JP2009002574A - ハイブリッド空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド空調での自然換気の利用範囲を拡大するとともに、質の高い通風を実現する。
【解決手段】空調空気の吹出口付の居住エリアを備えた複数階から成る建物内で、機械換気と自然換気との切替又は併用を可能としたハイブリット空調システムであって、 上記建物の一部に、各階の居住エリアAに連通口16を経て連通する通気用の縦シャフト12を設け、この縦シャフトの下部に外気導入口18を開口するとともに、この外気導入口及び各連通口の設置箇所を除く縦シャフト部分を密閉可能な構造とすることで、縦シャフト12の煙突効果により、外気が外気導入口18から縦シャフト12内を上昇し、各連通口16及び各階の内部を通って外方へ抜けるように設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド空調システムに関する。
複数の空調方式を組み合わせたハイブリッド空調システムとして、主として、春・秋の中間期に風通しのよいときには自然の通風を室内に取り入れ(自然換気)、風がないときには換気ファンで送風する(機械換気)ことが行われている(特許文献1)。
また、夜間の外気を室内に取り入れるとともに冷熱を建物の躯体に取り入れるナイトパージも知られており(特許文献2)、更に自然換気、機械換気を含む空調運転、自然換気及び空調の併用、及びナイトパージの4つのモードを選択できるようにしたシステムも知られている(例えば非特許文献1)。
更にまた、マンションなどの自然換気の構成として、本願図5に示す如く、建物の一部に、各階の居住エリアと連通するとともに上端部に排気口を開口する縦シャフトを設け、この縦シャフトの煙突効果によって居住エリアの窓から縦シャフトを通って排気口へ通風するものが知られている(特許文献3)。
ここで煙突効果とは、シャフト中の高さの異なる2点での空気の比重の相違を利用して空気を縦方向に移動させる効果をいうものとし、これを利用した自然換気は一般に重力換気と呼ばれている。この縦シャフト内の高さhと気圧Pとの間には、比重量γ(h)を用いてdP=−γ(h)・dhという関係があり、これより各階の自然換気の力は、排気口からの距離が大きくなるほど、下の階にいくほど大きくなる。
特開2003−240286 特開平9−137965 特開2002−194826 特開平8−075225 1182399636007_0.html前田建設HP/省エネルギー/自然換気併用空調ハイブリッドシステム 検索日平成18年9月21日
特許文献3の縦シャフトを用いた通風構造において、特許文献1、2を参照して通常の空調に自然換気を取り入れると空調の熱処理エネルギーを軽減することができる。
しかしながら、自然通風モード或いは自然通風・空調運転併用モードをうまく利用できるのは、中間期のうちでも温湿度が丁度よい気候の期間に限られる。例えば自然通風モードでは、初春や晩秋だと外気が冷たすぎ、晩春や秋口だと外気温が高すぎて時間帯によって居住者が不快となることがある。また、空調中の居住エリアに外気を自然流入させる併用モードでは、雨季のように湿度が高すぎたり、初春・晩秋の如く湿度が低過ぎると、空調負荷が増大し、空調運転に支障を生ずるおそれがある。
これらの点を配慮して、より長期の気象条件の下で自然換気を可能とすることが要望されている。
また、一般にマンションでは上層階ほど自然の風が強くなる傾向があるため、下の階ほど自然換気力の強まる特許文献3の通風構造を採用すると、一見したところ、各階の通風量を均等化できて丁度良いように思われる。しかしながら、現実的にはこれに関してはさまざまな問題がある。まずマンションが超高層である場合や風の強い地方にマンションを建てた場合には、上層部の風が強過ぎて室内の衣服や小物が飛ばされる可能性があり、こうなると通風が良いというレベルを超えて生活に不便である。特に春先には気候が不安定なので突風が吹いたり、にわか雨が降ったりすることがあり、窓を開けた状態だとそうした風雨が室内に吹き込むおそれがある。また未だ春先は気温が低く、また秋口は気温が高いため、外気を直接室内に入れると居住者が不快に感じることもある。
従って自然換気方式においても、自然の風のままで直接室内に入れるのではなく、通風の質を高めることが要望されている。
