JP2009006924A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の前面衝突時に、乗員頭部が前方に大きく移動することを抑制できるエアバッグ装置の提供。
【解決手段】(1)エアバッグ装置10が、左チャンバ21と右チャンバ22を有し車両の前面衝突時に展開膨張されるエアバッグ20と、左チャンバ21と右チャンバ22の乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の胸部51が接する高さ位置にある第1の連結布31と、左チャンバ21と右チャンバ22の乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の頭部52が接する高さ位置にある第2の連結布32と、を有する。(2)第1の連結布31は、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線24、25より車両左右方向外側で、エアバッグ面に連結されており、第2の連結布32は、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線24、25より車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の前面衝突時に展開膨張して乗員を保護するエアバッグ装置に関し、
とくに、左右のチャンバを有するエアバッグ装置に関する。
特許文献1は、乗員の両肩を拘束する左右チャンバの乗員側先端部を互いに連結し乗員の胸部を拘束するタイパネル(後述する本発明の第1の連結布に対応するもの)を有するツインチャンバ型エアバッグ装置を開示している。また、特許文献1は、タイパネルが、乗員の頭部および胸部の両方に対面する上部パネルと、乗員の腹部に対面する腹部パネルを含んでもよいことを開示している。
特開2003−335203号公報
従来のツインチャンバ型エアバッグ装置には、つぎの問題がある。
(イ)上部パネルが左右のチャンバの乗員側先端部を互いに連結しており、頭部と胸部の両方を上部パネルによって受けるために、左右チャンバ間の凹部(隙間)が深い場合、乗員頭部が両チャンバ間に入って前方に移動するのを上部パネルによって十分には抑制することができないという問題がある。
すなわち、車両の前面衝突時に、乗員肩部が左右のチャンバの乗員側先端部に当たって前方への移動が抑制される。ついで、頭部と胸部が左右チャンバ間の凹部(隙間)に進入いていく。この時、胸部は肩部の移動拘束によって前方への移動を抑制されるが、頭部は剛性の比較的小さい首部を介して肩部および胸部につながっており、かつ、頭部が上部パネルの中央部に局部的に当たり上部パネルの中央部のみが局部的に前方に撓み得るため、頭部の前方移動量が肩部や胸部に対して大きくなりやすい。その結果、乗員の首部が前方へ大きく屈曲する可能性がある。
(ロ)また、左右に強く張られた上部パネルは乗員の顔面正面に当たるので、乗員の顔面の中央部(鼻部)が上部パネルから受ける接触力が大きくなる可能性がある。
本発明の目的は、車両の前面衝突時において、乗員頭部が前方に大きく移動することを抑制できるエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明はつぎのとおりである。
(1) 本発明のエアバッグ装置は、左チャンバと右チャンバを有し車両の前面衝突時に展開膨張されるエアバッグと、エアバッグ展開膨張状態での左チャンバと右チャンバの乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の胸部が接する高さ位置にある第1の連結布と、エアバッグ展開膨張状態での左チャンバと右チャンバの乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の頭部が接する高さ位置にある第2の連結布と、を有する。
(2) 上記(1)のエアバッグ装置において、第1の連結布は、エアバッグ展開膨張状態での、かつ、乗員の胸部が接する高さ位置での、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向外側で、エアバッグ面に連結されており、第2の連結布は、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されている。
