JP2009041716A - 軸受装置の製造方法 - Google Patents

軸受装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009041716A
JP2009041716A JP2007209479A JP2007209479A JP2009041716A JP 2009041716 A JP2009041716 A JP 2009041716A JP 2007209479 A JP2007209479 A JP 2007209479A JP 2007209479 A JP2007209479 A JP 2007209479A JP 2009041716 A JP2009041716 A JP 2009041716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
peripheral surface
holding hole
housing
sizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007209479A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Takemura
政夫 竹村
Toru Nakanishi
徹 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP2007209479A priority Critical patent/JP2009041716A/ja
Publication of JP2009041716A publication Critical patent/JP2009041716A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】内径寸法、真円度、円筒度の精度が高い軸受を備えた軸受装置を効率よく製造することができる軸受装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】軸受装置1において、焼結体からなる軸受2をハウジング3に固定した状態でサイジング工程を行なうので、軸受2をハウジング3に組み込む際に軸受2の内周面に変形が発生した場合や、軸受2をハウジング3に固定した状態で軸芯が傾いている場合でも、かかる不具合を完全に解消することができる。しかも、軸受2において、軸穴20に対してサイジングを施す部分の半径方向外側が第1の固定用冶具51および第2の固定用冶具52によって直接、あるいはハウジング3を介して保持されているため、サイジングの際の軸受2の変形や損傷を防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受がハウジングの軸受保持穴に固定された軸受装置およびその製造方法に関するものである。
モータ機器、その他の機器では、回転軸の支持などに各種の軸受装置が用いられており、かかる軸受装置としては、焼結体からなる軸受をハウジングの軸受保持穴に固定された構造が広く採用されている。このような軸受装置を製造する際、一般的には、軸受をサイジングした後、ハウジングに組み込んでいる。但し、かかる製造方法では、軸受をハウジングの軸受保持穴に挿入する際、軸受保持穴の精度が低いと、軸受の軸穴が変形し、内径寸法、真円度、円筒度が低下してしまう。そこで、軸受をサイジングした後、ハウジングに接着剤により固定する方法も考えられているが、多大な手間がかかるとともに、固定強度が安定しないという問題点がある。
一方、軸受保持穴内に軸受を固定した後、軸穴の内周面を切削する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−155655号公報
しかしながら、特許文献1に開示の方法のように、軸受を圧入した後、軸受の内周面を切削する方法では、精度良くサイジングすることができないという問題点がある。
以上の問題的に鑑みて、本発明の課題は、内径寸法、真円度、円筒度の精度が高い軸受を備えた軸受装置を効率よく製造することができる軸受装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、軸線方向に軸穴が形成された円筒状の軸受と、該軸受が挿入された軸受保持穴を備えたハウジングとを有する軸受装置の製造方法において、前記軸受を形成するには、金属粉の圧粉体に対する焼結を行い、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定した後、焼結体からなる前記軸受に対して、前記軸穴の内周面をサイジングするサイジング工程を行ない、前記サイジング工程では、前記軸受において、前記軸穴に対してサイジングを施す部分の半径方向外側を固定用冶具により直接あるいは前記ハウジングを介して保持し、この状態で、前記軸穴に差し込んだ可動部材を前記軸受に対して相対移動させることを特徴とする。
