JP2009006230A - 高分子多孔質中空糸膜 - Google Patents
高分子多孔質中空糸膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009006230A JP2009006230A JP2007168646A JP2007168646A JP2009006230A JP 2009006230 A JP2009006230 A JP 2009006230A JP 2007168646 A JP2007168646 A JP 2007168646A JP 2007168646 A JP2007168646 A JP 2007168646A JP 2009006230 A JP2009006230 A JP 2009006230A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- fiber membrane
- membrane
- film
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明は、中空糸膜の内径をID(mm)、膜厚をΔd(mm)としたとき、0.1≦Δd/ID≦0.5であり、中空糸膜の偏肉度が0.75以上であり、中空糸膜の真円度が0.75以上であり、中空糸膜の外表面に緻密層を持ち、中空糸膜の外側より30分間0.4MPaの外圧をかけたとき、中空糸膜に生じる潰れの個数が、中空糸膜1kmあたり1個以下であり、中空糸膜の透水性が500L/hr/m2/barであることを特徴とする高分子多孔質中空糸膜である。
【選択図】なし
Description
(1)(a)中空糸膜の内径をID(mm)、膜厚をΔd(mm)としたとき、0.25≦Δd/ID≦0.5であり、
(b)中空糸膜の偏肉度が0.75以上であり、
(c)中空糸膜の真円度が0.75以上であり、
(d)中空糸膜の外側より30分間0.4MPaの外圧をかけたとき、中空糸膜に生じる潰れの個数が、中空糸膜1kmあたり1個以下であり、
(e)中空糸膜の透水性が500L/hr/m2/bar以上である
ことを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(2)中空糸膜が非対称構造を有することを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(3)中空糸膜が主として疎水性高分子からなることを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(4)疎水性高分子がポリスルホン系高分子であることを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(5)中空糸膜の外表面に緻密層を持つことを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(6)中空糸膜の内表面および外表面に緻密層を持ち、内表面から膜内部に向かって当初孔径が次第に増大し、少なくとも一つの極大部を通過後、外表面に向かって孔径が次第に減少することを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
(7)中空糸膜の外径をOD(mm)としたとき、0.4≦ODであることを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。
また、極大部における空孔率は、内表面、外表面での空孔率よりも大きく、かつ、40〜80%であることが好ましく、45〜70%であることがより好ましく、45〜63%がさらに好ましい。空孔率が小さすぎると膜構造の傾斜が緩やかとなるため、膜特性、膜特性の保持性、膜特性の回復性が低下することがある。極大部における空孔率が大きすぎると膜の強度が低下する可能性がある。
外表面における空孔率は特に制限されないが、5〜30%であることが好ましく、7〜25%であることがより好ましく、10〜20%がさらに好ましい。空孔率が小さすぎると透過性が低く、隣接する中空糸膜同士の固着がおこりやすくなり、大きすぎると膜の強度が低下する可能性がある。
本発明において、疎水性高分子としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン(以下PSfと略記する)、ポリエーテルスルホン(以下PESと略記する)、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース(トリ)アセテートなどが例示される。中でも、下記の式[1]、[2]で示される繰返し単位を有するPSf、PESなどのポリスルホン系高分子は高い透水性の膜を得るのに有利であり、好ましい。ここで言うポリスルホン系高分子は、官能基やアルキル基などの置換基を含んでいてもよく、炭化水素骨格の水素原子はハロゲンなど他の原子や置換基で置換されていてもよい。また、これらは単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
親水性高分子の添加量は、中空糸膜に親水性を付与し、水性流体処理時の非特異的吸着を抑制するのに十分な量であれば特に制限されないが、疎水性高分子に対する親水性高分子の比率として10〜30重量%が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。親水性高分子の添加量が少なすぎると、膜への親水性付与が不十分となり、膜特性の保持性が低下する可能性がある。また、親水性高分子の添加量が多すぎると、親水性付与効果が飽和してしまい効率がよくなく、また、製膜原液の相分離(凝固)が過度に進行しやすくなり、本発明の好ましい膜構造を形成するのに不利になることがある。
S = 中空糸膜の内半径の2乗[mm2]×芯液の有機成分濃度[%]÷100
H = 水洗浴中での中空糸膜の滞留時間[min]×水洗浴の水温[K]
(水洗浴が複数個ある場合は、それぞれについて上記Hを算出し、その合計をもってHとする。)
