JP2009019151A - 伝熱プリプレグ及びその製造方法とこれを用いた伝熱プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のプリント配線板の場合、プリント配線板の熱伝導率を高めようとすると、折り曲げると割れやすくなると言った柔軟性が低下しやすく、柔軟性を高めようとすると熱伝導率を高めることが困難になるという課題があった。
【解決手段】プリント配線板の製造に用いるプリプレグとして、ガラス繊維の代わりにフィルム12を用い、この一面以上に伝熱性の優れたコンポジット層13を形成することで、その熱伝導性を高めても割れにくい伝熱プリント配線板24を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】プリント配線板の製造に用いるプリプレグとして、ガラス繊維の代わりにフィルム12を用い、この一面以上に伝熱性の優れたコンポジット層13を形成することで、その熱伝導性を高めても割れにくい伝熱プリント配線板24を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、放熱が要求されるパワー系半導体、及び高機能半導体等の各種電子部品を高密度化に実装する際に用いられる伝熱プリプレグ及びその製造方法とこれを用いた伝熱プリント配線板に関するものである。
従来、電子部品実装用のプリント配線板としては、ガラスエポキシ樹脂からなるプリプレグと銅箔とからなる部材を、複数枚積層、一体化し、硬化したものが用いられている。更に機器の小型化、高性能化に伴い、電子部品の発熱が課題となることも多く、放熱性(あるいは伝熱性)を有するプリント配線板が求められる。次に伝熱プリント配線板について説明する。
例えば熱伝導性を高めた結晶性エポキシ樹脂を用いて、熱伝導性を高めるものが提案されている。図8を用いてその一例を説明する。すなわち図8(A)(B)は、共にメソゲン基を有する結晶性ポリマーを、磁場を用いて配向させ、熱伝導率を高くしようとする様子を説明する断面図である(例えば特許文献1参照)。
図8(A)(B)において、複数個の磁石1(例えば磁場発生手段としての永久磁石)の間には、矢印2で示した磁力線が発生している。そしてこの矢印2で示した磁力線の間に、金型3の中にセットした樹脂4(例えば硬化する前の液体状態の結晶性エポキシ樹脂)を置き、この磁場の中で樹脂4を熱硬化させる。図8(A)は樹脂4に対して垂直な方向に磁場をかける様子を、図8(B)は平行な方向の磁場をかける様子を示す。
しかし元々磁化されにくい結晶性エポキシを配向させるためには、磁束密度5〜10テラスの高磁場中で、温度150〜170℃に加熱した金型3の内部で、10分〜1時間硬化させる等の特殊な処理が必要になる。またこうして形成した結晶性エポキシ樹脂は、熱伝導性や物理強度(例えば曲げ強度)に異方性を有している可能性がある。その結果、こうした結晶性エポキシ樹脂を用いて作製したプリプレグやプリント配線板は、方向依存性(あるいは異方性)を有してしまうため、柔軟性が低下する(例えば耐折り曲げ性が低下する、あるいは曲げると割れやすい)という課題が発生しやすい。
一方、従来からプリプレグの熱伝導率を高めるために、無機質充填材を高密度に添加することが提案されていた。しかし無機質充填材を高密度に添加したシート状のプリプレグは、硬くて曲がりにくく、捲回しただけで割れることもある。また、熱伝導率の低いガラス繊維に対する無機質充填材の量を増やすことためにはガラス織布を薄くする必要があり、強度が低下する。
そしてこのように硬くて曲がりにくいプリプレグを積層、硬化してなるプリント配線板自体も、曲げると折れやすくなる。そのため、こうしたプリント配線板に電子部品を機械実装する際あるいは実装後のプリント配線板の機器への装着時に、課題が発生する可能性がある。
こうした課題に対して、熱伝導性と取り扱い性(例えば、プリプレグシートの作業性、耐折り曲げ性)の両方を改善しようとする提案がなされていた。
図9は、折り曲げ性を改善した従来の伝熱プリプレグの一例を示す断面図であり、例えば特許文献2で提案されたものである。図9において、従来の伝熱プリプレグ5は、ガラス繊維6、熱硬化性樹脂層(内層部分)7、無機質充填材添加熱硬化性樹脂層(外層部分)8から構成されている。ここで無機質は、外層部分を構成する無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8の熱伝導率を高めるために添加したものである。そして図9に示すように、無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8は、従来の伝熱プリプレグ5の外層部分を構成し、ガラス繊維6を覆う部分(いわゆる内層部分)は、無機質充填材を含まない熱硬化性樹脂層7とする。無機質充填材が含浸しないガラス繊維6の層が存在することによって、ガラス繊維6の剛性が増加することなく(あるいはガラス繊維6の柔軟性を保つことで)、シート状の従来の伝熱プリプレグ5の折り曲げ性(あるいは柔軟性)を高めるものである。
