JP2009005668A - ネット蓋取り付け構造及びネット蓋取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口部12を有するネット本体11に取り付けられ、開口部12を塞ぐ形状を有するネット部材からなるネット蓋10と、両端を開放端とし、開口部12を塞いで取り付けたネット蓋10と本体ネット11の重なり合い部分を一方の面側から他方の面側へと網目を通り抜けさせた仕付け糸状態に配置されて、ネット蓋10と本体ネット11を重ね合わせた状態に保持すると共に、全長中央部分に、配置状態でネット蓋10と本体ネット11から識別可能な円環状部13aを有する、蓋取り付け紐13とからなる。
【選択図】図1
Description
防鳥対策は、対象となる鳥の種類、飛来数、飛来目的、建物の構造等の諸条件により様々であるが、大型の建物の天井部、壁面、開口部等、広い空間への鳥の入り込みを防止する方法としては、防止対象箇所に防鳥ネットを取り付けて、一定の空間を閉鎖する方法が最も広く採用されている。
ネットを設置することは、施工効率、防鳥効果、工費面からも有効な方策であり、ゴルフ練習場や運動場に面した建物へも、球が飛び込むのを防ぐ防球を目的として、同様のネットが類似した工法で設置されることがある。
ネットに設ける点検口(ハンドホール/マンホール)のサイズは、大小様々だが、例えば、600cm四方が基本的な大きさとなり、形は、円形、四角形どちらも見かけるが、四角形が最も多く用いられている。点検口は、通常、防鳥、防球ネット本来の役割を果たすべく、ネット蓋により塞がれていると共に必要に応じて速やかに開閉できることが条件となる。
このような開閉式開口は、点検保守作業に必要なだけでなく、建物が、劇場、ショッピングモール、遊戯施設等の公共の場として使用される場合、研究施設や集合住宅で避難経路が二方向に取れない場合、バルコニー等の開口部で避難脱出装置が開口に設置されている場合等には、非常時の避難口や消防士の突入口として、不可欠の設備となる。
この発明は、ネット蓋により閉じられた開口部を、緊急を要する非常時の混乱・緊張した状態でも、容易に、且つ、確実に開けることができるネット蓋取り付け構造及びネット蓋取り付け方法を提供することである。
これにより、ネット蓋により閉じられた開口部を、緊急を要する非常時の混乱・緊張した状態でも、容易に、且つ、確実に開けることができる。
図1は、この発明の一実施の形態に係るネット蓋取り付け構造の平面説明図である。図1に示すように、ネット蓋10は、ネット部材により形成されて、本体ネット(ネット)11に開けられた開口部12を塞ぐように取り付けられており、蓋取り付け紐13の装着により本体ネット11と重ね合わせた状態に保持され、蓋取り付け紐13の抜き取りにより本体ネット11との重ね合わせが解除される。
開口部12は、必要に応じて様々な大きさや形状に形成される。例えば、本体ネット11に覆われた壁面(屋内外)や天井部等の清掃及び保守管理作業を行うために、設備点検が必要な箇所、配管配線の分岐点、人の出入り箇所等、本体ネット11内に入り込むことが必要な場所を切り取って形成され、点検口(ハンドホール/マンホール)として機能する。この場合、例えば、一辺600cmの矩形状とする。
そして、開口部12は、通常、ネット蓋10により塞がれていると共に必要に応じて速やかに開閉できることが、設置条件となる。
この本体ネット11は、素材、単線・縒り線、角目・菱目、目糸の線径、結節の有無等ネットの仕様に関係なく、通常、防鳥や防球を目的として設置され、例えば、目合い15〜50mmの化学繊維製ネットが用いられる。また、蓋取り付け紐13は、太さ2〜6mmのロープを基本に、目糸の線径、ネット蓋10の大きさとのバランス、気象条件、設備機器の振動や送風機の影響等、設置場所の環境や使用頻度を考慮して、可能な限り細いものを使用する。
このネット蓋10は、蓋取り付け紐13の引き抜き時に本体ネット11の網目に引き込まれないように、十分な剛性及び形状保持性を備えることができる、ネット素材及び網目構造を選択することが必要である。
つまり、蓋取り付け紐13は、全長中央部分を境にそれぞれの側が異なった色で区別されており、これに対応して、ネット蓋10は、蓋取り付け紐13のそれぞれの側が通り抜ける網目部分に、通り抜ける側の色に対応する着色部15を有することになる。