以上のようにハイブリッド空調での自然換気の利用範囲を拡大するとともに、質の高い通風を実現するという要望に応えるため、本発明は、ハイブリッド空調を行う建物の一部に、その各階へ外気を供給する縦シャフトを設け、併せて外気を一括して加除湿する湿度調整機を設けたシステムを提供することを目的とする。
第1の手段は、空調空気の吹出孔付の居住エリアを備えた複数階から成る建物内で、機械換気と自然換気との切替又は併用を可能としたハイブリッド空調システムであって、
上記建物の一部に、各階の居住エリアAに連通口16を経て連通する通気用の縦シャフト12を設け、
この縦シャフトの下部に外気導入口14を開口するとともに、この外気導入口及び各連通口の設置箇所を除く縦シャフト部分を密閉可能な構造とすることで、
縦シャフト12の煙突効果により、外気が外気導入口14から縦シャフト12内を上昇し、各連通口16及び各階の内部を通って外方へ抜けるように設けている。
特許文献3のように、外気が各階の居住エリアから縦シャフトを経て上方へ抜ける従来の通風構造に対して、本手段では、下部に外気導入口を開口する縦シャフトをから各階に通風するシステムを提案している。この縦シャフトの機能は、外気と居住エリアとの熱的な緩衝地帯ということである。例えば残暑の残る秋口に、26℃(外気)→22〜23℃(縦シャフト)→16〜20℃(室内)のように段階的に温度が下がるように縦シャフトの容積や構造を設計し、室温との温度差の大きい外気が居住エリア内に直接入らないようにしている。また縦シャフトは、下部から外気が上昇するように設けているので、室内に雨が吹き込んだり、突風に見舞われることがない。また一つの縦シャフトから複数の階へ空気が分配されるので、この縦シャフト内で外気に含まれる埃をフィルタで除去したり、過剰な水分を除去することも容易である。
「建物」とは、人の出入りのあり、複数階から成る建築物であって、マンションの他、オフィスビル・店舗・レジャー施設・立体駐車場なども該当する。本明細書中の「居住エリア」とは、人にとって居住性(人間が内部に比較的長時間いる場所での居心地又は住み心地)の良い空間という意味であり、住宅の他、仕事場、活動場所を含む。
建物に関して、本手段の構成のうち、「複数階から成る」との文言は、主に地上階を指すが、場合によっては地下階を含む。縦シャフトによる煙突効果は外気導入口より上に対象階があれば実現するので、地形次第では、例えば傾斜地を、石垣などで隔てた段差地に整地して建物を建てるときには、その石垣の下端に外気導入口を確保すれば地下階にも外気を供給できる。また、「建物の一部」というのは、建物の一側であっても良く、建物の中心部でも良い。
「縦シャフト」は、各階への空気の供給路であり、特許文献3の縦シャフトのような煙突ではないが、煙突効果を作用原理として空気を無動力で搬送することができる。M階への空気の搬送力を、縦シャフトと各階の連通口との間の圧力差Δpで表すと、次の数式1のようになる。但しPMは各階の床面での圧力(床と同一高さの外気の圧力を基準としたときの圧力)、PSは縦シャフトの床面での圧力(床と同一高さの外気の圧力を基準としたときの圧力)、hSMは地表からM階の連通口までの高さ、hMはM階床からM階の連通口までの高さ、γSは縦シャフトの空気の比重量、γはM階の室空気の比重量、γは外気の比重量である。またM階での連通口の風量Qは、ΔPを用いて次の数式2のようになる。但しSは部屋とシャフトとの連通口の開口面積、αはその流量係数である。
[数式1]ΔP={PS+hSM(γ−γS)}−{PM+hM(γ−γM)}
[数式2]Q=αS√(0.5γS×ΔP)

縦シャフトは、外気導入口と各階への連通口との穿設箇所を除いて外部から遮断されている。もっとも必要により縦シャフトの下部と上部とにそれぞれ開閉可能な第1、第2の外気導入口を設け、その一方を開口するとともに他方を開くことで、一つの縦シャフトを特許文献3の排気用シャフト又は本発明の給気用シャフトとして兼用できるようにしても良い。また、一つの建物の全階に対して本手段の換気方式を適用する必要はない。例えば風の弱い建物の下半部は特許文献3の換気方式を、また風の強い建物の上半部は本手段の換気方式をそれぞれ適用することもできる。
「機械換気」は、主に縦シャフトを経由した空気の換気又は居住空間の換気に利用される。送風ファンなどの換気装置は、建物の適所に、例えば縦シャフトを経由した機械換気においては、縦シャフトの外気導入口に、或いは縦シャフトと各階との連通口に設置することができる。
