JP2008535783A - Hiv−1の増殖を弱めるための方法および組成物 - Google Patents

Hiv−1の増殖を弱めるための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

単一の単離された抗体又はその抗体フラグメントは、HIV−1の複数の株及びサブタイプ中に発現されるHIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の複数の変異配列と結合する。この「汎エピトープ」抗体は、株に関わらず、HIV−1感染の治療的及び予防的な組成物並びに治療において、有用である。この汎エピトープ抗体は、生物試料中のTatタンパク質量の測定に基づく、HIV−1レベルを検出するためのアッセイにおいて有用である。

Description

発明の背景
本発明は、一般的に、慢性感染した症候性又は無症候性の患者中のヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)の増殖を阻害し、それによりエイズ(AIDS)への進行を最小限にするために有用な組成物および方法に関する。
現在、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に感染した患者を治療するために、様々な治療方法が利用され、又は研究されている。HIV−1治療へのアプローチの或るものは、HIV−1の転写活性化(tat)遺伝子に焦点を合わせており、この遺伝子はウイルスの高レベル転写に必須なタンパク質(Tat)を産生する。tat遺伝子及びそのタンパク質は配列決定され、そして提唱されたHIV治療における関与が調べられている(例えば米国特許第6,525,179号に引用された文献を参照されたい)。Tatタンパク質は細胞に外放出されて、他の感染細胞によって取り込まれて細胞中のHIV−1の転写を亢進させ、また非感染細胞によって取り込まれて宿主細胞の遺伝子活性化を変更させ細胞をウイルスに感染し易くすることができる。細胞によるTatの取り込みは非常に強く、このタンパク質の短い塩基性配列によって媒介されると報告されている(S.Fawellら、1994 Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,91:664−668)。
Tatタンパク質に対するモノクローナル及びポリクローナル抗体は動物中で容易に産生され、インビトロでTatタンパク質の取り込みを阻止することが示されており、そのようなTatタンパク質に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体を組織培養液に添加するとインビトロでのHIV−1感染が減弱される(例えば、米国特許第6,524,582号に引用された文献を参照されたい)。
本発明の共同発明者の一人による先行の科学刊行物及び特許刊行物(例えば、G.Goldstein,1996 Nature Med.,2:960;G.Goldstein,2000 Vaccine,18:2789;1995年11月30日公開の国際特許公開WO95/31999号;1999年1月21日公開の国際特許公開WO99/02185号;2001年11月8日公開の国際特許公開WO01/82944号;米国特許第5,891,994号;第6,193,981号;第6,399,067号;第6,524,582号;及び第6,525,179号;米国公開特許出願US2003/0,166,832号及びUS2003/0,180,326号)は、HIV−1 Tatタンパク質上の或るエピトープに対する抗体を、エイズワクチン及び治療薬として言及している。
例えば、これらの刊行物は、Tatアミノ酸残基4〜12、即ち:Val−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−Trp−Z12−(配列番号1)(式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり、Y9はGlu又はAspであり、そしてZ12はLys又はAsnである)にまたがる「HIV−1 Tatエピトープ1」配列内に位置するエピトープに特異的に結合する抗体、及びこの抗体と他のHIV−1 Tatに対する抗体を組み合わせた組成物に言及している。これらの刊行物は、Tatアミノ酸残基41〜50、式:−Lys−X42−Leu−Gly−Ile−Ser−Tyr−Gly−Arg−Lys−(配列番号2)(式中、X42はGly又はAlaである)にまたがる「HIV−1 Tatエピトープ2」配列内に位置するエピトープに特異的に結合する単離された抗体を含有する別の抗体組成物にも言及している。さらに、これらの刊行物はTatアミノ酸残基56〜62、式:−Arg−Arg−X58−Z59−A60−Y61−Ser−(配列番号3)(式中、X58はAla、Pro、Ser又はGlnであり、Z59はPro又はHisであり、A60はGln又はProであり、Y61はAsp、Asn、Gly又はSerである)にまたがる「HIV−1 Tatエピトープ3」配列内に位置するエピトープ、又は、Tatアミノ酸残基62〜73、式:−Ser−Gln−X64−His−Gln−Y67−Ser−Leu−Ser−Lys−Gln−Pro−(配列番号4)(式中、X64はAsn又はThrであり、Y67はAla又はValである)にまたがる「HIV−1 Tatエピトープ4」配列内に位置するエピトープに特異的に結合する単離された抗体にも言及している。
これらの抗体の組み合わせから形成される組成物、特にエピトープ1変異体の1つに対する抗体と各々が異なるエピトープ1変異体に結合する1以上の抗体との組み合わせ、さらに、そのようなエピトープ1抗体とエピトープ2抗体との組み合わせは、他の組み合わせの中でもとりわけ多数のTat変異配列、つまりHIV−1の複数の株並びにサブタイプ、B及び非Bクレード両方に特徴的な配列に結合することができる。これらの抗体組成物は、初期感染におけるHIV−1の感染性を阻害し、及び/又は抗体陽転後のウイルス量を低下させ、それによりエイズへの進行を遅らせるためにデザインされる。さらに、結果として得られたこれらの抗Tat抗体の組成物又は混合物は、ウイルスの多くの株及びサブタイプに対する治療として有利であり、したがって、異なる、そして株特異的な治療薬の必要性を不要にする。
HIV−1疾患の進行についての知識が増えているにもかかわらず、当業界では、一般的に、致命的な末期エイズへの感染の進行を遅らせ又は予防するためにHIV−1による慢性感染を治療するための組成物及び方法の開発の必要性がある。
発明の概要
1つの側面において、本発明は、複数のHIV−1 Tatエピトープ1変異配列に結合し、それにより複数の株及びサブタイプ由来のHIV−1 Tatタンパク質に結合する、単一の単離された抗体又はそのフラグメント(今後「汎エピトープ1(pan-Epitope 1)」抗体と呼ぶ)を提供する。1つの実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、5種類又は少なくとも5種類のHIV−1 Tatエピトープ1変異配列に結合し、それは本発明の以下の詳細な説明において明確に定義される。
別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、少なくとも2種類のHIV−1 Tatエピトープ1変異配列に結合する。さらに別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、以下に定義される(a)〜(d)のうち少なくとも1種類の変異Tatエピトープ1配列、及び以下に定義される(e)〜(h)のうち少なくとも1種類の変異配列に結合する。別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、少なくとも3種類、又は少なくとも4種類の変異HIV−1 Tatエピトープ1配列に結合する。
別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、少なくとも6種類のこれらの配列に結合する。別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、少なくとも7種類、又は少なくとも8種類の変異体HIV−1 Tatエピトープ1配列に結合する。別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、9種類以上の変異体HIV−1 Tatエピトープ1配列に結合する。別の実施態様において、単一の汎エピトープ1抗体は、既知のHIV−1 Tatタンパク質(B及び非Bクレード)変異体の95%以上と反応する。
別の側面において、本発明は、以上に定義される単一の汎エピトープ1抗体の1つを包含する医薬組成物を提供する。別の実施態様において、この組成物は以上に定義される複数の異なる汎エピトープ1抗体を含有する。さらなる実施態様において、この組成物はHIV−1に対する追加の抗体を含有する。そのような組成物は、エイズを導く慢性ウイルス血症を最小限にすることを意図している。そのような組成物は、慢性感染した症候性又は無症候性の患者にとって、又は他の抗レトロウイルス治療を受けている患者にとって有用である。
さらなる側面において、本発明は以上に定義される単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメント、及び検出可能な標識又は標識系を包含する診断アッセイ試薬を提供する。
別の側面において、本発明は、サンドイッチアッセイの実施に使用するためのキットであって、1以上の汎エピトープ1抗体又はフラグメント、エピトープ1以外のHIV−1 Tat上のエピトープに結合する1以上の追加の抗HIV−1 Tat抗体、及び所望により抗体の結合を同定するための1以上の検出可能な標識又は標識系を包含するキットを提供する。
別の側面において、本発明は、アッセイの実施に使用するためのキットであって、1以上の汎エピトープ1抗体又はフラグメント、及び汎エピトープ1抗体のTatへの結合を同定するための1以上の検出可能な標識又は標識系を包含するキットを提供する。本発明のいずれのキットも、コーティングされた固体支持体、種々の基質、及び標識により与えられるシグナルを誘起又は検出するための装置、並びに、血液試料を扱うための従来の装置、適当なバイアル及び他の診断アッセイの構成要素を含む。
さらなる側面において、本発明は、感染したヒト対象中のHIV−1の複製を阻害する方法又はHIV−1のウイルスレベルを低減させる方法であって、前記対象に対して、本明細書中に定義される医薬組成物を投与することによる方法を提供する。1つの実施態様において、この方法は、慢性感染した対象中のHIV−1ウイルスレベルを低く維持するために、本発明の組成物を投与することを含む。
別の側面において、本発明は、ヒト対象中のHIV−1複製を阻害するための医薬の製造における汎エピトープ1抗体の使用を提供する。1つの実施態様において、この使用は5種類以上の異なるエピトープ1変異配列に結合する汎エピトープ1抗体を利用する。別の側面において、本発明は、ヒト対象中のHIV−1複製を阻害するための医薬の製造における、汎エピトープ1抗体又は抗体フラグメント及び抗エピトープ2抗体又は抗体フラグメントの使用を提供する。
