JP2008542753A - 自動化臨床分析機において少量の液体試料中の妨害因子を確認するための方法 - Google Patents
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Abstract
臨床分析の開始後に、試料中で見出される可能性のある妨害因子の存在を自動的に検査することによって、自動化臨床分析機での臨床分析用の少量試料の配送を促進する。
【選択図】 図5
【選択図】 図5
Description
本発明は、その中に分析への妨害因子を有する可能性のある少量の液体試料または他の溶液を容器に配分するための、方法および装置に関する。特に本発明は、自動化臨床分析機で試験される血液試料内に見出される可能性のある妨害因子の存在を検査する前に、分析用の少量試料の配送を促進するための方法を提供する。
患者の診断および治療に関連する様々なタイプの分析試験は、患者の感染物、体液または膿瘍から採取した液体試料を分析することにより行うことができる。これらのアッセイは一般に自動化臨床分析機を用いて行われ、患者試料を含む試験管またはバイアルをそれに装填する。この分析機ではバイアルから液体試料が抽出され、そしてこの試料は特別な反応キュベットまたは試験管中で各種の試薬と混合される。一般に試料−試薬溶液は分析前にインキュベートされ、そうでなければ処理される。分析測定はしばしば試料−試薬混合物と相互作用をする呼出(interrogating)放射光束を用いて、例えば、光度または蛍光吸収を読み取ることによって行われる。この測定によりエンドポイントまたは速度の値を決定することが可能になり、それにより周知の検定技術を用いて患者の健康に関連する検体量が測定できるだろう。残念なことに、液体試料の品質は検体測定結果の正確さを損なうように影響する可能性があり、特に予め存在していたいくつかの試料の条件の帰結として、試料中に有色性妨害因子が存在する場合にあてはまるだろう。
例えば、静脈穿刺中もしくは遠心分離中または長期保存後のように、過剰な数の赤血球が損傷した場合は、試料は赤みがかった色になり、これは「溶血」を示しているといわれる。遊離ヘモグロビン(Hb)の存在は溶血の程度を測定するために使用でき、そしてヘモグロビン濃度が約20mg/dlを超える場合は、試料中の赤色性妨害因子のために、このヘモグロビンは検体の発色測定を妨害する可能性がある。
他の妨害因子は過剰なビリルビンであり、これは崩壊した赤血球のヘムが脾臓中でビリルビンに変換した結果である。2−3mg/dlを超えるビリルビン濃度は目視にて黄みがかった色を呈しており、そして特に酵素ベースの免疫アッセイにおいて悪い影響を与える。このような症状は、ビリルビン血症または黄疸と呼ばれている。
他の妨害因子は、過剰な脂質の存在による血清または血漿中の白みがかった外観である。このような症状は脂肪血と呼ばれ、そして約50mg/dlを超える脂質濃度は免疫アッセイにおける抗体結合を妨害する可能性がある。
熟練した技術者は、目視により試料を検査し、そしてもし正常な淡黄色から淡い琥珀色を有していないと判断した場合は、その試料を廃棄することができる。そうでない場合は、試料は依頼されたとおり検査されるだろう。しかしながら、目視検査は主観的であり、過剰な労力を必要としそして人為的な誤りをするかもしれないという心配がある。したがって、技術者による目視検査抜きに血清試料の整合性を評価することが望まれている。この課題に対する一つの取組み手段には、臨床分析機で試料について行われる検体アッセイの前に、臨床分析機の分析用装置を用いて試料の一部分を検査することを含む。しかしながら、この手段では、検体濃度データが利用可能になることを不必要に遅らせる。他の取組み手段には、臨床分析機の分析用装置を用いて試料のアッセイを行いながら同時に試料の一部分を試験することを含む。しかしながら、試料のサイズをより小さくしようとする傾向により(患者を考慮し、そして試薬費用を少なくするために)、より少ない試料部分中での妨害因子の分析はより不正確になる可能性がある。
血清試料中の溶血、黄疸および脂肪血(HILとよばれる)が存在するかどうか確認するために、各種の方法が実施されてきた。米国特許番号5,734,468には、プローブ光束中でプローブの実質的に透明な区分を通して血清試料の分光学的分析を行う検出器を用いて、血清試料を検査することが開示されている。分光学的分析からは、血清試料の溶血指標、黄疸指標および脂肪血指標が作成できる。これらの血清指標に基づいて、血清試料を追加試験のために臨床分析機に移すことができ、そうでなければ不適切な試料として廃棄できる。
