JP2009013958A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】カムリング外周側に作用する第1、第2流体圧室の内圧及びカムリング内周側に作用するポンプの吐出圧によるカムリングの著しい撓み変形を低減し得る可変容量型ベーンポンプを提供する。
【解決手段】ポンプボディ2の収容空間3内に収容配置されているカムリング6の最大偏心状態において、ポンプボディ2の内部に配設された制御弁20の低圧室28と、カムリング6の外周側に隔成された第1流体圧室11と、の連通部にオリフィス状の絞り部33を形成することにより、該絞り部33による絞り効果によって吐出ポート16に開口する各ポンプ室10から第1流体圧室11内に流入したポンプ7吐出圧を同室11内に留めるようにして、該第1流体圧室11の内圧を常時ポンプの吸入圧よりも高い圧力に保持することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両のパワーステアリング装置などに適用される可変容量型ベーンポンプの改良に関する。
例えば車両のパワーステアリング装置に適用される従来の可変容量型ベーンポンプとしては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変容量型ベーンポンプは、ほぼ有底円筒状に形成されたフロントボディの内部収容空間の内周面に嵌着されたアダプタリングと、該アダプタリングの内周側に揺動支点ピンを介して揺動可能に配設されたカムリングと、該カムリングの内周側に回転自在に配設され、径方向に沿って放射状に形成されたスロット内に複数のベーンを出没自在に収容するロータと、を備え、前記フロントボディの収容空間の一端側開口はリアボディによって閉塞されている。
前記カムリングとロータは互いの中心が偏心した状態で配置され、両者の間には隣接するベーンによって複数のポンプ室が隔成されている。そして、フロントボディの内底面には、前記各ポンプ室の容積が増大する領域(吸入領域)に開口し、該吸入領域のポンプ室に吸入圧を導入する吸入ポートが形成されている一方、リアボディの内側面には、前記各ポンプ室の容積が減少する領域(吐出領域)に開口し、該吐出領域からの吐出圧が導入される吐出ポートが形成されている。
前記アダプタリングの内周面とカムリングの外周面との間には所定の空間が形成され、該空間はアダプタリングの内周面に軸方向に沿って嵌着されたシール部材によって第1流体圧室と第2流体圧室の二つの流体圧室に隔成されている。そして、第2流体圧室側にはカムリングを第1流体圧室側へ付勢する付勢部材が配設され、該付勢部材の付勢力及び第2流体圧室の内圧と、第1流体圧室の内圧とのバランスによってカムリングの揺動位置が制御されている。
さらに、前記アダプタリングの第1流体圧室側の内周面における周方向のほぼ中間位置には、径方向内側に若干突出した平坦面状のストッパが形成され、カムリングが最大偏心した際に該カムリングが前記ストッパと当接することにより、かかるカムリングの最大偏心時における第1流体圧室の容積が確保されている。
また、前記ベーンポンプには、第1、第2流体圧室の各内圧を制御することによってポンプの吐出流量を制御する制御弁が設けられており、ポンプの回転数が所定値より低い場合には、前記制御弁による圧力制御が行われず、第1流体圧室にはポンプ吸入圧が導入されて低圧に維持される一方、第2流体圧室にはポンプ吐出圧が導入されて高圧となる。この結果、カムリングは、前記ストッパに当接したまま第1流体圧室側に保持され、その最大偏心状態が維持されることとなる。
そして、ポンプの回転数が前記所定値を超えた場合には、前記制御弁による圧力制御によって第1流体圧室にはポンプ吐出圧が導入されて高圧となる一方、第2流体圧室にはポンプ吸入圧が導入されて低圧となる。この結果、カムリングは、第2流体圧室の内圧及び付勢部材の付勢力に抗して第2流体圧室側に揺動制御され、ポンプの吐出流量が減少することとなる。
以上のことから、かかるベーンポンプは、前記各流体圧室に導入される油圧のバランスによってカムリングの揺動位置を制御し、この揺動位置制御に基づいてポンプの吐出流量を変化させることにより、該ポンプの動力損失を低減するようになっている。
特開平6−241175号公報
前述のように、従来の可変容量型ベーンポンプにあっては、前記カムリングが最大偏心状態にあるとき、第1流体圧室にはポンプ吸入圧が導入されて低圧状態となるのに対して、第2流体圧室にはポンプ吐出圧が導入されて高圧状態となることから、該カムリングの外周側には第2流体圧室から第1流体圧室に向かって高圧が作用し、かかる高圧によってカムリングは前記ストッパに押し付けられる。さらに、カムリングの内周側には、前記吐出ポートが位置する領域に径方向外側へ向かって高圧なポンプ吐出圧が作用することから、かかる高圧によってカムリングは前記揺動支点に押し付けられる。すなわち、かかる圧力分布により、カムリングには、ストッパに接する部位と揺動支点に接する部位との間の特定周方向領域部分に、前記各高圧がカムリングの拡径方向へ二重に作用することとなる。
しかしながら、前記従来の可変容量型ベーンポンプの場合、前記第1流体圧室全体がポンプ吸入圧に基づく低圧状態となっているため、かかる低圧によってはカムリングの前記特定周方向領域部分に二重に作用する前記両高圧を受け止めることができず、該カムリングの前記特定周方向領域部分に大きな撓み変形が生じてしまうという問題があった。これにより、カムリングの内周面によって構成されるポンプのカムプロファイルが理想状態から逸脱することとなり、この結果、ポンプの脈圧や振動を引き起こしてしまうという技術的課題を招来していた。
