JP2009013023A - ポルトランドセメントクリンカおよびその製造方法 - Google Patents

ポルトランドセメントクリンカおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ケイ酸率を低くすることにより初期の水和熱を抑えたセメントクリンカ(例えば、中庸熱ポルトランドセメント)の製造に際して、廃棄物処理の観点からリン含有廃棄物をセメント用原料として用いた場合に生じる、長期材齢での圧縮強度の低下を抑制する。
【解決手段】 焼成後のポルトランドセメントクリンカの水硬率(HM)が1.80〜2.15、ケイ酸率(SM)が2.8〜4.5、P含有量が0.05〜2.0質量%となる範囲とし、かつMgO含有量が1.0質量%以下になるようにリン含有廃棄物、及びその他の原料の調合を調整する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なポルトランドセメントクリンカおよびその製造方法である。さらに詳しくは、水硬率(HM)が1.80〜2.15、ケイ酸率(SM)が2.8〜4.5としたポルトランドセメントクリンカにおいて、リンを含有する場合に長期材齢における強度発現性の低下が改善されたポルトランドセメントクリンカの製造方法に関する。
近年、下水汚泥、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰、高炉水滓スラグ、高炉徐冷スラグおよび鉄鋼スラグなどの廃棄物の処理が社会問題となっており、今後さらに処理の難しい廃棄物の量が増えることが予想される。
そのため、上記廃棄物の有効な処理方法の確立や再利用、再資源化への対応については、さらなる研究が必要となっている。
セメントの製造においては、上記廃棄物を原燃料として使用することで再資源化を行なっている。
しかしながら、これら廃棄物の中にはリン化合物が含有されており、これらを原料として用いた場合、焼成したセメントクリンカ中にも多く残存する。セメントクリンカ中のリン化合物の含有量の増大に伴い、セメントの強度発現性の低下を招くことが知られている。
リン化合物による強度発現性の低下への対応として、セメントクリンカ中のマグネシウム化合物(MgO)の含有量を増大させることにより、強度低下を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、P含有量が1質量%未満の場合には、MgO含有量を1〜5質量%に、P含有量が1〜2質量%の場合には、MgO含有量を2〜5質量%とすることにより、Pの含有による問題を解決できる。
しかしながらこの特許文献1には、実施例として水硬率(以下、「HM」とも略す)が2.15、ケイ酸率(以下、「SM」とも略す)が2.4のクリンカについて実験を行った結果が記載されているが、このHMやSMと、P量及びMgO量との関係は記載されておらず、HMやSMが異なる場合に、P含有量やMgO含有量が上記のすべての範囲で、常に同等の効果を与えるのか否かは明らかではない。
ポルトランドセメントのJIS規格では、MgO含有量は5質量%以下でなくてはならない。そこで、上記特許文献に記載の技術をさらに進め、Pが上記特許文献1に記載の範囲よりもさらに多量(〜5質量%)に含まれている場合において、MgOの含有量に拘らず前記Pの含有を問題とならなくすることが可能な技術として、HMが2.16〜2.40、SMが1.3〜2.4未満であるクリンカとすることが提案されている(特許文献2参照)。
また、上記特許文献2で提案されているポルトランドセメントクリンカよりも、HMがより小さい、即ちHMが1.8〜2.15で、SMが1.3〜2.4のポルトランドセメントクリンカでは、P含有量が0.3〜2.5質量%の範囲において、MgO含有量を1〜5質量%とすることにより、P含有による初期強度低下の影響を改善する技術も提案されている(特許文献3参照)。
なおポルトランドセメントはJIS R5210でその品質が定められており、圧縮強度の発現時間や水和熱量の違いなどによっていくつかに分類される。そのなかで中庸熱ポルトランドセメントは、初期強度は普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントに比べて低いが、水和熱が小さいため、ダムなどの巨大構造物の建設に用いた場合でも、発熱のためのひび割れ発生の可能性が小さく、また乾燥収縮も少ないなどの利点を有するセメントである。
特開2000−272939号公報 特開2002−187747号公報 特開2002−265242号公報
