JP2009025002A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯管および外管よりなる熱交換器のロー付け等の接合加工を不要とし、製造設備、製造工程の簡略化を図って、製造コストを低減する。
【解決手段】水通路2を形成する芯管1と、該芯管1の外周囲に沿って平行に延び、上記水通路2の通路断面積よりも小さな通路断面積の冷媒通路4,4、4,4・・・を形成する複数本の外管3,3、3,3,3・・・と、該芯管1および外管3,3、3,3,3・・・を、相互に圧接する状態に結合固定して一体化する結合固定部材とを備えてなる熱交換器であって、上記結合固定部材は、バンド部材12よりなり、同バンド部材12の一端側に、当該バンド部材12の他端側を締結方向には通過させるが、その逆方向には係止するバックル部12aを備えたものとした。
【選択図】 図6
【解決手段】水通路2を形成する芯管1と、該芯管1の外周囲に沿って平行に延び、上記水通路2の通路断面積よりも小さな通路断面積の冷媒通路4,4、4,4・・・を形成する複数本の外管3,3、3,3,3・・・と、該芯管1および外管3,3、3,3,3・・・を、相互に圧接する状態に結合固定して一体化する結合固定部材とを備えてなる熱交換器であって、上記結合固定部材は、バンド部材12よりなり、同バンド部材12の一端側に、当該バンド部材12の他端側を締結方向には通過させるが、その逆方向には係止するバックル部12aを備えたものとした。
【選択図】 図6
Description
本願発明は、水と冷媒とを熱交換させる給湯機用熱交換器などの熱交換器に関するものである。
従来から良く知られている、例えばヒートポンプ式給湯機等の給湯機用熱交換器に用いられる熱交換器として、水が流通する内管と冷媒が流通する外管との二重管からなり、これを長円形の渦巻形状に巻成して1つの熱交換器ユニットとし、これを多数の段数重ね合わせて相互に接続することにより熱交換器本体を構成した二重管式熱交換器がある(例えば特許文献1参照)。
このような二重管式熱交換器の場合、水が流通する内管に腐食によって孔が空くと、水と冷媒とが混ざりあってしまうため、当該水の漏洩を検知して、給湯装置の運転を停止する必要があった。そこで、その対応として、上記内管の外側に内管から漏洩した水を導く漏洩検知溝を有する漏洩検知管を設け、上記水の漏洩をいち早く検知するようにしていた。したがって、同構成では、、実質的に熱交換器が、内管、漏洩検知管および外管の三重管により構成されることになる。したがって、同構成の場合、長円形の渦巻形状への曲げ加工が困難で、部品点数も多いために、製造工程が複雑化するとともに、コストの増大を免れがたい、という問題があった。
そこで、上記のような給湯機用の熱交換器として、さらに例えば図7に示すように、内部に水通路2を形成する長い芯管1の外周に、内部に冷媒通路4A,4Bを形成する上記芯管1よりも外径(通路径)の小さい第1,第2の2本の外管3A,3Bを所定のピッチで螺旋状に巻き付けてロウ付け又はハンダ付けし、これを例えば図12のような並列屈曲形状又は図13のような長円形の渦巻形状に巻成することによって1つの熱交換器ユニットとし、これら各熱交換器ユニットを、さらに複数の段数重ね合わせ、その後、上記芯管1および外管3A,3Bの各内端部同士を、所定の連絡管によって接続し、ロー付け等を施すことにより一体形状とし、上記芯管1側を水通路2とするとともに、上記第1,第2の外管3A,3B側を冷媒通路4A,4Bとした熱交換器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような熱交換器の構成によれば、水通路2を形成する芯管1側に孔が空いても、上記外管3A,3B側に孔が空かない限り、冷媒通路4A,4B側に水が侵入する恐れはないし、また上記第1,第2の外管3A,3Bの間の芯管1外周面における水の漏出状態から容易に水の漏洩を検知できるから、上述のような漏洩検知管も不要になる。
ところが、このような構成の場合、外管3,3の巻成加工が大変である。
そこで、複数の冷媒通路を水通路の長手方向に沿って平行に配置するとともに、その直径方向両端側外周面に分離集合させて配置することにより、そのような問題を解決した図8、図9および図10、図11のような給湯機用熱交換器に適した熱交換器が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
先ず図8、図9には、例えば給湯機用熱交換器を構成するに適した第1の形態の熱交換器の構成が示されている。