上記(1)のエアバッグ装置によれば、車両の前面衝突時に、第1の連結布で乗員の胸部を受け、第1の連結布とは別の第2の連結布で乗員の頭部を受けるので、頭部を、胸部の受けとは独立に、したがって頭部にとって最適に、受けることができる。これによって、車両の前面衝突時に、乗員の頭部が前方へ大きく移動することを抑制することができる。その結果、乗員の首部の屈曲度合が低減される。
上記(2)のエアバッグ装置によれば、第1の連結布が、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向外側で、エアバッグ面に連結されているので、車両の前面衝突時に、乗員の胸部が左右のチャンバの間の凹部(隙間)に入っていく時に、第1の連結布の存在により、胸部が入り込むほど両チャンバが互いに引き寄せられる。エアバッグ自体は変形するが、エアバッグの周長(後述の図1のA−B−C−D−Aで囲まれる周長)はほぼ一定に保たれる。したがって、両肩を押し返す2チャンバ構造ながら1チャンバとほぼ同等の安定した反力が得られる。
また、第2の連結布は、左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されているので、第2の連結布の左右チャンバとの連結点間距離(後述のW2 )が第1の連結布の左右チャンバとの連結点間距離(後述のW1 )に比べて短くなり、乗員の頭部が両チャンバの間に入ってきた際に、乗員の頭部が深く前進するのを抑制することができる。
また、車両の前面衝突時に、乗員の頭部が左右のチャンバの間の凹部(隙間)に入っていくと、第2の連結布が、左右のチャンバの頭部左右に対向するエアバッグ部分(後述のE、F)を頭部側に引き寄せ、乗員の頭部側部および頬部を斜め前方左右から挟み込むようにして受け、頭部の前方への移動を抑制する。第2の連結布が左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されているので、第2の連結布の張り力が第1の連結布の張り力に比べて小さく、乗員の顔部が第2の連結布に当たった時の乗員の顔面が第2の連結布から受ける接触力は、従来の上部パネルから受ける接触力に比べて小さい。
以下に、本発明のエアバッグ装置を、図1〜図8(ただし、図8は比較例)を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の実施例1(左右のチャンバが互いに独立している例)を示し、図5〜図7は本発明の実施例2(左右のチャンバが互いに連通している例)を示す。
図3、図6において、二点鎖線はエアバッグ、連結布の、乗員から押される前の、形状を示し、実線はエアバッグ、連結布の、乗員から押された後の、形状を示す。
本発明の実施例1、2にわたって共通または類似する部分には本発明の実施例1、2にわたって同じ符号を付してある。
〔実施例1〕
まず、本発明の実施例1のエアバッグ装置10の構成を、図1〜図4を参照して、説明する。
本発明のエアバッグ装置10は、通常時は、車両の助手席前方でインスツルメントパネル70内に、折り畳まれて配置されており、車両の前面衝突時(前面側突予知時である場合を含む)に車室側に向かって展開膨張し、乗員が前傾しつつ前方に移動することを抑制して乗員を乗員前方に位置する部材との衝突から保護する装置である。エアバッグ装置10は、助手席前方に設けられる以外に、運転席前方でステアリングホイールの中央部に非回転で収容配置されてもよい。また、前部座席のシートバック80内に後部座席側に向かって展開膨張可能に配置されてもよい。
エアバッグ装置10は、エアバッグ20と複数片(たとえば、2枚)の連結布30を有する。エアバッグ20は、左チャンバ21と右チャンバ22を有し車両の前面衝突時に展開膨張される。連結布30は、第1の連結布31と第2の連結布32を有する。第1の連結布31は、エアバッグ展開膨張状態での左チャンバ21と右チャンバ22の乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員50の胸部51が接する(「接する」は「当たる」といってもよい)高さ位置にある。第2の連結布32は、エアバッグ展開膨張状態での左チャンバ21と右チャンバ22の乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員50の頭部52(乗員の胸部51、頭部52、肩部53、首部54、腹部のうち頭部52のみ)が接する(当たる)高さ位置にある。したがって、乗員50の胸部51と頭部52の両方が第2の連結布32に接する(当たる)ことはない。第1の連結布31と第2の連結布32とは互いに別片である。
