、A,B,C,D,E,F,G,H,J,・・・を非球面係数とするとき、面の光軸方向の距離xと半径Rの関係より、非球面形状は、(数1)
Figure 2009043386
で表される。各面および各領域の面データを(表1)に示す。
Figure 2009043386
ここで、ガラスの硝材は住田光学製のKVC81、対物レンズの有効瞳半径は2.15mmである。なお、対物レンズ106の材料としては、ガラスに限らず、樹脂を用いても良い。
図2〜図5は収差補正素子501を説明するための図であり、図2,図3は拡大された断面図、図4,図5は各回折面を示す図である。
収差補正素子501は、HD系光記録媒体117に対して、405nmの半導体レーザ101から出射した光が、対物レンズ106で基板厚の違いにより発生する球面収差と、DVD系光記録媒体127に対して、中心波長が660nmの半導体レーザ130aから出射した光と、CD系光記録媒体137に対して、中心波長が780nmの半導体レーザ140aから出射した光が、基板厚の違いと、波長の違いにより発生する球面収差を補正するための互換素子である。さらに、収差補正素子501は、それぞれの光記録媒体に対して、対物レンズ106の開口切替えするための開口制限の機能を有する。
図2は本実施形態1における収差補正素子501と対物レンズ106の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、収差補正素子501と対物レンズ106は、鏡筒121により同軸で一体化されている。具体的には、円筒状の鏡筒121の一端に、収差補正素子501を固定し、他端に対物レンズ106を固定して、これらを光軸に沿って同軸に一体化した構成となっている。対物レンズ106は、主として鏡筒121の内側に凸の形状をしたレンズ面を有する。
いま、BD系,HD系,DVD系,CD系光記録媒体107,117,127,137を記録,再生するときに、対物レンズ106はトラッキング制御により、光軸に対して垂直方向に±0.5mm程度の範囲内で移動する。ところが、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対しては、収差補正素子501により回折を受けるため、収差補正素子501が移動せずに、対物レンズ106だけが移動すると、収差が発生して集光スポットが劣化してしまう。
そこで、収差補正素子501と対物レンズ106を一体化させ、トラッキング制御時に一体で移動させることにより、良好な集光スポットを得る構成としている。なお、収差補正素子501または対物レンズ106の少なくとも一方にフランジを設け、このフランジを介して直接一体化する構成にしても良い。また、対物レンズ106と鏡筒121、さらには対物レンズ106,鏡筒121,収差補正素子501すべてが一体化する構成にしても良い。
図3に本実施形態1の収差補正素子501の断面図を示す。収差補正素子501は、回折構造が形成されている第1の回折面502と第2の回折面503を有する。なお、第1の回折面502と第2の回折面503の配置は逆であっても良い。また、個別の素子にそれぞれの回折面が形成されていても良い。ここでいう回折面とは、垂直断面形状を凹凸形状とした回折構造が形成されている面である。平板面または曲面の一部に回折構造が形成されていれば良く、回折構造が形成されていない領域があって良い。
また、収差補正素子501の材料として樹脂を用いる。樹脂は、ガラスと比べて軽く、かつ成型加工が容易であるため大量生産がしやすい。本実施形態1の収差補正素子501は対物レンズ106の可動部120に搭載され、対物レンズ106と一体駆動するため、軽い方が望ましい。樹脂として例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)を用いる。PMMAは、高い透明性,耐候性を有し、特に射出成形に適合する強みがあるため光学部品に最も広く使用されている樹脂の1つである。また吸湿が小さい日本ゼオン社製の光学樹脂であるZEONEX(ゼオネックス:登録商標)を用いても良い。さらに、収差補正素子501の材料としては、紫外線硬化樹脂を含むあらゆる光学樹脂、光学ガラスに適応可能である。
そして、第1の回折面502は、図4に示すように光束が通過する範囲内に、同心円状に分割された3つの領域、第1の中心領域502a、第2の中心から2番目の領域502b、第3の中心から3番目の領域502cを有する。
中心領域502aはCD系光記録媒体137に対するNA0.45の領域に相当し、本実施形態1では半径1.25mmと設定する。中心領域502aには、波長405nmの第1の光束をそのまま透過させ、DVD系,CD系光記録媒体127,137の基板厚の違いと、波長の違いより生じる球面収差を補正するように、第2,第3の光束を回折させる回折構造が形成されている。
2番目の領域502bは、CD系光記録媒体137に対するNA0.45の領域からDVD系光記録媒体127に対するNA0.65の領域に相当し、本実施形態1では半径1.25mmから1.715mmに設定する。2番目の領域502bには、波長405nmの第1の光束をそのまま透過させ、DVD系光記録媒体127の基板厚の違いと、波長の違いより生じる球面収差を補正するように、第2の光束を回折させ、かつ第3の光束は、CD系光記録媒体137の記録面に集光しないような回折構造が形成されている。
3番目の領域502cは、DVD系光記録媒体127に対するNA0.65からBD系光記録媒体107に対するNA0.85の領域に相当し、本実施形態1では半径1.715mmから2.15mmに設定する。3番目の領域502cは回折構造が形成されない平坦部であり、第1,第2,第3の光束をそのまま透過させるため、BD系光記録媒体107に対しては対物レンズ106より集光され、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対しては集光されない構造となる。
