JP2009029366A - 側面衝突性能を強化させた自動車用ドア - Google Patents

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Abstract

【課題】側面衝突時に衝突エネルギーの吸収性能を向上させた自動車用ドアを提供する。
【解決手段】側面衝突用ドアビームを有するドア構造において、アウターパネルとドアビームと、又はアウターパネルとガラス昇降スペースとの隙間に凹凸部を有する補強パネルをアウターパネルの内面形状に合わせて配置する。また、ドアビームをその長手方向が車両の前後方向になるように複数本配置する。補強パネルは、ドアビームとアウターパネルとに接合され、ドア内部に形成された空間の上下端、前後端の近傍で、インナーパネル又はアウターパネルに接合される。補強パネルの凹凸形状は様々な形状とすることができ、自動車の諸条件により各種設定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の側面衝突に対する衝突性能を強化させた自動車用ドアに関する。
近時、乗員保護の観点から、側面衝突に対する安全性の基準が強化されており、自動車のドアには側面衝突性能を十分に発揮することが求められている。側面衝突から乗員を保護するためには、衝突車両のドア部への進入量を低減させてドアが車室内側へ変形するのを抑制することが重要である。側面衝突の場合には、前方又は後方の衝突に比べて衝突エネルギーを吸収するためのスペースが小さい。このような衝突に対しては、従来、ドアの内部に車両の進行方向に沿ってドアビームを配設させて、ドアが車室内側へ変形することを抑制していた。
従来から、ドアビームには、例えば高張力鋼材のパイプ、プレス材(特許文献1)又はアルミ押出形材(特許文献2)によるものが開発され使用されている。一般に、これらのドアビームは、曲がりのない直線状のものが使用されている。特許文献3では、押出形材の曲げ加工時において、曲げ外側壁に凹みを生じさせにくい曲げ加工方法が記載されている。また、特許文献4では、隔壁を有した中空体に所定の範囲を焼き入れしたドアビームをドアの斜め方向に設置した実施例が記載されている。
特開平8−216684号公報 特開平11−264044号公報 特開2001−71038号公報 特開2001−287608号公報
一般に、ドアのアウターパネルは車両の前後方向及び上下方向に丸みを帯びているため、ドアビームとアウターパネルとの間には隙間が生じる。従来、この隙間には接着剤が充填され、ドアビームとアウターパネルとが接着されていた。このようなドアでは、側面衝突の際に、アウターパネルが衝突荷重に対して大きな抵抗を示さずに隙間量を変形してしまうため、この隙間をエネルギー吸収スペースとして有効に活用できていなかった。特に、車両をボリューム感のあるデザインとするため、アウターパネルを前後及び上下方向に丸みを大きくしたドアでは、アウターパネルとドアビームとの間の隙間は更に大きくなる。
また、近時においてはSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)等の車高が高く質量の大きい車との衝突を想定して安全基準が強化されているため、ドアビームの高さ(車両上下方向)寸法を大型化する必要がある。このことによっても、上記隙間が更に大きくなりやすい。
上記隙間を小さくするため、特許文献3に記された方法を用いてドアビームをアウターパネルの形状にあわせて曲げ加工を施すことが考えられる。しかし、アウターパネルの凹凸が大きい場合には、ドアビームの曲げ加工量が大きくなり製作が困難となる。仮に強制的に曲げ加工を施したとしても、曲げ加工部にシワが発生したり、座屈を引き起こしたりしやすくなる等、ドアビームの強度低下の原因となる。
また、アウターパネルとドアビームとの間の隙間が大きくなると、車両がドアビームからずれた高さ位置に衝突した場合、衝突車両の進入量が増大して、車内の乗員生存スペースが大幅に減少するという問題点がある。この対策として、特許文献4に記されたようにドアビームを斜め方向に配置する方法がある。しかし、この方法では一般的にドアビームの取り付けスパンが長くなり、衝突時にはドアビームにねじれ変形が生じることから、この変形に対応できる十分な強度が得られるようにドアビームを大型にする必要がある。その結果、車両重量の増大を招き、燃費及び運動性能の低下等クルマの基本性能に悪影響を与えてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、側面衝突時に衝突エネルギーの吸収性能を向上させた自動車用ドアを提供することを目的とする。
本発明に係る自動車用ドアは、アウターパネルと、このアウターパネルとガラス昇降スペースとの間に配置され、前記アウターパネルの内面形状に合わせた形状を有すると共に、凹凸部を備えた補強パネルと、前記補強パネルに接合された複数本のドアビームと、を有することを特徴とする。
この場合に、前記複数本のドアビームが、夫々の長手方向が車両の前後方向となるように配置されていてもよい。
