JP2008531617A - 蛋白質結合性アントラサイクリンペプチド誘導体、およびそれを含む医薬 - Google Patents

蛋白質結合性アントラサイクリンペプチド誘導体、およびそれを含む医薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、蛋白質結合性基を含有しそしてPSAによって切断され得るペプチド配列を含む、低分子量アントラサイクリンペプチド誘導体に関する。

Description

発明の分野
本発明は、前立腺特異抗原(PSA)によって切断され得る低分子アントラサイクリンペプチド誘導体、それらの製造、およびそれらの使用に関する。
発明の背景
アントラサイクリンは、種々の癌疾患を治療するために使用される、ドキソルビシン、ダウノルビシン、およびエピルビシン等の、広く使用されている抗新生物性活性薬剤のグループである。しかし、アントラサイクリンでの悪性疾患の化学療法的治療は、これらの有効成分の限定された治療範囲の結果として、副作用を伴う(Dorr R. T., Von Hoff D. D.: “Cancer Chemotherapy Handbook”, 2ndedition, Appleton and Lange, Norwalk, 1994; Myers C.E., Chabner, B. A.: Anthracyclines. In: “Cancer Chemotherapy - Principles and Practice”, Lippincott, Philadelphia; Chabner, B. A., Collins, J. M. eds., 1990, pp. 356-381)。特定のプロドラッグを使用して、罹患組織への結合化有効成分の有効な輸送を達成し、そしてまた、悪性組織の特定の生化学的および生理学的特徴の結果としての標的位置での該有効成分の有効かつ非常に特異的な放出を達成することが可能であることは、公知である。アントラサイクリンまたはアントラサイクリン誘導体の副作用プロフィールおよび効力を改善するために、蛋白質結合性製剤が開発され、これは、インビボで内因性血清蛋白質(特に、アルブミン)へ結合し、そして従って有効成分の巨大分子輸送形態を提供する(Kratz et al., J. Med. Chem., 2002, 45, 5523; Mansour et al., Cancer Res. 2003, 63, 4062)。
さらに、PSAは、悪性腫瘍中のプロテアーゼとして同定された(Levesque, M., Yu, H., D’Costa, M., & Diamandis, E., . J. Clin. Lab. Anal., 1995, 9, 123-128)。高濃度のPSAが、特に***組織および前立腺組織において検出され得る。
PSA(分子量約33kDa)はカリクレインの蛋白質ファミリーに属し、セリンプロテアーゼとしてキモトリプシンのそれに類似する基質特異性を示す。***のゲル形成蛋白質セメノゲリン(semenogelin)IおよびIIは、PSAについての主要な基質である。PSAは、プロ酵素として前立腺細胞によって合成され分泌される。身体の他の細胞は、非常に少量しかPSAを分泌しない(Yousef, G. M., Diamandis, E. P.: Endocr. Rev., 2001, 22, 184-204)。
大量のPSAが、転移性前立腺癌の症例において発現され、その結果、局所濃度はmg/mL範囲の高値を有する。PSAは細胞外空間で活性化され、そこで酵素効果を発する。しかし、血漿中では、PSAは、α−抗キモトリプシンおよびα−マクログロブリンに強く結合し、そしてその結果、酵素活性を有さない。これらの理由のため、PSAは、腫瘍関連プロテアーゼとして、PSA陽性前立腺腫瘍の有効な治療へのプロドラッグ・アプローチについての非常に好適な候補である。
発明の要旨
本発明の基礎をなす目的は、静脈内投与後に、循環アルブミンへ共有結合し、そして腫瘍組織においてPSAにより切断されて有効成分を放出する、アントラサイクリンの誘導体を作製することである。
この目的は、以下の一般式の低分子アントラサイクリン−ペプチド誘導体によって、本発明に従って達成される:
Figure 2008531617
式中、
=H、OCH、またはOH;
=HまたはOH;
m=0〜5;
n=0〜6;
−P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
PMは、蛋白質結合性基である。
本発明の化合物は、アントラサイクリン有効成分、ペプチドスペーサー、およびヘテロ二官能性架橋剤から構成される。この構造体を、以下にさらに詳細に説明する。
発明の詳細な説明
抗腫瘍性効果を有するアントラサイクリン成分は、以下の一般式で表される有効成分である:
Figure 2008531617
式中、
=H、OH、またはOCH;そして
=HまたはOH。
好ましい有効成分は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、4’−エピルビシン、イダルビシン、またはカルビシン(carubicin)である。