しかし図9に示した構成では、従来のプリプレグ5の厚み方向での熱伝導性が阻害されてしまう可能性がある。これはガラス繊維6や熱硬化性樹脂層7の熱伝導率が、外層部分の無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8に比べて、熱伝導率が低いためである。
特開2004−225054号公報
特開平3−17134号公報
このように従来のプリント配線板の場合、プリント配線板の熱伝導率を高めようとすると、折り曲げると割れやすくなると言った柔軟性が低下しやすく、柔軟性を高めようとすると熱伝導率を高めることが困難になるという課題があった。
そこで本発明は、プリプレグを構成するガラス織布に着目し、プリント配線板の熱伝導率を高めながらも、その柔軟性を保てるプリプレグを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグであって、この伝熱プリプレグは、フィルムと、その一面以上を覆うコンポジット層とからなり、前記コンポジット層は、半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーとからなる伝熱プリプレグとするものである。
本発明の伝熱プリプレグ及びその製造方法とこれを用いた伝熱プリント配線板によれば、ガラス織布を用いないため、ガラス織布に起因する熱伝導の低下を防止できる。更にガラス織布の代わりにフィルム(更には、熱伝導性を高めるために無機フィラーを添加したフィルム)を用いることで、その熱伝導率を高めることができる。
またフィルムを中心部分(いわゆるコア部分)とすることで、フィルムを挟むように形成するの寸法安定性、均一な膜厚の確保を可能にできる。その結果、伝熱プリプレグの薄層化が可能となる。
そして本発明の伝熱プリプレグを用いて作製した伝熱プリント配線板を用いることで、半導体の温度が低減し、熱対策が容易になる。また、電子部品等を高密度実装することができ、液晶テレビやプラズマTV、各種電子機器の小型化、高性能化が可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における伝熱プリプレグについて説明する。
以下、本発明の実施の形態1における伝熱プリプレグについて説明する。
図1(A)(B)は、共に実施の形態1における伝熱プリプレグの断面図である。
まず図1(A)を用いて説明する。図1(A)は、実施の形態1における伝熱プリプレグの断面図である。図1(A)において、11は伝熱プリプレグ、12はフィルム、13はコンポジット層、14は孔である。なおフィルム12は、樹脂フィルム(無機フィラーを分散したもの、あるいは液晶ポリマー、ポリイミド等、耐熱性のあるものを使うことが望ましい。またフィルム12として、エポキシ樹脂(結晶性エポキシ樹脂)を用いることができる。なおエポキシ樹脂のようにフィルム化が難しい場合、例えばキャスティング法(あるいは押し出し法)等を選ぶことでフィルム化できる。
図1(A)(B)に示すように、伝熱プリプレグ11は、その中央部にフィルム12を形成し、その一面以上をコンポジット層13で覆うことになる。
図1(B)は、フィルム12に孔14を形成した場合について説明する断面図である。図1(B)に示すように、フィルム12に孔14を形成することで、伝熱プリプレグ11の厚み方向での伝熱性を高められる。
なお図1(A)(B)において、フィルム12の両面に形成したコンポジット層13を、第1、第2のコンポジット層13とした場合、第1と第2のコンポジット層の厚み差は、50ミクロン以下(望ましくは30ミクロン以下、更には20ミクロン以下)もしくは±20%以下が望ましい。厚み差が50ミクロンを超えると、あるいは±20%(±20%とは、第1もしくは第2のコンポジット層の平均厚みに対して±20%の意味である)を越えると、積層時に厚み差に起因する反りやうねりが発生する場合がある。
なお第1、第2のコンポジット層共に、その厚みバラツキは10%以下、あるいは10ミクロン以下が望ましい。厚みバラツキ(なおバラツキは3σ/平均値で定義する。ここでσは偏差値である)が10%を超えた場合、あるいは10ミクロンを超えた場合、厚みバラツキに起因する反りや凹凸(あるいはうねり)が発生する可能性がある。
次に、図2〜図4を用いて、伝熱プリプレグ11の製造方法の一例について説明する。
図2(A)(B)は、それぞれ伝熱プリプレグ11の断面図と矢印15における断面図である。
なお必要に応じて、フィルム12に孔14を形成しても良い。またフィルム12の表面粗さを粗くしても良い。この場合、表面粗さはRaで0.1ミクロン以上10ミクロン以下が望ましい。Raが0.1ミクロン未満の場合、アンカー効果(楔効果)が得られない場合がある。またRaが10ミクロンを超えるとフィルム12の強度に影響を与える場合がある。
なおフィルム12に、孔14を形成する場合、孔14は、直径1ミクロン以上500ミクロン以下が望ましい。直径1ミクロン未満の孔14の場合、その中にコンポジット層13を充填することが難しい。また直径が500ミクロンを越えた場合、フィルム12の強度に影響を与える場合がある。
