JP2009022747A - 衛生用品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衛生用品の各種部材に用いられる不織布であり、肌触り性が良好であり、かつ、廃棄の際に環境への影響が少ない不織布を提供する。
【解決手段】 複合長繊維を構成繊維とする不織布が衛生部材として用いられる衛生用品であって、複合長繊維はポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低い融点を有するポリオレフィン系重合体とが複合してなるものであり、前記ポリオレフィン系重合体が複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成している衛生用品。前記複合長繊維が、ポリ乳酸系重合体が芯部を形成し、ポリオレフィン系重合体が鞘部を形成してなる芯鞘型複合長繊維であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用品等の衛生用品に関するものであり、特に衛生用品を構成する各種部材に用いられる不織布に関するものである。
従来から、使い捨ておむつや生理用品などに代表される衛生用品の各部材として、種々の不織布が使われている。なかでもスパンボンド法によって得られる長繊維不織布は、比較的低目付であっても実用に耐え得るだけの強力を有し、かつ、柔軟性をも持ち合わせているため、重要な材料として認識されている。現在、主に、ポリプロピレンからなる長繊維不織布が衛生用品のトップシート等の部材として多く用いられている。ところで、近年の環境問題の深刻化に伴い、使い捨てにされる衛生用品の大量廃棄が問題視されるようになっている。
本出願人は、衛生用品の大量廃棄や環境問題を考慮し、自然界にて生分解される素材であるポリ乳酸系重合体を用いた不織布を衛生用品の部材に用いることを提案している(特許文献1)。特許文献1によると、不織布を構成する繊維の単糸繊度を小さくし、かつ低目付化を図ることにより、ポリ乳酸系長繊維不織布としては柔軟性を保持させることを可能としている。しかし、例えば、おむつのトップシートなどは、直接肌に触れる部材であるため、より肌触り性の良好さを求められるが、特許文献1記載のポリ乳酸系長繊維不織布では、ポリ乳酸重合体自身が起因する硬さのために、シャリ感が拭いきれない。
特開2002−242068号公報
本発明は、衛生用品の各種部材に用いられる不織布であり、肌触り性が良好であり、かつ、廃棄の際に環境への影響が少ない不織布を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、複合長繊維を構成繊維とする不織布が衛生部材として用いられる衛生用品であって、複合長繊維はポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低い融点を有するポリオレフィン系重合体とが複合してなるものであり、前記ポリオレフィン系重合体が複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成していることを特徴とする衛生用品を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の衛生用品は、複合長繊維を構成繊維とする不織布が部材として用いられている。複合長繊維は、ポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低い融点を有するポリオレフィン系重合体とが複合してなるものである。
本発明に用いられるポリ乳酸系重合体としては、ポリ−D−乳酸と、ポリ−L−乳酸と、D−乳酸とL−乳酸との共重合体と、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ばれる重合体、あるいはこれらのブレンド体等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられる。これらの中でも、特にヒドロキシカプロン酸やグリコール酸が、分解性能や低コストの点から好ましい。
本発明においては、上記ポリ乳酸系重合体であって、融点が150℃以上の重合体あるいはこれらのブレンド体を用いることが好ましい。融点が150℃以上のポリ乳酸系重合体は、高い結晶性を有しているため、構成繊維同士を熱接着する際や不織布をヒートシール加工する際等の熱処理加工時に収縮が発生しにくく、また、熱処理加工を安定して行うことができるからである。さらに、不織布の耐熱性が優れるため、輸送時や保管時において不織布性能や形態の変化が生じ難いためである。
ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ−L−乳酸やポリ−D−乳酸の融点は、約180℃である。ポリ乳酸系重合体として、ホモポリマーでなく、共重合体を用いる場合には、共重合体の融点が150℃以上となるように、モノマー成分の共重合比率を決定するとよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との共重合体の場合、L−乳酸とD−乳酸との共重合比が、モル比で、(L−乳酸)/(D−乳酸)=5/95〜0/100、あるいは(L−乳酸)/(D−乳酸)=95/5〜100/0のものは、融点が150℃以上である。共重合比率が前記範囲を外れると、共重合体の融点が150℃未満となり、非晶性が高くなる。
本発明に用いられるオレフィン系重合体としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレンを好適に用いることができる。また、チーグラーナッタ触媒もしくはメタロセン触媒いずれの触媒を用いて重合されたポリオレフィンを用いることができる。メタロセン触媒を用いて重合されたポリオレフィンは、ポリマーの分子量をコントロールすることが容易であり、分子量分布をシャープにすることができるため、構成繊維同士を熱接着する際や不織布をヒートシール加工する際等の熱処理加工において、熱処理温度を決定しやすいので好ましい。
また、本発明に用いられるポリオレフィン系重合体として、ショ糖、澱粉、セルロース等のバイオマスを原料とし、発酵技術によってエタノールを経て得られたバイオマス由来のポリエチレン、ポリプロピレンを好適に用いることができる。これは、バイオマスから得られたエタノールを原料とし、触媒を用いる化学反応によりエチレン、プロピレンを生産する方法である。得られたバイオマス由来のエチレン、プロピレンは公知の重合技術によって、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンとする。また、ポリプロピレンを生産する方法として、上記したエタノールから生産する方法の他には、バイオマスを原料として、発酵技術によりプロパノールを得て、触媒を用いる化学反応によりプロピレンを生産し、次いで、公知の重合技術によりポリプロピレンを得る方法でもよい。バイオマスを原料とした重合体かどうかは、放射性炭素を含んでいるか否かを測定することによって識別することができる。バイオマス素材には、極微量ではあるが炭素14が含まれ、石油を原料とした重合体にはこれが含まれない。測定方法は、ASTM−D−6866に記載の加速器質量分析(B法)による炭素14濃度測定法を用いるとよい。
本発明に用いられるポリオレフィン系重合体としてバイオマスを原料とするものを用いると、ポリ乳酸系重合体もまたバイオマスを原料とするものであるため、複合長繊維自体がバイオマスを原料となって環境に配慮した素材といえる。
複合長繊維において、ポリ乳酸系重合体よりも低い融点を有するポリオレフィン系重合体とを複合させるのは、ポリ乳酸系重合体よりも融点の低いポリオレフィン系重合体に熱接着成分として機能することができるためである。両者の融点差は5℃以上あればより好ましい。これにより、熱処理加工時にポリ乳酸系重合体が熱の影響を受け難くなるためである。なお、本発明において、融点を有さない重合体については、軟化点を融点とみなす。
複合長繊維において、ポリオレフィン系重合体が複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成している。ポリオレフィン系重合体が、複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成するような複合形態(繊維横断面形態)としては、例えば、ポリ乳酸系重合体とポリオレフィン系重合体とが貼り合わされたサイドバイサイド型、ポリ乳酸系重合体が芯部を形成しポリオレフィン系重合体が鞘部を形成してなる芯鞘型、ポリ乳酸系重合体とポリオレフィン系重合体とが繊維表面に交互に存在する分割型や多葉型等が挙げられる。ポリオレフィン系重合体は熱接着成分としての役割を担わせることを考慮すると、ポリオレフィン系重合体が繊維の全表面を形成している芯鞘型であることが好ましい。
ポリ乳酸系重合体とポリオレフィン系重合体の複合比(質量比)は、ポリ乳酸系重合体/ポリオレフィン系重合体=4/1〜1/4であることが好ましい。芯部の比率を4/1以下とすることにより、ポリオレフィン系重合体に熱接着剤として十分に機能させることができ、不織布は良好な形態保持性や柔軟性を発揮することができる。また、芯部の比率を1/4以上とすることにより、不織布は機械的強度を十分に保持させることができる。
本発明における不織布は、スパンボンド法により得られるスパンボンド不織布であることが生産性等の点から好ましいため、用いる重合体については、高速紡糸に適する粘度を選択する。ポリ乳酸系重合体の粘度は、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重20.2N(2160gf)で測定したメルトフローレート(以下、「MFR1」と略記する。)が10〜80g/10分であることが好ましく、20〜70g/10分であることがさらに好ましい。MFR1が10g/10分以上であると粘性が高過ぎることがないため、製造工程において溶融時のスクリューへの大きな負担がかかることなく製造することが可能である。また、MFR1が80g/10分以下であると粘性が小さくなり過ぎることがないため、紡糸工程において糸切れが発生しにくく、操業性が良好となる。
ポリエチレンとしては、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて、温度190℃、荷重20.2N(2160gf)で測定したメルトインデックス(以下、「MI」と略記する。)が5〜90g/10分の範囲であるポリエチレンが好適に用いられる。MIが5g/10分以上のポリエチレンを用いることにより、溶融紡糸の際に、溶融温度を極端に高くしなくとも高速にて溶融紡糸を行うことができる。なお、溶融温度を極端に高くして溶融紡糸を行うと、原料重合体の熱分解が促進し、紡糸口金面に汚れが付着しやすく、操業性が著しく損なわれることとなる。一方、MIが90g/10分以下のポリエチレンを用いることにより、強度の高い繊維を得ることができる。このような理由によって、20〜80g/10分のポリエチレンを用いることがさらに好ましい。
ポリプロピレンとしては、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて、温度230℃、荷重20.2N(2160gf)で測定したメルトフローレート(以下、「MFR2」と略記する。)が5〜90g/10分のポリプロピレンが好適に用いられる。MFR2が5g/10分以上のポリプロピレンを用いることにより、上述したポリエチレンのMIが5g/10分以上の場合と同様で、溶融紡糸の際に、溶融温度を極端に高くしなくとも高速にて溶融紡糸を行うことができる。一方、MFR2が80g/10分以上とすることにより、上述したポリエチレンのMIが90g/10分以下の場合と同様で、強度の高い繊維を得ることができる。このような理由によって、MFR2が20〜80g/10分のポリプロピレンを用いることがさらに好ましい。
複合長繊維の単糸繊度は、5デシテックス以下であることが好ましい。単糸繊度を5デシテックス以下とすることにより、肌に接した際に硬さを感じにくく、衛生用品を装着した時に不快感をおぼえにくい。このような理由から、3デシテックス以下であることがより好ましい。また、単糸繊度は小さい程、肌触り性が良好となるため、下限は特に限定しないが、直接紡糸を行う製法(スパンボンド法)上の観点から、1デシテックス程度がよい。
本発明の衛生用品に用いられる不織布は、上記複合繊維によって構成されるが、構成繊維同士が熱接着により一体化したものであることが好ましく、特に熱エンボス加工により熱接着していることが好ましい。熱エンボス加工による不織布は、エンボス点(不織布に形成された凹部)では、熱と圧力が付与されているが、非熱エンボス点は、熱や圧力の影響をほとんど受けていないため、肌触りの良好な不織布となるからである。また、機械的特性も良好であり、形態安定性に優れるためである。
本発明における不織布の目付は、衛生用品において用いられる部位に応じて適宜選択すればよいため、特に限定しないが、一般的には15〜30g/mの範囲が好ましい。目付が15g/m未満であると、単位面積あたりに存在する繊維の本数が相対的に少ないため、孔が開いたような状態となり、例えば、衛生用品のトップシートに用いた場合、着用時に濡れ戻りが生じやすく、不快感が発生する恐れがある。一方、目付が30g/mを超えると、単位面積あたりに存在する繊維の本数が相対的に多くなるため、柔軟性や透水性に劣る傾向となり、衛生用品に用いられる部位が限定される傾向となる。
本発明における不織布は、JIS L 1906に記載のハンドルオメーター法に準じて測定した柔軟度が15cN以上60cN以下であることが好ましい。柔軟度が60cNを超えると、不織布の風合いが硬くなるため、衛生用品に用いられる箇所が限定される傾向となる。
本発明における不織布は、上記したポリ乳酸系重合体とポリオレフィン系重合体を特定の形態にて複合してなる長繊維によって構成されるものであり、その理由は定かではないが、柔軟性、肌触り性、風合いに優れるものであり、また、熱的に安定したものである。したがって、衛生用品に用いる際に、他の部材との熱シールによる貼り合わせやヒートシール加工等の熱処理加工の際に熱収縮が発生しにくく、熱処理加工性に優れるという特長を有する。すなわち、本発明における不織布は、ポリオレフィン系重合体の融点をTmとして、(Tm−10)℃の雰囲気に5分間放置したときのタテ方向の熱収縮率が2%以下である。
本発明の衛生用品は、ポリ乳酸系重合体と、このポリ乳酸系重合体よりも低融点のポリオレフィン系重合体とが複合された複合長繊維を構成繊維とする不織布が用いられたものである。ポリオレフィン系重合体が複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成していることから、製糸性、開繊性が良好であるため、スパンボンド法によって良好に製造することが可能である。また、上記した複合形態であることから、不織布は、柔軟性、肌触り性、風合いに優れるものである。また、衛生用品にする際、不織布と他の部材との熱シールによる貼り合わせやヒートシール加工等の熱処理加工において、熱収縮が発生しにくい。また、本発明の衛生用品は、ポリ乳酸系重合体とポリオレフィン系重合体とが複合されたものであるため、従来、多く用いられていたオレフィン系資材と比較して、使い終わった際に焼却によって処理した際の燃焼カロリーが小さくなり、環境負荷への小さくすることができる。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は、下記の方法により実施した。
(1)融点(℃):示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量を5mgとし、昇温速度を10℃/分として測定し、得られた融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)とした。
(2)繊度(デシテックス):ウエブ状態における50本の繊維の繊維径を光学顕微鏡にて測定し、密度補正して求めた平均値を繊度とした。
(3)引張強力(N/5cm幅)および破断伸度(%):試料長20cm、試料幅5cmの試料片10点を作成し、各試料について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製のテンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張し、得られた切断時破断荷重(N/5cm幅)の平均値を引張強力(N/5cm幅)とした。また、上記の切断時の伸度(%)の平均値を破断伸度とした。
(4)柔軟度(cN):JIS L 1906に記載のハンドルオメーター法に準じて測定した。
(5)肌ざわり性:不織布を手で触れた際の肌ざわり性につき、下記の3段階に官能評価した。
◎:軟らかく、肌ざわりがよい
△:ふつう
×:硬い
(6)熱収縮率(%):20cm(縦方向)×20cm(横方向)の試料を用意し、試料を構成する繊維において低融点の重合体の融点をTmとして(Tm−10)℃の雰囲気下に試料を5分間放置した後、縦横各辺(4辺)の長さL(cm)を測定し、下式によって熱収縮率を算出した。そして、熱収縮率が4辺とも2%以下のものを、熱収縮性が低く、寸法安定性が良好であると評価した。なお、表1の熱収縮率は4辺の平均値を記載した。
熱収縮率={(20−L)/20}×100
実施例1
芯成分として、融点168℃、MFR1が20g/10分、L−乳酸/D乳酸の共重合比が98.4/1.6のポリ乳酸(以下、PLA1と略記する。)を用意した。また、鞘成分として、融点130℃、MI25g/10分、密度0.95g/m3で、チグラーナッタ触媒を用いて重合された高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略記する。)を用意した。
前記重合体を(PLA1)/(HDPE)の複合比率(質量比)が55/45となるよう個別に計量した後、個別のエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度230℃で溶融し、芯鞘型複合断面となる紡糸口金を用い、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸した。この紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下方に設置されたエアーサッカーを用いて、牽引速度が4300m/分で牽引細化し、公知の開繊装置にて開繊した。次に、開繊せしめた糸条を移動するスクリーンコンベア上に単糸繊度3.0デシテックスの芯鞘型複合長繊維として開繊堆積させて長繊維ウエブを得た。
次いで、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付20g/mの衛生用品の部材となる不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を120℃とし、エンボスロールは、個々の面積が0.6mmの円形の彫刻模様で、圧接点密度が20個/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
実施例2
実施例1において、芯鞘比率を(PLA1)/(HDPE)の複合比率(質量比)が70/30としたこと以外は実施例1と同様にして衛生用品の部材となる不織布を得た。
実施例3
実施例1において、鞘成分として、MFR2が35g/10分、融点160℃、密度0.91g/m3のポリプロピレンを用いたこと、熱エンボス条件として両ロールの表面温度を135℃としたこと以外は、実施例1と同様にして衛生用品の部材となる不織布を得た。
実施例4、5