本発明は、このような技術的課題に着目して案出されたものであって、カムリング外周側に作用する第1、第2流体圧室の各内圧及びカムリング内周側に作用するポンプの吐出圧によるカムリングの著しい撓み変形を低減し得る可変容量型ベーンポンプを提供するものである。
請求項1に記載の発明は、ポンプボディの内部に形成された収容空間内に収容配置され、径方向へ出没自在に設けられた複数のベーンを有し、駆動軸によって回転駆動されるロータと、前記収容空間内に所定の揺動支点を有し、前記ロータの外周側に揺動可能に配設されて、隣接する前記各ベーンとロータと共に複数のポンプ室を画成するカムリングと、前記ポンプボディにおける前記収容空間の側壁に設けられ、前記複数のポンプ室のうち、前記各ベーンの移動に伴ってポンプ室の容積が漸次拡大する領域に開口する吸入ポートと、前記ポンプボディにおける前記収容空間の側壁に、前記吸入ポートに対してほぼ軸対称に設けられ、前記複数のポンプ室のうち、前記各ベーンの移動に伴ってポンプ室の容積が漸次縮小する領域に開口する吐出ポートと、前記カムリングの外周側に設けられ、前記カムリングの偏心量の増加に伴って容積が減少する第1流体圧室と、前記カムリングの外周側に設けられ、前記カムリングの偏心量の増加に伴って容積が増大する第2流体圧室と、前記第1流体圧室側に設けられ、前記カムリングの最大偏心量を規制するストッパと、前記第1流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに高くなるように制御する一方、前記第2流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに低くなるように制御する圧力制御手段と、を備え、前記カムリングの偏心量が最大のときの前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことを特徴としている。
この発明によれば、前記カムリングの偏心量が最大のときの前記第1流体圧室の内圧をポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことにより、前記カムリングの揺動支点とストッパとの間の周方向領域に作用するポンプ吐出圧の影響を軽減することが可能となり、かかる領域におけるカムリングの変形を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、外部から導入された作動油を前記吸入ポートへ導く吸入通路と前記第1流体圧室とを、前記圧力制御手段を介して連通する連通路を有し、前記圧力制御手段は、前記カムリングの偏心量が最大のときに前記連通路内に絞り部を構成することを特徴としている。
この発明によれば、かかるポンプの構造上、特に前記吐出ポートに開口する各ポンプ室からカムリングの両側部(両端面)を介してポンプ吐出油が第1流体圧室内に流入してしまうことから、このポンプ吐出油を前記圧力制御手段によって吸入通路へ戻すようになっているが、この圧力制御手段を介して第1流体圧室と吸入通路とを連通する前記連通路の途中に前記絞り部を構成したことによって、前記漏出したポンプ吐出圧に基づいて上昇する第1流体圧室の内圧が保持され、これによって、該第1流体圧室の内圧をポンプ吸入圧よりも高い圧力で保持することができる。
請求項3に記載の発明は、前記圧力制御手段は、前記ポンプボディの内部に形成された弁孔内に軸方向へ摺動可能に設けられた弁体と、該弁体の軸方向一方側に配設され、前記弁体を軸方向他方側へ付勢する付勢部材と、を有し、前記弁体の軸方向他方側には、前記吐出ポートに接続される吐出通路の途中に設けられたオリフィスの上流側の圧力が導入される一方、前記弁体の軸方向一方側には、前記オリフィスの下流側の圧力が導入されることを特徴としている。
この発明によれば、ポンプの回転数に応じて制御可能な圧力制御手段を構成することができる。
請求項4に記載の発明は、前記圧力制御手段は、前記弁体が前記付勢部材によって軸方向他方側の端部まで付勢された状態において前記連通路内に前記絞り部を構成することを特徴としている。
この発明によれば、ポンプ停止状態から既に前記絞り部が構成された状態となっているため、ポンプの低回転領域から第1流体圧室の内圧をポンプ吸入圧よりも高い状態に保持することができる。
請求項5に記載の発明は、前記カムリングの偏心量が最大のときの前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吐出圧の50パーセントよりも高い圧力で保持したことを特徴としている。
この発明によれば、ポンプ吐出圧による前記カムリングの変形をより効果的に抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記カムリングを焼結材によって形成したことを特徴としている。
この発明によれば、容易かつ安価でカムリングを形成することができる。また、焼結材は、剛性としては高い方ではないが、カムリング内外周の圧力バランスの均衡が図られているため、前記カムリングの変形による問題が顕在化しない。
請求項7に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明とほぼ同様の構成を有し、とりわけ、前記エンジンがアイドル回転状態以上の回転速度によって運転されているときであって、かつ、前記カムリングの偏心量が最大のときに、前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことを特徴としている。
この発明によれば、前記エンジンがアイドル回転状態以上の回転速度によって運転されているときであって、かつ、前記カムリングの偏心量が最大のときに、前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことにより、揺動支点とストッパとの間の周方向領域に作用するポンプ吐出圧の影響が軽減され、かかる領域におけるカムリングの変形を抑制することができる。よって、この発明においては、エンジン停止状態、つまりポンプ停止状態で第1流体圧室と吸入側とが連通した状態となっていても構わない。