また、前記補強パネルは、少なくともその車両前後側上下のいずれかの縁部がインナーパネルに接合されていてもよい。
更に、1又は複数本の前記ドアビームが、車両の幅方向における位置が互いに異なる複数箇所で前記補強パネルと接合されていてもよい。
更にまた、前記ドアビームが、その両端部がドアヒンジ、ドアロック又は側面衝突時にドアの車室内への進入を規制するストッパーに向かうように配置され、側面衝突時の衝突荷重を前記ドアヒンジ、前記ドアロック及び前記ストッパーを介して前記ドアビームからボデーに伝達するように構成することができる。
更にまた、前記補強パネルの前記凹凸部が、互いに平行となるように配列された複数本のビードであり、前記ビードとその両側の前記ドアビームの各々とがなす角度が等しくなるように、前記補強パネルと前記ドアビームとが互いに接合されていてもよい。
更にまた、前記ドアビームが、鋼板のプレス成形品、鋼管又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金の押出形材のいずれかにより構成され、前記補強パネルが、鋼板、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の板材又は繊維強化樹脂成形品のいずれかにより構成されていてもよい。
本発明によれば、側面衝突の初期段階で、アウターパネルとドアビームとの隙間に配置された補強パネルが変形することにより、自動車用ドアのアウターパネルに加わった衝突エネルギーを吸収することができる。つまり、この隙間を、衝突エネルギーを吸収することができるエネルギー吸収スペースとして有効に活用することができる。また、補強パネルが2つ以上のドアビームを連結しているので、衝突位置がドアビームの位置とずれていても衝突荷重をドアビームに伝達できる。これらにより、本発明によれば、側面衝突時に衝突エネルギーの吸収性能を向上させた自動車用ドアを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1(a)乃至(c)は本第1実施形態に係る自動車用ドアを示す正面図及び断面図である。図1(a)は自動車の進行方向左側の乗用車ドア10の正面図であり、図1(b)は図1(a)に示すA−A線による断面図であり、図1(c)は図1(b)に示すB−B線による断面図である。なお、図1(a)において、図の左側を自動車の前方、図の上側を自動車の上方とする。
図1(a)に示すように、ドア10はアウターパネル13及びその上方の窓枠12を有している。また、窓ガラス11が窓枠12に設置されており、窓ガラス11を昇降させることにより窓を開閉することができる。なお、ドア10は後述するインナーパネルに配設されたドアヒンジ及びロックを有しており、これらによって自動車のボデーに取り付けられるようになっている。
図1(b)に示すように、ドア10は、車室外に設けられたアウターパネル(以下、単にアウターともいう)13と、車室内に設けられたインナーパネル(以下、単にインナーともいう)14と、内装が施された内装トリム15とを備えている。アウターパネル13は、自動車をボリューム感のあるデザインとするため、車両の前後方向及び上下方向に丸みを帯びた形状をしており、ドア10の外観を形成している。インナーパネル14はドア10のアウターパネル13と接合され、ドア10内部の空間を形成している。内装トリム15は、車内の内装が施されると共にドア10開閉用の取手及びガラスの開閉ボタン等の諸設備が取り付けられており、この状態でインナーパネル14に接合されている。なお、図中×印は部材同士が接合されている箇所を示す。
形成されたドア10内部の空間には、ガラスの昇降設備(不図示)、ガラス昇降スペース21、ドアビーム16a及び16b(ここでは上下位置に2本配置、以下、自動車の上方側を16aとし下方側を16bとする)並びにスピーカー22等が配設されている。ドアビーム16a及び16bは、鋼板のプレス成形品により製造されており、車両の側面衝突から乗員を守るためにドア10内部に前後方向に沿って配設されている。また、上部にはアウターパネル側及びインナーパネル側に補強材17が設置され、夫々アウターパネル13とインナーパネル14とに接合されている。
そして、上下のドアビーム16a及び16bの間に、側面衝突による衝突エネルギーの吸収を目的として、凹凸のある鋼板製の補強パネル20が設置されている。補強パネル20は、アウター面の形状に合わせたアウターとの接合面20aと、ドアビームとの接合面20bとを持ち、夫々アウターパネル13並びにドアビーム16a及び16bとは接着剤18により接合されている。また、少なくとも車両前後側において、補強パネル20の縁部とインナーパネル14とが接合されている。