したがって、第1の回折面502は、DVD系,CD系光記録媒体127,137に対して、第2,第3の光束で発生する収差を補正し、かつ開口を切り替えるような構成となり、良好なスポットを形成できる。
また、収差補正素子501の中心領域502aの断面は、図3に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。各輪帯状凹凸部は階段形状であり、4つの段数を有する。ここで、段数とは、最下段も含めて数えている。輪帯状凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
輪帯状凹凸部のピッチは、DVD系光記録媒体127に対しては、−1次回折光、CD系光記録媒体137に対しては、−2次回折光を用い、それぞれで発生する収差を補正するよう設定される。
第1の回折面502の光路差関数は、(数2)
Figure 2009043386
と定義される。
ただし、光軸垂直面の光軸と交わる点を原点とし、光軸方向をX軸とした直交座標系において、φは光路差関数、Rは半径(光軸からの距離)、C1,C2,・・・は光路差係数である。中心領域502aの面における光路差係数を(表2)に示す。
Figure 2009043386
収差補正量がより大きいCD系光記録媒体137に対して用いる回折光の次数の方を、DVD系光記録媒体127より大きくすると、DVD系,CD系光記録媒体127,137に対して同時に、収差を補正することが可能となる。つまり、第1,第2,第3の光束で最も強く発生する回折光の次数を、それぞれN11,N12,N13とするとき、|N11|<|N12|<|N13|の関係が成り立つ必要がある。
本実施形態1では、N11=0,N12=−1,N13=−2としている。これは用いる次数は小さい方が、回折効率が高いためである。
また、収差補正素子501の2番目の領域502bの断面は、図3に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状の凹凸部からなる。各輪帯状の凹凸部は階段形状であり、5つの段数を有する。輪帯状の凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
この輪帯状の凹凸部のピッチは、DVD系光記録媒体127に対して、発生する収差を補正するよう設定される。したがって、第1,第2の光束で最も強く発生する回折光の次数を、それぞれN21,N22とするとき、|N21|<|N22|が成り立つよう設定する。本実施形態1ではN21=0,N22=+1を用いた。
2番目の領域502bの光路差係数を(表3)に示す。
Figure 2009043386
2番目の領域502bは、CD系光記録媒体137に対しては開口を制限する機能を有するよう、−2次回折光が発生しない階段状の溝深さが設定されている。
図6(a)はCD系光記録媒体上に集光するときの光束、図6(b)はCD系光記録媒体上に形成されるスポットを示す図である。中心領域502aを通過する光束は−2次回折光として、CD系光記録媒体137上に集光される。一方、2番目の領域502bを通過する光束は、0次回折光として、そのまま透過するため、CD系光記録媒体137上では、集光せず周辺にフレア光として大きく広がり、記録再生に影響しない。
また、収差補正素子501の第2の回折面503は、図5に示すように光束が通過する範囲内に、同心円状に分割された2つの領域(中心領域503a、2番目の領域503b)を有する。
中心領域503aはHD系光記録媒体117に対するNA0.65の領域に相当し、本実施形態1では半径1.6mmと設定する。中心領域503aには、波長405nmの第1の光束をそのまま透過させ、BD系光記録媒体107に集光し、かつHD系光記録媒体117の基板厚の違いにより生じる球面収差を補正するように、第1の光束を回折させる回折構造が形成されている。
つまり、第2の回折面503は入射光の一部を0次回折光、一部を±1次以上の回折光として出射するため、対物レンズ106と組み合わせた2焦点レンズの構成となる。同じ波長で、異なる基板厚を有するBD系,HD系光記録媒体107,117上にそれぞれ回折限界まで集光するスポットを形成する。この回折面により、回折された光束と回折されない光束は、光軸上の異なる焦点位置に集光され、それぞれの光記録媒体上にスポットを形成する。
そして、一方の焦点で情報の記録再生をしているときには、他方の焦点を集光点とする光束は大きく広がっており光強度は小さく、記録再生には影響を与えない。
2番目の領域503bは、HD系光記録媒体117に対するNA0.65からBD系光記録媒体107に対するNA0.85の領域に相当し、本実施形態1では半径1.6mmから2.2mmに設定する。2番目の領域503bは回折構造が形成されない平坦部であり、第1,第2,第3の光束をそのまま透過させるため、BD系光記録媒体107に対しては対物レンズ106より集光され、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137に対しては集光されない構造となる。
したがって、第2の回折面503は、HD系光記録媒体117に対して発生する収差を補正し、かつ開口を切り替えるような構成となり、良好な集光スポットを得ることができる。
また、収差補正素子501の中心領域503aの断面は図3に示されるように同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。各輪帯状凹凸部は階段形状であり、3つの段を有する。輪帯状凹凸部のピッチは、この回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に狭くなっている。