「外気導入口」は、縦シャフトへの流入口として、少なくとも換気対象階の連通口よりも下方に設置する。外気導入口は地表付近に設置するのが普通であるが、例えば前述の如く建物の上半部にだけ本手段の給気用縦シャフトを縦設する場合には、この縦シャフトの下部(建物の上下方向中間部)に設けても良い。縦シャフトの大きさに応じてその壁体には、複数の外気導入口を開口しても良い。また外気導入口に開閉扉を設けたり、防塵用のフィルターを設置することができる。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記外気を湿度調節機18によって加湿又は除湿した後に上記縦シャフト12を介して各階の居住エリアAに供給するように設けている。
本手段では、居住エリアへ供給する外気を、雨期のように湿度が高いときには除湿し、春先のように湿度が低いときには加湿することで、従来よりも長い間、自然換気単独、又は空調との併用モードを利用できるようにしている。居住エリアで除湿又は加湿することも可能であるが、居住エリアで凝縮した水の処理の仕方が問題となるとともに、空気に加湿すべき水を該当階まで揚水する必要がある。これに対して本手段では、その水を空気とともに無動力で搬送しているので省エネルギーに寄与する。また本手段では除湿又は加湿をするので温度調節装置を一つに集約化することができる。
図7は、日本の気候での年間を通じての絶対温度と外気温との関係を湿り空気線図上にプロットしたものであるが、一般的に自然換気が行われるのは、絶対湿度で言えば7〜14g/kg’、外気温は16〜26度程度の範囲である。これを拡大することで、省エネルギー化を図ることができる。具体的には、外気温度の範囲はそのままで黒矢印の如く外気絶対湿度の範囲を広げることができる。
「湿度調節機」は、外気の相対湿度又は比エンタルピが、好適な範囲の上限値を超えるときには、この上限値となるまで除湿をし、また好適な範囲の下限値を下回るときにはこの下限値となるまで加湿をする能力を有する。本手段での湿度調節機は、加湿又は除湿のどちらか一方の機能を有するものであれば足りる。後述の図示例では、温度調節機は縦シャフトの内部に設置しているが、スペースがあれば縦シャフトの外に置いても良い。尚、加湿又は除湿は一ヶ所で行うようにすることが望ましい。これにより、除湿・加湿を一箇所で行うので、除湿コイル等の設備が一元化され、各居住エリアへ給水管を配する必要もないので、イニシャルコストを軽減できる。また湿度調節機の除湿又は加湿の熱源として建物内で発生した排熱を利用することができる。前述のように除湿及び加湿の設備を一箇所に集約しているので、排熱を効果的に利用することができる。排熱源としてはボイラーの熱などがある。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記外気導入口14を全ての連通口16よりも下方に設置し、この外気導入口14に連続させて上記湿度調節機18を設置している。
湿度調節機は地表付近に設置することが望ましく、これにより湿度調節機から凝縮水を除去するのが容易である。外気導入口も地表付近に設置するとよい。
第4の手段は、第2の手段又は第3の手段を有し、かつ
上記湿度調節機18は、上記外気導入口14から流入する外気の湿度又は比エンタルピに応じて、この外気の湿度又は比エンタルピが上方基準値より大きいときには除湿を、また下方基準値より小さいときには加湿を行うように制御されている。
本手段では、外気の相対湿度又は比エンタルピと連動させて湿度調節機の制御を行うことを提案している。比エンタルピを用いるのは、空気の顕熱及び潜熱を考慮に入れて効率的に制御を行うためである。
第5の手段は、第1の手段乃至第4の手段の何れかを有し、
縦シャフト12を形成する壁体を、蓄熱材料を用いて形成して、縦シャフトを形成する壁体と縦シャフトを通る空気との間で熱交換が起こるようにしている。
このように縦シャフトの壁体を蓄熱材料で形成することで、外部から導入する外気の温度が室内温度と大きく違っていても、壁体によって温度差を緩衝することができる。また夜間中に躯体に冷熱を蓄えるナイトパージを行うことができる。更に夜間に蓄熱をする過程において、壁体を通過する距離が長いほど、換言すれば上方の階になるほど導入する外気の温度が上昇するが、前述の数式1から判るように上方の階になるほど空気の供給量が多くなるので、各階を均等に冷却することができる。