図中、符号1は、その内側に、断面円形の水通路2を形成する円管構造の芯管である。該芯管1は、所定の大きさの通路径(内径)を有して構成されている。
一方、符号3,3は、それぞれ、その内側に、断面円形の冷媒通路4,4を形成する円管構造の第1,第2の外管である。該第1,第2の各外管3,3は、上記芯管1の直径よりも小さく、上記芯管1の直径方向両端側の外周面に、相互に離間して長手方向に沿って平行に配置され、ロー付けにより芯管1と一体化されている。これら第1,第2の外管3,3内の各冷媒通路4,4には、例えば二酸化炭素冷媒が流されるようになっている。
したがって、該構成では、上記芯管1の上記第1,第2の外管3,3が、各々相互に180°離間して設けられている上記直径方向と直交する90度位置を異にする直径方向両端側の外周面には、図示のように、上記第1,第2の外管3,3が全く存在しない芯管1の外周面のみの外管非設置面が形成されることになる。
このような構成によれば、従来のような外管3A,3Bの巻成加工は不要となり、また芯管1の径を小さくしても外管3,3の偏平化は生じない。そのため、外管3,3のパス数を増やして、より細径化することもでき、また芯管1自体の径を小さくすることもできるようになる。
このため、例えば図12、図13に示すような各種の形状の熱交換器伝熱管(ユニット)10A,10Bを構成するに際し、上記外管3,3の全く存在しない外周面側(外管3の非設置面側)を隣接面として屈曲、巻成するようにすると、巻成加工そのものが容易で、しかも芯管1,1・・・相互を接触させる程度に高密度に巻成することができる。
その結果、全体として可及的に軽量、コンパクトでありながら、熱伝達性能の高い給湯機用熱交換器を提供することができるようになる。
次に図10、図11には、同じく給湯機用熱交換器を構成するに適した第2の形態の熱交換器の構成が示されている。
図中、符号1は、上記同様、その内側に、断面円形の水通路2を形成する円管構造の芯管である。該芯管1は、所定の大きさの通路径(内径)を有して構成されている。
一方、符号3,3・・・は、その内側に、断面円形の冷媒通路4を形成する円管構造の複数本の外管(管状部材)である。該複数本の外管3,3・・・は、上記芯管1の直径よりも小さく、上記芯管1の直径方向両端側に位置する外周面の所定周方向面幅(所定円弧角幅)内に、各々第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が分離集合して相互に等しい所定の間隔を置いて長手方向に沿って平行に配置され、ロー付け又は半田付けRにより、芯管1に一体化して設けられている。そして、これら第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3内の複数の冷媒通路4,4,4、4,4,4には、例えば二酸化炭素冷媒が流されるようになっている。
該第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が設けられている上記芯管1上の周方向面幅は、少なくとも上記芯管1の外径と等しいか、上記芯管1の外径よりも少し小さい幅となっている(図では、少し小さい場合を例示している)。
したがって、該構成では、上記芯管1の上記第1〜第3の外管3,3,3、第4〜第6の外管3,3,3が、各々相互に分離集合して設けられている上記直径方向と直交する90度位置を異にする直径方向両端側の外周面には、図示のように、上記外管3,3・・・が全く存在しない芯管1の外周面のみの外管非設置面が形成されることになる。
そして、このような構成によれば、やはり従来のような外管3A,3Bの巻き付け加工は不要となり、また芯管1の径を小さくしても第1,第2の外管3,3,3、3,3,3の偏平化は生じない。そのため、外管3,3,3、3,3,3のパス数を増やして細径化することができ、また芯管1の径を小さくすることができるようになる。
このため、例えば図12、図13に示すような各種の形状の熱交換器本体10A,10Bを構成するに際し、上記外管3,3・・・の全く存在しない外周面側(外管3の非設置面側)を隣接面として巻成するようにすると、巻成加工そのものが容易で、しかも芯管1,1・・・相互を接触させる程度に高密度に巻成して一体化(ロー付け又はハンダ付け)することができる。
その結果、全体として可及的に軽量、コンパクトでありながら、熱伝達性能の高い給湯機用熱交換器を提供することができるようになる。
これら第1,第2の形態の熱交換器構造によると、その製造工程面から上記従来の巻管構造の熱交換器構造と比較すると、外管を螺旋状に巻成する工程が不要となり、また外管がストレートで、平行に配設されている分、芯管とのロー付け又は半田付け作業が楽になる点で、製造工程上のメリットが大きい。