前記特許文献1〜3に記載の技術は、セメントの初期強度を向上させる(低下を防ぐ)という点で優れた技術であるが、未だ改善の余地があった。即ち、特許文献2、3等に記載のようなケイ酸率(SM)が2.4以下程度の低いポルトランドセメントクリンカでは、該クリンカ中のアルミニウム成分が増加するため、初期の水和発熱が活発であり、中庸熱ポルトランドセメントの規格を満たすことが困難である。即ち、水和熱を少なくするために、水和熱の大きいCS(3CaO・SiO)やCA(3CaO・Al)を減らして、水和熱の小さいCS(2CaO・SiO)を増加させることが行われるが、このためケイ酸率(SiO/[Al+Fe])が2.4よりもはるかに大きくなり、通常は本発明で規定するような値(2.8〜4.5程度)になる。そのため、よりSMの高いポルトランドセメントクリンカ、代表的には中庸熱ポルトランドセメントに適用可能な技術の開発が求められていた。
さらにセメントは、多くは土木、建築等に使用されるということから、初期強度も重要ではあるが、その特性としては長期強度がよりいっそう重要である。しかしながら本発明者らの検討によれば、リンを含有しない場合においては、比較的多量のMgOが存在しても長期強度に大きな影響はないが、リンを含有する場合(P換算0.05質量%以上)においては特許文献1〜3等に記載されているほどの量(1〜5質量%)のMgOを配合すると、長期強度の低下が無視しえないほどとなることが明らかとなった。
従って本発明は、ケイ酸率が高く、よって流動性に優れ、かつ長期強度にも優れるポルトランドセメントクリンカを、リン含有廃棄物を原料として用いることによりPを含有せざるを得ない場合でも製造することの可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なってきた。その結果、ケイ酸率(SM)が2.8以上のポルトランドセメントクリンカにおいては、リン含有廃棄物を原材料に用いるためPを比較的多量に含有する場合には、特許文献1〜3の開示とは異なり、MgOの添加量を特定量以下に調製することにより、長期材齢における圧縮強度の低下を改善できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、少なくともリン含有廃棄物をその原料の一部として用いる、水硬率(HM)が1.80〜2.15、ケイ酸率(SM)が2.8〜4.5、P含有量が0.05〜2.0質量%の範囲にあるポルトランドセメントクリンカの製造方法であって、焼成後のポルトランドセメントクリンカ中のMgOが1.0質量%以下となるように調製して原料を調合し、これを焼成することを特徴とする前記ポルトランドセメントクリンカの製造方法である。
本発明で製造されるポルトランドセメントクリンカは、SMが高いため、流動性が高く、水和発熱も比較的小さい。そして、そのようなクリンカにおいて、リン含有廃棄物を原料としているためにPを含有せざるを得ないにもかかわらず、長期強度の強度発現性の低下を防止することができる。
これにより、多量のリン化合物を含む廃棄物をセメント原料とすることが容易となり、よって廃棄物の有効利用、再資源化という要求に答えることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は水硬率(HM)が1.80〜2.15、ケイ酸率(SM)が2.8〜4.5のポルトランドセメントクリンカ(以下、単に「セメントクリンカ」ともいう)を製造する方法である。
HMは塩基性成分の酸性成分に対する比率をあらわすもので、高すぎても低すぎても適切な硬化反応を起こさず、例えば、HMが1.80を下回るようなセメントでは初期強度の強度発現性の低下が著しくなる。またHMが高いほどCaO含有量が多いことになるが、それに伴い水和熱も高くなる。また遊離CaOが残りやすくなるという問題もある。普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントではHMを2.2〜2.4程度とすることも可能であるが、初期発熱の小さいセメント(例えば中庸熱セメント)の製造を目的とする本発明においては、2.15以下でなくてはならない。該HMとしては、好ましくは1.90〜2.15である。
SMが2.8に満たないセメントクリンカでは、該セメントクリンカ中のアルミニウム成分が増加するため、初期の水和発熱が活発になり、流動性の低下や水和発熱量の増加などの問題が生じる。さらにSMが2.8を下回る場合には、本発明の手段を適用、即ち、セメントクリンカ中のP含有量を2.0質量%以下に抑え、かつMgO含有量を1.0質量%以下となるように原料を調合しても長期強度が発現しがたいという問題もある。一方、SMが4.5を超えるセメントクリンカでは、初期材齢における強度発現性の低下が著しく、製品としての価値をもつセメントとはならない。該SMとしては、好ましくは3.0〜4.0である。
