JP2009017009A - 音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドホンにおける聴取時に発生する仮想立体音響効果を付加しない音と仮想立体音響効果を付加した音との切り替えの違和感を低減することができる音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の音響効果切替装置100は、仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音へ切り替えるときに、クロスフェード処理を行って、両者の割合を所定時間かけて徐々に変化させることによって、頭内定位から頭外定位へ切り替わるときの違和感を低減することができる。また、切り替え前後において、同じオーディオ信号を用いることができるから、聴取が中断されることがない。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の音響効果切替装置100は、仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音へ切り替えるときに、クロスフェード処理を行って、両者の割合を所定時間かけて徐々に変化させることによって、頭内定位から頭外定位へ切り替わるときの違和感を低減することができる。また、切り替え前後において、同じオーディオ信号を用いることができるから、聴取が中断されることがない。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヘッドホン聴取時において、仮想立体音響効果付加切替時の違和感を低減する技術に関する。
一般的に、ヘッドホンで音を聴く場合には、スピーカ出力を聴く場合とは異なり、音像が頭の中にこもるような聴感(以下、頭内定位という)となり、正しい音像定位を損ない、また長時間のヘッドホン聴取時の聴き疲れの原因にもなっている。この現象を解消するため、ヘッドホン聴取時であってもスピーカ出力を聞いているような頭の外から立体的に音が聞こえるような聴感(以下、頭外定位という)を得るシステムが開発されている。
例えば、スピーカ再生時のスピーカから耳までの伝達関数を測定し、当該伝達関数を入力されたオーディオ信号に畳み込むことによって実現するシステムがある。この伝達関数は、頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Function)と、測定した部屋の空間伝達関数を含むものである。
このように、ヘッドホンにおいて仮想立体音響効果を付加することにより、頭外定位を得ることが可能になったが、一般的な聴取者はヘッドホン利用時には頭内定位になる状況に慣れてしまっているため、頭内定位となる仮想立体音響効果を付加しない音と頭外定位となる仮想立体音響効果を付加した音を切りかえて聴取した場合に、距離感や頭外定位再現効果を認知できない場合がある。このように認知できないと、聴取者は、単に距離感を音圧レベルが下がったと感じたり、頭外定位のための周波数変化が周波数特性の悪化と感じたりしてしまうため、音質の劣化として認知してしまうことになる。そのため、事前に記憶してある頭外定位をしやすい音を一時的に聞かせることによって頭外定位の効果を得るようにし、その後に仮想立体音響効果を付加した音を聴かせる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開平9−65498号公報
しかし、特許文献1のような技術を用いて、仮想立体音響効果を付加しない音と仮想立体音響効果を付加した音とを切り替えて聴こうとしても、その切り替えの間には事前に記憶された全く無関係の音を聴かなくてはならず、聴取中の音が途切れてしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドホンにおける聴取時に発生する仮想立体音響効果を付加しない音と仮想立体音響効果を付加した音との切り替えの違和感を低減することができる音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、ヘッドホンにオーディオ信号を供給する音響効果切替装置において、外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理手段と、前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅手段と、前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段によって増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算手段と、外部から入力される切替信号を検知する検知手段と、前記検知手段が切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御手段とを具備することを特徴とする音響効果切替装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記外部から入力された第1のオーディオ信号に対して、予め設定された時間の遅延処理を行う遅延手段をさらに具備し、前記第1の増幅手段は、前記遅延手段によって遅延処理された第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅してもよい。
また、別の好ましい態様において、前記増幅率制御手段は、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて、前記第1の増幅率または前記第2の増幅率のいずれか一方が単純増加し、他方が単純減少するように変化させてもよい。
また、別の好ましい態様において、前記増幅率制御手段は、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との合計値が変化しないように変化させてもよい。
また、別の好ましい態様において、前記外部から供給される第1のオーディオ信号は、マルチチャンネルのオーディオ信号であり、前記演算処理手段は、前記第1のオーディオ信号の各チャンネルに仮想立体音響効果を付加する演算を行ってマルチチャンネルの第2のオーディオ信号を生成し、前記第1の増幅手段は、前記第1のオーディオ信号の各チャンネルに対して、当該チャンネルごとに設定された第1の増幅率で増幅処理を行い、前記第2の増幅手段は、前記第2のオーディオ信号の各チャンネルに対して、当該チャンネルごとに設定された第2の増幅率で増幅処理を行い、前記加算手段は、前記第1の増幅手段によって増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって増幅された第2のオーディオ信号とをチャンネルごとに加算して出力し、前記増幅率制御手段は、前記検知手段が切替信号を検知した場合に、チャンネルごとに前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御してもよい。
