JP2008522207A - 切換可能な光学素子 - Google Patents

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Abstract

放射線ビームのための光路(OP)を有し、第一状態と第二状態とを有する切換可能な光学素子であり、素子は、混合せず、且つ、流体メニスカス(16)によって互いに分離される第一流体(12)及び異なる第二流体(14)と、光路に沿って互いに離間する透明な第一壁部分及び透明な第二壁部分と、素子を第一状態と第二状態との間で切り換えるために、第一流体及び/又は第二流体に力を加えるよう構成される流体切換システムとを含む。第一壁部分は、非平面的な波面変更器(28)を含み、流体切換システムは、素子が第一状態にあるとき、第一壁部分が第一流体(12)によって被覆され、且つ、素子が第二状態にあるとき、第一壁部分が第二流体(14)によって被覆されるよう力を適用するように構成される。流体切換システムは、素子が第一状態にあるときに第二壁部分が第二流体で被覆され、且つ、素子が第二状態にあるときに第二壁部分が第一流体によって被覆されるよう、切換可能な光学素子は、第一状態と第二状態との間で切り換わるよう構成される。素子が第一状態及び第二状態の両方にあるときに、少なくとも1つの流体メニスカス(16)が光路上に配置されることを特徴とする。

Description

本発明は、切換可能な光学素子、具体的には、限定的ではないが、光学記録担体の情報層を走査するための光学走査装置における使用に適した切換可能な光学素子、並びに、そのような素子を含む光学走査装置に関する。
異なる波面変更を放射線ビームに導入するための異なる状態を有する切換可能な光学素子は既知である。光学素子を異なる状態の間で切り換えることは、光学素子を通過するときに放射線ビームに導入される波面変更を変える。
国際公開第WO04/027490号は、2つの異なる状態を有する切換可能な光学素子を記載している。素子は室を有し、室は1つの状態にある1つの流体で充填され、且つ、他の状態にある異なる流体で充填される。波面変更器が室を通過する放射線ビームの波面を変更する。放射線ビームの波面変更は、光学素子が切り換えられる状態及び放射線ビームの波長の両方に依存する。
WO04/027490号に記載される切換可能な光学素子は、異なるフォーマットの光学記録担体、例えば、コンパクトディスク(CD)、従来的なデジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(TM)ディスク(BD)の情報層を走査するための光学走査装置内に含まれる。光学記録担体を走査するために使用される放射線ビームの波長は、異なるフォーマットのために異なる。各フォーマットは情報層と記録担体の外部との間に位置するカバー層を有し、それは異なる厚さを有する。切換可能な光学素子の異なる状態の間で切り換えることによって、これらの異なる厚さは、記録担体の異なる厚さを正しく走査し得るよう適合される。
切換可能な光学素子によって放射線ビームに導入し得る様々な波面変更器は、素子の構造によって比較的限定される。さらに、切換可能な光学素子は、光学走査装置が複数の情報層を有する光学記録担体を走査することを可能にする機能性をもたらさない。素子は光学的動作地域の外側に位置する導管を有するので、素子は比較的嵩張り、光学動作地域は1つの流体で充填されるのに対し、他の流体は室を充填する。
国際公開第WO03/059380号は、2つの流体を分離するメニスカスを有する可変焦点レンズを開示している。流体メニスカスは、メニスカスを通過する放射線ビームに焦点を導入する曲率を有する。レンズの電極への電圧の印可は、放射線ビームの焦点を変えるために、メニスカスの曲率を変える。可変焦点レンズを含み、レンズの焦点を変えることによって記録担体の異なる情報層を走査し得る、光学走査装置が記載されている。
国際公開第WO04/051323号は、可変な流体メニスカス構造を形成するための装置を開示している。装置は2つの流体を分離する流体メニスカスを含む。メニスカスを取り囲む電極の構造に異なるパターンの電圧を印可することによって、異なる構造のメニスカスを得ることができる。1つの実施態様では、放射線ビームが透明電極を通過し、平面的な構造を有する流体メニスカスによって装置のさらなる透明な壁を通じて反射される。異なる実施態様では、電極に印可される電圧パターンは、メニスカスに非対称的な曲率を採用させ、それはメニスカスを通過する放射線ビームに適用焦点を導入する。電圧の変動はメニスカスの曲率を変化させる。
比較的効率的な方法で異なる波面変更を放射線ビームに導入する切換可能な光学素子を提供することが本発明の目的である。
本発明の1つの特徴によれば、放射線ビームのための光路を有し、第一状態と第二状態とを有する切換可能な光学素子であり、
素子は、
a) 混合せず、且つ、流体メニスカスによって互いに分離される第一流体及び異なる第二流体と、
b) 光路に沿って互いに離間する透明な第一壁部分及び透明な第二壁部分と、
c) 素子を第一状態と第二状態との間で切り換えるために、第一流体及び/又は第二流体に力を加えるよう構成される流体切換システムとを含み、
第一壁部分は、非平面的な波面変更器を含み、
流体切換システムは、
素子が第一状態にあるときに、第一壁部分が第一流体によって被覆され、
素子が前記第二状態にあるときに、前記第一壁部分が前記第二流体によって被覆されるよう力を適用するように構成される切換可能な光学素子であって、
流体切換システムは、素子が第一状態にあるときに、第二壁部分が第二流体で被覆され、且つ、素子が第二状態にあるときに、第二壁部分が第一流体によって被覆されるよう第一状態と第二状態との間で切り換わるように構成され、素子が第一状態及び第二状態の両方にあるときに、少なくとも1つの流体メニスカスが光路上に配置されることを特徴とする、
切換可能な光学素子が提供される。
