JP2009033037A - 多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法 - Google Patents

多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光の高周波数化に伴って生産性を向上させることが可能な多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】多結晶半導体薄膜の製造装置101は、レーザ光を生成するレーザ生成部2と、受けた光を半導体薄膜上の第1の領域へ誘導する第1の誘導部5Aと、受けた光を第1の領域と少なくとも一部が異なる半導体薄膜上の第2の領域へ誘導する第2の誘導部5Bと、レーザ生成部2から受けたレーザ光を第1の誘導部5Aへ出力するか第2の誘導部5Bへ出力するかを切り替える切り替え部4とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法に関し、特に、エネルギビーム、たとえばレーザ光を利用した多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法に関する。
アモルファス半導体薄膜を再結晶化して多結晶半導体薄膜とし、この多結晶半導体薄膜にトランジスタを形成した多結晶薄膜トランジスタは、アモルファス半導体薄膜に直接トランジスタを形成したアモルファス薄膜トランジスタと比較して電界移動度が大きい。このため、多結晶薄膜トランジスタは高速動作が期待できることから、液晶デバイスの駆動回路のみならずガラス基板上での大規模集積回路を実現できる可能性を有している。
結晶性シリコンの薄膜トランジスタを用いる場合には、たとえば、表示装置の画素部分にスイッチング素子を形成するだけでなく、画素周辺部分に駆動回路および一部の周辺回路を形成することもできるため、これらの素子および回路を一枚の基板上に形成することができる。このため、別途ドライバIC(Integrated Circuit)および駆動回路基板を表示装置に実装する必要がなくなるので、表示装置を低価格で提供することが可能となる。
また、その他の長所として、結晶性シリコンの薄膜トランジスタを用いる場合には、トランジスタの寸法を微細化できるので、画素部分に形成するスイッチング素子が小さくなり、表示装置の開口率を高くすることができる。このため、高輝度および高精細な表示装置を提供することが可能となる。
多結晶半導体薄膜は、気相成長法によって得られたアモルファス半導体薄膜を長時間高温で熱アニールするか、あるいはレーザなどの高エネルギフルエンスを有する光を照射する光アニールによって得られる。光アニールでは、半導体薄膜のみを半導体薄膜の融点以上の温度まで高くすることが可能であるため、移動度が高い半導体薄膜の再結晶化には光アニールは非常に有効である。近年では、エキシマレーザを用いて非晶質シリコンを多結晶化する技術が一般化されているため、低価格のガラス基板に多結晶シリコントランジスタを形成した表示装置を低価格で提供できるようになっている。
エキシマレーザを用いた結晶化技術は一般的にELA(Excimer Laser Annealing)法と称され、生産性に優れるレーザ結晶化技術として、工業的に用いられている。ELA法は、具体的には、アモルファスシリコン薄膜を形成した基板を一定速度で走査しながら、長さ200〜400mm、幅0.2〜1.0μm程度の線状のエキシマレーザビームをガラス基板上のアモルファスシリコン薄膜にパルス照射するものである。この方法によって、多結晶シリコン薄膜が形成される。このとき、エキシマレーザを照射した部分のアモルファスシリコン薄膜は、厚さ方向全域にわたって溶融されるのではなく、一部の非晶質領域を残して溶融される。そのためレーザ光照射領域全面にわたって、いたるところにシリコンの結晶核が発生するので、アモルファスシリコン薄膜の最表層に向かってシリコンの結晶が形成される。
ここで、さらに高性能な表示装置を得るためには、上記の多結晶シリコンの結晶粒径を大きくすること、およびシリコン結晶の方位を制御することなどが必要である。そこで、単結晶シリコンに近い性能を有する多結晶シリコン薄膜を得ることを目的として、数多くの提案がなされている。これらの提案の中でも特に、結晶を横方向に成長させるスーパーラテラル成長法と称する技術(たとえば、特許文献1参照)がある。これは、まず数μm程度の微細幅のパルスレーザをシリコン薄膜に照射し、シリコン薄膜をレーザ照射領域の厚さ方向全域にわたって溶融および凝固させて結晶化を行なう。これにより溶融部と非溶融部との境界がガラス基板面に対して垂直に形成されるため、この境界で発生した結晶核から結晶がすべて横方向に成長する。その結果、1パルスのレーザ照射により、ガラスの基板面に対して平行に成長した針状の結晶が得られる。1パルスのレーザ照射により形成される結晶長さは1〜5μm程度であるが、1回前のレーザ照射で形成された針状結晶の一部に重複するように順次レーザパルスを照射していくことにより、既に成長した結晶を引き継いで、長い針状の結晶粒が得られるといった特徴を有している。