図1(c)に示すように、ドアビーム16aは車両前後方向に沿って配設され、その端部は補強パネル20を介してインナーパネル14と接合されている。ドアビーム16a及び16bは略直線状であるため、ドアビーム16a及び16bと、車両の前後方向に丸みを帯びた形状のアウターパネル13との間には隙間が生ずる。ここで、アウターパネル13とドアビーム16aとの間の隙間寸法はドアビーム16aの配設方向の位置により異なるため、配設される補強パネル20の凹凸は隙間寸法に合わせた高低差を有している。なお、図1(c)においては、上側ドアビーム16aのみ表示されているが、下側ドアビーム16bについても同様である。
次に、本実施形態の動作について説明する。
本実施形態のドア10に対する側面衝突時において、他の車両(衝突車両)からの衝突エネルギーは、アウターパネル13からドア10の内部へ伝達される。その際、補強パネル20が衝突荷重に抵抗しながら変形することにより、衝突エネルギーを吸収する。また、補強パネル20に接合された2本のドアビーム16a及び16bが衝突荷重を面状に受け、曲げ荷重に抗してドアの進入を抑制すると共に、衝突荷重はドアビーム16aから補強パネル20を介してインナーパネル14及びボデーに伝達される。これにより、ドア及びボデーが一体となって衝突荷重によるドアの車両内部への進入に抵抗する。
図2は、側面衝突時において、ドア10部への衝突車両の進入量を横軸に、衝突車両がドア10部に進入するのに必要な荷重(発生荷重)を縦軸にとり、両者の関係を表した概略図である。図2において、破線が従来のドア構造を示し、実線が本発明によるドア構造の衝突性能を示している。なお、上記の従来のドア構造は、図1に示す本実施形態のドアビームと同等のドアビームが車両進行方向に向かって2本配設され、アウターパネルとドアビームとの間の隙間には接着剤が充填されているものである。
図2(a)の範囲は、アウターパネル13とドアビーム16a及び16bとの隙間による空走スペースを表している。従来のドア構造では、(a)の範囲では車両進入量の増加に対する発生荷重の増加が比較的小さい。その後、空走スペースを超えて車両進入量が大きくなると、ドアビームが衝突荷重を受けるため、図2(b)に示すように車両進入量の増加に対して発生荷重の増加が大きくなる。更に車両進入量が大きくなると、図2(c)に示すように、車両進入量の増加に対して発生荷重はあまり変化しなくなる。
これに対して、本実施形態のドア構造では、図2(a)の範囲でも車両進入直後から従来のドア構造に比べて大きい発生荷重を示している。これは、アウターパネルとドアビームとの間に配設された補強パネルが変形することで、衝突エネルギーを効率良く吸収することを意味している。
その後、車両進入量が増加して空走スペースがなくなると、衝突荷重は直接ドアビーム16a及び16bに伝達される(図2(b))。従来のドア構造では、ビームではドアビームが単独で設置されるため、ねじれ変形しやすく、効率的なエネルギー吸収ができなかった。本実施形態によれば、2本のドアビームを補強パネルで連結しているので、各々のドアビームがもうひとつのドアビームのねじれ変形を抑制する効果が生じる。そのため、ドアビーム及び補強パネルの構造体が一体となって衝突荷重を面状に受けることにより、効率よく衝突エネルギーを吸収することができる。その結果、従来構造に比べて、車両進入量に対する発生荷重を大きくすることができる。
その後、車両進入量が更に増加すると、図2(c)に示すように、従来のドア構造と同様に車両進入量の増加に対して発生荷重はあまり変化しなくなる。しかし、本実施形態のドア構造は、前述のように衝突初期から効率良く衝突エネルギーを吸収するので、従来構造に比べて発生荷重が大きくなる。即ち、本実施形態の自動車用ドアは、従来構造に比べて外部からの衝突荷重に対して車両への最大進入量を低減させることができる。
以上説明したように、本実施形態においては、アウターパネル13とドアビーム16a及び16bとの間に補強パネル20を設置することにより、衝突初期段階での発生荷重を増加させることができる。即ち、アウターパネル13とドアビーム16a及び16bとの間の隙間をエネルギー吸収スペースとすることができる。また、補強パネル20からインナーパネル14を介してボデーへ衝突荷重を伝達するため、ドアにかかる衝突荷重を分散させることができる。
また、本実施形態では車両の前後方向に沿って2本のドアビームを配設している。ドアビームはできるだけアウターに近い位置に配置したほうが効率的にエネルギーを吸収できるが、ドアビームの車両高さ寸法が大きい場合には隙間が大きくなりすぎるので、ドアビームを2本とすることが有効である。更に、本実施形態では、アウターパネル13とドアビーム16a及び16bとの間の隙間の広い範囲に、立体的形状を有する補強パネル20が配設され、隣接する構造物と接合されている。これにより、ドアビームがない位置に衝突した場合であっても、補強パネル20を介してドアビーム16a及び16bに効率的に荷重を伝達できる。また、2本のドアビーム間を補強パネルで接続することにより、2本のドアビームを相互作用させ、ねじれ変形等を抑制して効率的なエネルギー吸収が可能になる。
更に、本実施形態においては、ドアビームを鋼板プレス成形品、補強パネルを鋼板としている。このように、ドアビーム及び補強パネルを弾性率の比較的大きい部品で構成しているので、変形初期の荷重の立ち上がりを大きくでき、効率よく衝突エネルギーを吸収できる。