放射線ビームが光路に沿って通る場合、切換可能な光学素子は、第一状態にあるときに、所望の波面変更を放射線ビームに導入する。素子を第二状態に切り換えることによって、放射線ビームに異なる所望の波面変更を導入し得る。それぞれ導入される波面変更の形態は、放射線ビームの波長、第一流体及び第二流体の材料、非平面的波面変更器の構造及び材料、並びに、第一壁部分及び第二壁部分が第一流体又は第二流体によって覆われるか否かを含む要因に依存する。これらの要因のそれぞれは、特定の波面変更を異なる放射線ビームに導入するために、切換可能な光学素子を設計する設計者に自由度をもたらす。
光路上に配置される流体メニスカスを用いることで、素子が第一状態及び第二状態にあるとき、第一流体及び第二流体は双方とも光路上に配置される。第一状態と第二状態との間の切換えは、2つの流体が異なる第一壁部分及び第二壁部分を覆うよう、2つの流体を素子内で位置変更させる。従って、導入される波面変更の異なる形態の間で切り換えることが可能である。流体メニスカスは、メニスカスの構造及び/又は第一流体及び第二流体の材料と無関係に、少なくとも部分的に、導入される波面変更の形態に寄与し得る。このようにして、さらなる程度の設計自由度がもたらされる。
これらの異なる程度の設計自由度の結果、本発明の切換可能な光学素子は、比較的高いレベルのカスタマイズ性を有するので、比較的広範な異なる所望の波面変更を少なくとも1つの放射線ビームに導入し得るし、素子の状態を切り換えることによって、或いは、波長のような放射線ビームの特性を変更することによって、波面変更を簡単に変え得る。これは有利である。何故ならば、放射線ビームに波面変更を導入する必要のある光学用途によって要求される比較的広範な基準に合致するよう素子を設計し構成し得るからである。
本発明のさらなる好適実施態様によれば、素子が第一状態及び第二状態の少なくとも一方にあるとき、流体メニスカスは光路に沿って進行する放射線ビームを集束するよう配置され得る。
光路に沿って進行する放射線ビームを集束し得る流体メニスカスを用いることで、放射線ビームが所望位置上にスポットとして集束されるよう波面変更を導入し得る。これは、切換可能な光学素子が、放射線ビームを所望位置上に集束することが望ましい光学用途において使用されることを可能にする。
好ましくは、本発明の実施態様によれば、素子が第一状態及び第二状態の少なくとも一方にあるとき、流体メニスカスは集束の量を決定する曲率を有し、素子は流体メニスカスの曲率を変更し得る可変焦点システムを含む。
流体メニスカスの曲率の変動は、放射線ビームの焦点が比較的効率的且つ制御された方法で変更されることを可能にする。これは、結果的に、切換可能な光学素子が、放射線ビームが集束される位置を変更することが望ましい光学用途において使用されることを可能にする。
本発明の好適実施態様において、流体切換システムは、第一切換電極及び第二切換電極を含み、
流体切換システムは、素子を前記第一状態に切り換えるために、第一切換電極に電圧を印可するよう構成され、
流体切換システムは、素子を前記第二状態に切り換えるために、第二切換電極に電圧を印可するよう構成される。
素子の状態を切り換えるために異なる電極に電圧を印可することは、切換えが比較的急速且つ効率的に遂行されることを可能にする。これは放射線ビームへの1つの波面変更の導入と異なる波面変更の導入との間の如何なる遅れをも最小限化する。
本発明のさらなる好適実施態様において、光学素子は、さらなる電極を含み、
第一状態と第二状態との間で切り換わるとき、流体切換システムは、さらなる電極に電圧を印可するよう構成され、
流体メニスカスの前記曲率を変更するとき、可変焦点システムはさらなる電極に電圧を印可するよう構成される。
第一状態と第二状態との間で切り換えるときにさらなる電極に電圧を印可することは、素子の切換えが比較的効率的であるよう、素子内の第一流体及び第二流体の位置を比較的迅速に変える。
好ましくは、本発明の実施態様において、非平面的波面変更器は、非球面レンズ、周期的プロファイルを有する位相構造、及び、非周期的構造を有する位相構造の少なくとも1つを含む。
非平面的波面変更器の特定の構造を選択することは、所望の波面変更が光路に沿って進行する放射線ビームに導入されることを可能にする。波面変更器が1つよりの多くの異なる種類の波面変更器を含む場合には、異なる所定波長を有する放射線ビームに異なる形態の波面変更を導入し得る。
本発明の好適実施態様において、第一流体は、第一屈折率を有し、第二流体は、異なる第二屈折率を有し、非平面的波面変更器は、第二屈折率とほぼ同一の屈折率を有する材料から成る。
第二流体の屈折率と同一の屈折率を有する非平面的波面変更器の材料を用いることで、第二壁部分が第一流体によって覆われた状態で素子が第二状態にあるときに、波面変更器は光路に沿って通る放射線ビームにゼロ波面変更を導入する。このようにして、切換可能な光学素子の状態を切り換えることによって、波面変更器の機能性、従って、放射線ビームへの波面変更の導入をオンオフ切り換え得る。
本発明のさらなる特徴によれば、情報層を有する記録担体を走査するための光学走査装置であって、
a) 本発明に従った切換可能な光学素子と、
b) 所定の波長を有する放射線ビームを提供するよう配置される放射線ビーム源システムと、
c) 走査スポットに提供される放射線ビームを情報層上に集束するよう構成される対物レンズ系と、
d) 情報層の走査後に放射線ビームを検出し、且つ、検出される放射線ビームの放射を電気信号に変換するよう構成される検出システムとを含む、
光学走査装置が提供される。
光学走査装置内に含まれる切換可能な光学素子は、記録担体を走査するための放射線ビームに波面変更を比較的正確に導入するよう適用される。さらに、切換可能な光学素子を適切に適用するならば、光学走査装置は、異なるフォーマットの並びに/或いは複数の情報層を含む光学記録担体を比較的正確に走査し得る。
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して一例としてのみ与えられる本発明の好適実施態様の以下の記載から明らかになるであろう。