輪帯状凹凸部のピッチは、HD系光記録媒体117に対しては、+1次回折光で収差を補正するよう設定される。中心領域503a面の光路差係数を(表4)に示す。
Figure 2009043386
次に、第2の回折面503の各段の溝深さについて説明する。中心領域503aは、第1の光束に対しては、対物レンズ106と組み合わせて2焦点レンズの構成となるため、0次回折光と+1次回折光を発生するよう、さらに、第2,第3の光束に対しては、0次回折光の効率が良くなるように、回折構造の溝深さを設定することが望ましい。
なお、本実施形態1は、材料をPMMA、段数を3段、回折光の次数を0次と1次に設定したが、これに限定されるものではない。また、0次回折光と+1次回折光の効率配分をほぼ同じに設定したが、使用方法に応じて、効率配分を変えることが望ましい。回折構造の溝深さを浅くすれば0次透過光が増し、深くすれば+1次回折光が増すことから、例えばBD系光記録媒体107は記録再生、HD系光記録媒体117は再生のみに対応させるような場合は、0次回折光の配分を増やせば良い。
また、2番目の領域503bは、回折構造のない平坦部になっている。図3に示す2番目の領域503bの平坦部の高さは、回折構造の最下段に対して第1の光束の波長の整数倍になるように設定する。本実施形態1では、回折構造の最下段と同じ高さに設定した。
この2番目の領域503bの平坦部を透過した光束は、HD系光記録媒体117に対して、スポット形成には不要光となる。つまり、HD系,DVD系,CD系光記録媒体117,127,137上では、図6(b)に示したのと同様にフレア光として大きく広がる。
また、第2の回折面503の実形状を図3に示す。この回折面と対物レンズ106の組合せにより、2焦点レンズを実現し、BD系,HD系光記録媒体107,117に良好な集光スポットを形成し、第2,第3の光束に対しては、0次回折光として効率よく透過させる。
本実施形態1における収差補正素子の外形形状について、説明する。図4,図5に示したように、収差補正素子501の外形の形状は、回折部と平坦部との境界と同様の円形状とする。なお、円形状とは、多角形を含み、図7のような8角形においても、同様の効果が得られる。
そして、本実施形態1における収差補正素子501は、その回折構造が対物レンズ106に対して偏芯した場合に、第1,第2,第3の光束のうち少なくとも1つの光束において、主にコマ収差を発生する構造を有している。
以下では、第1の波長λ1:405nmのBD系,HD系に対しては光源を対物レンズ光軸に一致する配置とし、(T2,λ2)=(基板厚:0.6mm,適用波長:660nm)のDVD系光記録媒体と、(T3,λ3)=(基板厚:1.2mm,適用波長:785nm)のCD系光記録媒体に対しては、対物レンズ106の光軸に対する収差補正素子501の光軸の偏芯に対し、波長λ2と波長λ3の光源の発光点を偏芯配置した場合について説明する。
図8,図9はDVD系,CD系のそれぞれにおいて、収差補正素子501の光軸の偏芯量(素子シフト)に対する収差の関係を示す図である。なお、ワーキングディスタンス(以下:WDという)はCD系のWDを0.5mmとした。偏芯によって発生する収差が主にコマ収差となっていることがわかる。
図10,図11はDVD系,CD系のそれぞれにおいて、収差補正素子501に入射する光束の角度(画角)に対する収差の関係を示す図である。ここでも発生する収差が主にコマ収差となっているため、偏芯によって発生したコマ収差を補正するために収差補正素子501への入射光束の角度を調整し場合、コマ収差をキャンセルでき、また角度調整によって生じるコマ収差以外の収差は抑制することができる。
なお、ここでいう、「主に」という意味は偏芯,画角によって生じるコマ収差,球面収差,非点収差,高次収差をそれぞれΔCOMA,ΔSA,AS,Δhighとすると「ΔCOMA<ΔSA,ΔCOMA<AS,ΔCOMA<Δhigh」となっていることを表す。
このような構成とすると、偏芯によるコマ収差を収差補正素子501への入射光の角度を調整することでキャンセルすることができ、光ピックアップ全体のコマ収差を低減できる。
本実施形態1では、収差補正素子501の回折構造が対物レンズ106に対して軸ズレした場合に発生する収差劣化の低減を、収差補正素子の偏芯に対して同一方向または逆方向に光源の発光点を適切な量だけ動かすことで行う。光源の発光点を調整して収差補正素子501に傾いて光束を入射させることで、偏芯によって生じたコマ収差をキャンセルするようにコマ収差を発生させることができる。
図12は対物レンズ106の光軸に対して、収差補正素子501が偏芯した際の光源の調整方向を示している。なお、本実施形態1では、収差補正素子501の偏芯方向とは逆の方向に光源を偏芯配置とする例を挙げているが、WDを調整して、収差補正素子501の偏芯方向と同じ方向に光源を偏芯配置としても良い。
また、図13は(T1,λ1)=(基板厚:0.0875mm,適用波長:405nm)のBD系光記録媒体に最適化された対物レンズ106との組合せ特性として、(T2,λ2)=(基板厚:0.6mm,適用波長:660nm)のDVD系光記録媒体に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図である。横軸は収差補正素子501の対物レンズ106に対する偏芯量、縦軸に光源位置調整(LDシフト)の前後における波面収差の関係を示しており、光源位置調整(LDシフト)によって良好に収差補正がなされていることがわかる。
