JP2009005554A - 軸方向空隙型ロータと該ロータを備えた軸方向空隙型コアレスモータ。 - Google Patents
軸方向空隙型ロータと該ロータを備えた軸方向空隙型コアレスモータ。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】薄型ながら印刷配線板分だけコイルの厚みを増加できるようにして巻き数の増大を図り、整流装置の摺接部分を厚くして長寿命を得ようとするものである。
【解決手段】中心に軸支承部を備えた印刷配線板と重畳しないように設けられた複数の巻線型空心電機子コイル3と、平板コミュテータCは巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂4で形成された基部に互いに隔離された摺接部と摺接部から一体に形成されて印刷配線板に接続される端子部とが備えられた複数のコミュテータ片5とからなり、印刷配線板に巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔2aとが備えられ、該透孔に接続された端子結線ランドとが備えられ、該端子結線ランドに前記コミュテータ片が接続された。
【選択図】図1
【解決手段】中心に軸支承部を備えた印刷配線板と重畳しないように設けられた複数の巻線型空心電機子コイル3と、平板コミュテータCは巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂4で形成された基部に互いに隔離された摺接部と摺接部から一体に形成されて印刷配線板に接続される端子部とが備えられた複数のコミュテータ片5とからなり、印刷配線板に巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔2aとが備えられ、該透孔に接続された端子結線ランドとが備えられ、該端子結線ランドに前記コミュテータ片が接続された。
【選択図】図1
Description
この発明は、移動体通信装置の無音報知手段等に用いて好適なもので軸方向空隙型ロータと該ロータを備えた軸方向空隙型モータの改良に係り、特に高速回転ながら長寿命が得られるものに関する。
移動体通信装置の無音報知手段として遠心力振動を利用した振動モータがある。このような振動モータは、通常回転型筒型モータの出力軸に断面が銀杏の葉のような形状の偏心ウエイトを取り付けたものがある。また、軸方向空隙型の扁平なモータでは、内蔵するロータ自体で遠心力振動を発生するものを本出願人らは提案している。ロータ内蔵型振動モータは、出力軸が不要なので、軸回転型から近年では軸受を1個削除できる軸固定型にしたものが賞用されている。このような軸固定型として通常は、マグネットの厚み分を利用してブラケットにバーリング孔を設けて軸の基端を圧入して固定し、ケース側で該軸の他端を受けるようにしている。(特許文献1参照)
さらに、本出願人らは、ケースにバーリング孔を設けて軸の基端を圧入し、該軸の他端を支持しないでフリーにしたものを提案している。(特許文献2参照)
このような軸方向空隙型モータは、薄型化のために整流装置も軸方向摺接型が多用される。
この軸方向摺接型モータとしては、一般的にコミュテータを印刷配線板で複数個のセグメント片を印刷で形成し数ミクロンの貴金属メッキをし、40ミクロンないし60ミクロンの軸方向摺接型ブラシと組み合わせて用いられる。携帯電話機の無音アラーム手段として振動モータに採用される場合、着信報知用のみに使用されるものは一日十数回のモード(合計で数分以下)で使用されるので比較的短時間の寿命でよいが、ゲームなどの振動を利用する機能に採用される場合は、長寿命が要求される。
そこで、コミュテータセグメント片とブラシ摺動部とからなる整流装置自体を厚く形成し長時間の回転による摺動摩耗に耐えるようにすることが考えられる。
軸方向空隙型モータに円筒型コミュテータを採用した先行技術があるが、このものはコミュテータを後付けするために薄型化のネックとなっている。(特許文献3参照)
