JP2008542216A - エアゾールヘアスプレー組成物 - Google Patents

Abstract

カルボキシル側基を含む少なくとも１つのヘアセットポリマー、セットポリマー用の溶媒およびポリマー用の中和剤を含み、存在する前記中和剤の濃度はポリマーの総カルボキシル基の少なくとも１７０％が中和できるような濃度である、ヘアスプレー組成物。

Description

本発明は、ヘアスプレー組成物に関する。

ヘアスプレー組成物は、多くの機能的要件を満たさなければならない。これらの要件は、毛髪に、ガサガサした、扱いにくい感覚を与えることなく良好な保持能力およびカールの保持を含む。

従来のヘアスプレー調合物は、しばしば、揮発性の水性溶媒に基づき、従がって毛髪に対して高い湿潤性の系を形成する。毛髪繊維上のエアゾール液滴の融合、続くエタノールの蒸発で固体ポリマー残渣を残すことにより、繊維−繊維結合の網状構造をもたらす。

しかしながら、毛髪をポリマーで被覆することにおける望ましくない結果が存在し、こわばり感、ごわごわ感、べたべた感または不自然な感触などの好ましくない感じの知覚を顕在化する。これらのポリマーを含有する調合物の更なる問題は、毛髪に適用される場合、この調合物が、見苦しい白色の付着物を残す可能性があることである。

この度、発明者らは、カルボキシル化ヘアスプレーポリマーを含むヘアスプレーが、これらのポリマーを含有する組成物に、濃度を増加させた中和剤を加えることにより、改善された保持、より良好なカールの明瞭さおよび目に見える付着物がほとんどないものを提供できることを見出した。

（発明の概要）
従って本発明は、カルボキシル側基を含む少なくとも１つのヘアセットポリマー、ヘアセットポリマー用の溶媒および該ポリマー用の中和剤を含み、ここで、存在する中和剤の濃度は、ポリマーの総カルボキシル基の少なくとも１５０％が中和できるような濃度である、ヘアスプレー組成物に関する。

本発明はまた、前段落に記載された組成物を毛髪に適用する段階を含む整髪の方法に関する。

本発明の更なる態様は、カルボキシル側基を含むヘアセットポリマーおよびポリマー用中和剤の整髪用組成物における使用であり、該中和剤の濃度は、ポリマーの総カルボキシル基の少なくとも１７０％が中和できるような濃度である。

（発明の詳細な説明）
被膜形成ヘアスプレーポリマー
本発明の組成物において用いられるヘアスプレーポリマーは、ヘアスプレー組成物の揮発性成分の蒸発の後、被膜を形成することができ、ユーザーの毛髪を所定の位置に保持することができなければならない。

最適な噴霧性を提供するために、ヘアスプレー組成物において用いられるポリマーは一般に、５，０００から１００，０００の数平均分子量の範囲及び１０，０００から５０，０００の数平均分子量がより好ましい。

ポリマーの量は、好ましくは組成物全体の０．１から１２％、より好ましくは０．５から８重量％、最も好ましくは０．６から５重量％の範囲に及ぶ。

アニオン性ヘアスプレーポリマーの例は、アニオン性基含有部分としてのアクリル酸またはメタクリル酸と、他のモノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸と１から２２個の炭素原子を有する１つ以上の飽和アルコールとのエステル（メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ｎ−ブチルアクリレート、ｔ−ブチルアクリレート、ｔ−ブチルメタクリレート、ｎ−ブチルメタクリレート、ｎ−ヘキシルアクリレート、ｎ−オクチルアクリレート、ラウリルメタクリレートおよびベヘニルアクリレート）；１から６個の炭素原子を有するグリコールのエステル（ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレートなど）；スチレン；ビニルカプロラクタム；ビニルアセテート、アクリルアミド；アルキル基に１から８個の炭素原子を有するアルキルアクリルアミドおよびメタクリルアミド（メタクリルアミド、ｔ−ブチルアクリルアミドおよびｎ−オクチルアクリルアミドなど）、および他の適合する不飽和モノマーなどを含有するアクリルコポリマー、ターポリマーなどである。このポリマーはまた、ポリジメチルシロキサンなどのグラフトシリコーンを含有することもできる。適したアニオン性ヘアスプレーポリマーの１つの具体例は、メタクリル酸、ｎ−ブチルアクリレートおよびエチルアクリレートの乳化重合ターポリマー（例えば、それぞれの重量パーセント比が３１：４２：２７）である。