以下、本発明に係る可変容量型ベーンポンプの各実施の形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施の形態は、この可変容量型ベーンポンプを、従来と同様に車両のパワーステアリング装置に適用したものを示している。
図1〜図5は本発明の第1の実施の形態を示し、この可変容量型ベーンポンプ1は、図1に示すように、ポンプボディ2の内部に形成された横断面ほぼ円形状の収容空間3内に嵌着固定されたほぼ円環状のアダプタリング4と、該アダプタリング4のほぼ楕円形の空間内に保持された丸棒状の揺動支点ピン5を中心として揺動自在に支持された円環状のカムリング6と、該カムリング6の内周側に回転自在に収容配置され、前記ポンプボディ2内に挿通する駆動軸7に相対回転不能に連結されたロータ8と、を備えている。
前記アダプタリング4は、その内周部における円周方向の所定位置に、軸方向に沿って切欠形成された横断面ほぼ半円状の保持溝4aを有し、該保持溝4a内に前記揺動支点ピン5が保持されている。また、このアダプタリング4の内周部には、前記保持溝4aからロータ8の回転方向に対して90°程度位相が遅れた位置に内方へ向かって若干膨出形成されて、前記カムリング6の最大偏心位置を規制するストッパ4bが設けられている。なお、このストッパ4bは、アダプタリング4の曲面状に形成された内周面の一部が径方向内側へ突出されたもので、カムリングとの接触面がほぼ平坦状となるように形成されている。
前記カムリング6は、焼結材からなり、その中心Pが前記ロータ8の中心Qに対して所定量だけ偏心した状態で収容空間3内に配置され、円周方向の所定位置に軸方向に沿って切欠形成された横断面ほぼ半円状の嵌合溝6aを介して前記揺動支点ピン5に嵌合支持されている。そして、かかるカムリング6の外周側には、前記揺動支点ピン5及びこれとほぼ対向した位置に配設されたシール部材9によって第1流体圧室11と第2流体圧室12を隔成している。
前記ロータ8は、ほぼ円盤状に形成され、前記カムリング6と共に軸方向両端面が前記収容空間3の軸方向両側面によって挟持状態に配置されていて、図外のエンジンによって駆動軸7が回転駆動されると図1中の矢印方向(反時計方向)に回転するようになっている。また、前記ロータ8の外周部には、円周方向の等間隔位置に放射方向に沿って複数のスロット8aが切欠形成され、該各スロット8a内には、複数のベーン13がそれぞれカムリング6の内周面方向へ放射状に出没自在に保持されている。
そして、前記カムリング6とロータ8との間に形成される空間内には、隣接する二枚のベーン13によって複数のポンプ室10が画成されており、カムリング6を、前記揺動支点ピン5を支点として揺動させることによって、前記各ポンプ室10の容積を増減させるようになっている。
また、前記ポンプボディ2の収容空間3の軸方向一側面には、前記ロータ8の回転に伴いポンプ室10の容積が漸次拡大する吸入領域に開口するほぼ三日月状の吸入ポート14が切欠形成されている。そして、この吸入ポート14の中央部には、ポンプボディ2の内部に形成され、作動油が貯留されたリザーバタンクTから図外の配管を介してベーンポンプ1に導かれる作動油を吸入ポート14内に導入するための吸入通路15が開口している。これによって、前記吸入通路15を通じて吸入ポート14内に導かれた作動油が、該吸入ポート14を介して前記吸入領域のポンプ室13へと供給されるようになっている。
一方、前記ポンプボディ2の収容空間3の軸方向他側面には、前記吸入ポート14に対してほぼ軸対称となる位置に設けられ、前記ロータ8の回転に伴いポンプ室10の容積が漸次縮小していく吐出領域に開口するほぼ三日月状の吐出ポート16が切欠形成されている。そして、この吐出ポート16の始端側の所定位置には、ポンプボディ2の内部に形成され、前記吐出領域の各ポンプ室10から吐出された作動油をベーンポンプ1の外部に吐出するための吐出通路17が開口している。これによって、前記吐出通路17を通じてベーンポンプ1の外部に吐出された作動油が図外のパワーステアリング装置のパワーシリンダへと供給されるようになっている。
また、前記ポンプボディ2の収容空間3の周壁には、前記第2流体圧室12に相当する周方向領域のほぼ中間位置に穿設されたばね収容孔2a内に、アダプタリング4に形成された貫通孔4cを介して第2流体圧室12に臨む圧縮コイルばね18が収容配置されていて、この圧縮コイルばね18によってカムリング6が第1流体圧室11側へ常時付勢されている。
また、前記ポンプボディ2の上端側の内部には、前記第1流体圧室11及び第2流体圧室12の内圧を制御する圧力制御手段である制御弁20が駆動軸7と直交する方向に設けられており、かかる制御弁20によって第1、第2流体圧室11,12の圧力制御を行うことにより、カムリング6の揺動状態が制御され、結果としてポンプの吐出流量が制御されている。
すなわち、この制御弁20は、図2に示すように、前記ポンプボディ2の内部に形成された弁孔21内に摺動自在に収容されたスプール弁22と、該スプール弁22を図中左方向に付勢して弁孔21に螺着されたプラグ23に当接させるバルブスプリング24と、前記プラグ24とスプール弁22の先端部との間に形成され、前記吐出通路17の途中に配設されたメータリングオリフィス25の上流側の油圧、つまりポンプの吐出圧が直接導入される高圧室26と、前記バルブスプリング24を収容すると共に前記メータリングオリフィス25の下流側の油圧が導入される中圧室27と、を備えており、前記高圧室26と中圧室27の両圧力差が所定以上になるとスプール弁22がバルブスプリング24のばね力に抗して図中の右方向へ移動するようになっている。