エアバッグ装置10は、さらに、左右のチャンバ21、22に膨張用ガスを供給可能に接続されたインフレータ40を有する。エアバッグ装置10は、インフレータ40が固定された取付け部41で、車両に取付けられる。エアバッグ20および第1、第2の連結布31、32は布製であることが望ましいが、可撓性があれば布製以外のもの、たとえば樹脂製またはゴム製のシートなどであってもよい。
エアバッグ20はつぎの構成を有する。
左右のチャンバ21、22は、エアバッグの展開膨張状態において、車両の左右方向に並んでいる。左右のチャンバ21、22は、エアバッグの展開膨張状態において、平面視で左右対称形状でほぼハート形状をなしており、左右のチャンバ21、22の間には後方にいくにしたがって(乗員側に向かって)開き、かつ、後方にいくに従って幅が拡大する凹部(隙間)23がある。凹部23は上下方向(斜め上下方向を含む)に延びている。凹部23は、平面視でのエアバッグ20の少なくとも後部にあり、エアバッグ20の前部にはなくてもよい。ただし、エアバッグ20の前端まで延びていてもよい。インフレータ40は、左右のチャンバ21、22の前端部で左右のチャンバ21、22に接続されている。左右のチャンバ21、22の後部表面は、乗員50に対面する。
連結布30はつぎの構成を有する。
車両前面衝突時に、乗員50は慣性力で車両に対して前方に移動しようとする。その場合、シートベルト(ラップベルト)60により座席に対する乗員腰部の前方への移動が拘束されているので、乗員50は上方ほど前方に移動し、前傾姿勢をとり、頭部52が胸部51より前方に移動しようとする。
乗員50をエアバッグ20および連結布30にて最適に受けるように、エアバッグが展開膨張された状態で、第2の連結布32は第1の連結布31より上方でかつ前方にある。また、第1の連結布31は鉛直面から第1の角度θ1 で前傾しており、第2の連結布32は鉛直面から第1の角度θ1 より大きい第2の角度θ2 で前傾している。
第1の連結布31と左右のチャンバ21、22のエアバッグ面との連結部A、Bは、エアバッグ展開膨張状態での、かつ乗員50の胸部51が接する高さ位置での、左右のチャンバ21、22の中心O1 、O2 を通る車両前後方向線24、25より車両左右方向外側にある。中心O1 、O2 は、チャンバ21、22の断面積の中心で、エアバッグ20を膨張させた状態での実測または作図で求める。車両前後方向線24、25は、それぞれ、中心O1 、O2 を通る車両前後方向線24、25が左右チャンバ21、22の後方面と交差する点をP1 、P2 とすると、線分O1 −P1 、線分O2 −P2 を含む。連結部Aがチャンバ21との連結部であり、連結部Bがチャンバ22との連結部である。連結部A、Bは左チャンバ21の外表面に沿って上下方向(斜め上下方向を含む)に延びる。
第2の連結布32と左右のチャンバ21、22のエアバッグ面との連結部E、F(連結部E、Fが幅をもつ場合は幅の最も内側部)は、左右のチャンバ21、22の中心O1 、O2 を通る車両前後方向線24、25より車両左右方向内側にある。連結部Eがチャンバ21との連結部であり、連結部Fがチャンバ22との連結部である。連結部E、Fは右チャンバ22の外表面に沿って上下方向(斜め上下方向を含む)に延びる。
第2の連結布32の左右チャンバ21、22との左右連結部E、F間の左右方向幅W2 は、第1の連結布31の左右連結部A、B間の左右方向幅W1 より小さい。第2の連結布32の左右連結部E、F間の左右方向幅W2 は、車両前面衝突時に第2の連結布32が頭部52で前方に押された時に左右の連結部E、Fを乗員頭部52側に引き寄せて乗員頭部52を側部前部から拘束することができる幅に設定されている。その結果、乗員顔面に大きい連結布反力をかけない。
第1の連結布31が乗員50の胸部51を受ける時に胸部51に与える衝撃を弱めるために、第1の連結布31はエアバッグ10の基布より大きな伸縮性を有する織布から構成されることが望ましい。また、第2の連結布32が乗員50の頭部52を受ける時に頭部52に与える衝撃を弱めるために第2の連結布32は第1の連結布31より大きな伸縮性を有する織布から構成されることが望ましい。この場合、伸縮方向は少なくとも左右方向を含む。
第1の連結布31および第2の連結布32の、エアバッグ20への連結は、縫合(縫い付け)、接着、溶着(繊維が樹脂である場合は熱溶着)の何れによってもよい。図示例は、縫合による連結を示している。
以上の構成は、本発明のすべての実施例に共通に適用できる。
本発明の実施例1では、エアバッグ装置10は、さらにつぎの構成を有する。