しかし、それでも複数本の外管と芯管とのロー付け又は半田付け工程そのものは、必ず必要であり、この作業が大変で、大幅なコストダウンを可能とするまでには到っていない。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、芯管と外管を所定の結合固定部材を介して機械的に結合一体化することによって、ロー付け又は半田付け工程を不要にし、製造コストを大幅に低減した熱交換器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上述の問題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
本願発明の課題解決手段は、水通路2を形成する芯管1と、該芯管1の外周囲に沿って平行に延び、上記水通路2の通路断面積よりも小さな通路断面積の冷媒通路4,4、4,4・・・を形成する複数本の外管3,3、3,3,3・・・と、該芯管1および外管3,3、3,3,3・・・を、相互に圧接する状態に結合固定して一体化する結合固定部材とを備えてなる熱交換器であって、上記結合固定部材は、バンド部材12よりなり、同バンド部材12の一端側に、当該バンド部材12の他端側を締結方向には通過させるが、その逆方向には係止するバックル部12aを備えてなることを特徴としている。
以上のように、該構成では、相互に平行な芯管1および外管3,3、3,3,3・・・が、結合固定部材により、機械的な作用で相互に結合固定される。
しかも、同構成の場合、上記結合固定部材は、バンド部材12よりなり、同バンド部材12の一端側に、当該バンド部材12の他端側を締結方向には通過させるが、その逆方向には係止するバックル部12aを備えていることから、上記芯管1および外管3,3,3、3,3,3・・・の一体化は、当該バンド部材12の他端側をバックル部12aを通して締結方向に通過させるだけで、簡単かつ確実に実現され、従来のような外管3,3の巻成加工やロー付け又は半田付け作業は不要で、その製造は極めて簡単で、複雑な製造工程、製造設備を全く必要としない。
したがって、製造、製品コストを大幅に低減することが可能となる。
特に、該構成の場合、結束後の曲げ加工が可能であり、芯管1に外管3,3,3、3,3,3を沿わせて、バンド部材12によってそれらを密着固定させた後に、全体の曲げ加工を行うことも可能なので、製造工程が一層簡略化され、より一層製造コストが低減される。
以上の結果、本願発明によると、給湯用熱交換器等の熱交換器の製造、製品コストを大幅に低減することが可能となる。
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず図1〜図3には、例えば給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態1に係る熱交換器10の構成が示されている。
先ず図1〜図3には、例えば給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態1に係る熱交換器10の構成が示されている。
これらの図中、先ず符号1は、その内側に、断面円形の水通路2を形成する円管構造の芯管である。該芯管1は、所定の大きさの通路径(内径)を有して構成されている。
一方、符号3,3は、その内側に、断面円形の冷媒通路4,4を形成する円管構造の2本の外管である。該外管3,3は、例えば図1に示すように、上記芯管1の直径よりも小さく、上記芯管1の直径方向両端側外周面に、位置して長手方向に沿って平行に配置され、後述する第1,第2の嵌合部材6,7よりなる結合固定部材を介して、最終的に図1のような配置構造で、芯管1と一体化されるようになっている。そして、これら2本の外管3,3内の各冷媒通路4,4には、製造完了後の使用状態において、例えば二酸化炭素冷媒が流されるようになっている。
これら芯管1および外管3,3は、それぞれ例えば前述の図12に示される熱交換器伝熱管10Aの形状と同様に、並列状態で複数回屈曲するように曲げ加工される。そして、該曲げ加工された芯管1および外管3,3は、例えば図2に示すように、図1のような配置構造で、本願発明の結合固定部材を構成する第1の嵌合部材6と第2の嵌合部材7との間に介装され、やがて図3の(A)に示す状態から図3の(B)に示す状態のように、嵌合固定されて、結合一体化される。
これら第1,第2の嵌合部材6,7は、それぞれ次のように構成されている。