特に好ましい有効成分は、ドキソルビシンである。
ヘテロ二官能性架橋剤は、以下の一般式で表される、蛋白質結合性基を有するカルボン酸誘導体である:
Figure 2008531617
式中、
m=0〜5;
n=0〜6;そして
PM=蛋白質結合性基。
n<2およびm=2〜5ならびにn=4およびm=0を有するヘテロ二官能性架橋剤を使用することが好ましい。オキシエチレン単位は、特にmについてより大きな値で、水中における高い溶解性を保証する。
n=4およびm=0の値が、特に好ましい。
蛋白質結合性基(PM)は、2−ジチオピリジル基、ハロゲンアセトアミド基、ハロゲンアセテート基、ジスルフィド基、アクリル酸エステル基、モノアルキルマレイン酸エステル基(monoalkyl maleicacid ester group)、モノアルキルマレアミニックアシッドアミド基(monoalkyl maleaminic acid amide group)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、イソチオシアネート基、アジリジン基、またはマレインイミド基(maleinimide group)から好ましくは選択される。マレインイミド基は、特に好ましい蛋白質結合性基である。
ペプチドスペーサーは、PSAによって切断される、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列P−P10であり、式中、Pは、アミノ酸Arg、His、Met、Ser、Tyr、Phe、Thr、Gly、Gln、またはLysであり得る。Pについて好ましいアミノ酸は、Argである。P、P、P、P、P、Pについての好ましいアミノ酸は、Ser、Tyr、Thr、Gln、Gly、Asn、およびPhe、最も好ましくはSerおよびTyrである。
好ましいペプチドスペーサーは、6、7、または8個のアミノ酸からなる。
好ましい配列は、以下である:
Figure 2008531617
特に好ましい配列は、Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Argである。
本発明のアントラサイクリンペプチド誘導体は、アントラサイクリン有効成分(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、カルビシン、またはイダルビシン)と、以下の一般式によって表されるペプチド誘導体:
Figure 2008531617
(式中、
m=0〜5;
n=0〜6;
−P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
PMは、蛋白質結合性基である)
とを、該ペプチド誘導体のPの活性化カルボキシル基と該有効成分のアミノ基との縮合により、反応させることによって、有効に作製される。
本発明のアントラサイクリンペプチド誘導体はまた、以下の一般式で表されるアントラサイクリンジペプチド:
Figure 2008531617
と、以下の一般式で表されるペプチド誘導体:
Figure 2008531617
(式中、
m=0〜5;
n=0〜6;
−P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
PMは、蛋白質結合性基である)
とを、該ペプチド誘導体のPの活性化カルボキシル基と該アントラサイクリンジペプチドのアミノ基との縮合により、反応させることによって、有効に作製され得る。
本発明のアントラサイクリンペプチド誘導体はまた、以下の一般式で表されるアントラサイクリン−アミノ酸誘導体:
Figure 2008531617
と、以下の一般式で表されるペプチド誘導体:
Figure 2008531617
(式中、
m=0〜5;
n=0〜6;
−P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
PMは、蛋白質結合性基である)
とを、該ペプチド誘導体のPの活性化カルボキシル基と該アントラサイクリン−アミノ酸誘導体のアミノ基との縮合により、反応させることによって、有効に作製され得る。
前記ペプチド誘導体のC末端を活性化するために、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジノ−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージドを、標準的な触媒または補助塩基(例えば、トリアルキルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、もしくはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt))の添加を伴って、使用することが好ましい。反応は、極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF、DMA、またはDMSO)中、−20℃〜40℃の温度で、好ましくは0〜5℃で、有効に行われ、ここで、反応時間は、通常、1〜120時間、好ましくは24〜96時間である。生成物は、結晶化、シリカゲルにおけるクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、またはサイズ排除クロマトグラフィーによって、単離され得る。