特許第3204986号公報 特開2005−056949号公報 特開平08−181065号公報 再表01/075950号公報
近年、レーザ発振器の発振周波数の高周波数化に伴い、走査速度の高速化が可能となり、生産性の向上が期待できる。しかしながら、この高周波数化に伴いシリコン膜の溶融/凝固の周期が短くなるため、溶融したシリコン膜からガラス基板への単位時間あたりの熱拡散量が増加する。これにより、ガラス基板の温度が上昇するため、ガラス基板が反るという問題が発生する。よって、生産時の最大発振周波数はレーザ発振器の性能ではなく、ガラス基板の特性等の生産条件で決まるため、レーザ発振器の高周波数化により生産性が必ずしも向上しないという課題がある。
半導体薄膜基板の温度上昇を防ぐ構成としては、パルスレーザ光を分岐することにより、半導体薄膜における複数の領域へ同時にパルスレーザ光を出力する構成が考えられる。たとえば、特許文献2には以下のような結晶化装置が開示されている。すなわち、均一な光強度分布の第1および第2のレーザ光を互いに時間差を有して射出する射出手段と、非単結晶の半導体薄膜を支持する支持手段と、これら射出手段と支持手段との間に、夫々配置された第1並びに第2の光学変調素子とを具備し、第1の光学変調素子は、射出手段からの第1のレーザ光を極小光強度線もしくは最小光強度点を有する光強度分布のレーザ光に変調して、半導体薄膜を照射し、この半導体薄膜に結晶核が極小光強度線もしくは最小光強度点と対応した結晶粒を横方向に成長させて形成させ、また、第2の光学変調素子は、射出手段からの第2のレーザ光を最小光強度点を有する光強度分布のレーザ光に変調して、半導体薄膜を照射し、成長の端部を結晶核にして半導体薄膜に結晶粒を成長させることにより、半導体薄膜を結晶化する。そして、射出手段は、レーザ光を発する光源と、この光源からのレーザ光を第1のレーザ光と第2のレーザ光とに分岐させる分岐手段と、この分岐手段からの第1のレーザ光の光強度分布を均一にして第1の光学変調素子に入射させる第1のホモジナイズ光学系と、分岐手段からの第2のレーザ光の光強度分布を均一にして第2の光学変調素子に入射させる第2のホモジナイズ光学系とを有する。
しかしながら、このような構成では、レーザ光のパワーが分散されるためにレーザ光のパワーが不足する場合があり、半導体薄膜の最適な溶融量を得ることができなくなるため、生産性の向上を図ることが困難となる。
また、光源からの光を制御する構成として、たとえば、特許文献3には、以下のようなパターン形成装置が開示されている。すなわち、有効光源からの光をマスクに照射し、このマスクのパターンを基板上に転写し、基板上にパターンを形成する装置において、有効光源の中央部から出射する光の光量を、有効光源の周辺部から出射する光の光量に対して、所定量低める光量分布補正手段を有する。
また、特許文献4には以下のような電子ビーム露光装置が開示されている。すなわち、電子ビームにより、ウェハを露光する電子ビーム露光装置であって、複数の電子ビームを独立に集束する多軸電子レンズと、ウェハに、複数の電子ビームを照射するか否かを、電子ビーム毎に独立に切り替える照射切替手段とを備える。
しかしながら、特許文献3および特許文献4に開示されたいずれの構成も、レーザ発振器の高周波数化により生産性が必ずしも向上しないという前述の課題を解決することはできない。
それゆえに、本発明の目的は、レーザ光の高周波数化に伴って生産性を向上させることが可能な多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる多結晶半導体薄膜の製造装置は、レーザ光を生成するレーザ生成部と、受けた光を半導体薄膜上の第1の領域へ誘導する第1の誘導部と、受けた光を第1の領域と少なくとも一部が異なる半導体薄膜上の第2の領域へ誘導する第2の誘導部と、レーザ生成部から受けたレーザ光を第1の誘導部へ出力するか第2の誘導部へ出力するかを切り替える切り替え部とを備える。
好ましくは、レーザ生成部は、パルス状のレーザ光を生成し、切り替え部は、レーザ生成部から受けたレーザ光を第1の誘導部へ出力するか第2の誘導部へ出力するかをレーザ光の1パルスごとに切り替え可能である。