すなわち、先ず第1の嵌合部材6は、上述した熱交換器伝熱管10Aの全体形状と大きさに対応した形状と大きさの所定の厚さの伝熱性の高い金属製のプレート部材(例えばアルミ等)よりなり、該プレート部材の一側面側に、所定の高さ上方に高く(厚く)形成され、上記芯管1を嵌合する芯管嵌合用凹部61aと、該芯管嵌合用凹部61aの両側にあって上記外管3,3を支持するフラットな外管支持部61b,61bとを備えた伝熱管支持部61,61・・・、該伝熱管支持部61,61・・・の間(芯管1の両側の外管3と外管3との間)の中間に位置して所定の高さ上方に突出し、その頂部62aの両側に上部がテーパ面の係合片63,63を備え、後述する第2の嵌合部材7側の後述する係合部71,71・・と係合する係合部62,62・・・とから構成されている。そして、上記係合部62,62・・・の両側、上記伝熱管支持部61,61・・・との間は、相手側第2の嵌合部材7の係合部71,71・・・の先端が、侵入するに十分な深さの凹溝部6a,6a・・・となっている。
一方、第2の嵌合部材7も、第1の嵌合部材6と同様に伝熱性の高い所定の厚さの金属製プレート部材(例えばアルミ等)よりなり、その一側面側に、上記第1の嵌合部材6側の伝熱管支持部61,61・・・に対応する伝熱管支持部71,71・・・と上記係合部62,62・・・の係合部63,63、63,63・・・に両側から係合する係合部73,73・・・を備えた一対の係合部72,72、72,72・・・が設けられている。
この第2の嵌合部材7側の伝熱管支持部71,71・・・は、芯管1を嵌合押圧するフラットな芯管嵌合面部71aおよびその両側の同じくフラットな外管3,3の支持部71b,71bと、その両側の下方に向けて突設された一対の係合部72,72内側のテーパ面74,74とから構成されている。また、上記一対の係合部72,72、72,72・・・は、所定高さ下方に突出し、その頂部72a,72a・・・の外側面側には、下部側がテーパ面となった係合片73,73・・・が設けられている。また、該一対の係合部72,72、72,72・・・間には、上記第1の嵌合部材6側の上記係合部62,62・・・の先端が嵌入されるに十分な深さの嵌合溝7a,7a・・・が形成されている。
これら第1,第2の嵌合部材6,7は、例えばアルミの場合、押出成型によって、容易に実現できる。
したがって、今例えば図2のように、第1の嵌合部材6の伝熱管支持部61,61・・・の芯管嵌合用凹部61a,61a・・・および外管支持部61b,61b・・・上に、それぞれ対応する芯管1,1・・・および外管3,3、3,3・・・を、図1の関係が実現されるように正確に位置決め配置し、その後、図3(A)のように、上方側から、上記第2の嵌合部材7を対応させ、その伝熱管支持部71,71・・・が、当該第1の嵌合部材6の伝熱管支持部61,61・・・と正確に対向する状態で、上記係合部72,72、72,72・・・を上記係合部62,62・・・に対して、対応する各係合片73,63、73,63相互のテーパ面によるスライド作用を利用してスムーズに係合させることによって、例えば図3(B)のように確実に嵌合一体化する。
すると、上記図2の形状の熱交換器伝熱管10Aは、その芯管1,1・・・に対して左右両側(直径方向両端側)の外管3,3、3,3・・・が芯管1に圧接一体化された状態で、上下左右両方向から固定されることになる。
該構成の場合、特に上記係合部72,72、72,72・・・内側の外管3,3側との接触面が、頂端から基端にかけて相互の間隔を次第に小さくするテーパ面74,74・・・となっていて、上記図3の(A)から図3の(B)に到る嵌合時において、同相対向するテーパ面74,74同士による左右両側からの次第に増大する挟着力が作用して、両側の外管3,3が中央の芯管1の外周面方向に強く圧接され、より広い面積で接触して一体化状態に固定される。
したがって、芯管1および外管3,3相互の確実な固定と伝熱性能向上の両方が同時に実現される。
また、伝熱性能の向上に関して言えば、上記第1,第2の嵌合部材6,7自体が、極めて伝熱性の高い、例えばアルミ等の金属により形成されていて、それらが例えば図3(B)のように、さらに芯管1と外管3,3とを伝熱性良く、外側から接続するので、両者間の伝熱性能は、より一層向上する。
また、このような作用効果を実現する芯管1と外管3,3の一体化は、上述のように、第1,第2の嵌合部材6,7を、それら相互の圧入係合部62,62・・・、72,72・・・を介して圧入係合するのみで、簡単に実現され、従来のような外管3,3の巻成加工やロー付け又は半田付け作業は不要で、その製造は簡単で、複雑な製造工程、製造設備を必要としない。
したがって、製造、製品コストを大幅に低減することが可能となる。
