JP2009019971A - マイクロ化学用光分析チップおよびマイクロ化学光分析システム - Google Patents

マイクロ化学用光分析チップおよびマイクロ化学光分析システム Download PDF

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智彦 蟹江
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Abstract

【課題】 構造が単純で、安価に提供できるマイクロ化学用光分析チップを得る。
【解決手段】 試料を分析するマイクロ化学分析に用いる光分析チップ101において、光導波路13の一部に試料の分析を行うセンサ部17を形成すると共に、少なくともセンサ部17への光の入出力部となる光導波路13を光ファイバ19で形成して、センサ部17で抗原抗体反応によって生じる光の吸収、分光等により減衰した光を分析する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料を分析するマイクロ化学分析に用いるマイクロ化学用光分析チップ、及び該チップを用いたマイクロ化学光分析システムに関する。
近年、試料の分析や化学反応処理を、安価に且つ迅速に実現するシステムとして、マイクロ化学用光分析チップを使用したマイクロ化学光分析システムが提案されている。
上記マイクロ化学用光分析チップは、このチップへ試料又は検査試薬を供給して検査を実行する検査装置に適用されるものである。
従来、マイクロ化学用光分析チップとして、流路を形成した板状部材に、該板状部材内の流路に面して対向するように一対の屈折率分布型のロッドレンズを装備したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このマイクロ化学用光分析チップでは、板状部材の流路に微量の試料を注入した状態で、この板状部材の一側のロッドレンズにより励起光を流路内の試料に集光照射する。そして、励起光の集光照射による光熱変換効果に基づいて生じる屈折率の変化を、板状部材の他側のロッドレンズを介して検出することで、試料を分析するものである。
特開2002−214175号公報
ところが、特許文献1に記載のようにレンズを使用する構成の場合は、レンズ部品にコストがかかるため、マイクロ化学用光分析チップ自体が高価になってしまい、該光分析チップを使用するシステムも高額化するという問題があった。
また、レンズを介して照射する励起光が流路内の試料に当たる位置で収束するようにシステムを組み立てるべく、レンズと光源手段との間の正確な位置合わせ作業が必要となり、システムの組み立てに手間がかかるという問題もあった。
本発明の目的は、コストの高いレンズが不要で、安価に提供できるマイクロ化学用光分析チップを提供すること、また、その光分析チップを使用することで、レンズと光源との間の位置合わせ作業が不要で、組立性に優れるマイクロ化学光分析システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載のマイクロ化学用光分析チップは、試料を分析するマイクロ化学分析に用いる光分析チップであって、前記試料が導入されるセルと、光導波路の一部に形成され前記セルの内部に配置されたセンサ部と、前記センサ部が形成された前記光導波路と一端が光学的に結合され、前記セルの外部に延在する光入力用光導波路と、前記センサ部が形成された前記光導波路と一端が光学的に結合され、前記セルの外部に延在する光出力用光導波路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る請求項2記載のマイクロ化学用光分析チップは、請求項1に記載のマイクロ化学用光分析チップにおいて、前記センサ部が光ファイバカプラからなることを特徴とする。
本発明に係る請求項3記載のマイクロ化学用光分析チップは、請求項1に記載のマイクロ化学用光分析チップにおいて、前記センサ部が光ファイバのコアの一部を露出させたものからなることを特徴とする。
本発明に係る請求項4記載のマイクロ化学用光分析チップは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップにおいて、略一直線状に配置された、一組の前記光入力用光導波路、前記センサ部を備える前記セル及び前記光出力用光導波路が、同一基板上に複数並列に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る請求項5記載のマイクロ化学用光分析チップは、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップにおいて、前記センサ部の表面に特定の抗体が固定されていることを特徴とする。