本発明では、軸受保持穴内に軸受を固定した後、軸穴の内周面をサイジングするため、軸受保持穴内に軸受を組み込んだ際、軸受保持穴の精度が低くて軸受の軸穴が変形した場合でも、かかる変形をサイジングにより矯正することができる。また、サイジングは冷間プレスであるが、軸受は、サイジングされる部分の半径方向外側が固定用冶具により直接あるいはハウジングを介して保持されているので、サイジングを行なう際、軸受に変形や損傷が発生することがない。従って、内径寸法、真円度、円筒度の精度が高い軸受を備えた軸受装置を製造することができる。また、圧粉成形後や焼結後等、軸受をハウジングに固定する前にサイジングを行なう必要がないので、工程数を削減することができる。それ故、内径寸法、真円度、円筒度の精度が高い軸受を備えた軸受装置を効率よく製造することができる。
本発明において、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受の外周面を前記軸受保持穴の内周面に固着した構成を採用することができる。
本発明において、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受の外周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受保持穴の内周面に接する状態とし、前記軸受の外周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受保持穴の内周面に接する状態で当該内周面と固着された軸受装置を製造する構成を採用することができる。このように構成した場合、サイジングの際、軸受に局部的に力が加わるが、本発明によれば、軸受が固定用冶具によって保持されているので、サイジングの際の軸受の変形や損傷を確実に防止することができる。
本発明において、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受保持穴の内周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受の外周面に接する状態とし、前記軸受保持穴の内周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受の外周面に接する状態で当該外周面と固着された軸受装置を製造してもよい。このように構成した場合、サイジングの際、軸受に局部的に力が加わるが、本発明によれば、軸受が固定用冶具によって保持されているので、サイジングの際の軸受の変形や損傷を確実に防止することができる。
本発明においては、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定する前に、前記圧粉体に対して焼結を行い、焼結済みの前記軸受を前記ハウジングの前記軸受保持穴内に組み込む構成を採用することができる。
本発明において、前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、焼結前の前記圧粉体の状態で前記軸受を前記ハウジングの前記軸受保持穴内に組み込む軸受組み込み工程と、前記軸受組み込み工程の後、前記圧粉体を焼結する加熱工程とを行い、当該加熱工程の後、前記サイジング工程を行なってもよい。
本願明細書において「銅被覆鉄粉」とは、鉄粉が銅で被覆されている構成の他、鉄粉が青銅等の銅系材料で被覆されている構成を含むことを意味する。また、「拡散接合」とは、母材を密着させ、母材の融点以下の温度条件で加熱して、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法であり、固相拡散接合、液相拡散接合、共晶接合などがある。固相拡散接合とは、接合面間を固相状態で接合する方法であり、液相拡散接合とは、接合面間で金属の接合材を一時的に溶融、溶化した後、拡散を利用して凝固させて接合させる方法である。また、共晶接合とは、液相拡散接合の一種で、液化に対して共晶反応を利用する接合方法である。
本発明では、軸受保持穴内に軸受を固定した後、軸穴の内周面をサイジングするため、軸受保持穴内に軸受を組み込んだ際、軸受保持穴の精度が低くて軸受の軸穴が変形した場合でも、かかる変形をサイジングにより矯正することができる。また、サイジングは冷間プレスであるが、軸受は、サイジングされる部分の半径方向外側が固定用冶具により直接あるいはハウジングを介して保持されているので、サイジングを行なう際、軸受に変形や損傷が発生することがない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る軸受装置の断面図、およびこの軸受装置によって回転軸を支持している状態の断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、本形態の軸受装置1は、回転軸10を回転可能に支持する焼結含油タイプのラジアル軸受装置であって、軸線方向Lに貫通する軸穴20が形成された円筒状の軸受2と、この軸受2が挿入された軸受保持穴30を備えた円筒状のハウジング3とを有している。軸受2の外周面21と軸受保持穴30の内周面35とは、軸受2の外周面21と軸受保持穴30との間での錫、錫合金、銀、あるいは銀合金からなる接合材4を用いた拡散接合により固着されている。
ハウジング3はSUSなども含む鉄系金属からなり、プレス加工品からなる。ハウジング3は、軸受2の外周面21が固着された小径部31と、この小径部31に対して軸線方向Lで隣接する大径部32と、大径部32の開口縁から半径方向外側に拡がる円環状のフランジ部33とを備えており、軸受保持穴30のうち、小径部31の内周面のみが軸受2の外周面21と固着されている。なお、ハウジング3としては鉄系金属の切削加工品を用いてもよい。