図1は、本発明の第一実施態様に従った切換可能な光学素子2の断面図を概略的に示している。図2は、図1中に示される線A−Aに沿って取られた素子2の断面図を概略的に示している。素子2は長手軸を有する円筒形電極4を含み、長手軸は素子の光路OPと一致している。円筒形電極4の第一端部は第一壁6によって覆われ、円筒形電極4の第二端部は第二壁8によって覆われている。第一壁6、第二壁8、及び、円筒形電極4は、互いに混合しない第一流体12と異なる第二流体14とを封入する円筒形の室10を定めている。流体メニスカス16が、第二流体14から第一流体12を分離し、少なくとも部分的に光路OP上に位置する。この実施態様において、メニスカス16は光路OPについて中心付けられている。室10は光路OPから垂直に取られた半径rを有する。
この実施態様において、第一流体12は、第一の屈折率を備える導電性の液体、例えば、0.1Mの濃度及び1.34の屈折率を有する水中の塩化カリウム(KCI)の溶液であり、第二流体14は、第二の屈折率を備える電気的に絶縁性の液体、例えば、1.50の屈折率を有するポリフェニルメチルシロキサン及びポリジメチルシロキサンの共重合体である。第二流体が代替的に導電的であるが、第一流体12よりも低い導電性を有することが予期される。
第一壁6は第一板18を含み、第二壁8は第二板20を含み。第一板及び第二板18,20のそれぞれは円形で、平面的で、光路OPについて中心付けられ、且つ、透明材料から成り、それはこの実施例ではガラスである。第一切換電極22が、室10に向かって面する第一板18の表面、及び、第一板18の周面の両方と接触して位置している。第一切換電極22は円形であり、U字形状の断面を有し、光路OPについて中心付けられ、透明で且つ導電性を有する材料から成り、それはこの実施例ではインジウムスズ酸化物(ITO)である。第二切換電極24が、室10に向かって面する第二板20の表面、及び、第二板20の周面の両方と接触して位置している。第二切換電極24は円形であり、U字形状の断面を有し、光路OPについて中心付けられ、透明で且つ伝導性を有する材料から成り、それはこの実施例ではインジウムスズ酸化物(ITO)である。電気的に絶縁性を有し且つ透明な疎水性層26が、室10に向かって面する第二切換電極24の表面を被覆している。疎水性層26は、円筒形電極24の内面も被覆し、第一及び第二の切換電極22,24を円筒形電極24の端面から分離し且つ絶縁している。この実施例において、疎水性層26は、Dupont(TM)によって製造されるTeflon(TM)AF1600から成る。
第一壁6の一部及び第二壁8の一部は透明であり、光路OPに沿って互いに離間している。第一壁部分及び第二壁部分は、光路OPに対して垂直な方向にそれぞれ半径を有し、それは室10の半径rと同一である。第一壁部分及び第二壁部分は、光路OPと平行な方向にそれぞれ厚さを有し、それは同一方向に取られた第一壁6及び第二壁8の厚さとそれぞれ同じである。
第一壁部分は非平面的な波面変更器28を含み、波面変更器は非球面レンズ、周期的プロファイルを有する位相構造、及び、非周期的プロファイルを有する位相構造の少なくとも1つを含む。この実施態様において、非平面的波面変更器28は非球面レンズ30であり、それは非周期的位相構造(NPS)32を含む。NPS32は複数の環状突起を含む環状位相構造であり、それは非周期的プロファイルを有する。NPS32は非球面レンズ30の表面内に形成されている。非球面レンズ30の表面及びNPS32の表面は、疎水性層26によって被覆された第一壁部分の波面変更器表面34を形成している。波面変更器28は第一切換電極の一部の上に取り付けられ、円形な非球面レンズ30及びNPS32が光路OPについて中心付けられるよう、光路OPについて中心付けられている。波面変更器28は、波面変更器28によって所望の波面変更を光路OPに沿って通る放射線ビームに導入し得るような特定の寸法に従って構成されている。波面変更器28の寸法は、図1に例証されているように、原寸に従って示されておらず、波面変更器28の特定の寸法を指し示すことは意図されていない。この実施態様において、波面変更器28は、第二屈折率とほぼ同一の屈折率を有する材料、例えば、408nmの所定波長を有する放射線ビームのために、例えば、1.51の屈折率を有するヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)から成る。
素子2は、円筒形電極24内の開口を通じて挿入され且つ第一流体12と接触して位置する接地電極36を含む。接地電極36は接地端子40に電気的に接続されている。接地電極36を円筒形電極4から絶縁するために、疎水性層26は円筒形電極4内の開口の内面を被覆している。
流体メニスカス16は、光路OPに沿って進行する放射線ビームを集束するよう配置され得る。流体メニスカス16は、この集束の量を決定する曲率を有する。曲率は、光路OPについて回転対称であり、第二壁8から見られるときに凸曲率を有するよう図1に示されている。素子2は、第一及び第二の流体12,14にエレクトロウェッティング力を加えることによって曲率を変更し得る可変焦点システム(図示せず)を含む。可変焦点システムは、円筒形電極4及び接地端子40に電気的に接続される第一電圧源Vを含む。第一電圧源Vによる円筒形電極40への電圧の印可は、流体メニスカス16と円筒形電極4の内面を被覆する疎水性層26の部分との間の接触角αの程度を決定する。接触角αの程度はメニスカス16の曲率を決定する。第一電圧源Vによって印可される電圧の変動は、接触角αの程度を変更し、結果的に、凸状、凹状、又は、平面的な曲率が得られるようメニスカスの曲率を変更する。