また、別の好ましい態様において、前記演算処理手段によって生成された第2のオーディオ信号を所定の増幅率で増幅する補正増幅手段をさらに具備し、前記第2の増幅手段は、前記補正増幅手段で増幅された第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅してもよい。
また、本発明は、ヘッドホンにオーディオ信号を供給する音響効果切替装置に用いる信号処理方法であって、外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理過程と、前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅過程と、前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅過程と、前記第1の増幅過程において増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅過程において増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算過程と、外部から入力される切替信号を検知する検知過程と、前記検知過程において切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅過程によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅過程によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御過程とを備えることを特徴とする信号処理方法を提供する。
また、別の好ましい態様において、ヘッドホンにオーディオ信号を供給するコンピュータに、外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理機能と、前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅機能と、前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅機能と、前記第1の増幅機能において増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅機能において増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算機能と、外部から入力される切替信号を検知する検知機能と、前記検知機能において切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅機能によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅機能によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、ヘッドホンにおける聴取時に発生する仮想立体音響効果を付加しない音と仮想立体音響効果を付加した音との切り替えの違和感を低減することができる音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<実施形態>
本実施形態に係る音響効果切替装置100は、入力されたオーディオ信号Sinに仮想立体音響効果を付加したオーディオ信号Soutをヘッドホンに出力する機能を有し、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音を所望のタイミングで切り替えることができる。以下、音響効果切替装置100の構成および操作部4について図1を用いて説明する。
本実施形態に係る音響効果切替装置100は、入力されたオーディオ信号Sinに仮想立体音響効果を付加したオーディオ信号Soutをヘッドホンに出力する機能を有し、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音を所望のタイミングで切り替えることができる。以下、音響効果切替装置100の構成および操作部4について図1を用いて説明する。
音響効果切替装置100は、演算処理部1、切替部2および制御部3を有し、操作部4が外部に接続されている。演算処理部1は、スピーカ再生時の伝達関数(インパルス応答)を入力されるオーディオ信号Sinに畳み込んで出力する機能を有する。この畳み込みは時間領域での畳み込みであってもよいし、周波数領域での畳み込みであってもよい。周波数領域での畳み込みを行う場合には、FFT(Fast Fourier Transform)、逆FFTを用いる必要があるが、伝達関数情報を多く畳み込むことが可能であり、高品位の仮想立体音響効果を与えることができる。本実施形態においては、入力されるオーディオ信号Sinは、Lch、Rchの2チャンネルを有する。
演算処理部1の構成について、図2を用いて説明する。演算処理部1は、入力されたオーディオ信号SinのLchについて、Lch左耳係数演算回路11、Lch右耳係数演算回路12に入力する。一方、Rchについては、Rch左耳係数演算回路13、Rch右耳係数演算回路14に入力する。
Lch左耳係数演算回路11は、入力されたオーディオ信号SinのLchに対して、Lch左耳係数を畳み込む演算回路であって、演算処理を行った信号を出力する。Lch左耳係数とは、Lchのスピーカから出力されるインパルスをダミーヘッド、もしくは被測定者の左耳に設置したマイクで取得したインパルス応答を示す伝達関数である。
Lch右耳係数演算回路12は、入力されたオーディオ信号SinのLchに対して、Lch右耳係数を畳み込む演算回路であって、演算処理を行った信号を出力する。Lch右耳係数とは、Lchのスピーカから出力されるインパルスをダミーヘッド、もしくは被測定者の右耳に設置したマイクで取得したインパルス応答を示す伝達関数である。
Rch左耳係数演算回路13、Rch右耳係数演算回路14についても、上記Lch左耳係数演算回路11、Lch右耳係数演算回路12のLchがRchとなっただけであり、それぞれ、オーディオ信号SinのRchに対して、Rch左耳係数、Rch右耳係数を畳み込む演算回路であって、演算処理を行った信号を出力する。Rch左耳係数、Rch右耳係数についても上記同様、Rchのスピーカから出力されるインパルスをダミーヘッド、もしくは被測定者の左耳、右耳に設置したマイクで取得したインパルス応答を示す伝達関数である。