軸受2は、銅被覆鉄粉の圧粉成形体を焼結してなる焼結体からなる。ここで、軸受2は、軸線方向Lの一部のみがハウジング3の軸受保持穴30に挿入されており、軸受2の外周面21のうち、軸線方向Lの一部のみが軸受保持穴30の内周面35に接する状態で内周面35と固着されている。
軸受2の外周面21のうち、少なくとも、ハウジング3と軸受2との固着部分に対して半径方向内側に位置する部分には、焼結体の表面状態の改善や寸法の矯正などを目的としたサイジング(軽い冷間プレス)が施されている。また、軸受2には油が含浸されており、軸受2は焼結含油軸受として構成されている。
(製造方法)
以下、図2を参照して、本形態の軸受装置1の製造方法を説明しながら、本形態の軸受装置1の構成を詳述する。図2および図3は、本形態の軸受装置1の製造工程のうち、冷却工程までを示す説明図、およびサイジング工程の説明図である。
本形態の軸受装置1を製造するには、まず、図2(a)に示すように、銅被覆鉄粉を金型内で成形して圧粉成形体29を得た後、圧粉成形体29を加熱して焼結体からなる円筒状の軸受2を得る。
ここで用いる粉体原料は、例えば、以下の材料
(配合例1)
40%銅めっき鉄粉(銅被覆鉄粉) 98重量部
アトマイズ錫粉 2重量部
天然黒鉛(グラファイト) 1重量部
ステアリン酸亜鉛 1重量部
(配合例2)
40%銅めっき鉄粉(銅被覆鉄粉) 80重量部
プレミックス青銅粉(10重量%錫) 20重量部
天然黒鉛(グラファイト) 1重量部
ステアリン酸亜鉛 1重量部
(配合例3)
30%銅めっき鉄粉(銅被覆鉄粉) 98重量部
アトマイズ錫粉 1.98重量%
天然黒鉛(グラファイト) 1重量部
ステアリン酸亜鉛 1重量部
(配合例4)
30%銅めっき鉄粉(銅被覆鉄粉) 70重量部
プレミックス青銅粉(10重量%錫) 30重量部
天然黒鉛(グラファイト) 1重量部
ステアリン酸亜鉛 1重量部
であり、アンモニア分解ガス雰囲気中で750〜850℃の温度で圧粉成形体29を焼結する。
一方、図2(c)に示すように、鉄系金属に対するプレス加工により、円筒状のハウジング3を得た後、図2(d)に示すように、接合材層形成工程において、ハウジング3の軸受保持穴30の内周面に錫、錫合金、銀、あるいは銀合金からなる接合材4の層を形成する。本形態では、接合材4の層はめっきにより形成されているため、ハウジング30の内周面35および外周面の全てに接合材4の層が形成される。ここで、接合材4の層については、接合強度の確保、およびめっきコストの観点から、例えば3〜5μm程度の厚さに設定される。
次に、図2(e)に示すように、軸受組み込み工程において、ハウジング3の軸受保持穴30内に軸受2を軽圧入により組み込む。ここでいう「軽圧入」とは、圧入した際に軸受2の内径寸法が変化しない程度の力での圧入、あるいは、圧入した際に軸受2の内径寸法が変化する場合でも、後述するサインジングにより内径を矯正可能な範囲の変化しか発生しない力での圧入を意味する。
次に、図2(f)に示すように、加熱工程において、軸受2およびハウジング3を構成する材料が溶融する温度以下の温度であって、接合材4が溶融する温度以上の温度にまで、接合材4、軸受2およびハウジング3を加熱し、接合材4の液相拡散接合により、軸受2の外周面21と軸受保持穴30の小径部31の内周面35とを固着する。
しかる後には、図3(a)〜(d)を参照して以下に説明するサイジング工程を行なう。図3(a)〜(d)の各々は、サイジング装置の分解図、サイジング工程の様子を示す説明図、サイジング装置において軸受装置が収納されている部分付近の拡大断面図、およびサイジング工程後、軸受装置を取り出す様子を示す説明図である。
本形態において、サイジング工程では、図3(a)、(b)、(c)に示すサイジング装置50が用いられる。このサイジング装置50は、軸受装置1を上下から保持する第1の固定用冶具51と第2の固定用冶具52とを備えている。第1の固定用冶具51には、軸受装置1の外形形状に対応する段付きの凹部511と、凹部511の底部で軸線方向Lに貫通する貫通穴512とが形成されており、貫通穴512の内径寸法は、軸受装置1においてハウジング3から下方にはみ出している軸受2の外径寸法と略等しい。第2の固定用冶具52は、第1の固定用冶具51の凹部511内に保持された軸受装置1のハウジング3の大径部32およびフランジ部33(図1参照)を第1の固定用冶具51との間に挟持するように、下端面に円筒状突起521が形成された円筒体であって、この円筒体には軸線方向Lにガイド穴522が形成されている。ここで、第2の固定用冶具52のガイド穴522の内径寸法は、軸受装置1の軸受2に形成されている軸穴20の内径寸法と略等しい。
また、サイジング装置50は、軸受2の軸穴20内に挿入されるサイジングバー53(可動部材)と、サイジングバー53が嵌る貫通穴541を備えたガイド部材54とを備えている。サイジングバー53の外径寸法は、軸受装置1の軸受2に形成されている軸穴20の内径寸法、および第2の固定用冶具52に形成されているガイド穴522と略等しい。