また同構成では、水側芯管1・冷媒側外管3,3各々の曲げ加工の後に、それらを沿わせて全体を一度に固定・密着させることができるので、より製造工程が簡略化され、より製造、製品コストが低減される。
ところで、上記第1,第2の嵌合部材6,7は、例えば合成樹脂による成型も可能で、同合成樹脂により成型した場合は、外気との断熱性の向上効果が得られる。
(変形例)
なお、上記第2の嵌合部材7は、必ずしも上述のように熱交換器伝熱管10A,10Bの全体に一体のものである必要はなく、例えば芯管1と外管3,3各組の伝熱管列毎に、複数の独立したクリップ構造として並列に嵌合できるようにしても良い。
なお、上記第2の嵌合部材7は、必ずしも上述のように熱交換器伝熱管10A,10Bの全体に一体のものである必要はなく、例えば芯管1と外管3,3各組の伝熱管列毎に、複数の独立したクリップ構造として並列に嵌合できるようにしても良い。
(実施の形態2)
次に図4および図5には、上記実施の形態1と同様に給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態2に係る熱交換器の構成が示されている。
次に図4および図5には、上記実施の形態1と同様に給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態2に係る熱交換器の構成が示されている。
これら図中、符号1は、上記実施の形態1の場合と同様、その内側に、断面円形の水通路2を形成する円管構造の芯管である。該芯管1は、所定の大きさの通路径(内径)を有して構成されている。
一方、符号3,3・・・は、それぞれ、その内側に、断面円形の冷媒通路4,4・・・を形成する円管構造の複数本の外管である。該複数本の外管3,3・・・は、それぞれ上記芯管1の直径よりも小さく、上記芯管1の直径方向両端側に位置する外周面の所定周方向面幅(所定円弧角幅)内に、各々第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が分離集合して相互に等しい所定の間隔を置いて長手方向に沿って平行に配置され、後述するように、相互に嵌合される第1,第2の嵌合部材8,9よりなる結合固定部材を介して芯管1に対し可及的に広い接触面積で圧接一体化して固定されるようになっている。そして、製造完了後、使用状態ではこれら第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3内の複数の冷媒通路4,4,4、4,4,4には、例えば二酸化炭素冷媒が流されるようになっている。
該第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が設けられている上記芯管1上の周方向面幅は、少なくとも上記芯管1の外径と等しいか、上記芯管1の外径よりも少し小さい幅となっている(図では、少し小さい場合を例示している)。
したがって、該構成では、上記芯管1の上記第1〜第3の外管3,3,3、第4〜第6の外管3,3,3が、各々相互に分離集合して設けられている上記直径方向と直交する90度位置を異にする直径方向両端側の外周面には、図示のように、上記外管3,3・・・が全く存在しない芯管1の外周面のみの外管非設置面が形成されることになる。
したがって、このような芯管1および外管3,3,3、3,3,3の配置構造によれば、例えば前述の図12、図13に示すような各種の形状の熱交換器伝熱管10A,10Bを構成するに際し、上記外管3,3・・・の全く存在しない外周面側(外管3の非設置面側)を隣接面として巻成するようにすると、巻成加工そのものが容易になる。
ところで、結合固定部材を形成する上記第1,第2の嵌合部材8,9は、それぞれ次のように構成されている。
すなわち、先ず第1の嵌合部材8は、上述した熱交換器伝熱管10A部分の全体形状と大きさに対応した形状と大きさの所定の厚さの伝熱性の高い金属製のプレート部材(例えばアルミ等)よりなり、該プレート部材の一側面側に、上記芯管1および外管3,3,3の共通した嵌合用凹部81aと、同芯管および外管嵌合用凹部81aの両側にあって外管3,3,3と芯管1の両端側を支持する所定の高さ上方に突出し、その頂部81aの外側に上部がテーパ面の係合片82を備え、後述する第2の嵌合部材9側の係合部91,91・・の係合部92,92・・・と係合する係合部81,81・・・とから伝熱管支持部80,80・・・を構成している。そして、隣合う上記係合部81と81との間は、相手側第2の嵌合部材9の係合部91,91・・・の先端が侵入するに十分な深さの凹溝部8a,8a・・・となっている。