より好ましくは、多結晶半導体薄膜の製造装置は、さらに、第1の制御信号をレーザ生成部へ出力し、かつ第1の制御信号と同期した第2の制御信号を切り替え部へ出力する制御部を備え、レーザ生成部は、制御部から受けた第1の制御信号に基づいてレーザ光を生成し、切り替え部は、制御部から受けた第2の制御信号に基づいて、レーザ生成部から受けたレーザ光を第1の誘導部へ出力するか第2の誘導部へ出力するかを切り替える。
より好ましくは、レーザ生成部は、制御部から受けた第1の制御信号の周波数で発振することによりレーザ光を生成し、制御部は、第1の制御信号を分周することにより第2の制御信号を生成する。
好ましくは、第1の領域の一部および第2の領域の一部は同じ領域である。
より好ましくは、第1の領域および第2の領域の形状は矩形であり、第1の領域および第2の領域は、長軸方向に互いに平行に配置され、かつ各々の一部が重なる。
好ましくは、切り替え部は、音響光学素子を含む。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる多結晶半導体薄膜の製造方法は、レーザ光を生成するステップと、レーザ光を半導体薄膜上の第1の領域へ照射するか、レーザ光を第1の領域と少なくとも一部が異なる半導体薄膜上の第2の領域へ照射するかを切り替えるステップとを含む。
好ましくは、レーザ光を生成するステップにおいては、パルス状のレーザ光を生成し、レーザ光を照射するステップにおいては、レーザ光を第1の領域へ照射するか第2の領域へ照射するかをレーザ光の1パルスごとに切り替える。
より好ましくは、多結晶半導体薄膜の製造方法は、さらに、第1の制御信号を出力し、かつ第1の制御信号と同期した第2の制御信号を出力するステップを含み、レーザ光を生成するステップにおいては、第1の制御信号に基づいてレーザ光を生成し、レーザ光を照射するステップにおいては、第2の制御信号に基づいて、レーザ光を第1の領域へ照射するか第2の領域へ照射するかを切り替える。
より好ましくは、レーザ光を生成するステップにおいては、第1の制御信号の周波数で発振することによりレーザ光を生成し、第1の制御信号および第2の制御信号を出力するステップにおいては、第1の制御信号を分周することにより第2の制御信号を生成する。
好ましくは、第1の領域の一部および第2の領域の一部は同じ領域である。
より好ましくは、第1の領域および第2の領域の形状は矩形であり、第1の領域および第2の領域は、長軸方向に互いに平行に配置され、かつ各々の一部が重なる。
好ましくは、レーザ光を照射するステップにおいては、音響光学素子を用いて、レーザ光を第1の領域へ出力するか第2の領域へ出力するかを切り替える。
本発明によれば、レーザ光の高周波数化に伴って生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[半導体薄膜基板]
図1は、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置において使用される半導体薄膜基板の一例を模式的に示す図である。
図1を参照して、半導体薄膜基板301は、絶縁性基板51と、バッファ層52と、半導体薄膜53とを含む。
絶縁性基板51上に、半導体薄膜53が形成される。絶縁性基板51と半導体薄膜53との間にバッファ層52が形成される。半導体薄膜53は、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって絶縁性基板51上に形成される。半導体薄膜53は、本発明の実施の形態に係る半導体薄膜の製造装置および製造方法によって溶融され、かつ再結晶化される前の状態、すなわち、未だ処理がされていない半導体薄膜である。
絶縁性基板51としては、ガラスおよび石英などを含む材質にて形成された公知の基板を適宜用いることができる。また、これらの材質の中でも、安価である点および大面積の絶縁性基板を容易に製造できる点から、ガラス製の絶縁性基板を用いることが望ましい。
また、半導体薄膜53は、絶縁性基板51上にバッファ層52を介して形成される構成が好ましい。このようにバッファ層52を形成する構成により、主としてレーザ光による溶融および再結晶化の際に、溶融した半導体薄膜53の熱が絶縁性基板51に影響することを防ぐことができる。さらに、絶縁性基板51から半導体薄膜53への不純物拡散を防ぐことができる。
なお、バッファ層52の材料および製法は特に限定されるものではなく、たとえば、従来用いられている酸化シリコンおよび窒化シリコンなどの材料を用いて、CVD法などによって形成することができる。また、ガラス基板と同一成分であり、各種物性がほぼ等しい酸化シリコンにてバッファ層52を形成する構成が好ましい。なお、バッファ層52の厚みは特に制限されるものではないが、100nm〜500nmの範囲であるのが好ましい。これは、バッファ層52が薄すぎる場合には不純物拡散防止効果が不十分となり、また、バッファ層52が厚すぎる場合には成膜に時間がかかり過ぎる傾向があるためである。
