JP2009023431A - マスタシリンダ及び該マスタシリンダを備えるブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液の補給性向上とロスストローク低減を両立することができ、しかもシール部材の耐久性を向上させることができるマスタシリンダ該マスタシリンダを備えるブレーキ装置を提供する。
【解決手段】マスタシリンダ10は、連通孔48L、48Rを介してリザーバ32と連通するシリンダ20と、シリンダ20内を摺動することで液室26L、26Rに液圧を発生する第1及び第2ピストン22L、22Rと、シリンダ20に固定され、該シリンダ20とピストン22L及び22Rとの間をシールするカップシール68a、68b、74a、74bとを備える。さらに、第1及び第2ピストン22L、22Rには、液室26L、26Rと連通孔48L、48Rとを連通する補給孔52が設けられ、該補給孔52の形状は、前記ピストンの軸方向長さL1より周方向長さAが大きく設定される。
【選択図】図5

Description

本発明は、リザーバに連通するシリンダと該シリンダ内を摺動することで液室に液圧を発生するピストンを備えるマスタシリンダ及び該マスタシリンダを備えるブレーキ装置に関する。
例えば、四輪自動車等の車両に搭載される液圧式ブレーキ装置では、ブレーキペダルの操作により液圧を発生するマスタシリンダが用いられている。
通常、この種のマスタシリンダでは、ブレーキペダルの操作に基づき進退駆動されることでシリンダ内の液室に液圧を発生するピストンを備え、前記液室には、制動力発生部であるブレーキシリンダへの経路と、ブレーキ装置の液圧系統の液圧(液量)調節用のタンクであるリザーバへの経路とが連通されている。
この場合、前記の液室からリザーバへと連通する経路は、シリンダからリザーバへと連通する連通孔と、ピストンに設けられて液室に連通する補給孔とが、ピストンの進退動作に応じて連通又は非連通とされることで開閉される。すなわち、ブレーキ操作時(マスタシリンダ作動時)には、補給孔がシリンダ側に設けられたカップシール(シールリング)を通過して当該補給孔が閉じられ、これにより、液室内で液圧を発生させて、該液圧をブレーキシリンダへと供給することができる。一方、ブレーキ非操作時(マスタシリンダ非作動時)には、補給孔が開かれた状態であることから液室とリザーバとが連通状態となり、当該液室の液圧が調整される。
ところで、従来、前記の補給孔としては、円形の孔を複数個設置することが一般的である。このため、マスタシリンダ非作動時のリザーバから液室への液補給性を向上させるためには、その孔径を大きくする必要がある一方、ピストンの動作開始から補給孔が閉じられるまでのストローク(ロスストローク)を低減させるためには、その孔径を小さくする必要があるという相反する要求があった。
そこで、例えば、特許文献1では、前記の相反する要求を解決するために、シリンダとピストンとの間に介在するカップシールの初期位置を円形の補給孔に一部かかった状態とし、これにより、液の補給性向上とロスストローク低減の両立を図っている。
特開2003−170824号公報
ところが、前記の特許文献1に記載の構成では、マスタシリンダ非作動時、カップシールが常時補給孔に一部かかった状態となっている。従って、当該カップシールは、経年劣化と同時に前記補給孔への部分的な接触により、カップ形状が変形し異径となる可能性がある。このため、カップシールの一部が補給孔内に食い込む現象、いわゆるカップ喰われを生じた場合の耐久性を大幅に劣化させる可能性があった。
本発明は上記従来の課題を考慮してなされたものであり、液の補給性向上とロスストローク低減を両立することができ、しかもシール部材の耐久性を向上させることができるマスタシリンダ及び該マスタシリンダを備えるブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るマスタシリンダは、連通孔を介してリザーバと連通するシリンダと、前記シリンダ内を摺動することで液室に液圧を発生するピストンと、前記シリンダに設けられ、該シリンダと前記ピストンとの間をシールするシール部材とを備えるマスタシリンダであって、前記ピストンには、前記液室と前記連通孔とを連通する補給孔が設けられ、該補給孔の形状は、前記ピストンの軸方向に沿う長さより周方向に沿う長さが大きいことを特徴とする。
