JP2008534657A - トランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロールの調製のための中間体化合物 - Google Patents

トランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロールの調製のための中間体化合物 Download PDF

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Abstract

開示されるのは、式(I)および式(II)の新規なアミノ酸誘導体、それらの調製方法、およびトランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−5[4,5−c]ピロールの調製におけるそれらの使用である。

Description

本発明は、新規なアミノ酸誘導体、それらの調製方法およびトランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ−[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロールの調製におけるアミノ酸誘導体の使用に関する。
一般にアセナピンとして公知のトランス−5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロールは、中枢神経(CNS)抑制活性を有し、抗ヒスタミン活性および抗セロトニン活性を有する化合物である(van den Burgの米国特許第4,145,434号を参照)。アセナピンの薬理学的特性、その動態および代謝、ならびにヒトのボランティアおよび統合失調症の患者における第一の安全性(first safety)および有効性の研究が再検討された(De Boerら、Drugs of the Future,18(12),1117−1123,1993を参照)。Org5222として公知のアセナピンのマレイン酸塩は、広いスペクトラムの強力なセロトニン、ノルアドレナリンおよびドーパミンの拮抗薬であることが立証された。アセナピンは潜在的抗精神病活性を示し、うつ病の治療において有用であり得る(国際特許出願WO99/32108を参照)。マレイン酸アセナピンの舌下投与または口腔投与に適した医薬製剤が記載されている(国際特許出願WO95/23600を参照)。マレイン酸アセナピンは、今や臨床研究の主題であり、製剤原料の大規模な合成が必要となっている。
アセナピンの調製に対する一般的方法論が、米国特許第4,145,434号に記載されている。製剤原料、Org5222の物理的化学的特性が報告されている(Funkeら、Arzneim.−Forsch/Drug.Res.,40,536−539,1990)。Org5222およびその放射線標識誘導体の調製のための更なる合成方法もまた記述されている(Vaderら、J.Labelled Comp.Radiopharm.,34,845−869,1994)。
アセナピン(A)の調製のための公知の方法における最終段階をスキーム1に示す。この方法において、エナミドである11−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3;6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(III)の二重結合がメタノール/トルエン中でマグネシウムを用いて処理することにより還元され、望ましいトランス異性体であるトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)および望ましくないシス異性体であるシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)との1:4の割合における混合物が生成される。
Figure 2008534657
スキームIIに示すように、好ましくない生成物の比率は、続いて望ましくないシス異性体(IV)を1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)を用いてトランス異性体(IV)に部分異性化し、トランス異性体(IV)のシス異性体(V)に対する熱力学的平衡比率を1:2に導くことで改善できる。トランス異性体(IV)とシス異性体(V)との分離は、シリカゲルを通すクロマトグラフィーによって行われる。シス異性体(V)は、再度DBNを用いて異性化され得、その結果、化合物(IV)と化合物(V)との1:2の混合物が生成し、この混合物からクロマトグラフィーによってトランス異性体(IV)が再度分離される。このサイクルをkg規模でさらに繰り返した後に、トランス異性体(IV)の3つの合併した画分を再結晶化することにより、トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)が、エナミド(III)から出発した約38%の全般的な収率において生成する。
Figure 2008534657
上述した方法の欠点は、トランス化合物(IV)の最終収率が中程度に過ぎないことにもかかわらず、非常に、労力および時間を費やすことである。従って、トランス異性体(IV)の調製のための改善された方法が必要である。
本開示を通して、例えばスキームIの化合物(IV)に示されるような太い楔形および破線の楔形の結合対または、例えばスキームIの化合物(V)に示されるような太い楔形の結合対を有する構造式で表される化合物を各々、「トランス」または「シス」ジアステレオ異性体と称する。この化合物の各々は、楔形の結合によって示される絶対立体化学的配置を有するもしくは反絶対配置を有する単独鏡像異性体として、または楔形の結合によって示される相対立体化学的配置を有する鏡像異性体の混合物(例えばラセミ体)としても存在することができる。
本発明は、ラクタム、トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)、およびシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)の混合物を過剰の強アルカリ性塩基を含むアルコ−ル溶液中で処理し、それによりトランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)−メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)およびシス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(Ia)の混合物を生成させる方法(スキームIII)を提供する。開環反応は立体選択的であり、トランス異性体(I)のシス異性体(Ia)に対する10:1の比をもたらす。トランスアミノ酸誘導体(I)は続いて単離および環化され、トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)がトランス立体化学を維持したまま得られる。エナミド誘導体(III)から出発して、トランス(IV)異性体の収率は約62%である。