例えば、偏芯30μmの場合、光源位置調整前ではで0.02λrmsの収差劣化(Total:0.04λrms)であるが、収差補正素子501の偏芯方向と逆方向に光源位置調整(LDシフト)を行うと、収差劣化を0.006λrms以下(Total:0.022λrms)にできる。偏芯80μmの場合にはLDシフトを行えば、0.015λrmsの収差劣化(Total:0.037λrms)となる。したがって、収差劣化を0.02λrmsまで許容する場合には偏芯80μmまで許容されることになる。
また、図14は(T1,λ1)=(基板厚:0.0875mm,適用波長:405nm)のBD系光記録媒体に最適化された対物レンズ106との組合せ特性として(T3,λ3)=(基板厚:1.2mm,適用波長:785nm)のCD系光記録媒体に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図である。偏芯50μmの場合、LDシフトの調整前ではで0.014λrmsの収差劣化(Total:0.03λrms)である。そこで、収差補正素子の偏芯方向と逆方向に光源の位置調整を行うと、収差劣化は0.007λrms(Total:0.017λrms)に改善する。偏芯100μmの場合にLDシフトを行えば、収差劣化は0.013λrms(Total:0.03λrms)となる。したがって、収差劣化を0.02λrmsまで許容する場合には偏芯100μmまで許容されることになる。
前述の説明では、DVD系とCD系の光源を単独で調整する場合を挙げたが、DVD系とCD系の光源が1チップ内に形成された2波長の半導体レーザ(LD)を用いる際にも、光源位置調整によってDVD系とCD系の偏芯による収差劣化を同時に低減させても良い。
本実施形態1のように、対物レンズ106の光軸に対して収差補正素子501が偏芯した場合に、光源を収差補正素子501の偏芯に対して位置調整を行うことで光ピックアップ全体の収差を低減し、組み付け公差を大きくすることができる。
なお、収差補正素子501の偏芯方向に対する光源の調整方向を、収差補正素子501の偏芯に対して同一方向にするか、または逆方向にするかはWDよって変化する。
本実施形態1では収差補正素子の偏芯方向と逆方向に光源位置調整を行う場合を挙げたが、WDを選択して収差補正素子の偏芯方向と同一方向に位置調整を行うような収差補正素子の構造にしても良い。
また、図15は、(T1,λ1)=(基板厚:0.0875mm,適用波長:405nm)のBD系光記録媒体に最適化された対物レンズ106との組合せ特性として(T2,λ1)=(基板厚:0.6mm,適用波長:405nm)のHD系光記録媒体の光軸の偏芯量(素子シフト)に対する収差の関係を示す図である。偏芯50μmの場合、波面収差の劣化量は0.0043λrmsである。
前述したように、DVD系で収差劣化を0.02λrmsまで許容する場合、光源調整を行うと偏芯80μmでも許容可能となる。HD系で偏芯80μmのときは収差劣化は0.02λrms以下であるため、光源位置の調整を行わなくても必要波面を得ることができる。
このように、本実施形態1では、BD系に最適化された対物レンズ106の光軸にλ1:405nmの光源を一致する配置とすればHD系に対しても必要波面収差を満たす構成にしている。このような構成にすると、組みつけが容易になるため好都合である。
本実施形態1ではHD系において、収差補正素子501が対物レンズ106に対して偏芯しても、λ1:405nmの光源の調整を行わない例を挙げたが、BD系とHD系の収差許容量を満足する範囲内であれば、λ1の光源を位置調整し、偏芯による収差劣化を低減させても良い。
なお、前述した光源の調整量はこれに限るものではない。収差補正素子501に光束が傾いて入射することによりコマ収差が発生するので、光源の調整量はカップリングレンズの焦点距離fCLに依存する。光源をδだけ変位させることによるカップリングレンズ出射光の振れ角をθとすると、(数3)
Figure 2009043386
なので、カップリングレンズの焦点距離が短いほど光源の調整量は少なくなる。
例えば、対物レンズ106と収差補正素子501の偏芯量がY方向に+0.1mmあった場合、カップリングレンズの焦点距離fCLが22mmの場合は、DVD系用の光源をY方向に−0.3mm変位させることにより、波面収差を0.038λに改善させることができる。カップリングレンズの焦点距離fCLが14.5mmの場合は、光源をY方向に0.2mm変位させることにより波面収差を0.045λに改善させることができる。
つまり、(数3)からfCL:22mmの場合、0.3/22≒0.014であり、fCL:14.5mmの場合、0.2/14.5≒0.014となり、光源調整によるカップリングレンズ出射光の振れ角がほぼ等しくなっている。
次に、本実施形態1の収差補正素子501について、詳細に説明する。前述したように本実施形態1の収差補正素子501は、この収差補正素子501の光軸と対物レンズ106の光軸とが横ズレした際に発生する収差が主にコマ収差となる回折構造が形成された構成である。
収差補正素子501が横ズレした場合の収差の大きさと、横ズレによるコマ収差を補正する角度の調整量は、収差補正素子501の回折面設計時にWDで調整することができる。以下に、DVD系,CD系についてのWDの調整について説明する。
図16はDVD系において、縦軸に収差補正素子が対物レンズに対して30μm偏芯した際の収差と、偏芯によって生じたコマ収差をキャンセルするように収差補正素子への入射光の角度調整を行った後の収差を表す図である。図16に示すように、WDが0.5mm以上では、画角調整によって偏芯により発生した収差を完全に補正できることがわかる。偏芯による収差劣化を良好に補正するには本実施形態1の場合はWDを0.4mm以上にすることが望ましい。