加算器15は、Lch左耳係数演算回路11から出力される信号とRch左耳係数演算回路13から出力される信号とを加算して新たなオーディオ信号のLchとして生成する。一方、加算器16は、Lch右耳係数演算回路12から出力される信号とRch右耳係数演算回路14から出力される信号とを加算して新たなオーディオ信号のRchとして生成する。そして、Lch、Rchを有する新たに生成したオーディオ信号をオーディオ信号Shとして、後述する切替部2の増幅回路21に出力する。
図1に戻って説明を続ける。切替部2は、増幅回路21、22、加算器23を有する。増幅回路21、22は、後述する制御部3に制御され、増幅率が設定される。増幅回路21は、演算処理部1から出力されたオーディオ信号ShのLch、Rchに対して、設定された増幅率で増幅処理を行う。増幅回路22は、入力されたオーディオ信号SinのLch、Rchに対して、設定された増幅率で増幅処理を行う。なお、本実施形態においては、増幅回路21、22に設定される増幅率は、Lch、Rchともに同じ増幅率として設定されている。
加算器23は、増幅回路21において増幅されたオーディオ信号Shと増幅回路22において増幅されたオーディオ信号Sinとをチャンネルごとに加算し、Lch、Rchを有するオーディオ信号Soutとして出力する。本実施形態においては、増幅回路21、22は、後述するように制御部3から出力される制御信号G1、G2に基づいて増幅率が設定されるから、切替部2は、オーディオ信号Sinとオーディオ信号Shとのクロスフェードを行って、出力する信号を切り替えるように動作する。
操作部4は、利用者が仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音を切り替えたいときに、利用者によって操作されることによって、制御部3に当該操作が行われたことを示す切替信号を出力する。本実施形態においては、切替信号はステップ関数で表される信号であって、仮想立体音響効果を付加した音を用いる場合には、“1”を示す信号、付加しない音を用いる場合には“0”を示す信号であるものとする。
制御部3は、上述のように、切替部2の増幅回路21、22を制御して、増幅率を設定する機能を有している。本実施形態においては、制御部3は、図3に示すような構成である。以下、制御部3の構成について、図3を用いて説明し、増幅回路21、22を制御するための制御信号について図4、図5を用いて説明する。
制御部3は、遅延器31−1、31−2、増幅器32−1、32−2、32−3、加算器34から構成される一次のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、オーバーフローリミッタ35、加算器36を有する。遅延器31−1、31−2は、入力された信号を所定時間遅延させる機能を有している。操作部4から出力される切替信号は、遅延器31−1および増幅器32−1に入力される。増幅器32−1、32−2、32−3は、入力された信号に対して、それぞれ増幅率a0、a1、b1の増幅処理を行う。加算器34は、各増幅器32−1、32−2、32−3から出力された信号を加算し、遅延器31−2に出力するとともに、オーバーフローリミッタ35に出力する。IIRフィルタの係数は、予め設定されている切替時間に応じて設定される。切替時間の説明は後述する。
オーバーフローリミッタ35は、IIRフィルタからの出力された信号の出力レベルがIIRフィルタに設定される係数によっては、オーバーシュートして0以下になったり、1以上になったりする場合もあるため、この影響を防止するために設けられたリミッタである。具体的には、IIRフィルタから出力された信号の出力レベルが、1を超えた場合には1に固定して出力し、0を下回った場合には0に固定して出力する。このようにして出力した信号を制御信号G1といい、切替部2の増幅回路21に出力するとともに、加算器36へ出力する。そして、増幅回路21は、入力される制御信号G1の出力レベルに対応した増幅率が設定される。
加算器36は、“1”を示す信号と制御信号G1を反転した信号とを加算して制御信号G2として切替部2の増幅回路22に出力する。すなわち、本実施形態においては、制御信号G1と制御信号G2を加算すると“1”になるようになっている。そして、増幅回路22は、制御信号G2の出力レベルに対応した増幅率が設定される。
次に、制御部3に入力される切替信号と、出力される制御信号G1、G2との関係について図4、図5を用いて説明する。図4は、利用者が操作部4を操作して、仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音に切り替える指示を出した場合の切替信号と制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様を示している。図5は、図4とは逆に、仮想立体音響効果を付加した音から付加しない音に切り替える指示を出した場合の切替信号と制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様を示している。
まず、利用者が操作部4を操作して、仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音に切り替える指示を出すと、切替信号の出力レベルが“0”から“1”に変化する(図4下図参照)。制御部3は入力される切替信号を上述のように信号処理すると、制御信号G1は出力レベルが“0”から“1”に、制御信号G2は出力レベルが“1”から“0”に、所定時間かけて変化する(図4上図参照)。上述した予め設定された切替時間は、この所定時間に相当する。切替時間は、短すぎると後述するような効果が得られず、長すぎると変化に対するストレスを感じる可能性があるため、望ましくは100ミリ秒から1秒程度の間が設定される。なお、切替時間については予め設定されているが、利用者が操作部4を操作して切替時間を変更するようにしてもよい。
また、利用者が操作部4を操作して、仮想立体音響効果を付加した音から付加しない音に切り替える指示を出すと、切替信号の出力レベルが“1”から“0”に変化する(図5下図参照)。制御部3は入力される切替信号を上述のように信号処理すると、制御信号G1は出力レベルが“1”から“0”に、制御信号G2は出力レベルが“0”から“1”に、所定時間かけて変化する(図5上図参照)。この所定時間も上述した予め設定された切替時間に相当する。