Figure 2008534657
開環反応のための出発物質は、トランス異性体(IV)およびシス異性体(V)の混合物であってよい。別に、出発物質は、純粋なシス異性体(V)であってよい。異性体(IV)、(V)の混合物は、化合物(III)から上記のスキームIに従って得られうるか、または、実施例8に記述したような多くの合成段階において得られうる。
ラクタム(IV)、(V)の加水分解は、還流温度のアルコール溶液中で化学量論的に過剰な強アルカリ性塩基の存在下で実施され得る。好ましい塩基は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を含み、これらの塩基は、異性体(IV)、(V)の量に基づいて2から20倍モルまたは10から20倍モル過剰の量で用いられる。有用なアルコールには、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノールおよびこれらの混合物を含むC1からC6のアルカノールが挙げられる。n−プロパノールおよびn−ブタノールなどの高沸点アルコールを用いると、開環反応に対する反応時間が短縮されるように思われる。
開環反応の完了後、水およびエタノールを加え、引き続き抽出操作を行って副生物を取り除くことができる。アミノ酸誘導体(I)、(Ia)を水/アルコール相に抽出し、塩酸を用いてpH1に酸性化する。続けて行うアルコール溶媒の蒸発により、アミノ酸誘導体であるトランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)が塩酸塩として選択的に結晶化される。
pHが1ではなく6に低下される場合、トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)が、結晶性の両性イオン、すなわち遊離塩基として得られうる。更に、トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)の両性イオンは、メタノールと水との混合物中に溶解され、アンモニアまたは水酸化ナトリウム溶液を用いてpH6に中和され、メタノールを蒸発させて固体としての遊離塩基(I)を得ることにより、塩酸塩から調製され得る。
トランスラクタム誘導体(IV)を生成するためのアミノ酸誘導体(I)の閉環反応(環化)(スキームIIIを参照)は、塩酸塩または両性イオン型を用いて、トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒を含む溶媒中でアミノ酸(I)の懸濁液を、この反応を促進するための添加剤と一緒にまたは無しで加熱することによって、実施され得る。適した添加剤は、シリカゲル、酸化アルミニウム、水酸化ナトリウムおよび酢酸ナトリウムである。閉環を実施するために好ましい溶媒はトルエンであり、好ましい添加剤は、水酸化ナトリウムおよび酢酸ナトリウムである。酢酸ナトリウムは、最も反応時間が一般に短縮されるため、最も好ましい。
閉環のための1つの代替の方法において、アミノ酸誘導体(I)は、酸塩化物などの活性化酸型に転換され、これは塩基を用いた中和と同時に自発的に望ましいラクタム(IV)に環化される。
本発明の1つのさらなる態様は、トランス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ−[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(II)の調製方法(スキームIV)に関するものであり、これはスキームIIIに示したアミノ酸誘導体(I)の位置異性体である。この方法は、(a)エナミドである5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VI)を還元して、ラクタム、トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)およびシス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VIII)の混合物を提供する段階、(b)ラクタム(VII)、(VIII)をアルコール溶液中で過剰の強(アルカリ性)塩基で処理することにより加水分解し、アミノ酸誘導体(II)とその対応する異性体であるシス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(IIa)との混合物を生成する段階、および(c)アミノ酸誘導体(II)を混合物から精製する段階を含む。アミノ酸誘導体(II)を望ましいラクタム(VII)(これは、上記のスキームIに示したラクタム(IV)の位置異性体である。)に環化し、続けてラクタムアミド基を還元することによりアセナピン(A)を得る。
Figure 2008534657
エナミドである5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VI)は、例えば実施例9に記載のように、4−クロロフェノールおよび2−ブロモフェニル酢酸メチルから出発する多くの合成段階において調製され得る。
本発明のもう1つの態様は、スキームVに示すようなアセナピン(A)を調製するための代替の方法を提供する。該方法は、アミノ酸誘導体(I)または(II)を、ボランまたは水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を用い、塩化アルミニウムなどのルイス酸と場合により組み合わせて処理することを提供する。このワンポット反応は、アセナピン(A)を一般的な収率70%で提供する。
Figure 2008534657
本発明のさらなる態様は、スキームIIIからVに示すような式(I)または(II)のトランスアミノ酸誘導体、または反絶対配置を有する各々のトランスアミノ酸誘導体の鏡像異性体または各々のトランスアミノ酸誘導体のラセミ混合物またはこれらの塩を提供する。適した塩は、ナトリウム塩、カリウム塩もしくはリチウム塩などのアルカリ金属塩、またはトリメチルアミン、トリエチルアミンなどの有機塩基の組み合わせから得られる塩などを含む。他の適した塩は、酸付加塩を含み、これらの塩は遊離の化合物(I)または(II)を、塩酸もしくは臭化水素酸などの無機酸またはマレイン酸、酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸を用いて処理することにより得られうる。