また、前述した従来技術(特願2007−6975)では、偏芯に対して収差劣化を低減する方法として、回折面から光束の発散角度を大きくし、対物レンズに起因する波面の横ズレにより発生するコマ収差と、発散光が持つ球面収差の横ズレにより発生するコマ収差を逆方向に発生させるようにWDを選択している。この場合、回折光の発散角度を大きくするにはWDを大きくする必要があり、本実施形態1ではWD:0.65以上に相当する。しかし、一般的にWDが大きいほど回折構造のピッチは小さくなるため、回折構造の製造が困難となる。
そこで、本実施形態1のように、偏芯による収差劣化に対して角度調整を行えば、WDを小さく(本実施形態1のWD:0.65以下)しても収差劣化を補正できるため、回折構造のピッチを大きくすることができる。つまり、回折構造の製造を容易にすることができる。
なお、WD:0.3付近では収差補正素子への入射角調整後も波面収差が入射角調整によって生じた収差劣化分を補正できていない。これは収差補正素子に角度を持って光束を入射させた場合に発生するコマ収差が小さいことに起因している。
図17は対物レンズの光軸に対して0.5度傾いた光束が収差補正素子に入射した際に発生するコマ収差を示す図である。図17において、DVD系ではWD:0.32でコマ収差がほぼ0となる。WD:0.32付近では収差補正素子に入射する光束の角度調整によって生じるコマ収差が小さいため、偏芯によって生じたコマ収差を角度調整では完全にはキャンセルできないか、仮にキャンセルできても調整する角度を大きくしなければならないためコマ収差以外の収差成分が大きくなってしまう。
なお、図20に示すように、WD:0.32では収差補正素子を出射する光束は平行光となっており、WDが大きいほど収差補正素子を出射する光束の発散角は大きくなる。
図18はDVD系において30μm偏芯した際に発生する収差成分を表す図である。図18に示すように、コマ収差以外の収差成分はほぼ0であることがわかる。また、30μm偏芯した際に発生するコマ収差の大きさは、WDをWD:0.65から小さくしていくと、増加することがわかる。
図19はDVD系において30μm偏芯した際に発生するコマ収差をキャンセルする光束の角度を示す図である。図19に示すように、WDを小さくしていくと、偏芯によって発生したコマ収差をキャンセルするには、光束の角度を大きく調整する必要があることがわかる。これは、WDを小さくすると偏芯によるコマ収差は増加し、画角調整によって発生するコマ収差も小さくなるからである。
以上の点から、偏芯によって生じたコマ収差を角度調整によってキャンセルするには、収差補正素子を出射した光束が少なくとも発散光となるようにWDを選択することが好ましい。
また、図21はCD系において、縦軸に収差補正素子が対物レンズに対して30μm偏芯した際の収差と、偏芯によって生じたコマ収差をキャンセルするように収差補正素子への入射光の角度調整を行った後の収差を表す図である。WDが0.35mm以上では、画角調整によって偏芯により発生した収差を良好に補正できることがわかる。
そして、前述した従来技術(特願2007−6975)のように、収差補正素子への入射光の角度調整をせずに偏芯に対して収差劣化を低減するには、回折面からの光束の出射角を大きくするためにWDを大きくする必要があるが、一般的にWDが大きいほど回折構造のピッチは小さくなる。本実施形態1ではWDをWD:0.55以下にしても偏芯による収差劣化を補正できるため回折構造のピッチを大きくすることができ、回折構造の製造を容易にすることができる。
図17は対物レンズの光軸に対して0.5度傾いた光束が収差補正素子に入射した際に発生するコマ収差を示す図である。図17において、CD系ではWD:0.26でコマ収差がほぼ0となる。WD:0.26付近では収差補正素子に入射する光束の角度調整によって生じるコマ収差が小さいため、差偏芯によって生じたコマ収差を角度調整では完全にはキャンセルできないか、仮にキャンセルできても調整角度を大きくしなければならないためコマ収差以外の収差成分が大きくなってしまう。
なお、図20に示すように、WD:0.26では収差補正素子を出射する光束は平行光となっており、WDが大きいほど収差補正素子を出射する光束の発散角は大きくなる。
図22はCD系において30μm偏芯した際に発生する収差成分を表す図である。図22に示すように、コマ収差以外の収差成分はほぼ0であることがわかる。また、30μm偏芯した際に発生するコマ収差の大きさは、WDをWD:0.55から小さくしていくと、増加することがわかる。
図19はCD系において30μm偏芯した際に発生するコマ収差をキャンセルする光束の角度を示す図である。図19に示すように、WDを小さくしていくと、偏芯によって発生したコマ収差をキャンセルするには、光束の角度を大きく調整する必要があることがわかる。これは、WDを小さくすると偏芯によるコマ収差は増加し、画角調整によって発生するコマ収差も小さくなるからである。
以上の点から、偏芯によって生じたコマ収差を角度調整によってキャンセルするには、収差補正素子を出射した光束が少なくとも発散光となるようにWDを選択することが好ましい。
次に、収差補正素子の偏芯方向に対する、光源の調整方向について説明する。図19にDVD系,CD系の30μm偏芯した際に発生するコマ収差をキャンセルする光束において、対物レンズの光軸に対する角度を表す図で、縦軸の符号は、収差補正素子の偏芯方向と同じ方向に光源を偏芯配置した際の光束角度がプラスとなるようにとっている。
図19に示すように、DVD系はWD:0.65以下では光源の調整方向は収差補正素子の偏芯方向と逆方向に光源を偏芯配置させ、WD:0.65より大きい場合は、光源は収差補正素子の偏芯方向と同方向に光源を偏芯配置とする。同様に、CD系はWD:0.55以下では光源の調整方向は収差干し素子の偏芯方向と逆方向に光源を偏芯配置させ、WD:0.55より大きい場合は、光源は収差補正素子の偏芯方向と同方向に光源を偏芯配置させる。