特許第3261329号公報
特許第2872623号公報
特許第2134716号公報
さらに、本出願人らは、ケースにバーリング孔を設けて軸の基端を圧入し、該軸の他端を支持しないでフリーにしたものを提案している。(特許文献2参照)
このような軸方向空隙型モータは、薄型化のために整流装置も軸方向摺接型が多用される。
この軸方向摺接型モータとしては、一般的にコミュテータを印刷配線板で複数個のセグメント片を印刷で形成し数ミクロンの貴金属メッキをし、40ミクロンないし60ミクロンの軸方向摺接型ブラシと組み合わせて用いられる。携帯電話機の無音アラーム手段として振動モータに採用される場合、着信報知用のみに使用されるものは一日十数回のモード(合計で数分以下)で使用されるので比較的短時間の寿命でよいが、ゲームなどの振動を利用する機能に採用される場合は、長寿命が要求される。
そこで、コミュテータセグメント片とブラシ摺動部とからなる整流装置自体を厚く形成し長時間の回転による摺動摩耗に耐えるようにすることが考えられる。
軸方向空隙型モータに円筒型コミュテータを採用した先行技術があるが、このものはコミュテータを後付けするために薄型化のネックとなっている。(特許文献3参照)
軸方向空隙型モータ、すなわち扁平なロータでは、一般的に、円筒型コミュテータ、あるいは平板型コミュテータを後付けすることは、ロータの厚みが増加して好ましいものではない。また、このような扁平ロータは、一般的には、印刷配線板の一側に複数の巻線型空心電機子コイルを配置し、この空心電機子コイルの反対側、すなわち、軸方向空隙型マグネットに対向するようにコミュテータを配する構成が採用されている。
しかしながら薄い印刷配線板であっても銅箔やレジストなどによって厚みが0.2ミリ程度となり、組み合わされる軸方向空隙型マグネットとの空隙をこの印刷配線板分だけ多く採らざるを得ず、前記巻線型空心電機子コイルに掛かる有効空隙磁束密度が低下し効率が悪化し、通常、1mm程度の厚みのロータではこの印刷配線板の厚みが20%を占め、コイルの巻き数が犠牲になる。
この発明の目的は、薄型ながら印刷配線板の厚み分をコイルの厚みとして増加できるようにして巻き数の増大を図ってパワーを確保すると共に、ロータの樹脂を利用してコミュテータ基部を形成することによってコミュテータ片を直接組み付けて低姿勢を図ると共に、整流装置の摺接部分を厚くして長寿命を得ようとするものである。
しかしながら薄い印刷配線板であっても銅箔やレジストなどによって厚みが0.2ミリ程度となり、組み合わされる軸方向空隙型マグネットとの空隙をこの印刷配線板分だけ多く採らざるを得ず、前記巻線型空心電機子コイルに掛かる有効空隙磁束密度が低下し効率が悪化し、通常、1mm程度の厚みのロータではこの印刷配線板の厚みが20%を占め、コイルの巻き数が犠牲になる。
この発明の目的は、薄型ながら印刷配線板の厚み分をコイルの厚みとして増加できるようにして巻き数の増大を図ってパワーを確保すると共に、ロータの樹脂を利用してコミュテータ基部を形成することによってコミュテータ片を直接組み付けて低姿勢を図ると共に、整流装置の摺接部分を厚くして長寿命を得ようとするものである。
上記課題を解決するには、請求項1に示すように、中心に軸支承部を備えた印刷配線板と、該印刷配線板と重畳しないように設けられた複数の巻線型空心電機子コイルと、回転中心に配されたコミュテータとが備えられ、前記コミュテータは前記巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂で形成された基部と、該基部に設けた位置決めガイドによって互いに隔離された摺接部と、該摺接部から一体に形成されて前記印刷配線板に接続される端子部とが備えられた複数のコミュテータ片とからなり、前記印刷配線板には、さらに前記巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔とが備えられ、該透孔に接続された端子結線ランドとが備えられ、該端子結線ランドに前記コミュテータ片が接続されたもので達成できる。