かかる制御弁20においてスプール弁22が図2中の左端に位置した状態では、前記第1流体圧室11は、前記ポンプボディ2の収容空間3と弁孔21とを連通させる第1連通路31と、該第1連通路31に開口形成され、この第1連通路31を第1流体圧室11に臨ませるアダプタリング4の第1連通孔4cと、を介してスプール弁22の外周側に画成された低圧室28に連通している。この低圧室28は、該低圧室28に開口形成された低圧通路19を介して前記吸入通路15に連通するように構成され、これによって第1流体圧室11にはポンプの吸入圧(低圧)が導入されるようになっている。
このとき、前記制御弁20において、前記低圧室28と第1連通路31の連通部には、前記高圧室26と低圧室28とを隔成するスプール弁22の第1ランド部22aによって前記連通部の開口面積を極小に縮小するオリフィス状の絞り部33が構成されている。
すなわち、前記制御弁20は、前記スプール弁22の先端部がプラグ23に当接した状態で、このスプール弁22の第1ランド部22aの軸方向一端縁(前記低圧室28側の軸方向端縁)と第1連通路31の一端側開口縁(前記低圧室28側の開口縁)によって前記絞り部33が構成されるように、該スプール弁22の先端側の停止位置(図2中の左端側の移動限界位置)が設定されている。
さらに、前記第1ランド部22aの軸方向一端縁には、外径が段差状に縮径された環状の段差縮径部34が切欠形成されていて、このスプール弁22の先端部がプラグ23に当接した状態でなくとも、換言すれば、スプール弁22が若干量中圧室27側に移動しても、前記段差縮径部34の外周面と前記第1連通路31の一端側開口縁との間に前記絞り部33が構成されるようになっている。これによって、前記制御弁20が開弁する寸前まで、前記低圧室28と第1連通路31の連通部に前記絞り部33が構成されることとなる。
一方、前記スプール弁22が図2中の左端に保持された状態において、前記第2流体圧室12は、前記ポンプボディ2の収容空間3と弁孔21とを連通させる第2連通路32と、該第2連通路32に開口形成され、この第2連通路32を第1流体圧室11に臨ませるアダプタリング4の第2連通孔4dと、を介して前記中圧室27に連通しており、かかる第2流体圧室12には、中圧室27から前記メータリングオリフィス25の下流側の油圧(高圧)が導入される。
そして、前記各室26,27の差圧によってスプール弁22が図2中の右端に移動した場合には、前記第1流体圧室11は、スプール弁22の移動に伴い前記低圧室28との連通が遮断されて高圧室26と漸次連通することとなり、該第1流体圧室11には高圧なポンプ吐出圧が導入される。つまり、この第1流体圧室11内には、前記低圧室28の油圧と前記メータリングオリフィス25の上流側の油圧とが選択的に供給されるようになっている。
一方、前記スプール弁22が同位置に移動した場合に、前記第2流体圧室12は、スプール弁22の移動に伴い前記中圧室27との連通が漸次遮断されて低圧室28と漸次連通することとなり、該第2流体圧室12には低圧なポンプ吸入圧が導入される。
なお、前記スプール弁22の内部に配設されたリリーフバルブ30は、前記中圧室27内の圧力が所定以上に達したとき、つまり前記油圧パワーシリンダ内の圧力が所定以上に達したときに開放することにより、この中圧室27内の作動油を、前記低圧通路19を介して前記吸入通路15へと逃がすようになっている。
以下、本実施の形態に係る可変容量型ベーンポンプ1の作用について説明するが、ポンプの基本的な作用は従来のものと同様であるため説明を省略し、かかるポンプの特徴的な作用についてのみ、図1〜図5に基づいて説明する。
まず、はじめに、前記可変容量型ベーンポンプ1は、図1に基づいて前述したように、カムリング6が圧縮コイルばね18によって第1流体圧室11側に常時付勢される構成を有し、しかも、このカムリング6の偏心量はポンプの回転数に応じて制御されるようになっていることから、該ポンプの吐出流量が上限値(制限値)を超えない限り、このカムリング6の偏心量は最大の状態、すなわちアダプタリング4のストッパ4bに圧接した状態で保持される。
そこで、前記カムリング6の偏心量が最大となっている場合には、前記ベーンポンプ1の吐出圧も比較的高くなることから、このベーンポンプ1は、その作動時において、カムリング6の両側部に発生する僅かな軸方向隙間を介して高圧となる特に前記吐出領域の各ポンプ室10から漏出したポンプ吐出油が第1、第2流体圧室11,12内にそれぞれ流入することとなる。なお、このときのポンプ吐出圧は5.5MPa程度であるものとする。
ここで、前記吐出油が第1流体圧室11内に流入した場合、前記ベーンポンプ1は、カムリング6の偏心量が最大の状態であることから、図1及び図2に示すように、前記制御弁20のスプール弁22の先端部がプラグ23に当接した状態となり、前記低圧室28と第1連通路31の連通部に形成された前記絞り部33によって第1流体圧室11と低圧室28の間の作動油の行き来が制限された状態となる。
つまり、前記ベーンポンプ1は、スプール弁の先端部がプラグに当接した状態で高圧室と第1連通路とが完全に連通する従来のベーンポンプとは異なり、前記絞り部33によって第1流体圧室11と低圧室28の間の油圧調整作用が制限され、第1流体圧室11内に流入した前記吐出油が同室11内に保持されることとなる。これにより、本来はポンプの吸入圧が導入されて図13中の実線で示すようにほぼゼロに近い内圧の状態で保持される第1流体圧室11の初期内圧、すなわちスプール弁22の第1ランド部22aによって低圧室28と第1連通路31との連通が遮断される前の第1流体圧室11の内圧が、図3中の実線で示すように4MPa程度まで上昇する。