一方、第2の嵌合部材9も、第1の嵌合部材8と同様に伝熱性の高い所定の厚さの金属製プレート部材(例えばアルミ等)よりなり、その一側面側に、伝熱管支持部90,90・・・を構成する上記第1の嵌合部材8側の上記係合部81,81・・・の高さを含めた芯管および外管嵌合用凹部81a,81a・・・の深さに対応する芯管および外管嵌合用凹部91a,91a・・・と、該芯管および外管嵌合用凹部91a,91a・・・の両側にあって上記係合部81,81・・・の頂部衝突部91b,91b・・・の幅だけ外側に位置するとともに、上部がテーパ面となっている上記係合部81,81・・・の外側の係合片82,82・・・に係合する下部がテーパ面となっている係合片92,92・・・を内側に有する一対の係合部91,91、91,91・・・が設けられている。
これら第1,第2の嵌合部材6,7は、例えばアルミの場合、押出成型によって、容易に実現できる。
したがって、今例えば図5(A)のように、第1の嵌合部材8の伝熱管支持部90,90・・・の芯管および外管嵌合用凹部81a,81a・・・および係合部82,82、82,82・・・上に、それぞれ対応する伝熱管支持部90,90・・・の芯管1,1・・・および外管3,3,3、3,3,3・・・を正確に位置決め配置し、その後、上方側から、上記第2の嵌合部材9を対応させ、その伝熱管支持部90,90・・・が、当該第1の嵌合部材8の伝熱管支持部80,80・・・に正確に対向する状態で上記係合部91,91、91,91・・・の係合片92,92・・・を上記係合部81,81・・・の係合片82,82・・・に対応するテーパ面を利用して相互にスライド状態で圧入係合することによって、例えば図5(B)のように最終的に嵌合一体化する。
すると、例えば上記図2の形状と同様の形状の熱交換器伝熱管10A(符号図示省略)は、その芯管1,1・・・に対して上下両側(直径方向両端側)の第1〜第3、第4〜第6の各グループの外管3,3,3、3,3,3・・・が、それぞれ芯管1と接触一体化した状態で、上下左右両方向から確実に固定されることになる。
該構成の場合、例えば上記芯管および外管嵌合用凹部81a,81a・・・、91a,91・・・が、芯管1の外周面の曲率に対応した円弧面となっていて、上記図5の(A)から図5の(B)に到る嵌合時において、同相対向する円弧面同士による左右両側および上方からの次第に増大する挟着力が芯管1の外周面に均等に作用して、第1〜第3の外管3,3,3、第4〜第6の外管3,3,3がそれぞれ中央の芯管1の外周面に強く圧接され、広面積で接触して一体に固定される。
したがって、芯管1および第1〜第3、第4〜第6の外管3,3,3、3,3,3相互の確実な固定と伝熱性能向上との両方が同時に実現される。
また、伝熱性能の向上に関して言えば、上記第1,第2の嵌合部材8,9自体が、極めて伝熱性の高い、例えばアルミ等の金属により形成されていて、それらが例えば図5(B)のように、さらに芯管1と第1〜第3、第4〜第6の外管3,3,3、3,3,3とを伝熱性良く、外側から接続するので、両者間の伝熱性能は、より一層向上する。
また、このような作用効果を実現する芯管1と第1〜第3、第4〜第6の外管3,3,3、3,3,3の一体化は、上述のように、第1,第2の嵌合部材8,9を、それら相互の圧入係合部81,81・・・、91,91・・・を介して圧入係合するのみで、簡単に実現され、従来のような外管3,3の巻成加工やロー付け又は半田付け作業は不要で、その製造は簡単で、複雑な製造工程、製造設備を必要としない。
したがって、製造、製品コストを大幅に低減することが可能となる。
また同構成では、水側芯管1、冷媒側外管3,3,3、3,3,3各々の曲げ加工の後に、それらを沿わせて全体を一度に固定・密着させることができるので、より工程が簡略化され、より製造コストが低減される。
ところで、上記第1,第2の嵌合部材8,9は、例えば合成樹脂による成型も可能で、同合成樹脂により成型した場合は、外気との断熱性の向上効果が得られる。
(実施の形態3)
さらに図6には、上記各実施の形態1,2と同様に給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態3に係る熱交換器の構成が示されている。
さらに図6には、上記各実施の形態1,2と同様に給湯機用熱交換器を構成するに適した本願発明の実施の形態3に係る熱交換器の構成が示されている。
図中、符号1は、上記実施の形態2の場合同様、その内側に、断面円形の水通路2を形成する円管構造の芯管である。該芯管1は、所定の大きさの通路径(内径)を有して構成されている。