本発明の蛋白質結合性アントラサイクリン−ペプチド誘導体は、非経口的に、好ましくは静脈内に投与される。この目的のために、本発明のアントラサイクリン−ペプチド誘導体は、必要に応じて従来の補助材料を使用して、溶液、固体、または凍結乾燥物として利用可能にされる。このような補助材料としては、例えば、ポリソルベート、グルコース、ラクトース、マンニトール、スクロース、デキストラン、クエン酸、トロメタモール、トリエタノールアミン、アミノ酢酸、および/または合成ポリマーが挙げられる。本発明のアントラサイクリン−ペプチド誘導体は、好ましくは、2.0〜8.0、好ましくはpH5.0〜7.0のpH範囲の等張緩衝液中に溶解されそして投与される。結果として、本発明のアントラサイクリン−ペプチド誘導体は、前記架橋剤中のオキシエチレン単位のためおよび/または前記ペプチド配列への極性アミノ酸(例えば、Arg、His、Ser、Tyr、またはLys)の組み込みのために、水中における十分な溶解性を有する。アントラサイクリン−ペプチド誘導体の溶解性は、薬学的溶媒、例えば、1,2−プロパンジオール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、および/または200〜600g/molの分子量を有するポリエチレングリコール、好ましくは600g/molの分子量を有するポリエチレングリコール、ならびに/あるいは可溶化剤、例えば、Tween 80、Cremophor、またはポリビニルピロリドンを添加することによって、必要に応じて改善され得る。
本発明のアントラサイクリン−ペプチド誘導体の必須の特徴は、蛋白質結合性基を介しての血清蛋白質へのそれらの迅速な共有結合化であり、この結果として、該有効成分の巨大分子輸送形態が形成される。腫瘍組織は、増加した量の血清蛋白質(例えば、トランスフェリンおよびアルブミン)を取り込む(takes up)ことが知られており(Kratz F., Beyer U: Drug Delivery, 1998, 5, 281-299)、このことは、それらが、細胞増殖抑制剤についてのいわゆる「内因性担体」として、本発明の範囲内において使用され得ることを意味する。特に好ましい血清蛋白質は、循環ヒト血清アルブミン(HSA)であり、これは、30〜50g/Lの平均濃度を有し、そして従って、ヒト血液の主要な蛋白質成分である(Peters T, Advantage. Protein Chem., 1985, 37, 161-245)。チオール結合性基(例えば、マレインイミドおよびジスルフィド)の結合のための結合部位として好適である(WO 00/76551)、遊離のシステイン基(システイン−34基)が、この蛋白質の表面上に存在する。アントラサイクリン−ペプチド誘導体と血清蛋白質との反応はまた、例えば、注射に意図されるある量のアルブミン、血液、または血清を用いて、体外で行われ得る。
蛋白質結合されたアントラサイクリン−ペプチド誘導体の生体内分布は、遊離の有効成分のそれとは異なる。それらの巨大分子特徴の結果として、それは腫瘍組織中に蓄積し、そしてそれが腫瘍組織中においてPSAによって切断されると、低分子アントラサイクリン−ペプチドが放出され、次いで、これは抗腫瘍効果を発することができる(図1、3、4、および5を参照のこと)。アントラサイクリン−ペプチドはまた、腫瘍組織中において元のアントラサイクリンへと切断されて戻され得る(図2を参照のこと)。動物実験研究において、蛋白質結合性ドキソルビシンペプチド誘導体は、非常に良好な抗腫瘍効果を示した(実施例1を参照のこと)。
以下の実施例は、図面と共に、さらに詳細に本発明を説明する。
実施例1
Doxo−Arg−Serを有するEMC−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Arg−Doxo(化合物1を参照のこと)の合成
Figure 2008531617
1.ドキソルビシン−Argの合成
200mg(0.3448mmol)の塩酸ドキソルビシ、305mg(0.77mmol)のFmoc−Arg−OH、および0.00031mg、200μL(31.5mmol)のトリエチルアミンを、25mLの乾燥DMFに溶解した。溶液を25℃(RT)で5分間撹拌し、次いで、157.3mg(0.4138mmol、1.2当量)のHATUをカップリング試薬として添加した。次いで、混合物を25℃(RT)で2時間撹拌した。生成物を1,000mLのジエチルエーテルで沈殿させ、沈殿物をジエチルエーテルで3回洗浄し、そして真空下で乾燥した。該サンプルをDMF中20%ピペリジン溶液5mLで処理することによって、Fmoc保護基を除去した。5分の反応時間後、生成物を、250mLのジエチルエーテルで沈殿させ、そして20mLのエーテルで3回洗浄した。次いで、クロロホルム/メタノール 3:1 +0.1%TFA、クロロホルム/メタノール 2:1 +0.1%TFA、そしてメタノール+0.1%TFAを移動相としてその順序で使用して、前記生成物を、ジオールカラム、即ち、LiChroprep DIOL(40−63μm)において精製した。(前記サンプルは、移動相中で可溶となるように、最初に0.5%のTFAと混合されなければならない。)生成物を含有するフラクションを回収し、ジエチルエーテルで沈殿させ、そして高真空下で乾燥させ、この結果として、322.5mgの目標化合物が、赤色粉末として得られた。質量(ESI:2.5kV,Mr 699.7):m/z 700.2[M+H],722.2[M+NA],HPLC(495nm):>98%。