さらなる側面において、本発明は、単一の単離された汎エピトープ1抗体又はそのフラグメントの作製方法を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、対象中のHIV−1 Tatレベルを測定する診断アッセイを提供する。1つの実施態様において、このアッセイは本発明の汎エピトープ1抗体を利用する競合アッセイである。さらなる実施態様において、この汎エピトープ1抗体は少なくとも5種類のTatエピトープ1変異配列に結合する抗体、即ち汎エピトープ1抗体#5である。
本発明の他の側面及び利点は、本発明の好ましい実施態様についての以下の詳細な説明中にさらに記述される。
発明の詳細な説明
本発明は、複数の株及びサブタイプのHIV−1感染の治療及び診断に使用するための、治療及び診断のための試薬及び組成物の、当業界における必要性に取り組む。本発明の汎エピトープ1組成物の1つのユニークな利点は、あまり複雑ではなく、使用する試薬が少数ですみ、それでもHIV−1の株及びサブタイプの全範囲に対して効果的な製剤及び治療応用を含む。同様に、本発明は複数のHIV−1株及びサブタイプを、単独のアッセイ且つ最小数の試薬で検出可能にし、それにより、対象が感染しているかもしれないHIV−1株又はサブタイプ各々のための、複数の別個の試験及び試薬を不要にする。
HIV−1 Tatエピトープ1及び汎エピトープ1抗体
本明細書において、用語「変異体HIV−1 Tatエピトープ1配列」は、以下の式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)[式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;Y9はGlu又はAspであり;R1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;そしてR2は欠失又はTrp−Z12−R3であって、式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり、R3は欠失又は配列−His−Pro−Gly−Ser−(配列番号27)の全部若しくは一部である]で表される配列を指す。1つの好ましい実施態様によれば、エピトープ1配列は、X7及びY9部位に可変アミノ酸、且つR1としてValを含有し、且つR2は欠失であり、即ちVal−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro(配列番号28)である。別の実施態様によれば、エピトープ1配列は3つの可変部位、即ちX7、Y9及びZ12部位、欠失のR1、且つTrp−Z12−R3であるR2(式中、R3は欠失)を含有し、例えばAsp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−Trp−Z12(配列番号29)である。上記の式によれば、変異体エピトープ1配列の全体範囲は、以上に同定された配列番号5のフラグメント、又は配列番号5のフラグメント若しくは全体を包含するより長い配列のいずれかを含有する、長さ7〜約14個のアミノ酸配列であり得る。したがって、以下の例により明記される8種類よりも多くのエピトープ1変異配列が存在する。
別の実施態様として、他の変異体HIV−1 Tatエピトープ1配列は、式:Glu−Val−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro(配列番号30)、Val−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Trp−Z12−(配列番号31)、及びVal−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Trp−Z12−His−Pro−Gly−Ser−(配列番号32)により表される配列、並びに上記の式の範囲に入る他の配列を含む。1つの実施態様において、以下に例示されるように、或る選択された変異体HIV−1 Tatエピトープ1配列は、以下の8種類の配列により表される:
(a)−Val−Asp−Pro−Arg−Leu−Glu−Pro−(配列番号33)
(b)−Val−Asp−Pro−Lys−Leu−Glu−Pro−(配列番号34)
(c)−Val−Asp−Pro−Ser−Leu−Glu−Pro−(配列番号35)
(d)−Val−Asp−Pro−Asn−Leu−Glu−Pro−(配列番号36)
(e)−Val−Asp−Pro−Arg−Leu−Asp−Pro−(配列番号37)
(f)−Val−Asp−Pro−Lys−Leu−Asp−Pro−(配列番号38)
(g)−Val−Asp−Pro−Ser−Leu−Asp−Pro−(配列番号39)
(h)−Val−Asp−Pro−Asn−Leu−Asp−Pro−(配列番号40)
したがって、1つの実施態様において、例えば、1つの汎エピトープ1抗体は変異体(a)、(b)、(c)、(d)及び(h)と結合する。別の実施態様においては、汎エピトープ1抗体は(a)〜(h)の複数の変異体の異なる組み合わせと結合する。
エピトープ1のこの定義は相同又は類似の改変されたエピトープ配列も包含し、このとき配列番号5の式中の非可変アミノ酸(即ち、1文字と下付き文字によって表されていない物)は、同様の特徴を有するアミノ酸残基により個々に保存的に置換されていてもよい。例えば、配列番号5の非可変アミノ酸残基は、同じ電荷及び/又は同様の側鎖長を持つ他のアミノ酸残基によって置換されていてもよい。同様に、配列番号5の非可変天然アミノ酸は、不自然なアミノ酸残基、即ち化学構造が改変されたアミノ酸、例えばD−アミノ酸、非天然の側鎖を持つアミノ酸、N−メチル化アミノ酸等によって置換されていてもよい。特に、N−メチル化アミノ酸に関する引用文献を参照されたい。例えば、L.Aurelioら、2002 Organic Letters、4(21):3767−3769及びそこに引用される文献を参照されたい。
したがって本発明は「汎エピトープ1抗体」を提供し、この用語は、複数のHIV−1エピトープ1アミノ酸配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントを指す。望ましくは、以下の実施例に明示されるように、汎エピトープ1抗体は、結合する全ての変異配列に対して1.0×10-9以下のKDを有する。解離定数KDは、結合(ka)及び解離(kd)の測定から求められることは、当業者には容易に理解されるであろう。本発明の全ての汎エピトープ1抗体は、望ましくは同様のKD値を有する。
本明細書中に例示されるように、汎エピトープ1抗体の1つの実施態様は、少なくとも5種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はフラグメントである。さらなる実施態様において、汎エピトープ1抗体は、5種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はフラグメントである。さらなる実施態様において、汎エピトープ1抗体は、以下の5種類の変異体HIV−1エピトープ1アミノ酸配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はフラグメントである:VDPRLEPW−Z12−R3(配列番号6);VDPKLEPW−Z12−R3(配列番号7);VDPSLEPW−Z12−R3(配列番号8);VDPNLEPW−Z12−R3(配列番号9);及びVDPNLDPW−Z12−R3(配列番号10)、[式中、Z12はLys又はAsnであり、R3は欠失又は配列−His−Pro−Gly−Ser−(配列番号27)の全部若しくは一部である]。5種類の変異体に結合するここに例示されたIgG1汎エピトープ1抗体は、以下のアッセイにおいて5種類の変異配列の全てに対して1.0×10-9以下のKDを有することが示される。
汎エピトープ1抗体の別の実施態様は、以上にリストされた変異体エピトープ1配列(a)〜(h)のうちの2種類のような、少なくとも2種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントである。汎エピトープ1抗体のさらに別の実施態様は、少なくとも3種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントである。汎エピトープ1抗体の別の実施態様は、少なくとも4種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントである。別の実施態様において、2〜4種類の異なるエピトープ1変異体に結合する本発明の汎エピトープ1抗体は、Y9部位にGluを有する少なくとも1種類の変異体HIV−1エピトープ1配列、及びY9部位にAspを有する少なくとも1種類の変異体HIV−1エピトープ1配列に結合する抗体又はフラグメントである。
別の実施態様において、汎エピトープ1抗体である、単一の単離された抗体又はフラグメントは、少なくとも6種類の変異体HIV−1エピトープ1配列と結合する。さらなる実施態様は、少なくとも7種類の変異体HIV−1エピトープ1配列と結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントを含む。この用語はまた、少なくとも8種類の変異体HIV−1エピトープ1配列と結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントを指す。この用語はまた、追加の可変部位Z12又はあらゆる側方のアミノ酸を考慮すれば、少なくとも9種類以上の変異体HIV−1エピトープ1配列と結合することができる、単一の単離された抗体又はそのフラグメントを指す。尚さらなる実施態様において、以下の実施例に明示されるように、汎エピトープ1抗体は、各々の変異配列に対して1.0×10-9以下のKDを有する。
1つの実施態様において、以下の実施例中に詳細に示されるように、単一の選択された汎エピトープ1抗体は、前述の(a)〜(h)の8種類の配列により表される、2〜8種類までの変異体HIV−1エピトープ1配列と結合する。
したがって、或る単一の単離された汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、変異配列(a)〜(h)のうちの少なくとも2種類と結合する。本発明の別の単一の単離された抗体又はフラグメントは、前記の異なる変異配列の2〜4種類と結合する。そのような単一の単離された汎エピトープ1抗体又はフラグメントの或る特定の実施態様は、前記の変異配列(a)〜(d)のうちの少なくとも1種類、及び前記の変異配列(e)〜(h)のうちの少なくとも1種類と結合する。さらに他の単一の単離された汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、変異配列(a)〜(h)のうちのあらゆる5種類〜全8種類と結合する。以下に例示されるように、或る特定のクローンから産生される汎エピトープ1抗体は、エピトープ1(a)〜(d)及び(h)の5種類の変異体に結合する。この特定の抗体を、本明細書を通じて汎エピトープ抗体#5と呼ぶ。
