JP2009010305A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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【課題】 Brを良好に維持しながらHcJを向上させることができる希土類磁石の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の好適な希土類磁石の製造方法は、複数の原料化合物から構成される原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程とを有しており、原料化合物として、第1の原料化合物:R−T−B化合物及びR−T−B化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(但し、RはYを含む軽希土類元素を示し、Rは重希土類元素を示し、Tは希土類元素を除く金属元素を示し、少なくともFeを含む。)、第2の原料化合物:R−T化合物、R−T化合物及びR−T化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに、第3の原料化合物:Rを含み、第1及び第2の原料化合物よりも融点が高い化合物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、希土類磁石の製造方法に関する。
R−T−B(Rは希土類元素、Tは鉄等を含む金属元素)系の組成を有する希土類磁石は、優れた磁気特性を有する磁石であり、その磁気特性の更なる向上を目指して多くの検討がなされている。磁石の磁気特性を表す指標としては、一般に、残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)が用いられ、これらの積(最大エネルギー積)が大きいほど優れた磁気特性を有する磁石であると言うことができる。
希土類磁石においては、希土類元素の一部にDyやTbのような重希土類元素を用いることで、HcJを向上させ得ることが知られている。ところが、これらの重金属元素を含む組成は、例えばNdを含む組成に比べるとBrが小さいため、過度に含有するとかえって磁石の最大エネルギー積が低下してしまうことがあった。
そこで、例えば、下記特許文献1には、希土類磁石の主相を構成するNd−Fe−B合金に、Dy、Tb等の合金を添加してなる焼結体である希土類磁石が記載されている。このような希土類磁石は、粒界近傍のDyやTb等の濃度が高く、中心部にはDyやTb等が殆ど存在しないような不均一状態を有するため、少ない重希土類元素の添加量で高いHcJを有するようになることが示されている。
また、下記特許文献2には、通常の希土類磁石の組成を有する合金と、重希土類元素を含む希土類ホウ素化合物との焼結体からなる希土類磁石が記載されている。このような希土類磁石によれば、HcJを増大させ、なおかつBrの低下を小さく抑えることが可能となることが示されている。
特開昭62−206802号公報 特開昭63−272006号公報
近年では、希土類磁石の用途は多岐にわたっており、従来に比して高い磁気特性が求められる場合が増えてきている。そのような状況下、Brの低下を更に抑制しながらHcJを高めることで、一層高い最大エネルギー積を有する希土類磁石を得るための方法が模索されている。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、Brを良好に維持しながらHcJを向上させることができる希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の希土類磁石の製造方法は、複数の原料化合物から構成される原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程とを有しており、原料化合物として、第1の原料化合物:R−T−B化合物及びR−T−B化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(但し、RはYを含む軽希土類元素、Rは重希土類元素、Tは希土類元素を除く金属元素であって少なくともFeを含む元素である。)、第2の原料化合物:R−T化合物、R−T化合物及びR−T化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに、第3の原料化合物:Rを含み、第1及び第2の原料化合物よりも融点が高い化合物を用いたことを特徴とする。
