JP2009007234A - 塩類の固結防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩類の固結を防止する新規な技術を提供する。
【解決手段】ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩類の固結防止方法に関し、特に、カリウム塩の固結防止方法に関する。
塩類の中には、空気中または保存容器中の水分や、それ自体に含まれる水分により固結しやすいものがあり、その防止方法が検討されている。たとえば、食塩(塩化ナトリウム)の固結を防止する技術として、特許文献1および2に記載のものがある。
特許文献1には、塩化ナトリウムの結晶表面をトレハロースで被覆することが記載されている。
また、特許文献2には、食塩を貯蔵する際に、食塩にリン酸水素二ナトリウム液を噴霧添加し、その後、炭酸マグネシウム粉末を添加することが記載されている。
特開2000−233923号公報 特開平6−24738号公報 財団法人塩事業センター、「塩試験方法 第3版」、2007年1月1日発行、p.96−97
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、塩類の固結を防止する新たな技術を提供する。
本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を含有する、固結防止剤が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における固結防止剤と、塩類からなる固結性物質とを含む調味料が提供される。
また、本発明によれば、塩類からなる固結性物質と、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを共存させる、固結防止方法が提供される。
また、本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩と、塩類からなる固結性物質とを含む組成物であって、前記固結性物質が、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含み、前記組成物全体に対する前記塩化カリウムの割合が40重量%以上60重量%以下であり、前記組成物全体に対する前記塩化ナトリウムの割合が40重量%以上60重量%以下である、組成物が提供される。
本発明において、ポリ−γ−グルタミン酸(以下、γ−PGAとも呼ぶ。)とは、構成アミノ酸がグルタミン酸である高分子化合物である。
本発明によれば、塩類からなる固結性物質とγ−PGAとを共存させることにより、塩類の固結を効果的に抑制することができる。なお、この理由は必ずしも明らかではないが、塩類に比べてγ−PGAの方が吸湿しやすいため、塩類の吸湿および乾燥による固結の進行が抑制されることが推察される。
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を含有する固結防止剤を添加する工程を含む飲食品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における固結防止剤と、塩類からなる固結性物質とを含む、飲食品が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における調味料を含む、飲食品が提供される。
また、本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩の固結防止剤としての使用が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を用いることにより、塩類からなる固結性物質の固結を効果的に防止することができる。
本発明の固結防止剤は、γ−PGAまたはその塩を含有する。この固結防止剤は、具体的には、γ−PGAのナトリウム塩を主として(たとえば、50重量%以上)含む。固結防止剤の形態には特に制限はなく、粉末、顆粒、錠剤、液体、またはゲル状等が例示され、さらに具体的には、粉末状または顆粒状である。
本発明において、γ−PGAの重量平均分子量は、塩類の固結をさらに安定的に防止する観点では、たとえば3000以上とすることが好ましく、5000以上とすることがさらに好ましく、1万以上とすることがより一層好ましい。
また、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば300万以下、さらには100万以下、さらには10万以下であっても効果が得られることが確認されている。
なお、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば光散乱法により測定される。
本発明に用いられるγ−PGAは、納豆の粘質物中のγ−PGAを抽出して用いてもよく、納豆菌等のバチリス属の菌体外に分泌するγ−PGAを用いてもよい。また、納豆粘質物中の、あるいは納豆菌が同時に分泌するレバンを含んでいても何ら支障がない。また、所定の分子量のγ−PGAを得るには、当該分子量より大きいγ−PGAを酸あるいはγ結合を分解する腸内には存在しない特殊な酵素により低分子化する方法と、納豆菌等の培養により当該分子量のγ−PGAを分泌させる方法があるが、そのどちらのγ−PGAを用いても何ら影響しない。
γ−PGAは一般にナトリウム塩として得られるが、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等の他の金属塩あるいはフリーのポリグルタミン酸であってもよい。
本発明の固結性物質は、たとえば固結性または潮解性の塩類からなる固結性物質に対して用いられる。固結性物質は、無機酸塩および有機酸塩のいずれであってもよい。固結性物質として、塩化カリウム、水酸化カリウム、グルタミン酸カリウム、イノシン酸カリウム、グアニル酸カリウム、クエン酸3カリウム等のカリウム塩;
塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等のナトリウム塩;
塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、イノシン酸カルシウム、グアニル酸カルシウム等のカルシウム塩;
塩化マグネシウム等のマグネシウム塩;
等の塩類が例示される。固結性物質は、一種類の塩からなるものであってもよいし、二種類以上の塩を含んでもよい。また、本発明における固結防止剤は、一種類の塩に対して用いられてもよいし、また、二種類以上の塩の混合物に対して用いられてもよい。
塩類として、さらに具体的には、カリウム塩およびナトリウム塩が挙げられ、より具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびこれらの混合物が挙げられる。
また、固結性物質の具体的な性状は、結晶状、粉末状、粒状等の固体である。本発明の固結防止剤は、特に、結晶状の塩類に添加して用いたときの固結防止効果により一層優れている。
本発明において、固結防止効果をさらに効果的に発揮させる観点では、固結性物質とγ−PGAの合計に対するγ−PGAの割合が、たとえば0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.2重量%以上となるようにγ−PGAを配合する。
また、固結防止効果をさらに安定的に発揮させる観点では、固結性物質とγ−PGAの合計に対するγ−PGAの割合が、たとえば0.8重量%未満、好ましくは0.6重量%以下、さらに好ましくは0.4重量%以下となるようにγ−PGAを配合する。
本発明の固結防止剤は、塩類の固結を抑制する機能を有するため、固結性物質として塩類を含む調味料等に好適に用いられる。また、本発明の調味料は、γ−PGAまたはその塩と、塩類からなる固結性物質とを含む。調味料の性状は、たとえば粉末状、顆粒状等の粒状、錠剤である。また、調味料中の固結性物質は、たとえば結晶状である。
本発明の固結防止剤は、固結防止対象である塩類と共存させることにより、塩類の固結を防止することができる。よって、調味料への添加時期に特に制限はない。たとえば、調味料の製造工程中に固結防止剤を添加してもよいし、製造後、得られた調味料に固結防止剤を添加してもよい。
さらに具体的には、粉末状の固結防止剤と固結性物質とを混合してもよい。
また、固結性物質の表面を固結防止剤で被覆してもよい。被覆方法に特に制限はないが、たとえば、固結性物質に固結防止剤の溶液(たとえば、水溶液)を添加、混合した後、乾燥することにより、固結性物質の粉末の表面をγ−PGAで被覆することができる。固結防止剤の添加方法として、たとえば、スプレー塗布等の塗布法や滴下法が挙げられる。また、混合物の乾燥方法として、たとえば熱風乾燥が挙げられる。
γ−PGAは、固結性物質の表面を層状に被覆していてもよい。被覆層の厚さは、γ−PGAと固結性物質との割合や、固結性物質の粒径もしくは比表面積等によって調整され、実用上問題ない程度の固結防止効果が得られる厚さであればよい。また、被覆層は、実用上問題ない程度の固結防止効果が得られればよく、固結性物質粉の表面全面を覆っていてもよいし、表面の一部を覆っていてもよい。
固結性物質の表面に、固結防止剤の被覆層を形成することにより、固結性物質の外側にγ−PGAをより一層均一に存在させるともに、調味料中のγ−PGAの偏在を抑制することができるため、塩類の固結をより一層効果的に防止することができる。この作用効果は、固結性物質が塩類の結晶であり、結晶がγ−PGAにより被覆されている場合に顕著に発揮される。
調味料の具体例として、食塩および各種配合調味料が挙げられる。調味料は、固結性物質として、上述の塩類を含む。また、調味料は、さらに具体的には、固結性物質として塩化カリウムを含む。また、調味料は、固結性物質としてカリウム塩およびナトリウム塩を含んでもよく、さらに具体的には、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含む。このような調味料は、食塩の一部を塩化カリウムで代替したいわゆる減塩調味料として好適に用いられる。
また、固結性物質が塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含む場合、固結防止効果をさらに効果的に発揮させる観点では、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムの重量比が同程度であることが好ましく、具体的には、γ−PGAおよび固結性物質を含む組成物全体に対する塩化カリウムの割合を40重量%以上60重量%以下とし、組成物全体に対する塩化ナトリウムの割合を40重量%以上60重量%以下とすることが好ましい。
調味料の固結防止効果をさらに効果的に発揮させる観点では、調味料全体に対するγ−PGAの割合が、たとえば0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.2重量%以上となるようにγ−PGAを配合する。
また、調味料の固結防止効果をさらに安定的に発揮させる観点では、調味料全体に対するγ−PGAの割合が、たとえば0.8重量%未満、好ましくは0.6重量%以下、さらに好ましくは0.4重量%以下となるようにγ−PGAを配合する。
なお、調味料全体に対する固結性物質の割合に特に制限はなく、調味料の種類に応じて適宜設定されるが、たとえば0.1重量%以上99.99重量%以下とする。
また、調味料がγ−PGA、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含むとき、各成分をたとえば以下の割合で配合してもよい。