しかしながら、上述のように、汎エピトープ1抗体の他の例は、Z12アミノ酸を含有するか、又は、上記の(a)〜(h)によって表される配列と相同で、その中の少なくとも1つの非可変アミノ酸が不自然なアミノ酸である配列を含有する、他のエピトープ1配列と結合するかもしれない。
したがって、本発明の単一の汎エピトープ抗体又はフラグメントは、複数の株及びサブタイプ由来のHIV−1 Tatタンパク質に結合する。1つの実施態様において、単一の汎エピトープ抗体又はフラグメントは、B及び非Bクレードに由来する株及びサブタイプを含む既知のHIV−1株及びサブタイプの95%以上と結合する。
本明細書中で使用される用語「抗体」は、2本の軽鎖及び2本の重鎖を有する無傷の免疫グロブリンを指す。したがって、単一の単離された抗体又はフラグメントは、モノクローナル抗体、合成抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、又はヒト抗体であり得る。用語「抗体フラグメント」は、無傷な抗体未満の構造を指し、単離された1本の抗体鎖、Fv構築体、Fab構築体、Fc構築体、軽鎖の可変又は相補性決定領域(CDR)配列等を含むが、これらに限定されない。
そのような汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、以下の実施例中に記述されるような順次的な選択及びスクリーニング技術を用いて、又は他の合成若しくは組換え技術を用いて産生される。上述のように、本発明の単一の単離された汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、抗体又は抗体フラグメントのライブラリーからの連続的で順次的な選択及びスクリーニングを含む方法によって作製することができる。例えば、選択には、各々の1本鎖ヒトFvライブラリーを、合成エピトープ1ペプチド及び/又は組換えTatタンパク質と接触させること、そして変異体Tatエピトープ1配列をライブラリーに提示することが含まれる。例えば、変異配列を含有するビオチン化ペプチドのような、第1のエピトープ1変異体アミノ酸配列と結合する配列として、1本鎖抗体可変配列(scFv)のライブラリーが選択される。この第1配列と結合するscFvの混合物が得られ、そして結合しないscFvはライブラリーから廃棄される。結果として得られた選択されたscFv混合物を、次に再び連続的且つ順次的に、望む限り多くの異なるエピトープ1配列と接触させ、そして非結合scFvを逐次的に廃棄して、複数のエピトープ1変異体、例えば2から、3、4、5、6、7若しくは8以上の異なるエピトープ1配列と結合するscFvの混合物が結果として得られる。望ましい数のエピトープ1変異体に結合する、結果として得られたscFvは、次に、選択されたscFvの供給源を提供するため操作されクローン化される。例えば、scFvは望ましい抗体又はフラグメントの形で提示するために操作される。
その後、各クローンは、異なるHIV−1株及びサブタイプ由来の異なるHIV−1 Tatエピトープ1変異体との反応性を決定するために、スクリーニングされる。スクリーニングは、選択された複数の変異配列(例えば2、3、4、5、6、7若しくは8以上の配列番号5のエピトープ1変異配列)に対して必要な結合を示す抗体又は抗体フラグメント若しくは構築体が得られるまで、拡大される。
汎エピトープ1抗体は、複数のエピトープ1変異体への結合を媒介することができるscFv由来の可変領域を含有していなければならない。しかしながら、定常領域は従来の方法によって変更できる。例えば、各汎エピトープ1 scFvの可変領域は、ヒトIgG1骨格のような定常領域骨格中に挿入することができる。そのような抗体は、以下の実施例1に記述されている。したがって、結果として得られた汎エピトープ1抗体は、ヒト又は非ヒト供給源(例えばサル等)由来の重鎖と連結されたヒト軽鎖可変領域を含有するキメラ抗体、又はヒトIgG抗体骨格を用いたヒト化抗体、又は抗体フラグメントであり得る。適切な抗体骨格の選択及び汎エピトープ1 scFvの挿入は、当業界の技術の範囲内であり、本明細書及び免疫学の従来の教示により提供される。
本明細書の教示によれば、当業者は本明細書中に記述されるあらゆる異なる汎エピトープ1抗体を産生することができるであろう。
本発明の医薬組成物及び方法
したがって、本発明の別の側面は、汎エピトープ1抗体又はフラグメント及び医薬的に許容し得る担体を含有する、HIV−1の治療に有用な医薬組成物である。そのような医薬組成物は、好ましくは、エピトープ1式の8種類のX7/Y9変異体と結合する、単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。別の医薬組成物は、エピトープ1の5種類以上のX7/Y9変異体と結合する、単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。さらに別の医薬組成物は、エピトープ1の2〜7種類のX7/Y9変異体と結合する、単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。さらに別の組成物は、エピトープ1の9種類以上のX7/Y9/Z12変異体と結合する、単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有することができる。
医薬組成物のさらなる実施態様は、2種類以上の異なる本発明の汎エピトープ1抗体(例えば、各々が複数の異なる変異体に結合する2又は3種類の抗体)を含有し得る。例えば、或る組成物中の1つの汎エピトープ1抗体はY9がGluであるエピトープ1変異体のみに結合し、そしてこの組成物中の第2のエピトープ1抗体はY9がAspである変異体のみに結合し得る。様々なそのような組み合わせは、本開示により当業者には容易に作製できるであろう。
本発明の医薬組成物は、他のHIV−1エピトープ、例えば既に同定されたHIV−1 Tatエピトープ2に対する抗体も含有し得る。本明細書中で使用される用語「HIV−1 Tatエピトープ2」は、配列−Lys−X42−Leu−Gly−Ile−Ser−Tyr−Gly−Arg−Lys−(配列番号2)(式中、X42はGly又はAlaである)を指す。したがって、1つの医薬組成物は、本発明の汎エピトープ1抗体を、エピトープ2内に位置するエピトープ配列に特異的に結合する抗体との組み合わせで含有し得る。
さらに、他のタンパク質及びHIV−1ウイルス上の免疫原性部位に対する他の抗体を容易に産生し、そして本発明の適切な医薬組成物中に組み合わせることができる。あるいは、本発明の組成物は、他のHIV−1抗ウイルス療法若しくは医薬投与計画と組み合わせて、又は順次に、使用し得る。
本明細書中に定義されるように、本発明の免疫原性タンパク質性組成物に使用するのに適切な医薬的に許容し得る担体は、当業者には周知である。そのような担体には、水、食塩水、緩衝食塩水、リン酸緩衝液、アルコール性/水性溶液、乳濁液又は懸濁液が含まれるが、これらに限定されない。他に従来利用されている希釈剤、補助剤及び賦形剤も従来技術に従って添加し得る。そのような担体には、エタノール、ポリオール及びそれらの適切な混合物、植物油、並びに注射可能な有機エステルが含まれ得る。緩衝液及びpH調節剤も利用し得る。緩衝液には、有機酸又は塩基から製造された塩が含まれるが、これに限定されない。代表的な緩衝液には、有機酸塩、例えばクエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、若しくはフタル酸の塩(例えばクエン酸塩)、トリス、トリメタンミン(trimethanmine)塩酸塩、又はリン酸緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。非経口担体には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖、ブドウ糖及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル又は固定油が含まれ得る。静脈内担体には、液体及び栄養素補充剤、電解質補充剤、例えばリンゲルブドウ糖に基づく物等が含まれ得る。保存剤及び他の添加剤、例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガス等も医薬担体中に提供され得る。本発明は担体の選択によって限定されない。上述の構成要素から、適当なpH等張性、安定性及び他の従来の特徴を有するこれらの医薬的に許容し得る組成物を製造することは、当業界の技術の範囲内である。例えば、以下の文献を参照されたい。Remington:薬学の科学と実践、第20版、Lippincott Williams&Wilkins出版社、2000;及び医薬品添加物便覧、第4版、Roweら編、APhA出版社、2003。
したがって、本発明は、ヒト対象中のHIV−1複製を阻害する医薬の製造における汎エピトープ1抗体の使用を提供する。
本発明のそのような医薬組成物は、HIV−1に曝されたヒト対象中のHIV−1複製を阻害する方法において有用である。本発明による組成物の適切な用量を、感染細胞から放出されるHIV−1 Tatタンパク質と結合する有効量でヒト対象に投与する。1つの実施態様において、この医薬組成物は、HIV−1感染したヒトに対し、ウイルス感染を治療又は制御するために、治療的に投与され得る。そのような感染者は、症候性又は無症候性であり得る。汎エピトープ1抗体は、感染した対象中での慢性ウイルス増殖を低減させ、そしてエイズへの進行を最小限にする。例えば、図1中に具体化されている阻害アッセイのインビトロの結果を参照されたい。
この方法は、感染細胞から他の感染又は非感染細胞へのTatの移動を、汎エピトープ1抗体に阻止させることによって機能する。この作用は感染効率を低減させ、そしてHIV−1ウイルス増殖の突発を阻止し、それによりウイルスレベルを低下させる。既に感染した患者において、このウイルスレベルの低減方法は、慢性ウイルス血症及びエイズへの進行を低減させる。この方法は、組成物の慢性投与を含むことができる。この方法による治療が適する患者は、HIV−1感染した患者で、疾病により免疫無防備状態になり、強い免疫応答を開始することができない患者である。HIV感染の後期においては、疾病による免疫傷害のために、抗体の有効力価が発生する可能性はより低くなる。またこの方法による治療が適する患者は、HIV−1感染した妊婦、感染した母の新生児、及びウイルスに曝されたと推定される未免疫患者(例えば、HIV−1感染者が使用した針を不注意に「刺して」しまったヒト)である。
これらの汎エピトープ1抗体組成物は、ウイルス増殖を阻害し、ウイルス量を低下させるために受動的な免疫療法として投与される。HIV−1由来の既知のTatタンパク質の95%以上又は99%以上と反応する外来抗体は、患者中での、ウイルス感染細胞から他の感染又は非感染細胞へのTat移動を即時停止する。この方法によれば、患者は抗体組成物を用いて、長期の治療計画により慢性治療され得る。