また、本発明に係るブレーキ装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスタシリンダを備えると共に、該マスタシリンダは車両のブレーキペダルに連結され、さらに、前記ブレーキペダルの操作に基づき前記マスタシリンダで発生する液圧によりブレーキ制動力を発生する制動力発生部を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、補給孔の形状をピストンの軸方向に沿う長さより周方向に沿う長さを大きく設定したことにより、例えば、当該補給孔のピストン軸方向長さを極めて小さく設定したとしても、十分な補給孔面積を確保して液補給性を向上させることができる。さらに、ピストンが原位置にある状態から、当該補給孔がシール部材を通過(又は当接して停止)して液室が形成されるまでのストローク、いわゆるロスストロークを有効に低減することができる。しかも、補給孔の形状をピストンの軸方向長さより周方向長さを大きく設定したことから、前記原位置でのシール部材と、補給孔との位置関係をピストン軸方向にずらして設定することが可能となる。このため、該補給孔とシール部材とが常時接触して当該シール部材に変形や破損を生じることを有効に阻止することができ、シール部材の耐久性を向上させることができる。
また、前記補給孔を前記ピストンの周方向に複数設けると、該補給孔全体としての液補給性を一層向上させることができる。
さらに、前記ピストンの円周上に、前記補給孔を介在する溝を形成すると、当該補給孔のエッジ形状によりシール部材が損傷を受けることを有効に回避することが可能となる。
本発明によれば、ピストンに設けられてシリンダ内の液室とリザーバとを連通する補給孔の形状を、ピストンの軸方向に沿う長さより周方向に沿う長さを大きく設定することにより、例えば、当該補給孔におけるピストン軸方向長さを極めて小さく設定したとしても、十分な補給孔面積を確保して液補給性を向上させることができる。さらに、ピストンが原位置にある状態から、当該補給孔がシール部材を通過(又は当接して停止)して液室が形成されるまでのストローク、いわゆるロスストロークを有効に低減することができる。しかも、前記原位置でのシール部材と、補給孔との位置関係をピストン軸方向にずらして設定することが可能となるため、該補給孔とシール部材とが常時接触して当該シール部材に変形や破損を生じることを有効に阻止することができ、シール部材の耐久性を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係るマスタシリンダについて、このマスタシリンダを適用したブレーキ装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るマスタシリンダ10を備えるブレーキ装置12のブロック回路図である。図1に示すように、ブレーキ装置12は、四輪自動車等の車両に搭載され、運転者によるブレーキペダル14の操作に基づきマスタシリンダ10が駆動されることで、左車輪LWや右車輪RWに備えられた制動力発生部(キャリパ、ホイールシリンダ、ブレーキシリンダ)16L、16Rでディスク18L、18Rを狭持して制動力を発生させて車両を制動する装置である。すなわち、ブレーキ装置12は、マスタシリンダ10と制動力発生部16L、16Rとの間が液圧(油圧)を伝達可能な液圧(油圧)系統で構成されており、該液圧系統には、例えば、ブレーキフルードが充填されている。
本実施形態に係るマスタシリンダ10は、いわゆるタンデム式のプランジャ型マスタシリンダであり、シリンダ20内で軸方向に順に配置された第1及び第2ピストン22L及び22Rと、後端側がブレーキペダル14に連結されることでピストン22L及び22Rを進退駆動させるロッド24と、シリンダ20内がピストン22L、22Rで仕切られることで形成された2つの液室(加圧室)26L、26Rとから構成される。
前記液室26L及び26R内には、ブレーキペダル14の踏み込みで進動したピストン22L、22Rを原位置に戻す復帰ばね(弾性部材)28L、28Rが配設される。このような液室26L、26Rは、それぞれ経路30L、30Rを介して制動力発生部16L、16Rに連通される一方、経路34L、34Rを介してリザーバ(リザーバタンク)32へと連通されている。リザーバ32は、ブレーキ装置12の液圧系統の液圧(液量)を調節する機能を果たす。
なお、図1では、自動車の前輪側を構成する左車輪LWや右車輪RWのみを図示し、後輪側については図示を省略しているが、該後輪側についても前輪側(左車輪LWや右車輪RW)と同様な構成や他の構成を備えることができる。
次に、本実施形態に係るマスタシリンダ10について、図2〜図9を参照してさらに詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るマスタシリンダ10の軸線方向に沿う概略断面図であり、図3は、図2に示すマスタシリンダ10の要部を拡大した一部省略概略断面斜視図である。