もう１つの具体例は、Ｕｌｔｒａｈｏｌｄ（登録商標）８（ＣＴＦＡ−Ｃｏｓｍｅｔｉｃ、Ｔｏｉｌｅｔｒｉｅｓ ａｎｄ Ｆｒａｇｒａｎｃｅ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ指定のアクリレート／アクリルアミドコポリマー）である。

他の適したアニオン性ヘアスプレーポリマーは、カルボキシル化ポリウレタンを含む。カルボキシル化ポリウレタンポリマーは、カルボキシル側基を有する直鎖ヒドロキシル末端コポリマーである。これらは、少なくとも１つの末端をエトキシル化および／またはプロポキシル化され得る。カルボキシル基は、カルボン酸基またはエステル基であり得、ここでエステル基のアルキル部分は、１から３個の炭素原子を含有する。カルボキシル化ポリウレタンポリマーはまた、ＣＴＦＡ指定のＰＶＰ／ポリカルバリルポリグリコールエステルを有するポリビニルピロリドンとポルウレタンとのコポリマーであり得る。適したカルボキシル化ポリウレタンポリマーは、ＥＰ０６１９１１１Ａ１および米国特許第５，０００，９５５号に開示されている。他の適した親水性ポリウレタンは、米国特許第３，８２２，２３８号、第４，１５６，０６６号、第４，１５６，０６７号、第４，２５５，５５０号および第４，７４３，６７３号に開示されている。

両性ポリマーが特に好ましく、特にｔ−ブチルアミノエチルメタクリレートなどのモノマーから誘導されるカチオン性基を、アクリル酸またはメタクリル酸などのモノマーから誘導されるカルボキシル基との組み合わせにおいて含有できるものも、本発明において使用され得る。両性ヘアスプレーポリマーの１つの好ましい例は、Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎにより販売されているＡｍｐｈｏｍｅｒ（登録商標）（オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー）である。

特に好ましいものは、ヘアセットポリマーがアクリレート系コポリマーであるヘアスプレーである。

ポリマーの混合物を含む組成物が有益であり、特に少なくとも２つのポリマーを含み、第２のポリマーがまたカルボキシ基を含む混合物が、有益である。

適した中和剤の例として、２−アミノ−２−メチル−１，３−プロパンジオール（ＡＭＰＤ）；２−アミノ−２−エチル−１，３−プロパンジオール（ＡＥＰＤ）；２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール（ＡＭＰ）；２−アミノ−１−ブタノール（ＡＢ）；モノエタノールアミン（ＭＥＡ）；ジエタノールアミン（ＤＥＡ）；トリエタノールアミン（ＴＥＡ）；モノイソプロパノールアミン（ＭＩＰＡ）；ジイソプロパノール−アミン（ＤＩＰＡ）；トリイソプロパノールアミン（ＴＩＰＡ）；およびジメチルステアラミン（ＤＭＳ）が挙げられる。ＵＳ４，８７４，６０４に記載されているラウルアミドプロピルジメチルアミンなどの長鎖アミン中和剤が、用いられ得る。上記の中和剤のいずれかの混合物が、使用され得る。中和剤の量は、組成物全体の約０．００１から約１０重量％の範囲である。

存在するポリマーのカルボキシ基の中和に関して、中和剤の濃度は、総カルボキシル基の少なくとも１７０％、好ましくは総カルボキシル基の少なくとも２００％、より好ましくは総カルボキシル基の少なくとも２１０％が中和できるような濃度でなければならない。

非イオン性整髪ポリマーがまた存在し得、適した非イオン性ポリマーは、Ｎ−ビニルピロリドンのホモポリマー、およびＮ−ビニルピロリドンとビニルアセテートなどの相溶性がある非イオン性モノマーとのコポリマーである。種々の重量平均分子量においてＮ−ビニルピロリドンを含有する非イオン性ポリマーは、ＩＳＰ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから市販されており、このような物質の具体例は、ＰＶＰ Ｋ−９０の名称で販売されている約６３０，０００の平均分子量を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマー、およびＰＶＰ Ｋ−１２０の名称で販売されている約１，０００，０００の平均分子量を有するＮ−ビニルピロリドンのホモポリマーである。