本発明の別のユニークな側面は、汎エピトープ1抗体及びエピトープ2抗体の両方を感染患者に投与することを含む、HIV−1複製を阻害するもう1つの方法により与えられる。そのような方法は、汎エピトープ1抗体及びエピトープ2抗体の組み合わせを単一の組成物として投与することを利用すると予想される。あるいは、各抗体を別個の組成物として、組み合わせて、又は順次に患者に投与してもよい。驚くべきことに、2つの抗体又は抗体フラグメントの組み合わせは相乗的な結果を生じる。この結果は、一緒に投与され使用されると、各抗体を別個に投与する時に使用される投与量よりも低い投与量の抗体が、望ましい治療結果(即ち、ウイルス血症の軽減)を達成するのに有用なことを示している。
これらの2つの試薬間の相乗効果は、阻害アッセイに例示されている。HIV−1感染細胞培養におけるHIV−1 Tatレベルの阻害を見るためのインビトロの阻害アッセイ形式において、汎エピトープ1抗体及びエピトープ2抗体は、医薬組成物として単独で使用されると、類似したウイルス阻害結果を生じる。例えば図2を参照されたい。しかしながら、2つの抗体を一緒に投与すると、いずれかの抗Tat抗体を単独で使用した時に与えられた相対的に同等の阻害よりも、予想外に、より強力なウイルスレベルの阻害が与えられる。図2に記述されるアッセイの結果を参照されたい。そのような汎エピトープ1抗体とエピトープ2抗体の相乗的活性は予期されていなかった。
上述の方法の各々において、本発明のこれらの組成物は適当な経路、例えば皮下、経口、粘膜、静脈、腹腔内、筋肉内、鼻、又は吸入経路によって投与される。現在好ましい投与経路は、皮下、静脈又は筋肉内である。
本発明の汎エピトープ1抗体の量は、各用量中の他の抗HIV−1抗体の有無に関わらず、患者の年齢、体重、性別、全般的な身体条件等を考慮して選択される。重大な副作用を伴わず患者中で外因性効果を生じさせるのに必要とされる抗体の量は、利用される医薬組成物に依存して変化する。一般的に、感染患者においては、各用量は約5〜400mg/mLの汎エピトープ1抗体の無菌溶液である注入薬を包含するであろう。別の投与量は約200mgの抗体である。さらに別の投与量は約100mgの抗体である。さらに別の実施態様は抗体約50mgの投与量である。さらなる実施態様は、抗体約10mgの投与量である。1つの実施態様において、一緒に用いられるとき、汎エピトープ1抗体及びエピトープ2抗体の投与量は上記と同じである。別の実施態様においては、2つの抗体間の相乗効果のため、各抗体単独の1回投与量の合計よりも、組み合わせ投与量は低い。
慢性投与の頻度は、毎日投与〜週に1回又は2回〜月に1回までの範囲に及ぶことがあり、抗体の半減期(例えば、約7〜21日)に依存し得る。しかしながら、そのような感染患者の慢性治療の持続期間は不確定だが長期であると予想される。他の投与量範囲も当業者により熟慮されるであろうし、特に、抗体組成物の投与が他の抗ウイルス治療と組み合わせて又は順次に行われる場合は、熟慮されるであろう。
本発明の組成物は、針刺し又は母子感染のため急性感染の危険性をもつ対象の慢性治療に利用することができる。本発明の抗体組成物は、感染患者、又は進行したHIVの患者の慢性治療にも利用することができる。
本発明の診断試薬、キット及びアッセイ
本発明のさらなる実施態様として、本発明の汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、診断アッセイ試薬として有用であり、検出可能な標識若しくは標識系と共に用いてもよく、又は基質上に固定化されてもよく、又は固定化を媒介する別の薬剤と連結されていてもよい。
そのような診断試薬は、エピトープ1式の8種類のX7/Y9変異体と結合する単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。別の診断試薬は、エピトープ1の5種類以上のX7/Y9変異体と結合する単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。さらに別の診断試薬は、エピトープ1の2〜8種類のX7/Y9変異体と結合する単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有し得る。さらに別の診断試薬は、エピトープ1の9種類以上のX7/Y9/Z12変異体と結合する単一の汎エピトープ1抗体又はフラグメントを含有することができる。
本発明のさらに別の実施態様は、本発明の診断キットを含み、このキットは本発明の単一の汎エピトープ1抗体、又は本発明のいくつかの異なる汎エピトープ1抗体を含有し得る。例えば、試薬中の1つの汎エピトープ1抗体はY9がGluであるエピトープ1変異体のみに結合し、そして試薬中の第2のエピトープ1抗体はY9がAspである変異体のみに結合する。様々なそのような組み合わせは、本開示により当業者に容易に作製されるであろう。そのような診断又はアッセイキットは、他のHIV−1エピトープ又は非Tatタンパク質に対する抗体も含有し得る。
そのようなキット及び試薬は、HIV−1感染した又はHIV−1感染した可能性のある対象中の、HIV−1及びHIV−1 Tatの力価の測定並びに検出に有用である。抗体は、適切な基質、例えばアビジンコーティングされた固体支持体(例えばプレート、スティック又はビーズ)上に固定化され得る。もちろん、診断アッセイ分野で既知の他の結合剤も、同じ目的のために利用し得る。
キット中には、抗体のHIV−1 Tatへの結合を検出する試薬、例えば非ヒト抗体(例えばヤギ抗ヒト免疫グロブリン等)も提供される。他の試薬は従来の診断標識又は標識系を含む。例えば、抗体は、直接的又は間接的に以下のものにより標識され得る:例えば、放射性化合物、放射性同位体(例えば32P、125I、テクニシウム);蛍光又は化学発光化合物(例えばFITC、ローダミン又はルシフェリン);及びタンパク質、例えばビオチン、又は酵素及び酵素補助因子(例えばアルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ又は西洋わさびペルオキシダーゼ);及び/又は分子標識(例えばFLAG等)。例えば、Chubet RG,Brizzard BL.1996 Biotechniques 20(1):136−141;及びKnappik A,Pluckthun A.1994 Biotechniques 1994;17(4):754−761を参照されたい。標識系の他の要素には、標識系(例えば、ストレプトアビジン及び西洋わさびペルオキシダーゼ系)の他の構成要素との相互作用によってシグナルを発生させるために有用な基質が含まれる。抗体を別個に検出部分と抱合させる、当業界で既知のあらゆる方法を利用することができ、それには、Hunterら,1962 Nature 133:945;Painら 1981 J.Immunol.,Meth.40:219及び他の従来の文献に記述される方法が含まれる。
あるいは、標識は抗体から離れて使用されてもよい。その場合キットは、種々の試薬及び標識を読み取る装置(例えば、酵素標識と相互作用して色のシグナルを発生する或る種の基質等)、血液試料を扱うための装置、並びに適当なバイアル及び他の診断アッセイ構成要素も含有する。
本発明の抗体は、あらゆる既知のアッセイ方法、例えば、競合結合アッセイ、直接及び間接サンドイッチアッセイ、並びに免疫沈降アッセイ中で利用し得る。例えば、Zola,モノクローナル抗体:技術マニュアル、pp147−158(CRC出版社、1987)、及び様々なアッセイプロトコルのための他の従来のアッセイ文献を参照されたい。1つの実施態様として、患者中のHIV−1 Tatレベルの検出に使用されるキットは、以下のものを含有し得る:1以上の汎エピトープ1抗体又はフラグメント;1以上の所望による追加の抗HIV−1 Tat抗体であって、HIV−1 Tat上の、エピトープ1配列とは異なるエピトープに結合する抗体;及びこれらの抗体の結合を同定するための、1以上の検出可能な標識若しくは標識系。このキットのための、他の従来の診断構成成分は、当業者により容易に選択されるであろう。
別の実施態様において、患者中のHIV−1 Tatレベルの検出に使用されるキットは、単一の汎エピトープ1抗体若しくはフラグメント、又は代わりに複数の汎エピトープ1抗体及びフラグメント、並びにこれらの抗体の結合を同定するための1以上の検出可能な標識若しくは標識系を含有する。そのようなキットは競合アッセイの実用に用いるのに適する。
そのようなキット及び試薬は、患者中のHIV−1力価を評価するための様々なアッセイ形式中で利用し得る。そのような患者は、非感染か、感染しているか、又は本発明の医薬組成物を用いた治療若しくは他の抗HIV−1薬物療法を受けていてもよい。
本発明の1つの実施態様において、汎エピトープ1抗体はさらに、競合アッセイの使用を可能にする。この実施態様において、対象中のHIV−1 Tatレベルを測定する診断アッセイは、既知量のHIV−1 Tatタンパク質が固定化されている基質を、未知量のHIV−1 Tatを含有する対象由来の生物試料、及び検出可能な標識と連結された本発明の単一の単離された汎エピトープ1抗体又はフラグメントと接触させることを含む。汎エピトープ1抗体又はフラグメントは、基質上に結合した既知量のTatに対して飽和量以下で存在する。基質を洗い流し、そして前記基質に結合した汎エピトープ抗体又はフラグメントの量を測定する。
結合した汎エピトープ1抗体の量は、前記試料の非存在下で、様々な既知量の同じ汎エピトープ1抗体又はフラグメントの、前記既知量の結合Tatに対する結合を測定した標準結合曲線と比較される。したがって、前記試料中のTat量は、前記基質に対する前記抗体の結合量との逆相関によって示される。
汎エピトープ1抗体又はフラグメントを利用するこの競合アッセイは、2〜8、即ち、2、3、4、5、6、7、又は8種類、又はさらに多数のエピトープ1変異配列に結合し、そしてシンプルでより効率的なアッセイを可能にする。本発明の単独試薬アッセイは、複数の試薬及び複数のアッセイを必要とせずに、複数の株及びサブタイプのHIV−1感染の検出を可能にする。
例えば、HIV−1 Tatレベルを測定する診断アッセイの別の実施態様は、対象由来の生物材料(例えば、体液、好ましくは血液、血清又は血漿、しかし尿、唾液及び他の液体又は組織でも可)を、試料中のHIV−1 Tatと結合する固定化された「捕獲」抗体と接触させることを含む。固定化される捕獲抗体は、汎エピトープ1抗体、又はエピトープ1とは異なるHIV−1 Tatのエピトープと結合する抗体のいずれでもよい。
固定化は、捕獲抗体を、プレート、ストリップ又はビーズのような固体支持体に結合させることにより与えられる。生物試料を固定化抗体に充分な時間曝してから、支持体を洗浄して、生物試料由来の、ペプチドに結合しないあらゆる成分を除去する。そのような洗浄工程は診断アッセイでは慣例であり、従来の緩衝液を用いて実施される。
もし試料中にHIV−1 Tatタンパク質が存在すると、そのTatは結合した捕獲抗体に結合することにより固定化されるであろう。その後、結合した成分は、HIV−1 Tatに対する第2の「検出」抗体と接触させられる。検出抗体は、捕獲抗体と異なる抗体であれば、汎エピトープ1抗体若しくはエピトープ1とは異なるHIV−1 Tatのエピトープと結合する抗体、又は異種の非ヒト抗体でもよい。検出抗体は、結合したHIV−1 Tat上の、捕獲抗体とは異なるエピトープに結合し、そしてそのため固体支持体上の捕獲抗体と生物試料中のHIV−1 Tatの間の結合の検出を可能にする。