素子2は流体切換システム(図示せず)を含み、流体切換システムは、素子2を第一状態と第二状態との間で切り換えるために、エレクトロウェッティング力を第一及び/又は第二の流体12,14に加えるよう配置される。第一状態及び第二状態は後にさらに詳細に記載される。流体切換システムは、第一切換電極22と、第二切換電極24と、第二電圧源Vと、第三電圧源Vとを含む。流体切換システムは、第二電圧源Vを第二切換電極24及び接地端子40に電気的に接続し且つ第三電圧源Vを第一切換電極22及び接地端子40に電気的に接続する電気接続システム38を含む。図1は、波面変更器28を含む第一壁部分が第一流体12によって覆われ且つ第二壁部分が第二流体14によって覆われる第一状態にある素子2を示している。第三切換システムは、第三電圧源Vから第一切換電極22への適切な電極の印可によって、エレクトロウェッティング力を第一及び第二の流体12,14に加える。この第一状態において、第二電極源Vは第二切換電極24に電圧を印可しない。
図3は中間状態にある素子2を示しており、中間状態は素子を第一状態と第二状態との間で切り換える間に生じる。この状態において、第二電圧源Vは第二切換電極24に電圧を印可せず、第三電圧源Vは第一切換電極22に電圧を印可せず、第一電圧源Vは円筒形電極24に電圧を印可しない。第一流体12は、疎水性層26との第一流体12の接触を最小限化する構造を有する。素子2が中間状態にあるとき、前に記載された流体メニスカス16と異なる少なくとも1つのさらなる流体メニスカス42が、第一流体及び第二流体12,14の分離を維持する。本発明のさらなる実施態様において、素子2が中間状態にある場合には、第一状態から第二状態への素子の切換えを加速するために、第二電圧源Vによっても第二切換電極24に電圧を印可し得る。同様に、第二状態から第一状態に切り換える場合には、素子が中間状態にあるとき、第三減圧源Vが第一切換電極22に電圧を印可し得る。
図4は、波面変更器28を含む第一壁部分が第二流体14によって覆われ且つ第二部分が第一流体12によって覆われる第二状態にある素子2を示している。流体切換システムは、第二電圧源Vから第二切換電極24への適当な電圧の印可によって、エレクトロウェッティング力を第一及び第二の流体12,14に加える。この第二状態において、第三電圧源Vは第一切換電極22に電圧を印可しない。図4において、流体メニスカス16は、第一壁16から見られるときに凸状である曲率を有して示されている。この凸曲率を達成するために、第一電圧源Vは円筒形電極24に適当な電圧を印可する。
図5、6、及び、7は、異なる実施態様に従った本発明の光学切換素子44を示している。この実施態様に従って記載される特徴は、前の実施態様に従って記載された特徴と類似している。そのような特徴は100だけ増分された同一の参照番号を使用して参照されており、類似の記載がここでも当て嵌まると理解されるべきである。
図5は、第一状態にある切換可能な光学素子44を示しており、図6は、図5中に図示された線B−Bに沿って取られた素子44の断面図を示している。この実施態様では、前の実施態様のために記載されたような円筒形電極はない。室110は、第一壁及び第二壁106,108、半円筒形電極46、並びに、さらなる半円筒形電極48によって定められている。半円筒形電極46,48は互いに対して整列され、円筒を形成している。第一壁106及び第二壁108は、この円筒の第一端部及び第二端部をそれぞれ被覆している。疎水性層126はこの円筒の内面を被覆し、2つの半円筒形電極46,48を互いに分離し絶縁するために、絶縁層50が半円筒形電極46,48の長手の縁部に沿って配置されている。この絶縁層50は、例えば、パリレン、ポリエチレン、又は、Dupont(TM)によって製造されるTeflon(TM)1600から成る。
半円筒形電極46は、第一電圧源Vに電気的に接続されている。第四電極源Vが、さらなる半円筒形電極48及び接地電極40に電気的に接続されている。接地電極136は、円筒形電極のために前に記載されたのと類似の方法で、さらなる半円筒形電極48を通じて挿入され、且つ、そこから絶縁されている。
この実施態様では、第一又は第二の状態にある素子44を用いることで、可変焦点システムは、第一電圧源Vから半円筒形電極46への適当な電圧の印可によって、流体メニスカス116の曲率を決定する。可変焦点システムは、第一電圧源Vによって印可される適当な電圧と同一の電圧をさらなる半円筒形電極48に印可する第四電圧源Vも制御する。このようにして、流体メニスカス116の曲率が決定され、曲率は光路OPについて回転対称である。流体メニスカス116の曲率を変えるために、第一電圧源Vによって半円筒形電極46に印可される電圧、並びに、第四電圧源Vによってさらなる半円筒形電極48に印可される電圧は、これらの2つの電圧が互いに同一のままであるよう一致して変化する。
図7は、第一状態と第二状態との間の素子44の切換え中の中間状態にある切換可能な光学素子44を示している。中間状態において、第一電圧源V、第二電圧源V、及び、第三電圧源Vは、半円筒形電極46、第一切換電極122、及び、第二切換電極124にそれぞれ電圧を印可しない。流体切換システムは、さらなる半円筒形電極48に適切な電圧を印可するよう第四電圧源Vを制御する。第一流体112が室110とさらなる半円筒形電極48との間に位置する疎水性層126の一部を覆い且つ第一流体112接地電極136と接触して位置するよう、この電圧はエレクトロウェッティング力を第一流体及び第二流体112,114に加える。第二流体114は、室110と半円筒形電極46との間に位置する疎水性層126の一部を覆っている。第一壁部分及び第二壁部分は、第一流体112及び第二流体114によって部分的に覆われている。