なお、ドアビームは、上記以外にも例えば鋼管又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金の押出形材により構成することとしてもよい。また、補強パネルは、上記以外にも例えばアルミニウム若しくはアルミニウム合金の板材又は繊維強化樹脂成形品により構成することとしてもよい。
また、補強パネル20は、アウターパネル13の形状等に合わせて、例えば車両の進行方向又は上下方向に沿った1方向ビード状の凹凸を有するように構成することとしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3(a)及び(b)は、本第2実施形態に係る自動車用ドアを示す断面図及び正面図である。図3(a)は第1の実施形態と同様に図1(a)に示すA−A線による断面図であり、図3(b)は図3(a)に示すC−C線による車内側から見た補強パネル20の正面図である。なお、図3について以下に示す事項以外は第1の実施形態と同様であるので、図3において、図1と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図3(a)に示すように、本実施形態の自動車用ドアは、図1の構造をベースにして、ドアビームとの接合面20bに更に剛性を向上するためのビードを車両内側に設定したものである。図3(a)に示す補強パネル20は、アウター側からインナー側へ向かって順に、夫々ビードによって構成されたアウターとの接合面20a、ドアビームとの接合面20b及び第3の面20cを有している。なお、接合面20a、20b及び20cは、夫々相手方の部材の形状に合わせた凹凸の高さでビード面を構成することができる。
図3(b)に示すように、アウターとの接合面(車外側の面)20aはアウターに合わせた車両上下方向に伸びるビードであり、上側ドアビーム16aよりも上側では車両前後方向に伸びるフランジを形成している。このビードによる接合面20aはアウターの形状に合わせて高さが変更され、例えば接合箇所23においてアウターと接着剤で接合されている。また、ドアビームとの接合面20bにおいて、補強パネル20とドアビーム16a及び16bとが接合されている。接合方法は、後述するように種々の方法によることができる。なお、図3(b)において、便宜上ドアビーム16a及び16bは二点鎖線で図示している。第3の面20cは、図3(c)の断面を表す二点鎖線で示されるように一番車両内側に設けられたビードである。なお、第3の面20cの位置は、ガラス昇降スペース21等、ドア10内部に設置される諸設備と干渉しないように配設されている。
本実施形態においては、補強パネル20に対して第3の面20cによるビードを設定することにより、補強パネル20の剛性を大きくすることができる。このため、第1の実施形態で説明した補強パネルの衝突エネルギー吸収効果を更に向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図4(a)及び(b)は、本第3実施形態に係る自動車用ドアを示す断面図である。図4(a)は第1の実施形態と同様に図1(a)に示すA−A線による断面図であり、図4(b)は図4(a)に示すD−D線による断面図である。なお、図4について以下に示す事項以外は第1又は第2の実施形態と同様であるので、図4において、図1及び図3と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する(以降の各実施形態についても同様である)。
図4(a)に示すように、本実施形態の自動車用ドアでは、補強パネル20がドアビーム16bの下側に延長されて、その縁部がインナーパネル14と接合されている。このように、補強パネルを延長してインナーパネルと接合すれば、補強パネルとインナーパネルとの一体性が増し、衝突荷重に抵抗しながら、衝突荷重をロッカー等のボデー部品に伝達する。そのため、吸収することができる衝突エネルギーが増大することから、衝突車両のドア部への最大進入量を低減させることができる。また、補強パネル20の縁部をインナーパネル14に接合することで、アウターパネル13、インナーパネル14及び補強パネル20が閉断面を構成するため、より広い領域でのエネルギー吸収効率を向上させることができる。そのため、ドアビーム16a及び16bが配設された高さ位置からずれて車両が側面衝突した場合にも、従来のドア構造と比べて、衝突車両の最大進入量を低減させることができる。
また、本実施形態において、ドアビーム16a及び16bは接合用のフランジを有しているので、補強パネルとスポット溶接及びリベット接合等の両面接合を容易に行うことができる。