なおフィルム12の厚みに応じて、孔14の直径を最適化しても良い。この場合、孔14の直径は、フィルム12の厚みの0.5倍以上10倍以下が望ましい。孔14の直径がフィルム12の厚みの0.5倍未満の場合、孔14の中にコンポジット材17を充填することが難しい。また直径が、フィルム厚みの10倍を超えた場合、フィルム12の強度に影響を与えたり、寸法安定性に影響を与える場合がある。
図2(B)は、図2(A)の矢印15における断面図であり、図2(A)のフィルム12の上面図に相当する。図2(B)に示すように、フィルム12に、孔14を複数個形成しても良い。なお孔14の形成密度は、フィルム12の強度に影響を与えない範囲が望ましい。具体的には、孔14を形成する前の状態の引張り強度を100とした場合、孔14を開けた場合、引張り強度で50以上が得られる範囲が望ましい。これより引張り強度が低下した場合、寸法安定性が低下する可能性がある。
図3(A)(B)は、それぞれフィルム12の一面以上にコンポジット層13を形成した様子を説明する断面図である。図3(A)に示すように、孔14の内部にコンポジット層13を充填することで、伝熱プリプレグ11の厚み方向での熱伝導率を高めることができる。
図3(B)は、図3(A)の、矢印15における断面図に相当する。図3(B)より、フィルム12に形成した孔14の内部に、コンポジット層13が充填されていることが判る。
次に図4を用いて、フィルム12の一面以上にコンポジット層13を形成する様子を説明する。
図4は、フィルム12の一面以上にコンポジット層13を形成する様子を説明する断面図である。図4において、16は設備、17はコンポジット材、18は槽である。
図4において、設備16は、伝熱プリプレグ11の製造設備の一部(例えば、ロール等の回転部分)を模式的に示すものである。
槽18の中には、コンポジット材17を、所定の溶剤(例えばメチルエチルケトン、シクロペンタノン等)に溶解した状態でセットしている。
まずフィルム12として、厚み70ミクロンの液晶ポリマー(無機フィラー20体積%入り)を用意した。そして図4に示すように、このフィルム12を、設備16にセットし、矢印15aに示す方向に送り、槽18にセットしたコンポジット材17を含浸させる。そして設備16を、矢印15bに回しながら、フィルム12の一面以上にコンポジット材17を塗布等によって形成し、最後に図1に示した伝熱プリプレグ11を作製する。
次にコンポジット層13の形成方法について説明する。まず図4の槽18に、コンポジット材17をセットする。そして図2等に示したフィルム12の一面以上にコンポジット材17を塗布、形成する。その後、加熱等によりコンポジット材17から溶剤成分等を除去し、半硬化状態(本硬化前の状態、いわゆるBステージ状態)とする。なお伝熱プリプレグ11の製造方法としては、図4に示したようなディップ式の塗工装置以外に、ダイコータ、コンマコータ、リバースコータ、キスコータ等の各種市販のコータ(塗工装置)を用いることができる。
次に、コンポジット材17について説明する。コンポジット材17は、伝熱プリプレグ11が硬化後に熱伝導率が0.5W/(m・K)以上、20W/(m・K)以下となる材料を選ぶことが望ましい。硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)未満の場合、熱伝導の効果が得られにくい場合がある。また熱伝導率が20W/(m・K)を越える材料は、高価であり、取り扱いが難しい場合がある。
ここで硬化後に0.5W/(m・K)以上、20W/(m・K)以下を実現するには、少なくともコンポジット材17として、樹脂とこの樹脂中に分散した無機フィラーとから構成することが望ましい。
そしてこの樹脂としてはエポキシ樹脂を、無機フィラーとしてはアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩から選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーとすることができる。
更には、樹脂をエポキシ樹脂とゴム樹脂の混合物、あるいはエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の混合物とすることもできる。なおエポキシ樹脂等を硬化させるための硬化剤等を必要に応じて添加することは言うまでもない。
なおこれら樹脂を半硬化状態の樹脂(つまり半硬化樹脂)とすることで、伝熱プリプレグ11の表面に形成したコンポジット層13となる。なお伝熱プリプレグ11を構成するコンポジット層13を構成する樹脂体は、半硬化状態とすることが望ましい。これは複数枚の伝熱プリプレグ11を積層、硬化し、一体化するためである。
次に、図5〜図6を用いて、伝熱プリント配線板の製造方法の一例について説明する。
図5(A)(B)は、共に伝熱プリプレグ11の表面に銅箔を固定(あるいは一体化)する方法の一例を説明する断面図である。図5(A)(B)において、19はプレス、20は銅箔、21は積層体である。
まず図5(A)に示すように、コンポジット層13を表面に形成した伝熱プリプレグ11の一面以上に銅箔20をセットする。そして、プレス19を、矢印15に示すように動かし、伝熱プリプレグ11の一面以上に銅箔20を貼り付ける。なお図5(A)(B)において、プレス19にセットする金型等は図示していない。そしてこれらを所定温度で加圧一体化する。その後、図5(B)に示すようにプレス19を矢印15の方向に引き離す。こうして銅箔20を伝熱プリプレグ11の一面以上に固定し、積層体21とする。このようにして接着剤等を用いずに銅箔20を伝熱プリプレグ11の上に固定することで、出来上がった積層体21の高伝熱化を実現する。