一方、このとき、前記第2流体圧室12は、前記アダプタリング4の第2連通孔4d及びポンプボディ2の第2連通路32を介して前記制御弁20の中圧室27と連通していると共に、該中圧室27の内圧が前記リリーフ弁30によって管理されていることから、かかる第2流体圧室12内に前記吐出油が流入しても、該吐出油によって第2流体圧室12の内圧が上昇してしまうことはなく、図3及び図13の両図中に破線で示すように、該第2流体圧室12の内圧は5.5MPa程度でほぼ一定に保たれる。
このように、本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1の場合には、前述のような前記絞り部33による絞り効果によって前記吐出領域の各ポンプ室10から第1流体圧室11内に流入した前記吐出圧が同室11内に保持されることから、図3に示すように、第1流体圧室11の初期内圧と第2流体圧室12の内圧との圧力差を、図13に示す従来のベーンポンプの場合と比べて大幅に低減できる。
よって、かかるベーンポンプ1の場合、図1に示すように、カムリング6には従来と同様に前記第2流体圧室12の内圧、前記圧縮コイルばね18の付勢力、並びに前記吐出領域の各ポンプ室10の内圧がそれぞれ作用して、かかる複合力によってこのカムリング6は前記ストッパ4b及び揺動支点ピン5に押し付けられることになるが、前記第1流体圧室11の初期内圧を上昇させることで、この第1流体圧室11の初期内圧によって、カムリング6に作用する前記第2流体圧室12の内圧を大幅に打ち消すことが可能となる。
この結果、前記複合力によって前記ストッパ4bや揺動支点ピン5に押し付けられるカムリング6の前記ストッパ4bに接する部位と前記揺動支点ピン5に接する部位との間の特定周方向領域部分Xの撓み変形量を低減することが可能となる。
具体的には、従来のベーンポンプにおいてカムリングに作用する応力分布と、本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1においてカムリング6に作用する応力分布と、を測定して比較してみると、図14に示す従来のベーンポンプにおけるカムリングの前記特定周方向領域部分の撓み変形量に対して、図4に示す本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1におけるカムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形量は、図4及び図14の両図中の破線で示す無変形状態と比較してその径方向突出量が小さくなっている。なお、このとき、前記両図中の矢印は、カムリング6に作用する各流体圧室11,12の内圧を示し、各矢印の間隔が狭い部分ほど強い圧力が作用している。
そして、この撓み変形量の差をカムリングのカムプロファイルとしてシミュレーション解析して比較してみると、図5に示すように、同図中に破線で示す従来のベーンポンプのカムリングのカムプロファイルに対して、同図中に実線で示す本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1のカムリング6のカムプロファイルは、特に前記吐出ポート16の始端側において該カムリング6の内周面半径Rが0.05mm程度小さくなっている。つまり、この分だけ前記撓み変形量が低減されていることになる。
したがって、この実施の形態によれば、前記ロータ8に対するカムリング6の偏心量が最大の状態において低圧室28と第1連通路31の連通部に前記絞り部33が形成されるように前記制御弁20を構成したことから、該絞り部33による絞り効果によって前記吐出領域の各ポンプ室10から第1流体圧室11内に流入した前記吐出圧を同室11内に保持することが可能となり、これによって、該第1流体圧室11の内圧をポンプの吸入圧よりも高い圧力に保持することができる。この結果、カムリング6の前記特定周方向領域部分Xに作用するポンプの吐出圧の押圧作用が緩和され、この特定周方向領域部分Xの撓み変形量を低減することができる。
しかも、前記スプール弁22の先端部がプラグ23に当接した状態で前記絞り部33が形成されるように前記制御弁20を構成したことによって、ポンプ停止状態から既に前記絞り部33が構成した状態とすることが可能となり、ポンプの低回転領域から第1流体圧室11の内圧をポンプ吸入圧よりも高い状態に保持することができる。これにより、前記第1流体圧室11の内圧が終始ポンプ吸入圧よりも高い状態で保持され、カムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形を確実に低減することができる。
さらに、前記スプール弁22の第1ランド部22aの軸方向一端縁に前記段差縮径部34を設けたことによって、前記制御弁20が開弁する寸前、つまり第1流体圧室11と高圧室26とが連通する寸前まで前記絞り部33による絞り効果を継続することができるため、第1流体圧室11の内圧をポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持しつつも、該第1流体圧室11の内圧の過度な上昇を確実に防止することができる。
また、本実施の形態では、前記絞り部33の絞り効果によって第1流体圧室11の内圧をポンプ吐出圧の約65パーセントとしているが、第1流体圧室11内の内圧をポンプ吐出圧の50パーセントよりも高い圧力に保持することにより、ポンプ吐出圧による特にカムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形を効果的に抑制することができる。
また、前記カムリング6を焼結材によって形成したことから、該カムリング6を容易かつ安価に形成することができる。なお、かかる焼結材自体、剛性は高い方ではないが、前述のように第1流体圧室11の初期内圧を高めに保持することによってカムリング6に作用する内外周の圧力バランスの均衡が図られているため、該カムリング6の前記撓み変形による問題が顕在化しない。
図6〜図8は本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第2の実施の形態を示し、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様であって、異なるところは、図6に示すように、従来と同様、前記スプール弁22の先端部がプラグ35に当接した状態では該スプール弁22の第1ランド部22aと前記第1連通路31の一端側開口縁の間には前記絞り部33が形成されない構成とし、その代わりに、前記バルブスプリング24のばね定数を低く設定して、前記ベーンポンプ1の動力源である図外のエンジンの回転数がアイドル回転以上となったときに、前記第1の実施の形態と同様に、前記第1ランド部22aの段差縮径部34と前記第1連通路31の一端側開口縁の間に前記絞り部33が形成されるように構成したものである。
すなわち、前記バルブスプリング24のばね定数を小さいものに変更することによって、図7中に実線で示すスプール弁22の移動が始まる際の高圧室26と中圧室27の差圧(初期差圧)が、同図中の破線で示す従来の初期差圧と比べて0.1MPa程度低くなるように設定されている。
具体的には、本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1の制御弁20においては、図7中に実線で示すように、前記高圧室26と中圧室27との差圧が小さくてもスプール弁22が移動可能となっており、同図中に破線で示す従来の場合と比較して40パーセント程度の差圧(本実施の形態では0.037MPa)によってスプール弁22の移動が始まるようになっている。
なお、この場合であっても、前記制御弁20が開弁する際の前記両圧力室26,27の差圧は従来のものと同じになるように設定されており、ポンプ特性自体は変更されない構成とすることにより、かかるポンプを適用する際の便宜が図られている。
以上のように、本実施の形態に係るベーンポンプ1の前記制御弁20は、前記バルブスプリング24のばね定数を小さく設定することにより、図8に示すように、エンジンがアイドル回転数以上となったときにスプール弁22が若干中圧室27寄りの位置で停止するように構成され、これによって前記第1ランド部22aの段差縮径部34と前記第1連通路31の一端側開口縁との間に前記絞り部33が構成されるようになっている。
したがって、この実施の形態によれば、ポンプが稼働する前記パワーステアリング装置の使用時には、カムリング6の両側部を介して流入した前記吐出圧を第1流体圧室11内に保持することが可能となるため、かかる実施の形態においても前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
しかも、この実施の形態の場合には、前記バルブスプリング24のばね定数を変更するのみによって、前述のようなカムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形量の低減化が図れることから、かかる効果を達成することに伴う製造コストの高騰化を最小限に抑えることができる。
図9及び図10は本発明に係る可変容量形ベーンポンプの第3の実施の形態を示し、前記第2の実施の形態の前記制御弁20において、図9に示すように、前記バルブスプリング24の内周側に、該バルブスプリング24よりも自然長が短く、かつ、かかるバルブスプリング24よりも大きなばね定数を有する第2のバルブスプリング35を追加したものである。なお、図9は、図8と同様、エンジンがアイドル回転以上となった際の前記制御弁20の状態を示している。
この第2のバルブスプリング35は、前記バルブスプリング24の内径よりも小さな外径を有すると共に、従来のバルブスプリングと同程度のばね定数に設定され、その自然長が、図10に示すように、前記制御弁20の開弁時に、つまり前記スプール弁22が中圧室27側に移動して前記高圧室26と第1流体圧室11とが連通された際に、スプール弁22の後端面と当接するような長さに設定されている。
すなわち、本実施の形態に係るベーンポンプ1の前記制御弁20は、閉弁時には前記バルブスプリング24によってスプール弁22が付勢され、開弁時には、前記第2のバルブスプリング35によって付勢されるようになっている。
よって、この実施の形態によれば、前記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるのは勿論のこと、前記制御弁20が開弁した後は、前記第2のバルブスプリング35によってバルブスプリング24と共にスプール弁22を付勢する構成としたことにより、バルブスプリング24のばね定数を低減してカムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形量の低減化を図りつつも、該カムリング6の偏心量については第2のバルブスプリング35の付勢力によって別個独立に制御することが可能となるため、かかるカムリング6の偏心量の適正な制御を行うことができる。
図11及び図12は本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第4の実施の形態を示し、基本的な構成は前記第2の実施の形態と同様であり、異なるところは、前記バルブスプリング24のばね定数を従来のものと同様の値に設定することによってエンジンがアイドル回転数に達しても前記スプール弁22の先端部はプラグ35に当接した状態が維持されて該スプール弁22の第1ランド部22aと前記第1連通路31の一端側開口縁の間に前記絞り部33が形成されない構成とし、その代わりに、かかるスプール弁22の第1ランド部22aの大径部における周方向の等間隔位置に、軸方向に沿って複数の切欠溝36を切欠形成して、これらの切欠溝36によってポンプ吐出圧を第1流体圧室11内に直接導入するように構成したものである。
すなわち、本実施の形態に係る前記ベーンポンプ1は、前記他の実施の形態のように前記絞り部33によって第1流体圧室11の内圧をポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持するのではなく、前記各切欠溝36を介して微量のポンプ吐出圧を前記高圧室26から第1流体圧室11内に直接導入することにより、該第1流体圧室11の内圧をポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持するようになっている。
なお、この際、前記スプール弁22の第1ランド部22aの大径部外周面には、前記高圧室26と低圧室28とを隔成するシール部材37が嵌着されているが、前記各切欠溝36の溝深さは前記シール部材37の径方向厚さ幅よりも大きく設定されており、前記高圧室26内のポンプ吐出圧は前記シール部材37の内周側を通って第1流体圧室11へと導入されるようになっている。
したがって、この実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるのは勿論のこと、前記高圧室26から第1流体圧室11へポンプ吐出圧を積極的に導入する構成としたことから、前記他の実施形態のようにカムリング6の両側部を介して第1流体圧室11にポンプ吐出圧を導入する場合と比較して、かかるポンプ吐出圧の漏れ量に依存することなく、常時一定のポンプ吐出圧を第1流体圧室11に導入させることができる。
これによって、前記第1流体圧室11の内圧を常時適正に管理することが可能となり、この結果、カムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形をより確実に低減することができる。
本発明は、前記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、前記スプール弁22の第1ランド部22aと第1連通路31の一端側開口縁とによって構成される前記絞り部33の形状やその流路径については、ポンプの仕様や大きさなどによりそれぞれ自由に変更することができる。
また、前記第2の実施の形態においては、ポンプ停止時、つまりエンジン停止時においては、前記スプール弁22の第1ランド部22aと第1連通路31の一端側開口縁との間に前記絞り部33が形成されない構成に限定されるものではなく、エンジンがアイドル回転数以上となったときに前記絞り部33が形成される構成となっていればよい。よって、例えば前記段差縮径部34の軸方向長さを長く設定して、エンジンの停止時及びアイドル回転時のいずれの場合にも前記絞り部33が形成される構成としても前記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、前記第3の実施の形態においては、前記バルブスプリング24の内周側に前記第2のバルブスプリング35が配設される構成に限定されるものではなく、例えばバルブスプリング24の外周側に第2のバルブスプリング35を配設する構成としてもよい。
また、前記第4の実施の形態において、前記各切欠溝36の断面形状及び数量については、ポンプの大きさやその仕様、並びにカムリング6の前記特定周方向領域部分Xの撓み変形量に応じて自由に変更することが可能である。
本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第1の実施の形態を示し、該ポンプの全体を説明する模式図である。 同実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する制御弁の拡大縦断面図である。 同実施の形態に係る可変容量型ベーンポンプにおいてポンプ吐出圧が5.5MPa程度のときのポンプ回転数あたりの第1、第2流体圧室の内圧及び吐出油の流量の関係を示すグラフである。 同実施の形態に係る可変容量型ベーンポンプにおいてカムリングに作用する第1、第2流体圧室の圧力分布図である。 同実施の形態に係る可変容量型ベーンポンプと従来のベーンポンプのカムリング撓み変形時のプロファイル変位量を示すグラフである。 本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第2の実施の形態を示し、該ポンプ停止時における制御弁の状態を示すである。 同実施の形態に係る可変容量型ベーンポンプと従来のベーンポンプの高圧室と中圧室の差圧に基づいたスプール弁の変位量を示すグラフである。 同実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する制御弁の拡大縦断面図である。 本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第3の実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する制御弁の拡大縦断面図である。 同実施の形態を示し、制御弁の開弁直後の状態を示す該制御弁の拡大断面図である。 本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第4の実施の形態を示し、本発明の主要部を説明する制御弁の拡大縦断面図である。 図11のA−A線断面図である。 従来のベーンポンプにおいてポンプ吐出圧が5.5MPa程度のときのポンプ回転数あたりの第1、第2流体圧室の内圧及び吐出油の流量の関係を示すグラフである。 従来のベーンポンプにおいてカムリングに作用する第1、第2流体圧室の圧力分布図である。
符号の説明
1…可変容量形ベーンポンプ
2…ポンプボディ
3…収容空間
4b…ストッパ
5…揺動支点ピン(揺動支点)
6…カムリング
7…駆動軸
8…ロータ
10…ポンプ室
11…第1流体圧室
12…第2流体圧室
13…ベーン
14…吸入ポート
16…吐出ポート
20…制御弁(圧力制御手段)
33…絞り部

Claims (7)

  1. ポンプボディ内部に形成された収容空間内に収容配置され、放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンを有し、駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    前記収容空間内に所定の揺動支点を有し、前記ロータの外周側に揺動可能に配設されて、隣接する前記各ベーンとロータと共に複数のポンプ室を画成するカムリングと、
    前記複数のポンプ室のうち、前記各ベーンの移動に伴いその容積が増大する領域に開口する吸入ポート及びその容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリング外周域の径方向両側に隔成され、該カムリングの偏心量の増加に伴い容積が減少する一方側の第1流体圧室及び相対的に容積が増加する他方側の第2流体圧室と、
    前記第1流体圧室側に設けられ、前記カムリングの偏心量を規制するストッパと、
    前記第1流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに高くなるように制御する一方、前記第2流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに低くなるように制御する圧力制御手段と、を備え、
    前記カムリングの偏心量が最大のときの前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 外部から導入された作動油を前記吸入ポートへ導く吸入通路と前記第1流体圧室とを、前記圧力制御手段を介して連通する連通路を有し、
    前記圧力制御手段は、前記カムリングの偏心量が最大のときに前記連通路内に絞り部を構成することを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  3. 前記圧力制御手段は、前記ポンプボディの内部に形成された弁孔内に軸方向へ摺動可能に設けられた弁体と、該弁体の軸方向一方側に配設され、前記弁体を軸方向他方側へ付勢する付勢部材と、を有し、
    前記弁体の軸方向他方側には、前記吐出ポートに接続される吐出通路の途中に設けられたオリフィスの上流側の圧力が導入される一方、前記弁体の軸方向一方側には、前記オリフィスの下流側の圧力が導入されることを特徴とする請求項2に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  4. 前記圧力制御手段は、前記弁体が前記付勢部材によって軸方向他方側の端部まで付勢された状態において前記連通路内に前記絞り部を構成することを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  5. 前記カムリングの偏心量が最大のときの前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吐出圧の50パーセントよりも高い圧力で保持したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  6. 前記カムリングを焼結材によって形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  7. ポンプボディ内部に形成された収容空間内に収容配置され、放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンを収容しつつ、エンジンからの動力を得て回転する駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    前記収容空間内に所定の揺動支点を有し、前記ロータの外周側に揺動可能に配設されて、隣接する前記各ベーンとロータと共に複数のポンプ室を画成するカムリングと、
    前記複数のポンプ室のうち、前記各ベーンの移動に伴いその容積が増大する領域に開口する吸入ポート及びその容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリング外周域の径方向両側に隔成され、該カムリングの偏心量の増加に伴い容積が減少する一方側の第1流体圧室及び相対的に容積が増加する他方側の第2流体圧室と、
    前記第1流体圧室側に設けられ、前記カムリングの偏心量が最大のとき該カムリングを支持するストッパと、
    前記第1流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに高くなるように制御する一方、前記第2流体圧室に導入される油圧を、前記カムリングの偏心量が最大のときよりも最小のときに低くなるように制御する圧力制御手段と、を備え、
    前記エンジンがアイドル回転状態以上の回転速度によって運転されているときであって、かつ、前記カムリングの偏心量が最大のときに、前記第1流体圧室の内圧を、ポンプ吸入圧よりも高い圧力に保持したことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011026997A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Kyb Co Ltd 可変容量型ベーンポンプ
JP2018111709A (ja) * 2008-09-05 2018-07-19 株式会社半導体エネルギー研究所 化合物

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