米国特許番号6,372,503には、開示された品質管理材料を、機器の校正を監視するため、または血漿もしくは血清試料中の溶血、濁度、ビリルビン血およびビリベルジン血の量を、個別に、もしくはどれか2つ、もしくはどれか3つ、もしくはどれか4つを同時に測定する機器の再校正のために使用できることが記載されている。
米国特許番号6,628,395には、容器から取り出す前、および臨床分析機へと移送する前に、最初に入ってきた試料容器中のHILについて、試料の予備的な試験をおこなうことを開示している。この取扱い手段では、試料は失われず、評価の結果を基にして臨床分析機または廃棄容器へと移送できる。
米国特許番号6,353,471には、(1)放射線の少なくとも1つの周波数で試料を照射し;(2)試料による照射線吸収度を妨害因子の標準物と関連づけ、妨害因子の濃度を測定し、そして;(3)妨害因子の濃度が所定の基準を超えた場合には、その試料は排除する:ことにより、試料中の少なくとも1つの妨害因子の濃度を決定して試料のさらなるアッセイを排除する方法を開示している。
吸引工程の全体の品質に悪い影響を与える他のタイプの妨害因子は、試料内の異常性または不均一性である。凝固物、気泡、泡沫等のような不均一性は多くの試料において見られ、特に試料が、多くの場合不均一な組成物である各種の体液の一つである場合にそうである。様々な方法が、吸引工程でのそうした不均一性の影響を検出するために開発されてきている。
米国特許番号6,022,747は、吸引中に真空度に対応して出力電圧データを マイクロプロセッサへと伝えるための吸引経路上の圧力変換機を有する血液凝固検出器を開示している。このマイクロプロセッサは吸引サイクル中の圧力の読取値を積分し、各試験試料の吸引についての圧力積分値を与える。分析用試験試料が受容できるかどうかは、参照する圧力積分値と各試験試料の圧力積分値の間での所定の差異に基づく。
米国特許番号5,814,275、5,622,869および5,451,373は、流通経路の障害物の検出用装置に関している。圧力検出器は障害物の存在を示す流通路の空隙内圧力の変化を検出する。
米国特許番号5,540,081は、試料吸引用ノズルを含む凝固検出を備えたピペッテング器具に関している。複数の圧力差異計算回路が圧力検出器と連結し、それぞれについて圧力検出器出力を入力し、そして異なった圧力計算時間における圧力差の値を得る。各圧力計算時間にしたがって測定された異なった識別用閾値をそれぞれ有する複数の識別用回路が提供される。
米国特許番号5,503,036は、自動化液体試料吸引/分配装置の試料プローブの障害物を検出する障害物検出回路及びそのような障害物を検出する方法に関する。一つの実施態様において、この障害物検出回路にはポンプを試料プローブ開口部に連結する液体水路中の圧力を測定する圧力プローブを含んでいる。連結する液体水路内の圧力は自動化液体試料吸引/分配装置による試料体積の吸引または分配の開始直後に測定される。連結する液体水路内の圧力はポンプによる吸引または分配の完了後に再度測定され、そして圧力が所定の時間内に所定の範囲に回復しない場合は、エラー状態が報告される。
米国特許番号5,463,895には、ベースラインの読み取り値としてピペッター内の周囲大気圧を測定し、ピペッターが容器中の試料に向かって移動する時にピペッター中に空気を吸引し、そして該容器中の液体の表面レベルを示すピペッター内の圧力変化を観測することにより、液体試料中の不均一性を検出する装置および方法が開示されている。
したがって、検査する少量の液体試料内の内因性の妨害因子に遭遇する問題に対して従来技術において用いられた異なった取扱い手段の研究から、分析試験結果を得る速度に悪影響を及ぼさず、そしてそうした測定の精度に悪影響を及ぼす可能性のある少量試料部分の測定を行うことなしに、そうした妨害因子の存在を確認するための方法に関する必要性が存在している。さらに、少量試料部分での不均一性測定を行うことに関連して伴う汚染の危険性に遭遇することなく、試料中の試料不均一性妨害因子の存在を確かめる必要性が存在している。