次に積層体21の一面以上に固定した銅箔20を所定形状にパターニングする。なおパターニングの工程(フォトレジストの塗布、露光、現像、銅箔20のエッチング、フォトレジストの除去工程等)は図示していない(省略している)。
次に図6(A)〜(C)を用いて、積層体21を積層し、4層の伝熱プリント配線板を作製する様子を説明する。
図6(A)〜(C)は、共に多層(例えば4層)プリント配線板を作製する様子を説明する断面図である。図6(A)〜(C)において、23は銅メッキ部、24は伝熱プリント配線板である。
まず図6(A)に示すように、少なくともその一面以上に、銅箔20を所定パターン形状に加工した積層体21を用意する。そしてこの積層体21を挟むように、伝熱プリプレグ11をセットする。更に伝熱プリプレグ11の外側に、銅箔20をセットする。なお市販の銅箔20を用いる場合、その粗面側を伝熱プリプレグ11側にセットすることで、銅箔20と伝熱プリプレグ11との接着力(例えば、アンカー効果や投錨効果)を高められる。そしてこの状態でプレス装置(図示していない)を用いて、これら部材を矢印15で示すように加圧、加熱、一体化する。このプレス時に加熱することで、伝熱プリプレグ11の表面に形成した半硬化状態のコンポジット材17が軟化し、伝熱シート11上に固定した銅箔20のパターンの埋め込み(あるいはパターンによる段差の埋め込み)や、銅箔20との密着力を高める効果が得られる。また接着剤を用いることなく、銅箔20を固定する効果も得られる。こうして積層体21を作製する。
次にこの積層体21の所定位置に孔22を形成し、図6(B)の状態とする。図6(B)において、孔22はドリルやレーザ等(共に図示していない)で形成したものである。
その後、孔22の内壁等に銅メッキを行い、図6(C)の状態とする。図6(C)に示すようにして、銅メッキ部23によって、内層や表層に形成した銅箔20の間の層間接続を行う。次にソルダーレジスト(図示していない)等を形成することで、伝熱プリント配線板24となる。
なおフィルム12の厚みは、10ミクロン以上300ミクロン以下が望ましい。フィルム12の厚みが10ミクロン未満の場合、伝熱プリプレグ11(あるいは伝熱プリプレグ11を硬化してなる伝熱プリント配線板24)の機械強度(例えば引張り強度等)に影響を与える可能性がある。フィルム12の厚みが300ミクロンを越えた場合、伝熱プリプレグ11の厚みが増加してしまうため、取り扱い性(例えば、捲回しにくい等)に影響を与える場合がある。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2として、実施の形態1で説明したコンポジット材17について説明する。
次に、実施の形態2として、実施の形態1で説明したコンポジット材17について説明する。
コンポジット層13としては、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化性樹脂に、熱伝導性を高める無機フィラー、伝熱プリント配線板24の柔軟性(あるいは割れにくさ)を高めるために、ゴム樹脂等を添加したものを使うことができる。
まず、ゴム樹脂を添加する場合について説明する。ここで、ゴム樹脂としては、NBR(ニトリルゴム)等を用いることができる。
ニトリルゴム(NBR)以外にも、ゴム樹脂としては 水素化ニトリルゴム(HNBR)、ふっ素ゴム(FKM、FFKM)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ、FVMQ)、ウレタンゴム(AU、EU)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ノルボルネンゴム(NOR)、熱可塑性エラストマー(TPE)等から一つ以上を選ぶことができる。
またこれらのゴム樹脂は、微粒子状で添加しても良い。微粒子状で添加することで、少ない添加量で、機械的強度を向上させる効果が得られる。これは微粒子で添加することで、エポキシ樹脂とゴム樹脂との界面が増加するためと考えられる。なおゴム樹脂の粒径は0.1ミクロン以上10ミクロン以下(望ましくは1ミクロン以下)が望ましい。粒径が0.1ミクロン未満のゴム樹脂は特殊で高価な場合がある。また粒径が10ミクロンを超えると、伝熱プリプレグ11の薄層化に影響を与える場合がある。
次に熱可塑性樹脂を添加する場合について説明する。ゴム樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂を添加しても良い。例えばコンポジット材17として、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化性樹脂に、熱伝導性を高めるための無機フィラー、プリント配線板としての成形性を高めるために、熱可塑性樹脂を添加することができる。なお熱可塑性樹脂のTg(Tgはガラス転移温度)は130℃以下の熱可塑性樹脂を添加したものを使うことができる。また半導体の使用上限温度が125℃であるため、125℃を超える必要が無い。そのためTgを125℃以下(バラツキを考慮すると130℃以下)とすることで、それ以下の温度でプリント配線板に一定の柔軟性(あるいは丈夫さ、耐衝撃性)を与えられる。なおプリント配線板(あるいは伝熱プリプレグ11)の長期の保存性を考えた場合、熱可塑性樹脂のTgは50℃以上にすることも可能である。
