JP2009037967A - リチウム電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質としてMnO2を使用し、電解質層にリチウム伝導性のイオン液体を使用したリチウム電池であっても、電池性能に優れたリチウム電池を提供する。
【解決手段】リチウムを吸蔵・放出する正極層および負極層と、これらの層の間に介在され、リチウムイオンの伝導性を媒介する電解質層とを備えるリチウム電池である。このリチウム電池は、電解質層がイオン液体を含有し、且つ、正極層に含まれる正極活物質がMnO2であり、この正極活物質の表面にC(炭素)またはPt(プラチナ)がコーティングされている。このコーティング層の厚さは、5〜80nmの範囲とすることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、正極層と負極層との間に介在される電解質層がイオン液体を有し、正極活物質がMnO2であるリチウム電池に関する。
リチウム電池は、負極集電体上に負極層(負極層が負極集電体を兼ねる場合もある)を形成した負極積層体と、正極集電体上に正極層を形成した正極積層体と、両電極の間に介在される電解質層とを有する。
近年、このリチウム電池の電解質層として、有機電解液の代わりにリチウムイオン伝導性のイオン液体を使用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。リチウムイオン伝導性のイオン液体は、有機カチオンとアニオンとの組み合わせからなるイオン液体に、リチウムの塩を含有したものである。
イオン液体を使用したリチウム電池は、有機電解液を用いることに伴う不都合、例えば、電解液の漏れによる安全性の問題、高温時に有機電解液がその沸点を超えて揮発することによる耐熱性の問題、低温時に有機電解液のイオン伝導度が大きく低下して電池反応が低下したり、電解液が凍結する問題、などを解消することができる。
特開2006−92971号公報
ここで、正極活物質として、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなど種々の物質が知られているが、安価で、入手が容易であるMnO2を正極活物質として利用したいというニーズがある。
しかし、正極層に使用する正極活物質としてMnO2を使用し、且つ、電解質層にリチウムイオン伝導性のイオン液体を使用したリチウム電池は、電池を作製する際に使用した活物質量から予想される容量に比べて、極端に容量が小さく、しかも、長期保存特性が悪い。これは、特許文献1の段落0014に記載のように、リチウムイオンの吸蔵・放出を行うMnO2のチャンネルに有機カチオンが取り込まれてしまい、電池反応に寄与しないMnO2が生じるからである。
上述のように、リチウム電池の安全性の向上のために電解質層にイオン液体を使用したいという要望と、安価で入手が容易なMnO2を正極活物質として使用したいという要望とを同時に満たすことができなかった。
そこで、本発明の目的の一つは、正極活物質としてMnO2を使用し、電解質層にリチウム伝導性のイオン液体を使用したリチウム電池であっても、電池性能に優れたリチウム電池を提供することにある。
上記の事情に鑑み、本発明者らが、種々検討した結果、MnO2からなる正極活物質の表面にコーティング層を設けることで、容量の低下を抑え、長期保存特性に優れるリチウム電池とすることができるとの知見を得た。また、本発明者らは、このコーティング層を特定の元素からなる層とすることが好適であるとの知見を得た。これらの知見に基づいて本発明を規定する。
本発明は、リチウムを吸蔵・放出する正極層および負極層と、これらの層の間に介在され、リチウムイオンの伝導性を媒介する電解質層とを備えるリチウム電池である。このリチウム電池は、電解質層がイオン液体を含有し、且つ、正極層に含まれる正極活物質が、MnO2であって、この正極活物質の表面にC(炭素)またはPt(プラチナ)がコーティングされていることを特徴とする。
本発明の構成とすることで、電池の初期容量の低下を抑え、この初期容量を長期的に維持することができるリチウム電池とすることができる。これは、活物質表面のCまたはPtのコーティング層が、リチウムイオンは透過させるが、イオン液体の有機カチオンは遮断するからではないかと推察される。
また、本発明の一形態として、MnO2の表面をコーティングするコーティング層の平均厚さを5nm以上、80nm以下とすることが挙げられる。
コーティング層の厚さを限定することで、イオン液体を構成する有機カチオンが、MnO2のチャンネルに取り込まれることを効果的に阻害することができる。前記コーティング層が、80nm超だと、層厚が厚すぎて、リチウムイオンが活物質に到達し難く、電池の容量を低下させる。また、前記コーティング層が、5nm未満だと、層厚が薄すぎて、有機カチオンを遮断する効果に乏しく、やはり、電池の容量を低下させる。
また、本発明の一形態として、正極層を塗布法で作製することが挙げられる。
塗布法は、厚めの膜(50μm〜300μm程度)を短時間で作製することに向いている。一方で、リチウム電池の正極層は、電池の高容量化を実現するために、負極層に比べて厚く形成されることがある。そのため、比較的厚めの膜を作製することに向いている塗布法により正極層を形成することが好ましい。