図8は、本発明の実施態様に従った切換可能な光学素子52を含む光学走査装置51を概略的に示している。光学走査装置は、第一の所定波長λを有する第一放射線ビーム、異なる第二の所定波長λを有する第二放射線ビーム、異なる第三の所定波長λを有する第三放射線ビーム55をそれぞれ用いて、光学記録担体の第一フォーマット、異なる第二フォーマット、異なる第三フォーマットを走査し得る。光学記録担体53の第三フォーマットは図8に例証されており、第三放射線ビーム55を用いて走査される第一情報層54及び第二情報層56を有する。光学記録担体53の第三フォーマットは、例えば、ポリカーボネートから成るカバー層57を含み、その一方の側には第一情報層54が配置されている。カバー層57から離れて面する第二情報層56の側は、さらなるカバー層58によって環境的影響から保護されている。第一情報層54及び第二情報層56は、分離層60によって分離されている。カバー層57及び/又は分離層60は、第一情報層及び第二54,56のための機械的支持をもたらすことによって、第三光学記録担体53のための基板として作用している。代替的に、カバー層57は、第一情報層54を保護する機能を有し得るのに対し、機械的支持は、分離層60、第二情報層56、及び、さらなるカバー層58の少なくとの1つによってもたらされる。第一情報層54は記録担体内に第一情報層厚さdを有し、それはカバー層57の厚さに対応している。第二情報層56は記録担体内に第二情報層厚さdを有し、それは情報層57及び分離層60を組み合わせた厚さに対応している。光学記録担体の第一フォーマット及び第二フォーマットは、異なる第一情報層厚さに位置する少なくとも1つの情報層を有し、その厚さは光学記録担体の第一及び第二のフォーマットカバー層の厚さにそれぞれ対応している。光学記録担体53の第三フォーマットの第一情報層厚さdは、第一光学記録担体の第一情報層厚さよりも少ない第二光学記録担体の第一情報層厚さよりも少ない。
第一情報層54及び第二情報層56は、第三光学記録担体53の表面である。同様に、光学記録担体の第一フォーマット及び第二フォーマットの第一情報層は表面である。これらの表面のそれぞれは、少なくとも1つのトラック、即ち、集束される放射線のスポットによって辿られるべき経路を含み、その経路上には、情報を表す光学的に読取り可能なマークが配置される。マークは、例えば、周囲と異なる反射係数又は磁性方向を有するピット又は地域の形態であり得る。光学記録担体53の第三フォーマットがディスクの形状を有する場合には、所与のトラックに対して以下が定められる。即ち、「半径方向」は、トラックとディスクの中心との間の基準軸、X軸の方向であり、「接線方向」は、トラックに対して接線方向にあり且つX軸に対して垂直な他の軸、Y軸の方向である。この実施態様において、第一フォーマットの光学記録担体はコンパクトディスク(CD)であり、第一情報層深さは約1.2mmであり、第二フォーマットの光学記録担体は従来的なデジタル多用途ディスク(DVD)であり、第一情報層深さは約0.6mmであり、第三フォーマットの光学記録担体はブルーレイ(TM)ディスク(BD)であり、第一情報層深さd1は約0.075mmである。第三フォーマットの光学記録担体の第二情報層深さd2は約0.1mmである。
図8に示されるように、光学走査装置51は光路OPを有し、放射線源システム62と、コリメータレンズ64と、ビームスプリッタ66と、切換可能な光学素子52と対物レンズ67とを含む対物レンズ系と、検出系68である。さらに、光学走査装置51は、サーボ回路70と、集束アクチュエータ71と、ラジアルアクチュエータ72と、誤差補正のための情報処理装置73とを含む。
放射線源システム62は、第一放射線ビーム、第二放射線ビーム、及び/又は、異なる第三放射線ビーム55を連続的に或いは同時に生成するために配置される。例えば、放射線源システム62は、放射線ビームを連続的に供給するための同調可能な半導体レーザ、又は、これらの放射線ビームを同時に或いは連続的に供給するための3つの半導体レーザのいずれかを含み得る。この実施態様において、第三波長λ3は第二波長λよりも短い。第二波長λは第一波長λよりも短い。この実施態様において、第一、第二、及び、第三の波長λ、λ、λは、それぞれ、λに関しては770〜810nm、λに関しては640〜680nm、λに関しては400〜420nmの範囲内にあり、好ましくは、それぞれ約785nm、650nm、及び、405nmである。第一、第二、及び、第三の放射線ビームは、約0.5、0.65、及び、0.85の開口数(NA)をそれぞれ有する。
コリメータレンズ64は、第三放射線ビーム55を第三の実質的に平行化されたビーム74に変換するために光路OP上に配置されている。同様に、それは第一放射線ビーム及び第二放射線ビームを第一の実質的に平行化されたビーム及び第二の実質的に平行化されたビームに変換する(図8には例証されていない)。
ビームスプリッタ66は、第一、第二、及び、第三の平行化された放射線ビームを対物レンズ系に向かって透過するために配置されている。好ましくは、ビームスプリッタ66は、光路OPに対して角度βを伴って傾斜される平面的な平行板で形成され、好ましくは、β=45°である。
対物レンズ系は、第一、第二、及び、第三の平行化された放射線ビームを第一、第二、及び、第三の光学記録担体上の所望の焦点にそれぞれ集束するよう配置されている。第一、第二、第三の放射線ビームのための所望の焦点は、それぞれ第一、第二、及び、第三の走査地点75である。各走査地点は、適切な光学記録担体の第一情報層上の地点に対応し、或いは、第三フォーマット53の場合には、代替的に、第二情報層56上の地点に対応する。各走査地点は、好ましくは、実質的に回折限界的であり、70mλ未満の波面収差を有する。
この実施態様に従った切換可能な光学素子52は、図1乃至4に関して記載された実施態様の形態、又は、図5乃至7に記載された実施態様の形態を有し得る。この実施態様において、波面変更器28;128は、非球面レンズ30;130と、NPS32;132とを含む。波面変更器28;128は、異なる所定の波面変更を第一放射線ビーム及び第二放射線ビームに導入する特定の寸法を有する。波面変更器28;128は、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)から成り、波面変更器表面34;134を被覆する疎水性層26;126の部分は、疎水性層26;126が第一、第二、及び、第三の放射線ビームの波面を変更しないよう、第一、第二、及び、第三の波長λ、λ、及び、λよりも小さい厚さを有する。第一流体12;112は塩水であり、第二流体14;114は油である。油は、波面変更器28;128の材料の屈折率と同一の或いは少なくともほぼ同一の、408nmの所定波長を有する放射線ビームのための屈折率を有する。室10;110の半径rは、ほぼ5mmである。