で規定されるS、Hの値が、下記を満足する条件で水洗を実施するのがよい。
H/S = 500〜50000
ただし、水洗浴中の有機成分濃度は、常に上記有機成分濃度の1/10以下となるよう適宜液更新を実施するのが好ましい。
乾燥した中空糸膜を切断し、内表面、外表面、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、倍率10000倍または2000倍で撮影した。SEM写真を466dpiの解像度でコンピュータに取り込み、画像解析ソフトを使用して解析を行い、空孔率と平均細孔面積、細孔分布を求めた。具体的には、まず、取り込んだ画像を二値化処理し、空孔部が黒、構成ポリマー部分が白となった画像を得た。この画像を解析することにより、空孔部分の個数、各空孔部分の面積、空孔部分の面積の総和を得た。読み込んだ画像の総面積と、空孔項部分の面積の総和から、次式[1]により空孔率を算出した。
空孔率[%]=100×(空孔部分の面積の総和/読み込んだ画像の総面積) [1]
空孔部分の面積の総和と、空孔部分の個数から平均空孔面積を算出し、さらに空孔の形状を円と近似して、平均空孔面積から平均孔径を算出した。(次式[2]および[3])
空孔の面積(平均空孔面積)[μm2]=空孔部分の面積の総和/空孔部分の個数 [2]
孔径(平均孔径)[μm]=(平均空孔面積/π)1/2 [3]
さらに、各空孔部分の面積から上記同様、空孔の形状を円と近似した場合の孔径を算出し、その結果を表計算ソフトに取り込んでヒストグラムを作成して、細孔分布としてまとめた。
中空糸膜断面のサンプルは以下のようにして得ることができる。測定には芯液を洗浄、除去した後、中空糸膜を乾燥させた形態で観察することが好ましい。乾燥方法は問わないが、乾燥により著しく形態が変化する場合には中空形成材を洗浄、除去したのち、純水で完全に置換した後、湿潤状態で形態を観察することが好ましい。中空糸膜の内径(ID)、外径(OD)および膜厚(Δd)は、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられた穴に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面でカミソリによりカットし、中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon-12Aを用いて中空糸膜断面の短径、長径を測定することにより得られる。中空糸膜断面1個につき2方向の短径、長径を測定し、それぞれの算術平均値を中空糸膜断面1個の内径および外径とし、膜厚は(外径−内径)/2で算出した。5断面について同様に測定を行い、平均値を内径、膜厚とした。
中空糸膜の偏肉度とは中空糸膜断面における中空糸膜厚の最薄部/最厚部の比のことであり、例えば膜厚が全部分で同じであれば偏肉度は1である。中空糸膜の内径、膜厚測定と同様に中空糸膜断面サンプルを得た後、投影機Nikon-12Aを用いて中空糸膜断面1つにつき膜厚の最薄部と最厚部を測定し、(最薄部膜厚)/(最厚部膜厚)を偏肉度とした。
中空糸膜の偏平度合いを評価するために、中空糸膜の真円度を測定した。真円度とは中空糸膜断面における中空糸内径の短軸/長軸比のことであり、例えば真円であれば真円度は1である。画像解析ソフト「Image-Pro Plus」(Media Cybernetics社)によって、ミニモジュール端面中任意の100個の中空糸膜断面に関して測定を実施し、その平均値を求めた。
まず、50〜200cmの中空糸膜を70〜300本束ね、接着により片側端部のみ開口させたモジュールを作製した。圧力容器内にモジュールを収納し、開口端をチューブに接続してチューブ反対側が圧力容器外に出るようにセットした。その際、作製したモジュールが傷つかないよう注意してセットする。圧力容器内に水を満たした後、容器を密閉して容器内を0.4MPaにて加圧した。チューブより容器内の水が放出された後、30分間0.4MPaをキープし、その後モジュールを容器より取り出し、中空糸膜に生じた潰れの個数を全中空糸膜についてもれなく計測した。その後、中空糸膜の本数と有効長から中空糸膜1kmあたりの潰れの個数を算出した。なお、作製するモジュールの中空糸膜の本数・長さについては、使用する圧力容器の大きさにより適宜設定し、かつ測定精度の観点から(中空糸膜の本数)×(有効長)の値が100mを超えるように決め、モジュール5本以上について測定する。
中空糸膜を3〜100本充填し、接着により両端部を開口させた、有効長10〜30cmの中空糸膜ミニモジュールを作製する。中空糸膜ミニモジュールは、有効膜面積(A)が0.002〜0.02[m2]になるよう、中空糸膜本数と長さを決めて作製する。なお、中空糸膜の有効膜面積(A)は、中空糸内径(ID)基準とし、接着部分を除いた有効長(L)から有効膜面積を計算する。予め純水を中空糸膜内部(中空部)、中空糸膜外部(モジュール内)の順に通水し、空気を除去する。中空糸膜内部(中空部)に通じるモジュール出口を封止し、モジュール入口から22℃の純水によって0.5〜2.0barの所定圧力をかけて、入口圧力(Pin)と出口(封止)部圧力(Pout)を測定しつつ、1分間に膜を通して膜外側に出てくる純水の量(W)を測定した。次に下記式により中空糸膜の透水性[L/hr/m2/bar]を計算した。
(透水性)=W[L/min]×60[min/hr]/A[m2]/((Pin[bar]+Pout[bar])/2)
ここで、A[m2]=ID[m]×π×L[m]×中空糸膜本数
PES(住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)18.9重量%、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K-30)3.1重量%、非溶媒として三菱化学社製TEG42.9重量%、溶媒に三菱化学社製NMP35.1重量%を均一に溶解したものを紡糸原液として用い、TEG42.9重量%、NMP35.1%、水22.0重量%の均一混合溶液を芯液とした。2重管構造の紡糸用口金を用い、外側から紡糸原液を、内側から芯液を、垂直下方に向け吐出し、中空糸膜を形成した。20mmの蒸気雰囲気中を通過させた後、凝固浴に浸漬させ、水洗浴、熱水浴を経た後、ドラム型カセによって巻取り速度8.3m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は巻き取り直前まで捩れが生じないよう、単糸にて走行させた。また、巻き上げ機のダンサローラーは80mmφを用いた。