また、DVD系とCD系の光源が1チップ内に形成された2波長LDを用いる際には、DVD系とCD系を同じ方向に偏芯配置させて収差劣化分をキャンセルできるように、WDはWD:0.55以下かWD:0.65以上にすることが好ましい。
本発明の実施形態2について説明する。前述の実施形態1では収差補正素子への入射角の調整方法として、光源の発光点を調整する例を挙げたが、本実施形態2では収差補正素子への入射角の調整をカップリングレンズ(CL)の位置調整により行った例を説明する。
以下では、第1の波長λ1:405nmのBD系,HD系に対してはカップリングレンズ(図1に示すコリメートレンズ102)を対物レンズ光軸に一致する配置とし、(T2,λ2)=(基板厚:0.6mm,適用波長:660nm)のDVD系光記録媒体と、(T3,λ3)=(基板厚:1.2mm,適用波長:785nm)のCD系光記録媒体に対しては、対物レンズ106の光軸に対する収差補正素子501の光軸の偏芯に対し、波長λ2と波長λ3に対応するカップリングレンズ(図1に示す発散角変換レンズ132,142)を偏芯配置した場合について説明する。
図23は本実施形態2のカップリングレンズの調整方向を示している。本実施形態2では、収差補正素子501の偏芯方向と同じ方向にカップリングレンズの調整方向を偏芯配置とする例を挙げているが、収差補正素子501のWDを調整して、収差補正素子501の偏芯方向と同じ方向に光源を偏芯配置としても良い。
図24は(T1,λ1)=(基板厚:0.0875mm,適用波長:405nm)のBD系光記録媒体に最適化された対物レンズ106との組合せ特性として(T2,λ2)=(基板厚:0.6mm,適用波長:660nm)のDVD系光記録媒体に対して、収差補正素子501の対物レンズ106に対する偏芯量と、カップリングレンズの位置調整の前後における波面収差の関係を示している。カップリングレンズの位置調整前では偏芯40μmで0.03λrmsの収差劣化(Total:0.05λrms)である。そこで、収差補正素子501の偏芯方向と同一方向にカップリングレンズの位置調整を行った場合、偏芯50μmで0.019λrmsの収差劣化(Total:0.04λrms)である。したがって、収差劣化を0.02λrmsまで許容する場合には偏芯50μmまで許容されることになる。
なお、収差補正素子501に光束が傾いて入射することによりコマ収差が発生することと、カップリングレンズの調整量はカップリングレンズの焦点距離fCLにも依存することからカップリングレンズ調整量はこれに限るものではない。
また、図25は(T1,λ1)=(基板厚:0.0875mm,適用波長:405nm)のBD系光記録媒体に最適化された対物レンズ106との組合せ特性として(T3,λ3)=(基板厚:1.2mm,適用波長:785nm)のCD系光記録媒体に対して、収差補正素子501の対物レンズ106に対する偏芯量と、カップリングレンズの位置調整の前後における波面収差の関係を示している。カンップリングレンズの位置調整前では偏芯80μmで0.022λrmsの収差劣化(Total:0.043λrms)である。そこで、収差補正素子501の偏芯方向と同一方向にカップリングレンズの位置調整を行うと、偏芯100μmで0.012λrmsの収差劣化(Total:0.031λrms)となる。したがって、収差劣化を0.02λrmsまで許容する場合には偏芯100μmまで許容されることになる。
なお、収差補正素子501に光束が傾いて入射することによりコマ収差が発生することと、カップリングレンズの調整量はカップリングレンズの焦点距離fCLにも依存することからカップリングレンズ調整量はこれに限るものではない。
また、本実施形態2のBD系,HD系に対しては、カップリングレンズを対物レンズ106の光軸に一致する配置とする。前述の実施形態1で述べたように、本実施形態2の収差補正素子501はHD系に対してカップリングレンズの調整を行わなくても必要波面を得ることができる。BD系に最適化された対物レンズ106の光軸に、λ1:405nmの光源にBD系,HD系のカップリングレンズを一致する配置とすれば、HD系に対しても必要波面収差を満たす構成となる。このような構成にすると、組みつけが容易になるため好都合である。
なお、本実施形態2ではHD系において、収差補正素子501が対物レンズ106に対して偏芯しても、カップリングレンズの調整を行わない例を挙げたが、BD系とHD系の収差許容量を満足する範囲内であれば、カップリングレンズの位置を調整し、偏芯による収差劣化を低減させても良い。
図26は本発明の実施形態3における光情報処理装置の概略構成を示す図である。本実施形態3は、光情報処理装置の一形態であり、前述の実施形態1または2の光ピックアップを用いて、光記録媒体に対する情報の再生、記録、消去のうちの、少なくとも1つを行う装置である。
図26に示すように、光情報処理装置は光ピックアップ91、送りモータ92およびスピンドルモータ98等により構成されており、これらは光情報処理装置全体を制御するシステムコントローラ96により制御される。そして、光ピックアップ91のトラッキング方向への移動は、送りモータ92とサーボ制御回路93で構成される制御駆動手段により行われる。例えば、光記録媒体100を再生する場合、システムコントローラ96からのコントロール信号がサーボ制御回路93と変復調回路94に供給される。
サーボ制御回路93では、スピンドルモータ98を設定された回転数で回転させるとともに送りモータ92を駆動する。