対物レンズ67は、約0.85のNAを有し、約405nmの所定波長を有する放射線ビームを、光学記録担体内の約0.1mmの深さに位置する情報層上に集束するために最適化されている。
走査中、第二状態にある切換可能な光学素子52を用いて、第三の光学記録担体53はスピンドル(図8には例証されていない)上で回転し、次に、第一情報層54はカバー層57を通じて走査される。集束された第三放射線ビームは第一情報層54上で反射し、それによって、反射される第三放射線ビームを形成し、それは対物レンズ系によってもたらされる前進収束する集束された第三放射線ビームの光路OPをオンにする。対物レンズ系は、反射された第三放射線ビームを反射される平行化第三放射線ビーム76に変換する。ビームスプリッタ66は、反射される第三放射線ビーム76の少なくとも一部を検出システム68に方向付けることによって、前進第三放射線ビームを反射される第三放射線ビームから分離する。
検出システム68は、収束レンズ78と、反射される第三放射線ビーム76の前記一部を捕捉し、それを1つ又はそれよりも多くの電気信号に変換するために配置される四分円検出器80とを含む。信号の1つは、情報信号Idataであり、その値は情報層54上で走査される情報を表す。情報信号Idataは、誤差補正のための情報処理装置73によって処理される。検出システム68からの他の信号は、集束誤差信号Ifocus、及び、ラジアルトラッキング誤差信号Iradialである。信号Ifocusは、第三捜査スポット75と第一情報層54の位置との間の光路OPに沿う高さの軸方向光の差を表す。好ましくは、この信号は、とりわけ、G.Bouwhuis,J.Braat,A.Huijser et al.による“Principles of Optical Disc Systems,“pp.75−80(Adam Hilger 1995)(ISBN 0−85274−785−3)と題する書籍から既知である「非点収差法」によって形成される。この集束法に従って非点収差を生成する装置は例証されていない。ラジアルトラッキング誤差信号Iradialは、第一走査スポット75と第一走査スポット75によって辿られるべき情報層54内のトラックの中心との間の第一情報層54のXY平面内の距離を表す。好ましくは、この信号は、とりわけ、G.Bouwhuis,pp.70−73による書籍から既知の「ラジアルプッシュプル法」から形成される。
サーボ回路70は、信号Ifocus及びIradialに応答して、焦点アクチュエータ71及びラジアルアクチュエータ72をそれぞれ制御するためのサーボ制御信号Icontrolをもたらすために配置される。焦点アクチュエータ71は、光路OPに沿って対物レンズ系のレンズの位置を制御し、それによって、走査スポットが第一情報層54の平面と実質的に一致するよう、走査スポットの位置を制御する。ラジアルアクチュエータ72はX軸に沿って対物レンズ系の対物レンズ67の位置を制御し、それによって、走査スポットが第一情報層54内で辿られるべきトラックの中心線と実質的に一致するよう、走査スポット75の径方向位置を制御する。
第三フォーマットの光学記録担体53の第一情報層54を走査するとき、切換可能な光学素子52は第二状態にあり、可変集束システムは、第二壁208からみられるときに曲率が凸状であり且つ約0.02mm−1の曲率を有するよう、流体メニスカス216を制御する。第三放射線ビーム74の走査スポット75を第一情報層54から第二情報層56上に移動するために、可変集束システムは流体メニスカス16;116の曲率を0.00mm−1の平面曲率に変え得る。
第一及び第二の放射線ビームをそれぞれ用いて第一フォーマットの記録担体及び第二フォーマットの記録担体を走査するとき、切換可能な光学素子52は第一状態に切り換えられ、可変集束システムは、曲率が平面的であるよう流体メニスカス16;116を制御する。
如何なるフォーマットの光学記録担体の第一情報層をも走査するときには、カバー層は、ある量の球面収差を、光学記録担体を走査する放射線ビームに導入する。第三フォーマットの記録担体53の第二情報層56を走査するときには、情報層57及び分離層60は、ある量の球面収差を第三放射線ビーム74に導入する。
光学記録担体のフォーマットの1つの第一情報層を走査するとき、対物レンズ系はある量の球面収差を放射線ビームに導入し、それは反対信号を有し、カバー層によって導入される球面収差の量とほぼ同一の量である。第三フォーマットの記録担体53の第二情報層を走査するとき、対物レンズ系はある量の球面収差を第三放射線ビーム74に導入し、それは反対信号を有し、カバー層57及び分離層60によって導入される球面収差の量とほぼ同一の量である。切換可能な光学素子52を適切な状態に切り換え、流体メニスカス16;116の曲率を変えることは、対物レンズ系によって導入される球面収差の量を決定し、放射線ビームが走査スポットに正確に集束されることを保証する。第一、第二、及び、第三フォーマットの光学走査担体を走査するとき、走査スポットの二乗平均平方根(RMS)波面収差は、それぞれほぼ13mλ、9mλ、及び、15mλである。
上記の実施態様は、本発明の例示的な実施例であると理解されるべきである。本発明のさらなる実施態様が予期される。例えば、切換可能な光学素子が異なる波面変更を前に記載されたものと同一又は異なる所定波長の放射線ビームに導入することが望ましいさらなる実施態様において、第一流体及び第流体の屈折率、波面変更器の材料の屈折率、非平面的波面変更器の構造、切換可能な光学素子の材料、第一流体及び第二流体の容量、並びに、室の半径、又は、第一及び/又は第二壁部分の厚さ若しくは構造のような、切換可能な光学素子の寸法は、上記に記載されたものと異なり得る。
