JP2009024726A - 空圧緩衝器 - Google Patents

空圧緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2009024726A
JP2009024726A JP2007185838A JP2007185838A JP2009024726A JP 2009024726 A JP2009024726 A JP 2009024726A JP 2007185838 A JP2007185838 A JP 2007185838A JP 2007185838 A JP2007185838 A JP 2007185838A JP 2009024726 A JP2009024726 A JP 2009024726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
chamber
cylinder
rod
shock absorber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007185838A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoo Kubota
友夫 窪田
Koki Kato
弘毅 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2007185838A priority Critical patent/JP2009024726A/ja
Publication of JP2009024726A publication Critical patent/JP2009024726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成で、特にピストン速度の低速域における伸圧比を略1対1に設定することができる圧側減衰力発生構造を備えた空圧緩衝器を提供する。
【解決手段】シリンダ3内のピストン側室50及びリザーバ室Rを連通すると共に、このピストン側室からリザーバ室への流れのみを許容するボトム側逆止弁32を備えた連通路9と、同じく上記リザーバ室及びロッド側室40を接続すると共に、リザーバ室からロッド側室への流れのみを許容するヘッド側逆止弁20aを備えた接続路19、20とを備え、上記ピストン側室及びリザーバ室に潤滑油Oを注入すると共に、上記シリンダ内に作動気体Gを封入した空圧緩衝器1において、上記ボトム側逆止弁にクラッキング圧力付加部材34を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、空圧緩衝器に係わり、詳しくは自動車や産業車両等の車両のサスペンション装置に使用可能な空圧緩衝器の圧側減衰力発生部構造の改良に関する。
従来、この種の空圧緩衝器としては、種々の構造のものを例示することができるが、車両のサスペンション装置に使用される空圧緩衝器としては、特許文献1に示すものを例示することができる。
即ち、図5に示すように、筒状に形成されたシリンダ42の上下端は、それぞれヘッド部材43とボトム部材44によって閉塞されると共に、シリンダ42内に摺動自在に挿入されるピストン45によってこのシリンダ42内がロッド側室40とピストン側室50とに区画されている。
上記ヘッド部材43は環状に形成され、その内周にはピストンロッド51を軸支する軸受46を備えると共に、上端側から開口する貯留凹部47が設けられている。
上記シリンダ42はシリンダ42の外方に配置される有底筒状の外筒41によって覆われており、この外筒41の図中の上端である開口端部には、内周側で環状シール48を保持する封止部材49が上記ヘッド部材43に積層された状態で固定されている。
そして、上記封止部材49から突出している環状シール48の下端は、ヘッド部材43の貯留凹部47内に配置されており、この貯留凹部47、封止部材49、及びピストンロッド51で貯油室Sが画成されている。
上記環状シール48の内周側にはシリンダ42から突出する上記ピストンロッド51が、ヘッド部材43の上記軸受46内に摺動自在に挿入され、この環状シール48は所定の緊迫力でピストンロッド51の外周面に圧接されている。
従って、上記ピストンロッド51は貯油室Sを貫いており、この貯油室Sはピストンロッド51と環状シール48との摺動部に臨むようになっている。
更に、貯油室Sは、ヘッド部材43に設けたロッド側通路52によってロッド側室40に連通されると共に、他のリザーバ側通路53によってリザーバ室R内に連通されている。
上記ピストン45には、ロッド側室40とピストン側室50とを連通する圧側連通路45a及び伸側連通路45bが夫々穿設されている。