2.ドキソルビシン−Arg−Serの合成:
390mg(0.558mmol)のDoxo−Arg−OH、390.52mg(1.193mmol)のFmoc−Ser−OH、および49.97mg、426μL(2.512mmol)のDIEAを、22mLの乾燥DMFに溶解し、そして25℃(RT)で5分間撹拌した。318.24mg(0.837mmol)のHATUをカップリング試薬として添加し、次いで溶液を25℃で2時間撹拌した。次いで、生成物を1,000mLのジエチルエーテルで沈殿させ、そしてこのようにして得られた沈殿物を20mLのジエチルエーテルで3回洗浄し、そして真空下で乾燥させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール 5:1 +0.1%トリフルオロ酢酸)により精製した後、該サンプルをDMF中20%ピペリジン溶液で処理することによって、前記保護基を除去した。5分の反応時間後、生成物を50倍量のジエチルエーテルで沈殿させ、そしてエーテルで3回洗浄した。次いで、沈殿物を高真空下で乾燥し、この結果、186.3mgのDoxo−Arg−Serが得られた。質量(ESI:3kV,Mr 787.2):m/z 788.2[M+H],HPLC(495nm):>95%。
3.EMC−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Arg−Doxo(化合物1を参照のこと)の合成
10mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、128mg(0.163mmol)のドキソルビシン−Arg−Ser、159.33mg(0.184mmol)のEMC−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−OH(EMC=マレインイミドカプロン酸(maleinimidocaproicacid))、65.87mg(0.487mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、および70.86μL(65.21mg、0.643mmol)の4−メチルモルホリンを、+5℃で15分間撹拌した。150.68μL(123.07mg、0.975mmol)のN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを添加し、該混合物を+5℃で72時間撹拌した。次いで、生成物を50倍量のジエチルエーテル(500mL)で沈殿させ、そして上澄みジエチルエーテルをデカントした。沈殿物を3×20mLのジエチルエーテルで洗浄し、そして真空下で乾燥させた。生成物を、MeOH/水 3:1に溶解し、そしてメタノールを用いてSephadexTM LH−20(Amersham Pharmacia Biotech AB)においてサイズ排除クロマトグラフィーを2回実行することによって精製した。得られたフラクションから溶媒を真空下で除去し、この後、高真空下でアセトニトリル/水 50:50を用いて凍結乾燥を行った。結果として、152mgの化合物1が赤色粉末として得られた。質量(LC−MS−pos.ESI.1.5kV,Mr 1636.5):m/z 1637.5[M+H],1749.7[M+CFCOO],1750.7[M+CFCOO],HPLC(495nm):>95%。
実施例2
PSAによる化合物1のアルブミン結合化形態の酵素切断
化合物1のアルブミン結合体の作製
1.8mgの化合物1を、1mLの市販のヒト血清アルブミンと共に、37℃で1時間時間インキュベートした。得られたアルブミン結合体を、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製した(Sephacryl(登録商標)HR100;緩衝液 0.004Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム;pH6.5)。