そして、蓋取り付け紐13を、両端を開放端とし、開口部12を塞いで取り付けたネット蓋10(図3参照)と本体ネット11(図2参照)を重ね合わせて、重ね合わせたネット蓋10と本体ネット11の一方の面側から他方の面側へと縫うように、網目を通り抜けさせ、ネット蓋10が本体ネット11に仮止め状態になる、裁縫における仕付け糸状態に配置する(図1参照)ことで、ネット蓋10と本体ネット11を重ね合わせた状態、即ち、開口部12をネット蓋10により塞いだ状態に保持することができる(図1参照)。
この蓋取り付け紐13が網目を拾う間隔は、目合い15〜20mmでは、網目間隔(目数)は3〜4目で、ロープ径は3〜4mmが対応し、目合い25〜28mmでは、網目間隔(目数)は2〜3目で、ロープ径は4〜6mm、目合い30mmでは、網目間隔(目数)は2〜3目で、ロープ径は4〜6mm、目合い35〜50mmでは、網目間隔(目数)は1目で、ロープ径は5〜6mm、がそれぞれ対応する。
なお、蓋取り付け紐13は、端部に解れ止めのための加熱処理を施すと共に、ネット蓋10が本体ネット11に仮止め状態になる、仕付け糸状態に配置した状態で、ネット蓋10の下辺部10aより200〜300mm程長くなる長さとする。これにより、結びつけることが不要になり、高い所に設置されていても、容易に手が届く。
先ず、開口部12を有する本体ネット11(図2参照)に、ネット蓋10(図3参照)を、開口部12を塞ぐように位置合わせして取り付ける。開口部12を塞ぐように位置合わせしたネット蓋10は、下辺部10aを、本体ネット11の開口部12下方に、結束金具14により回動可能に取り付けられる。
これにより、ネット蓋10を本体ネット11の開口部12を塞いだ状態に保持することができる。また、蓋取り付け紐13を仕付け糸状態に配置する際も、赤色或いは青色を目印に通していけば良いので、簡単・確実に紐通し作業ができる。
一方、ネット蓋10を本体ネット11から外して開口部12を露出させる場合を説明する。
このため、付け紐17(或いは円環状部13a)を、ネット蓋10から引き出すことにより、付け紐17(或いは円環状部13a)の移動に連れて、ネット蓋10及び本体ネット11に仕付け状態に配置されていた蓋取り付け紐13は、両端部13b,13c側双方が略同時に、ネット蓋10の上辺部10bの長手方向略中間部分に向かって移動する(図中、矢印参照)。そして、蓋取り付け紐13は、ネット蓋10の上辺部10bの長手方向略中間部分から抜き取られる。
従って、ネット蓋10は、本体ネット11との間で、蓋取り付け紐13を、恰も、裁縫における仕付け糸状態に配置することにより、本体ネット11の開口部12を塞いだ状態に保持することができ。一方、裁縫における仕付け糸状態に配置された蓋取り付け紐13は、容易に引き出すことができるので、蓋取り付け紐13をネット蓋10及び本体ネット11から抜き取ることにより、ネット蓋10と本体ネット11の結合を解除して開口部12を露出させることができる。
この開口部22は、例えば、コンクリート、金属、合板等からなる壁面21に設けられている他、天井部等に設けられていても良く、開口部22が設けられた壁面21(開口形成部)には、開口部22を取り囲んで複数の環状部材(例えば、アイボルトやアイストラップ等)23が配列されている((a)参照)。
また、上述した、蓋取り付け紐13を、ネット蓋10と本体ネット11を仮止めする、裁縫における仕付け糸状態に配置する方法は、ハトメ加工を施した養生シートやメッシュシートを仮固定する場合にも、ハトメ部分を重ねた状態で行うことにより、適用することができる。
また、本体ネット11が、水平・垂直・斜めの何れの方向に設置された場合でも、使用することができ、平時は、ロープの端部を金物等で固定したり結び付けること無く、常に、フリー状態でネット蓋10を保持することができる。
従って、細紐の結びを解いたり、堅くなったフックを開いたり、テンションの掛かった網目糸からフックを素早く外したりすることなく、ネット蓋10により閉じられた開口部12を、緊急を要する非常時の混乱・緊張した状態でも、容易に、且つ、確実に開けることができる。よって、ネット蓋10による、ネット内の配線・配管、照明、音響、空調設備等の点検口の開閉を行う際に、作業効率を向上させると共に経費を節減することができる。