第2の検出抗体は、検出可能な標識、又は検出可能なシグナルを発生できる構成要素によって標識することができ、例えば、ビオチン化されるか、又は抗体がFLAGのような分子タグを含有してもよい。あるいは、標識は抗体の一部でなくともよい。適切な標識は、以上で検討されたように、従来利用されている診断標識の幅広い系列から選択される。1つの実施態様において、標識は酵素でもよく、この酵素は基質と接触すると検出可能な色又は化学発光シグナルを発生する。この色の存在及び/若しくは強度、又は化学発光が、試料中のTat量の証拠を与える。
本発明の抗体を利用するあらゆる従来のアッセイは、疾病の初期診断はもちろん、治療処置の有効性を決定するために利用され得る。
以下の実施例は、本発明の組成物及び方法の或る種の実施態様を説明する。これらの実施例は請求項及び明細書の開示を限定するものではない。
汎エピトープ1抗体IgGを産生するための選択及びスクリーニング工程
A. ペプチド
以下の実施例全体にわたって、アミノ酸は周知の1文字コードで表される。以下の実施例で使用されるペプチドは、下記の表1に同定される。これらのペプチドは、ビオチン−Ser−Gly−Ser−Gly−(配列番号11)をN末端に付加して合成された。このN末端配列は、問題のペプチド配列が、アビジンのビオチン結合ポケットの外に確実に出るようにするためのスペーサーとして働く。見本のペプチド配列の一部における典型的なZ12部位でのSerの存在も、スペーサーとして提供されており、Z12部位の置換である。
エピトープ1のX7及びY9可変部位におけるアミノ酸残基を、表中太字で示す。
Figure 2008535783
*本明細書で使用される、短いビオチン化ペプチド及び長い(「alt」)ビオチン化ペプチドは、両方とも同じ結果を与える。したがって、長いペプチド上の追加のアミノ酸は些細な相異であり、それらのエピトープ配列の抗体結合機能に影響を及ぼさなかった。
B. scFvの選択
クローンは、n−CoDeR(登録商標)Lib−20001本鎖フラグメント(ScFv)ライブラリー(BioInvent International AB、スウェーデン)から選択された。選択されたscFvは、以下のように、変異体エピトープ1配列を提示するペプチドに対して、及びTatタンパク質全体に対して、スクリーニングされた。
工程1において、ビオチン化ペプチドE1−RE(alt)が、ストレプトアビジンコーティングしたDynabead基質(Dynal A.S.、オスロ、ノルウェー)を用いて捕獲された。本質的にはGriffiths A.D.ら EMBO J.,1994,13,3245−3260及びHawkins,R.E.ら,J.Mol.Biol.,1992,226,889−896に記述される通りである。これらの公表されている手順を、Engberg J.ら,Mol.Biotechnology.,1996,6,287−310に記述されるように、結合ファージをトリプシンで溶出することにより改変した。
工程2は、E1−NE(alt)、E1−KE(alt)及びE1−SE(alt)と呼ばれるビオチン化ペプチドの混合物を用いて実施した。ペプチド濃度は、工程1及び2において1〜5×10-8Mの範囲であった。工程3においては、4×10-8Mの完全なTatタンパク質(アミノ酸1〜86、Xeptagen、イタリア)をマイクロタイタープレートに固定化し、そしてトリプシン溶出後の固相選択に使用した。使用されたファージ量は、第1、第2及び第3選択のそれぞれにおいて、9.4×1012、3.4×1011及び1.4×1012pfuであった。
工程1及び2の後、ファージミドを増幅するため、大腸菌HB101F’細胞をLuria−Bertani(LB)培地中でOD600 0.5まで生育し、そして+37℃で30分間、溶出されたファージに感染させた。次に、+30℃、100μg/mlアンピシリン及び15μg/mlテトラサイクリンを含有する500cm2 LB−寒天プレート上で一晩インキュベーションを続けた。コロニーをLB培地に再懸濁させ、そして+37℃でOD600 0.5に達するまで生育した。コロニーを6×109pfuのR408/mlヘルパーファージに30分間感染させた。イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を100μMになるように添加し、そして+25℃で一晩インキュベーションを続けた。工程3の後、ファージミドDNA作製のため、結果として得られたファージを上記のように感染させ、そして1.5時間生育して培地交換した(LB+15μg/mlテトラサイクリン+100μg/mlアンピシリン+0.1%グルコース)。生育は+30℃で一晩続け、そしてプラスミドミニプレップキット(バイオラッド、732−6100)を用いてミニプレップを実施した。
C. scFvのスクリーニング
可溶性scFvを発現させるため、遺伝子IIIコード領域を制限酵素消化により除去し、そして結果として得られたベクターをTop10細菌中へ形質転換させた。発現したscFvクローンを、標的(選択工程1及び2で使用された標的ペプチドと対照抗原E2−BIOの混合物、β−FLAG検出使用(SIGMA,A−9469))に対する化学発光ELISAで試験した。同じエピトープ1変異配列(即ち、同じX及びY変異体)を含有する短いペプチドと長い(alt)ペプチドの各セットのように、短いペプチドと長い(alt)ペプチドを用いたスクリーニングが同じ結果を生じたことは、着目するべきである。
4271個のうち全体で590個のクローンが第1スクリーニングで陽性であり、即ち、それらのクローンは標的E1−NE(alt)に反応した。陽性のクローンは4種類の個々のペプチド全て、Tatタンパク質(Xeptagen、イタリア)、及び対照抗原(E2−BIO及びBSA−オキサゾロン)に対する第2次スクリーニングで再試験された。試験された全てのクローンのうち、322個が、4種類の特異的ペプチド:E1−RE(alt)、E1−KE(alt)、E1−SE(alt)、及びE1−NE(alt)の全て、並びにTatタンパク質に対して陽性で、且つ対照に対しては陰性であった。これらのうち288個のクローンをさらに配列決定により分析した。全体として、26個のクローンが、明瞭な反応性パターン及び超可変領域配列を持つことが見出され、そしてscFvとして大量に発現された。
このスクリーニング工程の結果、1〜4種類の配列変異体並びに完全なTatタンパク質を認識するscFvが得られた。全4種類の変異体だけでなくTatタンパク質も認識するクローンだけが、次の工程に進み、そして第5変異体E1−NDに対して試験された。
親和性分析が、固定化されたビオチン化ペプチド、即ちE1−RE(alt)、E1−SE(alt)、E1−KE(alt)、E1−NE(alt)及びE1−NDを用いて実施された。試験されたクローンのうちの数個が5種類の変異体全てを認識することができた。1、2、3、4、又は5種類の配列変異体を認識するクローンの例を表2にリストする。
Figure 2008535783
これらのELISAの結果に基づき、固定化したエピトープ1含有Tatタンパク質/ペプチドと遊離Tatタンパク質に結合する8個のクローンが見つかった。これらのクローンを大量発現させ、そしてNi−NTAセファロースで精製して、Biacoreアッセイでさらに分析した(データ計算にはBIA評価3.2及びモデル1:1ラングミュア結合を使用した;Biacoreマニュアルを参照されたい)。
8個のクローンのうち、2個のクローン(汎エピトープ1#5及び汎エピトープ1#6と呼ぶ)が、5種類のエピトープ1ペプチドの全てと高い親和性で結合した。表3を参照されたい。
Figure 2008535783
D. 完全なIgG 1 抗体への変換
汎エピトープ1#5及び汎エピトープ1#6のクローンを完全なIgG1抗体へと変換した。汎エピトープ1#5及び汎エピトープ1#6のscFvから、VH及びVL遺伝子をPCR増幅した。産生したPCRフラグメントを制限酵素消化し、そしてpcDNA3から改変された専有の発現ベクター中へ連結した。この発現ベクターは、PCR増幅VH遺伝子挿入のためのγ1ゲノム定常領域(NCBIデータベース受託番号Z17370)、又はPCR増幅VL遺伝子挿入のためのλゲノム定常領域(NCBIデータベース受託番号X06875)を含有する。
結果として得られた重鎖及び軽鎖構築体を、次にNucleoBondプラスミドメガキット(BDバイオサイエンス、カタログ番号K3004−1)を用いて大量産生させた。プラスミドDNAをMicroSpin S−400 HRカラム(アマシャム・バイオサイエンス、カタログ番号27−5240−01)を利用してスピン精製し、そしてCOS−7緑色サル細胞(ATCC受託番号CRL−1651)に一過性に形質移入するために使用した。
COS−7細胞を37℃、5%CO2で、D−MEM(インビトロジェン、カタログ番号31966−021)中で培養し、そして10%ウシ胎児血清(インビトロジェン、カタログ番号26140−079)及び1×非必須アミノ酸(インビトロジェン、カタログ番号11140−035)を補充した。形質移入は、リポフェクタミン2000(インビトロジェン、カタログ番号11668−019)を使用し、製造者のプロトコルに従って実施した。形質移入の20時間後、細胞培養液をD−MEM培地(インビトロジェン、カタログ番号31966−021)で置換し、そして10%Ultra−Low IgGウシ胎児血清(インビトロジェン、カタログ番号16250−078)及び1×非必須アミノ酸(インビトロジェン、カタログ番号11140−035)を補充した。5日間のインキュベーション期間の後、細胞培養液を収集し、そして完全なIgG分子を回収した。
E. IgGのスクリーニング
COS−7細胞中に一過性発現されている変換IgG1分子をプロテインAカラムで精製した。精製された成分を、SDS−PAGE、ゲル濾過クロマトグラフィー、等電点電気泳動、用量応答ELISA及びLAL−テストにより、さらに特徴づけした。初期試験においては、許容し得るレベルで発現したのは1つのIgG1汎エピトープ1抗体のみであった。第2のIgG1汎エピトープ1抗体#6はそれ以上分析しなかった。このIgG1汎エピトープ1抗体の可変領域H1を配列決定し、そしてFSDYYMSWIRQAPG(配列番号41)と見出された。
IgG1汎エピトープ1抗体#5と、エピトープ1ペプチド又はTatタンパク質全体との親和性決定は、Biacoreアッセイを用いて実施した。8種類の特異的なビオチン化ペプチドと対照ペプチドをストレプトアビジンチップ(Biacore SA−chip、BR−1000−32)に固定化した。ペプチドは固定化され、且つIgGは2価であるため、以下の表4A〜4B及び5に報告される見かけの速度定数は、部分的にアビディティーの結果であり得る。チップマトリクス又は無関係のペプチドに対するバックグラウンド結合は検出されなかった。表4A〜4B及び5を参照されたい。ATG、USA含有アミノ酸1〜86により発現された組換えTatタンパク質を使用した。その配列は、1箇所の例外、即ち残基42のアミノ酸アラニンがグリシンで置換されていること以外は、表1にリストされた物と相同である。
Figure 2008535783
Figure 2008535783
機能のインビトロ研究