本発明に係る請求項6記載のマイクロ化学用光分析チップは、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップにおいて、前記光入力用光導波路および前記光出力用光導波路のそれぞれの他端に、光ファイバと結合可能な光コネクタ部を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る請求項7記載のマイクロ化学光分析システムは、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップと、前記光入力用光導波路に光を入力する光源と、前記光出力用光導波路から出力される光を検出する検出器と、前記検出器の検出結果を分析する解析手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るマイクロ化学用光分析チップによれば、分析試料が導入されるセルの内部に、光導波路の一部に形成されたセンサ部を有し、更に、このセンサ部へ分析用の光を導入するための光導波路が形成されていることから部品コストの高いレンズが不要のため、マイクロ化学用光分析チップを安価に提供することができる。
本発明に係るマイクロ化学光分析システムによれば、光分析チップに光源と、検出器と、解析手段とを接続する構成であって、光分析チップには部品コストの高いレンズを使用しておらず、光分析チップ自体のコストを安価に抑えることができる。
また、レンズを使用しないマイクロ化学用光分析チップを使用したことで、手間のかかるレンズと光源との間の位置合わせ作業等が不要で、光分析作業の作業効率を向上させることができる。
以下、本発明に係るマイクロ化学用光分析チップ及び、該光分析チップを使用したマイクロ化学光分析システムの好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るマイクロ化学用光分析チップを搭載したマイクロ化学光分析システムの第1の実施の形態の概略構成図、図2は図1のマイクロ化学光分析システムに搭載されている光分析チップの概略構成を示す外観斜視図、図3は図2に示したA−A線による縦断面図、図4は図3のB−B断面図、図5は図3の縦断面図において、センサ部への試料と光の出入りを示すブロック図、図6は図5に示したセンサ部で生じる抗原抗体反応を説明する図である。
図1に示したマイクロ化学光分析システム100は、分析対象の試料が導入されるセルを有した光分析チップ101と、この光分析チップ101に試薬配管103,104を介して接続されて光分析チップ101のセルに試料を導入する試料導入手段111と、光分析チップ101にある複数本の光導波路の各入力端に接続された複数本の入力側光ファイバ106と、これら複数本の入力側光ファイバ106が繋がれたスプリッタ121を介して光分析チップ101にある各光導波路に試料分析用の光を入力する光源123と、光分析チップ101にある複数本の光導波路の各出力端に接続された複数本の出力側光ファイバ108と、この出力側光ファイバ108を介して光分析チップ101から出力される光を検出する検出器131と、前述の光源123及び検出器131の動作を制御する制御基板141と、検出器131の検出結果を制御基板141を介して取得して分析する解析手段151とを備える。
試料導入手段111は、サンプル槽112に貯留された試料をシュリンジポンプ113により導入側の試薬配管103を介して光分析チップ101のセル内に導入し、また、セル内の試料を排出側の試薬配管104を介してドレイン槽115に回収する。
光源123は、小型ランプ、あるいはLED、あるいはLDを使用したもので、所定の波長の紫外可視光を出力する。例えば、中心波長445nm、473nm、405nm及び、1550ミクロン帯の半導体LDの他、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
検出器131は、分光器、フォトダイオード(PD)アレイ、あるいはバランスレシーバで、光分析チップ101にある複数本の光導波路から出射する光の各成分を検出する。検出器131としては、シリコンフォトダイオード、アバランシェドフォトダイオード、光電子増倍管等を用いることができる。
制御基板141は、光源123の発熱を制御する温調回路142と、検出器131が出力する複数のアナログ信号を択一的に切替えて出力するアナログスイッチ144と、選択されたアナログ信号をロックインアンプ145とADコンバータ146を介してディジタル信号として受信するマイコン変調回路147とを具備した構成になっている。