なおゴム樹脂同様に熱可塑性樹脂も、微粒子状態として、エポキシ樹脂等にて添加しても良い。こうすることで、少量でも機械的強度の改善効果が得られる。またゴム樹脂、熱可塑性樹脂の併用、更には他の微粒子系の樹脂(例えば、コアシェル構造の微粒子、あるいはアクリレート系共重合体、PMMA等の微粒子)を添加しても、同様な機械的強度の改善効果が得られる。
更に熱可塑性樹脂の一種であるアクリル系樹脂を微粒子形状とし、これを効力緩和剤、複合材料強化材の用途のため添加することもできる。この場合も、その粒径は0.1ミクロン以上10ミクロン以下(望ましくは5ミクロン以下、更には1ミクロン以下)が望ましい。粒径が0.1ミクロン未満のものは、エポキシ樹脂中への分散が難しい場合がある。また粒径が10ミクロンを超えると、伝熱性や成形性に影響を与える場合がある。なおアクリル系の樹脂は、熱可塑性の樹脂である。また熱可塑性の樹脂を、微粒子状態で添加する場合、これら樹脂の添加量を減らすことができる。これは、微粒子で添加することで、主成分となるエポキシ樹脂等との界面が増加するためである。
なおこれらゴム樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはこれらの微粒子の添加による柔軟性の改善は、エポキシ樹脂の硬化後(例えば、伝熱プリント配線板24の状態)のみならず、エポキシ樹脂の半硬化状態(例えば、伝熱プリプレグ11の状態)でも発現できる。その結果、伝熱プリプレグ11の柔軟性を大幅に改善できる。
また発明者らの実験では、これらゴム樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはこれらの微粒子の添加によって、フィルム12との密着性を高めた。
なおエポキシ樹脂の内、60重量%以上100重量%以下を結晶性エポキシ樹脂とすることで、樹脂部分での熱伝導率を高めることができる。結晶性エポキシ樹脂の、エポキシ樹脂全体に占める割合が60重量%未満の場合、結晶性エポキシ樹脂の添加効果が得られない場合がある。またエポキシ樹脂全てを(あるいは100重量%を)結晶性エポキシとすることで、熱伝導を高められる。また硬化後の結晶性エポキシ樹脂は、場合によっては割れやすくなる場合があるが、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂等を添加することで、割れにくくできる。なおこれらを微粒子として添加することで、熱伝導に対する影響を抑えられる。
(化1)は、結晶性エポキシ樹脂の一例を示す構造図である。
(化1)において、結晶性エポキシ樹脂の構造図におけるXは、S(硫黄)もしくはO(酸素)、C(炭素)、なし(短結合)である。またR1、R2、R3、R4はCH3、H、t−Bu等である。またR1〜R4は同じであっても良い。
(化2)は、結晶性エポキシ樹脂の硬化に用いる硬化剤の構造図である。
(化2)の構造式においてXは、S(硫黄)、O(酸素)もしくは短結合である。(化1)の主剤と、(化2)の硬化剤を混合し、重合させたものも結晶性エポキシ樹脂と呼んでもよい。
なお主剤と硬化剤の割合は、エポキシ当量から計算する。また硬化剤として(化2)以外の硬化剤を使っても良い。なお結晶性エポキシ樹脂としては、以下の(化3)〜(化8)に示したものも使うことができる。
(化3)〜(化8)は、共に結晶性エポキシ樹脂の一例を示す構造図である。このような結晶性エポキシ樹脂は、融点が50〜121℃程度で、更に溶解粘度も低い(例えば、150℃における粘度は6〜20mPa・s)ため、無機フィラーを混合、分散させやすい効果が得られる。なおこれら結晶性エポキシ樹脂の重合度は20以下(更に10以下、望ましくは5以下)が適当である。重合度が20より大きい場合、分子が大きくなりすぎて結晶化しにくくなる場合がある。
なお結晶性エポキシ樹脂を用いた場合、ここに添加する熱可塑性樹脂にフェニル基を有したものを用いることで、その熱伝導率と機械的強度の両方を向上させることができる。次に、熱可塑性樹脂にフェニル基を有したものを添加する効果について説明する。
結晶性エポキシ樹脂(フェニル基を有するものが望ましい)に、同じフェニル基を有した熱可塑性樹脂を添加することで、結晶性エポキシの結晶性を保持しながら、その柔軟性を高めることができる。ここでフェニル基を有した熱可塑性樹脂としては、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PES(ポリエーテルスルホン)等のフェニル基を主鎖に含んだ熱可塑性樹脂を用いることができる。こうした熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂に添加しても、熱伝導性に影響を与えにくい。またこうした熱可塑性樹脂を添加することで、出来上がった伝熱プリント配線板24の強度(例えば割れにくさ)を高める効果が得られる。