上記本発明の希土類磁石の製造方法においては、原料粉末が、第1、第2及び第3の原料化合物という3種の原料化合物から構成されている。このような原料粉末を用いた場合、焼成工程において、第1の原料化合物から主として主相粒子、第2の原料化合物から主として粒界相が形成される。この際、第3の原料化合物は、第1及び第2の原料化合物よりも高融点であり、これらよりも遅れて反応を開始するため、主相粒子の内部は形成しないで、その外殻部分を主に形成すると考えられる。その結果、得られる希土類磁石は、主相粒子の外殻部分(シェル)の重希土類元素の含有割合が高く、中心部(コア)には重希土類元素を殆ど含有しない、いわゆるコアシェル構造を明瞭に有するものとなり得る。
したがって、本発明の製造方法により得られた希土類磁石は、重希土類元素の含有割合が大きいシェル部において高いHcJを有するとともに、重希土類元素を殆ど含有しないコア部によってBrが良好に維持されたものとなり得る。また、重希土類元素を、シェル部に選択的に含有させることでHcJを向上させ得ることから、希少な重希土類元素の使用量を少なくすることができ、また希土類磁石の製造コストを低減することも可能となる。
上記本発明の希土類磁石の製造方法においては、第3の原料化合物が、Rを含むホウ素化合物であると好ましい。第3の原料化合物としてこのようなホウ素化合物を用いることで、よりBrの低下を抑制しつつHcJを向上することができ、また、上述したコアシェル構造を更に良好に形成できるようになる。
さらに、本発明の希土類磁石の製造方法は、成形工程の前に、複数の原料化合物をそれぞれ粉砕して混合することにより原料粉末を得る粉砕工程を有しており、この粉砕工程から焼成工程までの工程を、酸素濃度が100ppm以下である雰囲気下で行うと更に好ましい。このように酸素濃度が低い環境で粉砕〜焼成工程を行うことにより、RやRの酸化を抑制して更にコアシェル構造を良好に形成することが可能となる。その結果、高Br及び高HcJを有する希土類磁石が一層得られ易くなる。
本発明によれば、Brを良好に維持しながらHcJを向上させることができる希土類磁石の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
好適な実施形態に係る希土類磁石の製造方法においては、まず、第1、第2及び第3の原料化合物を準備する。第1の原料化合物は、R−T−B化合物及びR−T−B化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、第2の原料化合物は、R−T化合物、R−T化合物及びR−T化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、第3の原料化合物は、Rを含み、第1及び第2の原料化合物よりも融点が高い化合物である。
ここで、上述した各原料化合物におけるRは、Yを含む軽希土類元素であり、具体的には、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm及びEuからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素が挙げられる。また、Rは、重希土類元素であり、具体的には、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素が挙げられる。さらに、Tは、希土類元素を除く金属元素であり、少なくともFeを含む。Tとしては、Feのほか、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等が挙げられる。なお、第1〜第3の原料化合物に含まれているR、R及びT等は、それぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。
第1の原料化合物である、R−T−B化合物又はR−T−B化合物としては、具体的には、それぞれR 14B又は(R14Bで表される組成を有する化合物が挙げられる。この第1の原料化合物におけるRとしては、Ndが好ましい。また、RとしてはDy又はTbが好ましく、原料コストを低減する観点からはDyがより好ましい。さらに、Tとしては、Feに加えてCoを含むと、希土類磁石のキュリー温度が向上するほか、耐食性も向上する傾向にある。また、Tとしては、Fe、Coに加えて、Al及び/又はCuを含むと、優れたHcJ、耐食性及び温度特性が得られる傾向にあるため、より好ましい。
また、第2の原料化合物であるR−T化合物、R−T化合物又はR−T化合物としては、それぞれ、R 17、(R17、R 17、R 等で表される組成を有する化合物が挙げられる。これらの第2の原料化合物におけるRとしては、Ndが好ましく、Rとしては、Dy又はTbが好ましく、Dyがより好ましい。また、Tとしては、必須元素であるFeに加えてAl及び/又はCuを含むとより好ましい。