実施例1において、目付を30g/m(実施例4)、目付を15g/m(実施例5)としたこと以外は、実施例1と同様にして衛生用品の部材となる不織布を得た。
比較例1
融点168℃、MFR1が65g/10分、L−乳酸/D乳酸の共重合比が98.4/1.6のポリ乳酸(以下、PLA2と略記する。)を用意した。このポリ乳酸をエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度210℃で溶融し、円形断面となる紡糸口金を用い、単孔吐出量1.7g/分で溶融紡糸した。この紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下方に設置されたエアーサッカーを用いて、牽引速度が5000m/分で牽引細化し、公知の開繊装置にて開繊した。次に、開繊せしめた糸条を移動するスクリーンコンベア上に単糸繊度3.3デシテックスの長繊維として開繊堆積させて長繊維ウエブを得た。
次いで、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付20g/mの衛生用品の部材となる不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を130℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
比較例2
芯成分として、融点168℃、MFR1が20g/10分、L−乳酸/D乳酸の共重合比が98.4/1.6のポリ乳酸(PLA1)を用意した。また、鞘成分として、融点150℃、MFR1が56g/10分、L−乳酸/D乳酸の共重合比が95/5のポリ乳酸(以下、PLA3と略記する。)を用意した。
前記重合体を(PLA1)/(PLA3)の複合比率(質量比)が50/50となるよう個別に計量した後、個別のエクストルーダー型溶融押し出し機を用いて、温度230℃で溶融し、芯鞘型複合断面となる紡糸口金を用い、単孔吐出量1.5g/分で溶融紡糸した。この紡出糸条を公知の冷却装置を用いて冷却した後、口金の下方に設置されたエアーサッカーを用いて、牽引速度が5000m/分で牽引細化し、公知の開繊装置にて開繊した。次に、開繊せしめた糸条を移動するスクリーンコンベア上に単糸繊度3.0デシテックスの芯鞘型複合長繊維として開繊堆積させて長繊維ウエブを得た。
次いで、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付20g/mの不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を110℃としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1〜5、比較例1,2の不織布の評価結果について、表1に示す。なお、比較例1の不織布について、熱収縮率の評価の際、150℃の雰囲気下にて評価した。
実施例1〜5で得られた衛生用品の部材に用いられる不織布は、柔軟性の値も小さく優れた柔軟性を有するものであり、また、肌触り性も良好であった。熱収縮率も小さく、熱的に寸法安定性を有するものであり、衛生用品の部材として適したものであった。
一方、比較例1、2は、ポリ乳酸系重合体のみによって構成される繊維からなる不織布であり、肌触り性の値は、本発明のものよりも値が大きく、肌触り性においては、硬さが感じられるものであった。また、熱収縮率についても、本発明のものよりも熱収縮率が大きかった。

Claims (6)

  1. 複合長繊維を構成繊維とする不織布が衛生部材として用いられる衛生用品であって、複合長繊維はポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低い融点を有するポリオレフィン系重合体とが複合してなるものであり、前記ポリオレフィン系重合体が複合長繊維の表面の少なくとも一部を形成していることを特徴とする衛生用品。
  2. 複合長繊維が、ポリ乳酸系重合体が芯部を形成し、ポリオレフィン系重合体が鞘部を形成してなる芯鞘型複合長繊維であることを特徴とする請求項1記載の衛生用品。
  3. 不織布の目付が15〜30g/mであり、不織布の柔軟度が15cN以上60cN以下であることを特徴とする請求項1または2記載の衛生用品。
  4. 不織布は、不織布を構成する複合長繊維同士が熱接着により一体化したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の衛生用品。
  5. 熱接着が熱エンボス加工であることを特徴とする請求項4記載の衛生用品。
  6. 不織布が、オレフィン系重合体の融点をTmとして(Tm−10)℃の雰囲気に5分間放置したときのタテ方向の熱収縮率が2%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の衛生用品。
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