「蓄熱材料」としては、一般のコンクリートの他に、ALC(軽量気泡コンクリート)、押出成形セメント板などが挙げられる。またシャフトの基材としてこうした材料を用いるだけではなく、縦シャフトを形成する壁体のシャフトに面する仕上げ面に、蓄熱材料を設け、蓄熱性を増してもよい。例えば、板状に切り出した石を張ってもよいし、潜熱蓄熱材を設けることも好ましい。
本手段の変形例として、建物の一方側部と他方側部とに、第5の手段として記載した外気導入口14及び湿度調節機18を含む縦シャフト12と連通口16とで形成する自然換気用サブシステム10をそれぞれ形成し、その一方サブシステムの縦シャフト12に冷熱を、他方サブシステムの縦シャフト12に温熱をそれぞれ蓄えることができるようにすることも可能である。これにより、冷熱蓄熱用の縦シャフトと暖房用の縦シャフトとをそれぞれ設けたから、冷熱及び温熱をそれぞれ効率よく蓄熱することができる。
第1の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○縦シャフト12の内部が外界と居住エリアAとの熱的な緩衝地域となるから、中間期のうち初春・晩秋の如く自然通風がやや肌寒いとき、縦シャフトを通過することで居室エリアより高い温度にすることもでき、晩春・秋口の様に自然通風がやや暑苦しいときでも、縦シャフトを通過することで居室エリアより低い温度にすることもできるから、外気を直接室内に入れる従来システムに比べて広い時期に亘り快適な通風が得られる。
○縦シャフト12を下から空気が昇っていくようにしたから、従来システムの如く急の夕立で雨が室内に吹き込んだり、突風に遇ったりするおそれがない。
○下層階の窓から逆流が生じても、下層階には直接外気が流入するために空気衛生上問題が生じることはないし、下層階を通って汚染された空気も、外気導入口からの流入空気によって希釈されるため、上層階に縦シャフトを通して供給される空気にも衛生上の問題が生じにくい。尚、特許文献3の排気シャフト利用の場合には、上層階で逆流が生じる可能性があるが、この場合には、下層階を通って汚染された空気だけが逆流を生じる上層階に供給されるため、空気衛生上の問題が生じる可能性が高い。
第2の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○外部から導入する空気を除湿又は加湿して居住エリアに供給するから、自然換気を利用できる期間を広げることができ、省エネルギーに寄与する。
○水分を気流によって各階へ無動力で運搬するので、ランニングコストも軽減される。
○居住エリアに加湿器を持ち込む必要がないので、室内での水漏れを生じない。
第4の手段に係る発明によれば、外気の湿度が下方基準値と上方基準値との間であるときには、外気をそのまま供給し、両基準値の範囲を外れるときには、除湿又は加湿を行うことで各階での空調の負担を少なくして効率的な換気乃至空調が行える。
第5の手段に係る発明によれば、縦シャフト12を形成する壁体を、蓄熱材料を用いて形成して、縦シャフトを形成する壁体と縦シャフトを通る空気との間で熱交換が起こるようにしたから、夜間に冷熱を縦シャフトに蓄えるナイトパージを行い易いとともに、そのモードでの各階への冷房効果を平均化できる。
図1から図3は、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド空調システムを示している。最もこれらの図は、説明の都合上発明の要部(換気設備)を大きく描いている。同図中、Bは建物であり、Fは建物の各階である。Wは各階に設けた窓である。
このハイブリッド空調システムは、空調用のサブシステム2と、自然換気用のサブシステム10と、制御部20で構成されている。
空調用サブシステム2は、従来公知の構造であり、各階の適所(図示例では天井裏)に設置した空調装置4と、空調空気の吹出孔6と、排気孔8とで形成されている。
自然換気用サブシステム10は、縦シャフト12と、湿度調節機18と、連通口16とで形成されている。