次に、音響効果切替装置100の動作について説明する。利用者は、音響効果切替装置100から出力されるオーディオ信号Soutが供給されるヘッドホンを装着し、入力されるオーディオ信号Sinを聴取している。入力されるオーディオ信号Sinは、図示しないチューナがラジオ放送を受信し、そのラジオ音声をオーディオ信号に変換したものである。
まず、利用者はラジオ放送において、会話が行われているときには、仮想立体音響効果を付加しない音として聴取している。この状態においては、切替信号の出力レベルは“0”、制御信号G1の出力レベルは“0”、制御信号G2の出力レベルは“1”である。そのため、切替部2において、演算処理部1から出力されたオーディオ信号Shは、増幅率が“0”である増幅回路21で遮断され、オーディオ信号Sinは、増幅率が“1”である増幅回路22を介して、オーディオ信号Soutとして出力される。
利用者は、ラジオ放送の内容が、会話から楽曲の演奏に切り替わったときに、仮想立体音響効果を付加した音に切り替えて聴取しようと考え、操作部4を操作して仮想立体音響効果を付加した音に切り替える指示を出す。これにより、切替信号の出力レベルは“0”から“1”に変化する。そして、制御信号G1の出力レベルは、“0”から“1”へ、制御信号G2の出力レベルは、“1”から“0”へ、それぞれ所定時間かけて変化する。
このように変化すると、増幅回路21に設定される増幅率は“0”から“1”へ、増幅回路22に設定される増幅率は“1”から“0”へ、それぞれ所定時間かけて変化する。そのため、利用者は、仮想立体音響効果を付加しない音が徐々に小さくなり、仮想立体音響効果を付加した音が徐々に大きくなるように聴こえる。すなわち、オーディオ信号Soutは、オーディオ信号Sinとオーディオ信号Shがクロスフェードして生成された信号となっている。
利用者は、楽曲の演奏が終了して会話にもどると、仮想立体音響効果を付加しない音に切り替えて聴取しようと考え、操作部4を操作して仮想立体音響効果を付加しない音に切り替える指示を出す。これにより上述とは逆に仮想音響効果を付加した音が徐々に小さくなり、仮想立体音響効果を付加しない音が徐々に大きくなるように聴こえる。
このように、音響効果切替装置100は、仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音へ切り替えるときに、クロスフェード処理を行って、両者の割合を所定時間かけて徐々に変化させることによって、頭内定位から頭外定位へ切り替わるときの違和感を低減することができる。また、切り替え前後において、同じオーディオ信号を用いることができるから、聴取が中断されることがない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
<変形例1>
上述した実施形態においては、切り替え時の切替時間以外は、仮想立体音響効果を付加した音または付加しない音のいずれか一方だけが、オーディオ信号Soutとして出力されていたが、切替時間以外であっても仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音が同時に出力されるような構成であってもよい。この場合は、以下に説明するような構成とすればよい。
上述した実施形態においては、切り替え時の切替時間以外は、仮想立体音響効果を付加した音または付加しない音のいずれか一方だけが、オーディオ信号Soutとして出力されていたが、切替時間以外であっても仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音が同時に出力されるような構成であってもよい。この場合は、以下に説明するような構成とすればよい。
本変形例に係る音響効果切替装置100は、図6に示すような構成であって、実施形態の構成に加えて遅延部5、補正増幅回路6を有する。遅延部5は、オーディオ信号Sinが入力され、そのオーディオ信号Sinに対して、演算処理部1における仮想立体音響効果を付加する演算処理に要する時間に相当する時間の遅延処理を行って増幅回路22に出力する。また、補正増幅回路6は、設定された増幅率でオーディオ信号Shを増幅し、増幅回路21に出力する。ここで、補正増幅回路6に設定された増幅率は、演算処理部1における演算によって、仮想立体音響効果が付加された音は、頭外定位になるために聴覚上音量レベルが低下したように感じることがあり、これを補正するために必要な増幅率として設定される。この増幅率は、予め設定されていてもよいし、利用者が操作部4を操作して決定するようにしてもよい。
また、利用者は、操作部4を操作して、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音との混合割合を指定すると、操作部4は、仮想立体音響効果を付加した音がどのくらいの割合で混合されるか、すなわち仮想立体音響効果を付加した音の割合を示す上限値情報を制御部3に対して出力する。この上限値情報が示す割合は、増幅回路21に設定される増幅率の上限値を示すものとなる。
操作部4から出力された上限値情報は、図3の2点鎖線で示すように、オーバーフローリミッタ35に入力される。このように上限値情報が入力されたオーバーフローリミッタ35は、IIRフィルタから出力された信号の出力レベルは、上限値情報が示す割合を超えた場合には、当該割合に固定して出力し、“0”を下回った場合には“0”に固定して出力する態様で機能する。ここで、図7、図8に、上限値情報が示す割合が“0.8”である場合の制御信号G1、G2の変化の態様を示す。
仮想立体音響効果を付加しない音から付加した音に切り替える場合には、図7に示すように、切替時間の経過後には制御信号G1の出力レベルが“0.8”、制御信号G2の出力レベルが“0.2”に変化する。一方、仮想立体音響効果を付加した音から付加しない音に切り替える場合には、切替時間の経過後に制御信号G1の出力レベルが“0”、制御信号G2の出力レベルが“1”に変化する。このように、仮想立体音響効果を付加した音を聴くときには、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音を混合して聴くこともできる。このようにすると、頭外定位、頭内定位の両方の音を同時に聴くことができ、頭外定位感による仮想立体音響効果が得られるとともに、頭内定位感による迫力感が得られる。また、頭外定位の距離感を制御することができる。
なお、上限値情報は、仮想立体音響効果を付加した音の割合を示す情報であったが、切り替え後の増幅回路21、22における増幅率の関係を規定する情報であればどのような情報であってもよい。また、仮想立体音響効果を付加した音の割合の下限値、すなわち、仮想立体音響効果を付加しない音の割合の上限値を設定することにより、仮想立体音響効果を付加しない音を利用者が聴いているときにおいても、仮想立体音響効果を付加した音を下限値に対応する割合で混合するようにしてもよい。