ノズル温度は75℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。凝固浴内では径50mmの円筒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変え、凝固浴から引き出した。(図3参照)。凝固浴内における中空糸膜の浸漬深さは最大で800mm、凝固浴内での中空糸膜の走行距離は2000mmであった。
エージング条件は、S=0.178、H=1515、H/S=8516であった。
巻き取られた中空糸膜の束を、80℃のRO水に60分間浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10時間にわたり熱風乾燥を実施した。得られた中空糸膜を用いて種々の評価を行った。中空糸膜のIDは1.193mm、Δdは0.358mmであった(巻き取り時の径:2mm)。
結果を表1に示す。
実施例1と同様にして中空糸膜を製造し、ドラム型カセによって巻取り速度8.3m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて4本ごとに合糸して走行させた。エージング条件は、S=0.180、H=783、H/S=4347であった。
巻き取られた中空糸膜の束を、60℃のRO水に120分間浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10時間にわたり熱風乾燥を実施した。得られた中空糸膜を用いて種々の評価を行った。中空糸膜のIDは1.200mm、Δdは0.355mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は4mmであった。
結果を表1に示す。
PES(住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)16.8重量%、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K-90)1.0重量%、非溶媒として三菱化学社製TEG45.2重量%、溶媒に三菱化学社製NMP37.0重量%を均一に溶解したものを紡糸原液として用い、TEG38.5重量%、NMP31.5%、水30.0重量%の均一混合溶液を芯液とした。2重管構造の紡糸用口金を用い、外側から紡糸原液を、内側から芯液を、垂直下方に向け吐出し、中空糸膜を形成した。30mmの蒸気雰囲気中を通過させた後、凝固浴に浸漬させ、水洗浴、熱水浴を経た後、3点カセによって巻取り速度20m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて24本ごとに合糸して走行させた。また、巻き上げ機のダンサローラーは60mmφを用いた。
ノズル温度は70℃、外部凝固液温度は60℃に設定した。凝固浴内では径50mmの円筒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変え、凝固浴から引き出した。凝固浴内における中空糸膜の浸漬深さは最大で300mm、凝固浴内での中空糸膜の走行距離は1000mmであった。
エージング条件は、S=0.00497、H=149、H/S=29980であった。
巻き取られた中空糸膜の束を、85℃のRO水に40min浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10hにわたり熱風乾燥を実施した。得られた中空糸膜を用いて種々の評価を行った。中空糸膜のIDは0.282mm、Δdは0.079mmであり、24本まとめても巻き取り時の合糸状態での全体径は4mmと小さめであった。
結果を表1に示す。
実施例3と同様の紡糸原液を用い、TEG44.0重量%、NMP36.0%、水20.0重量%の均一混合溶液を芯液とした。2重管構造の紡糸用口金を用い、外側から紡糸原液を、内側から芯液を、垂直下方に向け吐出し、中空糸膜を形成した。30mmの蒸気雰囲気中を通過させた後、凝固浴に浸漬させ、水洗浴、熱水浴を経た後、3点カセによって巻取り速度20m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて12本ごとに合糸して走行させた。また、巻き上げ機のダンサローラーは60mmφを用いた。
ノズル温度は70℃、外部凝固液温度は60℃に設定した。凝固浴内では径50mmの円筒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変え、凝固浴から引き出した。凝固浴内における中空糸膜の浸漬深さは最大で300mm、凝固浴内での中空糸膜の走行距離は1000mmであった。
エージング条件は、S=0.00812、H=303、H/S=37320であった。
巻き取られた中空糸膜の束を、80℃のRO水に60min浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10hにわたり熱風乾燥を実施した。得られた中空糸膜を用いて種々の評価を行った。中空糸膜のIDは0.285mm、Δdは0.075mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は3mmと小さいものであった。
結果を表1に示す。