さらに、本発明の一形態として、塗布法により正極層を形成する際に使用する結着材を、正極活物質よりも電子電導性の高い結着材とすることが挙げられる。
塗布法により正極層を形成するには、まず、溶媒に正極活物質粉末を溶解してスラリーを作製し、このスラリーを基板上に塗布する操作を行う。スラリーには、基板上に塗布したスラリーが液だれしないように結着材を含有させることが好ましい。この結着材の電子電導性を正極活物質よりも高くすることで、正極層の導電性を高めて、電池の出力特性を向上させることができる。
本発明リチウム電池によれば、正極活物質としてMnO2を使用し、且つ、電解質層としてイオン液体を使用したリチウム電池であっても、電池の初期容量が高く、長期的に容量を維持できるリチウム電池とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
≪リチウム電池の全体構成≫
本実施の形態におけるリチウム電池は、正極積層体と、負極積層体と、これら積層体間のリチウムイオンの移動を媒介する電解質層を備えることを基本構成とする。正極積層体は、正極支持体上に正極活物質を含有する正極層を備え、負極積層体は、負極支持体上に負極活物質を含有する負極層を備える。通常、いずれの層も薄膜状に形成されている。このうち、正極層と負極層は、電池を平面視した場合に、互いに重複する箇所がある積層構造の場合でもよいし、重複する箇所がない構造でもよい。前者の場合、電池の面積を小さくしやすい。この電池の代表例は、特許文献1の図1に記載のボタン型電池である。一方、電池を平面視した場合に両電極層に重複する箇所のない後者の場合、電解質層の厚さ方向にピンホールが生じていても、両電極層間の短絡を抑制しやすい。このような電極の構成としては、正極層と負極層とを各々櫛歯状に形成して、互いに嵌め合わされるように並列することが挙げられる。
≪各構成部材≫
[正極支持体]
正極支持体は、金属から構成し集電体を兼ねたものとしても良いし、絶縁体上に金属膜を形成し、当該金属膜を集電体として使用しても良い。正極の集電体としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。金属膜からなる集電体は、PVD法やCVD法により形成することができる。特に、所定のパターンに金属膜(集電体)を形成する場合、適宜なマスクを用いることで、容易に所定のパターンの集電体を形成することができる。
[正極層]
正極層は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う正極活物質を含む層である。本発明では、安価で入手が容易であるMnO2を正極活物質として使用する。本発明リチウム電池に使用するMnO2は平均で2μm〜100μm粒子状とし、その表面にコーティング層を備えることを特徴とする。コーティング層は、炭素(C)またはプラチナ(Pt)からなる層であり、その厚さは、5nm〜80nmの範囲とすることが好ましい。コーティング層は、PVD法、例えば、スパッタ法やPLD法(Pulsed Laser Deposition Method)、EB法(Electron Beam Evaporation Method)などにより形成することができる。
正極層は、さらに導電助剤を含んでいることが好ましい。導電助剤は、高導電性の粒子であり、例えば、アセチレンブラックといったカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウムやニッケルなどの金属繊維からなるものが利用できる。
上述した正極層の形成方法としては、気相堆積法や塗布法を利用することができる。ここで、正極層は、リチウム電池の高容量化を実現するために、後述する負極層に比べて厚く形成されることがある。そのため、正極層を形成する方法として、特に、塗布法を使用することが好ましい。塗布法は、比較的厚膜の正極層を短時間で形成できる。また、塗布法を使用する場合、活物質を含有するスラリーに結着材を含有させて、このスラリーを正極集電体上に塗布したときに、スラリーが液だれしないようにすることが好ましい。結着材は、塗布したスラリーが固まって正極層が形成された後も、正極層中に残るので、結着材として、正極活物質であるMnO2よりも電子電導性の良いものを使用することが好ましい。このようにすることにより、正極層の内部抵抗が低下して、電池としたときの電池特性が向上する。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを使用することができる。
[負極支持体]
負極支持体は、金属から構成し集電体を兼ねたものとしても良いし、絶縁体上に金属膜を形成し、当該金属膜を集電体として使用しても良い。負極の集電体としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。これらの金属は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないため、リチウムとの金属間化合物による不具合、具体的には、充放電による膨張・収縮によって、負極支持体が構造破壊を起こし集電性が低下したり、負極層との接合性が低下して負極層が負極支持体から脱落し易くなるといった不具合を防止できる。なお、負極の集電体(金属膜)も、正極の場合と同様に、PVD法やCVD法で形成することができる。
[負極層]