そして、実施形態のように仮想立体音響効果を付加した音または付加しない音のいずれか一方だけが、オーディオ信号Soutとして出力される構成であっても、上述のような遅延部5、補正増幅回路6の双方、または、いずれか一方を用いることができる。このようにすると、切り替え前後において、演算処理部1における演算処理に要する時間のずれが気にならないものとなり、さらに、音量レベルの変化による違和感を低減することができる。
<変形例2>
上述した実施形態においては、制御部3は、図3に示すようにIIRフィルタを用いた構成であって、切替信号を図4、5に示すような制御信号G1、G2に変換していた。このような構成は一例であって、制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様をどのような態様にするかにより、変化の態様に応じた構成を用いればよい。例えば、制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様は、図9に示すような態様であってもよい。すなわち図9(a)に示すように、切替時間における出力レベルの変化が直線的に変化する場合、また、図9(b)に示すように、出力レベルの変化が不連続的に変化する場合であってもよい。また、図9(b)に示すように必ずしも制御信号G1と制御信号G2の出力レベルの合計が“1”になっていなくてもよい。
上述した実施形態においては、制御部3は、図3に示すようにIIRフィルタを用いた構成であって、切替信号を図4、5に示すような制御信号G1、G2に変換していた。このような構成は一例であって、制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様をどのような態様にするかにより、変化の態様に応じた構成を用いればよい。例えば、制御信号G1、G2の出力レベルの変化の態様は、図9に示すような態様であってもよい。すなわち図9(a)に示すように、切替時間における出力レベルの変化が直線的に変化する場合、また、図9(b)に示すように、出力レベルの変化が不連続的に変化する場合であってもよい。また、図9(b)に示すように必ずしも制御信号G1と制御信号G2の出力レベルの合計が“1”になっていなくてもよい。
そして、図9に示した変化の態様は、制御信号G1の出力レベルが単調増加し、制御信号G2の出力レベルが単調減少しているが、必ずしも単調増加、単調減少でなくてもよく、制御信号G1、G2の出力レベルが、切替時間内で増加したり、減少したりする態様であってもよい。すなわち、切替時間における変化の態様はどのような態様であってもよく、制御信号G1、G2の出力レベルが“0”でない状態が同時に存在する期間、すなわち、切替時間において、仮想立体音響効果を付加した音および付加しない音が同時に出力される期間が存在すればよい。
<変形例3>
上述した実施形態、変形例1においては、オーディオ信号SinはLch、Rchの2チャンネルで構成されていたが、より多くのチャンネルであってもよく、それぞれのチャンネルにおいて、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音の混合割合を異ならせてもよい。例えば、オーディオ信号SinがLch、Rch、LSch(Lサラウンドch)、RSch(Rサラウンドch)の4チャンネルである場合には、音響効果切替装置100は、図10に示すような構成とすればよい。Lch、Rchは、スピーカ出力の場合には、利用者前方の左右に設置されたスピーカから放音するチャンネルを想定し、LSch、RSchは、利用者後方の左右に設置されたスピーカから放音するチャンネルを想定している。以下、本変形例における音響効果切替装置100の構成について説明する。
上述した実施形態、変形例1においては、オーディオ信号SinはLch、Rchの2チャンネルで構成されていたが、より多くのチャンネルであってもよく、それぞれのチャンネルにおいて、仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音の混合割合を異ならせてもよい。例えば、オーディオ信号SinがLch、Rch、LSch(Lサラウンドch)、RSch(Rサラウンドch)の4チャンネルである場合には、音響効果切替装置100は、図10に示すような構成とすればよい。Lch、Rchは、スピーカ出力の場合には、利用者前方の左右に設置されたスピーカから放音するチャンネルを想定し、LSch、RSchは、利用者後方の左右に設置されたスピーカから放音するチャンネルを想定している。以下、本変形例における音響効果切替装置100の構成について説明する。
演算処理部1−1は、オーディオ信号SinのLch、Rchが入力され、実施形態における演算処理部1と同様な処理を行って、Lch、Rchを有するオーディオ信号Sh−LRを出力する。遅延部5−1は、オーディオ信号SinのLch、Rchが入力され、演算処理部1−1における演算処理に要する時間の遅延処理を行って、Lch、Rchを有するオーディオ信号Sin−LRを出力する。
切替部2−1は、増幅回路21−1、22−1、加算器23−1を有し、オーディオ信号Sh−LRとオーディオ信号Sin−LRとに対して、実施形態または変形例1における切替部2と同様な処理を行って、Lch、Rchを有するオーディオ信号Sout−LRとして出力する。
演算処理部1−2は、オーディオ信号SinのLSch、RSchが入力され、実施形態における演算処理部1と同様な処理を行って、LSch、RSchを有するオーディオ信号Sh−SLRを出力する。ここで、演算処理部1における処理のうち、Lch右耳係数はLSch右耳係数に、Lch左耳係数はLSch左耳係数に、Rch右耳係数はRSch右耳係数に、Rch左耳係数はRSch左耳係数に、変更して演算処理がなされる。ここで、LSch右耳係数、LSch左耳係数とは、LSchのスピーカから出力されるインパルスをダミーヘッド、もしくは被測定者の右耳、左耳に設置したマイクで取得したインパルス応答を示す伝達関数である。RSch右耳係数、RSch左耳係数とは、RSchのスピーカから出力されるインパルスをダミーヘッド、もしくは被測定者の右耳、左耳に設置したマイクで取得したインパルス応答を示す伝達関数である。
遅延部5−2は、オーディオ信号SinのLSch、RSchが入力され、演算処理部1−2における演算処理に要する時間の遅延処理を行って、LSch、RSchを有するオーディオ信号Sin−SLRを出力する。ここで、遅延部5−1、遅延部5−2における遅延時間は同じであるとする。なお、演算処理部1−1と演算処理部1−2における演算処理に要する時間が異なる場合には、当該時間が長い方に遅延時間をあわせ、当該時間が短い演算処理部については、長い方から短い方を引いた時間を演算処理部内で遅延させる。