実施例3と同様の紡糸原液を用い、TEG42.9重量%、NMP35.1%、水22.0重量%の均一混合溶液を芯液とした。2重管構造の紡糸用口金を用い、外側から紡糸原液を、内側から芯液を、垂直下方に向け吐出し、中空糸膜を形成した。20mmの蒸気雰囲気中を通過させた後、凝固浴に浸漬させ、水洗浴、熱水浴を経た後、3点カセによって巻取り速度18m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて12本ごとに合糸して走行させた。また、巻き上げ機のダンサローラーは60mmφを用いた。
ノズル温度は65℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。凝固浴内では径50mmの円筒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変え、凝固浴から引き出した。凝固浴内における中空糸膜の浸漬深さは最大で300mm、凝固浴内での中空糸膜の走行距離は1000mmであった。
また、エージング条件としてS=0.00644、H=231、H/S=35870であった。
巻き取られた中空糸膜の束を、90℃のRO水に60min浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10hにわたり熱風乾燥を実施した。得られた中空糸膜を用いて種々の評価を行った。中空糸膜のIDは0.290mm、Δdは0.148mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は4mmと小さめであった。
結果を表1に示す。
実施例1と同様にして中空糸膜を形成し、ドラム型カセによって巻取り速度8.3m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて12本ごとに合糸して走行させた。
巻き取られた中空糸膜の束を乾燥処理し、その後前述の評価を行った。中空糸膜のIDは1.198mm、Δdは0.353mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は10mmと非常に太くなった。その結果、外圧潰れ数は14.8個/kmとなった。これは、巻き取り時の合糸本数が多く太かったために、中空糸膜に捩れが生じたことと、巻取り時に受けるテンションの影響によって局部的なストレスを受けたためと推測する。
結果を表1に示す。
実施例1と同様にして中空糸膜を形成し、ドラム型カセによって巻取り速度8.3m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて10本ごとに合糸して走行させた。
巻き取られた中空糸膜の束を乾燥処理し、その後前述の評価を行った。中空糸膜のIDは1.205mm、Δdは0.353mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は8mmであった。その結果、外圧潰れ数は6.6個/kmとなった。
結果を表1に示す。
実施例1と同様にして中空糸膜を形成し、ドラム型カセによって巻取り速度8.3m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて3本ごとに合糸して走行させた。
巻き取られた中空糸膜の束を乾燥処理し、その後前述の評価を行った。中空糸膜のIDは1.275mm、Δdは0.308mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は3mmであった。その結果、外圧潰れ数は62.8個/kmと非常に多くなった。これは、径の太い糸であるにもかかわらず、Δd/IDが0.242と小さいために、外圧に対する耐久度が低くなってしまったことが主な要因であると考えられる。
結果を表1に示す。
実施例3と同様にして中空糸膜を形成し、3点カセによって巻取り速度20m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて24本ごとに合糸して走行させた。
巻き取られた中空糸膜の束を乾燥処理し、その後前述の評価を行った。中空糸膜のIDは0.280mm、Δdは0.079mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は4mmであった。その結果、外圧潰れ数は1.7個/kmとなった。これは、中空糸膜の偏肉度が0.63と低いために、膜厚の薄い部分で外圧に対する耐性が弱い状態となっていたためと考えられる。
結果を表1に示す。
実施例4と同様にして中空糸膜を形成し、3点カセによって巻取り速度20m/minで巻き取った。この際、中空糸膜は熱水浴途中まで単糸にて走行させ、熱水浴出口にて24本ごとに合糸して走行させた。
巻き取られた中空糸膜の束を乾燥処理し、その後前述の評価を行った。中空糸膜のIDは0.280mm、Δdは0.062mmであり、巻き取り時の合糸状態での全体径は4mmであった。その結果、外圧潰れ数は2.3個/kmとなった。これは、Δd/IDが0.221と小さいことと、中空糸膜の真円度が0.71と低いために外圧をかけたときに偏平に近づきやすくなっていたことの双方の要因によるものと推測する。
結果を表1に示す。
2:外圧により生じた中空糸膜の潰れ部位
3:外圧により生じた中空糸膜の潰れ部位
Claims (7)
- (a)中空糸膜の内径をID(mm)、膜厚をΔd(mm)としたとき、0.25≦Δd/ID≦0.5であり、
(b)中空糸膜の偏肉度が0.75以上であり、
(c)中空糸膜の真円度が0.75以上であり、
(d)中空糸膜の外側より30分間0.4MPaの外圧をかけたとき、中空糸膜に生じる潰れの個数が、中空糸膜1kmあたり1個以下であり、
(e)中空糸膜の透水性が500L/hr/m2/bar以上である
ことを特徴とする高分子多孔質中空糸膜。 - 中空糸膜が非対称構造を有することを特徴とする請求項1記載の高分子多孔質中空糸膜。
- 中空糸膜が主として疎水性高分子からなることを特徴とする請求項1または2記載の高分子多孔質中空糸膜。
- 疎水性高分子がポリスルホン系高分子であることを特徴とする請求項3記載の高分子多孔質中空糸膜。
- 中空糸膜が外表面に緻密層を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の高分子多孔質中空糸膜。