次にゴム樹脂や、熱可塑性樹脂等と、エポキシ樹脂の比率について説明する。全樹脂に対して、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量は、1重量%以上10重量%以下の範囲内とすることが望ましい。ゴム樹脂や熱可塑性樹脂脂のいずれか一方だけの添加量が、全樹脂に対して1重量%未満の場合、添加効果が得られない場合がある。またゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量が、10重量%を超えると、エポキシ樹脂の割合が低下するため、出来上がった伝熱プリント配線板24の熱伝導率が影響を受ける可能性がある。
なおこれら部材を、微粒子として添加することで、添加量を減らすことができる。この場合、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量の加減を、0.5重量%以上とすることができる。0.5重量%未満の場合、微粒子として添加してもその効果が得られない場合がある。なおゴム樹脂と、熱可塑性樹脂の両方を組み合わせることも可能である。
なお無機フィラーと全樹脂(ここで全樹脂とは、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂、結晶性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、硬化剤等の合計の意味である)の比率において、無機フィラーは50〜95体積%(つまり残りの全樹脂は50〜5体積%)の範囲内が望ましい。無機フィラーの割合が50体積%未満の場合、出来上がった伝熱プリント配線板24の熱伝導率が低下する場合がある。また無機フィラーの割合が95体積%より大きくなると、プリント配線板としての積層性、孔加工性等に影響を与える場合がある。
また無機フィラーの平均粒径は、0.01μm以上50μm以下の範囲が望ましい。平均粒径が小さいほど比表面積が増えるため、放熱面積が増え、放射効率が高まるが、平均粒径が0.01μm以下になると、比表面積が大きくなり、コンポジット材17の混練が難しくなる。また50μmを超えると、フィルム12に形成した孔14への充填が難しくなる。
なお無機フィラーの充填率を増加するために、異なる粒度分布を有する複数種の無機フィラーを選び、これらを混合して使用しても良い。
次に実施の形態3として、実施の形態1〜2で作製した伝熱プリント配線板24の測定結果の一例について説明する。
(実施の形態3)
実施の形態4では、実施の形態1〜3で作製した伝熱プリント配線板24の特性等について測定した結果の一例を説明する。
実施の形態4では、実施の形態1〜3で作製した伝熱プリント配線板24の特性等について測定した結果の一例を説明する。
(実験1)
実験1として、ガラス繊維とフィルム12を用いた場合の熱伝導の関係について調べた結果を、表1、表2に示す。表1は従来の伝熱プリプレグ5として、ガラス繊維(IPC名称2116、総厚約96ミクロン、縦糸60本/インチ、横糸58本/インチ、フィラメントE225、フィラメント直径約7ミクロン、フィラメント数約200本)を選び、この上にコンポジット材17を塗布(あるいは含浸させ)し、コンポジット層13としたものである。そしてコンポジット材17の樹脂分比率(単位は体積%)を変化させて作製したサンプルの硬化後の熱伝導率の測定結果の一例である。
実験1として、ガラス繊維とフィルム12を用いた場合の熱伝導の関係について調べた結果を、表1、表2に示す。表1は従来の伝熱プリプレグ5として、ガラス繊維(IPC名称2116、総厚約96ミクロン、縦糸60本/インチ、横糸58本/インチ、フィラメントE225、フィラメント直径約7ミクロン、フィラメント数約200本)を選び、この上にコンポジット材17を塗布(あるいは含浸させ)し、コンポジット層13としたものである。そしてコンポジット材17の樹脂分比率(単位は体積%)を変化させて作製したサンプルの硬化後の熱伝導率の測定結果の一例である。
表1より、従来のガラス繊維を用いた伝熱プリプレグ5を用いた場合、コンポジット層13中の樹脂分比率を高くするほど、出来上がった(あるいは硬化後の)プリプレグの熱伝導率が高くなることが判る。
表2は、実施の形態で用いたフィルム12を用いた場合の熱伝導率の測定結果の一例である。ガラス繊維の代わりに、液晶ポリマーの中にアルミナフィラーを30体積%充填した厚み約70ミクロンのフィルム12を作製し、その表面にコンポジット層13を形成した。
表1と表2を比較すると、樹脂分比率が低い場合でも、フィルム12を用いることで、熱伝導率を高められることが判る。更に、樹脂分比率を50体積%から60体積%、70体積%、80体積%と高くすることで、熱伝導率を高くできることが判る。
なお表1に示した硬化後のサンプルの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、ガラス繊維の厚みは約70ミクロンであった。これはコンポジット材17を含浸させた後、プレスした際に、ガラス繊維の厚みが薄くなったためと考えられた。