切替部2−2は、増幅回路21−2、22−2、加算器23−2を有し、オーディオ信号Sh−SLRとオーディオ信号Sin−SLRとに対して、実施形態または変形例1における切替部2と同様な処理を行って、LSch、RSchを有するオーディオ信号Sout−SLRとして出力する。
制御部3は、操作部4から切替部2−1に適用する上限値情報と、切替部2−2に適用する上限値情報を取得し、切替部2−1の増幅回路21−1、22−1と、切替部2−2の増幅回路21−2、22−2とを別々の制御信号で制御する。なお、切替部2−1、2−2に入力される制御信号は、上限値情報によって定まる混合割合が異なるだけでなく、切り替え時における制御信号の出力レベルの変化の態様も異なるように制御部3に制御させてもよい。
チャンネル合成部7は、切替部2−1から出力されたオーディオ信号Sout−LRおよび切替部2−2から出力されたオーディオ信号Sout−SLRが入力される。そして、オーディオ信号Sout−LRのLchとオーディオ信号Sout−SLRのLSchとを加算してLchの信号として生成する。一方、オーディオ信号Sout−LRのRchとオーディオ信号Sout−SLRのRSchとを加算してRchの信号として生成する。このようにして生成したLch、Rchの信号をLch、Rchを有するオーディオ信号Soutとして出力する。
このようにして、サラウンドチャンネル(LSch、RSch)がある場合などは、切替部2−1、2−2において異なる態様で増幅回路を制御するようにすることができる。例えば、Lch、Rchにおいては、仮想立体音響効果を付加した音の割合を“0.3”とし、LSch、RSchにおいては、仮想立体音響効果を付加した音の割合を“1”とすると、仮想立体音響効果を付加した音に切り替えた後においては、前に定位する音(Lch、Rchに対応)は近い距離感として感じ、後に定位する音(LSch、RSchに対応)はある程度の距離感を持って頭外定位させることができる。そのため、上限値情報をそれぞれのチャンネルに応じて変化させることで、様々な態様の頭外定位を実現することができる。
<変形例4>
上述した実施形態、変形例において、切替部2の増幅回路21、22は、Lch、Rchにかかわらず、同じ増幅処理を行っていたが、チャンネルごとにそれぞれ別の変化の態様の増幅処理、また異なる混合割合になるように行うようにしてもよい。この場合には、制御部3は、制御信号について、さらにLch、Rch用の制御信号を出力するようにし、それぞれの制御信号が所望の態様になるように制御部3における処理を行うようにすればよい。このようにすると、様々な態様の頭外定位を実現することができる。
上述した実施形態、変形例において、切替部2の増幅回路21、22は、Lch、Rchにかかわらず、同じ増幅処理を行っていたが、チャンネルごとにそれぞれ別の変化の態様の増幅処理、また異なる混合割合になるように行うようにしてもよい。この場合には、制御部3は、制御信号について、さらにLch、Rch用の制御信号を出力するようにし、それぞれの制御信号が所望の態様になるように制御部3における処理を行うようにすればよい。このようにすると、様々な態様の頭外定位を実現することができる。
<変形例5>
上述した実施形態においては、切替信号は、利用者が操作部4を操作することによって、制御部3に出力されていたが、制御部3は、操作部4以外から切替信号を受信するようにしてもよい。例えば、オーディオ信号Sinに切替信号を重畳して、オーディオ信号Sinから切替信号を取得してもよい。また、有線、無線通信を行うことができる通信部を設け、制御部3は、通信部を介して外部から切替信号を受信するようにしてもよい。このように、切替信号の取得は、操作部4に限らず、どのような取得方法であってもよい。これにより、利用者が指定したタイミングで仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音の切り替えを行うだけでなく、自動的に切り替えることも可能となる。
上述した実施形態においては、切替信号は、利用者が操作部4を操作することによって、制御部3に出力されていたが、制御部3は、操作部4以外から切替信号を受信するようにしてもよい。例えば、オーディオ信号Sinに切替信号を重畳して、オーディオ信号Sinから切替信号を取得してもよい。また、有線、無線通信を行うことができる通信部を設け、制御部3は、通信部を介して外部から切替信号を受信するようにしてもよい。このように、切替信号の取得は、操作部4に限らず、どのような取得方法であってもよい。これにより、利用者が指定したタイミングで仮想立体音響効果を付加した音と付加しない音の切り替えを行うだけでなく、自動的に切り替えることも可能となる。
<変形例6>
上述した実施形態においては、切替信号は、出力レベルが“0”、“1”のステップ関数を示す信号であり、この出力によって仮想立体音響効果を付加した音を出力するか付加しない音を出力するかを決定していたが、切り替えのタイミングを指定できればどのような信号であってもよい。例えば、切り替えのタイミングにおいて、パルスが発生する信号であってもよい。また、仮想立体音響効果を付加した音を出力する間だけ、または付加しない音を出力する間だけ切替信号が出力されるようにしてもよい。この場合には、それぞれの信号の態様に対応した処理を制御部3において行えばよい。
上述した実施形態においては、切替信号は、出力レベルが“0”、“1”のステップ関数を示す信号であり、この出力によって仮想立体音響効果を付加した音を出力するか付加しない音を出力するかを決定していたが、切り替えのタイミングを指定できればどのような信号であってもよい。例えば、切り替えのタイミングにおいて、パルスが発生する信号であってもよい。また、仮想立体音響効果を付加した音を出力する間だけ、または付加しない音を出力する間だけ切替信号が出力されるようにしてもよい。この場合には、それぞれの信号の態様に対応した処理を制御部3において行えばよい。
<変形例7>
上述した実施形態においては、切替時間は、切替信号の出力レベルが“0”から“1”に変化するとき、“1”から“0”に変化するときの両方とも同じ時間であったが、それぞれ異なる切替時間としてもよい。例えば、仮想立体音響効果を付加した音へ切り替える場合には、頭内定位から頭外定位に変化するため、違和感を低減するために切替時間を長めに設定し、逆に仮想立体音響効果を付加しない音へ切り替える場合には、頭外定位から頭内定位に変化し、違和感が少ないから、切替時間を短めに設定してもよい。このように、利用者が感じる違和感の程度に応じて利用者が操作部4を操作することによって、切替時間を設定するようにすればよい。
上述した実施形態においては、切替時間は、切替信号の出力レベルが“0”から“1”に変化するとき、“1”から“0”に変化するときの両方とも同じ時間であったが、それぞれ異なる切替時間としてもよい。例えば、仮想立体音響効果を付加した音へ切り替える場合には、頭内定位から頭外定位に変化するため、違和感を低減するために切替時間を長めに設定し、逆に仮想立体音響効果を付加しない音へ切り替える場合には、頭外定位から頭内定位に変化し、違和感が少ないから、切替時間を短めに設定してもよい。このように、利用者が感じる違和感の程度に応じて利用者が操作部4を操作することによって、切替時間を設定するようにすればよい。
<変形例8>
上述した実施形態における演算処理部1は、切替信号の出力レベルが“0”である間、すなわち仮想立体音響効果を付加した音をオーディオ信号Soutとして出力していない間は、演算処理を停止させてもよい。これにより消費電力を低減することができる。ここで、切替信号の出力レベルが“0”から“1”に変化したときには、演算処理部1の演算処理を開始することになるが、演算処理に要する時間が経過するまでは、オーディオ信号Shが出力されないから、制御部3において、当該時間は切替信号の出力レベルが0であるものとみなして制御部3における処理を行なってもよい。すなわち、当該時間経過後に切り替えが開始されるようにしてもよい。このようにすると、切替部2にオーディオ信号Shが出力されてから、クロスフェード処理が行われるようになるから、仮想立体音響効果を付加した音が途切れないようにすることができる。
上述した実施形態における演算処理部1は、切替信号の出力レベルが“0”である間、すなわち仮想立体音響効果を付加した音をオーディオ信号Soutとして出力していない間は、演算処理を停止させてもよい。これにより消費電力を低減することができる。ここで、切替信号の出力レベルが“0”から“1”に変化したときには、演算処理部1の演算処理を開始することになるが、演算処理に要する時間が経過するまでは、オーディオ信号Shが出力されないから、制御部3において、当該時間は切替信号の出力レベルが0であるものとみなして制御部3における処理を行なってもよい。すなわち、当該時間経過後に切り替えが開始されるようにしてもよい。このようにすると、切替部2にオーディオ信号Shが出力されてから、クロスフェード処理が行われるようになるから、仮想立体音響効果を付加した音が途切れないようにすることができる。
<変形例9>
実施形態における構成は、コンピュータ200が、プログラムを実行することにより実現させるようにしてもよい。具体的には、以下のようにすればよい。コンピュータ200は、CPU(Central Processing Unit)201、記憶手段202、操作手段203、外部機器と接続するためのインターフェイス204を有する。操作手段203は、実施形態における操作部4の機能を有し、記憶手段202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶手段であって、プログラムが記憶されている。CPU201は、記憶手段202に記憶されたプログラムを実行し、記憶手段202のRAMに、実施形態における音響効果切替装置1の各機能、すなわち、演算処理部1、切替部2、制御部3の機能を実現する。そして、入力されたオーディオ信号Sinをコンピュータ200で実現した機能によって信号処理し、当該信号処理されたオーディオ信号Soutをインターフェイスに接続されるヘッドホンに対して供給する。このようなプログラムについては、記憶手段202に記憶されている場合だけでなく、データ入力手段を設け、様々な記録媒体に記録した状態で提供されてもよいし、ネットワークに接続可能な通信部を設け、通信部を介してネットワーク経由でコンピュータにダウンロードしてもよい。
実施形態における構成は、コンピュータ200が、プログラムを実行することにより実現させるようにしてもよい。具体的には、以下のようにすればよい。コンピュータ200は、CPU(Central Processing Unit)201、記憶手段202、操作手段203、外部機器と接続するためのインターフェイス204を有する。操作手段203は、実施形態における操作部4の機能を有し、記憶手段202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶手段であって、プログラムが記憶されている。CPU201は、記憶手段202に記憶されたプログラムを実行し、記憶手段202のRAMに、実施形態における音響効果切替装置1の各機能、すなわち、演算処理部1、切替部2、制御部3の機能を実現する。そして、入力されたオーディオ信号Sinをコンピュータ200で実現した機能によって信号処理し、当該信号処理されたオーディオ信号Soutをインターフェイスに接続されるヘッドホンに対して供給する。このようなプログラムについては、記憶手段202に記憶されている場合だけでなく、データ入力手段を設け、様々な記録媒体に記録した状態で提供されてもよいし、ネットワークに接続可能な通信部を設け、通信部を介してネットワーク経由でコンピュータにダウンロードしてもよい。
1,1−1,1−2…演算処理部、11…Lch左耳係数演算回路、12…Lch右耳係数演算回路、13…Rch左耳係数演算回路、14…Rch右耳係数演算回路、15,16…加算器、2,2−1,2−2…切替部、21,21−1,21−2,22,22−1,22−2…増幅回路、23,23−1,23−2…加算器、3…制御部、31−1,31−2…遅延器、32−1,32−2,32−3…増幅器、34,36…加算器、35…オーバーフローリミッタ、4…操作部、5,5−1,5−2…遅延部、6…補正増幅回路、7…チャンネル合成部、100…音響効果切替装置、200…コンピュータ、201…CPU、202…記憶手段、203…操作手段、204…インターフェイス
Claims (8)
- ヘッドホンにオーディオ信号を供給する音響効果切替装置において、
外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理手段と、
前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅手段と、
前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段によって増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算手段と、