このように構成したサイジング装置50を用いて、軸受装置1の軸受2の内周面21にサイジングを行うには、図3(b)、(c)に示すように、第1の固定用冶具51の凹部511内に軸受装置1を搭載した後、第2の固定用冶具52によって、軸受装置1を第1の固定用冶具51に押し付け固定する。この状態で、第1の固定用冶具51に形成されている貫通穴512、軸受2の軸穴20、および第2の固定用冶具52のガイド穴522が連通する。
その際、軸受2のうち、軸穴20に対してサイジングを施す部分の半径方向外側を第1の固定用冶具51および第2の固定用冶具52で保持した状態とする。本形態では、軸穴20の軸線方向Lの全体に対してサイジングを行なうため、軸受2の外周面全体を第1の固定用冶具51および第2の固定用冶具52によって直接、あるいはハウジング3を介して保持した状態とする。また、ハウジング3において、ハウジング3と軸受2との固着部分(ハウジング3の小径部31)の半径方向外側に位置する部分を第1の固定用冶具51で保持した状態とする。
次に、サイジングバー53をガイド部材54のガイド穴541に通した状態で、ガイド部材54の上端部分を第1の固定用冶具51の貫通穴512内に挿入し、ガイド部材54の上端面を軸受2の下端面に当接させる。
次に、サイジングバー53を軸線周りに回転させながら、サイジングバー53を軸線方向Lに往復移動させ、サイジングバー53の外周面によって、軸穴20の内周面の表面状態の改善や軸穴20の寸法の矯正などを目的としたサイジングを行なう。ここで、サイジングについては、サイジングバー53を軸線周りに回転させたが、サイジングバー53を回転させずに往復移動させる方法や、サイジングバー53を軸線周りに回転させながら往復移動させる方法を採用してもよい。
かかるサイジング工程を終了した後は、図3(d)に示すように、第2の固定用冶具52を上方に移動させるとともに、ガイド部材54を上方に移動させ、軸受装置1を第1の固定用冶具51の凹部511から押し出し、軸受装置1を回収する。
このようにして軸受装置1にサイジング工程を行なった後、軸受2に潤滑油を含浸すると、軸受装置1が完成する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の軸受装置1において、軸受2は、銅被覆鉄粉の焼結体からなり、鉄系金属で形成されているので、焼結含油軸受2として用いた場合でも、耐磨耗性能などが良好である。また、軸受2は、鉄系金属で形成されているが、鉄系金属のうちでも、銅被覆鉄粉の焼結体からなる。このため、軸受2では、鉄粉の表面の多くが銅で被覆された状態にあるので、錫、錫合金、銀、あるいは銀合金からなる接合材4を用いた拡散接合により、軸受2とハウジング3とを固定することができ、かかる固定方法によれば、軸受2とハウジング3とを強い強度をもって固定することができる。従って、軸受2をハウジング3に固定した状態でサイジング工程を行なうことができるなどの利点がある。さらに、焼結体である軸受2を拡散接合するため、接合材が焼結体の空孔に入り込んでアンカー効果を発揮するので、接合強度が高いという利点もある。
また、本形態では、軸受2の外周面21のうち、軸線方向Lの一部のみが軸受保持穴30の内周面35と固着されている。また、ハウジング3の軸受保持穴30の内周面35のうち、軸線方向Lの一部のみが軸受2の外周面21に固着されている。このため、軸受2とハウジング3との固着部分の軸線方向Lの長さ寸法が短いが、本形態の軸受装置1では、軸受2とハウジング3とが錫、錫合金、銀、あるいは銀合金からなる接合材4を用いた拡散接合により固定されているので、軸受2とハウジング3とを強い強度をもって固定することができる。
また、本形態では、軸受2をハウジング3に固定した状態でサイジング工程を行なうので、軸受2をハウジング3に組み込む前に軸受2をサイジングする必要がない。また、軸受2をハウジング3に固定した状態でサイジング工程を行なうので、例えば、軸受2をハウジング3に組み込む際に軸受2の内周面に変形が発生した場合や、軸受2をハウジング3に固定した状態で軸芯が傾いている場合でも、かかる不具合を完全に解消することができる。さらに、本形態では、ハウジング3の軸受保持穴30内に軸受2を軽圧入により組み込むので、必要最小限のサイジングで済む。それ故、内径寸法、真円度および円筒度の精度が高い軸受2を効率よく製造することができる。
しかも、本形態では、軸受2において、軸穴20に対してサイジングを施す部分の半径方向外側が第1の固定用冶具51および第2の固定用冶具52によって直接、あるいはハウジング3を介して保持されているため、サイジングの際の軸受2の変形や損傷を防止できる。また、ハウジング3に軸受2を組み込んだ際、ハウジング3によって軸受2が内側に押圧されて軸穴20が変形した場合には、ハウジング3と軸受2との固着部分(ハウジング3の小径部31)の半径方向内側に位置する部分が大きくサイジングされるが、その場合でも、本形態では、ハウジング3において、ハウジング3と軸受2との固着部分(ハウジング3の小径部31)の半径方向外側に位置する部分が第1の固定用冶具51で保持されているので、サイジングの際の軸受2の変形や損傷を防止できる。特に本形態では、軸受保持穴30のうち、軸線方向Lの一部(小径部31の内周面35)のみが軸受2の外周面21と固着され、軸受2は、軸線方向Lの一部のみがハウジング3の軸受保持穴30に挿入されているため、サイジングの際、軸受2に局部的に力が加わるが、本形態によれば、軸受2およびハウジング3が第1の固定用冶具51および第2の固定用冶具52によって保持されているので、サイジングの際の軸受2の変形や損傷を確実に防止することができる。