なお表1と表2を比べると、樹脂分比率が21〜35体積%と低い領域において、表2の方が、熱伝導率が高いことが判る。これは、ガラス繊維より熱伝導率の高い材料を用いたためと考えられる。
(実験2)
実験2として、伝熱プリント配線板24の強度を測定した結果を示す。伝熱プリプレグ11を用いて伝熱プリント配線板24を作製する場合、プリント配線板として要求される一定の物理的強度(例えば、曲げに対する強度)が必要となる。
実験2として、伝熱プリント配線板24の強度を測定した結果を示す。伝熱プリプレグ11を用いて伝熱プリント配線板24を作製する場合、プリント配線板として要求される一定の物理的強度(例えば、曲げに対する強度)が必要となる。
図7は、曲げ強度の評価方法の一例を示す模式図である。図7において、25は治具である。図7において、治具25の間に伝熱プリント配線板24をセットし、矢印15で示す方向に治具25を用いて、伝熱プリント配線板24を曲げる。発明者らの実験では、表1や図8、図9等で示した従来の品(ガラス繊維を用いたもの)では1〜2mm曲げた時点で折れた(割れた)。一方、本発明の伝熱プリント配線板24(フィルム12を用いたもの)では、4〜5mm曲げても折れなかった。なお試料サイズ(伝熱プリント配線板)は、40mm×4mm×t2mmである。
以上のようにして、硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグ11であって、この伝熱プリプレグ11は、フィルム12と、その一面以上を覆うコンポジット層13からなり、前記コンポジット層13は、半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーとからなる伝熱プリプレグ11を提供することで、放熱性に優れた伝熱プリント配線板24を安価に提供できる。
なお硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグであって、この伝熱プリプレグは、フィルムと、その両面を覆う第1のコンポジット層と、第2のコンポジット層からなり、前記第1と第2のコンポジット層は、共に半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーとからなり、前記第1のコンポジット層と前記第2のコンポジット層の厚み差は50ミクロン以下もしくは±20%以下である伝熱プリプレグとすることが望ましい。このようにフィルムの両面に形成したコンポジット層(つまり第1、第2のコンポジット層13)の平均厚みの違いやそのバラツキを一定に抑えることで、積層時(あるいは積層硬化後)での反りやうねり、凹凸等の発生を防止できる。
また硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグ11であって、この伝熱プリプレグ11は、フィルム12と、その一面以上を覆うコンポジット層13とからなり、前記コンポジット層13は、半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーとからなる伝熱プリプレを提供することで、放熱性に優れた伝熱プリント配線板24を安価に提供できる。
またフィルム12は、無機フィラーを30体積%以下含むものとすることで、熱伝導プリプレグの熱伝導率を高められる。
またフィルム12は、直径1ミクロン以上500ミクロン以下の孔14を複数個形成したものとすることで、熱伝導プリプレグの熱伝導率を高められる。
なおコンポジット層13を構成するコンポジット材17は、少なくとも半硬化状態のエポキシ樹脂と、その中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩から選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーとからなる伝熱プリプレグ11とすることで、伝熱プリント配線板24の熱伝導率を高められると共に、その強度を高められる。
またエポキシ樹脂の内、60重量%以上100重量%以下は、結晶性エポキシ樹脂である伝熱プリプレグ11とすることで、伝熱プリント配線板24の熱伝導率を高められる。
結晶性エポキシ樹脂の重合度は20以下である伝熱プリプレグ11とすることで、伝熱プリント配線板24の熱伝導率を高められる。
また硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる、少なくとも樹脂と、その中に分散された無機フィラーとからなるコンポジット材17を用意する工程と、前記部材を、フィルム12の一面以上に塗布する工程と、前記部材を半硬化状態とする工程とを有する伝熱プリプレグ11の製造方法とすることで、放熱性に優れた伝熱プリント配線板24を安価に製造できる。
また硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグ11と、銅箔20とを複数枚積層し硬化してなる伝熱プリント配線板24であって、前記伝熱プリプレグ11は、フィルム12と、その一面以上を覆う、半硬化樹脂とこの樹脂中に分散した無機フィラーとからなるコンポジット層13とからなる伝熱プリント配線板24を提供することで、携帯電話、プラズマテレビ、電装品、産業用の放熱が要求される機器の小型化、高性能化を実現できる。