本発明の主要な目的は、それについての分析を遅延させたりその精度に影響を与えたりすることなしに、生化学的分析機内で試料を分析する方法を提供することである。このことは反応キュベット中へ入ってくる試料の少量分取部分を分配し、そしてその中の妨害因子の存在を検査することなく、即座にそれについての生化学的分析を行うことで達成される。この手順に続いて、試料のより多量の残余部分について、溶血、黄疸および脂肪血(以下HIL)のような妨害因子またはその中の液体不均一性の存在が調べられる。意図的により多量部分を保持しそしてそれについて妨害因子試験を行うことにより、試験工程の精度が向上しそして少量分取部分の汚染の可能性が除かれる。さらに、妨害因子試験を生化学分析の開始後に行うために、所望の分析結果を得るための遅延も生じない。もし妨害因子の存在が確認された場合は、そうした結果は入ってくる試料の少量分取部分で得られた生化学的分析結果と一緒に、またはそれとは別に提供されても良い。場合により、それについて調べたより多量の試料部分中に妨害因子がないと確認された場合には、そうした結果は入ってくる試料の少量分取部分で得られた生化学的分析結果と一緒に、またはそれとは別に提供されても良い。例示的なHIL分析方法では、HIL指標値が計算される3つのナノメーター(nm)の波長で、より多量の試料部分の試料吸光度が測定される。HIL試験結果は「H」、「I」および「L」指標値を3桁の整数値として含み、そこでは第一の桁が「H」指標を表し、第二の桁が「I」指標を表しおよび最後の桁が「L」指標を表す。本発明は生化学分析に特異的な「警戒指標」を提供する。各生化学的分析物分析は「H」、「I」および「L」警戒指標に対応する特別な「警戒指標」を提供することができる。例示的な液体不均一性分析方法には、少量分取部分を反応キュベットへと分配しそしてそれについての生化学的分析を行うことに続いて、より多量の試料の分取部分の吸引中に圧力変換器内の圧力を監視することを含んでいる。
本発明は、以下の発明の詳細な説明と本願の一部を形成する付随する図面を関連づけることによりさらに完全に理解されるだろう。これらの図において:
図1は、本発明の実施に適合した自動化分析機の概略の平面図である;
図2は、図1の分析機の一部分を拡大した概略の平面図である;
図2Aは、図1の分析機を操作するために有用な反応キュベットの透視図である;
図3は、図1の分析機のために有用な分取部分容器アレイの透視図である;
図4は、図1の分析機のために有用な分取部分容器アレイの保管および操作ユニットの透視図である;そして
図5は、図3の分取部分容器アレイから試料液体を吸引する液体吸引および分散システムの模式図である。
図1は、本発明の実施に適合した自動化分析機の概略の平面図である;
図2は、図1の分析機の一部分を拡大した概略の平面図である;
図2Aは、図1の分析機を操作するために有用な反応キュベットの透視図である;
図3は、図1の分析機のために有用な分取部分容器アレイの透視図である;
図4は、図1の分析機のために有用な分取部分容器アレイの保管および操作ユニットの透視図である;そして
図5は、図3の分取部分容器アレイから試料液体を吸引する液体吸引および分散システムの模式図である。
図1は、図2と合わせて、本発明を有利に実施できる自動化化学分析機10の構成要素を模式的に示し、この分析機10はキュベット受入口16を有する外側回転台リング14を支持する反応回転台12を含んでいる。キュベット受入口16は、図2Aで示されているように、複数の反応キュベット18を受け入れるように適合している。反応回転台12は一定方向へ段階的に移動して回転可能であり、この段階的移動は、反応回転台12が静止状態で保持されている間に一定の滞留時間により分割されており、そして検出器、試薬添加ステーション、混合ステーション等のようなコンピュータ制御のアッセイ操作装置20が、キュベット16内に入っているアッセイ用混合物上で、必要に応じて稼動する。分析機10はさらに、反応混合物の蛍光を検出するために適合した検出ユニット、ならびにその他の、光度計22A、比濁計22Bおよびイオン選択的電極22Cのような非蛍光ベースの検出ユニットを含む、いくつかの慣用のアッセイ用検出装置22を含んでいる。
分析機10は、デード・ベーリング社(デアフィールド、イリノイ州)により販売されている、デメンション(R)臨床化学分析機で使用されているような、および、コンピュータベースの電子機械的制御プログラミングの技術分野の当業者により広範に用いられるような、機械語で書かれたコンピュータプログラムに基づいて、コンピュータ24により実行されるソフトウエアにより制御される。コンピュータ24はまた、アッセイ検出装置22により行なわれるアッセイを実行するための応用ソフトウエアプログラムを実行する。