化合物1のアルブミン結合化形態[200μM]をヒト前立腺特異的抗原(50μg/mL)と共に37℃でインキュベートし、そして495nmで、図1に示される時間で、勾配溶離(流量:1.2〜1.8mL/分; 溶離剤A:22%アセトニトリル、78%4mmol酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0); 溶離剤B:30%4mmol酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)、70%アセトニトリル; 勾配:0〜25分、100%移動相A;25〜40分、70%アセトニトリル、30%4mM酢酸ナトリウムへ;40〜50分、70%CHCN、30%4mM酢酸ナトリウム;50〜60分、100%移動相A)によって、C18−RP−HPLCカラム(Symmetry(登録商標)300−5 4.6×250mm、Waters製)におけるクロマトグラフィーによって検出した。注入量:50μL。
化合物1のアルブミン結合体およびヒトPSA(Calbiochem,FRG)で行った、インキュベーション研究により、ドキソルビシン−ジペプチドDoxo−Arg−Serが放出されたことが確認された(図1)。
これは、腫瘍組織(CWR22組織ホモジネート)中において、ドキソルビシンへ切断される(図2を参照のこと)。
実施例3
PSA陽性前立腺癌CWR22でのドキソルビシン−ジペプチドDoxo−Arg−Serの切断研究
pH7.4でのCWR22組織ホモジネートと共の37℃でのインキュベーション研究を、実施例2に記載されるように、得られたドキソルビシンジペプチド(Doxo−Arg−Ser)を用いて行った。アントラサイクリンの濃度は、100μMであった。HPLCクロマトグラフィーを、5分、6時間、および20時間後に、実施例2の条件下で行った。得られた結果を図2に示す。切断研究によって、PSAで切断されたドキソルビシンジペプチド(Doxo−Arg−Ser)は、腫瘍組織(CRW22)中においてドキソルビシンへ切断されるという、興味深い事実が確認された。
実施例4
Mal−Asn−Ser−Ser−Tyr−Phe−Gln−Doxo(PSA3)(化合物2を参照のこと)の合成:
Figure 2008531617
58mg(0.1mmol)の塩酸ドキソルビシン、102.8mg(0.1mmol)のMal−Asn−Ser−Ser−Tyr−Phe−Gln−OH(Mal=マレインイミドトリエチレングリコール酸(maleinimidotriethylenglycolic acid))、13.5mg(0.1mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、および33μL(30.3mg、0.3mmol)の4−メチルモルホリンを、20mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中において、+5℃で15分間撹拌した。46.5μL(37.9mg、0.3mmol)のN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを添加し、そして該混合物を+5℃で96時間撹拌した。次いで、DMFを高真空下で除去した。残渣をクロロホルム/メタノール 3/1に溶解し、そしてクロロホルム/メタノール 3/1を用いてシリカゲル60(Merck,Darmstadt)においてカラムクロマトグラフィーを2回実行することによって精製した。50mgの化合物2が赤色粉末として得られた。質量(ESI−MS,Mr 1553.5):m/z 1576[M+Na],HPLC(495nm):>98%。
実施例5
PSAによる化合物2のアルブミン結合化形態の酵素切断
化合物2のアルブミン結合体の作製
12.1mgの化合物2を、10mLの市販のヒト血清アルブミンと共に、37℃で1時間インキュベートした。得られたアルブミン結合体を、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製した(Sephacryl(登録商標)HR100;緩衝液、0.004Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム pH6.5)。
化合物2のアルブミン結合化形態[200μM]を、37℃でヒト前立腺特異抗原(20μg/mL)と共にインキュベートし、そして495nmで、図5に記載の時間で、勾配溶離(流量:1.2mL/分、 移動相A:27.5%CHCN、72.5%20mMリン酸カリウム(pH7.0); 移動相B:CHCN; 勾配:0〜25分、100%移動相A;25〜40分、70%CHCN、30%20mMリン酸カリウムへ;40〜50分、70%CHCN、30%20mMリン酸カリウム;50〜60分、100%移動相A)によって、C18−RP−HPLCカラム(Symmetry(登録商標)300−5 4.6×250mm、Waters製)におけるクロマトグラフィーによって検出した。注入量:50μL。
化合物2のアルブミン結合体およびヒトPSA(Calbiochem,FRG)で行ったインキュベーション研究により、ドキソルビシン−ジペプチドGln−Phe−Doxoが放出されたことが確認された(図3)。
実施例6
EMC−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Gly−Doxo(化合物3を参照のこと)の合成
Figure 2008531617