エアバッグ20の左チャンバ21と右チャンバ22は互いに独立である。したがって、エアバッグ20は2バッグ、2チャンバ構成をとる。2チャンバ21、22は、2チャンバ21、22の間を通り車両前後方向に延びるエアバッグ中心線を中心として、左右対称である。
インフレータ40は、左チャンバ21と右チャンバ22に対して別々に設けられてもよいし、あるいは左チャンバ21と右チャンバ22に対して共通の1つのインフレータが設けられて分配器を介して左チャンバ21と右チャンバ22に膨張用ガスを供給するようにしてもよい。図1、図3では、インフレータ40は、左チャンバ21と右チャンバ22に対して別々に設けられている。
つぎに、本発明の実施例1のエアバッグ装置10の作用、効果を説明する。
車両前面衝突時、車両前面衝突信号(衝突予知信号を含む)を受けたECU(電子制御装置、図示略)からの信号により、インフレータ40が起爆し、膨張用ガスがエアバッグ20に供給され、エアバッグ20が乗員側に向かって展開膨張する。衝突後、乗員50が慣性力で車両に対して前方に移動しようとするが、シートベルト60があるため、乗員50は前傾しながら前方に移動しようとする。
その際、まず、乗員20の両肩部53が左右のチャンバ21、22に接触部(図3の矢印I、IIの先で示した部位が接触部)で接触する。その後両肩部53がさらに前方に移動すると、左右のチャンバ21、22が変形するとともに、左右のチャンバ21、22から両肩部53を押し戻す(後方に押す)反力R1 、R2 が発生する。これにより、衝突後の早い段階から乗員50の前方移動を抑制する作用が得られる。また、2チャンバ21、22構成のため、2チャンバ21、22間に凹部23があり、1チャンバ構成のように、始めからエアバッグが頭部52や胸部51に当たることがなく、頭部52や胸部51への接触力が1チャンバ構成に比べて小さい。
やがて、乗員50の胸部51と頭部52が左右のチャンバ21、22の間の凹部(隙間)23に入っていく(乗員50の動きを図3で矢印III で示す)。ただし、前傾姿勢のため、頭部52の方が胸部51よりも深く凹部23に入っていく。
その際、第1の連結布31で乗員50の胸部51を受け、第1の連結布31とは別の第2の連結布32で乗員50の頭部52を受けるので、胸部51と頭部52とを、互いに別に、最適に受けることが可能になる。その結果、とくに頭部52を、胸部51の受けとは独立に、したがって頭部52にとって最適な姿勢、位置で、受けることが可能になる。これによって、車両の前面衝突時の、乗員50の頭部52の前方への移動を第2の連結布32によって、効果的に抑制することができる。その結果、乗員50の首部54の屈曲度合が低減される。
胸部51と頭部52の受けについてさらに詳細に説明する。
まず、第1の連結布31による胸部51の受けはつぎのとおりである。
乗員50の胸部51が左右のチャンバ21、22の間の凹部(隙間)23に入っていくと、左右のチャンバ21、22は互いに離れようとするが(互いに離れようとする方向R3 、R4 に移動または変形しようとするが)、第1の連結布31により阻止される。逆に、胴体(胸部51)が凹部(隙間)23に入り込むほど第1の連結布31は前方へ撓むため、第1の連結布31の連結部A、Bが引き寄せられて、両チャンバ21、22は互いに接近する方向R5 、R6 に強く引き寄せられる。すなわち、2つのチャンバ21、22は互いに離れることなく、安定的に反力R1 、R2 を発生する。この場合、エアバッグ20自体は変形するが、A−B−C−D−A(C、Dはエアバッグ20とインフレータ40の両端部との結合点)で囲まれるエアバッグ20の周長は、図3に示すように、ほぼ一定に保たれる。したがって、両肩53を押し返す2チャンバ構造ながら、1チャンバと同等の安定した反力が得られる。
連結布をもたない図8の比較例(本発明に含まず)では、乗員50から押されると、左右のチャンバ21、22が互いに離れていくため、胴体を押し返す反力が徐々に低下することになる。なお、図8において、符号20、21、22、23、50、51、52、53、R3 、R3 、C、Dは、本発明で用いた符号20、21、22、23、50、51、52、53、R3 、R4 、C、Dに対応する。
また、図示はしないが、もしも、連結布を設けて、連結布が線分O1 −P1 、O2 −P2 より左右内側でエアバッグに縫い付けられていると、左右のチャンバ21、22が互いに離れるのをある程度は抑制することができるが、エアバッグの周長が増加し得るため、1チャンバおよび本発明の場合に比べると、反力低下は免れない。