図1に示されるように、双方向性の受入および排出試料の液体チューブ輸送システム24には、試料液体チューブ28のような開放型または閉鎖型の試料液体容器が入っている試料液体チューブラック26を、中抜矢印30Aで示されているように入力レーン30の最初の端でのラックの入力装填位置から入力レーン30の第二の端まで移動させるための機構が含まれている。試料チューブ28に入っている液体試料は、慣用のバーコード読取装置によりその上に記されたバーコード表示を読み取ることにより同定され、試料の分取部分が分析機10内に保持されている場合は、とりわけ患者の確認、実施される試験を、そしてその場合どの時間に関するものかを確認する。試料チューブラック26上にバーコード表示を付し、そして分析機10を通して設置された多数のバーコード読取装置を用いて、試料チューブ28および試料チューブラック26の位置を確認し、制御しそして追跡することもまた広く行われている。
温度制御した保管領域またはサーバー32および34在庫保管、吸入プローブ39により接触できる試薬を含む複数の多区分からなる細長い試薬カートリッジ36であり、これは必要に応じて、試料チューブ28から取り出されそして、図3に示された分取部分用アレイ40の分取部分用ウエル38へと分配される試料の分取部分の臨床アッセイを実施する。
先に述べたように、本発明の目的は、自動化臨床分析機で試験される血液試料内に見出される可能性がある妨害因子の存在を検査する前に、それに対する分析を遅延させたりそうでなければその整合性に影響を与えることなく、分析用の少量の試料の配送を促進するための方法を提供する。この目的を達成するために、慣用の液体サンプリングプローブ42を入力レーン30の第二の端に近接して設置し、そして試料液体チューブ28からの試料液体の分取部分を吸引し、そして試料液体の分取部分を分取部分用容器アレイ40中の複数の分取部分用ウエルの1つまたはそれ以上へと配分することが可能となる。図4に示された、分取部分用アレイ輸送システム44には、分取部分用容器アレイ保存および分配モジュール46、ならびに近接する反応回転台12に設置された試料吸引針状プローブ52の下の、いくつかの分取部分用容器アレイトラック50内で、双方向性に分取部分用容器アレイ40へ移送するために適合したいくつかの線状駆動モーター48を含んでいる。試料吸引プローブ52はコンピュータ24により制御され、そしてトラック48内のサンプリング位置に置かれた個別の分取部分用ウエル34から制御された試料量を吸引するように適合しており、次いで、1〜2μLの範囲内の吸引試料の少量分取部分を、慣用の臨床アッセイ方法およびアッセイ検出装置22を用いて、分析機10により分析的に調べるために1つまたはそれ以上のキュベット18へ分配する分配位置へと往復移動させる。
図5は、ピストン型の秤量ポンプ54を示し、これにはチューブ管60によりマニホールド58に連結したコンピュータ制御のピストン56を含み、マニホールド54は試料吸引プローブ52を支持し、チューブ管60もまた秤量ポンプ54とマニホールド56との間に設置された他のチューブ管64により慣用の圧力測定感知器62に連結している。例示的な圧力測定感知器62は圧力転換器(モデルSCXL004DN、センシム、ミルチパス、カリフォルニア州)であり、そしてコンピュータ28に連結しチューブ管60内の測定された空気圧力を与える。秤量ポンプ54はコンピュータ24により注意深く制御され、正確により少量およびより多量の試料の分取部分を吸引し分配する。ピストン型秤量ポンプ54以外のポンプ機構は、このポンプ機構が所望の試料体積の範囲内で正確に制御できる限り、本発明の実施に有利にするために用いることができる。図5はまた、分取部分用容器38に挿入し、その中に含まれる試料液体内に位置しているプローブ用針52を図示している。水準感知用手段、例えば周知の容量性のシグナルを用いた手段を、プローブ用針52が試料液体と液体的に連結していることを確認するために、有利なように用いることができる。秤量ポンプ54を始動し、そしてピストン56が移動する距離を、試料液体の正確に知られた体積がプローブ用針52で吸引または分配され、それにより、より少量のおよびより多量の試料の分取部分を形成するようにコンピュータ24により制御する。吸引したより少量のおよびより多量の試料の分取部分が約1から10マイクロリットル(μL)の範囲に入るようにする秤量ポンプ54を正確に制御するための機構には、ステッピングモーター(カブロCo.により製造されているもののような)または、ピストンがステッピングモーターに連結した密封空隙中でのピストン変位(リーCo.により製造されているもののような)を含んでいる。