外部から入力される切替信号を検知する検知手段と、
前記検知手段が切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御手段と
を具備することを特徴とする音響効果切替装置。 - 前記外部から入力された第1のオーディオ信号に対して、予め設定された時間の遅延処理を行う遅延手段をさらに具備し、
前記第1の増幅手段は、前記遅延手段によって遅延処理された第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響効果切替装置。 - 前記増幅率制御手段は、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて、前記第1の増幅率または前記第2の増幅率のいずれか一方が単純増加し、他方が単純減少するように変化させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響効果切替装置。 - 前記増幅率制御手段は、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との合計値が変化しないように変化させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音響効果切替装置。 - 前記外部から供給される第1のオーディオ信号は、マルチチャンネルのオーディオ信号であり、
前記演算処理手段は、前記第1のオーディオ信号の各チャンネルに仮想立体音響効果を付加する演算を行ってマルチチャンネルの第2のオーディオ信号を生成し、
前記第1の増幅手段は、前記第1のオーディオ信号の各チャンネルに対して、当該チャンネルごとに設定された第1の増幅率で増幅処理を行い、
前記第2の増幅手段は、前記第2のオーディオ信号の各チャンネルに対して、当該チャンネルごとに設定された第2の増幅率で増幅処理を行い、
前記加算手段は、前記第1の増幅手段によって増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって増幅された第2のオーディオ信号とをチャンネルごとに加算して出力し、
前記増幅率制御手段は、前記検知手段が切替信号を検知した場合に、チャンネルごとに前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅手段によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音響効果切替装置。 - 前記演算処理手段によって生成された第2のオーディオ信号を所定の増幅率で増幅する補正増幅手段をさらに具備し、
前記第2の増幅手段は、前記補正増幅手段で増幅された第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の音響効果切替装置。 - ヘッドホンにオーディオ信号を供給する音響効果切替装置に用いる信号処理方法であって、
外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理過程と、
前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅過程と、
前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅過程と、
前記第1の増幅過程において増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅過程において増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算過程と、
外部から入力される切替信号を検知する検知過程と、
前記検知過程において切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅過程によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅過程によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御過程と
を備えることを特徴とする信号処理方法。 - ヘッドホンにオーディオ信号を供給するコンピュータに、
外部から入力される第1のオーディオ信号に対して、仮想立体音響効果を付加する演算を行って第2のオーディオ信号を出力する演算処理機能と、
前記第1のオーディオ信号を第1の増幅率で増幅する第1の増幅機能と、
前記第2のオーディオ信号を第2の増幅率で増幅する第2の増幅機能と、
前記第1の増幅機能において増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅機能において増幅された第2のオーディオ信号とを加算して出力する加算機能と、
外部から入力される切替信号を検知する検知機能と、
前記検知機能において切替信号を検知した場合に、前記第1の増幅率と前記第2の増幅率との関係が予め設定した増幅率の関係になるように所定時間かけて変化させ、当該変化の期間において、前記第1の増幅機能によって0でない増幅率で増幅された第1のオーディオ信号と、前記第2の増幅機能によって0でない増幅率で増幅された第2のオーディオ信号とが同時に出力される期間が存在するように制御する増幅率制御機能と
を実現させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007174095A JP2009017009A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007174095A JP2009017009A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009017009A true JP2009017009A (ja) | 2009-01-22 |
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ID=40357402
Family Applications (1)
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JP2007174095A Pending JP2009017009A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 音響効果切替装置、信号処理方法およびプログラム |
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