図2に示すように、マスタシリンダ10は、上部にボス部40が突出したシリンダ20を有し、該シリンダ20の内部には、一端側が閉じられると共に、開口側から第1及び第2ピストン22L及び22Rが挿入されるシリンダ孔部42が設けられている。
ボス部40には、リザーバ32の下面側から突出する一対の連結凸部44L、44Rが接続される連結凹部46L、46Rが設けられている。連結凸部44L、44Rには、リザーバ32内へと連通する経路34L、34Rが形成されている。一方、連結凹部46L、46Rには連通孔48L、48Rが開口しており、該連通孔48L、48Rの他端側は、シリンダ20の内周側に周回形成された環状溝部50L、50Rと、ピストン22L、22Rに設けられる後述する補給孔52とを介して液室26L、26Rへと連通している。
従って、シリンダ20側の連結凹部46L、46Rに、リザーバ32側の連結凸部44L、44Rが接続されることにより、リザーバ32と液室26L、26Rとが連通される。この際、連結凹部46L、46Rと連結凸部44L、44Rとの間には、ゴムシール54L、54Rが嵌め込まれ、これにより、経路34L、34Rと連通孔48L、48Rとの間での液漏れが防止されている。
一方、シリンダ孔部42内には、図2中の矢印X1側から矢印X2側に沿って、順に第1ピストン22Lと第2ピストン22Rとが配置されており、第2ピストン22Rの後端側(矢印X2側)にはロッド24が連結されている。
第1ピストン22Lは、図2〜図4に示すように、内周側が仕切り壁56で仕切られた円筒形状からなり、仕切り壁56の一端側(矢印X1側)には円板状に突出した凸部56aが設けられ、他端側(矢印X2側)には円形状に没した凹部56bが設けられる。すなわち、第1ピストン22Lの内周側において仕切り壁56で仕切られた矢印X1側(凸部56a側)は、シリンダ孔部42と共に液室26Lを形成している。
第1ピストン22Lの内周側には、前記凸部56aに外嵌され仕切り壁56に固定された中空の円錐台形状からなるガイド58が設けられている(図2及び図3参照)。また、液室26L内には、シリンダ孔部42の矢印X1側の側壁に固定された止め部材60により、一端側の皿部62aが固定された軸部材62が配設されており、該軸部材62の棒部62bを挟んだ他端側の皿部62cは、ガイド58内に配置されている。すなわち、軸部材62は、ガイド58の矢印X1側の端面に形成された孔部58aに棒部62bが挿通され、これにより、皿部62cのガイド58からの抜け止めがなされている。
また、液室26L内において、前記復帰ばね28Lは、その内周側に軸部材62及びガイド58が挿通された状態で、一端側が止め部材60に固定されると共に他端側が仕切り壁56に固定され、これにより、第1ピストン22Lが矢印X1方向に進動された後、当該第1ピストン22Lを矢印X2側の原位置へと戻す作用を果たすことになる。
このような第1ピストン22Lには、図4、図5A及び図5Bに示すように、当該第1ピストン22Lの非駆動時(マスタシリンダ10の非作動時)において、前記環状溝部50L(連通孔48L)と液室26L(第1ピストン22Lの内周側)とを連通するスリット状の補給孔52が設けられている。本実施形態の場合、補給孔52は、第1ピストン22Lの軸方向所定位置において、円周方向に沿って等間隔に3個設けられている。該補給孔52は、図5A及び図5Bに示すように、第1ピストン22Lの軸方向に沿う長さL1よりも、第1ピストン22Lの周方向に沿う長さAが大きい(長い)形状とされている。すなわち、補給孔52は、第1ピストン22Lの軸方向に短く、周方向に長い形状とされることにより、全体として、第1ピストン22Lの外周側と内周側との間で十分な流量を確保している。
なお、図6、図7A及び図7Bに示すように、第1ピストン22Lには、補給孔52が設けられた周方向に沿って溝部66を形成することもできる。該溝部66は、補給孔52を介在するように周回形成され、実質的に、当該補給孔52の両端側のエッジ部の面取りを行いR形状を形成したものである。この場合、溝部66において、第1ピストン22Lの軸方向に沿う長さをL2とすると、該長さL2は補給孔52の長さL1以上とされ、溝部66の長さL2の範囲内に、補給孔52の長さL1が含まれていると、補給孔52のエッジ部が外部に露呈することを確実に防止できる。
以上から、図2、図3及び図8に示すように、マスタシリンダ10では、第1ピストン22Lが非駆動時(マスタシリンダ10が非作動時)には、補給孔52が前記環状溝部50Lに対応する位置とされることにより、液室26Lとリザーバ32とが連通された状態となっている。