IgG1汎エピトープ1抗体#5のHIV−1複製を阻害する能力は、カロリンスカ研究所(ストックホルム、スウェーデン)で実施された一連の実験により試験された。この実験は、HIV−1株IIIBに感染したジャーカット細胞に基づいており、この細胞中で、ウイルスの複製が、HIV−1 gapタンパク質p24に対するELISAによってモニターされた(Reら,1995 J.Acq.Imm.Def.Syndromes and Human Retrovir.,10,408−416)。
ウイルス感染手順において、指数関数的に生育中のジャーカット細胞に、ウイルス接種液を1時間、+37℃で感染させ、それから細胞を洗浄し、そして培地(RPMI−1640培地:Glutamax試薬、10%FCS、50IU/mlペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシンを含む)に再懸濁した。感染細胞と非感染細胞を様々な濃度で混合した。同時に、抗Tat IgG1又は対照の抗FITC(Soderlindら,2000 Nat.Biotech.,18(8):852−856)を、増加濃度で培養液に添加した。この培養液を+37℃、5%CO2中でインキュベートした。
3〜4日後、この培養液を分割し、そして新鮮な培地と抗体を再び与えた。ウイルスレベルは、p24検出ELISAにより、感染後7日目に決定した。
図1及び2は、このアッセイからの支持データを与える。図1は、1%の初期感染細胞を用いて実施した実験を示す。1%及び3%の初期感染細胞を用いて実施した阻害実験から計算されたIgG1汎エピトープ1抗体#5のIC50値は、それぞれ、0.14μg/ml及び0.44μg/mlであった。したがって、図1は、本発明の汎エピトープ1抗体による、用量相関したHIV−1複製の阻害を明示する。図2は、汎エピトープ1抗体及びTatエピトープ2に対する抗体を単独で使用すると、同様の用量相関阻害曲線を示すことを明示する。この2つの抗体を組み合わせて使用すると、相乗的な応答が発生する。2つの抗体の組み合わせは、驚くべきことに、いずれかの抗体を単独で使用したときに生じたよりも10倍も強力なウイルスレベルの阻害を生じた。これは、汎エピトープ1抗体を抗エピトープ2抗体と共に使用することによる、予期しなかった、しかし追加の貴重なHIV−1ウイルスレベルの阻害のための治療組成物及び方法を示している。
Tatレベルを測定するためのアッセイ
競合アッセイ形式に従い、単一の汎エピトープ1抗体、好ましくは、検出可能な標識で標識されている汎エピトープ1抗体を利用する。アッセイを実施する前に、プレートをHIV−1 Tatタンパク質でコーティングする。最適以下又は飽和以下に希釈した汎エピトープ1抗体、及び既知量のHIV−1 Tatを含有する血漿試料をプレートに添加する。プレート上のTatへの汎エピトープ1抗体結合について、標準結合曲線を測定する。血漿試料中のHIV−1 Tatが多いほど、汎エピトープ1抗体の結合は少なくなる。
図3は、そのようなアッセイの結果を説明している。200ng/ml Tatでコーティングしたプレートを、増加量のHIV−1 Tat及び最適以下の10ng/mlのビオチン標識汎エピトープ1抗体を含有する患者の緩衝液試料と接触させた。汎エピトープ1抗体への結合の競合が、コーティングされたプレート上に結合したHIV−1 Tat配列と、試料中のHIV−1 Tat配列との間で起こる。
試料中のTat量が増加すると、汎エピトープ1抗体のプレートへの結合量が減少した。結合は、ストレプトアビジンと結合した抗ヒトIgGの添加により検出した。このIgGは汎エピトープ1抗体と結合した。プレートを洗浄後、西洋わさびペルオキシダーゼをプレートに添加すると、結合した汎エピトープ1抗体量に比例する検出可能なシグナルが発生した。プレートに結合した試料中の汎エピトープ1抗体量を測定し、そして標準結合曲線と比較することにより、試料中のHIV−1 Tat量が計算された。以上に詳述したように、このアッセイにおいて他のシグナル発生標識を利用してもよいこと、そしてシグナル発生系の選択はこのアッセイにおける限界ではないことは、当業者に明らかである。
図4は、組換えTatのヒト血漿中における競合アッセイより得られた用量応答曲線であり、このアッセイは上記と同様にして50%血漿中で行った。典型的な用量応答曲線が得られ、汎エピトープ1抗体の試料中Tatへの結合は血漿によって干渉されないことが示された。このアッセイは、患者血漿Tatレベルの測定を可能にした。
組換えTat及びエピトープ1変異体ペプチドについて比較の用量応答曲線を得るため、緩衝液中での同様のアッセイを行った。結果は図5のグラフに明示される。試験されたペプチドは、E1−RE、E1−NE、E1−SE、E1−KE、E1−ND及び全長のTatであった。全ての曲線が同様であり、全ての変異体が同様の結果を与えることを示している。
最終的に、上述のような一連の競合アッセイを3つのHIV−1感染ヒト対象で実施した。図6A及び6Bに表されるように、対象は数字及び記号で識別した:即ち、対象A(●)、対象B(□)、対象C(◆)。汎エピトープ抗体E9を使用する本発明の競合アッセイは、感染血漿中のRNA検出後数日にわたって、Tat RNAレベル及びウイルス力価を同定するのに有用であることが示された。これらのデータは、単一の汎エピトープ1抗体を使用する本発明の競合アッセイが臨床試料中のTatレベルを検出できること、つまり感染された対象中のTatにコードされるタンパク質を検出することによりHIV−1感染を確認できることを明示している。
以上に実施例で明示され、またデータ報告されたように、競合アッセイ形式の1つの利点は、アッセイ中に利用される試薬(抗体)の数を減らせることである。汎エピトープ1抗体を、配列番号5の複数の配列に対するモノクローナル抗体の混合物の代わりに使用し、単独のアッセイでHIV−1 Tatの複数の株及びサブタイプの検出を達成する。
Tatバイオアッセイ及びIgG 1 汎エピトープ1抗体#5による阻害
正常なヒト末梢血単核球(PBMC)はHIV−1の複製を維持しないが、インビトロでマイトジェン又はHIV−1 Tatタンパク質により活性化されるとHIV−1複製に許容的にさせられる(Li CJら 1997 Proc Natl Acad Sci USA 94:8116−1820)。さらに、Liらは、Tatに誘導された許容性を、Tatに対するポリクローナル又はモノクローナル抗体によって阻害できることを明示した。このアプローチを使用して、ヒトPBMC中のTat誘導によるHIV−1複製許容性をモノクローナル抗体(Mab)で阻害するためのバイオアッセイを開発した。
PBMCロット#03AP04(Astarte Biologics)及び大腸菌で発現され逆相クロマトグラフィー(ATG、Inc.)で精製された組換えTatを実験に使用した。
1ウェル当たり100μlの細胞(5×106/ml)を使用し、そして100μlの、様々な濃度の単独のTat、又は様々な濃度のモノクローナル抗体と予めインキュベートした10ng/mlのTatを細胞に添加し、そして5日間、37℃、5〜6%CO2及び湿度80〜90%でインキュベートした。平底の96ウェル組織培養プレートを使用した。
5日後、ウェル中で培地をピペッティングして細胞をプレート表面から遊離させ、そして細胞をV底96ウェルプレートに移して徹底的に洗浄した。精製HIV−1ウイルスライセート(BIII)(Zeptometrix Corp.)の1/10希釈液を100μlずつ各ウェルに添加し、そして4時間インキュベートした。これは、ウェル当たり、HIV−1タンパク質p24の35ng単位を表す。
4時間後、細胞を徹底的に洗浄し、組織培養腋に再懸濁し、そしてさらに4〜5日間インキュベートした。終了時に細胞を400×gで10分間遠心し、そして上清を収集した。この上清を、Zeptometrix RETROtek(商標)HIV−1 p24抗原ELISAを使用し、製造者の推奨に従って、HIV−1 p24についてアッセイした。
Tatを含有しない(0 Tat)対照については複製ウェルを10個使用し、10ng/ml Tatを含有する分は複製ウェルを10個使用した。他のウェルは全て5個ずつの複製とした。データはPrism GraphPad(商標)プログラムに入力し、そして一元配置のANOVAにより統計的に分析し、その後多角的分析のための補正をして列間の差を分析した。
結果を図7に表す。10ng/mlはPBMCをHIV−1複製に対して許容的にする(P<0.001)。この許容性は1μg/ml(P<0.05)及び10μg/ml(P<0.01)のIgG1汎エピトープ1#5抗体により阻害されるが、対照のIgG1抗体の1、10又は50μg/mlでは阻害されない。
したがって、汎エピトープ1抗体、即ち5種類のエピトープ1変異体に結合する単一の抗体の存在は、ヒトPBMC中でTatを阻害することによりHIV−1複製を阻害する能力を明示した。
本発明の多数の改変及び変形が本明細書に含まれ、そしてそれらは当業者には明白であると予想される。本発明の組成物及び方法へのそのような改変及び変更は、本明細書に添付される特許請求の範囲内に包含されると信じる。以上にリスト又は参照された全ての文献は、本明細書に援用される。
図1は、HIV−1感染(1%初期感染)ジャーカット細胞におけるHIV−1株IIIBの複製の阻害をプロットしたグラフである。この細胞を、増加濃度(μg/ml)の本発明の汎エピトープ1 IgG抗体(汎エピトープ1抗体、◆)に曝し、対照抗体(■)と比較した。汎エピトープ1 IgG抗体はHIV−1 Tatエピトープ1の5種類の変異体と結合する。これら5種類の変異体は、ウイルスのHIV−1 B及び非B株の95%以上に存在するであろう。ウイルスレベルは感染後7日目にHIV−1 p24タンパク質検出ELISAによって決定した。データは、対照に対し、抗体濃度の増加に伴う阻害を示す。 図2は、図1と同じ汎エピトープ1 IgG抗体(汎エピトープ1抗体;◆)、エピトープ2に結合するモノクローナル抗体(エピトープ2抗体;■)、両モノクローナル抗体を共に使用した場合(△)、及び対照抗体(X)について、投与量10 TCID50で、図1のアッセイにおける阻害をプロットしたグラフである。結果として得られた曲線(△)は、汎エピトープ1抗体とエピトープ2抗体を両方使用すると、汎エピトープ1抗体(◆)又はエピトープ2抗体(■)単独で得られた結果と比較して、アッセイ操作における相乗効果を示す。 図3は、200ng/mlのTatをプレート上にコーティングした、競合アッセイの結果を示すグラフである。増加量のHIV−1 Tatを緩衝液中に含有する試料と、コーティングされたTatとが、10ngのビオチン標識された検出用汎エピトープ1抗体への結合を競合する。試料中のTat量が増加するにつれて、汎エピトープ1抗体のプレートへの結合量は減少する。結合は、ヤギ抗ヒト抗体IgG−西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)試薬を使用して検出する(この試薬が、結合した汎エピトープ1抗体上のビオチンに結合する)。この抗体は図1で使用された物と同じである。 図4は、組換えTatのヒト血漿中での競合アッセイにより得られた用量応答曲線であり、このアッセイは図3の記述と同様にして、50%血漿中で行った。