試料をキュベット18へと分配することに続いて、約10μLの範囲のより多量の試料の分取部分が、個別の分取部分用ウエル34から吸引プローブ52により吸引され、次に他のキュベット18へと分配され、溶血、黄疸および脂肪血のような妨害因子の存在について、ならびに凝固物、気泡および泡沫のような不均一性妨害因子の存在について検査される。意図的により多量の分取部分を保持し、そしてより少量分取部分で実施される妨害因子試験とは反対に、より多量の部分で妨害因子試験を行うことにより、試験の精度が上昇し、そして少量分取部分の汚染の可能性が除去される。さらに、妨害因子試験が分析試験の開始後に行われるために、所望の分析結果を得るのに遅延は生じない。さらに、より多量の分取部分の吸引の間に、吸引中の圧力。
例示的な方法において、より多量の分取部分の、溶血、黄疸および脂肪血のような妨害因子の存在を光度計22Aを用いて検査し、そこでは、「H」吸光度が405および700nmでのブランクの二色性測定に由来し、そして「I」吸光度が452および700nmでのブランクの二色性測定に由来し、そして「L」吸光度が700 nmでのブランクの測定に由来している。吸光度測定値からHIL濃度への変換は、3つの全ての妨害因子に関する所定の校正相関性に基づいて計算される。上記のHIL指標は、表1で特定された各妨害因子に関してmg/dLで表された濃度と関連している。
指標の1は分析特性の結果に通常影響を及ぼさないような妨害因子の濃度を表す。「試料指標」と呼ばれるHILの結果には、3桁の整数値XYZの試料指標としての「H」、「I」および「L」指標値を含み、そこでは第一の桁Xが「H」指標を表し、第二の桁Yが「I」指標を表しおよび最後の桁Zが「L」指標を表す。
使用にあたって、コンピュータ24は通常、生化学的アッセイ特異的「警戒指標」を用いてプログラム化されるだろう。これらのHIL感受性を表すアッセイは、「H」、「I」および「L」警戒値に対応する警戒指標を有するだろう。警戒指標は、特異的な方法が試料のHIL検定を必要とするかどうか、すなわち、このシステムが関連する方法と共にHILを稼動させるか、またはHIL妨害因子が特定の方法に関する警告を与える最小のHIL指標値を必要とするかどうかによって、カスタマイズされるように使用者によって編集できる。例えば、グルコースのアッセイでは、HIL警戒指標の「333」が予め割り当てられ、そしてHIL妨害因子が、それぞれ100、7および500mg/dlの濃度を有するものとして、光度計22Aを用いて測定され、試料指標が表1から「435」として決められるだろう。この場合、HILの結果は、試料についての他の全ての臨床アッセイの結果と共に、コンピュータ24により、アッセイ報告書の分離線上の正常値を越えるものとして報告されるだろう。反対に、HILは、それぞれ20、3および25mg/dlの濃度を有するものとして、光度計22Aを用いて測定され、試料指標が表1から「221」として決められ、そしてHIL結果が正常範囲以内として報告されるだろう。しかしながら、いずれの場合でも、本発明にしたがって妨害因子試験が分析試験の後で行われ、それにより所望の分析結果を得るための遅延は生じないだろう。
本発明の他の例示的な方法では、より多量の分取部分について、圧力測定感知器62を用いて、凝固物、気泡および泡沫のような不均一性妨害因子の存在が検査される。この方法には、(1)空気のプローブ52への吸入前にチューブ管60内のベースライン空気圧を決定する;(2)プローブ52がウエル38中に入っている試料へと下降するときに、ピストン56を操作して空気をプローブ52へと吸入する;そして(3)より多量の試料の分取部分の吸入中に圧力測定検知器62を用いてチューブ管60内の圧力を観測する;そして(4)観測した圧力が、凝固物、気泡および泡沫のような不均一性妨害因子が存在しない試料で予め決定した値の範囲内にあるのかどうかを記録すること、が含まれる。凝固の存在は、プローブ52を塞ぎ観測圧力を急激に増加させ、その一方、気泡または泡沫の存在は観測圧力の急激な減少を引き起こすだろう。この結果は、不均一性妨害因子の「是/否」の結果として、先に吸引され分析されたより少量の試料の分取部分について分析機10により得られた分析結果と共に報告できる。しかしながら、いずれの場合でも、本発明にしたがって、不均一性妨害因子試験が、分析試験の後で行われ、それにより所望の分析結果を得るための遅延は生ぜず、そして不均一性妨害因子評価の精度が増加するだろう。