第2の連結布32による頭部52の受けはつぎのとおりである。
第2の連結布32の左右連結部E、F間の左右方向幅W2 が、第1の連結布31の左右連結部A、B間の左右方向幅W1 より小さいため、頭部52で前方に押されても深くは撓まない。よって、第2の連結布32は乗員50の頭部52が両チャンバ21、22の間に入ってきた際に、深く前進するのを抑制する。この場合、第1の連結布31は頭部52と接触しない。
もしも、第2の連結布32の左右連結部E、F間の左右方向幅W2 が、第1の連結布31の左右連結点A、B間の左右方向幅W1 と同じかそれと同等程度に大きければ、頭部52が局部的に第2の連結布32を押すことができるため、頭部52の前方への移動量は胸部51の移動量に比べて大きくなり、首部54の屈曲度合が大きくなる。しかし、本発明ではそのようなことがない。
また、第2の連結布32は、左右のチャンバ21、22の中心O1 、O2 を通る車両前後方向線24、25より車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されているので、車両の前面衝突時に、乗員50の頭部52が左右のチャンバ21、22の間の凹部(隙間)23に入っていくと、第2の連結布32が、左右のチャンバ21、22の頭部左右に対向するエアバッグ部分(連結部E、F)を頭部52側に引き寄せ、乗員50の頭部側部および頬部を斜め前方左右から挟み込むようにして受ける。これによって、顔部前面にほとんど荷重を与えることなく、頭部52の前方への移動を抑制する。また、第2の連結布32が左右のチャンバ21、22の中心O1 、O2 を通る車両前後方向線24、25車両左右方向内側で、エアバッグ面に連結されているので、第2の連結布32の張り力が第1の連結布31の張り力に比べて小さく、乗員50の顔部が第2の連結布32に当たった時の乗員の顔面が第2の連結布から受ける接触力が、従来の上部パネルから受ける接触力に比べて小さい。したがって、第2の連結布32は、乗員50の頭部52をやさしく受ける。
また、第1の連結布31が鉛直面から第1の角度θ1 で前傾しており、第2の連結布32が鉛直面から第1の角度より大きい第2の角度θ2 で前傾しているので、第1の連結布31、第2の連結布32は、胸部51、頭部52にほぼ直角で当たってほぼ全面で受け、胸部51、頭部52を広い面で、したがって単位面積当たりでは小さな反力で、受けることができ、乗員50の胸部51、頭部52をやさしく受けることができる。
また、第1の連結布31がエアバッグ20の基布より伸縮性を有する織布から構成され、第2の連結布32が前記第1の連結布31より伸縮性を有する織布から構成されている場合は、エアバッグの基布で受ける場合に比べて、乗員50の胸部51、頭部52を、それぞれ、均一な荷重で、やさしく受けることができる。
以上の作用、効果は、本発明のすべての実施例に共通に適用できる。
本発明の実施例1では、エアバッグ装置10は、さらにつぎの作用、効果を有する。
エアバッグ20の左チャンバ21と右チャンバ22は互いに独立であるため、エアバッグ20は左右のチャンバ21、22間に深い凹部(隙間)23を有する。
その結果、車両の前面衝突時に頭部52が左右のチャンバ21、22間に入っていく時に、顔部の中央部(鼻部)はエアバッグ20に当たるおそれが少なく、凹部23に入ることができ、エアバッグ20からの接触力を顔部の中央部に受けることを抑制できる。そして、乗員50の頭部52を左チャンバ21と右チャンバ22で挟むようにして受けることが容易になる。
乗員50の顔部の中央部は第2の連結布32に接触するが、第2の連結布32の左右連結部E、F間の左右方向幅W2 と、第2の連結布32の伸縮性を選定することができるので、比較的容易に、頭部52の前方への移動が大きくなることを抑制しつつ、乗員50の顔部への反力を小さくして、頭部52を受けることが可能である。
〔実施例2〕
本発明の実施例2のエアバッグ装置10の構成を、図5〜図7を参照して説明する。
本発明の実施例2のエアバッグ装置10では、エアバッグ20の左チャンバ21と右チャンバがエアバッグ20内で互いに連通しており、連通部26はエアバッグ20の前部(乗員50から遠い側)にある。連通部26はエアバッグ20の左右のチャンバ21、22の間にあり、エアバッグ20のハート形状の中心線上にある。エアバッグ20の、連通部26より後方(乗員50に近い側)は凹部(隙間)23である。
連通部26の後方点、すなわち左右のチャンバ21、22の壁を構成するエアバッグ部分がつながる点をGとする。第2の連結布32は連通部26の点Gよりも後方にある。