変復調回路94には、光ピックアップ91の光検出器により検出されたフォーカシングエラー信号,トラッキングエラー信号および光記録媒体100の何処を読み出しているかの位置情報等が供給される。フォーカシングエラー信号およびトラッキングエラー信号はシステムコントローラ96を介してサーボ制御回路93に供給される。
サーボ制御回路93は、フォーカシング制御信号によってアクチュエータのフォーカシングコイルを駆動し、トラッキング制御信号によってアクチュエータのトラッキングコイルを駆動する。トラッキング制御信号の低域成分はシステムコントローラ96を介してサーボ制御回路93に供給され、送りモータ92を駆動する。これらによって、フォーカシングサーボ、トラッキングサーボおよび送りサーボのフィードバックサーボが行われる。
また、光記録媒体100の何処を読み出しているかの位置情報は変復調回路94により処理され、スピンドル制御信号としてスピンドルモータ98に供給され、光記録媒体100の再生位置に応じた所定の回転数に制御駆動され、ここから実際の再生が開始される。そして、変復調回路94により処理されて復調された再生データは外部回路95を介して外部に伝送される。
データを記録する場合、フォーカシングサーボ,トラッキングサーボおよび送りサーボのフィードバックサーボをかけるまでは再生と同様の過程を経る。
外部回路95を介して入力される入力データを光記録媒体100の何処に記録するかのコントロール信号が、システムコントローラ96からサーボ制御回路93および変復調回路94に供給される。
サーボ制御回路93では、スピンドルモータ98を所定の回転数に制御するとともに、送りモータ92を駆動して光ピックアップ91を情報記録位置に移動させる。
また、外部回路95を介して変復調回路94に入力された入力信号は、記録フォーマットに基づく変調が行われ、光ピックアップ91に供給される。光ピックアップ91では出射光の変調および出射光パワーが制御されて、光記録媒体100への記録が開始される。
光記録媒体100の種類は再生データ信号で判別する。光記録媒体100の種類を判別する方法として、トラッキングサーボ信号やフォーカスサーボ信号を用いても良い。
再生専用の光情報処理装置および記録と再生の両方の処理可能な光情報処理装置に具備される光ピックアップに、本発明の収差補正素子を用いた光ピックアップを具備していれば、基板厚の異なる光記録媒体の情報の記録、再生品質の精度を高めることができる。
以上のように、本実施形態3における光情報処理装置によれば、単一の対物レンズ106により異なる基板厚を有する4種類の光記録媒体(BD系,HD系,DVD系,CD系)の記録面に良好なスポットが形成可能な光ピックアップを用いて、光記録媒体100に対して情報信号の記録,再生または消去の最適な処理を行うことができる。
本発明に係る光ピックアップおよび光情報処理装置は、使用波長に応じた複数の光源を備えながら、単一の対物レンズにより基板厚と記録密度の異なる4種類の光記録媒体の記録面に良好に集光し、安定した記録,再生の動作ができ、異なる4種類以上の光記録媒体に対して情報を記録,再生する際に、互換性を有する装置として有用である。
本発明の実施形態1における光ピックアップの概略構成を示す図 収差補正素子の近傍を拡大した断面図 収差補正素子を拡大した断面図 収差補正素子の第1の回折面を示す図 収差補正素子の第2の回折面を示す図 (a)はCD系光記録媒体上に集光する光束、(b)はCD系光記録媒体上に形成されるスポットを示す図 収差補正素子の外形の形状を示す図 DVD系の収差補正素子光軸の偏芯量(素子シフト)に対する収差の関係を示す図 CD系の収差補正素子光軸の偏芯量(素子シフト)に対する収差の関係を示す図 DVD系の収差補正素子に入射する光束の角度(画角)に対する収差の関係を示す図 CD系の収差補正素子に入射する光束の角度(画角)に対する収差の関係を示す図 本実施形態1の対物レンズの光軸に対して収差補正素子が偏芯した際の光源の調整方向を示す図 収差補正素子のDVD系に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図 収差補正素子のCD系に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図 HD系の収差補正素子光軸の偏芯量(素子シフト)に対する収差の関係を示す図 DVD系の収差補正素子が30μm偏芯時の収差と、偏芯によるコマ収差をキャンセルするように入射光の角度調整した後の収差を表す図 対物レンズの光軸に0.5度傾いて収差補正素子に入射の際に発生するコマ収差を示す図 DVD系の収差補正素子が30μm偏芯した際に発生する収差成分を表す図 収差補正素子が30μm偏芯時のコマ収差をキャンセルする光束の角度を示す図 WDに対する収差補正素子の出射光の発散角を示す図 CD系の収差補正素子が30μm偏芯時の収差と、偏芯によるコマ収差をキャンセルするように入射光の角度調整した後の収差を表す図 CD系の収差補正素子が30μm偏芯した際に発生する収差成分を表す図 本発明の実施形態2における対物レンズの光軸に対して収差補正素子が偏芯した際のカップリングレンズの調整方向を示す図 収差補正素子のDVD系に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図 収差補正素子のCD系に対する偏芯と波面収差の補正結果を示す図 本発明の実施形態3における光情報処理装置の概略構成を示す図
符号の説明
91 光ピックアップ
92 送りモータ
93 サーボ制御回路
94 変復調回路
95 外部回路
96 システムコントローラ
98 スピンドルモータ
100 光記録媒体
101,130a,140a 半導体レーザ
102 コリメートレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 プリズム
105 1/4波長板