さらに、第3の原料化合物であるRを含み、第1及び第2の原料化合物よりも融点が高い化合物としては、RとB又はAlとを組み合わせた化合物、すなわち、R−B化合物又はR−Al化合物が挙げられ、具体的には、R又はR或いはR Al又はRAlで表される組成を有する化合物が好適である。第3の原料化合物におけるRとしては、Dy又はTbが好ましく、Dyがより好ましい。この第3の原料化合物は、第1及び第2の原料化合物のうちの融点の高い方の化合物と比べて、更に10℃以上融点が高いと好ましく、30℃以上融点が高いとより好ましい。
各原料化合物は、例えば、これらの構成金属の原料(金属単体や合金等)を用いてストリップキャスト法等を行うことで、所望とする組成を有する塊状の各原料化合物(原料合金)を製造することにより得ることができる。原料としては、例えば、希土類金属又は希土類合金、純鉄、フェロボロン、或いはこれらの合金等が挙げられる。
希土類磁石の製造においては、次いで、上記で準備した各原料化合物をそれぞれ粒子状となるように粉砕し、これらを混合して原料粉末を得る(粉砕工程)。原料化合物の粉砕は、粗粉砕工程及び微粉砕工程の2段階の工程で行うことが好ましい。粗粉砕工程は、例えば、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中で行うことができる。また、得られる希土類磁石中の酸素濃度を低減して良好な磁気特性を得る観点からは、原料化合物に水素を吸蔵させ、体積膨張によるクラック発生を利用して粉砕する水素吸蔵粉砕を行うことが好ましい。粗粉砕工程においては、各原料化合物の粒径が数百μm程度となるまで粉砕を行う。
次に、微粉砕工程において、粗粉砕工程で得られた粉砕物を、更に平均粒径が3〜5μmとなるまで微粉砕する。微粉砕は、例えば、ジェットミルを用いて行うことができる。
その後、得られた各原料化合物の粉末を、例えば窒素雰囲気中で混合することにより原料粉末を得る。第1〜第3の原料混合物の粉末の混合比率は、所望とする希土類磁石の組成が得られるように調整する。
続いて、上述した原料粉末を成形して成形体を得る(成形工程)。成形は、例えば、原料粉末を電磁石中に配置された金型内に充填した後、電磁石により磁場を印加して原料粉末の結晶軸を配向させながら、原料粉末を加圧することにより行なうことができる。この磁場中の成形は、例えば、12.0〜17.0kOeの磁場中、0.7t/cm〜1.5t/cm程度の圧力で行うことができる。
次に、得られた成形体を、真空又は不活性ガス雰囲気中で焼成して、焼結体を得る(焼成工程)。焼成は、組成、粉砕方法、粒度等の条件に応じて適宜設定することが好ましいが、例えば、1000〜1100℃で1〜5時間行なえばよい。なお、後述するようなコアシェル構造を良好に形成する観点からは、例えば、焼成時間等の焼成条件を適宜変化させてもよい。
本実施形態の希土類磁石の製造方法において、上述した粉砕工程〜焼成工程までの一連の工程は、酸素濃度が好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下である雰囲気下で行うことが好ましい。このような雰囲気としては、酸素濃度が100ppm以下である真空又は不活性ガス雰囲気が挙げられる。こうすることで、得られる希土類磁石に不可避的に含まれる酸素の含有量を大幅に低減することが可能となり、希土類磁石に含まれるRやRの酸化が抑制され、HcJに寄与するRリッチ相の量を増加させることができる。また、後述するようなコアシェル構造が一層良好に形成されるようになる。
焼成工程後には、得られた焼結体に対し、必要に応じて時効処理を施す。時効処理は、焼結体に対する熱処理であり、希土類磁石のHcJを更に向上させることができる。時効処理は、例えば、2段階に分けて行うことができ、この場合、800℃近傍、及び600℃近傍の2つの温度条件で時効処理を行うと好ましい。かかる条件で時効処理を行うと、特に優れたHcJが得られる傾向にある。一方、時効処理を1段階で行う場合は、600℃近傍の温度とすることが好ましい。
そして、このような時効処理後、必要に応じて焼結体を所望の形状に加工等することによって、希土類磁石を得ることができる。
上述した本実施形態の製造方法によれば、例えば、以下に示すような構造を有する希土類磁石が得られる。図1は、好適な実施形態の製造方法により得られた希土類磁石の断面構成を拡大して示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の希土類磁石1は、主相粒子2及び粒界相4から構成される。主相粒子2は、当該粒子2の中心部分を構成するコア部12と、このコア部12を覆うように主相粒子2の外殻部分を形成するシェル部14とから構成されている。
主相粒子2は、R 14B、R 14B及び(R14Bで表される組成が組み合わされた、正方晶系の結晶構造を有する相である。この主相粒子2は、主にRの含有割合が異なるコア部12及びシェル部14を有している。すなわち、シェル部14は、コア部12に比してRの含有割合が高くなっている。