更に、本実施形態では、ドアビーム16aがブラケット19を介してインナーパネル14と接合されている。これにより、ドアビームの前後端の取付部がより強固となるため、ドアビームのねじれ変形の抑制効果を更に向上させることができる。なお、図4(c)においては、上側ドアビーム16aのみ表示されているが、下側ドアビーム16bについても同様である。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図5(a)は、本第4実施形態に係る自動車用ドアを示し、第1の実施形態と同様に図1(a)に示すA−A線による断面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態の自動車用ドアにおいては、ドアビーム16a及び16bのアウター側とインナー側に、補強パネル20を接合するためのフランジが設けられており、車両幅方向のオフセットした位置で補強パネル20と両面接合されている。また、ドアビーム16a及び16bは、補強パネル20のビード部の絞り形状に合わせて傾斜させた断面を有している。また、補強パネル20は、例えば溶接構造等により構成された閉断面を有している。
本実施形態においては、補強パネル20に対するドアビーム1本当たりの複数の接合位置を車両幅方向でオフセットさせる。これにより、補強パネル20とドアビーム16a及び16bの回転拘束力が増大し、ドアビーム16a及び16bのねじれ変形を効果的に抑制することができる。即ち、より効率的に衝突エネルギーを吸収することができる。
なお、図5(a)では、ドアビーム16a及び16bと補強パネル20とを両面接合しているが、例えば図5(b)に示すように、フランジをなくす、または短くして、アーク溶接及びレーザー溶接等の片面溶接により接合することとしてもよい。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図6(a)乃至(c)は、本第5実施形態に係る自動車用ドアにおけるドアビーム及び補強パネルの取付位置の関係を示す図である。
図6(a)乃至(c)に示すように、FR(前側)ドア31、RR(後側)ドア32及び33は、ヒンジ25及びロック26でピラー等のボデー部品に取り付けられている。また、FRドア31及びRRドア32は、ドアのRR側(ロック側)で下側に、側面衝突時に車室内へのドアの進入を規制するためのストッパー27が設けられている。なお、ヒンジ25、ロック26及びストッパー27は、ドアのインナーパネル14に配設されている。上側ドアビーム16aは、その両端部がヒンジ25及びロック26に向かうように例えばブラケットによりインナーパネルに配設されている。下側ドアビーム16bは、FRドア31及びRRドア32においてはその両端部がヒンジ25及びストッパー27に向かうように、RRドア33においてはその両端部がヒンジ25及びロック26に向かうように配設されている。なお、ドアビームからインナーパネルへ効率的に衝突荷重を伝達するため、ドアビーム16a及び16bの両端部はヒンジ25、ロック26及びストッパー27の近傍の位置となるように取り付けられている。
本実施形態においては、ドアビーム16a及び16bが、その両端部がヒンジ25、ロック26又はストッパー27の近傍となるように取り付けられている。これにより、ドアビームからボデーに直接的に荷重を伝達されるので、エネルギー吸収性能を更に向上させることができる。
また、図6(c)に示すRRドア33では、補強パネル20は互いに略平行で車両の上下方向に沿った複数本のビード28を有している。そして、このビード28とドアビーム16a及び16bの各々とがなす角度が略同一(Θ1≒Θ2)となるように取り付けられている。これにより、ドアビーム同士をビードが最短距離となるように結ぶことができるので、補強パネル20の剛性を向上させることができる。
なお、FRドア31では、補強パネル20がドアビーム16a及び16bのすべてを覆う領域に配置されているが、歩留まり等を考慮してRRドア32及び33のようにドアビーム16a及び16bの一部分のみを覆う領域に配置してもよい。なお、この場合には、ドアビーム16a及び16bの補強パネル20で覆われていない端部は、例えばブラケット等によりインナーパネルに接合されることにより、ドアビームが受ける荷重をインナーパネルに伝達することができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態において、数種類の凹凸部を有した補強パネル20を例示した。しかし、本発明は例示した実施形態のみに限定されるものではなく、ビードタイプの凹凸部においては凹凸高さを自由に設定することができ、凹凸部の長手方向を変えたり凹凸ビードの間隔を変えたりすることが可能である。また、凹凸形状も、凹凸の頂部と谷部を結ぶ斜面の角度、各凹凸ビードの稜線のRを自由に設定することは可能であり、コーンタイプ又は同心円状にしたもの等、いろいろな形状を採用することができる。
また、本発明の実施形態を数例述べたが、取り付けられる自動車の特性により採用される補強パネル形式は異なり、例えばドアビームの取付ブラケット19が存在しない自動車もある。その場合、自動車のフレーム構造及びドア10内部の諸設備等を考慮して、最適な補強パネル形式を選択することが可能である。