また、半導体薄膜53としては、非晶質半導体あるいは結晶性半導体であれば特に限定されず、任意の半導体材料を適用することができる。
また、半導体薄膜53の材質の具体例としては、液晶表示素子の製造工程において従来用いられているために製造が容易であるという理由から、a−Si:H(水素化アモルファスシリコン)をはじめとするアモルファスシリコンを含む材質が用いられている。しかしながら、半導体薄膜53の材質はアモルファスシリコンを含む材質に限られるものではなく、多少結晶性に劣る多結晶シリコンを含む材質であってもよいし、また、微結晶シリコンを含む材質であってもよい。また、半導体薄膜53の材質は、シリコンのみからなる材質に限られるものではなく、ゲルマニウムなどの他の元素を含んだシリコンを主成分とする材質であってもよい。たとえばゲルマニウムを添加することにより、半導体薄膜53の禁制帯幅を任意に制御することができる。
また、半導体薄膜基板301の構成および厚さは、特に制限されるものではなく、上記以外のものを用いてもよい。
[半導体薄膜製造装置]
図2は、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置の構成を示す図である。ここでは、パルスレーザ光の分割数を2とした場合を例に説明する。
図2を参照して、半導体薄膜製造装置101は、制御部1と、パルスレーザ生成部2と、基本誘導部3と、切り替え部4と、個別誘導部5Aおよび5Bと、相対位置調整部6とを備える。
パルスレーザ生成部2は、周波数fのパルスレーザ光を生成する。パルスレーザ生成部2は、半導体薄膜53が吸収可能な波長を有し、かつ半導体薄膜53を溶融可能なエネルギを有するレーザ光を生成可能なものであればよい。たとえば、パルスレーザ光の代わりに連続波レーザ光を生成する構成であってもよい。ただし、パルスレーザ生成部2は、ガラス基板である絶縁性基板51をできるだけ加熱しないために、ナノ秒(ns)からマイクロ秒(μs)オーダーの極めて短い時間に大きなエネルギを半導体薄膜53に与えることができるパルスレーザ光を生成する構成が好ましい。このようなパルスレーザ生成部2としては、たとえば、エキシマレーザおよびYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザに代表される各種固体レーザを生成可能なものを好適に用いることができる。
多結晶半導体薄膜の製造装置では、近年、発振周波数の高周波数化が著しい固体レーザが用いられている。本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、固体レーザが生成するレーザ光の波長は、たとえば、半導体薄膜53が吸収可能な500〜550nmに設定される。
基本誘導部3および個別誘導部5A,5Bは、パルスレーザ光を半導体薄膜基板301上に誘導する。
基本誘導部3は、パルスレーザ生成部2から受けたパルスレーザ光を切り替え部4に誘導する。基本誘導部3は、パルスレーザ光の強度を任意に調整できる図示しない調整部を含む。調整部は、アッテネータを含む構成が望ましい。
相対位置調整部6は、半導体薄膜基板301を水平方向に所定の速度で移動可能なステージを含み、半導体薄膜基板301とパルスレーザ光との相対的な位置関係を調整する。
制御部1は、半導体薄膜製造装置101全体を制御する。すなわち、制御部1は、パルスレーザ生成部2を制御するための発振制御信号OPTCONTを生成し、かつ切り替え部4を制御するための切り替え制御信号SWCONTと、相対位置調整部6を制御するための位置制御信号PCONTとを生成する。
切り替え部4は、制御部1から受けた切り替え制御信号SWCONTに応じて、パルスレーザ生成部2から受けたパルスレーザ光を当分割する。切り替え部4は、たとえば音響光学素子である。音響光学素子は、LiNbO3の結晶および鉛ガラス等、音波吸収が小さい物質を含み、この物質中に超音波を励起することにより、この物質の屈折率を周期的に変化させる。そして、この屈折率の周期的変化によって入射光を複数方向に回折させる素子である。このような音響光学素子を用いる構成により、たとえばミラーのあおりすなわち回折角度を制御する構成と比べて、光路変更を高速に行なうことができる。
また、切り替え部4は、電場によって屈折率が変化するEO(電気光学:electro-optic)素子であってもよい。
個別誘導部5Aおよび5Bは、切り替え部4から受けたパルスレーザ光PA,PBをそれぞれ半導体薄膜基板301上に誘導する。