なお、前記環状溝部50Lの軸方向両端側のシリンダ孔部42の内周面には、一対のカップシール(シール部材、シールリング)68a、68bが設けられ、該カップシール68a、68bは、第1ピストン22Lとシリンダ孔部42との隙間を、当該第1ピストン22Lを摺動自在な状態で塞いでいる(図2及び図8参照)。この場合、一方のカップシール68aは、特に矢印X1側から矢印X2側に向かう方向での液圧の漏れを阻止するように設けられ、他方のカップシール68bは、特に矢印X2側から矢印X1側に向かう方向での液圧の漏れを阻止するように設けられている。
一方、第2ピストン22R及び液室26R等は、前記の第1ピストン22L及び液室26L等と略同様に構成される。そこで、図2等、各図において、同一又は同様な構成には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
図2に示すように、第2ピストン22Rは、内周側が仕切り壁70で仕切られた円筒形状からなり、これにより、仕切り壁70の一端側(矢印X1側)及び第1ピストン22Lの仕切り壁56の間と、シリンダ孔部42とにより液室26Rが形成されている。また、前記仕切り壁56の液室26R側に固定される止め部材72とガイド58との間には軸部材62が配設され、これらガイド58及び軸部材62の周囲には復帰ばね28Rが介装されている。
さらに、図2及び図8に示すように、第2ピストン22Rの補給孔52を介して、液室26Rとリザーバ32とを連通する環状溝部50Rの両端側には一対のカップシール(シール部材、シールリング)74a、74bが設けられている。なお、第2ピストン22Rの矢印X2側はシリンダ20の外部であり、こちらからシリンダ孔部42内へと液圧がかかることはないため、カップシール74a、74bは、共に矢印X1側から矢印X2側に向かう方向での液圧の漏れを阻止するように設けられている。
次に、基本的には以上のように構成される本実施形態に係るマスタシリンダ10を備えるブレーキ装置12の動作及び作用効果について説明する。
先ず、ブレーキペダル14が操作されず、マスタシリンダ10を構成する第1ピストン22L及び第2ピストン22Rが原位置の状態では、両ピストン22L及び22Rの各補給孔52が環状溝部50L及び50Rに連通しており、リザーバ32と各液室26L、26Rとが連通状態にある(図2及び図8参照)。従って、リザーバ32により液室26L、26Rの液量(液圧)を調整可能であり、すなわち、液室26L、26Rは無圧状態となっている。
次いで、ブレーキペダル14が操作され、ロッド24が矢印X1方向に押圧されると、第1ピストン22L及び第2ピストン22Rが矢印X1方向に進動され、両ピストン22L及び22Rが原位置から矢印X1側へと移動する。
ここで、本実施形態の場合、マスタシリンダ10を構成する両ピストン22L及び22Rには、ピストン軸方向長さL1よりピストン周方向長さAを大きくした補給孔52が設けられている。従って、両ピストン22L及び22Rが原位置から進動すると同時に(僅かでも動くと)、図9に示すように、各補給孔52が、矢印X1側に近接配置されたカップシール68a及び74aを通過する(又は該カップシール68a、74aに当接した状態で停止する)。
このため、連通孔48L、48Rがピストン22L、22Rにより閉じられ、補給孔52と環状溝部50L、50Rとの連通状態が遮断され、すなわち、リザーバ32と液室26L、26Rとが遮断される。従って、マスタシリンダ10の液室26L、26R内は、それぞれピストン22L、22Rにより加圧されて所定の液圧を発生し、該液圧は、それぞれの液室26L、26R内から経路30L、30Rを介して制動力発生部16L、16Rへと伝達される。これにより、制動力発生部16L、16Rで制動力が発生し、左車輪LWや右車輪RWが制動される。
以上のように、本実施形態に係るマスタシリンダ10によれば、第1ピストン22Lや第2ピストン22Rに設けられる補給孔52の形状を、ピストン軸方向長さL1よりピストン周方向長さAが大きい(長い)形状、すなわちピストンの周方向に沿うスリット形状としている。このため、当該補給孔52のピストン軸方向長さL1を極めて小さく設定したとしても、十分な補給孔面積を確保して液補給性を向上させることができる。さらに、第1ピストン22Lや第2ピストン22Rが原位置(初期位置)にある状態から、当該補給孔52がカップシール68aや74aを通過(又は該カップシール68a、74aに当接した状態で停止)して、実質的に液室26Lや26Rが形成されるまでのストローク(ロスストローク)を有効に低減することができる。