以上のように、本発明にかかる伝熱プリプレグ11及びその製造方法とこれを用いた伝熱プリント配線板を用いることによって、携帯電話、プラズマテレビ、あるいは電装品、あるいは産業用等の放熱が要求される機器の小型化、高性能化が可能となる。
11 伝熱プリプレグ
12 フィルム
13 コンポジット層
14 孔
15 矢印
16 設備
17 コンポジット材
18 槽
19 プレス
20 銅箔
21 積層体
22 孔
23 銅メッキ部
24 伝熱プリント配線板
25 治具
12 フィルム
13 コンポジット層
14 孔
15 矢印
16 設備
17 コンポジット材
18 槽
19 プレス
20 銅箔
21 積層体
22 孔
23 銅メッキ部
24 伝熱プリント配線板
25 治具
Claims (10)
- 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグであって、この伝熱プリプレグは、
フィルムと、その一面以上を覆うコンポジット層と、からなり、
前記コンポジット層は、半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーと、からなる伝熱プリプレグ。 - 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグであって、この伝熱プリプレグは、
フィルムと、その両面を覆う第1のコンポジット層と、第2のコンポジット層からなり、
前記第1と第2のコンポジット層は、共に半硬化樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーと、からなり、前記第1のコンポジット層と前記第2のコンポジット層の厚み差は50ミクロン以下もしくは±20%以下である伝熱プリプレグ。 - フィルムは、無機フィラーを30体積%以下含むものである請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の伝熱プリプレグ。
- フィルムは、直径1ミクロン以上500ミクロン以下の孔を複数個形成したものである請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の伝熱プリプレグ。
- コンポジット層は、少なくとも半硬化状態のエポキシ樹脂と、
その中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩から選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーと、からなる請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の伝熱プリプレグ。 - エポキシ樹脂の内、60重量%以上100重量%以下は、結晶性エポキシ樹脂である請求項4〜5のいずれか一つに記載の伝熱プリプレグ。
- 結晶性エポキシ樹脂の重合度は20以下である請求項6または7のいずれか一つに記載の伝熱プリプレグ。
- 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる、少なくとも樹脂と、その中に分散された無機フィラーとからなる部材を用意する工程と、
前記部材を、フィルムの一面以上に塗布する工程と、
前記部材を半硬化状態とする工程と、
を有する伝熱プリプレグの製造方法。 - 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる伝熱プリプレグと、
銅箔と、
を複数枚積層し硬化してなる伝熱プリント配線板であって、
前記伝熱プリプレグは、
フィルムと、その一面以上を覆う、半硬化樹脂とこの樹脂中に分散した無機フィラーとからなるコンポジット層と、からなる伝熱プリント配線板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007183976A JP2009019151A (ja) | 2007-07-13 | 2007-07-13 | 伝熱プリプレグ及びその製造方法とこれを用いた伝熱プリント配線板 |
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JP2019155666A (ja) * | 2018-03-09 | 2019-09-19 | Tdk株式会社 | 樹脂基板 |
-
2007
- 2007-07-13 JP JP2007183976A patent/JP2009019151A/ja active Pending
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JP7124355B2 (ja) | 2018-03-09 | 2022-08-24 | Tdk株式会社 | 樹脂基板 |
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