一方、符号3,3・・・は、それぞれ、その内側に、断面円形の冷媒通路4,4・・・を形成する円管構造の複数本の外管である。該複数本の外管3,3・・・は、上記芯管1の直径よりも小さく、上記芯管1の直径方向両端側に位置する外周面の所定周方向面幅(所定円弧角幅)内に、各々第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が分離集合して相互に等しい所定の間隔を置いて長手方向に沿って平行に配置され、後述するように、結束部材12よりなる結合固定部材を介して芯管1に対し、可及的に広い接触面積で圧接一体化して固定されるようになっている。そして、製造完了後、使用状態ではこれら第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3内の複数の冷媒通路4,4,4、4,4,4には、例えば二酸化炭素冷媒が流されるようになっている。
該第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3が設けられている上記芯管1上の周方向面幅は、少なくとも上記芯管1の外径と等しいか、上記芯管1の外径よりも少し小さい幅となっている(図では、少し小さい場合を例示している)。
したがって、該構成では、上記芯管1の上記第1〜第3の外管3,3,3、第4〜第6の外管3,3,3が、各々相互に分離集合して設けられている上記直径方向と直交する90度位置を異にする直径方向両端側の外周面には、図示のように、上記外管3,3・・・が全く存在しない芯管1の外周面のみの外管非設置面が形成されることになる。
したがって、このような芯管1および外管3,3,3、3,3,3の配置構造によれば、例えば前述の図12、図13に示すような各種の形状の熱交換器伝熱管10A,10Bを構成するに際し、上記外管3,3・・・の全く存在しない外周面側(外管3の非設置面側)を隣接面として巻成するようにすると、巻成加工そのものが容易になる。
そして、この実施の形態の場合には、上記のような伝熱管配置構造の熱交換器を実現するに際し、芯管1と第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3を、例えば図6(A)のように配置した状態(部分的に治具で仮固定)で、それらの長手方向の所定の複数位置を、図6(A)から図6(B)に示すように、例えば強度および耐久、耐熱性の高い金属製又は合成樹脂製の結束部材(結束バンド)12,12・・・で結束固定することにより、固定一体化する。
この結束部材12,12・・・は、バンド部一端側に、当該バンド部の他端12b側を一方向(締結方向)にのみ通過させるが、他方その逆方向には食い込み係止する食い込み部材を備えたバックル部12aを有し、同バックル部12aを支持して他端12b側を引き出すことにより、高いバインディング力で、容易に芯管1に対して第1〜第3、第4〜第6の外管3,3,3、3,3,3を強力に圧着一体化されるように結束することができる。
以上のように、該構成による芯管1および第1〜第3、第4〜第6の複数本の外管3,3,3、3,3,3・・・の一体化は、結束部材12で結束するだけで、簡単に実現され、従来のような外管3,3の巻成加工やロー付け又は半田付け作業は不要で、その製造は極めて簡単で、複雑な製造工程、製造設備を全く必要としない。
したがって、製造、製品コストを大幅に低減することが可能となる。
特に、該構成では、結束後の曲げ加工が可能であり、芯管1に第1〜第3、第4〜第6の外管3,3,3、3,3,3を沿わせて、結束部材12により、それらを密着固定させた後に、全体の曲げ加工を行うことも可能なので、製造工程が一層簡略化され、より一層製造コストが低減される。
1は芯管、2は水通路、3は外管、4は冷媒通路、6は第1の嵌合部材、7は第2の嵌合部材、8は第1の嵌合部材、9は第2の嵌合部材、10は熱交換器、10A,10Bは熱交換器伝熱管、12は結束部材である。
Claims (1)
- 水通路(2)を形成する芯管(1)と、該芯管(1)の外周囲に沿って平行に延び、上記水通路(2)の通路断面積よりも小さな通路断面積の冷媒通路(4),(4)、(4),(4)・・・を形成する複数本の外管(3),(3)、(3),(3),(3)・・・と、該芯管(1)および外管(3),(3)、(3),(3),(3)・・・を、相互に圧接する状態に結合固定して一体化する結合固定部材とを備えてなる熱交換器であって、上記結合固定部材は、バンド部材(12)よりなり、同バンド部材(12)の一端側に、当該バンド部材(12)の他端側を締結方向には通過させるが、その逆方向には係止するバックル部(12a)を備えてなることを特徴とする熱交換器。
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