記載された本発明の実施態様において、第二流体は、波面変更器の材料の屈折率と同一の屈折率を有する。さらなる実施態様において、波面変更器の材料は、代替的に、第一及び第二流体の屈折率と異なる屈折率を有し得る。さらに、少なくとも1つの流体が、液体ではなく気体であり得ることが予期される。
さらなる実施態様において、波面変更器を含む第一壁部分に加えて、第二壁部分は、非平面的な波面変更器も含み得る。それは、例えば、非球面レンズ、非周期的位相構造、及び、周期的位相構造の少なくとも1つを含む。
さらなる実施態様において、素子の状態を切り換えるための並びに/或いは流体メニスカスの曲率を変えるための電極は、異なる構造に従って配置され得るし、或いは、異なる形状を有し得る。例えば、第一切換電極は、代替的に、波面変更器の表面に亘って配置され得る。さらなる実施態様において、切換可能な光学素子は、接地電極を備えない電極の構造を有し得る。そのような実施態様では、第一流体及び第二流体を所望に位置付けるために、電圧は素子の少なくとも2つの電極に印可される。例えば、図5乃至7を参照して前に記載されたが接地電極を備えない素子のために、素子は、第一切換電極及びさらなる半円筒形電極の双方に電圧を印可し、次に、第二切換電極及びさらなる半円筒形電極の双方に電圧を印可することによって、電圧が第一切換電極及びそれぞれの半円筒形電極に印可される第一状態から、電圧が第二切換電極及び両方の半円筒形電極に印可される第二状態に切り換えられ得る。このようにして、第一流体及び第二流体は室内で移動される。印可される電圧の大きさは、前の実施態様に関して記載された印可電圧の大きさよりの比較的高く、第一流体は、印可電圧の大きさよりも小さな大きさ、例えば、ほぼ半分の大きさを備える電圧を採用する。
流体切換システム及び/又は可変焦点システムは、素子の状態を切り換え、流体メニスカスの曲率を変えるために、エレクトロウェッティング力ではない異なる種類の力を流体に加え得ることがさらに予期される。放射線ビームの可変焦点が望ましくない異なる実施態様では、切換可能な光学素子は、記載された可変焦点システムを含まない。そのような実施態様において、素子は固定力を放射線ビームにもたらすために使用され得る。
前に記載された実施態様では、流体メニスカスの凸状、凹状、及び、平面的な曲率を得ることができることが記載された。それらの全ては光路OPについて回転対称である。さらなる実施態様では、光路OPについて回転対称でない流体メニスカスの曲率を達成し得る。
本発明のさらなる実施態様において、素子は、室に流体的に接続された導管を有し得るし、或いは、素子は、素子の状態の切換中に素子内の第一流体及び第二流体の移動を促進する2つの同心的なシリンダを含み得る。
切換可能な光学素子は、3つのフォーマットの光学記録担体を走査するための光学走査装置内に含まれるように記載されており、1つのフォーマットは2つの情報層を有する。さらなる実施態様において、切換可能な光学素子は、光学走査装置内に含まれるときに、切換可能な光学素子の状態を切り換えることによって、光学走査装置が異なるフォーマットの光学記録担体を走査し得るよう構成され得る。記録担体はCD、DVD、又は、ブルーレイ(TM)を含み得るし、それらは1つ又は複数の情報層を有し得る。流体メニスカスの曲率を変えることによって、複数の情報層を有する記録担体の異なる情報層が走査され得ることが予期される。
如何なる1つの実施態様に関して記載される如何なる特徴も、単独で或いは記載された他の特徴との組み合わせにおいても使用され得るし、如何なる他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの特徴と或いは如何なる他の実施態様の如何なる組み合わせとも組み合わせて使用され得る。さらに、上記に記載されない均等物及び変更も、添付の請求項において定められる本発明の範囲から逸脱しないで利用され得る。
本発明の実施態様に従って第一状態にある切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の実施態様に従った切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の実施態様に従って中間状態にある切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の実施態様に従って第二状態にある切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の異なる実施態様に従って第一状態にある切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の実施態様に従った切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明の異なる実施態様に従って中間状態にある切換可能な光学素子を概略的に示す断面図である。 本発明に従った光学走査装置を示す概略図である。
符号の説明
2 切換可能な光学素子
4 電極
6 第一壁
8 第二壁
10 室
12 第一流体
14 第二流体
16 流体メニスカス
18 第一板
20 第二板
22 第一切換電極
24 第二切換電極
26 疎水性層
28 波面変更器(wavefront modifier)
30 非球面レンズ
32 非周期的位相構造(NPS)
36 接地電極
38 電気接続システム
40 接地端子
44 光学切換素子
46 半円筒形電極
48 さらなる半円筒形電極
50 絶縁層
51 光学走査装置
52 切換可能な光学素子
53 光学記録担体
54 第一情報層
55 第三放射線ビーム
56 第二情報層
57 カバー層
58 さらなるカバー層
60 分離層
62 放射線源システム
64 コリメータレンズ
66 ビームスプリッタ
67 対物レンズ
68 検出システム
70 サーボ回路
71 焦点アクチュエータ(focus actuator)
72 ラジアルアクチュエータ(radial actuator)
73 情報処理装置
75 走査地点(第一走査スポット)
76 第三放射線ビーム
80 四分円検出器(quadrant detector)