マイコン変調回路147は、ADコンバータ146から受信した信号に所定の変調処理をして解析手段151に出力する。
解析手段151は、例えばパーソナルコンピュータ等を利用したもので、分析用プログラムにより、マイコン変調回路147から入力された検出信号に所定の演算処理を実施して、試料の分析を行う。
光分析チップ101は、樹脂材料又はその他の材料により板状に形成されたチップ本体11に、複数本(本実施の形態では5本)の光導波路13を互いに並行に挿通させた構成を成している。
樹脂材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(アクリル・PMMA)、ポリ塩化ビニル(塩ビ・PVC)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(ナイロン・PA)、ポリカーボネートなどのアクリル樹脂や、シリコン樹脂(PDMS)を適用することができる。
他の材料としては、石英、ソーダガラス等のガラス、あるいはシリコンを適用することができる。
チップ本体11は、図2に示すように光導波路13が挿通する方向の長さ寸法Lが60mm、この長さ方向に直交する幅寸法Wが25mm、厚さ寸法tが2mmの板材であり、また、図3及び図4に示すように、光導波路13を挿通させるための複数本の貫通穴15が、長さL方向に沿って、複数本平行に貫通形成されている。
本実施の形態の場合、各光導波路13の一部、詳しくは、長さ方向の中間部に、センサ部17が形成され、試料が導入されるセル内に配置されている。また、本実施の形態の場合、光導波路13の内、センサ部17へ光を入力する入力部となる光導波路13aと、該センサ部17を通過した光の出力部となる光導波路13bが、1本の光ファイバ19で形成されており、それらは略一直線状に配置されている。なお、光導波路13aが光入力用光導波路であり、光導波路13bが光出力用光導波路である。
センサ部17へ光を入力する入力部となるそれぞれの光入力用光導波路13aは、図1に示したように、スプリッタ121に繋がれた入力側光ファイバ106がコネクタ接続される。
また、センサ部17を通過した光の出力部となるそれぞれの光出力用光導波路13bは、図1に示したように、検出器131に繋がれた出力側光ファイバ108がコネクタ接続される。
なお、図3乃至図5には示していないが、入力側光ファイバ106や出力側光ファイバ108とコネクタ接続のために、光導波路13a,13bとなる光ファイバ19の端部には、容易に脱着可能な接続用の光コネクタが装備される。複数の入力用光ファイバや出力用光ファイバは、それぞれ他端が基板の同一側に並ぶように配置され、接続用光コネクタは、これら複数の入力用光ファイバや出力用光ファイバとそれぞれ一括して接続可能であるように設けられることが好ましい。もちろん各光ファイバに個別に設けられていてもよい。また、光コネクタ部はセンサ部が形成される基板の端部に直接固定されて設けられていることも好ましい。
センサ部17は、図3乃至図5に示すように、貫通穴15の一部を広げて形成された試料を注入するセル21内に配置され、コア、クラッド構造を持つ光ファイバ19は該セル21を挿通する部位においてコア19aを露出させている。
セル21は、図4及び図5に示すように、高さ寸法がD、幅寸法がFの矩形断面の流路となっており、D及びFは、いずれも0.5mm程度に設定される。また、チップ本体11の厚さ寸法tは2mmであるが、図5に示すように、セル21より上方の寸法をt1、セル21を含めた下側の寸法をt2とすると、本実施の形態の場合は、t1=t2=1mmに設定している。
また、光ファイバ19は、例えば、クラッド径が117μm、コア径が100μmの石英ガラス製光ファイバが使用され、エッチングにより長さ方向の一部のクラッド部分を除去している。あるいは溶融延伸により外径を数10μm程度まで細径化してクラッド部厚みを減少させても良い。また、セル21内に露出させるコア19aの長さLは、20mm程度が良い。
セル21には、図3及び図5に示すように、試料の注入口23と、試料の排出口25とが外部に連通して設けられている。
注入口23には、図1に示した試薬配管103が接続される。また、排出口25には図1に示した試薬配管104が接続される。なお、図2では、一つの試料の注入口23から複数のセル21の各センサ部17近傍に試料が分配して注入される形態を示している。また、試料の排出口は省略してある。このような形態を採ることで、1個の光分析チップ101で同じ試料について複数の特性項目を検査する多項目検査を一度に行うことができる。あるいはそれぞれのセルに対して独立した試薬配管を設けることで、異なる複数の試料について同じ特性項目を検査する多検体検査を一度に行うことができる。
本実施の形態の場合、チップ本体11に形成した複数本の各光導波路13に、それぞれセンサ部17を有し、センサ部17はセル21内に設けられている。換言すれば、本実施の形態の光分析チップ101では、それぞれ対応する一組の光入力用光導波路13a、センサ部17を備えるセル21及び光出力用光導波路13bが同一基板上に複数並列に配置されている。
また、本実施の形態の光分析チップ101では、各センサ部17には、予め特定の抗体を固定しておき、その後、試料の注入を行うことで、センサ部近傍のセル内にて抗原抗体反応を行う。その場合に、特定の抗体が各センサ部17で同じであれば多検体検査を行うことができ、特定の抗体がセンサ部17でそれぞれ異なっていれば多項目検査を行うことができる。
図6は、そのような抗原抗体反応の様子を示したものである。
図6(a)に示すように、セル21中にあるセンサ部の露出されたコアの表面に特定の一次抗体33が固定化されている。
そこに、分析試料である抗原35を含む液体が注入されると、一次抗体33と抗原35とが反応して結合する抗原抗体反応が起こる。
ここで、センサ部である光導波路近傍では、コアが露出している場合あるいはクラッド部厚みが非常に薄い場合には光導波路表面近傍にエバネッセント光が発生している。このエバネッセント光は、光導波路表面に固定化された抗体やこの抗体と結合した抗原の影響を顕著に受け、減衰量が変化する。図6(b)に示すように、光導波路13中を光37が通過すると、コア表面で生じた抗原抗体反応に応じて更に光の吸収が起こり、光導波路13からの出力光39はより減衰した状態になる。このようにして抗原抗体反応前後での光減衰量を検出器131で検出して、解析手段151で所定の分析処理を行うことにより、抗原抗体反応の発生度合い等を検知することができる。
以上に説明した本発明の第1の実施の形態の光分析チップ101では、光導波路13の一部が試料の分析を行うセンサ部17となっており、更に、このセンサ部17へ分析用の光を導入する光導波路13が光ファイバ19で形成されていて、部品コストの高いレンズが不要のため、マイクロ化学用光分析チップ101を安価に提供することができる。
更に、上記実施の形態の光分析チップ101では、連続した1本の光ファイバ19の一部でコア19aを露出させてセンサ部17を形成しているため、センサ部17は光導波路13を構成する光ファイバ19の周囲のクラッド部を除去することにより簡単に形成することができる。
更に、上記実施の形態の光分析チップ101では、光入力用光導波路13a、センサ部17を含むセル21、光出力用光導波路13bが複数並列に配置されていて、各セル21で並行して分析処理を実施できるため、複数の分析処理を一つの光分析チップ101で効率良く実施することができる。勿論、一つの光分析チップが一組の光入力用光導波路、センサ部を含むセル、光出力用光導波路で構成されていても構わない。
更に、上記実施の形態の光分析チップ101では、セル21の光導波路13a,13bに光コネクタが接続されているため、マイクロ化学光分析システム100への組み込み時又は取外し時に、光導波路13への光源や検出器の接続及び離脱が、コネクタ接続により容易にでき、面倒な位置合わせ作業が不要になるため、システムの組立性や分析作業性を向上させることができる。
更に、上記実施の形態の光分析チップ101では、センサ部17は特定の抗体を固定して形成されているため、抗体に対する免疫反応を光ファイバ19を介して直接検出でき、免疫反応の有無を容易に検出することができる。
また、上記実施の形態に示したマイクロ化学光分析システム100によれば、光分析チップ101に光源123と、検出器131と、解析手段151とを接続する構成で、光分析チップ101が部品コストの高いレンズを使用しておらず、光分析チップ101自体のコストを安価に抑えることができるため、システムの製造コストを低減することができる。
また、レンズを使用しないマイクロ化学用光分析チップ101を使用したことで、現場等でシステムの組み立て時に、手間のかかるレンズと光源123との間の位置合わせ作業等が不要で、優れた組立性が得られ、光分析作業の作業効率を向上させることができる。また、光分析チップ101としてセンサ部17が並列装備された構成のものが採用されているため、小型かつ単純な構成でありながら、複数の分析処理を効率よく実施できる。また、抗原の分析に供するサンプル量は10μl程度の微量で済み、そのため、分析時間も僅かで済む。
更に上記実施の形態の具体的な実施例を、以下に示す。
図6(a)に示すように光分析チップ101内のセンサ部17を形成する石英製光ファイバコア表面に一次抗体33を固定化させるため、予め光ファイバコア表面を2%シランカップリング剤及び、2%グルタルアルデヒドで処理し、抗体の一種であるモノクローナル抗体(Anti-mouse lgG )溶液(100μg/ml )を500μlずつ各セル21に分注し、室温で30分静置した。その後、抗原の非特異的な吸着を防ぐため、各セル21から抗体溶液を取り除き、リン酸緩衝液(PBS)で洗浄し、ブロッキング溶液(2%W/V BSA(Bovine Serum Albumin )PBS(Phosphate Buffer Solution ))を500μl入れて室温で1時間静置した。界面活性剤(Tween20 )0.05%V/Vを含むPBSで2回洗浄を行った。洗浄後、抗原抗体反応をさせるために、10μg/ml の抗原(mouse lgG )溶液を500μlずつセル21に分注し、室温で30分静置した。PBSで2回洗浄を行った。
その時の測定結果は、図7に示す。
図7に、波長と吸光度の関係を示す。抗体を含む液体を導入すると抗体を構成するタンパク質に起因する波長280nmの吸収が確認され、更に、抗原を導入した時には、波長280nmの吸収量が増大した。
これにより、抗原抗体反応の発生を検出することができた。
なお、センサ部17の具体的な構成は、上記実施の形態に限らない。
図8は本発明に係る光分析チップの第2の実施の形態のセンサ部の縦断面図、図9は図8のE−E断面図である。
この第2の実施の形態に示した光分析チップ101Bは、第1の実施の形態の光分析チップの一部を改良したもので、セル21B内のセンサ部17Bを光ファイバカプラ45で構成している。
本実施の形態の場合、セル21Bは、図8及び図9に示すように、高さ寸法がD、幅寸法がFの矩形断面の流路となっており、D及びFは、いずれも0.5mm程度に設定される。また、チップ本体11Bの厚さ寸法tは2mmであるが、セル21Bより上方の寸法をt1、セル21Bを含めた下側の寸法をt2とすると、本実施の形態の場合は、t1=t2=1mmに設定している。
また、光ファイバカプラ45は、例えば、クラッド径が125μm、コア径が10μmの2本の光ファイバの中間部分を加熱融着延伸して一体化したものが使用される。
本実施の形態の場合は、図9に示すように、入力側の光導波路13aを構成している一方の光ファイバ19Bに入射された光47の一部が、一体化した部分近傍(カップリング部)で他方の光ファイバ19Bに伝搬し、検出側では、2本の光ファイバ19Bから、光が出力される。ここで、一方の光ファイバをそのまま透過する光量と、カップリング部にて一方の光ファイバから他方の光ファイバへ伝搬される光量の比率は、カップリング部の周囲の屈折率の変化や吸収率に応じて変化する。また、カップリング部の周囲の屈折率は、予めカップリング部周囲に固定化した抗体や、抗体と結合する抗原の量に応じて変化する。即ち検出側の2本の光ファイバ19Bから出力される光量の比率を測定することで、抗体と結合した抗原の量を測定することが可能となる。
以下、本実施の形態の光カプラセンサによる測定結果を説明する。なお光カプラの透過スペクトルカーブの周期は短いほどセンサ感度が向上するため、本カプラは、通常光通信用途に用いられるような1.48/1.55 μm帯用光カプラよりも更に延伸長を長くして作成し、ピーク周期は空気中で約70 nmとなるようにした。融着延伸部における光ファイバの最細部の短径は9 μmである。図10に示すように、この光カプラをポリプロピレン製管内に固定し、ペリスタックポンプにより試験溶液を速度2 ml/minでフローセルに流す。波長可変レーザー(LD)波長は分岐比が3 dBとなる波長に設定する。LDは100 kHzの矩形波で変調され、受光器(PD)の出力信号をロックイン増幅器で検出する(データサンプリング時間:1 sec)。続いて試験溶液を同じく2 ml/minで流し、抗原抗体反応に伴う出力強度の変化を記録した。
抗原抗体反応には、アビジンとビオチンを用いた。先ず光カプラ部分のガラスファイバ表面をアミノシラン処理した後、アミノ基と結合するNHS基により修飾されたビオチン(Sulfo-NHS-LC-Biotin)濃度2 mM中に90分間浸漬し、ガラスファイバ表面に抗体ビオチンを固定した。このビオチンを固定した光ファイバカプラを、PBSバッファ液中に浸漬し、分岐比3 dBとなる波長にLD波長を設定し、その時の出力を基準値とする。続いて、アナライトとしてビオチンに特異的に結合するアビジン(Streptavidin)を注入し、出力強度の変化を記録した結果が図11である。アビジンの濃度は、PBSバッファ液0.5, 1, 2 mg/mlの3水準である。アビジン−ビオチンの相互作用が検出され、センサ出力は、アビジン濃度にほぼ比例する結果を得た。アビジン注入後60分経過後、試験溶液をPBSバッファ液に置換したところ、顕著な出力強度の変化は確認されず、センサ出力はアビジン吸着によるものと判断した。