また、天然素材のネットの場合、蓋取り付け紐13の素材をネットと同一素材とすることにより対応可能である。この際、耐久性、設置条件を考慮し、日常の点検、短周期の定期点検を実施する。
10a 下辺部
10b 上辺部
10c,10d 側辺部
11 本体ネット
12 開口部
13 蓋取り付け紐
13a 円環状部
13b 一方の端部
13c 他方の端部
13d 一方片
13e 他方片
14 縁取り補強ロープ
15 着色部
15a 赤色着色部
15b 緑色着色部
16 結束金具
17 引き紐
18 結束リング
19 脱出シュート
20a 係止フック
20b 円筒部材
21 壁面
22 開口部
23 環状部材
B バルコニー
P 作業者
Claims (7)
- 開口部を有するネットに取り付けられ、前記開口部を塞ぐ形状を有するネット部材からなるネット蓋と、
両端を開放端とし、前記開口部を塞いで取り付けた前記ネット蓋と前記ネットの重なり合い部分を一方の面側から他方の面側へと網目を通り抜けさせた仕付け糸状態に配置されて、前記ネット蓋と前記ネットを重ね合わせた状態に保持すると共に、全長中央部分に、配置状態で前記ネット蓋と前記ネットから識別可能な識別部を有する、蓋取り付け紐と
からなることを特徴とするネット蓋取り付け構造。 - 開口部を有すると共に前記開口部を取り囲んで複数の環状部材が配列された壁面に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ形状を有するネット部材からなるネット蓋と、
両端を開放端とし、前記開口部を塞ぎ前記壁面に重ね合わせて取り付けた前記ネット蓋の網目を通り抜けて露出させた前記各環状部材を、連続して通り抜けさせた仕付け糸状態に配置されて、前記ネット蓋を前記壁面に重ね合わせた状態に保持すると共に、全長中央部分に、配置状態で前記ネット蓋から識別可能な識別部を有する、蓋取り付け紐と
からなることを特徴とするネット蓋取り付け構造。 - 前記蓋取り付け紐は、全長中央部分を境にそれぞれの側が異なった色で区別され、
前記ネット蓋は、前記蓋取り付け紐のそれぞれの側が通り抜ける網目部分に、通り抜ける側の色に対応する着色部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のネット蓋取り付け構造。 - 前記ネット蓋は、前記開口部に対し開閉自在に、且つ、開時、前記開口部が形成された開口形成部に係止保持されるように装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のネット蓋取り付け構造。
- 前記蓋取り付け紐は、前記識別部に、前記蓋取り付け紐を引き出すための引き部材を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のネット蓋取り付け構造。
- 開口部を有するネットに、前記開口部を塞ぐ形状を有するネット部材からなるネット蓋を、前記開口部を塞ぐように位置合わせして取り付け、
蓋取り付け紐を、両端を開放端として、前記開口部を塞いで取り付けた前記ネット蓋と前記ネットの重なり合い部分を、一方の面側から他方の面側へと網目を通り抜けさせた仕付け糸状態に配置して、全長中央部分に設けた、配置状態で前記ネット蓋と前記ネットから識別可能な識別部を、引き出し方向に位置させ、前記ネット蓋と前記ネットを重ね合わせた状態に保持する
ことを特徴とするネット蓋取り付け方法。 - 開口部を有すると共に前記開口部を取り囲んで複数の環状部材が配列された壁面に、前記開口部を塞ぐ形状を有するネット部材からなるネット蓋を、前記開口部を塞ぐように位置合わせして取り付け、
蓋取り付け紐を、両端を開放端として、前記開口部を塞ぎ前記壁面に重ね合わせて取り付けた前記ネット蓋の網目を通り抜けて露出させた前記各環状部材を、連続して通り抜けさせた仕付け糸状態に配置して、全長中央部分に設けた、配置状態で前記ネット蓋から識別可能な識別部を、引き出し方向に位置させ、前記ネット蓋を前記壁面に重ね合わせた状態に保持する
ことを特徴とするネット蓋取り付け方法。
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