上記縦シャフト12は、建物の一側に縦設されている縦筒状の構造体である。この例では、春先・秋口のナイトパージを行うために建物の北向きに縦シャフトを付設するものとする。縦シャフトは、コンクリートのように蓄熱性を有する材料で形成され、かつ外気導入口の設置箇所を除いて、外界から空気も光も入らないように密閉されている。縦シャフト内には水道管などを配管させても良い。縦シャフト12の下端部には、外気導入口14を開口している。外気導入口には、開閉自在の扉(図示せず)を設け、この扉を、天候などの条件に応じて自動で或いは例えば管理人室からの指令により開閉できるようにすることができる。
上記連通口16は、縦シャフト12の躯体に建物の各階毎に開口する。図示例の連通口16は、上下一対の開口16A、16Bで形成されている。上部開口16Aは、晩春〜初秋の間の通風用であり、各階の居住エリアAのうち天井付近の高さに連通口を開口している。これにより一階でも連通口と外気導入口との間に高低差をとることができる。下部開口16Bは、晩秋〜初春の間の通風用であり、居住エリアAの床付近に開口している。両開口は、一方を開口しているときに他方を閉塞できるように、手動式又は自動式のダンパーで開閉可能に設けている。
上記湿度調節機18は、縦シャフト12の下端部内に上記外気導入口14と連結させて設置している。この湿度調節機18は、各階に除湿機又は加湿機を設ける代わりに、縦シャフト内に加除湿の機能を集約させるために設置するものであり、換気対象階全部の居住エリアを除湿又は加湿することができる能力を有するものとする。もっとも湿度調節機は一つである必要はなく、一箇所に建物の大きさと装置の性能に応じて、一箇所に複数の湿度調節機を設置しても構わない。
なお、図示はしないが、この湿度調節機の内部、或いは外部の適所には、外気の湿度及び温度を測定する測定手段(温湿度センサー)を取り付けておく。
制御部20は、上記湿度調節機の動作を制御する。即ち、上記温湿度センサからの測定値から得た外気の比エンタルピー或いは相対湿度に基づいて、これが上方基準値以上であれば除湿を、下方基準値以下であれば加湿を行い、両基準値の間であるときには、単に通風する。説明の都合上、図示例では、制御部を湿度調節機とは別に描いているが、湿度調節機に組み込むこともできる。また連通口の上下開口を開閉するダンパーを設けるときには、制御部20によって一方開口を開くとともに他方開口を閉じるように制御することができる。
上記構成において、晩春・初秋には連通口16の上部開口16Aを開け、下部開口16Bを閉じると、外気が湿度調節機18を通過して、除湿される。そして除湿された空気は縦シャフト12上部との空気の比重差によって上昇し、この上昇気流が居住エリアAに入るとともに、居室エリア内にあった空気を外部に押し出す。
また初春・晩秋には連通口16の下部開口16Bを開くとともに、上部開口16Aを閉じると、外気温よりも居住エリア内の気温が高いので、居住エリア内の空気が窓Wから外部へ流出するとともに、居住エリア内が負圧となって下部開口16Bから縦シャフト内の空気を吸い込む。湿度調節機18を加湿状態としておくと、適度に湿度を含んだ空気が縦シャフトを介して居住エリアに供給される。
縦シャフト内の温度Tsは、外界と区分されているため、外気温Toと居住エリアTaとの中間となる。即ち、晩春〜初秋にはTo>Ts>Taであり、晩秋〜初春にはTa>Ts>Toである。従って居住エリアAと温度差の大きい外気も、縦シャフト12内で熱的に緩和されて、居住エリアA内に入る。又晩春〜初秋の夜間には、自然通風の冷熱を縦シャフトの躯体に蓄え、これを日中に居住エリアに供給することができる。この際に、夜間の気流は、躯体に冷熱を与えることで、上の階へ行くほど温度が上昇し、単位体積当たりの冷熱量が減少するが、逆に上の階に行くほど通風量も増加するため、結果として全ての階をバランス良く冷却することができる。
以下本発明の他の実施形態及び実施例を説明する。これらにおいて、第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付することで説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るシステムを示している。この実施形態では、建物の北面及び南面に第1実施形態の自然換気用サブシステム10をそれぞれ設けたものである。図示例では建物の東西両側に2つの居住エリアAがあり、中間部にはエレベータや化粧室などの設置スペースをとっている。