本発明においては、上記のセメントクリンカを製造する際の原料として、少なくともリン含有廃棄物を用いる。換言すれば、本発明は、リン含有廃棄物をセメントクリンカの原料とすることによって廃棄物処理に貢献することを大目的とする。
なお本発明において当該リン含有廃棄物とは固形分換算でP含有率が0.1〜30質量%程度の廃棄物である。具体的には、例えば、下水汚泥、下水汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰、高炉水滓スラグ、高炉徐冷スラグおよび鉄鋼スラグなどが代表的なリン含有廃棄物として挙げることができる。本発明の製造方法において、このような廃棄物の種類は特に制限なく使用できる。原料におけるリン含有廃棄物の使用量も特に制限されず、廃棄物処理という観点からみれば多い方が好ましいが、セメントクリンカの化学成分の調製を考慮すると、その使用量としては、調合時の原料全体の5〜30質量%(セメントキルン投入直前時での固形物換算)程度が適当である。一方、廃棄物中のリン含有量にもよるが、リン含有廃棄物の使用量が5質量%程度以下の場合には、セメントクリンカ中のリン含有量がそれほど多くならず、本発明の方法を適用する必要は通常ない。
本発明においては、焼成後のセメントクリンカ中のP含有量が0.05〜2.0質量%となるように原料を調製(調合)することが重要である。より好ましくは、0.20〜1.5質量%となるような配合が良い。
2.0質量%を超えると、後述するMgOの含有量を1.0質量%以下にしても、長期材齢における強度発現性の低下が著しくなり、製品価値のあるセメントを得ることが困難である。また、初期材齢における強度も著しく低下する。さらに、一般にリン含有廃棄物はアルミニウム成分の含有量も高いため、P含有量2.0質量%以上にすると、本発明で規定するSMの範囲に調製することが難しくなるため、この点からも好ましくない。
一方、P含有量が0.05質量%未満の場合には、セメントの物性に与える影響がほとんどなく無視しうる程度であり、本発明の方法を適用する必要性がない。さらに0.05質量%未満では、セメントクリンカの原料としてリン含有廃棄物を使用する量が限られるため好ましくない。本発明の製造方法は、リン含有廃棄物を比較的多量に用いることが可能であり、またセメント物性に与える影響が大きいという点で、P含有量が0.1質量%以上、特に0.15質量%以上のセメントクリンカに適用することが好ましい。
本発明における最大の特徴は、焼成して得られるセメントクリンカ中のMgO含有量が、1.0質量%以下になるよう原料を調製(調合)する点にある。MgO成分は、廃棄物中に多量に含まれる場合があり(例えば、前掲特許文献2に記載の表1参照)、MgO量に着目した原料調整を行わないと、セメントクリンカ中に多量のMgOが含まれてしまう場合が少なくない。
焼成後のセメントクリンカ中のMgO含有量が1.0質量%を超えると、該セメントクリンカを用いて製造したセメントの長期材齢における強度発現性が低下してしまう。
本発明において、焼成して得られるセメントクリンカ中のMgO含有量は1.0質量%以下であれば特に制限されないが、好ましくは0.8質量%以下、特に0.4質量%以下である。
本発明において、焼成後のセメントクリンカのHM、SM、P含有量及びMgO含有量を上記範囲とする調製方法は、特に制限がなく、公知の方法を適宜採用すればよい。例えば、事前に廃棄物及びその他の原料(石灰石、粘土、珪石等)の組成を測定し、これら原料中の各成分の割合から上記範囲になるように各原料の調合割合を計算し、その割合で原料を調合すればよい。
なお本発明の製造方法で用いる上記リン含有廃棄物以外の原料は、従来のセメントクリンカの製造において使用される原料と同様のものが特に制限無く使用される。さらに、リン含有廃棄物以外の廃棄物を原料とすることも、むろん可能である。
本発明において製造されるポルトランドセメントクリンカの種類は、水硬率、ケイ酸率等が前記所定の範囲に調製されておれば、普通、早強、中庸熱、低熱などの種類は特に制限されないが、中庸熱ポルトランドセメントが好ましい。
本発明において、セメントクリンカの焼成方法は、公知の技術が特に制限無く使用できる。NSPキルンやSPキルンに代表されるセメントキルン等の高温加熱が可能な装置が好適に使用できる。