γ−PGA:0.05重量%以上0.8重量%以下
塩化カリウム:0.5重量%以上90重量%以下
塩化ナトリウム:9.2重量%以上99.45重量%以下
また、調味料がγ−PGA、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含む組成物であるとき、固結防止効果をさらに効果的に発揮させる観点では、各成分を以下の割合で配合することが好ましい。
γ−PGA:0.05重量%以上0.8重量%以下
塩化カリウム:40重量%以上60重量%以下
塩化ナトリウム:40重量%以上60重量%以下
本発明の調味料は、γ−PGAを含むため、たとえば、密閉容器に収容されて外気から遮断された状態または外気に接する状態において、容器内または外気の水分による吸湿固結が効果的に抑制される。また、通常、調味料中にはわずかに水分が含まれるため、調味料に荷重が付加されることにより、固結が促進されることがある。本発明によれば、たとえば、こうした荷重による固結(以下、「荷重固結」とも呼ぶ。)を抑制することができる。
なお、本発明の固結防止剤は、既知の他の固結防止物質と組み合わせて用いることもできる。また、本発明の調味料は、本発明の固結防止剤に加えて、既知の他の固結防止物質を含んでもよい。本発明の固結防止剤と、他の固結防止物質とを組み合わせることにより、固結性塩類の固結をより一層安定的に抑制することができる。他の固結防止物質の具体例として、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;
リン酸三カルシウム、無水リン酸ナトリウム等のリン酸塩;
クエン酸アンモニウム;および
硫酸マグネシウム等が挙げられる。
また、本発明において、調味料は、調理食品をはじめとする各種飲食品に用いられる。飲食品の具体例として、
お吸い物、味噌汁、コンソメスープ等の和風汁物類およびスープ類;
米飯、粥およびおにぎり等の米飯加工品;
煮物類;
酢の物、おひたしまたは和え物類;
そば、うどん、ラーメン、スパゲッティー等のパスタおよびその他の麺類;
焼き肉、ステーキ、焼き鳥、焼き魚、野菜のグリル、野菜炒め等の焼き物または炒め物;
ゆで卵、目玉焼き、卵焼き等の卵加工食品;および
茹で野菜、生野菜等のサラダ類が挙げられる。
本発明で用いられるγ−PGAは、水に溶解しやすいため、リン酸三カルシウム等の従来の固結防止物質に比べて、飲食品に添加した際の濁りを抑制することができる。また、本発明で用いられるγ−PGAは、カリウム塩に特有の苦味およびエグミを抑制することができるため、カリウム塩を含む飲食品に用いると、さらに呈味を改善することができる。
また、本発明における固結防止剤または調味料が、固結性または非固結性の各種ミネラルを含んでいてもよい。ミネラル類としては、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅、セレンなどの生体必須ミネラルの一部あるいは全部が対象となる。また、用いるミネラルの形態には制限はないが、たとえばカルシウムでは、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなどの化学的合成品の食品添加物、及び貝カルシウム、骨カルシウムなどの天然カルシウムが対象となる。鉄では、塩化第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄などの化学的合成品の食品添加物、及びヘム鉄などの天然鉄が対象となる。
また、飲食品全体に対するミネラル類の合計濃度は、ミネラル類を効率よく摂取する観点では、たとえば0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上とする。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。これらはあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、以上においては、本発明の固結防止剤を調味料等の食用とする場合を例に説明したが、本発明の固結防止剤は、食用以外の物質に用いることもできる。
以下の実施例においては、γ−PGAとして、味の素社製カルテイク(登録商標)を用いた。用いたγ−PGAの分子量は、3万程度であった。また、以下の実施例において、特にことわりのない場合、「%」とは「重量%」のことである。
(実施例1)
本実施例では、塩化カリウム(KCl)と塩化ナトリウム(NaCl)の混合物に、γ−PGAを添加し、固結に対する影響を評価した。
(試料)
NaCl:KCl=50:50の混合物に、各種濃度でγ−PGAを配合した。具体的には、NaCl、KClおよびγ−PGAの合計に対するγ−PGAの割合が、0、0.1、0.2、0.4および0.6重量%となるようにγ−PGAを添加し、混合した(サンプルNo.1〜5)。
KClおよびNaClを、それぞれ、サンプルNo.6および7とし、γ−PGAを添加せずに評価した。
NaCl:KCl=50:50の混合物に、炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムを添加した。具体的には、NaCl、KClおよび炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムの合計に対する炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムが、0.4重量%または0.8重量%となるように炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムを添加し、混合した(サンプルNo.8〜11)。