さらに具体的には、請求項2に示すように前記印刷配線板は前記巻き線型空心電機子コイルの厚み内となるように埋め込まれて該透孔に前記端子部の先端が填め込まれて結線され、該先端がロータ上面から突き出ないようになっているものがよい。
また、請求項3に示すように、前記コミュテータの摺接部は平板型であり、前記コミュテータには少なくとも前記基部の一部を利用した前記摺接部の位置決めガイドを備えたものがよい。
また、請求項4に示すように前記透孔は平面視で空心電機子コイル間に径方向に突き出るように配されているものがよい。
さらに、これらは請求項5に示すように前記巻線型空心電機子コイルの少なくとも一部と重畳しないように配置されたタングステン合金製の偏心ウエイトと、前記巻線型空心電機子コイルとが樹脂で一体化されたものにするのがよい。
このような軸方向空隙型ロータを使用してモータにするには、請求項6に示すように請求項1〜5のいずれかに1項に記載の軸方向空隙型ロータを用いた軸方向空隙型コアレスモータであって、前記軸方向空隙型ロータは前記軸支承部を介して回転自在にハウジングに格納され、前記コミュテータに摺接されたブラシと、このブラシの外方に配された軸方向空隙型マグネットとが備えられたものにすれば達成できる。
具体的には、請求項7に示すように前記コミュテータ片は少なくとも0.15mmの厚みがあり、少なくとも摺動面が貴金属で形成され、前記ブラシは少なくとも0.03mmの厚みがあるばね材と、このばね材に配された少なくとも0.05mmの厚みがある貴金属摺接部材からなるものがよい。
さらに具体的には、請求項2に示すように前記印刷配線板は前記巻き線型空心電機子コイルの厚み内となるように埋め込まれて該透孔に前記端子部の先端が填め込まれて結線され、該先端がロータ上面から突き出ないようになっているものがよい。
また、請求項3に示すように、前記コミュテータの摺接部は平板型であり、前記コミュテータには少なくとも前記基部の一部を利用した前記摺接部の位置決めガイドを備えたものがよい。
また、請求項4に示すように前記透孔は平面視で空心電機子コイル間に径方向に突き出るように配されているものがよい。
さらに、これらは請求項5に示すように前記巻線型空心電機子コイルの少なくとも一部と重畳しないように配置されたタングステン合金製の偏心ウエイトと、前記巻線型空心電機子コイルとが樹脂で一体化されたものにするのがよい。
このような軸方向空隙型ロータを使用してモータにするには、請求項6に示すように請求項1〜5のいずれかに1項に記載の軸方向空隙型ロータを用いた軸方向空隙型コアレスモータであって、前記軸方向空隙型ロータは前記軸支承部を介して回転自在にハウジングに格納され、前記コミュテータに摺接されたブラシと、このブラシの外方に配された軸方向空隙型マグネットとが備えられたものにすれば達成できる。
具体的には、請求項7に示すように前記コミュテータ片は少なくとも0.15mmの厚みがあり、少なくとも摺動面が貴金属で形成され、前記ブラシは少なくとも0.03mmの厚みがあるばね材と、このばね材に配された少なくとも0.05mmの厚みがある貴金属摺接部材からなるものがよい。
請求項1の発明によれば、印刷配線板は巻線型空心電機子コイルと重畳してないので、同一有効空隙内ながらもこの印刷配線板の厚み分、巻線型空心電機子コイルの巻き数を増加できる。
請求項2の発明によれば、印刷配線板がロータに埋め込まれているので、接続端子部があっても空隙が犠牲にならない。
請求項3の発明によれば、極めて薄型なロータを得られながらも、摺動部を厚手の平板コミュテータに構成したので厚手のブラシと組み合わせることによって長寿命なモータにすることができる。
請求項4の発明によれば、透孔の位置がコイル間のデットスペースを利用できるので、コミュテータの平面部をその分だけ大にでき、ブラシの摺接に余裕ができるので好都合となる。
請求項5の発明によれば、偏心ウエイトを備えることによって振動モータが得られる。