ここで、切り替え部4がパルスレーザ光をN分割する場合(Nは2以上の自然数)、個別誘導部はN個必要となる。
図3は、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置における個別誘導部の構成の一例を示す図である。
図3を参照して、個別誘導部5Aおよび5Bの各々は、ミラー11と、均一化部12と、整形部13と、投影部14とを含む。
ミラー11は、切り替え部4から受けたパルスレーザ光を折り返す。
均一化部12は、ミラー11から受けたパルスレーザ光の空間強度分布を均一化する。均一化部12は、主に複数のシリンドリカルレンズ、あるいは複数のフライアイレンズを含む。なお、均一化部12は、このような構成に限定されるものではなく、回折光学素子を含む構成であってもよい。
整形部13は、均一化部12から受けたパルスレーザ光の形状を整形する。より詳細には、整形部13は、パルスレーザ光の形状をアスペクト比の大きい矩形状に整形する。整形部13は、たとえばシリンドリカルレンズおよび矩形状のマスク等を含む。
投影部14は、整形部13によって整形されたパルスレーザ光を半導体薄膜基板301上において所定の大きさになるように照射する。投影部14は、結像レンズを含む。
個別誘導部5Aおよび5Bは、半導体薄膜製造装置101における配置部位および数量に制限はなく、半導体薄膜製造装置101の光学設計および機構設計に応じて適切に配置することが可能である。
[半導体薄膜の製造方法]
次に、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置が多結晶半導体薄膜を製造する際の動作について図面を用いて詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置が半導体薄膜を製造する際の動作を示す波形図である。ここでは、パルスレーザ光の分割数を2とした場合を例に説明する。
制御部1は、周波数fの発振制御信号OPTCONTを生成する。そして、パルスレーザ生成部2は、発振制御信号OPTCONTの周波数fで発振することにより、周波数fのパルスレーザ光を生成する。また、制御部1は、発振制御信号OPTCONTに同期した切り替え制御信号SWCONTを生成する。制御部1は、レーザ光の分割数を2にする場合、図4に示すように、発振制御信号OPTCONTを2分周した周波数f/2の切り替え制御信号SWCONTを生成する。
切り替え部4は、制御部1から受けた切り替え制御信号SWCONTに基づいて、発振制御信号OPTCONTの1周期ごとに、すなわちパルスレーザ光の1パルスごとに、パルスレーザ光を個別誘導部5Aへ出力するか、個別誘導部5Bへ出力するかを切り替える。より詳細には、切り替え部4は、発振制御信号OPTCONTの1周期において、切り替え制御信号SWCONTがLレベルからHレベルに遷移した場合には、パルスレーザ生成部2から受けたパルスレーザ光を個別誘導部5Aへ出力する。一方、切り替え部4は、発振制御信号OPTCONTの1周期において、切り替え制御信号SWCONTがLレベルからHレベルに遷移しない場合には、パルスレーザ生成部2から受けたパルスレーザ光を個別誘導部5Bへ出力する。
個別誘導部5Aおよび5Bの各々は、切り替え部4から受けたパルスレーザ光PA,PBを、前述のようなパルスレーザ光に整形し、半導体薄膜基板301上の照射領域Sに照射する。
図5および図6は、パルスレーザ光の半導体薄膜基板301への照射方法の一例を示す図である。
制御部1は、発振制御信号OPTCONTと同期した位置制御信号PCONTを生成することにより、パルスレーザ光の1周期ごとに、所定の送りピッチだけ照射領域Sに対して半導体薄膜基板301が移動するように、相対位置調整部6を制御する。
図5および図6を参照して、個別誘導部5Aにより矩形状に整形された照射領域SA、および個別誘導部5Bにより矩形状に整形された照射領域SBは、各々の一部が重なり、かつ互いに平行である。照射領域SAおよび照射領域SBは、重畳領域X(図のハッチング部分)と、非重畳領域Yとを含む。
個別誘導部5Aおよび5Bの各々は、非重畳領域Y同士が重なることがないように、パルスレーザ光を半導体薄膜基板301上に誘導して照射する。より詳細には、照射領域SAおよび照射領域SBは、照射領域Sの長軸方向に並ぶように設定される。
制御部1は、相対位置調整部6を制御して、矢印Dの方向すなわち照射領域Sの短軸方向に半導体薄膜基板301を往復走査することにより、パルスレーザ光を半導体薄膜基板301全面に照射する。なお、照射領域SAおよび照射領域SBの位置関係および半導体薄膜基板301の走査方法は上記に限定されるものではない。たとえば、照射領域SAおよび照射領域SBが重畳領域Xを含まない構成であってもよい。
ところで、従来の多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法では、生産時の最大発振周波数はレーザ発振器の性能ではなく、ガラス基板の特性等の生産条件で決まるため、レーザ発振器の高周波数化により生産性が必ずしも向上しないという課題があった。しかしながら、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、切り替え部4は、パルスレーザ生成部2から受けたパルスレーザ光を個別誘導部5Aへ出力するか個別誘導部5Bへ出力するかを切り替える。そして、個別誘導部5Aおよび5Bは、切り替え部4から受けたパルスレーザ光を半導体薄膜基板301上の少なくとも一部が異なる2つの領域へそれぞれ誘導する。このような構成により、レーザ発振器すなわちパルスレーザ生成部2の発振周波数の増加に伴い半導体薄膜基板301における単位時間あたりの照射面積を増加させることができる。
また、特許文献2記載の結晶化装置のように、パルスレーザ光を分岐する構成では、レーザ光のパワーが分散されるためにレーザ光のパワーが不足する場合があり、半導体薄膜の最適な溶融量を得ることができなくなってしまうという問題点があった。しかしながら、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、上記のような構成により、パルスレーザ光の振幅が小さくならないため、半導体薄膜の最適な溶融量を得ることができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、レーザ光の高周波数化に伴って生産性を向上させることができる。
また、従来の多結晶半導体薄膜の製造装置および製造方法では、TFT(Thin Film Transistor)素子の微細化が進んでいる中で、ガラス基板温度の上昇に伴い結晶粒が肥大化すると、TFT素子の大きさと結晶粒の大きさとがほぼ同程度となるため、TFT素子の特性が結晶粒の大きさのばらつきの影響を受けやすくなることから、TFT素子の特性のばらつきが大きくなるという課題がある。しかしながら、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、半導体薄膜基板301上の少なくとも一部が異なる2つの領域へレーザ光を所定間隔で交互に照射する。このような構成により、レーザ光の高周波数化に伴う半導体薄膜基板の温度上昇によって結晶幅の肥大化が生じることを抑制することができるため、TFT素子に対して結晶粒を微細化することができる。このため、レーザ光の高周波数化に伴うTFT素子の特性のばらつきを抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置では、照射領域SAおよびSBは、各々の一部が重なる重畳領域Xを含む。すなわち、照射領域SAおよびSBの各々の一部の領域が重なっている。このような構成により、パルスレーザ光の照射位置ずれによる未照射領域の発生を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置において使用される半導体薄膜基板の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置における個別誘導部の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る多結晶半導体薄膜の製造装置が半導体薄膜を製造する際の動作を示す波形図である。 パルスレーザ光の半導体薄膜基板301への照射方法の一例を示す図である。 パルスレーザ光の半導体薄膜基板301への照射方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 制御部、2 パルスレーザ生成部、3 基本誘導部、4 切り替え部、5A,5B 個別誘導部、6 相対位置調整部、11 ミラー、12 均一化部、13 整形部、14 投影部、51 絶縁性基板、52 バッファ層、53 半導体薄膜、101 半導体薄膜製造装置、301 半導体薄膜基板。

Claims (14)

  1. レーザ光を生成するレーザ生成部と、
    受けた光を半導体薄膜上の第1の領域へ誘導する第1の誘導部と、
    受けた光を前記第1の領域と少なくとも一部が異なる前記半導体薄膜上の第2の領域へ誘導する第2の誘導部と、
    前記レーザ生成部から受けた前記レーザ光を前記第1の誘導部へ出力するか前記第2の誘導部へ出力するかを切り替える切り替え部とを備える多結晶半導体薄膜の製造装置。