本発明が広範囲の有用性と応用が可能であることが、当業者により容易に理解されるべきである。本願に記載された以外の本発明の多くの実施態様および適用、ならびに多くの変法、修正法および均等な処理は、本発明および本願中の上記の記載から、またはそれにより合理的に示唆されることにより、本発明の実体または範囲から離れることなく、明らかであろう。したがって、本発明は特定の実施態様に関連して本願で詳細に記載される一方、この開示は単に本発明を説明し例示するためであって、本発明の完全で実施可能な開示を提供する目的のためだけに為されることを理解すべきである。上記の開示は、本発明を限定する意図もなくまたそのように解釈されるべきではなく、そうでなければそうした他の実施態様、適用、変法、修正法および均等な処理を除外するものでもなく、本発明は本願に付随する特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
Claims (15)
- 第一時点で分析する試料の第一分取部分を吸引し;
実施予定の臨床分析を開始し;
第二時点で分析する試料の第二分取部分を吸引し、ここで該第二時点は該第一時点に続くものとし;
臨床分析の開始後、試料の該第二分取部分内の妨害因子の存在の計測を開始し;そして、
試料の該第二分取部分内の妨害因子の存在を報告する;
ことからなる、自動化臨床分析機における臨床分析試料内の妨害因子の存在を測定するための方法。 - 妨害因子が、溶血、黄疸および脂肪血の1つまたはそれ以上である、請求項1に記載の方法。
- 妨害因子が、凝固物、気泡もしくは泡沫の1つまたはそれ以上である、請求項1に記載の方法。
- 分析する試料の第一分取部分が約1〜2μLの範囲のより少量部分であり、そして試料の第二分取部分が約10μLの範囲のより多量部分である、請求項1に記載の方法。
- 存在が計測された溶血、黄疸および脂肪血を、溶血、黄疸および脂肪血の程度の増加に伴って漸増的に増加しそしてそれぞれ「H」指標、「I」指標、および「L」指標を表す指標に変換する、請求項2に記載の方法。
- さらに、計測された妨害因子の存在を3桁整数値の試料指標として記録することを含み、ここで第一の桁が「H」指標を表し、第二の桁が「I」指標を表しおよび最後の桁が「L」指標を表す、請求項5に記載の方法。
- さらに、3桁値を警戒指標の整数値として実施予定の臨床分析に割り当て、そして該警戒指標を該試料指標と比較することを含む、請求項6に記載の方法。
- さらに、警戒指標と該試料指標との比較を実施予定の臨床分析の結果の報告の一部として報告することを含む、請求項7に記載の方法。
- さらに、計測された妨害因子の存在を3桁整数値の試料指標として記録することを含み、ここで第一の桁が「H」指標を表し、第二の桁が「I」指標を表しおよび最後の桁が「L」指標を表す、請求項3に記載の方法。
- 凝固物、気泡または泡沫の存在の計測が、より多量試料の分取部分の吸引中に気圧を計測すること、そして観測圧が、凝固物、気泡または泡沫の存在しない試料に関する所定値の範囲内にあるかどうかを確認することを含む、請求項3に記載の方法。
- さらに、観測圧が所定値の範囲内にあるかどうかを、実施予定の臨床分析結果の報告の一部分として含む、請求項10に記載の方法。
- 第一時点で分析する試料の第一分取部分を吸引するために適したプローブ;
試料の該第一分取部分について実施予定の臨床分析を開始するためにプログラム化された該分析機内のコンピュータ;
を含む自動化臨床分析機での分析を予定している臨床試料内の妨害因子の存在を計測するための装置であって、
該プローブは、第二時点で分析する試料の第二分取部分を吸引するためにも適し、ここで該第二時点は該第一時点に続くものとし;
該コンピュータは、また該第二時点後に試料の該第二分取部分内の妨害因子の存在の計測を開始し、そして試料の該第二分取部分内の妨害因子の存在を報告するためにプログラム化されている、
上記装置。 - 妨害因子が、溶血、黄疸および脂肪血の1つまたはそれ以上である、請求項12に記載の装置。
- 妨害因子が、凝固物、気泡もしくは泡沫の1つまたはそれ以上である、請求項12に記載の装置。
- 分析する試料の第一分取部分が約1〜2μLの範囲のより少量部分であり、そして試料の第二分取部分が約10μLの範囲のより多量部分である、請求項12に記載の装置。
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