請求項6の発明によれば、薄型ながらパワーを確保した軸方向空隙型モータが得られる。
請求項7の発明によれば、整流装置の摺接部分の厚みが十分確保されるので長寿命なモータとなる。
請求項2の発明によれば、印刷配線板がロータに埋め込まれているので、接続端子部があっても空隙が犠牲にならない。
請求項3の発明によれば、極めて薄型なロータを得られながらも、摺動部を厚手の平板コミュテータに構成したので厚手のブラシと組み合わせることによって長寿命なモータにすることができる。
請求項4の発明によれば、透孔の位置がコイル間のデットスペースを利用できるので、コミュテータの平面部をその分だけ大にでき、ブラシの摺接に余裕ができるので好都合となる。
請求項5の発明によれば、偏心ウエイトを備えることによって振動モータが得られる。
請求項6の発明によれば、薄型ながらパワーを確保した軸方向空隙型モータが得られる。
請求項7の発明によれば、整流装置の摺接部分の厚みが十分確保されるので長寿命なモータとなる。
中心に軸支承部を備えた印刷配線板と、該印刷配線板と重畳しないように設けられた複数の巻線型空心電機子コイルと、回転中心に配されたコミュテータとが備えられ、
前記コミュテータは前記巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂で形成された基部と、該基部に設けた位置決めガイドによって互いに隔離された摺接部と、該摺接部から一体に形成されて前記印刷配線板に接続される端子部とが備えられた複数のコミュテータ片とからなり、前記印刷配線板にはさらに前記巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔とが備えられ、該透孔に前記接続端子部の先端が填め込まれて結線された。
前記コミュテータは前記巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂で形成された基部と、該基部に設けた位置決めガイドによって互いに隔離された摺接部と、該摺接部から一体に形成されて前記印刷配線板に接続される端子部とが備えられた複数のコミュテータ片とからなり、前記印刷配線板にはさらに前記巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔とが備えられ、該透孔に前記接続端子部の先端が填め込まれて結線された。
図1は、本発明の軸方向空隙型ロータを備えた軸方向空隙型コアレスモータを示し、図2のA−A切断断面図である(実施例1)。図2は、図1のロータを底部側から見た平面図であり、樹脂は部分的に省略してある。図3は、図1のロータの上面図で樹脂は省略してある。図4は、コミュテータ片の斜視図である。図5は、コミュテータに摺接するブラシの製造方法を含めた平面図である。図6は、コミュテータ片の変形例の要部断面図である(実施例2)。
この発明の軸方向空隙型ロータとしてここでは振動発生用として偏心ロータからなるもので説明する。
図1ないし図6において、偏心ロータRは、中心に軸支承部として焼結含油軸受1をはめ込んだ印刷配線板2と、該印刷配線板2の半径方向周囲に約60°の配置開角で配された3個の巻線型空心電機子コイル3A、3Bおよび3Cとが、熱変形温度250℃以上の樹脂4で偏心ウエイト6と共にコミュテータ基部4aを同時に形成するように一体成形される。
図1ないし図6において、偏心ロータRは、中心に軸支承部として焼結含油軸受1をはめ込んだ印刷配線板2と、該印刷配線板2の半径方向周囲に約60°の配置開角で配された3個の巻線型空心電機子コイル3A、3Bおよび3Cとが、熱変形温度250℃以上の樹脂4で偏心ウエイト6と共にコミュテータ基部4aを同時に形成するように一体成形される。