典型的な用量応答曲線が得られ、汎エピトープ1抗体の試料中Tatへの結合は、血漿によって干渉されないことが示された。この抗体は図1で使用された物と同じである。 図5は、組換えTat(rTat)及びTatエピトープ1変異体に対応するペプチドについて、図3と同様のアッセイにおける、緩衝液中での、比較の用量応答曲線を示す。Tat(200ng/ml)をプレート上にコーティングする。ペプチドは、E1−RE(「RE」)、E1−NE(「NE」)、E1−SE(「SE」)、E1−KE(「KE」)、E1−ND(「ND」)及び全長Tat(「Tat」)と表示する。これらのペプチド、及び「alt」と命名される代わりの変異体は、表1に定義される。汎エピトープ1抗体の濃度は10ng/mlであった。結果として得られた結合曲線は全て同様であり、全変異体が同様な結果を与えることが示される。本明細書を通じて使用されるように、短いビオチン化ペプチドと長い(「alt」)ビオチン化ペプチドの両方が、同じ結果を与えることに着目されたい。 図6Aは、3つのHIV−1感染ヒト対象における、図3と同様の競合アッセイにより得られたグラフである。対象は数字及び記号で識別される:即ち、対象A(●)、対象B(□)及び対象C(◆)。図1の汎エピトープ1抗体を使用する本発明の競合アッセイは、感染血漿中のRNA検出後数日にわたってTat RNAレベル(ng/ml)を同定するのに有用であることを示す。図6Bは、図6Aの患者について、初期RNA検出後の1日当たりのウイルス力価(RNAコピー数/ml)を測定した同様のグラフである。対象Bは時間ゼロの急性感染から回復したことに着目されたい。 図7は、正常ヒト末梢血単核球(PMBC)における、HIV−1複製と、Tat活性化及びIgG1汎エピトープ#5抗体(即ち、5種類のエピトープ1変異体に結合する抗体)による阻害との相関関係を示すグラフである。最初の5列は、様々なレベル、即ち、0、0.1、1.0、10、及び100ng/mlのTat濃度を反映する。HIV−1複製を誘導する最適濃度は図中に示されるように10ng/mlと決定された。後の6列は、最適な10ng/mlのTatに曝されたPBMCにおける、様々な濃度のIgG1汎エピトープ#5抗体によるHIV−1複製の阻害を示す。図中に指示されるように、汎エピトープ#5抗体は任意の参照文字「E」で表され、そして抗体濃度0.2μg/ml、1μg/ml、及び10μg/mlについての結果は、対照IgG1抗体濃度1、10、及び50μg/mlの結果と並んで示される。全ての対照(任意の参照文字「C」で表される)において、HIV−1複製の阻害は有意ではなく(NS)、また0.2μg/ml濃度のIgG1汎エピトープ#5抗体においても、有意でなかった(即ち、p>0.05)ことに着目されたい。

Claims (46)

  1. HIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の複数の変異配列に結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメントであって、前記エピトープは式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)
    (式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;
    9はGlu又はAspであり;
    1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;
    2は欠失、又はTrp−Z12−R3である
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;
    3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−の全部若しくは一部である))で表され、且つ、
    前記単一の抗体又はフラグメントは、複数の株及びサブタイプ由来のHIV−1 Tatタンパク質と結合する、前記単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント。
  2. 5種類の前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  3. 各変異配列について、R1がValであり、且つR2が欠失である、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  4. 9がGluである前記変異配列の少なくとも1種類、及びY9がAspである前記変異配列の少なくとも1種類と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  5. 少なくとも2種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  6. 少なくとも3種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  7. 少なくとも4種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  8. 6〜8種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  9. 9種類以上の異なる前記変異配列と結合する、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  10. 前記変異配列が以下の(a)〜(h)より成る群から選択される、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント:
    (a)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はArgであり、そしてY9はGluである;
    (b)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はLysであり、そしてY9はGluである;
    (c)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はSerであり、そしてY9はGluである;
    (d)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はAsnであり、そしてY9はGluである;
    (e)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はArgであり、そしてY9はAspである;
    (f)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はLysであり、そしてY9はAspである;
    (g)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はSerであり、そしてY9はAspである;及び
    (h)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はAsnであり、そしてY9はAspである。
  11. (a)〜(d)より成る群から選択される前記変異配列の少なくとも1種類、及び(e)〜(h)より成る群から選択される前記変異配列の少なくとも1種類と結合する、請求項10に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  12. 5種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項10に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  13. 2〜7種類の異なる前記変異配列と結合する、請求項10に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  14. (a)〜(h)の全ての前記変異配列と結合する、請求項10に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  15. モノクローナル抗体、合成抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、単離された1本の抗体鎖、又は前記抗体若しくは抗体鎖のフラグメントより成る群から選択される、請求項1に記載の単一の単離された抗体又はフラグメント。
  16. 請求項1に記載の抗体又は抗体フラグメント、及び医薬的に許容し得る担体を含む医薬組成物。
  17. 請求項1に記載の複数の異なる抗体又は抗体フラグメントを含有する、請求項16に記載の組成物。
  18. 請求項1に記載の前記抗体又は抗体フラグメントが、Y9がGluである前記変異配列の少なくとも1種類、及びY9がAspである前記変異配列の少なくとも1種類と結合する、請求項16に記載の組成物。
  19. HIV−1に対する追加の抗体又は追加の抗体フラグメントを含む、請求項16に記載の組成物。
  20. 前記の追加の抗体又は追加の抗体フラグメントがHIV−1 Tatに結合する、請求項19に記載の組成物。
  21. HIV−1 Tatに対する前記の追加の抗体又は追加の抗体フラグメントが、式Lys−X−Leu−Gly−Ile−Ser−Tyr−Gly−Arg−Lys−Lys−(配列番号2)(式中、XはGly又はAlaである)のエピトープ内に位置する配列と結合する抗体又は抗体フラグメントである、請求項20に記載の組成物。
  22. 請求項1に記載の単一の単離された抗体又は抗体フラグメント、及び検出可能な標識を含む、診断アッセイ試薬。
  23. 請求項1に記載の前記抗体又は抗体フラグメントが、Y9 がGluである前記変異配列の少なくとも1種類、及びY9がAspである前記変異配列の少なくとも1種類と結合する、請求項22に記載の試薬。
  24. 以下の(a)〜(c)を含む、生物試料のアッセイの実施に使用するためのキット:
    (a)1以上の請求項1に記載の抗体又は抗体フラグメント;
    (b)前記抗体(a)が結合するエピトープとは異なるHIV−1 Tat上のエピトープと特異的に結合する、任意の1以上の追加の抗HIV−1 Tat抗体;
    (c)前記試料中に存在するあらゆるHIV−1 Tatに対する前記抗体の結合を同定するための、1以上の検出可能な標識又は標識系。
  25. 前記の抗体又は抗体フラグメント(a)が、少なくとも5種類の前記変異体と結合する、請求項24に記載のキット。
  26. 前記の抗体又は抗体フラグメント(a)が、少なくとも2〜少なくとも8種類の前記変異体と結合する、請求項24に記載のキット。
  27. HIV−1に曝されたヒト対象中のHIV−1複製を阻害する方法であって、前記対象に対し、感染細胞から放出されるHIV−1 Tatタンパク質に結合する有効量の請求項16に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
  28. 前記投与工程を感染後に行う、請求項27に記載の方法。
  29. 前記投与工程を定期的間隔で繰り返す、請求項27に記載の方法。