106 対物レンズ
107 BD系光記録媒体
108 検出レンズ
110,130c,140c 受光素子
117 HD系光記録媒体
120 可動部
121 鏡筒
127 DVD系光記録媒体
130b,140b ホログラム素子
132,142 発散角変換レンズ
133,143 波長選択性ビームスプリッタ
137 CD系光記録媒体
501 収差補正素子
502 第1の回折面
502a,503a 中心領域
502b,503b 2番目の領域
502c 3番目の領域
503 第2の回折面

Claims (5)

  1. 基板厚,適用波長の異なる複数種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、
    波長の異なる複数の光源と、前記光源からの出射光をカップリングするカップリングレンズと、所定の基板厚に最適化され前記カップリングレンズからの出射光を前記光記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、光記録媒体の基板厚と、前記対物レンズを最適化した基板厚との基板厚差により生じる球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、前記補正素子を保持する保持部材とを備え、前記対物レンズの光軸に対する前記補正素子の光軸の偏芯に応じて、少なくとも1つの光源の発光点を偏芯配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 基板厚,適用波長の異なる複数種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、
    波長の異なる複数の光源と、前記光源からの出射光をカップリングするカップリングレンズと、所定の基板厚に最適化され前記カップリングレンズからの出射光を前記光記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、記録媒体の基板厚と、対物レンズを最適化した基板厚との基板厚差により生じる球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、前記補正素子を保持する保持部材とを備え、前記対物レンズの光軸に対する前記補正素子の光軸の偏芯に応じて、少なくとも1つのカップリングレンズの光軸を偏芯配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  3. 基板厚と適用波長の組合せ(T,λ)が、(T1,λ1),(T2,λ1),(T2,λ2),(T3,λ3)、かつ基板厚がT1<T2<T3、波長がλ1<λ2<λ3の関係である4種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、
    波長λ1,λ2,λ3の3つの光源と、前記光源からの光束をカップリングする1以上のカップリングレンズと、(T1,λ1)の光記録媒体に最適化された1つの対物レンズと、他の種類の光記録媒体に集光したときの基板厚差による球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、前記補正素子を保持する保持部材とを備え、
    前記補正素子は、前記対物レンズの光軸に対して偏芯した際に発生する収差が主にコマ収差となる構造を有し、前記対物レンズとの組合せ特性として、
    (T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては、前記光源を前記対物レンズの光軸に一致する配置とし、
    (T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては、前記対物レンズの光軸に対する前記補正素子の光軸の偏芯に応じて、波長λ2と波長λ3の光源の発光点を偏芯配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  4. 基板厚と適用波長の組合せ(T,λ)が、(T1,λ1),(T2,λ1),(T2,λ2),(T3,λ3)、かつ基板厚がT1<T2<T3、波長がλ1<λ2<λ3の関係である4種類の光記録媒体に対して情報の記録,再生,消去のうち1以上行う光ピックアップにおいて、
    波長λ1,λ2,λ3の3つの光源と、前記光源からの光束をカップリングする1以上のカップリングレンズと、(T1,λ1)の光記録媒体に最適化された1つの対物レンズと、他の種類の光記録媒体に集光したときの基板厚差による球面収差を補正する同心円状の回折構造を有する補正素子と、前記補正素子を保持する保持部材とを備え、
    前記補正素子は、前記対物レンズの光軸に対して偏芯した際に発生する収差が主にコマ収差となる構造を有し、前記対物レンズとの組合せ特性として、
    (T1,λ1)と(T2,λ1)の光記録媒体に対しては、波長λ1に対応するカップリングレンズを対物レンズ光軸に一致する配置とし、
    (T2,λ2)と(T3,λ3)の光記録媒体に対しては、前記対物レンズの光軸に対する前記補正素子の光軸の偏芯に応じて、波長λ2,λ3に対応するカップリングレンズを偏芯配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  5. 記録密度の異なる複数種類の光記録媒体に対して記録,再生,消去のうち1以上行う光情報処理装置において、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことを特徴とする光情報処理装置。
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