噴射剤
本発明のヘアスプレーは、スプレーとして物質を送達するために従来の噴射剤のいずれかを利用することができる。適した噴射剤の例として、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、プロパン、ｎ−ブタンまたはイソブタンなどの物質が挙げられる。炭化水素系噴射剤、特にＬＰＧが、好ましい。

噴射剤の濃度は、所望に応じて調整することができるが、一般に、総重量の約３重量％から約５０重量％、好ましくは組成物全体の５から４５重量％、最適には組成物全体の２５から４５重量％である。

適したスプレー容器は当分野で周知であり、従来の非エアゾールポンプスプレー、即ち「噴霧器」、エアゾール容器、または上記の噴射剤を有する缶、およびまた噴射剤として圧縮空気を利用するエアゾールポンプ容器を含む。

オートホービックな（ａｕｔｏｐｈｏｂｉｃ）ヘアスプレー添加剤
幾つかの例において、オートホービックなヘアスプレー添加剤が存在し得る。オートホービックヘアスプレー添加剤は、ヘアスプレー組成物にオートホービックな挙動性を付与する界面活性剤またはポリマーである。適したオートホービックヘアスプレー添加剤には、以下が挙げられる。

ＵＳ４，８７１，５２９に記載されているアルキル側基シリコーンコポリオール。好ましい例は、エトキシル化ジメチコンコポリオールＳＩＬＷＥＴ（登録商標）Ｌ−７６０２（旧ＯＳｉ Ｓｐｅｃｉａｌｉｔｉｅｓ）である。

交互ポリアルキレンオキシドおよびシリコンブロックの存在によって「ＡＢＡ」型コポリマーと呼ばれるジメチコンコポリオール。

（ＡＢ）ｎ型コポリマーと呼ばれるポリジメチコンコポリオール。

２５モルのエチレンオキシドでエトキシル化されているココナッツ脂肪酸アルコール（Ｃ８〜Ｃ１８、主にＣ１２〜Ｃ１４）であるＧＥＮＡＰＯＬ（登録商標）Ｃ−２５０、（旧Ｈｏｅｃｈｓｔ Ｃｅｌａｎｅｓｅ）、および５モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたＣ９〜Ｃ１１アルコールであるＤＯＢＡＮＯＬ（登録商標）９１−５（旧Ｓｈｅｌｌ）のようなアルキルエトキシレート。

任意成分
本発明のヘアスプレーにおける好ましい任意成分は、揮発性および不揮発性シリコーン流体から選択されるコンディショニング剤である。揮発性シリコーン流体は、好ましくは、３から９個、好ましくは４から５個のケイ素原子を含む環状または直鎖状ポリジメチルシロキサンから選択される油である。

シクロメチコンは、最も好ましい環状揮発性シリコーンである。直鎖状揮発性シリコーン油は、２５℃で少なくとも約５センチストーク未満の粘度を一般に有する一方、環状流体は、約１０センチストーク未満の粘度を一般に有する。

本発明に有用な不揮発性シリコーン油は、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーを含む。本明細書で有用な不揮発性ポリアルキルシロキサンは、例えば２５℃で５から１００，０００センチストークの粘度を有するポリジメチルシロキサンを含む。そのうち好ましい不揮発性シリコーンは、２５℃で１０から４００センチストークの粘度を有するポリジメチルシロキサンである。これらのシロキサンは、例えばＳＦ１０７５メチルフェニル流体としてＧｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ Ｃｏｍｐａｎｙから、または５５６化粧品等級流体としてＤｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇから入手可能である。

使用することができる不揮発性ポリアルキルアリールシロキサン流体には、例えば２５℃で約１５から３０，０００センチストークの粘度を有するポリメチルフェニルシロキサンが含まれる。

また含むことができるものは、ヘアケア組成物中に一般に見られる微量の他の成分、例えば消泡剤、酸化防止剤、タンパク質、防腐剤、ケラチンアミノ酸、ＵＶ抑制剤、芳香剤、着色剤、緩衝剤、ポリオールおよび他の湿潤剤などである。一般に、これらの任意成分は、組成物全体の約５重量％までの濃度で個別に含まれる。