  30. HIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の少なくとも5種類の変異配列と結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメントであって、前記エピトープは式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)
    (式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;
    9はGlu又はAspであり;
    1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;
    2は欠失、又はTrp−Z12−R3である
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;
    3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−の全部若しくは一部である))で表され、且つ、
    前記の単一の抗体又はフラグメントは、複数の株及びサブタイプ由来のHIV−1 Tatタンパク質と結合する、前記単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント。
  31. 以下の配列と結合する、請求項30に記載の単一の単離された抗体又はそのフラグメント:
    Val−Asp−Pro−Arg−Leu−Glu−Trp−Z12−R3(配列番号6);Val−Asp−Pro−Lys−Leu−Glu−Trp−Z12−R3(配列番号7);Val−Asp−Pro−Ser−Leu−Glu−Trp−Z12−R3(配列番号8);
    Val−Asp−Pro−Asn−Leu−Glu−Trp−Z12−R3(配列番号9);及び
    Val−Asp−Pro−Asn−Leu−Asp−Trp−Z12−R3(配列番号10)
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;R3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−(配列番号27)の全部若しくは一部である)。
  32. HIV−1に曝されたヒト対象中のHIV−1複製を阻害する方法であって、前記対象に対し、以下を投与することを含む方法:
    (a)HIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の複数の変異配列と結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメントであって、前記エピトープは式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)
    (式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;
    9はGlu又はAspであり;
    1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;
    2は欠失、又はTrp−Z12−R3である
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;
    3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−の全部若しくは一部である))で表される、前記単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント;及び
    (b)式:Lys−X−Leu−Gly−Ile−Ser−Tyr−Gly−Arg−Lys−Lys−(配列番号2)(式中、XはGly又はAlaである)のエピトープ内に位置する配列と結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント。
  33. 前記の抗体又はフラグメント(a)及び抗体又はフラグメント(b)が、医薬的に許容し得る担体と共に、単一組成物中に混合されている、請求項32に記載の方法。
  34. 前記の抗体又はフラグメント(a)及び抗体又はフラグメント(b)が、あらゆる順番で順次的に投与される、請求項32に記載の方法。
  35. 前記の抗体又はフラグメント(a)及び抗体又はフラグメント(b)が、同時に投与される、請求項32に記載の方法。
  36. ヒト対象中のHIV−1複製を阻害するための医薬の製造における、請求項1に記載の抗体の使用。
  37. 以下の(a)及び(b)の、ヒト対象中のHIV−1複製を阻害するための医薬の製造における使用:
    (a)HIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の複数の変異配列に結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメントであって、前記エピトープは式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)
    (式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;
    9はGlu又はAspであり;
    1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;
    2は欠失、又はTrp−Z12−R3である
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;
    3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−の全部若しくは一部である))で表される、前記単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント;及び
    (b)式:Lys−X−Leu−Gly−Ile−Ser−Tyr−Gly−Arg−Lys−(配列番号2)(式中、XはGly又はAlaである)のエピトープ内に位置する配列と結合する、単一の単離された抗体又はその抗体フラグメント。
  38. 単一の単離されたHIV−1 Tat汎エピトープ1抗体又はその抗体フラグメントを作製する方法であって:
    式:R1−Asp−Pro−X7−Leu−Y9−Pro−R2(配列番号5)で表されるHIV−1 Tatタンパク質のエピトープ内の、第1の変異アミノ酸配列を有する1本鎖抗体可変配列(scFv)のライブラリーを選択し
    (式中、X7はArg、Lys、Ser又はAsnであり;
    9はGlu又はAspであり;
    1は欠失、Val、Glu−Val、又はGlu−Pro−Valであり;且つ
    2は欠失、又はTrp−Z12−R3である;
    (式中、Z12は欠失、Lys、又はAsnであり;
    3は欠失、又は配列−His−Pro−Gly−Ser−の全部若しくは一部である));
    前記選択から前記第1の変異配列と結合するscFvの第1混合物を得;
    前記第1の変異体混合物を前記エピトープ内の第2の異なる変異配列を用いて連続的且つ順次的にスクリーニングし、前記第1及び前記第2の変異配列の両方と結合するscFvを生じるものの第2混合物を得;そして
    逐次的なscFvの各混合物について、前記エピトープ内の異なる変異配列を用いて、前記の連続的且つ順次的なスクリーニング工程を所望により繰り返し、前記エピトープ内の複数の異なる変異配列と結合するscFv混合物を得る、
    ことを含む、前記方法。
  39. 前記エピトープ内の前記変異配列が、以下の(a)〜(h)より成る群から選択される、請求項38に記載の方法:
    (a)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はArgであり、そしてY9はGluである;
    (b)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はLysであり、そしてY9はGluである;
    (c)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はSerであり、そしてY9はGluである;
    (d)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はAsnであり、そしてY9はGluである;
    (e)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はArgであり、そしてY9はAspである;
    (f)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はLysであり、そしてY9はAspである;
    (g)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はSerであり、そしてY9はAspである;及び
    (h)配列番号5においてR1はValであり、R2は欠失であり、X7はAsnであり、そしてY9はAspである。
  40. 定常領域骨格中に前記の各scFvを挿入する追加の工程をさらに含む、請求項38に記載の方法。
  41. 前記骨格がヒトIgG1骨格である、請求項38に記載の方法。
  42. 前記の単一の単離された抗体又は抗体フラグメントがHIV−1の複数の株及びサブタイプと結合する、請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法により作製される、単離された抗体又は抗体フラグメント。
  43. 前記の抗体又は抗体フラグメントが、Y9がGluである前記変異配列の少なくとも1種類、及びY9がAspである前記変異配列の少なくとも1種類と結合する、請求項38に記載の抗体又はフラグメント。
  44. 前記抗体が2〜8種類の前記変異配列と結合する、請求項38に記載の抗体又はフラグメント。
  45. 対象中のHIV−1 Tatレベルを測定するための診断アッセイであって:
    (a)既知量のHIV−1 Tatタンパク質が固定化されている基質を、未知量のHIV−1 Tatを含有する対象由来の生物試料、及び請求項1に記載の単一の単離された抗体又は抗体フラグメントと接触させ(このとき、前記抗体又は抗体フラグメントは、結合したTat量に対して飽和量以下で存在する);
    (b)前記基質に結合した、請求項1に記載の前記抗体又は抗体フラグメントの量を決定し;
    (c)前記の量(b)を、前記試料の非存在下で、様々な既知量の前記抗体又はフラグメントの前記既知量の結合Tatへの結合を測定した標準結合曲線と比較し、それにより、前記試料中のTat量は、前記基質に結合した前記抗体量との逆相関によって示される、
    ことを含む、前記診断アッセイ。
  46. 前記の単一の単離された抗体又はフラグメントが2〜8種類の前記変異配列と結合する、請求項45に記載のアッセイ。
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