さらに、焼結体によって軸受2を形成する際、銅被覆鉄粉の配合量を70重量%から98重量%と比較的高くしたため、鉄が程度に配合されているので、十分な耐磨耗性を備えている。また、70重量%から98重量%という高い配合比で銅被覆鉄粉を用いると、表面に銅を効率よく露出させることができ、その分、軸穴20の内周面における鉄の露出割合を面積比で20%以下、さらには10%以下とすることができる。このため、軸穴20の内周面が軟らかいので、サイジング工程での研削加工と押し潰し加工とによる矯正を容易に行なうことができるとともに、サイジングの際、傷が発生しにくい。従って、軸受装置1の組み立て工程において、ハウジング3に軸受2を組み込んだ際、例えば、ハウジング3の内径精度が低いことが原因で、軸受2の内径寸法が変化した場合でも、サイジング工程において軸穴20の内周面に十分な量の矯正を行なうことができ、軸穴20の内径寸法に十分な精度を得ることができる。さらに、70重量%から98重量%という高い配合比で銅被覆鉄粉を用いると、銅を効率よく露出させる場合でも、銅層の被覆率が28重量%から42重量%の銅被覆鉄粉でよい。このような被覆率が低い銅被覆鉄粉は、被覆率が高い銅被覆鉄粉と比較して安価であるので、軸受2を製造する際の材料コストを低減することができる。さらにまた、銅被覆鉄粉を用いたため、銅を効率よく露出させる場合でも、銅自身の配合量が少なくてよい。それ故、膨張率については、回転軸10に多用されるマルテンサイト系ステンレス材と熱膨張率を同等にすることができ、使用温度が変化した場合でも、安定した軸受特性を発揮する。
[実施の形態2]
図4は、本形態の軸受装置1の製造工程のうち、冷却工程までを示す説明図である。なお、本形態は、基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、全体構成の説明には図1を参照するとともに、共通する部分には同一の符号を付して説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本形態の軸受装置1も、実施の形態1と同様、焼結含油タイプのラジアル軸受装置であって、軸線方向Lに貫通する軸穴20が形成された円筒状の軸受2と、この軸受2が挿入された軸受保持穴30を備えた円筒状のハウジング3とを有しており、軸受2の外周面21と軸受保持穴30の内周面35とが固着されている。ハウジング3はSUSなども含む鉄系金属からなり、プレス加工品からなる。ハウジング3と軸受2とは、軸受2の外周面21と軸受保持穴30との間での銀からなる接合材4を用いた拡散接合により固着されている。
ハウジング3は、軸受保持穴30のうち、小径部31の内周面35のみが軸受2の外周面21と固着されている。軸受2は、銅被覆鉄粉の圧粉成形体29を焼結してなる焼結体からなる。軸受2は、外周面21のうち、軸線方向Lの一部のみが軸受保持穴30の内周面35に接する状態で内周面35と固着されている。また、軸穴20の内周面のうち、少なくとも、ハウジング3と軸受2との固着部分に対して半径方向内側に位置する部分にはサイジングが施されている。また、軸受2には油が含浸されており、軸受2は焼結含油軸受として構成されている。
以下、図4を参照して、本形態の軸受装置1の製造方法を説明しながら、本形態の軸受装置1の構成を詳述する。
本形態の軸受装置1を製造するには、まず、図4(a)に示すように、銅被覆鉄粉を金型内で成形して圧粉成形体29(焼結前の軸受2)を得る。
一方、図4(b)に示すように、鉄系金属に対するプレス加工により、円筒状のハウジング3を得た後、図4(c)に示すように、接合材層形成工程において、ハウジング3の軸受保持穴30の内周面35に、錫、錫合金、銀、銀合金のうち、最も融点の高い銀によって接合材4の層を形成する。本形態では、接合材4の層はめっきにより形成されているため、ハウジング30の内周面35および外周面の全てに接合材4の層が形成される。
次に、図4(d)に示すように、軸受組み込み工程において、ハウジング3の軸受保持穴30内に軸受2を軽圧入により組み込む。
次に、図4(e)に示すように、加熱工程において、軸受2およびハウジング3を構成する材料が溶融する温度以下の温度であって、接合材4が溶融する温度以上の温度にまで、接合材4、軸受2およびハウジング3を加熱して接合材4の液相拡散接合により、軸受2の外周面21と、軸受保持穴30の小径部31の内周面35とを固着する。その際、加熱条件をアンモニア分解ガス雰囲気中で750〜850℃の温度に設定し、圧粉成形体29を焼結することにより、焼結体からなる軸受2を形成する。
しかる後には、実施の形態1と同様、図3(a)〜(d)を参照して説明したサイジング工程を行なう。本形態において、サイジング工程は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
以上説明したように、本形態の軸受装置1も、実施の形態1と同様、軸受2は、銅被覆鉄粉の焼結体からなり、鉄系金属で形成されているので、焼結含油軸受として用いた場合でも、耐磨耗性能などが良好である。また、軸受2は、鉄系金属で形成されているが、鉄系金属のうちでも、銅被覆鉄粉の焼結体からなる。このため、軸受2では、鉄粉の表面の多くが銅で被覆された状態にあるので、銀を用いた拡散接合により、軸受2とハウジング3とを固定することができ、かかる固定方法によれば、軸受2とハウジング3とを強い強度をもって固定することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
また、本形態では、接合材として銀を用い、軸受2およびハウジング3を加熱して接合材4の液相拡散接合により、軸受2の外周面21と、軸受保持穴30の小径部31の内周面35とを固着する加熱工程を行なうにあたって、接合材として銀を用い、加熱温度を高めに設定する。このため、圧粉成形体29の焼結を同時に行ない、焼結体からなる軸受2を得ることができる。それ故、製造工程数を減らすことができるので、生産性を向上することができる。
[その他の実施の形態]
上記形態では、軸受2の外周面21のうち、軸線方向の一部のみがハウジング3の内周面に固着されていたが、軸受2の外周面21の全体がハウジング3の内周面に固着されている軸受装置に本発明を適用してもよい。
上記形態では、軸受保持穴30の内周面35のうち、軸線方向の一部のみが軸受2の外周面21に固着されていたが、軸受保持穴30の内周面35の全体が軸受2の外周面に固着されている軸受装置に本発明を適用してもよい。
上記形態では、軸受2の軸穴20が貫通穴であったが、軸穴20が有底であって、ラジアル軸受およびスラスト軸受の双方を兼ねている軸受装置に本発明を適用してもよい。
また、上記形態では、軸受装置1が回転軸10を支持する構成であったが、固定軸に軸受装置1が回転可能に支持されている場合に本発明を適用してもよい。
(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る軸受装置の断面図、およびこの軸受装置によって回転軸を支持している状態の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸受装置の製造工程のうち、冷却工程までを示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る軸受装置の製造工程のうち、サイジング工程を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る軸受装置の製造工程のうち、冷却工程までを示す説明図である。
符号の説明
1・・軸受装置
2・・軸受
3・・ハウジング
4・・接合材
20・・軸穴
29・・圧粉成形体
30・・軸受保持穴
50・・サイジング装置
51・・第1の固定用冶具
52・・第2の固定用冶具
53・・サイジングバー
54・・ガイド部材

Claims (6)

  1. 軸線方向に軸穴が形成された円筒状の軸受と、該軸受が挿入された軸受保持穴を備えたハウジングとを有する軸受装置の製造方法において、
    前記軸受を形成するには、金属粉の圧粉体に対する焼結を行い、
    前記軸受保持穴内に前記軸受を固定した後、焼結体からなる前記軸受に対して、前記軸穴の内周面をサイジングするサイジング工程を行ない、
    前記サイジング工程では、前記軸受において、前記軸穴に対してサイジングを施す部分の半径方向外側を固定用冶具により直接あるいは前記ハウジングを介して保持し、この状態で、前記軸穴に差し込んだ可動部材を前記軸受に対して相対移動させることを特徴とする軸受装置の製造方法。
  2. 前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受の外周面を前記軸受保持穴の内周面に固着することを特徴とする請求項1に記載の軸受装置の製造方法。
  3. 前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受の外周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受保持穴の内周面に接する状態とし、
    前記軸受の外周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受保持穴の内周面に接する状態で当該内周面と固着された軸受装置を製造することを特徴とする請求項2に記載の軸受装置の製造方法。
  4. 前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、前記軸受保持穴の内周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受の外周面に接する状態とし、
    前記軸受保持穴の内周面のうち、軸線方向の一部のみが前記軸受の外周面に接する状態で当該外周面と固着された軸受装置を製造することを特徴とする請求項2または3に記載の軸受装置の製造方法。
  5. 前記軸受保持穴内に前記軸受を固定する前に、前記圧粉体に対して焼結を行い、
    焼結済みの前記軸受を前記ハウジングの前記軸受保持穴内に組み込むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の軸受装置の製造方法。