負極層は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う負極活物質を含む層で構成する。例えば、負極層として、Li金属及びLi金属と合金を形成することのできる金属よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物又は合金が好適に使用できる。Liと合金を形成することのできる金属としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、及びインジウム(In)よりなる群より選ばれる少なくとも一つ(以下、合金化材料という)が良い。具体的な負極層の例として、例えば、Li-Al、Li-Mn-Al、Si、Si-N、Si-Co、Si-Feなどが挙げられる。なお、負極層は、正極層と同様に導電助剤を含んでいても良いし、負極層を塗布法で作製するのであれば結着剤を含んでいても良い。
このような元素を含有した負極層は、負極層自体に集電体としての機能を持たせることができ、かつリチウムイオンの吸蔵・放出能力が高く好ましい。特に、シリコン(Si)はリチウムを吸蔵・放出する能力がグラファイト(黒鉛)よりも大きく、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
また、負極層としてLi金属との合金相を用いることで、Li金属と合金化した合金化材料とLiイオン伝導性の固体電解質層との界面でのLiイオンの移動抵抗が低減される効果があり、第1サイクル目の充電初期における合金化材料の高抵抗化が緩和される。
さらに、合金化材料の金属単体を負極層とした場合には、第1サイクル目の充放電サイクルにおいて、充電容量に対して放電容量が大幅に小さくなる問題があるが、予めLi金属と合金化材料とを合金化した負極層材料を用いることにより、この不可逆容量は殆どなくなる。このことにより、正極活物質量を不可逆容量分だけ余分に充填する必要がなくなり、リチウム電池の容量密度を向上させることができる。
上述した負極層の形成方法は、気相堆積法が好ましい。その他、金属薄膜を負極支持体上に重ねて、プレスあるいは電気化学的手法により支持体上に負極層を形成しても良いし、塗布法を使用して負極層を形成しても良い。
[電解質層]
本発明リチウム電池は、電解質層にイオン液体を使用した電池である。イオン液体を使用した電解質層の構成は、大別して2つある。一つは、リチウム含有塩を溶解したイオン液体で構成した液体状の電解質層である。もう一つは、リチウム伝導性の固体電解質にイオン液体を含浸させた固体状の電解質層である。
〔液体状の電解質層〕
リチウム含有塩を溶解したイオン液体に要求される特性は、リチウムイオン伝導性が高く、電子伝導性が低いことである。具体的な数値としては、リチウムイオン伝導性が、10-4S/cm以上、電子伝導性が10-8S/cm以下であることが好ましい。
《イオン液体》
イオン液体とは、有機カチオンとアニオンとの組み合わせからなるイオンのみからなる液体である。
有機カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムカチオン『DI+』、トリアルキルイミダゾリウムカチオン『TI+』等のイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ジアルキルピロリジニウムイオン、ジアルキルピペリジニウムイオンの少なくとも一種が挙げられる。
特に、ジアルキルイミダゾリウムイオンの中でも、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン『EMI+』が好ましい。また、トリアルキルイミダゾリウムイオンの中では、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン『DMPI+』が好ましい。また、テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、ジメチルエチルメトキシアンモニウムイオン『DMEMA+』が望ましい。さらに、アルキルピリジニウムイオンとしては、1−ブチルピリジニウムイオン『BP+』、ジアルキルピロリジニウムイオンとしては、メチルプロピルピロリジニウムイオン『Py13 +』、ジアルキルピペリジニウムイオンとしては、メチルプロピルピペリジニウムイオン『PP13 +』が好ましい。
これらの有機カチオンのカウンターとなるアニオンとしては、PF6 -、PF3(C2F5)3 -、PF3(CF3)3 -、BF4 -、BF2(CF3)2 -、BF3(CF3)-、C(CF3SO2)3 -、ビスオキサラトホウ酸アニオン『BOB-』、Tf-、Nf-、ビス(フルオロスルフォニル)イミドアニオン『FSI-』、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン『TFSI-』、ビス(ペンタフルオロエタンスルフォニル)イミドアニオン『BETI-』、ジシアノアミドアニオン『DCA-』などを用いることができる。
イオン液体としては、例えば、四フッ化ホウ酸ジアルキルイミダゾリウム『DI・BF4』、ジアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド『DI・C(CF3SO2)3』、六フッ化リン酸ジアルキルイミダゾリウム『DI・PF6』、トリアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド『TI・C(CF3SO2)3』等の有機物カチオンを有する有機塩を挙げることができる。
中でも、『DI・BF4』、『DI・C(CF3SO2)3』及び『TI・C(CF3SO2)3』は、イオン伝導性、化学安定性及び電気化学安定性に優れているため、好ましい。特に、四フッ化ホウ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム『EMI・BF4』や、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド『EMI・C(CF3SO2)3』や、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド『DMPI・C(CF3SO2)3』を用いることが実用上優れている。
なお、これらのイオン液体は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよい。また、電解質層溶液には、有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒を添加することで電解質層の粘度の調整が容易にでき、しかも電解質層の導電率の向上が期待できる。
《リチウム含有塩》
イオン液体に溶解させるリチウム含有塩(電解質)は、カチオンがリチウムイオンであるリチウム塩を用いる。リチウムイオンのカウンターとなるアニオンとしては、塩化物アニオン『Cl-、ClO4 -』、臭化物アニオン『Br-』、ヨウ化物アニオン『I-』、フッ化物アニオン『BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、BETI-、TFSI-、C(CF3SO2)3 -』、『BOB-』、『DCA-』よりなる群から選択される少なくとも1種類もしくは2種類以上からなる塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
《セパレータ》
液体状の電解質層を用いて積層タイプのリチウム電池を作製する場合、正・負極間の短絡を防止するセパレータを使用する。セパレータとしては、イオンの透過性に優れ、機械的強度のある絶縁性薄膜を用いることができる。セパレータ材料としては、耐非水電解質性からポリプロピレンやポリエチレンといったポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニレンテレフタレートといったポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ガラス繊維、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース等が挙げられる。セパレータ形状としては、シート、微孔膜、不織布等が用いられる。
〔固体状の電解質層〕
固体状の電解質層の場合、リチウムイオン伝導性の固体電解質にイオン液体を含浸させて電解質層を構成する。イオン液体は、既に述べたものを使用すれば良い。ここで、固体電解質に含浸させるイオン液体は、リチウム含有塩を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。固体電解質にイオン液体を含浸させることで、固体電解質のリチウムイオン伝導度を高めることができる。
《固体電解質》
固体電解質としては、リチウムイオン伝導性が高いことと、電子伝導性が低いものを使用する。例えば、固体電解質のリチウムイオン伝導性に関しては、少なくとも10-5S/cm台以上(好ましくは、10-4S/cm台以上)、電子伝導性に関しては、10-8S/cm以下の低電子伝導体である事が望ましい。このような特性を有する固体電解質としては、リチウム(Li)、リン(P)、イオウ(S)を含有するものや、さらに酸素(O)を含有するものなどを使用すれば良い。
特に、正極層と負極層の両方に固体電解質層を形成したリチウム電池では、正負極層と固体電解質層との間の界面抵抗を低くすることができる組成を選択することができる。例えば、正極層上に、Li-P-S-NやLi-P-O-Nなどからなるアモルファス膜、あるいは多結晶膜を形成し、負極層上に、Li-P-S-Oなどからなるアモルファス膜、あるいは多結晶膜を形成する。
以上の構成を備えるリチウム電池によれば、正極活物質であるMnO2の表面にコーティング層を備えるため、電解質溶液にイオン液体を使用しても、イオン液体を構成するイオンが、MnO2のチャンネルに取り込まれることがない。そのため、本実施形態のリチウム電池は、電池反応に寄与するMnO2の量を維持することができるので、電池容量を長期的に維持することができる。
以下、実施の形態において説明した構成のリチウム電池を作製し、電池の容量を測定することで、電池の性能を評価した。
<実施例1>
[正極積層体の作製]
正極活物質としてMnO2粉末を用意した。粉末の平均粒径は、10μmであった。このMnO2粒子の表面にCをコーティングした。Cのコーティングには、スパッタ法を使用した。MnO2の表面にコーティングされるC層の厚さは、50nmであった。
表面をCでコーティングしたMnO2粉末を72重量部と、導電助剤としてカーボンブラックを18重量部と、結着剤としてPVdFを10重量部とをN-メチルピロリドン(NMP)溶液中で混合し、スラリーを調整した。得られたスラリーを厚さ20μmのAl箔からなる集電体(正極支持体)に塗布し、乾燥後、プレスすることにより集電体上に正極層を形成した。正極層の厚さは、100μmであった。
[負極積層体の作製]
また、厚さ5μmのCu箔からなる集電体(負極支持体)上に、気相法によりLi薄膜からなる負極層を形成した。負極層の厚さは、25μmであった。
[電解質層溶液の作製]
カチオンとしてEMI+、アニオンとしてFSI-を使用したイオン液体に、リチウム含有塩であるLiTFSIを合計で0.35mol/kgの濃度となるように溶解させて電解質層溶液を作製した。
[リチウム電池の作製]
上述のようにして作製した正極積層体の正極層と、負極積層体の負極層とが、イオン液体を染み込ませたセパレータ(商品名:セルガード3401)を挟んで対向するように重ね合わせた。そして、重ね合わせた積層体の外周を外装材で覆ってリチウム電池を作製した。リチウム電池は、各積層体の集電体から端子を取れるようにしてある。
<実施例2>
実施例2では、表面にPtをコーティングしたMnO2を正極活物質として使用したリチウム電池を作製した。コーティング層の厚さは、50nmであった。本例の電池は、MnO2の表面にコーティングする物質が、Ptである以外は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例3では、実施例1のリチウム電池とはイオン液体の組成が異なるリチウム電池を作製した。具体的には、イオン液体として、PP13 とTFSI-とからなるイオン液体を使用した。また、このイオン液体にLiTFTIを0.35mol/kgの濃度となるように溶解させた。本例の電池は、イオン液体の組成以外は実施例1と同様である。
<実施例4>
実施例4では、実施例2のリチウム電池とはイオン液体の組成が異なるリチウム電池を作製した。具体的には、イオン液体として、PP13 とTFSI-とからなるイオン液体を使用した。また、このイオン液体にLiBETIを0.35mol/kgの濃度となるように溶解させた。イオン液体の組成以外は実施例2と同様である。
<比較例1>
比較例1では、MnO2の表面にコーティング層がない以外は、実施例1と同様であるリチウム電池を作製した。
<比較例2>
比較例2では、MnO2の表面にコーティング層がない以外は、実施例3と同様であるリチウム電池を作製した。
<試験例>
上述した実施例1〜4と比較例1,2のリチウム電池について、初期容量および6ケ月放置後の容量を測定した。測定した容量は、0.1mAの一定電流で放電して、電圧が1Vまで低下したときの容量である。この測定結果を表1に示す。
Figure 2009037967
表1に示すように、実施例1〜4のリチウム電池は、いずれも初期容量が高く、しかも、6月後も初期容量にほぼ等しい容量を維持していた。また、実施例1、2の電池と比較例1の電池とを比較すると、比較例1の電池の初期容量は、実施例1、2の電池の初期容量のほぼ1/3程度であった。しかも、比較例1の電池の6月後の容量は、初期容量のほぼ1/10に低下していた。同様に、実施例3、4の電池と比較例2の電池とを比較しても、比較例2の電池は、実施例3、4の電池と比較して初期容量で大きく劣り、しかも初期容量を長期的に維持することができなかった。
なお、本発明は上述の実施の形態に何ら限定されることはない。即ち、上述した実施の形態に記載のリチウム電池の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明リチウム電池は、携帯電子機器の電源に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. リチウムを吸蔵・放出する正極層および負極層と、これらの層の間に介在され、両極間でのリチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備えるリチウム電池であって、
    電解質層は、イオン液体を含有し、
    正極層に含まれる正極活物質が、MnO2であり、
    前記正極活物質の表面にCまたはPtがコーティングされていることを特徴とするリチウム電池。
  2. 前記コーティングの平均膜厚が5nm以上、80nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池。
  3. 前記正極層は、塗布法で作製したことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム電池。
  4. 前記正極層を塗布法で作製する際に使用した結着材が、正極活物質よりも電子電導性の高い結着材であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013105649A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Shin Etsu Chem Co Ltd 非水電解質二次電池
CN104009204A (zh) * 2014-06-23 2014-08-27 哈尔滨工业大学 一种富锂锰基材料锂离子电池正极极片及其制备方法

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