一方、粒界相4は、主に希土類磁石1を構成している主相粒子2間に介在する相であり、主相粒子2とは異なる組成を有する相である。このような粒界相4は、例えば、主相粒子2よりも希土類元素R(R及びR)の含有割合が大きいRリッチ相や、Bの含有割合が大きいBリッチ相等を含む(図示せず)。
このような構成を有する希土類磁石1は、例えば、各構成元素の含有割合が以下に示すような割合で含まれるものである。
すなわち、まず、RとRとを組み合わせた希土類元素Rの含有割合は、25〜35質量%であると好ましく、28〜33質量%であるとより好ましく、29〜32質量%であると更に好ましい。Rの含有割合が25質量%未満であると、主相であるR14B相が形成され難くなって、軟磁性を有するα−Fe相が形成され易くなり、その結果HcJが低下する場合がある。一方、35質量%を超えると、R14B相の体積比率が低くなり、Brが低下するおそれがある。また、Rと酸素とが反応することで酸素の含有割合が過度に増加し、これに伴ってHcJに寄与するRリッチ相が減少することによりHcJも低下する場合がある。
また、B(ホウ素)の含有割合は0.5〜4.5質量%であると好ましい。Bの含有割合が0.5質量%未満であると、HcJが低下するおそれがあり、4.5質量%を超えると、Brが不十分となる傾向にある。これらの観点から、Bの含有割合は、0.5〜1.5質量%であると好ましく、0.8〜1.2質量%であるとより好ましい。
本実施形態の希土類磁石1は、Tで表される元素として少なくともFe(鉄)を含むが、Feの含有割合は、上述した必須の構成元素のほか、後述する任意の添加元素を除く残部となる。また、希土類磁石1においては、Tの一部がCo(コバルト)であってもよい。Coを含むことで、希土類磁石1のキュリー温度が向上したり耐食性が向上したりする傾向にある。Coの含有割合は4質量%以下(0質量%を含まず)であると好ましく、0.1〜2.0質量%であるとより好ましく、0.3〜1.0質量%であると更に好ましい。
さらに、希土類磁石1は、Al(アルミニウム)及び/又はCu(銅)を合計で0.2〜0.6質量%含むと好ましい。この範囲でAl又はCuを含むことにより、希土類磁石1のHcJ、耐食性及び温度特性を良好にすることができる。また、希土類磁石1は、Zr(ジルコニウム)を好ましくは0.03〜0.25質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%、更に好ましくは0.1〜0.15質量%含有してもよい。Zrは、希土類磁石1の製造過程での結晶粒の異常成長を抑制することができ、得られる焼結体(希土類磁石1)の組織を均一且つ微細にして磁気特性の向上に寄与する。
さらにまた、希土類磁石1は、大気中の酸素等に由来するO(酸素)が含まれることがあるが、希土類磁石1の酸素量は、2000ppm以下であると好ましく、1500ppm以下であるとより好ましく、1000ppm以下であると更に好ましい。このように酸素量が少ないと、非磁性成分である酸化物相の析出が抑制され、より優れた磁気特性を得ることが可能となる。
なお、本実施形態の希土類磁石1は、上述した各構成元素のほか、例えば製造過程等で不可避的に含まれるMn、Ca、Ni、Si、Cl、S、F等の不可避不純物が、例えば、0.001〜0.5質量%程度含まれる場合もある。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明の希土類磁石の製造方法及びかかる製造方法により得られる希土類磁石は、必ずしも上述した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態の製造方法では、原料化合物として第1〜第3の原料化合物のみを用いたが、これに限定されず、例えば添加元素等を含有させるための他の原料化合物を更に用いてもよい。また、好適な実施形態により得られる希土類磁石1において、主相粒子2は、図1に示すようなコア部12及びシェル部14を有していたが、これらは便宜上、明確に区別して説明を行なったものであり、実際にはこのように明確に境界を区別できるものでなくてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[希土類磁石の作製]
(実施例1〜2、及び、比較例1〜3)
まず、第1〜第3の原料化合物として、下記表1に示す合金a1〜a6、合金b及び合金c1〜c2をそれぞれ準備した。これらは、各合金の原料金属を準備し、これらを用いて、合金a及び合金bはストリップキャスト法、合金cはアーク溶解による鋳造を行なうことにより製造した。なお、表中、「Bal.」は、他の構成元素の含有割合を除いた残部であることを意味する。
Figure 2009010305