- 中空糸膜の内表面および外表面に緻密層を持ち、内表面から膜内部に向かって当初孔径が次第に増大し、少なくとも一つの極大部を通過後、外表面に向かって孔径が次第に減少することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の高分子多孔質中空糸膜。
- 中空糸膜の外径をOD(mm)としたとき、0.4≦ODであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の高分子多孔質中空糸膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007168646A JP2009006230A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 高分子多孔質中空糸膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007168646A JP2009006230A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 高分子多孔質中空糸膜 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012127082A Division JP5267831B2 (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 高分子多孔質中空糸膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009006230A true JP2009006230A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40321886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007168646A Pending JP2009006230A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 高分子多孔質中空糸膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009006230A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013071100A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Toyobo Co Ltd | タンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜 |
JP2013202580A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Sekisui Chem Co Ltd | 中空糸膜の透水性能の評価方法 |
JP2015142887A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 東レ株式会社 | ポリエチレン製中空糸膜およびポリエチレン製中空糸膜の製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54145379A (en) * | 1978-05-02 | 1979-11-13 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Aromatic polysulfone hollow fiber semipermeable membrane |
JPH03174233A (ja) * | 1983-06-07 | 1991-07-29 | Nitto Denko Corp | 芳香族ポリスルホン中空糸状膜の製造方法 |
JPH0739731A (ja) * | 1993-07-28 | 1995-02-10 | Toyobo Co Ltd | 中空糸型分離膜の製造方法 |
JPH0938475A (ja) * | 1995-07-31 | 1997-02-10 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 高分子多孔質膜の製造方法 |
JP2004313881A (ja) * | 2003-04-14 | 2004-11-11 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の巻き取り方法および中空糸膜 |
JP2005125131A (ja) * | 2003-10-21 | 2005-05-19 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の製造方法 |
JP2006075247A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Toyobo Co Ltd | ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束 |
JP2006150271A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 中空糸状半透膜の製造方法 |
-
2007
- 2007-06-27 JP JP2007168646A patent/JP2009006230A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54145379A (en) * | 1978-05-02 | 1979-11-13 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Aromatic polysulfone hollow fiber semipermeable membrane |