20mLの乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、50mg(0.086mmol)の塩酸ドキソルビシン、100.7mg(0.086mmol)のEMC−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Gly−OH(EMC=マレインイミドカプロン酸)、11.6mg(0.086mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、および37.8μL(37.8mg、0.34mmol)の4−メチルモルホリンを、+5℃で15分間撹拌した。39.8μL(32.5mg、0.26mmol)のN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを添加し、そして該混合物を+5℃で96時間撹拌した。次いで、該生成物を、ジエチルエーテルで沈殿させ、そして20mLのジエチルエーテルで3回洗浄した。130mgの化合物3が、赤色粉末として得られた。質量(ESI−MS,Mr 1693.7):m/z 1807.6[M+Na],HPLC(495nm):>97%。
化合物3は、血漿中の内因性アルブミンのシステイン−34位へ数分内に選択的に結合する(図4を参照のこと)。
実施例7
PSAによる化合物3のアルブミン結合化形態の酵素切断
化合物3のアルブミン結合化形態[200μM]を、37℃でヒト前立腺特異抗原(20μg/mL)と共にインキュベートし、そして495nmで、図5に記載の時間で、実施例3の条件下でHPLCクロマトグラフィーによって検出した。注入量:50μL。
化合物3のアルブミン結合体およびヒトPSA(Calbiochem,FRG)で行ったインキュベーション研究により、ドキソルビシン−ジペプチドDoxo−Gly−Serが放出されたことが確認された(図5)。
実施例8
PSA陽性異種移植片モデル(CWR22)における化合物3のインビボ活性
構造体3で処理した[用量(i.v.):第13日および第20日に2×13.3μmol/kg(=2×8mg/kgドキソルビシン当量);第13日、第20日および第27日に3×39.9μmol/kg(=3×24mg/kgドキソルビシン当量);ならびに第13日、第20日および第27日に3×59.9μmol/kg(=3×36mg/kgドキソルビシン当量)]、皮下的に増殖するPSA陽性異種移植片モデルCWR22の腫瘍増殖の過程を図6に示す。
該図は、記載されている時間での相対的腫瘍体積を示す。
動物:無毛マウス。化合物3のストック溶液:6.0mg/mL(10mMリン酸ナトリウム、5%D−グルコース(pH6.4)中); コントロール(緩衝液):グルコース−ホスフェート緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、5%D−グルコース − pH6.4);第13日および第20日。
図6における曲線により、化合物3は十分な抗腫瘍効果を有することが確認される。
実施例9
PSA陽性異種移植片モデル(CWR22)における化合物1のインビボ活性
構造体1で処理した[用量(i.v.):第13日および第20日に2×13.3μmol/kg(=2×8mg/kgドキソルビシン当量);第13日および第20日に3×26.3μmol/kg(=3×16mg/kgドキソルビシン当量)または緩衝液(コントロール)]、皮下的に増殖するPSA陽性異種移植片モデルCWR22の腫瘍増殖の過程を図7に示す。
該図は、記載されている時間での相対的腫瘍体積を示す。
動物:無毛マウス。化合物1のストック溶液:7.4mg/mL(10mMリン酸ナトリウム、5%D−グルコース(pH6.4)中); コントロール(緩衝液):グルコース−ホスフェート緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、5%D−グルコース − pH6.4);第13日および第20日。
図7における曲線により、化合物3は十分な抗腫瘍効果を有することが確認される。
図1:PSAによる化合物1のアルブミン結合化形態の酵素切断のクロマトグラム。37℃でのヒトPSA(50μg/mL)と共のインキュベーション後の、化合物1のアルブミン結合化形態の切断研究。アントラサイクリンの濃度は、200μMであった。HPLC:BioLogic Duo−Flow System、Biorad,Munich製;Lambda 1000 Monitor、Bischoff製(λ=495nm);254nmでUV検出; カラム:Waters,300Å,Symmetry C18[4.6×250mm](入口カラム(inlet column)を備える); 流量:1.2mL/分; 移動相A:22%CHCN、78%4mM酢酸ナトリウム(pH5.0); 移動相B:CHCN; 勾配:0〜25分、100%移動相A;25〜45分、70%CHCN、30%4mM酢酸ナトリウムへ;40〜50分、70%CHCN、30%4mM酢酸ナトリウム;および50〜60分、100%移動相A。注入量:50μL。 