上記圧側連通路45aには圧側減衰弁56と、ピストン側室50からロッド側室40へと向かうガスG及び潤滑油Oの流れのみを許容する圧側逆止弁56aとが設けられており、同じく上記伸側連通路45bには伸側減衰弁57と、ロッド側室40からピストン側室50へと向かうガスG及び潤滑油Oの流れのみを許容する伸側逆止弁57aとが設けられている。
そして、上記特許文献1に示す上記伸側減衰弁57及び圧側減衰弁56は、具体的には、上記圧側逆止弁56a及び伸側逆止弁57aの機能を兼ねるリーフバルブで成形されている。
上記ボトム部材44には、ピストン側室50とリザーバ室Rとを連通する通路54が設けられ、この通路54の途中には、ピストン側室50からリザーバ室Rへ流れのみを許容する逆止弁55が設けられている。
そして、シリンダ42内には作動気体としてのガスGが封入されると共に、貯油室S内及びリザーバ室R内には潤滑油Oが充填されるが、貯油室S内の油面が、貯油室S内のガスG圧力と、リザーバ室R内のガスG圧力とのバランスによって環状シール48の最下端より下方に下がらないような配慮のもと、リザーバ室R内には充分な量の潤滑油Oが充填されている。
又、ロッド側室40及びピストン側室50内にも少量の潤滑油Oが注入されるが、ロッド側室40内に注入される潤滑油Oは、空圧緩衝器が伸縮作動を始めて行うときに、シリンダ42とピストン45との間を潤滑するためであり、ピストン側室50内の潤滑油Oは空圧緩衝器の収縮時、リザーバ室R内にガスGより先んじて潤滑油Oを供給して貯油室S内の油面の下降を防止するためである。
このように構成された空圧緩衝器では、ピストンロッド45がシリンダ42内から退出する、即ち、空圧緩衝器の伸側行程において、ロッド側室40内に封入されたガスGがピストン45に設けた伸側連通路45bを通過してピストン側室50に流入すると共に、この伸側連通路45bに設けた伸側減衰弁57によって伸側減衰力を発生する。
又、ピストンロッド45がシリンダ42内へ侵入する、即ち、空圧緩衝器の圧側行程において、ピストン側室50内に封入されたガスGがピストン45に設けた圧側連通路45aを通過してロッド側室40に流入すると共に、この圧側連通路45aに設けた圧側減衰弁56よって圧側減衰力を発生する。
このとき、ピストン側室50内の圧力上昇によって、ピストン側室50内のガスGは上記逆止弁55付きの通路54を介してリザーバ室R内にも流入すると同時に、ガスGより重い潤滑油OもこのガスGと共にリザーバ室R内に流入する。
すると、リザーバ室R及び貯油室Sは、ピストン側50室と同様に加圧されることになるので、リザーバ室R内の潤滑油Oは貯油室S内に流入し、貯油室S内の圧力及び油面を上昇させる。
次いで、この油面の上昇及び貯油室Sの圧力上昇によって上記ガスG及び潤滑油Oは、上記ロッド側通路52を通過してロッド側室40内に流入し、空圧緩衝器内で潤滑油Oが循環することになる。
特開2007−16880号公報(図2及び段落番号〜)
ところが、このように構成された空圧緩衝器では、上記潤滑油Oを循環させるために上記ボトム部材44にピストン側室50とリザーバ室Rとを連通する逆止弁55付きの通路54を設けているので、上記圧側行程では、その内圧上昇によって上記逆止弁55が開いてしまう。
このため、圧側行程では、ピストン側室50内の圧力が伸長行程におけるロッド側室40程は高くならず、その分、発生する圧側減衰力も、伸側減衰力程高い値を取ることができない。
ところで、自動車のサスペンション装置に取り付けられる緩衝器としては、乗り心地や、操安性を向上させるために、近年、図6に示すような減衰力特性を備えたものが多くなっている。
即ち、ピストン速度の低速域(0.2m/秒以下)では、例えば、0.1m/秒では、直線Lに示すように、発生する減衰力が高くてリニアに立ち上がり、それを超えるピストン速度の高速域では、直線Mに示すように、発生する減衰力が略一定となる減衰力特性(以下、飽和特性と言う)に設定されている。
従って、この飽和特性を実現する減衰力発生構造をピストン45に設けた場合、上記構成の空圧緩衝器では、その圧側行程において、ピストン側室50の圧力が低い低速域においてもボトム部材44に設けた上記逆止弁55が開いてしまうため、この低速域における伸圧比を略1対1に設定できないと言う問題点がある。
つまり、圧側行程では、逆止弁55付きの通路54の存在により、ピストン側室50の内圧が伸側行程におけるロッド側室40程は高くならないので、発生する減衰力特性が伸側行程における減衰力特性よりも全体的に低いものとなってしまうのである。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で、特にピストン速度の低速域における伸圧比を略1対1に設定することができる圧側減衰力発生構造を備えた空圧緩衝器を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、有底筒状の外筒と、この外筒の内側に配置されたシリンダと、このシリンダ及び上記外筒間に形成したリザーバ室と、上記シリンダ内をロッド側室及びピストン側室に区画するピストンと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入されたピストンロッドと、上記ロッド側室及びピストン側室を連通するために上記ピストンに設けた通路と、この通路に設けた減衰力発生部と、上記ピストン側室及びリザーバ室を連通すると共に、このピストン側室からリザーバ室への流れのみを許容するボトム側逆止弁を備えた連通路と、同じく上記リザーバ室及びロッド側室を接続すると共に、リザーバ室からロッド側室への流れのみを許容するヘッド側逆止弁を備えた接続路とを備え、上記ピストン側室及びリザーバ室に潤滑油を注入すると共に、上記シリンダ内に作動気体を封入した空圧緩衝器において、上記ボトム側逆止弁にクラッキング圧力付加部材を設けた。
本発明の空圧緩衝器によれば、ボトム側逆止弁にクラッキング圧力付加部材を設けることで、その圧側行程において、例えば、ピストン速度の低速域と言った特定の速度域で上記ボトム側逆止弁が開かないようにすることができる。
従って、このボトム側逆止弁が開かない速度域では、発生する圧側減衰力をピストンに設けた減衰力発生部で制御することができ、この速度域における伸圧比を略1対1に設定できる。
以下に、本発明のバルブ構造を自動車のサスペンション装置に使用する空圧緩衝器に具体化した一実施の形態を図に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態の空圧緩衝器1は、有底筒状の外筒2と、この外筒2の内側に同心的に配置されたシリンダ3と、このシリンダ3及び上記外筒2間に形成したリザーバ室Rと、上記シリンダ3内をロッド側室40とピストン側室50に区画するピストン5と、上記ロッド側室40及びピストン側室50を連通するためにこのピストン5に設けた通路と、この通路に設けた減衰力発生部と、シリンダ3内にピストン5を介して移動自在に挿入されたピストンロッド6と、上記リザーバ室R及びピストン側室50を連通すると共に、このピストン側室50からロッド側室40への流れのみを許容するボトム側逆止弁を備えた連通路9と、このボトム側逆止弁に設けた本発明のクラッキング圧力付加部材と、同じく上記リザーバ室R及びロッド側室40を接続すると共に、リザーバ室Rからロッド側室40への流れのみを許容するヘッド側逆止弁を有する接続路とを備え、上記ロッド側室40、ピストン側室50及びリザーバ室Rに潤滑油Oを注入すると共に、上記シリンダ3内に作動気体としてのガスGが封入されている。
以下、更に詳述すると、外筒2の上端部内周となるシリンダ3の開口端部には、上記ピストンロッド6を案内するヘッド部材としてのロッドガイド12が設けられ、このロッドガイド12の上面には封止部材としてのメインシール13が載置されている。
そして、上記外筒2の上端を内側に折り曲げることでこの外筒2、メインシール13、ロッドガイド12及びシリンダ3が一体的に加締め固定されている。
上記ロッドガイド12は、中心部に軸受としてのベアリング12aが取り付けられる案内孔17を備えた円柱状に形成されており、ベアリング12aの内周面がピストンロッドの外周面と摺接することで、このピストンロッド6を摺動自在に軸受支持すると共に、上面中央側には潤滑油Oを蓄えるための貯留凹部18が形成されている。
上記貯留凹部18は、この貯留凹部18とメインシール13とで貯油室Sを画成すると共に、貯留凹部18には上記リザーバ室Rへ連通するリザーバ室側接続路19と、上記ロッド側室40へ連通するチェック弁20a付きロッド室側接続路20とが接続されており、リザーバ室Rの潤滑油Oが一旦、貯油室Sに蓄えられ、その後、ロッド室側接続路20を介してロッド側室40へ流出するようになっている。
尚、上記リザーバ室側接続路19と、上記ロッド室側接続路20とで本発明の接続路が構成されている。
上記メインシール13は、環状のインサートメタル14と、このインサートメタル14の内周側に一体形成された環状シールとしての内周リップ15とを備えている。
上記内周リップ15は、所謂、三重リップ構造に形成されており、最も大気側から順に、ピストンロッド6の外周面に摺接して大気側からのダストの侵入を防止するダストリップ15aと、同じくピストンロッド6の外周面に摺接して上記貯油室Sからの潤滑油Oがシリンダ3内に封入されたガスGと共に大気側へ漏れるのを防止するオイルリップ15bと、同じくピストンロッド6の外周面に摺接して貯油室Sからの潤滑油OがガスGと共にロッド側室40側へ漏れるのを防止する遮断リップ16とが一体形成されている。
上記遮断リップ16は、上記内周リップ15と一体形成された基部16bと、同じくこの基部16bと一体形成されてピストンロッド6に向かって伸びるリップ部16aとから形成されており、リップ部16a下面が上記ロッドガイド6の案内孔17周縁部に圧接されており、貯油室S内の潤滑油Oがこの圧接部分を通過してロッド側室40へ漏れないようになっている。
上記遮断リップ16と上記オイルリップ15bとの間にはピストンロッド6の外周面との間で断面略等脚台形状をなす油溜まり室28が形成されており、上記基部16bにはこの油溜まり室28と貯油室Sとを連通する連通孔16cが複数個設けられている。
そして、上記リップ部16aは、ピストンロッド6の作動時にこのピストンロッド6に付着した潤滑油Oが上記油溜まり室28内に掻き込まれるようなリップ形状に形成されると共に、リップ部16aの上下両側、即ち、貯油室S内及び油溜まり室28と、ロッド側室40との圧力差が所定値より大きくなったとき、弾性変形して上記貯油室S及び油溜まり室28からの潤滑油Oが、ロッドガイド12とピストンロッド6との隙間を介して上記ロッド側室40へ流れるように設計されている。
又、上記貯油室S内には上記遮断リップ16の基部16bが浸漬する位置まで潤滑油Oが蓄えられ、上記連通孔16cを介して油溜まり室28へ潤滑油Oを導くと共に、この油溜まり室28に蓄えられた潤滑油Oによって内周リップ15とピストンロッド6との間の油膜切れを防止する。そして、空圧緩衝器1の圧行程で貯油室S内の内圧が上がった場合には、その内圧で遮断リップ16のリップ部16a下面を上記ロッドガイド12の案内孔17周縁部に圧接させてこの圧接部分のシール性を更に向上させるようになっている。
更には、遮断リップ16の連通孔16cより上方まで溜まった余分な潤滑油Oがロッド側室40へ流出するように、ロッド室側接続路20の貯留凹部18に対する接続位置が、上記連通孔16cよりも上方位置に設定されている。
上記ピストン5はピストンロッド6の下端に取付固定されており、ピストン5の外周にはシリンダ3の内周面に摺接するピストンリング(図示なし)が嵌挿されている。
ピストン5にはロッド側室40とピストン側室50とを連通し、同一円周上に配置された複数の圧側連通路(図1には1個のみ図示する)21と、この圧側連通路21と同一円周上に互い違いに配置された複数の伸側連通路(図1には1個のみ図示する)22が夫々下面に向かって穿設されている。
上記伸側連通路22の途中にはロッド側40室からピストン側50室へ向かう流れのみを許容する伸側逆止弁22aが設けられ、この伸側逆止弁22aの上方には減衰力発生部としての伸側可変絞り22bが設けられると共に、上記圧側連通路21の途中にはピストン側室50からロッド側室40へ向かう流れのみを許容する圧側逆止弁21aが設けられ、この圧側逆止弁21aの下方には同じく減衰力発生部としての圧側可変絞り21bが設けられている。
又、上記ピストン5の上面には、この上面から立ち上がりシリンダ3に対して環状の隙間Pを介して対向する環状壁23が設けられており、この隙間P及び環状壁23内に潤滑油Oを貯めておくことができるようになっている。
上記シリンダ3の下端には断面門型状をなすボトム部材としてのバルブケース31が設けられている。
このバルブケース31は上面にシリンダ3の下端が配置され、下面が外筒2底部に当接する筒状の脚部31aと、この脚部31aの上面に形成された円板上のバルブボディ31bとから構成されている。
上記バルブボディ31bには上記リザーバ室Rとピストン側室50とを連通する上記連通路9が複数個円周状に穿設されると共に、上記脚部31aには上記リザーバ室Rとピストン側室50とを連通する複数個の切欠部33が形成されている。
上記バルブボディ31bの下面には、ピストン側室50からリザーバ室Rへと向かうガスG及び潤滑油Oの流れのみを許容するように上記連通路9を開閉可能に閉塞するボトム側逆止弁としてのボトム側リーフバルブ32が配置されている。
上記ボトム側リーフバルブ32は中央に挿入孔(符示なし)を備えた円板状に形成されると共に、このボトム側リーフバルブ32の下面にはクラッキン圧力付加部材としての断面逆門型状をなすイニシャルバルブ34が配置されている。
このイニシャルバルブ34は、図2、3に示すように、中央に挿入孔34cを備えた円板状の本体34aと、この本体34a外周部に上方へ向かって突出形成されたリング状をなす突部34bとから構成されており、これらは一体的に形成されていても良いし、本体34aと突部34bとを別部材で形成しておいて、接着等の接合方法を用いて一体化されていても良い。
そして、上記ボトム側リーフバルブ32及びイニシャルバルブ34の挿入孔34cに、バルブボディ31bの中心部において上方から下方に向かって挿入された固定ボルト35を挿入すると共に、この固定ボルト35の下端側にナット36を締め付け固定することで、上記イニシャルバルブ34をその中心部において上方へ弾性変形させ、それにより、上記ボトム側リーフバルブ34の下面外周端にイニシャル荷重を加えるようになっている。
又、上記イニシャルバルブ34は、ピストン速度が、例えば、0.05m/秒乃至0.2m/秒となったとき初めて開くようにその形状及び剛性が設計されているが、任意のピストン速度でイニシャルバルブ34が開くようにクラッキング圧を設定することができる。
このように構成された空圧緩衝器は、例えば、ピストンロッド6先端に設けられた図示しないロッド側アイを車体側に取り付けると共に、シリンダ3の下端に設けられたシリンダ側アイ37を車軸側に取り付けることで自動車のサスペンション装置に組み込まれる。
続いて、その作用を説明すると、ピストンロッド6がシリンダ3内から退出する、即ち、空圧緩衝器1の伸長行程では、ロッド側室40内に封入されたガスGがピストン5に設けた伸側連通路22を通過してピストン側室50に流入すると共に、この伸側連通路22の途中に設けた伸側可変絞り22bによって伸側減衰力が発生する。
又、ピストンロッド6がシリンダ3内へ侵入する、即ち、空圧緩衝器1の圧側行程では、ピストン側室50内に封入されたガスGがピストン5に設けた圧側連通路21を通過してロッド側室40に流入すると共に、この圧側連通路21の途中に設けた圧側可変絞り21bによって圧側減衰力が発生する。
このとき、バルブボディ31bの下面にはボトム側リーフバルブ32が載置されると共に、その下面にはイニシャルバルブ34が配置されていて、上記ボトム側リーフバルブ32にイニシャル荷重を加えているので、従来例で示したように、ピストン側室50の圧力が設定されている範囲の低いピストン速度の低速域では上記ボトム側リーフバルブ32が開いてしまうことはない。
このため、上記ボトム側リーフバルブ32が開かない低速域では、ピストンに設けた圧側可変絞り21bで圧側減衰力を制御できるので、この低速域における伸圧比をやや略1対1に設定できる。
又、ピストン速度の高速域、例えば、図6の0.1m/秒以上、においては、ピストン側室50内の圧力がクラッキン圧より高くなることでボトム側リーフバルブ32のイニシャル荷重に抗してイニシャルバルブ34が開き、ピストン側室50の潤滑油O及びガスGは上記連通路9を通過してリザーバ室Rに流れ込み、その後、上記ロッドガイド12に設けたリザーバ室側接続路19を介して上記貯油室Sへ導かれる。
そして、貯油室S内に溜まった余剰な潤滑油Oは、ロッド室側接続路20を介してロッド側室40へ流出し、ピストン5とシリンダ3との摺接部分に付着するか、或いは、上記ピストン5の上面に設けられた環状壁23の内側、又は環状壁23とシリンダ3との隙間Pに溜められて摺動性や循環性を向上させる。
以上、詳述したように本実施の形態の空圧緩衝器1においては、イニシャルバルブ34で発生させるイニシャル荷重によってピストン速度の低速域では設定されているクラッキング圧までは、ボトム側リーフバルブ32が開かないようにしたので、上記圧側行程において、発生する圧側減衰力をピストン5に設けた圧側可変絞り21bで制御することができ、この低速域における伸圧比を略1対1に設定できる。
従って、ボトム側リーフバルブ32の下面にイニシャルバルブ34を配置してボトム側リーフバルブ32方向へ押圧附勢すると言う簡単な構成で、上記した低速域における伸圧比を略1対1に設定することができる。
又、この圧側行程では、ピストン速度の高速域において、上記イニシャル荷重に抗してボトム側リーフバルブ32が開くので、この高速域における減衰力を略一定にすることが上記圧側可変絞り21bのみで行うことに比べて容易にでき、延いては、従来例で示した飽和特性を容易に作り出すことができる。
又、イニシャルバルブ34を、中央に挿入孔34cを備えた円盤状の本体34aと、この本体34a外周部に上方へ向かって突出形成された環状をなす突部34bとから構成したので、簡単な構成で安価に製造することができる。
又、ボトム側リーフバルブ32の下面にイニシャルバルブ34を配置する構成としても、バルブボディ31bの中心部において上方から下方に向かって挿入された固定ボルト35に、上記ボトム側リーフバルブ32及びイニシャルバルブ34を、それらの挿入孔34cを介して挿入し、ナット36で固定すると言う簡単な構造としたため、安価に実施化可能である。
又、ピストン5の上面に、この上面から立ち上がりシリンダ3に対して環状の隙間Pを介して対向する環状壁23を設けたので、この隙間Pに潤滑油Oを貯めておくことができ、上記ボトム側リーフバルブ32が開かないようなピストン速度の低速域において、この隙間Pの潤滑油Oを使用してシリンダ3とピストン5との摺動性を確保することができる。
又、内周リップ15に対して、この内周リップ15と一体形成された基部16bと、この基部16bと一体形成されてピストンロッド6に向かって伸びるリップ部16aとからなる遮断リップ16を一体形成すると共に、上記リップ部16a下面を、上記ロッドガイド6の案内孔17周縁部に圧接させることで、貯油室S内の潤滑油Oがこの圧接部分を通過してロッド側室40へ漏れないようにすると共に、遮断リップ16と、オイルリップ15bとの間に油溜まり室28を形成し、この油溜まり室28を上記貯油室Sと連通させたので、上記圧側可変絞り21bが開かないようなピストン速度の低速域においては、この貯油室Sの潤滑油Oを使用して内周リップ15とピストンロッド6との摺動性を確保することができるばかりでなく、オイルリップ15bが直接、ガスGと接触することも防止できるので、上記したガスGの大気側への漏れも確実に防止できる。
又、空圧緩衝器1の圧側行程で貯油室S内の内圧が上がった場合には、その内圧が油溜まり室28を介して遮断リップ16のリップ部16aに伝達され、このリップ部16aを下方に変形させるので、リップ部16a下面が上記ロッドガイド12の案内孔17周縁部に圧接し、この圧接部分のシール性を更に向上させることができる。
次に本発明の他の実施の形態を説明する。
この他の実施の形態は、貯油室Sの画成構造と、バルブケース31に設けたボトム側リーフバルブ32及びイニシャルバルブ34の具体的構成が相違している点においてのみ、上記実施の形態とは異なっている。
即ち、図4に示すように、ロッドガイド12の中心部に設けたベアリング12aの内周に取付凹部12bを設けると共に、この取付凹部12b内にシール部材としてのシールリング11を装着し、このシールリング11をピストンロッド6に摺接させる。
このとき、上記メインシール13の構造を従来例で示した構造とすることで、上記メインシール13、ピストンロッド6、及び上記シールリング11によって上記貯油室Sを画成している。
又、バルブケース31の下面に載置されたボトム側リーフバルブ32の下面外周に、下方へ向かって突出形成された環状をなすバルブ側突部32cを設けると共に、このボトム側リーフバルブ32の下面に円板状をなすイニシャルバルブ39を載置し、上記ナット36を締め付けることで、上記実施の形態と同様にボトム側リーフバルブ32の下面外周端にイニシャル荷重を加えている。
従って、この他の実施の形態も、上記した実施の形態と同様の作用・効果を発揮すると共に、上記貯油室Sの画成構造によれば、メインシール13として通常の緩衝器等に使用しているものを使用することができるので、その分、安価に具体化可能である。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように変更することも可能である。
(1)本実施の形態では、圧側連通孔21及び伸側連通孔22に、夫々圧側可変絞り21b及び伸側可変絞り22を設けたが、これに限定されるものではなく、発生させる減衰力特性に応じて可変絞り以外の任意の構成を採用することができる。
(2)本実施の形態では、イニシャルバルブ34やボトム側リーフバルブ32に設けた突部34b、32cをこれらのバルブと一体構造としたが、これに限定されるものではなく、突部34b、32cだけ別体とし、イニシャルバルブ34とボトム側リーフバルブ32との間に配置するようにしても良い。
また。ボトム側リーフバルブ32の下面側からばねでイニシャルをかけるようにしても良い。
(3)本実施の形態では、ピストン5の圧側連通路21には可変絞り21bが配置されているが、この可変絞り21bにクラッキン圧力付加部材を設けておけば、圧側減衰力の特性を更に2段に変更することができる。
本発明の一実施の形態を示す空圧緩衝器の断面図である。 イニシャルバルブを示す平面図である。 図2のイニシャルバルブの断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す空圧緩衝器の断面図である。 従来構造を示す空圧緩衝器の断面図である。 緩衝器の減衰力特性を示す図である。
符号の説明
1 空圧緩衝器
2 外筒
3 シリンダ
5 ピストン
6 ピストンロッド
9 連通路
11 シールリング(シール部材)
12 ロッドガイド(ヘッド部材)
12a ベアリング(軸受)
12b 取付凹部
13 メインシール(封止部材)
15 内周リップ(環状シール)
15a ダストリップ
15b オイルリップ
16 遮断リップ
18 貯留凹部
19 リザーバ室側接続路(接続路)
20 ロッド室側接続路(接続路)
20a チェック弁(ヘッド側逆止弁)
21 圧側連通路(通路)
21b 圧側可変絞り
22 伸側連通路(通路)
22b 伸側可変絞り
23 環状壁
31 バルブケース(ボトム部材)
31b バルブボディ
32 ボトム側逆止弁たるボトム側リーフバルブ
34、39 イニシャルバルブ(クラッキング圧力付加部材)
35 固定ボルト
36 ナット
40 ロッド側室
O 潤滑油
R リザーバ室
S 貯油室
G ガス(作動気体)

Claims (8)

  1. 有底筒状の外筒と、この外筒の内側に配置されたシリンダと、このシリンダ及び上記外筒間に形成したリザーバ室と、上記シリンダ内をロッド側室及びピストン側室に区画するピストンと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入されたピストンロッドと、上記ロッド側室及びピストン側室を連通するために上記ピストンに設けた通路と、この通路に設けた減衰力発生部と、上記ピストン側室及びリザーバ室を連通すると共に、このピストン側室からリザーバ室への流れのみを許容するボトム側逆止弁を備えた連通路と、同じく上記リザーバ室及びロッド側室を接続すると共に、リザーバ室からロッド側室への流れのみを許容するヘッド側逆止弁を備えた接続路とを備え、上記ピストン側室及びリザーバ室に潤滑油を注入すると共に、上記シリンダ内に作動気体を封入した空圧緩衝器において、上記ボトム側逆止弁にクラッキング圧力付加部材を設けたことを特徴とする空圧緩衝器。
  2. 上記ピストンはその上面から立ち上がり、上記シリンダに対して隙間を介して対向する環状壁を備えている請求項1又は2に記載の空圧緩衝器。
  3. 上記シリンダは、その上下端にそれぞれヘッド部材とボトム部材とを設けることで閉塞されると共に、上記ヘッド部材は環状に形成され、その内周には上記ピストンロッドを軸支する軸受を備えると共に、上端側から開口する貯留凹部を設け、この貯留凹部と、ヘッド部材に載置されて内周側で環状シールを保持する封止部材とで貯油室を画成すると共に、この貯油室が上記接続路の途中に設けられている請求項1記載の空圧緩衝器。
  4. 上記環状シールは、ピストンロッドの外周面に摺接して大気側からのダストの侵入を防止するダストリップと、同じくピストンロッドの外周面に摺接して上記潤滑油がシリンダ内に封入された作動気体と共に大気側へ漏れるのを防止するオイルリップと、同じくピストンロッドの外周面に摺接しながらその下面が上記軸受の端部に当接することで、貯油室からの潤滑油が作動気体と共にロッド側室側へ漏れるのを防止する遮断リップとから構成されている請求項3記載の空圧緩衝器。
  5. 上記シリンダは、その上下端にそれぞれヘッド部材とボトム部材とを設けることで閉塞されると共に、上記ヘッド部材は環状に形成され、その内周には上記ピストンロッドを軸支する軸受を備えると共に、上端側から開口する貯留凹部を設け、この貯留凹部と、ヘッド部材に載置されて内周側で環状シールを保持する封止部材と、上記軸受に設けたシール部材と、上記ピストンロッドとで貯油室を画成すると共に、この貯油室が上記接続路の途中に設けられている請求項1記載の空圧緩衝器。
  6. 上記ボトム部材は、上記連通路が穿設されたバルブボディと、このバルブボディの下面に載置されて連通孔を開閉可能に閉塞する円板状のボトム側リーフバルブからなるボトム側逆止弁と、このボトム側逆止弁の下面に配置されたクラッキン圧力付加部材とを備えることを特徴とする請求項3又は5に記載の空圧緩衝器。
  7. 上記クラッキング圧力付加部材は上記円板状のボトム側逆止弁の下面に載置された断面逆門型状をなすイニシャルバルブであって、上記バルブボディの中心部において上方から下方に向かって挿入された固定ボルトにナットを締め付け固定することで、上記イニシャルバルブをその中心部において上方へ弾性変形させ、上記ボトム側逆止弁の下面外周端にイニシャル荷重を加えることを特徴とする請求項6記載の空圧緩衝器。
  8. 上記イニシャルバルブは、ピストン速度が0.05m/秒乃至0.2m/秒となったとき開くようにクラッキン圧が設定されている請求項7記載の空圧緩衝器。
JP2007185838A 2007-07-17 2007-07-17 空圧緩衝器 Pending JP2009024726A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185838A JP2009024726A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 空圧緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007185838A JP2009024726A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 空圧緩衝器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009024726A true JP2009024726A (ja) 2009-02-05

Family

ID=40396723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007185838A Pending JP2009024726A (ja) 2007-07-17 2007-07-17 空圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009024726A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011021501A1 (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 株式会社ニフコ ダンパー装置
CN106352005A (zh) * 2016-11-25 2017-01-25 中航飞机起落架有限责任公司 一种油气分离式缓冲器及其排气方法
CN108458032A (zh) * 2018-03-29 2018-08-28 青岛理工大学 内置增强型变阻尼粘滞阻尼装置
CN113217482A (zh) * 2021-04-09 2021-08-06 燕山大学 一种内置单向阀的活塞式蓄能器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011021501A1 (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 株式会社ニフコ ダンパー装置
JP2011038624A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Nifco Inc ダンパー装置
CN102472351A (zh) * 2009-08-18 2012-05-23 株式会社利富高 阻尼装置
US8827056B2 (en) 2009-08-18 2014-09-09 Nifco Inc. Damper device
CN106352005A (zh) * 2016-11-25 2017-01-25 中航飞机起落架有限责任公司 一种油气分离式缓冲器及其排气方法
CN108458032A (zh) * 2018-03-29 2018-08-28 青岛理工大学 内置增强型变阻尼粘滞阻尼装置
CN113217482A (zh) * 2021-04-09 2021-08-06 燕山大学 一种内置单向阀的活塞式蓄能器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3702416B2 (ja) 液圧緩衝器
JP5008667B2 (ja) 非対称吸込減衰弁
JP5684925B2 (ja) 緩衝器
US9638280B2 (en) Shock absorber with frequency dependent passive valve
US10995813B2 (en) Shock absorber
KR20110131103A (ko) 완충기
US20020063024A1 (en) Hydraulic shock absorber
JP6114499B2 (ja) シール部材および緩衝器
US20200256417A1 (en) Valve and shock absorber
JP2009024726A (ja) 空圧緩衝器
JP2020034068A (ja) 流体圧緩衝器
JP4815418B2 (ja) 空圧緩衝器
US11898615B2 (en) Cylinder apparatus
US10837514B2 (en) Valve structure of shock absorber
US20080100002A1 (en) Cylinder apparatus
JP2015197141A (ja) 緩衝器
JP4312973B2 (ja) 液圧緩衝器の摩擦発生装置
JP5443227B2 (ja) 液圧緩衝器
JP5142971B2 (ja) 緩衝装置
JP2015068439A (ja) 緩衝器
JP4898608B2 (ja) 空圧緩衝器
JP4898622B2 (ja) 空圧緩衝器
JP2020016287A (ja) シリンダ装置
JP2008240745A (ja) 油圧緩衝器
JP4898607B2 (ja) 空圧緩衝器のバルブ構造