本発明の製造方法で製造されたポルトランドセメントクリンカは、石膏と共に粉砕又は個別に粉砕した後、混合することにより、それぞれのポルトランドセメントとされる。使用する石膏については、2水石膏、半水石膏、無水石膏等のセメントの製造原料として公知の石膏が特に制限無く使用できる。石膏の添加量は、ポルトランドセメント中のSO量が1.5〜4.0質量%となるように添加するが、1.8〜3.0質量%となるような添加がより好ましい。上記ポルトランドセメントクリンカ及び石膏の粉砕方法については、公知の技術が特に制限無く使用できる。
またセメントには、高炉スラグ、シリカ質混合材、石灰石、フライアッシュなどの混合材や粉砕助剤を適宜添加してもよい。
本発明の製造方法で得られたポルトランドセメントの粉末度は特に制限されないが、2800〜4500cm/gに調製されることが好ましい。
以下、実施例により本発明の構成及び効果を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
およびMgOの各含有量(焼成ベース)を変化させたセメント用原料をそれぞれ調製し、焼成して得られたクリンカと石膏から作製された中庸熱ポルトランドセメントのモルタル圧縮強度の発現性の比較を行なった。
(1)PおよびMgO含有量の測定:JIS R 5206に準拠する蛍光X線分析法により測定した。
(2)モルタル圧縮強度の測定:JIS R 5201規格に準拠する強さ試験により測定した。
実施例1
リン含有廃棄物として下水汚泥(P含有量22.0質量%)を用い、これと石灰石、粘土、珪石、銅カラミ、石炭灰を原料として、定法に従いセメントキルンで焼成してセメントクリンカを製造した。得られたセメントクリンカの化学組成及びボーグ式により算出される鉱物組成を表1に示す。
このセメントクリンカにSO含有量2.0〜2.1重量%となるように石膏を添加し、ブレーン比表面積3450〜3550cm/gとなるように粉砕し、セメントを作製した。このセメントを用いてJIS R 5201に準拠したモルタルの圧縮強度試験を行なった。この結果を表1に併せて示す。
実施例2〜10、比較例1〜6
焼成後のセメントクリンカの組成が表1に示す値になるように原料組成を変化させた以外は、実施例1と同様にしてセメントを製造し、モルタルの圧縮強度を測定した。結果を併せて表1に示す。
Figure 2009013023
実施例1〜10は、P含有量を0.05〜2.0質量%とした時において、MgOの含有量を0.05〜0.96質量%とした場合の結果であり、比較例1〜3は、P含有量を実施例と同等にして、MgO含有量を多くした場合の結果である。比較例1〜3の初期材齢(材齢7日)における圧縮強度は実施例に劣るものではないが、長期材齢(材齢56日)での圧縮強度が、実施例に比べて1割前後低下しており、MgO含有量を多くしすぎると長期強度の点で問題を生じることが明らかである。
特にP含有量が0.5質量%以下である場合には、MgO含有量を0.8質量%以下(より好ましくは0.4質量%以下)にすると、より長期強度に優れたセメントとできる。
比較例4、5には、P含有量が2.0質量%を超える場合を示す。MgO添加量にかかわらず初期材齢での圧縮強度が大きく低下しており、長期材齢における強度も低い。
比較例6には、SMが低い場合を示す。このようにSMが低いセメントクリンカでは、MgO含有量を抑えた場合であっても、Pが含有されることによって長期材齢における圧縮強度が著しく低下し、SMの高いセメントクリンカの場合のような効果は得られていない。

Claims (5)

  1. 少なくともリン含有廃棄物をその原料の一部として用いる、水硬率が1.80〜2.15、ケイ酸率が2.8〜4.5、P含有量が0.05〜2.0質量%の範囲にあるポルトランドセメントクリンカの製造方法であって、焼成後のポルトランドセメントクリンカ中のMgO含有量が1.0質量%以下となるように調整して原料を調合し、これを焼成することを特徴とする前記ポルトランドセメントクリンカの製造方法。
  2. 請求項1記載の方法で製造されたポルトランドセメントクリンカに、SO量が1.5〜4.0質量%になる量の石膏を加えるポルトランドセメントの製造方法。
  3. ポルトランドセメントがJIS R5210:2003で定める中庸熱ポルトランドセメントである請求項1又は2記載のポルトランドセメントの製造方法。
  4. リン含有廃棄物を原料として使用したポルトランドセメントクリンカであって、P含有量が0.05〜2.0質量%、MgO含有量が1.0質量%以下、水硬率が1.80〜2.15、ケイ酸率が2.8〜4.5であることを特徴とするポルトランドセメントクリンカ。
  5. 請求項4記載のポルトランドセメントクリンカに対して、SO量が1.5〜4.0質量%になる量の石膏が加えられたポルトランドセメント。
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