図2:PSA陽性前立腺癌CWR22でのドキソルビシン−ジペプチドDoxo−Arg−Serの切断研究のクロマトグラム。0時間、6時間、および20時間後の、37℃で記録された、CWR22ホモジネートと共の、切断化ドキソルビシン−ジペプチド[Doxo−Arg−Ser]のインキュベーション研究のクロマトグラム。アントラサイクリンの濃度は、125μMであった。HPLC条件:図1を参照のこと。CWR22ホモジネート(250mg/1mL)は、1mMモノチオグリセロールを含有する50 mM トリス−HCl緩衝液(pH7.4)中でのCWR22異種移植片腫瘍の均質化によって、作製された。 図3:PSAによる化合物2のアルブミン結合化形態の酵素切断のクロマトグラム。37℃(pH7.4)で、30分、3時間、9時間および24時間後の、前立腺特異的抗原(20μg/mL)での化合物1のアルブミン結合体の酵素切断のクロマトグラム。アントラサイクリンの濃度は、50μMであった。HPLC:BioLogic Duo−Flow System、Biorad,Munich製;Lambda 1000 Monitor、Bischoff製(λ=495nm);254nmでUV検出。カラム:Waters,300Å,Symmetry C18[4.6×250mm](入口カラムを備える); 流量:1.2mL/分; 移動相A:27.5%CHCN、72.5%20mMリン酸カリウム(pH7.0); 移動相B:CHCN; 勾配:0〜25分、100%移動相A;25〜40分、70%CHCN、30%20mMリン酸カリウムへ;40〜50分、70%CHCN、30%20mMリン酸カリウム;および50〜60分、100%移動相A。注入量:50μL。 図4:5分および90分後の、37℃での、ヒト血漿と共の化合物3のインキュベーション研究のクロマトグラム。5分および90分後の、37℃での、ヒト血漿と共の化合物3のインキュベーション研究のクロマトグラム。アントラサイクリンの濃度は、100μMであった。HPLCクロマトグラフィー条件:図3を参照のこと。 図5:PSAによる化合物3のアルブミン結合化形態の酵素切断のクロマトグラム。37℃(pH7.4)での、5分、3時間、および7時間後の、前立腺特異的抗原(20μg/mL)での化合物3のアルブミン結合体の酵素切断のクロマトグラム。アントラサイクリンの濃度は、100μMであった。HPLCクロマトグラフィー条件:図3を参照のこと。 化合物3で処理したCWR22異種移植片モデルの腫瘍増殖のグラフ。 化合物1で処理したCWR22異種移植片モデルの腫瘍増殖のグラフ。

Claims (22)

  1. 式Iのアントラサイクリン−ペプチド誘導体:
    Figure 2008531617
    式中、
    =H、OH、またはOCH
    =HまたはOH;
    m=0〜5;
    n=0〜6;
    −P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるPSAにより切断可能なペプチド配列であり;そして
    PMは、蛋白質結合性基である。
  2. 前記アントラサイクリン成分が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、4’−エピルビシン、イダルビシン、またはカルビシン(carubicin)である、請求項1に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  3. 前記アントラサイクリン成分がドキソルビシンであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  4. PMが、必要に応じて置換され得る、マレインイミド基(maleinimide group)、2−ジチオピリジル基、ハロゲンアセトアミド基、ハロゲンアセテート基、ジスルフィド基、アクリル酸エステル基、モノアルキルマレイン酸エステル基(monoalkyl maleicacid ester group)、モノアルキルマレアミニックアシッドアミド基(monoalkyl maleaminic acid amide group)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、イソチオシアネート基、またはアジリジン基である、請求項1に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  5. PMが、必要に応じて置換され得る、マレインイミド基である、請求項2に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  6. n<2およびm=2〜5、ならびにn=4およびm=0であることを特徴とする、請求項1、4または5の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体