実施例2のエアバッグ10は1バッグ2チャンバ構成をとる。
図5、図6では、インフレータ40は、左右のチャンバ21、22に対して1つ設けられる。インフレータ40の膨張用ガスの吐出口は左右のチャンバ21、22に対して2つ、または左右の対称の中心線上に1つ、設けられて、左右のチャンバ21、22に対して均等に膨張用ガスを供給可能とすることが望ましい。
本発明の実施例2の作用、効果については、エアバッグ20が連通部26を有し連通部26のチャンバ壁のつながる点Gを有するため、車両前面衝突時に頭部52が左右のチャンバ21、22間の凹部23に入ってきても、連通部26が点Gを越えて前方に移動することはない。
実施例2では、全体としては一体型のエアバッグ構成ながら、実施例1と同等な作用、効果が得られる。
本発明の実施例1のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、全体平面図である。 本発明の実施例1のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、全体斜視図である。 本発明の実施例1のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、かつ乗員との関係も示した、全体平面図である。 本発明の実施例1のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、かつ乗員との関係も示した、全体側面図である。 本発明の実施例2のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、全体平面図である。 本発明の実施例2のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、かつ乗員との関係も示した、全体平面図である。 本発明の実施例2のエアバッグ装置の、エアバッグ展開膨張時の、かつ乗員との関係も示した、全体側面図である。 2チャンバを有し、連結布をもたない、比較例(本発明に含まず)のエアバッグ装置の、全体平面図である。
符号の説明
10 エアバッグ装置
20 エアバッグ
21 左チャンバ
22 右チャンバ
23 凹部
24、25 左右のチャンバ21、22の中心O1 、O2 を通る車両前後方向線
26 連通部
30 連結布
31 第1の連結布
32 第2の連結布
40 インフレータ
41 インフレータ取付け部
50 乗員
51 胸部
52 頭部
53 肩部
54 首部
60 シートベルト
70 インスツルメントパネル
80 シートバック
θ1 第1の連結布31の、鉛直面からの第1の前傾角度
θ2 第2の連結布32の、鉛直面からの第2の前傾角度
A、B 第1の連結布31の、エアバッグ面(チャンバ21、22の壁面)との連結点
C、D エアバッグ20とインフレータ40の両端部との結合点
E、F 第2の連結布32の、エアバッグ面(チャンバ21、22の壁面)との連結点
G 左右のチャンバ21、22の後壁を構成するエアバッグ部分がつながる点
1 、O2 左右のチャンバ21、22の中心
1 、P2 車両前後方向線24、25が左右チャンバ21、22の後方面と交わる点
1 、R2 反力
3 、R4 チャンバ21、22が互いに離れようとする方向
5 、R6 チャンバ21、22が互いに接近する方向

Claims (2)

  1. 左チャンバと右チャンバを有し車両の前面衝突時に展開膨張されるエアバッグと、
    エアバッグ展開膨張状態での前記左チャンバと前記右チャンバの乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の胸部が接する高さ位置にある第1の連結布と、
    エアバッグ展開膨張状態での前記左チャンバと前記右チャンバの乗員側のエアバッグ面を互いに連結し乗員の頭部が接する高さ位置にある第2の連結布と、
    を有するエアバッグ装置。
  2. 前記第1の連結布は、エアバッグ展開膨張状態でのかつ乗員の胸部が接する高さ位置での左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向外側で、前記エアバッグ面に連結されており、前記第2の連結布は、前記左右のチャンバの中心を通る車両前後方向線より車両左右方向内側で、前記エアバッグ面に連結されている請求項1記載のエアバッグ装置。
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