平板型コミュテータCは、前記樹脂製コミュテータ基部4aと、該基部4aの外周に位置決めガイド4cを介して互いに隔離された平面状の摺接部5aと、この摺接部5aから軸方向に折れ曲がった接続端子部5bで構成された6個のコミュテータ片5とからなる。前記基部4aには、前記コミュテータ片5の摺接部5aと同形のコミュテータ片5の厚みに対して半分程の凹所4bが形成されてコミュテータ片5を組み付けるときの位置決めガイドの一部となっていて一定の幅の隔離スリットを構成させている。前記基部4aの外周にもわずかな隔離壁となっている位置決めガイド用突起4cが形成される。この突起4cは、図4に示すようなコミュテータ片をはめ込んだ後、押しつぶしてコミュテータ片を固定する機能を果たす。前記コミュテータ片5は、厚みが0.15mm〜0.3mmあり、摺接部5aの表面が少なくとも厚み0.05mmの貴金属で形成されている。
前記印刷配線板2には、前記コミュテータ片5の接続端子部5bがはめ込まれるスルーホール用の透孔2aが形成され、3個の巻線型空心電機子コイル3A、3Bおよび3Cの中心に向かった弧状外径よりわずかに大きい弧状部分2bと該各コイル間の配される突起部分2bbが平面視で径方向に突き出されている。図2の平板コミュテータC側である一面では、一部の対向する透孔間をショートする結線ランド2c、2dと、火花消去用抵抗2eが印刷で形成されている。一方、図3の他面では前記透孔2aに連結して他の透孔間をショートする結線ランド2fと、前記各コイルの巻き始め端末a、bおよびcを半田接続する端末結線ランド2g、2h、2iが印刷形成される。この各コイルの巻き始め端末a、bおよびcが樹脂成型時につぶされないように、前記各巻線型空心電機子コイル3A、3B及び3Cには浅い逃げ用凹所3dを形成しておくのが望ましい。偏心ウエイト6は、回転中心を介して前記3個の巻線型空心電機子コイル3A、3B及び3Cの反対側に配されている。また偏心ウエイト6は、前記各巻線型空心電機子コイルの偏心配置に逆らって大きな偏心量を確保するため、材質として比重18程度のタングステン合金を使用し、ウエイト重量を確保するためロータの厚みまで厚くしている。すなわち偏心ウエイト6の厚み方向の両端面が露出されるように形成され、偏心ウエイト6の一部である舌片6aが、印刷形成された固定ランド2jに半田2pで固定される。また、印刷配線板2の一部は偏心ウエイト6の側面と前記空心電機子コイル3Aの側面との間で、延設されて各コイルの巻き終わり端末結線ランド2kが形成され、各空心電機子コイルの巻き終わり端末2mが半田接続される。前記偏心ウエイト6には外周に弧状の抜け止めとして突起6bが形成される。図中2nは印刷配線板2に配した樹脂の通過孔である。
このようにして各部材はあらかじめリフロー工程や半田接続工程などを済ました後、前記焼結含油軸受1を含ませ前記透孔2aの部分を除いて前記樹脂4で一体成形される。その後、ここではコミュテータ片5をはめ込み、端子部5bの先端が前記印刷配線板2に形成されたスルーホールを構成した透孔2aにそれぞれはめ込まれて他側でこのスルーホールの透孔2aを逃げた凹部4bに練り半田を塗布し、レーザスポットなどで半田結線される。
このようにすることにより、前記空心電機子コイル3A、3B及び3Cと偏心ウエイト6の比重差、体積比により偏心ロータRは大きな偏心量が得られる。図中4dは、偏心ウエイト6の抜け強度を確保し、偏心ロータ全体のねじれ強度を確保するために、デットスペース空間に樹脂の一部を垂下させた補強リングである。これによって偏心ロータRは耐衝撃性が確保される。
このようにすることにより、前記空心電機子コイル3A、3B及び3Cと偏心ウエイト6の比重差、体積比により偏心ロータRは大きな偏心量が得られる。図中4dは、偏心ウエイト6の抜け強度を確保し、偏心ロータ全体のねじれ強度を確保するために、デットスペース空間に樹脂の一部を垂下させた補強リングである。これによって偏心ロータRは耐衝撃性が確保される。