更に、本発明の各実施形態では、補強パネルとアウターパネルとの接合には接着剤を使用したが、これらの接合および、補強パネルとドアビームとの接合には、アーク溶接、スポット溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接等の溶融溶接、または、摩擦攪拌接合、リベット接合および機械式かしめ締結、接着剤を使用したヘミング加工等、種々の方法で接合することとしても良い。
更にまた、本発明の各実施形態では、2本のドアビーム16a及び16bを使用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ドアの大きさ及び質量増加等の条件を考慮した上で、ドアビームを3本以上配設することとしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る自動車用ドアを示す図であり、(a)は自動車の進行方向左側のドアの正面図、(b)は(a)に示すA−A線による断面図、(c)は(b)に示すB−B線による断面図である。 側面衝突時における車両進入量と発生荷重の関係を表したグラフである。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る自動車用ドアを示す断面図であり、(b)は(a)に示すC−C線による車内側から見た補強パネルの正面図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る自動車用ドアを示す断面図であり、(b)は(a)に示すD−D線による断面図である。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る自動車用ドアを示す断面図であり、(b)は本実施形態の変形例を示す断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の第5の実施形態に係る自動車用ドアにおけるドアビーム及び補強パネルの取付位置の関係を示す図である。
符号の説明
10 ドア
11 窓ガラス
12 窓枠
13 アウターパネル
14 インナーパネル
15 内装トリム
16 ドアビーム
16a 上側ドアビーム
16b 下側ドアビーム
17 補強材
18 接着剤
19 ブラケット
20 補強パネル
20a アウターとの接合面
20b ドアビームとの接合面
20c 第3の面
21 ガラス昇降スペース
22 スピーカー
23 接合箇所
24 溶接箇所
25 ヒンジ
26 ロック
27 ストッパー
28 ビード
31 FRドア
32、33 RRドア

Claims (7)

  1. アウターパネルと、このアウターパネルとガラス昇降スペースとの間に配置され、前記アウターパネルの内面形状に合わせた形状を有すると共に、凹凸部を備えた補強パネルと、前記補強パネルに接合された複数本のドアビームと、を有することを特徴とする自動車用ドア。
  2. 前記複数本のドアビームが、夫々の長手方向が車両の前後方向となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドア。
  3. 前記補強パネルは、少なくともその車両前後側上下のいずれかの縁部がインナーパネルに接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドア。
  4. 1又は複数本の前記ドアビームが、車両の幅方向における位置が互いに異なる複数箇所で前記補強パネルと接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動車用ドア。
  5. 前記ドアビームが、その両端部がドアヒンジ、ドアロック又は側面衝突時にドアの車室内への進入を規制するストッパーに向かうように配置され、側面衝突時の衝突荷重を前記ドアヒンジ、前記ドアロック及び前記ストッパーを介して前記ドアビームからボデーに伝達することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動車用ドア。
  6. 前記補強パネルの前記凹凸部が、互いに平行となるように配列された複数本のビードであり、前記ビードとその両側の前記ドアビームの各々とがなす角度が等しくなるように、前記補強パネルと前記ドアビームとが互いに接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の自動車ドア。
  7. 前記ドアビームが、鋼板のプレス成形品、鋼管又はアルミニウム若しくはアルミニウム合金の押出形材のいずれかにより構成され、前記補強パネルが、鋼板、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の板材又は繊維強化樹脂成形品のいずれかにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の自動車用ドア。
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