  2. 前記レーザ生成部は、パルス状のレーザ光を生成し、
    前記切り替え部は、前記レーザ生成部から受けた前記レーザ光を前記第1の誘導部へ出力するか前記第2の誘導部へ出力するかを前記レーザ光の1パルスごとに切り替え可能である請求項1記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  3. 前記多結晶半導体薄膜の製造装置は、さらに、
    第1の制御信号を前記レーザ生成部へ出力し、かつ前記第1の制御信号と同期した第2の制御信号を前記切り替え部へ出力する制御部を備え、
    前記レーザ生成部は、前記制御部から受けた第1の制御信号に基づいて前記レーザ光を生成し、
    前記切り替え部は、前記制御部から受けた第2の制御信号に基づいて、前記レーザ生成部から受けた前記レーザ光を前記第1の誘導部へ出力するか前記第2の誘導部へ出力するかを切り替える請求項2記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  4. 前記レーザ生成部は、前記制御部から受けた前記第1の制御信号の周波数で発振することにより前記レーザ光を生成し、
    前記制御部は、前記第1の制御信号を分周することにより前記第2の制御信号を生成する請求項3記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  5. 前記第1の領域の一部および前記第2の領域の一部は同じ領域である請求項1記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  6. 前記第1の領域および前記第2の領域の形状は矩形であり、
    前記第1の領域および前記第2の領域は、長軸方向に互いに平行に配置され、かつ各々の一部が重なる請求項5記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  7. 前記切り替え部は、音響光学素子を含む請求項1記載の多結晶半導体薄膜の製造装置。
  8. レーザ光を生成するステップと、
    前記レーザ光を半導体薄膜上の第1の領域へ照射するか、前記レーザ光を前記第1の領域と少なくとも一部が異なる前記半導体薄膜上の第2の領域へ照射するかを切り替えるステップとを含む多結晶半導体薄膜の製造方法。
  9. 前記レーザ光を生成するステップにおいては、パルス状のレーザ光を生成し、
    前記レーザ光を照射するステップにおいては、前記レーザ光を前記第1の領域へ照射するか前記第2の領域へ照射するかを前記レーザ光の1パルスごとに切り替える請求項8記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
  10. 前記多結晶半導体薄膜の製造方法は、さらに、
    第1の制御信号を出力し、かつ前記第1の制御信号と同期した第2の制御信号を出力するステップを含み、
    前記レーザ光を生成するステップにおいては、前記第1の制御信号に基づいて前記レーザ光を生成し、
    前記レーザ光を照射するステップにおいては、前記第2の制御信号に基づいて、前記レーザ光を前記第1の領域へ照射するか前記第2の領域へ照射するかを切り替える請求項9記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
  11. 前記レーザ光を生成するステップにおいては、前記第1の制御信号の周波数で発振することにより前記レーザ光を生成し、
    前記第1の制御信号および前記第2の制御信号を出力するステップにおいては、前記第1の制御信号を分周することにより前記第2の制御信号を生成する請求項10記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
  12. 前記第1の領域の一部および前記第2の領域の一部は同じ領域である請求項8記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
  13. 前記第1の領域および前記第2の領域の形状は矩形であり、
    前記第1の領域および前記第2の領域は、長軸方向に互いに平行に配置され、かつ各々の一部が重なる請求項12記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
  14. 前記レーザ光を照射するステップにおいては、音響光学素子を用いて、前記レーザ光を前記第1の領域へ出力するか前記第2の領域へ出力するかを切り替える請求項8記載の多結晶半導体薄膜の製造方法。
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