好ましくは、本発明の組成物はまた、ヘアケアに適した補助剤をも含有する。一般に、このような成分は、組成物全体の約２重量％まで、好ましくは１重量％までの濃度で個別に含まれる。

そのうち、適したヘアケア補助剤は、下記である：
（ｉ）天然毛根栄養素（アミノ酸および糖類など）。適したアミノ酸の例としては、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリンおよびバリン、及び／またはこれらの前駆体および誘導体が挙げられる。アミノ酸は、単独で、混合物で、またはペプチド（例えば、ジ−およびトリペプチド）の形態において加えられ得る。アミノ酸はまた、タンパク質加水分解産物（ケラチンまたはコラーゲン加水分解産物など）の形態において加えられ得る。適した糖類は、グルコース、デキストロースおよびフルクトースである。これらは、単独で、または例えば果実抽出物の形態において加えられ得る。本発明の組成物において含めるための天然毛根栄養素の特に好ましい組み合わせは、イソロイシンおよびグルコースである。特に好ましいアミノ酸栄養素は、アルギニンである。

（ｉｉ）毛髪繊維ベネフィット剤。例は、下記である：
該繊維を湿潤にし、キューティクルの整合性を維持するセラミド。セラミドは、天然供給源からの抽出によって、または合成セラミドおよび擬似セラミドとして入手可能である。好ましいセラミドは、Ｃｅｒａｍｉｄｅ ＩＩ（旧Ｑｕｅｓｔ）である。Ｃｅｒａｍｉｄｅｓ ＬＳ（旧Ｌａｂｏｒａｔｏｉｒｅｓ Ｓｅｒｏｂｉｏｌｏｇｉｑｕｅｓ）などのセラミドの混合物も、適している。

ここで本発明を、以下の非限定実施例により更に説明する。

本発明の実施例は、数字により例示され、比較例は、文字により例示される。

Ａｍｐｈｏｍｅｒ ２８−４９１０：典型的な酸価＝１．９
Ｒｅｓｙｎ ２８−２９３０：典型的な酸価＝１．３
Ｓｉｌｗｅｔ ２２−２８０１：ジメチコンコポリオール

このように、本発明の実施例は、比較例より良好であることを示すことが実証されている。

Claims (12)

1. カルボキシル側基を含む少なくとも１つのヘアセットポリマー、前記セットポリマー用の溶媒およびポリマー用の中和剤を含み、存在する前記中和剤の濃度は、ポリマーの総カルボキシル基の少なくとも１７０％が中和できるような濃度である、ヘアスプレー組成物。
2. 存在する中和剤の濃度が、ポリマーの総カルボキシル基の少なくとも２００％が中和できるような濃度である、請求項１に記載のヘアスプレー組成物。
3. ヘアセットポリマーが、アクリレート系コポリマーである、請求項１または２に記載のヘアスプレー組成物。
4. ヘアセットポリマーが、両性コポリマーである、請求項１から３のいずれか１項に記載のヘアスプレー組成物。
5. ヘアセットポリマーが、オクチルアクリルアミド／アクリレート／ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーを含む、請求項１から４のいずれか１項に記載のヘアスプレー組成物。
6. 第２のポリマーを更に含む、請求項１から５のいずれか１項に記載のヘアスプレー組成物。
7. 第２のポリマーが、カルボキシ基を含む、請求項６に記載のヘアスプレー組成物。
8. 中和剤が、１から８個の炭素原子のアルキル鎖長を有するアミノアルキル鎖アルコールである、請求項１から７のいずれか１項に記載のヘアスプレー組成物。
9. 中和剤が、アミノメチルプロパノールである、請求項８に記載のヘアスプレー組成物。
10. ヘアセットポリマーの濃度が、組成物全体の０．５から８重量％である、請求項１から９のいずれか１項に記載のヘアスプレー組成物。
11. 請求項１から１０のいずれか１項に記載の組成物を毛髪に適用する段階を含む、整髪の方法。
12. カルボキシル側基を含むヘアセットポリマーおよびポリマー用中和剤の整髪用組成物における使用であり、中和剤の濃度が、ポリマーの総カルボキシル基の少なくとも１５０％が中和できるような濃度である、前記使用。