図5は、第1の実施例であり、これは、建物の地下階にも本発明を適用する例である。図示例では、傾斜地に建物を建てた例を示すが、別にこれに限られるものではない。縦シャフト12は、建物の下部とともに地中に伸びており、この縦シャフトの下端からトンネル状の外気導入口を段差面の下端部へ開口させている。制御部は、図示していないが、湿度調節機に内蔵させ、或いは地下又は地表部分の適所に設置すればよい。また地下階から地表へは排気ダクト22を設ける。なお、簡単のため、図面では空調サブシステム2は省略しており、各階の連通口も一個だけにしている。
図6は、第2の実施例であり、既述特許文献3の従来の自然換気システムと本発明の自然換気システムとを融合させたものである。即ち、第一実施形態の構成に加え、縦シャフトの上部に排気口24を開口するとともに、この排気口および外気導入口にそれぞれ開閉用のダンパーを付設し、制御部20により両開口の一方を開口するとき、他方を閉じるように設けている。この構成では、一本の縦シャフト12を、本システムの給気路と特許文献3の排気路とに兼用している。この構成の利用方法としては、例えば時期により特許文献3の換気方式と本発明の換気方式とを使い分けることができることにある。即ち、除湿又は加湿を要しない季節において、建物の下層階の通風を強くしたいときには、特許文献3の各階の居住エリアから縦シャフト12を介して排気口へ通風するように設定し、また除湿又は加湿を必要とする季節においては、本発明の外気導入口14から縦シャフトを介して居住エリアへ抜けるように通風を取ればよい。このように性質の異なる二つの方式を切り替えて併用することも本発明の範囲である。
本発明の第1実施形態のハイブリッド空調システムを備えた建物の縦断面図である。 図1の建物の横断面図である。 図1のシステムの作用説明図である。 本発明の第2実施形態のハイブリッド空調システムを備えた建物の横断面図である。 本発明の第1の実施例を示す図である。 本発明の第1の実施例を示す図である。 本発明の適用範囲を示すための湿り空気線図である。 従来の自然換気システムの説明図である。
符号の説明
A…居住エリア B…建物 F…各階 W…窓
2…空調用サブシステム 4…空調装置 6…吹出孔 8…排気孔
10…自然換気用サブシステム 12…縦シャフト 14…外気導入口
16…連通口 18…湿度調節機 20…制御部 22…排気ダクト
24…排気口

Claims (5)

  1. 空調空気の吹出孔付の居住エリアを備えた複数階から成る建物内で、機械換気と自然換気との切替又は併用を可能としたハイブリッド空調システムであって、
    上記建物の一部に、各階の居住エリアAに連通口16を経て連通する通気用の縦シャフト12を設け、
    この縦シャフトの下部に外気導入口14を開口するとともに、この外気導入口及び各連通口の設置箇所を除く縦シャフト部分を密閉可能な構造とすることで、
    縦シャフト12の煙突効果により、外気が外気導入口14から縦シャフト12内を上昇し、各連通口16及び各階の内部を通って外方へ抜けるように設けた
    ことを特徴とするハイブリッド空調システム。
  2. 上記外気を湿度調節機18によって加湿又は除湿した後に上記縦シャフト12を介して各階の居住エリアAに供給するように設けたことを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド空調システム。
  3. 上記外気導入口14を全ての連通口16よりも下方に設置し、この外気導入口14に連続させて上記湿度調節機18を設置したことを特徴とする、請求項2記載のハイブリッド空調システム。
  4. 上記湿度調節機18は、上記外気導入口14から流入する外気の湿度又は比エンタルピに応じて、この外気の湿度又は比エンタルピが上方基準値より大きいときには除湿を、また下方基準値より小さいときには加湿を行うように制御されていることを特徴とする、請求項2又は請求項3記載のハイブリッド空調システム。
  5. 縦シャフト12を形成する壁体を、蓄熱材料を用いて形成して、縦シャフトを形成する壁体と縦シャフトを通る空気との間で熱交換が起こるようにしたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のハイブリッド空調システム。
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