また、NaCl:KCl=50:50の混合物に、各種濃度でγ−PGAをコーティングした。具体的には、NaClとKClの混合物を混合しながら、γ−PGAを所定量含む水溶液を添加した。添加後、均一に混ざったことを確認した後、乾燥機に移して85℃で10分乾燥した。γ−PGAの添加濃度は、NaCl、KClおよびγ−PGAの合計に対するγ−PGAの割合で、0、0.05、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8および1重量%とした(サンプルNo.12〜19)。なお、γ−PGA添加濃度が0%のサンプルNo.12については、γ−PGA水溶液に代えて水を用いて同じ工程を行った。
(評価)
得られた各サンプルについて、以下の方法で荷重固結性および吸湿固結性を評価した。
荷重固結性:荷重固結テスト器に、試料を約30g入れ、900kgコンテナ充填時相当の錘を乗せた後、30℃、Rh(相対湿度)34%の調湿庫に入れて7日間保存し、保存後の状態を確認するとともに、後述の方法で固結率を算出した。
吸湿固結性:秤量瓶に、試料を約10g計量後、24.0℃、Rh54%の調湿庫に入れて7日間保存した。3日後および7日後について状態を確認するとともに、後述の方法で7日後の固結率を算出した。
荷重固結性および吸湿固結性いずれについても、保存後の状態を目視等で確認し、以下のように分類した。
サラサラ:固結していない
擬似固結:軽い振動または指で軽く押すと壊れる
固結:強い振動を与えても壊れない
また、固結率は、非特許文献1に記載の「固結率(ふるい分け法)」に準じて算出した。具体的には、目開き2.0mmの篩を用い、1回の測定あたり10gの試料を篩上に載せて分別し、篩上に残った試料の重量を測定した。
評価結果を表1〜表4に示す。表1〜表4より、γ−PGAを添加することにより、荷重固結性および吸湿固結性をともに改善できることがわかる。
また、γ−PGAをコーティングしたサンプルNo.13〜19では、コーティングしていないサンプルNo.2〜5に比べて、目視における試料の均一性がより一層優れており、偏析の発生が抑制されていることが推察された。
Figure 2009007234
Figure 2009007234
Figure 2009007234
Figure 2009007234
(実施例2)
本実施例では、γ−PGAと他の固結防止物質とを併用したときの固結性を評価した。
(試料)
市販の食塩に、γ−PGAを0.2重量%となるように添加し、混合した。これをサンプルNo.20とした。
NaCl:KCl:γ−PGA=49.8:50:0.2の混合物に、所定量の炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムを添加し、混合した(サンプルNo.21〜25)。
(評価)
秤量瓶に試料を3g入れ、開放状態で静置した。保存条件は、実施例1よりも過酷なものとし、24.0℃、Rh65%で17時間保存した後、24.0℃、Rh74%で7時間保存、のサイクルを繰り返した。1日後および3日後の状態の変化を目視で観察した。保存後の状態は、以下のように分類した。
○:瓶を傾ければ動く
△:瓶を振れば動く
×:瓶を叩けば動く。
評価結果を表5に示す。
Figure 2009007234
以上の実施例より、γ−PGAを用いることにより、塩類からなる固結性物質の固結を効果的に防止することができる。
また、固結性物質が塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを同程度の重量比で含むとき、γ−PGAを用いた際の固結防止効果がより一層安定的に発揮される。

Claims (12)

  1. ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を含有する、固結防止剤。
  2. 当該固結防止剤が、塩類からなる固結性物質の固結防止剤である、請求項1に記載の固結防止剤。
  3. 前記固結性物質が、カリウム塩またはナトリウム塩である、請求項2に記載の固結防止剤。
  4. 前記固結性物質が、前記塩類の結晶である、請求項2または3に記載の固結防止剤。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の固結防止剤と、塩類からなる固結性物質とを含む調味料。
  6. 粉末状または粒状である、請求項5に記載の調味料。
  7. 前記塩類の結晶を含み、前記結晶が前記ポリ−γ−グルタミン酸により被覆された、請求項5または6に記載の調味料。
  8. 前記調味料全体に対する前記ポリ−γ−グルタミン酸の割合が、0.05重量%以上0.8重量%未満である、請求項5乃至7いずれかに記載の調味料。
  9. 前記固結性物質が、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含む、請求項5乃至8いずれかに記載の調味料。
  10. ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩と、塩類からなる固結性物質とを含む組成物であって、
    前記固結性物質が、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムを含み、
    前記組成物全体に対する前記塩化カリウムの割合が40重量%以上60重量%以下であり、
    前記組成物全体に対する前記塩化ナトリウムの割合が40重量%以上60重量%以下である、組成物。
  11. 塩類からなる固結性物質と、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを共存させる、固結防止方法。
  12. 前記固結性物質がカリウム塩またはナトリウム塩である、請求項11に記載の固結防止方法。
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