  7. n=4およびm=0であることを特徴とする、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  8. 前記ペプチド配列(P−P10)におけるPが、Arg、His、Met、Ser、Tyr、Thr、Phe、Gly、Gln、またはLysである、請求項1に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  9. 前記ペプチド配列におけるPがArgである、請求項1または請求項7に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  10. 前記ペプチド配列におけるP、P、P、P、P、およびPが、同一であるかまたは異なり、そしてSer、Tyr、Thr、Asn、Gln、Gly、またはPheを表す、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  11. 前記ペプチド配列におけるP、P、P、P、P、およびPが、同一であるかまたは異なり、そしてSerまたはTyrを表す、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  12. 前記ペプチド配列P−P10が、6、7、または8個のアミノ酸を含むことを特徴とする、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  13. 前記ペプチド配列が、Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Arg、Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Gly、Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Gly、Asn−Ser−Ser−Tyr−Phe−Gln、Arg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Gln−Arg、またはArg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Tyr−Argであることを特徴とする、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  14. 前記ペプチド配列がArg−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Argであることを特徴とする、前記請求項の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体。
  15. 前記請求項の1項に記載のドキソルビシン−ペプチド誘導体の製造方法であって、ドキソルビシンと、一般式IIのペプチド誘導体:
    Figure 2008531617
    (式中、
    m=0〜5;
    n=0〜6;
    −P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
    PMは、蛋白質結合性基である)
    とを、カルボン酸活性化試薬の存在下で反応させることを特徴とする、方法。
  16. PMがマレインイミド基であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 前記請求項の1項に記載のドキソルビシン−ペプチド誘導体の製造方法であって、ドキソルビシンと、一般式IIIのペプチド:
    Figure 2008531617
    (式中、
    m=0〜5;
    n=0〜6;
    −P10は、L−および/またはD−アミノ酸からなるペプチド配列であり;そして
    PMは、蛋白質結合性基である)
    とを、カルボン酸活性化試薬の存在下で反応させることを特徴とする、方法。
  18. PMがマレインイミド基であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  19. 前記カルボン酸活性化試薬が、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジノ−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、好ましくはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドから選択されることを特徴とする、請求項14〜17の1項に記載の方法。
  20. 有効成分としての請求項1〜14の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体、ならびに必要に応じて従来の薬学的補助剤および/または溶媒を含むことを特徴とする、薬物。
  21. 癌疾患の治療のための、請求項1〜14の1項に記載のアントラサイクリン−ペプチド誘導体の使用。
  22. 請求項1〜14の1項に記載の化合物を、治療的に適合性である溶液に変換することを特徴とする、癌疾患の治療のための薬物の製造方法。
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