次に、上記で得られた各原料化合物をそれぞれ粉砕した後、混合する粉砕工程を行った。この工程では、まず、各原料化合物に水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気で600℃、1時間の脱水素を行う水素粉砕処理を行った。続いて、水素粉砕後の粉末に、粉砕助剤としてオレイン酸アミドを0.15wt%添加し、ナウターミキサーを用いて5〜30分間混合した後、ジェットミルを用いて微粉砕を行い、平均粒径が3μmである粉末とした。
そして、各原料化合物から得られた微粉を、表2に示す原料化合物の組み合わせ及び配合割合となるように混合して、実施例1〜2及び比較例1〜3の希土類磁石に対応する原料粉末をそれぞれ調製した。表中の数値の単位は、いずれも重量%である。なお、本実施例では、この粉砕工程から、焼成工程までの各工程を、100ppm未満の酸素濃度の雰囲気下で行なった。
Figure 2009010305
それから、各原料粉末について、電磁石中に配置された金型内に充填した後、15kOeの磁場を印加しながら1.2t/cmの圧力を加える磁場中成形をそれぞれ行い、成形体を得た。その後、成形体を、真空中で1030℃で4時間焼成した後、急冷して焼結体を得た。そして、得られた焼結体に対し、850℃で1時間、及び、540℃で2時間(ともにAr雰囲気中)の2段階の時効処理を施すことにより、実施例1〜2及び比較例1〜3の希土類磁石をそれぞれ得た。
なお、これらの希土類磁石は、全て、Nd:25.3wt%、Dy:5wt%、Al:0.2wt%、Cu:0.07wt%、Co:0.5wt%、B:1.0wt%、Zr:0.2wt%、Fe:残部の組成となるように原料化合物の混合率を調整して得られたものである。
[特性評価]
得られた実施例1〜2及び比較例1〜3の各希土類磁石について、B−Hトレーサーを用いてBr(残留磁束密度、単位:kG)及びHcJ(保磁力、単位:kOe)をそれぞれ測定した。得られた結果を表3及び図2にまとめて示す。図2は、希土類磁石により得られたHcJに対するBrの値をプロットした図である。なお、表3及び図2に示した結果は、各実施例又は比較例の希土類磁石について3つのサンプルを作製して測定を行い、平均して得られた値である。また、図2中に引いた実線は、Ndに対するDyの置換量を変化させた場合に得られる磁気特性の変化を示す直線であり、技術的に同様の磁気特性ポテンシャルであることの目安を示している。
Figure 2009010305
表3及び図2より、原料化合物として、第1、第2及び第3の原料化合物を組み合わせた実施例1及び2の希土類磁石は、第1及び第2の原料化合物を組み合わせた比較例1、第1及び第3の原料化合物を組み合わせた比較例2、並びに、2種類の第1の原料化合物と第3の原料化合物を組み合わせた比較例3と比べて、高いBrを維持しながら優れたHcJが得られることが確認された。
好適な実施形態の製造方法により得られた希土類磁石の断面構成を拡大して示す模式図である。 実施例1〜2及び比較例1〜3の各希土類磁石により得られたHcJに対するBrの値をプロットした図である。
符号の説明
1…希土類磁石、2…主相粒子、4…粒界相、12…コア部、14…シェル部。

Claims (3)

  1. 複数の原料化合物から構成される原料粉末を成形して成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を焼成する焼成工程と、を有しており、
    前記原料化合物として、
    第1の原料化合物:R−T−B化合物及びR−T−B化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(但し、RはYを含む軽希土類元素、Rは重希土類元素、Tは希土類元素を除く金属元素であって少なくともFeを含む元素である。)、
    第2の原料化合物:R−T化合物、R−T化合物及びR−T化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに、
    第3の原料化合物:Rを含み、前記第1及び第2の原料化合物よりも融点が高い化合物、を用いたこと、
    を特徴とする希土類磁石の製造方法。
  2. 前記第3の原料化合物が、Rを含むホウ素化合物である、ことを特徴とする請求項1記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 前記成形工程の前に、複数の前記原料化合物をそれぞれ粉砕して混合することにより前記原料粉末を得る粉砕工程を有しており、
    前記粉砕工程から前記焼成工程までの工程を、酸素濃度が100ppm以下である雰囲気下で行う、ことを特徴とする請求項1又は2記載の希土類磁石の製造方法。
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