なお、セル21Bに、試料41をセル21Bに注入する注入口23や、排出する排出口25が装備される点は、第1の実施の形態の場合と同様である。
本実施の形態では、センサ部17Bは、入力側及び出力側の光導波路を構成する光ファイバ相互を、光ファイバカプラ45により接続することで簡単に形成できる。そして、センサ部17Bの光ファイバを光ファイバカプラ45で構成した場合には、センサ部17Bの並列化が容易にでき、光分析チップ101Bを大型化せずに、センサ部17Bを並列装備して、同時に複数の分析処理が可能な高性能な光分析チップ101Bを比較的安価に得ることができる。
本発明に係るマイクロ化学光分析システムの実施の形態の概略構成図である。 図1のマイクロ化学光分析システムに搭載される光分析チップの概略構成を示す外観斜視図である。 図2に示したA−A線による縦断面図である。 図3のB−B断面図である。 図3の縦断面図において、センサ部への試料と光の出入りを示すブロック図である。 抗原抗体反応を説明する図である。 抗体検査を実施したときの分析結果の説明図である。 本発明に係る光分析チップの第2の実施の形態の縦断面図である。 図8のE−E断面図である。 第2の実施の形態に係るマイクロ化学光分析システムの概略構成を示す図である。 第2の実施形態に係る光分析チップによる分析結果の説明図である。
符号の説明
11,11B チップ本体
13 光導波路
13a 入力側の光導波路
13b 出力側の光導波路
17,17B センサ部
19,19B 光ファイバ
21,21B セル
23 注入口
25 排出口
33 一次抗体
35 抗原
38 一次抗体を含む液体
39 出力光
45 光ファイバカプラ
100 マイクロ化学光分析システム
101,101B 光分析チップ
103,104 試薬配管
106 入力側光ファイバ
108 出力側光ファイバ
111 試料導入手段
121 スプリッタ
123 光源
131 検出器
141 制御基板
151 解析手段

Claims (7)

  1. 試料を分析するマイクロ化学分析に用いる光分析チップであって、
    前記試料が導入されるセルと、
    光導波路の一部に形成され前記セルの内部に配置されたセンサ部と、
    前記センサ部が形成された前記光導波路と一端が光学的に結合され、前記セルの外部に延在する光入力用光導波路と、
    前記センサ部が形成された前記光導波路と一端が光学的に結合され、前記セルの外部に延在する光出力用光導波路と、
    を備えることを特徴とするマイクロ化学用光分析チップ。
  2. 前記センサ部が光ファイバカプラからなることを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学用光分析チップ。
  3. 前記センサ部が光ファイバのコアの一部を露出させたものからなることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ化学用光分析チップ。
  4. 略一直線状に配置された、一組の前記光入力用光導波路、前記センサ部を備える前記セル及び前記光出力用光導波路が、同一基板上に複数並列に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップ。
  5. 前記センサ部の表面に特定の抗体が固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップ。
  6. 前記光入力用光導波路および前記光出力用光導波路のそれぞれの他端に、光ファイバと結合可能な光コネクタ部を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップ。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロ化学用光分析チップと、前記光入力用光導波路に光を入力する光源と、前記光出力用光導波路から出力される光を検出する検出器と、前記検出器の検出結果を分析する解析手段とを備えることを特徴とするマイクロ化学光分析システム。
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