このような偏心ロータRは、コミュテータCに軸方向から90°の開角で摺接されたブラシ8とこのブラシ8の外方で前記ブラケット7に接着されたマグネット9と空隙を介して対向させ、ハウジングとしてのケース10に軸Jとスラストワッシャ10bを介して回転自在に格納される。該軸Jは予めケース10の中心に小径の透孔10aを有する凹所10cに填め込まれ、外方から必要に応じてレーザ溶接L2されて準備されている。前記ブラケット7には、中心にケース10と同様な凹所7aが形成され、外周の一部に給電端子保持部7bが形成され、両者の中間に後述のブラシベース11の給電端子部11aを導出する際の逃げとして角孔7cが設けられる。前記凹所7aの周囲には、ブラシ8の基端が植設されたブラシベース11が添設され、前記マグネット9を横断して前記ブラシベース11の給電端子部10aがケース10の側方に導出される際に、前記角孔7cに逃げるので、結果的には、給電端子部の導出部分はブラケット7の厚み内に収まってしまうことになる。従って薄型に寄与されることになる。
前記軸Jの基端は偏心ロータRを装着後、前記凹所7aにはめ込まれ、外方からレーザ溶接L2で固着される。前記ブラケット7の外周と前記ケース10の開口部でやはりレーザ溶接L3されて組み立てられる。このように構成すると、モータとして全体的にモノコック構造となるので、落下などの体衝撃性に十分な強度が確保できる。
ここでブラシ8は、図5に示すように想像線で示すように厚さ0.04mm程度のばね性洋白フープ材から連結して切り出されたばね部材8aに、これも摺接面を銀パラジウム合金などの貴金属で0.08mmクラッドされた厚み0.1mm〜0.3mm、好ましくは、0.15mm程度のフープ材から連結して切り出された摺接片8bをそれぞれピッチを正確に合わせてスポット溶接で接合し、切り離しラインX、Yで分離した後、ブラシばね部材の基端8cで前記ブラシベース11に半田植設して供用されるものである。
図6は、コミュテータ片の変形例を示したもので、上述の実施例1同一部材は同一符号を付してその説明は省略する。すなわち、図2の各結線ランドの位置を見直し半田ランド(図示せず)を確保して印刷配線板22に平面の摺接部の裏側で直接半田接合したものである。このようにすると、コミュテータ片は実質的にロータ下面から突き出ないように設定でき、ブラシの摺接たわみストロークを大にできる。ここでは、偏心ウエイトの舌片も樹脂の中に十分含ませることができ、偏心ウエイトの半田付けも容易となる。
なお、上述では、コミュテータ片は各部材を樹脂成形した後から、植設するものを示したが、金型の精度、コミュテータ片の取り付け精度が十分得られれば、先にセットした後一体成形してもよい。
上記の実施例は、軸方向空隙型ロータとして振動モータにしたもので説明したが、軸固定型は出力軸がモータより突き出ていないので、たとえば、特許第3398546号に示すような通常回転型ギヤードモータに応用できる。
1 含油軸受
2 印刷配線板
2a 透孔
2b 弧状部分
2bb 突起部分
2c、2d 結線ランド
2e 火花消去用抵抗
2f 結線ランド
2g、2h、2i 端末結線ランド
2j 固定ランド
2k 巻き終わり端末結線
2m 巻き終わり端末
2n 通過孔
2p 半田
3A、3B、3C 巻線型空心電機子コイル
3d 凹所
4 樹脂
4a 基部
4b 凹部
4c 突起
4d 補強部
4e 凹部
5 コミュテータ片
5a 摺接部
5b 端子部
6 偏心ウエイト
6a 舌片
6b 突起
7 ブラケット
7a 凹所
7b 給電端子保持部
7c 角孔
8 ブラシ
8a ばね部材
8b 摺接片
8c 基端
9 マグネット
10 ケース
10a 透孔
10b スラストワッシャ
10c 凹所
11 ブラシベース
11a 給電端子部
22 印刷配線板
a、b、c コイルの巻き始め端末
C 平板型コミュテータ
J 軸
L1、L2、L3 レーザ溶接
R 偏心ロータ
X、Y 切り離しライン
2 印刷配線板
2a 透孔
2b 弧状部分
2bb 突起部分
2c、2d 結線ランド
2e 火花消去用抵抗
2f 結線ランド
2g、2h、2i 端末結線ランド
2j 固定ランド
2k 巻き終わり端末結線
2m 巻き終わり端末
2n 通過孔
2p 半田
3A、3B、3C 巻線型空心電機子コイル
3d 凹所
4 樹脂
4a 基部
4b 凹部
4c 突起
4d 補強部
4e 凹部
5 コミュテータ片
5a 摺接部
5b 端子部
6 偏心ウエイト
6a 舌片
6b 突起
7 ブラケット
7a 凹所
7b 給電端子保持部
7c 角孔
8 ブラシ
8a ばね部材
8b 摺接片
8c 基端
9 マグネット
10 ケース
10a 透孔
10b スラストワッシャ
10c 凹所
11 ブラシベース
11a 給電端子部
22 印刷配線板
a、b、c コイルの巻き始め端末
C 平板型コミュテータ
J 軸
L1、L2、L3 レーザ溶接
R 偏心ロータ
X、Y 切り離しライン
Claims (7)
- 中心に軸支承部を備えた印刷配線板と、該印刷配線板と重畳しないように設けられた複数の巻線型空心電機子コイルと、回転中心に配されたコミュテータとが備えられ、
前記コミュテータは、前記巻線型空心電機子コイルを一体化する樹脂で形成された基部と、該基部に設けた位置決めガイドによって互いに隔離された摺接部と、該摺接部から一体に形成されて前記印刷配線板に接続される端子部と、が備えられた複数のコミュテータ片からなり、
前記印刷配線板には、さらに前記巻線型空心電機子コイルの端末結線ランドと、該端末結線ランドに接続された複数の透孔と、該透孔に接続された端子結線ランドとが備えられ、該端子結線ランドには前記コミュテータ片が接続された軸方向空隙型ロータ。 - 前記印刷配線板は、前記巻線型空心電機子コイルの厚み内となるように埋め込まれて該透孔に前記端子部の先端が填め込まれて結線され、該先端がロータ上面から突き出ないようになっている請求項1に記載の軸方向空隙型ロータ。
- 前記コミュテータの摺接部は平板型であり、前記コミュテータには少なくとも前記基部の一部を利用した前記摺接部の位置決めガイドを備えた請求項2に記載の軸方向空隙型ロータ。
- 前記透孔は平面視で前記巻線型空心電機子コイル間に径方向に突き出るように配されている請求項2に記載の軸方向空隙型ロータ。
- 前記巻線型空心電機子コイルの少なくとも一部と重畳しないように配され一部で前記印刷配線板に半田付けで固定されたタングステン合金製の偏心ウエイトと、前記巻線型空心電機子コイルとが樹脂で前記透孔の部分を除いて前記印刷配線板を含めて一体化された請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸方向空隙型ロータ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の軸方向空隙型ロータを用いた軸方向空隙型コアレスモータであって、前記軸方向空隙型ロータは軸支承部を介して回転自在にハウジングに格納され、前記コミュテータに摺接されたブラシとこのブラシの外方に配された軸方向空隙型マグネットとが備えられた軸方向空隙型コアレスモータ。
- 前記コミュテータ片は少なくとも0.15mmの厚みがあり、少なくとも摺動面が貴金属で形成され、前記ブラシは少なくとも0.03mmの厚みがあるばね材と、このばね材に配された少なくとも0.05mmの厚みがある貴金属摺接部材からなる請求項6に記載の軸方向空隙型コアレスモータ。
Priority Applications (1)
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JP2007166459A JP2009005554A (ja) | 2007-06-25 | 2007-06-25 | 軸方向空隙型ロータと該ロータを備えた軸方向空隙型コアレスモータ。 |
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Family Applications (1)
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-
2007
- 2007-06-25 JP JP2007166459A patent/JP2009005554A/ja active Pending
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