106 第一壁
108 第二壁
110 室
112 第一流体
114 第二流体
116 流体メニスカス
122 第一切換電極
124 第二切換電極
126 疎水性層
128 波面変更器
130 非球面レンズ
132 非周期的位相構造(NPS)
134 波面変更器
136 接地電極

Claims (13)

  1. 放射線ビームのための光路を有し、第一状態と第二状態とを有する切換可能な光学素子であり、
    当該素子は、
    a) 混合せず、且つ、流体メニスカスによって互いに分離される第一流体及び異なる第二流体と、
    b) 前記光路に沿って互いに離間する透明な第一壁部分及び透明な第二壁部分と、
    c) 当該素子を前記第一状態と前記第二状態との間で切り換えるために、前記第一流体及び/又は前記第二流体に力を加えるよう構成される流体切換システムとを含み、
    前記第一壁部分は、非平面的な波面変更器を含み、
    前記流体切換システムは、当該素子が前記第一状態にあるときに、前記第一壁部分が前記第一流体によって被覆され、且つ、当該素子が前記第二状態にあるときに、前記第一壁部分が前記第二流体によって被覆されるよう前記力を適用するように構成される切換可能な光学素子であって、
    前記流体切換システムは、当該素子が前記第一状態にあるときに、前記第二壁部分が前記第二流体で被覆され、且つ、当該素子が前記第二状態にあるときに、前記第二壁部分が前記第一流体によって被覆されるよう前記第一状態と前記第二状態との間で切り換わるように構成され、当該素子が前記第一状態及び前記第二状態の両方にあるときに、少なくとも1つの前記流体メニスカスが前記光路上に配置されることを特徴とする、
    切換可能な光学素子。
  2. 前記第一流体は、導電性を有する液体であり、前記第二流体は、電気絶縁的であるか、或いは、前記第一流体よりも低い導電性を有する、請求項1に記載の切換可能な光学素子。
  3. 当該素子が前記第一状態及び前記第二状態の少なくとも一方にあるとき、前記流体メニスカスは、前記光路に沿って進行する放射線ビームを集束するよう構成され得る、請求項1又は2に記載の切換可能な光学素子。
  4. 当該素子が前記第一状態及び前記第二状態の少なくとも一方にあるとき、前記流体メニスカスは、前記集束の量を決定する曲率を有し、当該素子は、前記流体メニスカスの前記曲率を変更し得る可変焦点システムを含む、請求項3に記載の切換可能な光学素子。
  5. 前記可変焦点システムは、エレクトロウェッティング力を用いて前記曲率を変更するよう構成される、請求項4に記載の切換可能な光学素子。
  6. 前記流体切換システムは、第一切換電極及び第二切換電極を含み、
    前記流体切換システムは、当該素子を前記第一状態に切り換えるために、前記第一切換電極に電圧を印可するよう構成され、
    前記流体切換システムは、当該素子を前記第二状態に切り換えるために、前記第二切換電極に電圧を印可するよう構成される、
    上記請求項のうちのいずれか1項に記載の切換可能な光学素子。
  7. 当該光学素子は、さらなる電極を含み、
    前記第一状態と前記第二状態との間で切り換わるとき、前記流体切換システムは、前記さらなる電極に電圧を印可するよう構成され、
    前記流体メニスカスの前記曲率を変更するとき、前記可変焦点システムは前記さらなる電極に電圧を印可するよう構成される、
    請求項4又は5、及び6に記載の切換可能な光学素子。
  8. 前記流体切換システムによって前記第一流体及び/又は第二流体に加えられる前記力は、エレクトロウェッティング力である、上記請求項のうちのいずれか1項に記載の切換可能な光学素子。
  9. 前記非平面的波面変更器は、非球面レンズ、周期的プロファイルを有する位相構造、及び、非周期的構造を有する位相構造のうちの少なくとも1つを含む、上記請求項のうちのいずれか1項に記載の切換可能な光学素子。
  10. 前記第一流体は、第一屈折率を有し、前記第二流体は、異なる第二屈折率を有し、前記非平面的波面変更器は、前記第二屈折率とほぼ同一の屈折率を有する材料から成る、上記請求項のうちのいずれか1項に記載の切換可能な光学素子。
  11. 情報層を有する記録担体を走査するための光学走査装置であって、
    a) 請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の切換可能な光学素子と、
    b) 所定の波長を有する放射線ビームを提供するよう配置される放射線ビーム源システムと、
    c) 走査スポットに前記提供される放射線ビームを前記情報層上に集束するよう構成される対物レンズ系と、
    d) 前記情報層の走査後に前記放射線ビームを検出し、且つ、前記検出される放射線ビームの放射を電気信号に変換するよう構成される検出システムとを含む、
    光学走査装置。
  12. 前記記録担体は、前記記録担体内の異なる深さに位置する複数の情報層を有し、前記可変焦点システムは、前記複数の情報層の1つの上の前記走査スポットを前記複数の情報層の異なる1つに移動するために、前記流体メニスカスの曲率を変更するよう構成される、請求項11に記載の光学走査装置。
  13. 前記放射線ビーム源システムは、第一の所定波長の第一放射線ビーム、異なる第二の所定波長の第二放射線ビーム、及び、異なる第三の所定波長の第三放射線ビームをもたらすよう構成され、
    前記切換可能な光学素子が前記第一状態にあるとき、当該光学走査装置は、前記第一放射線ビームを備える第一フォーマットの記録担体を走査し、前記第二放射線ビームを備える異なる第二フォーマットの記録担体を走査するよう構成され、
    前記切換可能な光学素子が前記第二状態にあるとき、当該光学走査装置は、前記第三放射線ビームを備える異なる第三フォーマットの記録担体を走査するよう構成される、
    請求項11又は12に記載の光学走査装置。
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