また、補給孔52を前記のようにピストン軸方向長さL1よりピストン周方向長さAが大きい(長い)スリット形状としたことから、原位置でのカップシール68aや74aと補給孔52との位置関係を、ピストン軸方向(矢印X2方向)にずらして設定することが可能となる。すなわち、上記従来技術のようにカップシールと補給孔とを互いに重なる位置とする必要がない。このため、第1ピストン22Lや第2ピストン22Rに設けられるカップシール68aや74aが補給孔52と常時接触して変形や破損を生じることを有効に阻止することができ、これにより、カップシール68aや74aの耐久性を向上させることができる。
さらに、第1ピストン22Lや第2ピストン22Rの周方向に補給孔52を連結する溝部66を形成すると(図6、図7B及び図7C参照)、当該補給孔52のエッジ形状がカップシール68aや74aに接触し、これらを損傷することを防止することができる。このため、カップシール68aや74aの一部が補給孔52内に食い込む現象、いわゆるカップ喰われを生じた場合であっても、前記エッジ形状によりカップシール68aや74aが損傷を受けることを有効に回避することができ、しかも溝部66のエッジ部はR形状とされていることから、カップシール68aや74aの耐久性を一層向上させることができる。
なお、前記補給孔52の配設数は、上記の3個に限らず、1個や2個でも又は4個以上としてもよい。
また、本実施形態に係るマスタシリンダ10は、前記のブレーキ装置12以外にも好適に適用することができることは言うまでもない。さらに、マスタシリンダ10は、ブレーキ装置12のような液圧系統のみで構成された装置以外にも、例えば、液圧系統の他に電気系統も備え、ブレーキペダル14の操作量を検出して制動力を電子制御するバイワイヤ技術を採用したシステム(ブレーキバイワイヤ)と液圧式の制動システムとを併用したブレーキ装置等にも有効に適用可能である。
以上、実施形態により本発明を説明したが、これに限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
本発明の一実施形態に係るマスタシリンダを備えるブレーキ装置のブロック回路図である。 本実施形態に係るマスタシリンダの軸線方向に沿う概略断面図である。 図2に示すマスタシリンダの要部を拡大した一部省略概略断面斜視図である。 図2に示すマスタシリンダに設けられるピストンの概略斜視図である。 図5Aは、図4に示すピストンの側面図であり、図5Bは、図5A中のVB−VB線に沿う概略断面図である。 図4に示すマスタシリンダに設けられるピストンに溝部を設けた状態を示す概略斜視図である。 図7Aは、図6に示すピストンの側面図であり、図7Bは、図7A中のVIIB−VIIB線に沿う概略断面図である。 図2に示すマスタシリンダのカップシール部周辺を拡大した一部省略概略断面図である。 図8に示す状態からピストンが移動した状態を示す一部省略概略断面図である。
符号の説明
10…マスタシリンダ 12…ブレーキ装置
20…シリンダ 22L、22R…ピストン
26L、26R…液室 30L、30R、34L、34R…経路
32…リザーバ 42…シリンダ孔部
48L、48R…連通孔 50L、50R…環状溝部
52…補給孔 66…溝部
68a、68b、74a、74b…カップシール

Claims (4)

  1. 連通孔を介してリザーバと連通するシリンダと、
    前記シリンダ内を摺動することで液室に液圧を発生するピストンと、
    前記シリンダに設けられ、該シリンダと前記ピストンとの間をシールするシール部材と、
    を備えるマスタシリンダであって、
    前記ピストンには、前記液室と前記連通孔とを連通する補給孔が設けられ、該補給孔の形状は、前記ピストンの軸方向に沿う長さより周方向に沿う長さが大きいことを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 請求項1記載のマスタシリンダにおいて、
    前記補給孔を前記ピストンの周方向に複数設けたことを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 請求項1又は2記載のマスタシリンダにおいて、
    前記ピストンの円周上に、前記補給孔を介在する溝を形成したことを特徴とするマスタシリンダ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスタシリンダを備えると共に、該マスタシリンダは車両のブレーキペダルに連結され、
    さらに、前記ブレーキペダルの操作に基づき前記マスタシリンダで発生する液圧によりブレーキ制動力を発生する制動力発生部を備えることを特徴とするブレーキ装置。
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