  6. 前記軸受保持穴内に前記軸受を固定するにあたっては、
    焼結前の前記圧粉体の状態で前記軸受を前記ハウジングの前記軸受保持穴内に組み込む軸受組み込み工程と、
    前記軸受組み込み工程の後、前記圧粉体を焼結する加熱工程とを行い、
    当該加熱工程の後、前記サイジング工程を行なうことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の軸受装置の製造方法。
JP2007209479A 2007-08-10 2007-08-10 軸受装置の製造方法 Pending JP2009041716A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007209479A JP2009041716A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 軸受装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007209479A JP2009041716A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 軸受装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009041716A true JP2009041716A (ja) 2009-02-26

Family

ID=40442650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007209479A Pending JP2009041716A (ja) 2007-08-10 2007-08-10 軸受装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009041716A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104190748A (zh) * 2014-05-07 2014-12-10 嘉善新易能精密机械设备厂 轴套整形机及其工作方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104190748A (zh) * 2014-05-07 2014-12-10 嘉善新易能精密机械设备厂 轴套整形机及其工作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6921208B2 (en) Dynamic bearing device and method for making same
US8864380B2 (en) Fluid dynamic bearing device
JP2005121066A (ja) 流体動圧軸受装置の製造方法及びそれを備えたディスク駆動用スピンドルモータ
JP2007318961A (ja) ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法
JP2009092083A (ja) カムシャフト
JP2009041716A (ja) 軸受装置の製造方法
JP6502068B2 (ja) 流体動圧軸受装置の製造方法
JP2009041717A (ja) 軸受装置およびその製造方法
US20140076083A1 (en) Integrated member and its manufacturing method
JP2010069520A (ja) 金属部材の接合方法及びその接合装置
WO2019031050A1 (ja) モータおよびモータの製造方法
JP2007329994A (ja) 整流子
US20220001446A1 (en) Insert bearing and manufacturing method thereof, sintered bearing suitable for insert bearing, sintered insert component and manufacturing method thereof, and sintered component suitable for sintered insert component
JP2004132403A (ja) 流体軸受装置
US20140311262A1 (en) Electric actuator
JP2019054080A (ja) ソレノイド用コア組立部品とその製造方法
JP6449059B2 (ja) 焼結含油軸受およびその製造方法
JP2009085232A (ja) 滑り軸受の固定方法
JP2008032050A (ja) 調心型滑り軸受装置
WO2016152474A1 (ja) 軸受部材、これを備えた流体動圧軸受装置、及び軸受部材の製造方法
JP2003286942A (ja) 往復動圧縮機に用いるピストンの製造方法
JP2016180496A (ja) 軸受部材及びその製造方法
JP2003165032A (ja) 締り嵌め固定方法
JP2008069886A (ja) 滑り軸受装置およびその製造方法
JP5309806B2 (ja) ニードル軸受