アセナピン(A)の適した酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸および硫酸などの無機酸を用いて、または例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコ−ル酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸およびメタンスルホン酸などの有機酸を用いて処理することから得られうる。アセナピンの好ましい酸付加塩は、マレイン酸塩、すなわちOrg5222である。
(実施例)
以下の実施例は例示的であり、限定的ではなく、本発明の具体的な実施形態を表す。以下の各実施例において、化合物Org5222であるアセナピン(A)ならびにすべてのシスおよびトランス前駆体、例えば、化合物(I)、(II)、(IV)、(V)、(VII)および(VIII)はラセミ体であり、それらの構造式において用いられる、太い楔形の結合対、または太い楔形および破線の楔形の結合対は、相対立体化学配置を示す。
一般的方法
大部分の実施例について、NMRスペクトルをBruker DPX 400で記録した。H−NMR化学シフト(δ)を100万分の1部(ppm)で記録し、以下の略語:s(シングレット)、d(ダブレット)、dd(ダブルダブレット)およびm(マルチプレット)を用い、内部標準としてTMSを基準とした。質量スペクトルを、PE SCIEX API 165で記録した。GCクロマトグラムを、Restek RTX−カラムを装備したHP6890Nで記録した。
スキームIIに従ったトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)の調製
A. トランス−(IV)およびシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)の混合物
雰囲気下で、ヨウ素(4.95g、18mmol)を、トルエン(175mL)中のマグネシウム(1.75g、71.87mmol)の攪拌されている懸濁液中に添加した。20分にわたって、11−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジ−ベンズ[2,3;6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(III)(25g、84mmol;上記のVaderらを参照)のメタノール中の溶液(175mL)を加えた。反応混合物を35分間撹拌した。その後2時間にわたって、3分割のマグネシウム(1g、41.06mmol)、それに続き、より大きな1分割のマグネシウム(2g、82.12mmol)を加えた。水(600mL)および36%塩酸(65mL)を、温度を40℃未満に保ちながら加えた。トルエン(50mL)を加えて層を分離し、水層をトルエンで抽出した(2×100mL)。合わせたトルエン層を水(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。これにより、トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]−ピロール−1−オン(IV)とシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)との混合物(25.5g、ほぼ100%)を得、H−NMRおよびGCによって定量したところ(IV):(V)の比=1:4であった。
B. (IV)のクロマトグラフィー(シリカ)精製
5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN、1.6L)を、シス異性体(V)とトランス異性体(IV)との混合物(合計10kg)を含むトルエン(400L)に加え、反応混合物を20℃で1時間撹拌する。水(200L)を加え、水層のpHを酢酸(約1.0L)でpH4に調整する。撹拌を15分間続け、必要ならば酢酸を加えてpHを4.0(±0.2)に調整する。層を分離する。トルエン層を水(200L)で洗浄し、体積25Lまで濃縮し、シリカ(100kg)のクロマトグラフィーによりトルエン(115L)およびトルエン:酢酸エチル95:5v/v(900L)を用いて精製する。画分を貯留し、完全に化合物トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)だけを含む画分を1つに合わせ、50Lの体積まで濃縮する。シス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)またはトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)とシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)との混合物を含む画分を1つに合わせる。
C. DBNを用いた反復異性化
シス異性体(V)を含む、合わせた画分を、DBNを用いてトルエン中で再度異性化し、続いて上記のようなクロマトグラフィーによる精製を2回繰り返す。完全にトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)だけを含む画分を1つに合わせ、真空下で蒸発させて粗トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)4.9kg(49%、m/m)を得る。メタノールからの再結晶により、トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)(3.8kg、38%);mp150.6℃;H−NMR(400.13MHz、CDCl、基準TMS)δ3.03(d,3H)、4.03(m,1H)、3.53から3.65(m,2H)、3.82(m,1H)、7.01から7.28(m,6H)、7.87(dd,1H)を得る。
トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)の調製
シス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)(2g、6.7mmol)のエタノール(20mL)中の溶液に水酸化カリウム(3.8g、67mmol)を加えた。反応混合物を加熱して5時間還流した。反応混合物を蒸発させ、水(50mL)を加えた。水相をジエチルエーテルで洗浄した(2×25mL)。水相を濃塩酸でpH5から6の間の酸性にして、ガムの沈殿をもたらした。酢酸エチル(25mL)を加え、ガムをゆっくりと溶解して、生成物の微細結晶の生成をもたらした。この結晶をろ過し乾燥させて、トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸(I)(1.1g、52%);mp154.4℃;H−NMR(399.87MHz、溶媒MeOD、基準TMS)δ2.09(s,3H)、2.45および2.66(2×m,2H)、3.23(s,1H)、3.50(m,1H)、3.92(d,1H)、6.96から7.20(m,6H)を得た。
トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩酸塩(I).HClの調製
水酸化カリウム(333.8g、6.30mole)を、エタノール(1050mL)に溶解したシス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(V)とトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)との混合物(105g、351mmol、トランス/シス比1:3)に加えた。混合物を加熱し18時間還流した。エタノールの一部(500mL)を蒸発させ水(1.5L)を加えた。水相をトルエン(2×750mL)で抽出した。続いて水相にトルエン(500mL)および濃塩酸を加えpHを1に調整した。塩酸添加の間、温度は75℃に上昇する。水層を分離し、冷却すると同時にトランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩酸塩の結晶が生成した。結晶をろ過によって集収し乾燥させ、(I).HCl(84g、68%);mp215℃(dec.);H−NMR(399.87MHz、溶媒MeOD、基準TMS)δ2.65(s,3H)、3.30(s,2H)、3.95(m,1H)、4.32(d,1H)、7.11から7.38(m,6H)を得た。
トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)の調製
方法A
トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩酸塩(I).HCl(55.5g)およびシリカゲル(55g)をキシレン(550mL)に懸濁した。懸濁液を加熱して一晩還流した。反応混合物を65℃に冷却し、酢酸エチル(550mL)を加えた。シリカゲルをろ別し、酢酸エチル(550mL)で洗浄した。有機相を蒸発させた。粗生成物をメタノ−ル(750mL)に溶解した。メタノ−ルを部分的に蒸発させると同時に生成物の結晶化が起こった。3時間かけて5℃に冷却後、生成物をろ過によって得た。これによりトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)(47.8g、86%);mp150.6℃;H−NMR(400.13MHz、溶媒CDCl、基準TMS)δ3.03(d,3H)、4.03(m,1H)、3.53から3.65(m,2H)、3.82(m,1H)、7.01から7.28(m,6H)、7.87(dd,1H)を得た。
方法B
トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩酸塩(I).HCl(50g、142mmol)をジクロロメタン(1L)およびN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中に懸濁した。この懸濁液に塩化チオニル(50mL、84mmol)を加えた。30分後に透明な溶液が生成した。この溶液をメタノール(1L)およびトリエチルアミン(158、1150mmol)の冷混合物に滴下しながら加えた。更にトリエチルアミン(35mL)を加え、pHを8に調整した。有機相を1N塩酸(1L)および食塩水(2×1L)で洗浄した。続けて有機相を飽和重炭酸ナトリウム(1L)で洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、蒸発させた。粗生成物(40.7g)をメタノール(100mL)から結晶化させた。これによりトランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)(32g、75%);H−NMR(399.87MHz、溶媒CDCl、基準TMS)δ3.03(d,3H)、4.03(m,1H)、3.53から3.65(m,2H)、3.82(m,1H)、7.01から7.28(m,6H)、7.87(dd,1H)を得た。
アセナピンであるトランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)の調製
テトラヒドロフラン(2.4mL)を含む0℃の第1反応槽に塩化アルミニウム(167mg、1.26mmol)を加えた。得られた懸濁液に水素化リチウムアルミニウム(3.77mmol)をゆっくり加えた。THF(4ml)を含む第2反応槽にトランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸塩酸塩(I).HCl(0.4g、1.26mmol)を加えた。−10℃で第1反応槽の内容物を、第2反応槽に加えた。30分後、反応混合物を水で急冷しトルエンで抽出した。トルエンを硫酸マグネシウムで乾燥させ蒸発させた。これにより、粗トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)を純度63%で定量的収率に近い収率で得た;H−NMR(400.13MHz、溶媒CDCl、基準TMS)δ2.54(s,3H)、3.15(m,2H)、3.25および3.61(2×m,4H)、7.01から7.36(m,7H)。
アセナピンであるトランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)の調製
塩化アルミニウム(6.9kg)を分割して0℃のテトラヒドロフラン(100L)に加える。撹拌を続け、水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン中の10%溶液(35.0L)を、温度を10℃未満に保ちながら加える。混合物を0℃に冷却し15分間撹拌する。トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)(10.0kg)のテトラヒドロフラン(100L)中の溶液を、温度を15℃未満に保ちながら混合物に加える。テトラヒドロフラン(5L)を加え、撹拌を10℃で1時間続け、0.6Nの水酸化ナトリウム溶液(100L)を、温度を10℃未満に保ちながら加える。撹拌を20℃で15分間続け、トルエン(150L)および水(100L)を加える。撹拌を20℃で15分間続けて、塩の層を分離する。塩の層をトルエン(2×50L)で抽出する。1つに合わせたろ液を分離し、水層をトルエン(50L)で抽出する。1つに合わせた有機層を真空下70℃で蒸発させ、トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)(9.4kg、99%);H−NMR(400.13MHz、溶媒CDCl、基準TMS)δ2.54(s,3H)、3.15(m,2H)、3.25および3.61(2×M,4H)、7.01から7.36(m,7H)を得る。
マレイン酸アセナピン(Org5222)の調製
遊離塩基であるトランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)(1.23kg)をエタノール(2L)中に60℃で溶解した。活性炭(74g)を加え、60℃で30分間撹拌した後、活性炭をろ過し、エタノ−ル(1.2L)で洗浄した。ろ液を65℃に加温し、この温度を維持しながら、マレイン酸(554g)のエタノール(3.5L)中の温(60℃)溶液を15分かけて加えた。溶液を冷却し、15℃で種結晶を入れた。15℃で2時間撹拌後、懸濁液を−10℃に冷却し、結晶をろ過し、冷エタノールで洗浄し、乾燥させた。
H−NMR(400.13MHz、溶媒CDCl、基準TMS)δ3.14(s,3H)、3.93(m,2H)、3.79および4.08(2×m,4H)、6.24(s,2H,マレイン酸のビニルプロトン)、7.16から7.34(m,7H);質量分析m/z286.1、229、220、201、194、166および44。
トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)および対応するシス−異性体(V)の調製
A. (EおよびZ)−2−(5−クロロ−2−フェノキシ−フェニル)−3−ヒドロキシ−アクリル酸メチルエステル
(5−クロロ−2−フェノキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル(167g、605mmol)およびギ酸メチル(173mL、2.8mol)のt−ブチルメチルエーテル(1L)中の溶液を−10℃に冷却した。温度を0℃未満に維持するように、この溶液にカリウム−t−ブトキシド(115g、1.03mol)を分割式で加えた。30分後、反応物を、4N塩酸水溶液(400mL)を加えることにより急冷した。有機層を分離し、水(3×350mL)および飽和食塩水(350mL)で洗浄した。有機画分を合わせ、濃縮して乾固させ精製せずに用いた。生成物は、NMRで示されるように90%がEである。H NMR(400MHz、CDCl)3.6(s,3H,Eメチル基;Zメチルは3.7に)、6.8(d,1H)、6.9(m,2H)、7.0(t,1H)、7.2(m,3H)、7.3(m,2H)、11.8(d,1H,Eヒドロキシプロトン;Zヒドロキシプロトンは4.7に)。
B. 8−クロロ−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル
2−(5−クロロ−2−フェノキシ−フェニル)−3−ヒドロキシ−アクリル酸メチルエステル(210g、691mmol)のスラリ−をピロリン酸(420g)中で60℃に加熱した。2時間後、反応物を20℃に冷却し、ヘキサン(250mL)、トルエン(500mL)および水(500mL)を加えて反応物を急冷した。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(500mL)および飽和食塩水(500mL)で洗浄した。有機画分を濃縮し、得られた油をn−ブタノール(500mL;1時間は20℃、および2時間は−10℃で)から結晶化し、オフホワイトの結晶(172g、ステップAおよびBに対する収率85%)として表題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)3.9(s,3H)、7.1から7.2(m,3H)、7.3(m,2H)、7.4(t,1H)、7.6(d,1H)、8.0(s,1H)。
C. トランス−8−クロロ−11−ニトロメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル
5Lの3つ首丸底フラスコに、8−クロロ−ジベンズ[b,f]−オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(305g、1.06mol、1当量)に続きTHF(1.25L)およびt−ブチル−テトラメチルグアニジン(27g、0.15mol、0.14当量)を加えた。この溶液にTHF(0.5L)中のニトロメタン(576g、9.45mol、8.9当量)を、温度を30℃未満に保ちながら加えた。得られた混合物をHPLCによって完了したと判定されるまで室温で撹拌した(一晩、<出発物質の3%)。完了すると、メチル第三ブチルエーテル(1.25L)、水(0.6L)および1NのHCl(0.6L)を加えて層を分離し、水層をMTBE(1L)で2回抽出した。合わせた有機層を1NのHCl(2×0.6L)および飽和塩化ナトリウム(0.6L)で洗浄した。トルエン(2L)を加えた後、有機画分を真空下で2L未満の体積まで濃縮し、トルエン(1L)を加え、混合物を最小体積まで濃縮した。THF(0.5L)を加えることにより表題化合物(理論上368g、1.06mol)を淡色溶液として得、これをさらなる精製をせずに用いた。HPLC面積%:45%トルエン、48%トランス−ニトロエステル、6%シス−ニトロエステル、1%出発物質であった。HPLC条件:カラム−3.5μm Zorbax SB−Phenyl、3mm×150mm;溶媒−勾配55%水(0.1%HOCl)/45%メタノール(0.1%HOCl)から100%メタノール(0.1%HOCl)まで10分間、その後2分間保持;流速0.5ml/分;210nmにて検出。
D. 11−アミノメチル−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル、および11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ−[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン
A7000スポンジニッケル触媒(111.74g/60mL、乾燥ベースで約60.36gの触媒を含有する)の水性スラリーをTHF(40mL)を加えて撹拌し、および上澄みを静かに移すことによって洗浄した。次いで、触媒スラリーを1500mL Hastelloy−C撹拌式オートクレーブ中に、THF(200mL)を用いて投入した。槽を密封し、水素でパージし、水素で約50psigに加圧した。混合物を室温において1100rpmで撹拌し、THFで850mlに希釈したトランス−8−クロロ−11−ニトロメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(約369g、500mLのTHF中に1.06mol)溶液を約3.1mL/分の速度で約4.5時間かけて加えた。反応混合物の温度が発熱により上昇したが、外部水冷却浴を用いて20℃から32℃の間に維持した。反応器内の全圧を、水素を要求に応じて既知の容量の高圧貯槽から圧力調節器を介して供給することにより50から60psigに維持した。出発物質の添加が完了した後、添加系をTHF(2×25mL)を用いて反応器中へ洗い流した。完成した反応混合物を、室温で約60psigの水素加圧下で一晩撹拌した。水素を排気した後、反応混合物を慎重に真空ろ過し、塊をTHFで洗浄して(注意:触媒の塊が空気中で乾燥することを避けるために注意が必要である)、THF溶液としての表題化合物の混合物(1.06mol、理論上)を得た。この物質を、さらなる精製をせずに用いた。HPLC面積%分析:合わせたろ液および洗液(1266g)は出発物質を含んでおらず、所定のアミノエステルならびにシスラクタムおよびトランスラクタムの混合物から成っていた。HPLC条件:上記の段階Cと同じ。
E. トランス−11−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]−オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(IV)および対応するシス異性体(V)
機械的撹拌を備えた5Lの3つ首丸底フラスコにTHF(1.0L)に続き段階Dからの水素化生成物(約0.8LのTHF中に1.06mole)を加えた。槽の内容物を、続いて0℃に冷却した。次いで、固形カリウムt−ブトキシド(178g、1.59mol、1.5当量)を、温度を5℃未満に維持しながら分割式で加えた。得られた暗色の懸濁液を、5℃未満で、HPLCで測定してアミノエステルが完全に消費されるまで撹拌した。次いで、硫酸ジメチル(170mL、1.8mol、1.7当量)を5℃未満の温度に維持しながらゆっくりと加え、オレンジ色の懸濁液を得た。槽の内容物を、HPLCによって、反応が完了するまで(<5%脱メチルラクタム)5℃未満で撹拌し、その際に水酸化アンモニウム(0.5L)の水(1.0L)溶液を加えて、残留しているいかなる硫酸ジメチルをも分解した。混合物を徐々に室温まで加温し、一晩撹拌した。酢酸エチル(0.5L)を加え、層を分離した。得られた水層は固体生成物を含んでいて、この固体生成物を上昇させた温度(55℃)で酢酸エチル(2.5L、0.5L)に抽出した。合わせた有機層を真空で1L未満の体積に濃縮し、オクタン(0.25L)を加え、得られた懸濁液を50℃に加温し、次いで0℃に冷却した。懸濁液をろ過し、オクタンで洗浄し、真空下50℃で乾燥して、主にシス異性体(V)(215.7g、オキセピンエステルからの収率68%)を得た。HPLC面積%:1.6%未確認物質、98.4%シス異性体(V)、および痕跡のトランス異性体(IV)。上記単離からのろ液を真空下で濃縮し、MTBEを加え、混合物を加熱還流した。得られた懸濁液を室温に冷却し、ろ過し、乾燥させ、シスおよびトランス異性体(それぞれ(V)および(IV))の混合物(28.9g、収率9%)を得た。HPLC面積%:7.9%シス異性体(V)、92.1%トランス異性体(IV)。第2の単離からのろ液を真空下で濃縮し、MTBE(500mL)およびオクタン(50mL)を加えて混合物を加熱還流した。得られた懸濁液を0℃に冷却し、ろ過し、乾燥させてシスおよびトランス異性体(それぞれ(V)および(IV))の混合物(12.2g、収率4%)を得た。HPLC面積%:4.8%シス異性体(V)、2.4%未確認物質、92.7%トランス異性体(IV)であった。HPLC条件:上記段階Cと同じであった。トランス−8−クロロ−11−ニトロメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]−オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(段階C)からの、表題化合物の全収率は256.8g、81%であった。
ラクタムであるトランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)を介したアセナピンの調製
A:[2−(4−クロロ−フェノキシ)フェニル]−酢酸(IX)
2−ブロモフェニル酢酸メチル(47.0g、216.3mmol)および4−クロロ−フェノール(27.8g、215.8mmol)をジオキサン(790ml)に50℃に加温しながら溶解した。得られた溶液に、不活性窒素雰囲気中撹拌しながら炭酸セシウム(141g、432.2mmol)および塩化第一銅(18.56g、86.2mmol)を加えた。最終的に、N,N−ジメチルグリシン(4.46g、43.2mmol)を緑色の懸濁液に加えた。反応混合物を110℃(還流温度)で撹拌しながら4日間加熱した。反応混合物をジカライト(dicalite)に通してろ過し、これをジオキサン(40mL)で洗浄した。ジオキサンを真空中で除去すると茶色がかった油が残留した。酢酸エチル(100ml)をこの油に加え、得られた混合物のpHを1MのHCl(300ml)を加えることによって1に調整した。有機相を飽和食塩水(300ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで真空下で濃縮して収量57.2g(206mmol;95%)の2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−酢酸メチルエステルを茶色い油として得た。油をメタノール(250ml)中に溶解し、同時にKOH(16.2g、1.4当量)を加えた。得られた溶液を60℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却しメタノール(200ml)を真空下で除去した。残留物に水(100ml)を加え、pHを、1MのHCl(25ml)を加えることにより1に調整した。得られた結晶をろ別し、真空中40℃で乾燥させて収量47.3g(180mmol;87%)の[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−酢酸(IX)を得た。
Figure 2008534657
B:メチル−N−[2−(4−クロロ−2−フェノキシフェニル)−1−オキセチル]−N−メチルグリシネート(X)
[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−酢酸(IX)(47.3g、180mmol)をトルエン(140ml)中に48℃で懸濁した。この懸濁液に、トルエン(18ml)中のジメチルホルムアミド(4.0ml)およびSOCl(19.8ml;271mmol;1.5当量)を加えた。10分後、反応混合物を真空下で濃縮し、トルエンで2回ストリッピングを行って[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−塩化アセチルの茶色がかった油を得た。油をトルエン(75ml)中に懸濁した。懸濁液に5℃でサルコシンメチルエステル(30.3g、217mmol)およびトリエチルアミン(57ml)のジメチルホルムアミド(236ml)およびトルエン(47ml)混合物中の溶液を加えた。茶色がかった懸濁液を室温で2時間撹拌した。反応混合物に水(750ml)を加え、混合液を酢酸エチル(500ml)で2回抽出した。有機相を飽和食塩水(700ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を真空中で除去して、メチル−N−[2−(4−クロロ−2−フェノキシフェニル)−1−オキセチル]−N−メチルグリシネート(X)(61.3g、202mmol)を茶色がかった油として得た。
Figure 2008534657
C:3−[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−1−メチル−ピロリジン−2,4−ジオン(XI)
tert−BuOK(21.7g;193mmol)のトルエン(240ml)中の懸濁液に窒素下20℃で(B)に基づいて得た化合物(X)(61.3g)のトルエン(240ml)中の溶液を加えた。得られた懸濁液を一晩撹拌した。この茶色がかった懸濁液に水(750ml)を加えた。溶液を酢酸エチル(3×300ml)で3回抽出した。合わせた有機相を水(200ml)で洗浄した。水相のpHをHClで1に調整した。得られた結晶をろ別の前に3時間撹拌した。結晶を真空下40℃で乾燥させると、40.2g(127mmol、72%)の3−[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−1−メチル−ピロリジン−2,4−ジオン(Xl)が残留した。GC−純度は96%であった。
Figure 2008534657
D:5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VI)
(90g)を分割してHPO(90g)に、温度を140℃未満に維持しながら加えた。混合物を115℃で1.5時間加熱し、同時に3−[2−(4−クロロ−フェノキシ)−フェニル]−1−メチル−ピロリジン−2,4−ジオン(XI)(30g、95mmol)を加えた。得られた混合物を115℃から130℃で4日間、追加のP(各5gを合計5回分加えた)とともに撹拌した。混合物を水(200ml)中に注入し、得られた沈殿物を一晩撹拌した。混合物をジクロロメタン(250ml)で抽出し、飽和NaHCO(pH=7)で洗浄した。硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。得られた粗製生成物をメタノール(520ml)中に70℃で溶解した。メタノ−ルの一部を蒸発により除去した後、生成物を結晶化させた。混合物を−12℃で一晩撹拌した。結晶をろ過し乾燥させて、5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3;6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VI)(16.4g、55mmol;58%)、(GCに従った純度92%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl):3.2(s,3H)、4.3(s,1H)、3.8(m,1H)、7.2から7.4(m,6H)、8.2(dd,1H)。
E:トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)およびシス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(6)(VIII)
雰囲気下でヨウ素(3.0g、11mmol)をマグネシウム(1.22g、50mmol)のトルエン(82ml)中の懸濁液中に撹拌しながら加えた。20分間かけて、5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3;6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VI)(16.4g、55mmol)のメタノール(57ml)中の溶液を加えた。反応混合物を35分間撹拌した。その後2時間かけて、3分割のマグネシウム(2×500mg、41.06mmol)に続きより大きな1分割のマグネシウム(4×500mg、82.12mmol)を加えた。水(600ml)および濃塩酸(65ml)を、温度を40℃未満に保ちながら加えた。トルエン(50ml)を加え、層を分離して、水層をトルエン(100ml)で2回抽出した。合わせたトルエン層を水(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。これにより、トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)およびシス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(6)(VIII)(13.6g、82%)の混合物を、H−NMRおよびGCで測定して(VII):(VIII)=3:7の比で得た。
H−NMR(400MHz、CDCl):2.9(s,3H,シス)、3.0(s,sH,トランス)、4.0(m,1H)、3.53から3.65(m,2H)、3.8(m,1H)、7.0(d,1H,トランス)、7.15から7.28(m,6H)、7.4(dd,1H,シス)、7.9(dd,1H,トランス)。
F:トランス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−11−カルボン酸塩酸塩(II)
上記Eに記述したようにして得たラクタム(VII)と(VIII)との混合物(13.6g、45mmol、トランス/シス比1:2.3)をエタノール(140ml)中に溶解した。溶液に水酸化カリウム(43g、811mmol)を加え、同時に混合物を加熱して18時間還流した。エタノールの一部(60ml)を蒸発させ、水(200ml)を加えた。水相をトルエン(100ml)で2回抽出した。続いてトルエン(100ml)を水相に加え、その後濃塩酸を加えてpHを1に調整した。塩酸の添加中に温度は75℃まで上昇する。水層を分離し、冷却すると同時に生成物が結晶化した。結晶物をろ過により収集し、乾燥させてトランス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−10[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−11−カルボン酸塩酸塩(II)(3.75g、10.6mmol、22%)を得た。
M.p:203.1℃、H−NMR(400MHz、MeOD):2.6(s,3H)、3.3(s,2H)、3.9(m,1H)、4.4(d,1H)、7.10から7.36(m,6H)。
G:トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)
トランス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−11[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−11−カルボン酸塩酸塩(II)(2.00g、5.65mmol)のトルエン(15ml)中の懸濁液に酢酸ナトリウム(0.55g、6.70mmole)を加えた。懸濁液を2時間加熱還流した。混合物をろ過し、ろ液を真空下50℃で濃縮して、H−NMRおよびGCで測定して(VII):(VIII)=8:2の比のトランス(VII)およびシス(VIII)の混合物を示す、茶色がかった油(1.49g、4.97mmol、89%)が残留した。メタノール(20ml)からの結晶化により、純粋なトランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)を収量0.80g(2.67mmol、47%)で得た。
M.p:148.4℃、H−NMR(400MHz,CDCl):3.1(s,3H,トランス)、4.2(m,1H)、3.53から3.65(m,2H)、3.8(m,1H)、7.0(d,1H0,7.15から7.28(m,5H)、7.8(dd,1H)。
H:アセナピン:トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)
塩化アルミニウム(65.7mg)を分割してテトラヒドロフラン(5mL)に0℃で加えた。撹拌しながら、水素化リチウムアルミニウムの10%テトラヒドロフラン(1.35mL)中の溶液を、温度を10℃未満に保ちながらゆっくりと加えた。混合物を0℃に冷却し、15分間撹拌した。トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(VII)(0.40g)のテトラヒドロフラン(4mL)中の溶液を混合物に温度を15℃未満に保ちながら加えた。10℃で2時間撹拌を続け、同時に0.5N酒石酸ナトリウム溶液(15mL)を、温度を10℃未満に保ちながら加えた。撹拌を20℃で15分間続けた。塩の層をトルエン:酢酸エチル(8:2)混合物(25mL)で2回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させ、トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール(A)を収量0.36g(94%)で得た。H−NMR(400MHz、CDCl):2.6(s,3H)、3.1(m,2H)、3.2(m,2H)、3.6(m,2H)、7.01から7.36(m,7H)。

Claims (12)

  1. 式Iもしくは式II
    Figure 2008534657
    のトランスアミノ酸誘導体、または反絶対配置を有する各トランスアミノ酸誘導体の鏡像異性体、または各トランスアミノ酸誘導体のラセミ混合物、またはこれらの塩。
  2. トランス−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸、トランス−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−11−[(メチルアミノ)メチル]−ジベンズ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸、またはこれらの塩から選択されるトランスアミノ酸誘導体。
  3. 式I
    Figure 2008534657
    のトランスアミノ酸誘導体を調製するための方法であり、前記方法は、式IVおよび式V
    Figure 2008534657
    のラクタムの混合物を、アルコールの存在下で塩基と反応させることを含む、前記方法。
  4. 式II
    Figure 2008534657
    のトランスアミノ酸誘導体を調製するための方法であり、式VIIおよび式VIII
    Figure 2008534657
    のラクタムの混合物を、アルコールの存在下で塩基と反応させることを含む、前記方法。
  5. 塩基が、化学量論的過剰で存在するアルカリ性塩基であり、アルコールが、C1からC6のアルカノールである、請求項3または請求項4に記載の方法。
  6. 塩基が水酸化カリウムであり、アルコールがエタノールである、請求項3または請求項4に記載の方法。
  7. 式A
    Figure 2008534657
    のアセナピンまたはその塩を調製するための方法であり、前記方法は、
    (a)式Iまたは式II
    Figure 2008534657
    のトランスアミノ酸誘導体またはその塩を環化して、式IVまたは式VII
    Figure 2008534657
    のラクタムを生成すること、
    (b)式IVまたは式VIIのラクタムのカルボニル部分を還元して、式Aのアセナピンを生成すること、および
    (c)式Aのアセナピンをその塩に場合により転換すること、
    を含む、前記方法。
  8. 環化が、式Iまたは式IIのトランスアミノ酸誘導体を溶媒中で加熱することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 環化が、式Iまたは式IIのトランスアミノ酸誘導体を溶媒中および酢酸ナトリウムの存在下で加熱することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 環化が、式Iまたは式IIのトランスアミノ酸誘導体のカルボン酸部分を活性化すること、および活性化カルボン酸を塩基で処理することを含む、請求項7に記載の方法。
  11. 式A
    Figure 2008534657
    のアセナピンまたはその塩を調製するための方法であり、前記方法は、
    (a)式Iまたは式II
    Figure 2008534657
    のトランスアミノ酸誘導体またはその塩を還元剤で処理して、式Aのアセナピンを生成すること、および
    (b)前記アセナピンをその塩に場合により転換すること
    を含む方法。
  12. 還元剤が、ボランまたは水素化リチウムアルミニウムである、請求項11に記載の方法。
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