JPH03174233A (ja) * | 1983-06-07 | 1991-07-29 | Nitto Denko Corp | 芳香族ポリスルホン中空糸状膜の製造方法 |
JPH0739731A (ja) * | 1993-07-28 | 1995-02-10 | Toyobo Co Ltd | 中空糸型分離膜の製造方法 |
JPH0938475A (ja) * | 1995-07-31 | 1997-02-10 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 高分子多孔質膜の製造方法 |
JP2004313881A (ja) * | 2003-04-14 | 2004-11-11 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の巻き取り方法および中空糸膜 |
JP2005125131A (ja) * | 2003-10-21 | 2005-05-19 | Toyobo Co Ltd | 中空糸膜の製造方法 |
JP2006075247A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Toyobo Co Ltd | ポリスルホン系選択透過性中空糸膜束 |
JP2006150271A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 中空糸状半透膜の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013071100A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Toyobo Co Ltd | タンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜 |
JP2013202580A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Sekisui Chem Co Ltd | 中空糸膜の透水性能の評価方法 |
JP2015142887A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 東レ株式会社 | ポリエチレン製中空糸膜およびポリエチレン製中空糸膜の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5504560B2 (ja) | 液体処理用の中空糸膜 | |
JP5433921B2 (ja) | 高分子多孔質中空糸膜 | |
JP6020592B2 (ja) | 多孔質中空糸膜及びその製造方法 | |
JP5609116B2 (ja) | 耐ファウリング性に優れる中空糸型限外ろ過膜 | |
JP5720249B2 (ja) | 中空糸膜およびその製造方法および血液浄化モジュール | |
EP3216515B1 (en) | Hollow fiber filtration membrane | |
KR101755197B1 (ko) | 가압식 중공사막 모듈 | |
WO2007125943A1 (ja) | 高分子多孔質中空糸膜 | |
US20070114167A1 (en) | Bundle of selectively permeable polysulfone-based hollow fiber membranes and process for manufacturing same | |
JP5835659B2 (ja) | タンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜 | |
JP2008284471A (ja) | 高分子多孔質中空糸膜 | |
JP2009006230A (ja) | 高分子多孔質中空糸膜 | |
JP5267831B2 (ja) | 高分子多孔質中空糸膜の製造方法 | |
WO2016182015A1 (ja) | 多孔質中空糸膜及びその製造方法 | |
JP2008194647A (ja) | 中空糸膜 | |
JP6699750B2 (ja) | セルロースアセテート系非対称中空糸膜 | |
JP6699751B2 (ja) | セルロースアセテート系中空糸膜 | |
JP5423326B2 (ja) | 中空糸膜の製造方法 | |
WO2023276614A1 (ja) | 正浸透膜、及びそれを含む正浸透膜モジュール | |
JP2010063605A (ja) | 耐衝撃性に優れた血液浄化器 | |
JP2011020071A (ja) | ポリスルホン系中空糸膜の製造方法 | |
JP5299617B2 (ja) | 中空糸膜の製造方法 | |
JP5109083B2 (ja) | チューブインオリフィス型ノズルの検査方法および中空糸膜の製造方法 | |
CN116457077A (zh) | 多孔膜 | |
CN116194194A (zh) | 聚酰胺多孔膜及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20100616 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20110708 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110726 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120403 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120601 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20120828 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |