JP2008520600A - 局所投与のための医薬組成物におけるまたはそれに関する改善 - Google Patents
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Abstract
局所適用のための医薬組成物が開示され、該組成物が、治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む。賦形剤は、4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含みかつ該組成物が3〜5の範囲内のpHを有するように調合される。組成物は、コロイド懸濁液の形態で投与され、使用時に適切な酸性化手段を、核酸および組成物の長期保存にとってより適切でありうる賦形剤からなる実質的に中性の懸濁液に添加することにより、より低いpHに緩衝化されうる。あるいは、組成物は、後続の再構成のために、例えば実質的に緩衝化されていない水または生理食塩水などの適切な水性媒体での使用の直前に、より低いpHで凍結乾燥されうる。
Description
本発明は、ヒトまたは非ヒト動物または移植用移植片への局所投与のための医薬組成物に関し、特に治療物質としての核酸を含むかかる組成物に言及する。本発明は、局所投与のための薬剤の製造におけるかかる組成物の使用についても包含する。本発明は、本発明に記載の組成物を使用時に調合することを意図した核酸治療薬およびキットを使用した炎症性、免疫または自己免疫疾患の治療あるいは予防の方法を包含する。
核酸治療薬は、全身または局所投与のための新たな薬剤のクラスを提示する。かかる治療の大部分は、CpG−オリゴまたはアプタマーを除き、細胞内作用部位を有し、かつ1種またはそれ以上の特異的なタンパク質、ポリペプチドをコードする核酸あるいはタンパク質の発現を特異的に下方制御可能なRNA配列およびオリゴヌクレオチドに分類されうる。
オリゴヌクレオチドは、様々な化学物質のアンチセンス、固定化核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ核酸(モルホリノ)、短い干渉RNA(siRNA)およびデコイを含む。異なる機構に関する詳細な説明については、文献(例えば、非特許文献1、非特許文献2または非特許文献3)中に認められうる。
種々の疾患の治療において核酸治療薬が提案されている。全身適用に加え、かかる薬剤の粘膜、エクスビボでの移植片および眼への局所適用を扱う、特に炎症性または免疫媒介性疾患および障害の領域ならびに遺伝子ワクチン接種の分野における多数の前臨床および臨床試験がある(例えば、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11および非特許文献12)。
核酸治療薬では、その実際の化学的原因(chemical origin)とは無関係に、体液中でのその不安定性または細胞への効率の悪い取り込みまたはそれら双方が理由で、治療有効性が不十分でありうることは当該技術では既知である。上記のものならびにリガンドまたはポリマーとの抱合体を含む、かかるオリゴヌクレオチドの化学修飾は、かかる実用上の制限を克服するための1つの戦略を示す。
第2のアプローチは、核酸の保護、ターゲティングまたは細胞への取り込み促進を目的とした、例えばリポソームなどの担体系の使用を包含する。リポソームは、かかる担体系として使用される場合、望ましくは高いカプセル封入効率を示しかつ作製が経済的である必要があり、優れたコロイド安定性を有しかつ薬剤の細胞への取り込み促進をもたらす必要があり、さらにその毒性も免疫原性も低い必要がある。
担体と環境の間に凝集が実質的に生じないことから、アニオンまたは中性リポソームは優れたコロイド安定性を有することが多い。その結果、それらの生体内分布は優れ、かつそれらの炎症および細胞毒性に対する潜在性は低い。しかし、かかる担体はカプセル封入効率を低下させることが多く、細胞へのさらなる取り込みを促進しうるエンドソーム溶解性(endosomolytic)シグナルをもたらすことがない(非特許文献13)。
非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16を例とする極めて多数の出版物がカチオン性リポソーム系を扱っている。
カチオン系は、高い帯電効率をもたらす可能性があるが、特に体液との接触後にはコロイド安定性が不足する場合が多い。タンパク質または他の生体高分子とのイオン相互作用により、原位置で細胞外マトリックスまたは細胞表面との凝集体形成が起こりうる。例えば、非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19によって示されるように、カチオン脂質が有毒であると認められることも多かった。
担体の立体的安定化をもたらす成分の添加により、かかる制限は克服されうる。例えば、様々な鎖長のポリエチレングリコールは体液中でのカチオン成分の使用に関連した凝集問題を低減することが知られており、PEG化したカチオン性リポソームがインビボで循環時間の増大を示す(非特許文献20)。しかし、PEGを使用してもカチオン脂質に関連した特有の毒性問題を解決することはない。PEGがかかるリポソームの細胞への積極的侵入(productive entry)または細胞内送達を実質的に阻害しうることも知られている(非特許文献21)。
両性リポソームは、pH7.4のアニオンまたは中性電荷およびpH4のカチオン電荷を有する、最近記載されたリポソーム類であることを示す。ここでは特許文献1、特許文献2および特許文献3(いずれもパンツナー(Panzner)ら)に対して参照がなされ、それらは特定の両性リポソームに関する詳細な説明を示し、参照により本明細書中に援用される。特許文献4および特許文献3(同様にパンツナー(Panzner)らにおいて開示がなされ、それらは参照により本明細書中に援用され、両性リポソームの作製におけるpHに感受性を示す脂質についてさらに記載している。両性リポソームは優れた生体内分布を有し、動物において十分な耐容性を示すことが認められており、それらは核酸分子を高効率にカプセル封入することが可能である。
国際公開第02/066490号パンフレット
国際公開第02/066012号パンフレット
国際公開第03/070735号パンフレット
国際公開第03/070220号パンフレット
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本発明の目的は、粘膜、エクスビボでの移植前の移植片または眼への局所適用にとって治療的な核酸を含む医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、本発明に記載の医薬組成物の局所投与により、炎症性もしくは免疫媒介性疾患または障害を治療あるいは予防するための方法を提供することである。
したがって、本発明の一態様によると、治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む、局所投与用の医薬組成物であって、該賦形剤が約4〜約7.4の等電点を有する両性リポソームを含みかつ該組成物が約3〜約5の範囲内のpHを有するように調合されることを特徴とする、医薬組成物が提供される。
一部の実施形態では、賦形剤は7未満の等電点を有しうる。組成物は4〜6の範囲内のpH、好ましくはpH4〜5を有するように調合されうる。
該組成物は懸濁液、特にコロイド懸濁液の形態で投与されうることから、使用時に適切な酸性化手段を、核酸および組成物の長期保存にとってより適切でありうる賦形剤からなる実質的に中性の懸濁液に添加することにより、より低いpHに緩衝化されうる。あるいは、本発明に記載の組成物は、後続の再構成のために、例えば実質的に緩衝化されていない水または生理食塩水などの適切な水性媒体での使用の直前に、より低いpHで凍結乾燥されうる。
したがって、本発明の別の態様では、医薬組成物およびその使用のための使用説明書を含むキットであって、該組成物が治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む、キットにおいて、該賦形剤が4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含み、かつ該組成物が実質的に中性pHの懸濁液の形態で提供され、該使用説明書が約3〜約5の範囲内のpHへの使用に先立ち該懸濁液の酸性化を指示することを特徴とする、キットが提供され、ならびに本発明の別の態様では、医薬組成物およびその使用のための使用説明書を含むキットであって、該組成物が治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む、キットにおいて、該賦形剤が4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含み、かつ該組成物が水性媒体による再構成時に再構成された組成物のpHが約3〜約5の範囲内であるように凍結乾燥された形態で提供され、該使用説明書が使用時に前記凍結乾燥された組成物の再構成を指示することを特徴とする、キットが提供される。
本発明の異なる態様では、治療的量または予防的量の本発明に記載の医薬組成物を治療を必要とするヒトまたは非ヒト動物患者に投与するステップを含む、炎症性、免疫または自己免疫疾患の治療あるいは予防の方法が提供され、ここで該治療物質は、該炎症性、免疫または自己免疫疾患の重症度を緩和するか、予防するかまたは低減するのに適合される。一部の実施形態では、組成物は、例えば、鼻、気道、口、腸もしくは膣における膜などの粘膜、または眼に対して局所投与されうる。組成物は局所適用されうる。
適切には、該核酸がCD40をコードする核酸を標的にするように適合されるオリゴヌクレオチドを含むことにより、哺乳類細胞内でのCD40の発現が調節されうる。好ましくは、該オリゴヌクレオチドはヒトCD40に特異的である。2005年11月4日に出願された同時係属の出願番号PCT/EP05/nnnnn(代理人整理番号33841−501−WO1)に記載のように、その内容は参照により本明細書中に援用され、CD40は、例えばアンチセンスもしくはsiRNA分子などのオリゴヌクレオチド阻害剤を使用して緩和される可能性を秘めている炎症性または免疫障害の治療における好ましい標的を示す。
さらに本発明の別の態様では、エクスビボで本発明に記載の医薬組成物を該移植片に投与するステップを含む、移植に先立ち移植片を処理するための方法が提供される。一部の実施形態では、該組成物は、移植片拒絶または対宿主移植片病の徴候の重症度を予防するかまたは低減するのに適合される核酸治療薬を含みうる。
さらに本発明の別の態様では、本発明に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、ヒトまたは非ヒト動物に遺伝子ワクチンをワクチン接種する方法が提供される。
したがって、本発明は、両性リポソームおよび核酸治療薬を含む医薬組成物に関し、組成物を粘膜、眼またはエクスビボで移植片に対して局所投与することが可能である。核酸治療薬の実質的割合またはすべては物理的に両性リポソーム内に捕捉されうる。好ましくは、両性リポソームは弱酸性pHで安定である。本発明の医薬組成物は、動物もしくは動物の一部、特にヒトもしくはその器官における症状または疾患の他の局所治療を目的としても使用されうる。
本発明の医薬組成物における賦形剤として含有される両性リポソームは、両性脂質または両性の特性を有する脂質成分の混合物および中性リン脂質を含有する脂質相から形成されうる。
本明細書における「両性」とは、リポソームがアニオンとカチオンの双方の性質を有する電荷群を含むことを意味し、
(i)電荷群の少なくとも一方が4〜7.4のpKを有し、
(ii)カチオン電荷はpH4で広がり、かつ
(iii)アニオン電荷はpH7.4で広がり、
それによってリポソームはpH4〜pH7.4でゼロ正味電荷の等電点を有する。この定義により、両性イオンは上記の範囲内のpKを有しないことから、両性の性質は両性イオンの性質とは異なる。結果として、両性イオンはpH値の範囲を超えて本質的に中性である。
(i)電荷群の少なくとも一方が4〜7.4のpKを有し、
(ii)カチオン電荷はpH4で広がり、かつ
(iii)アニオン電荷はpH7.4で広がり、
それによってリポソームはpH4〜pH7.4でゼロ正味電荷の等電点を有する。この定義により、両性イオンは上記の範囲内のpKを有しないことから、両性の性質は両性イオンの性質とは異なる。結果として、両性イオンはpH値の範囲を超えて本質的に中性である。
該中性リン脂質は、ホスファチジルコリンまたはホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの混合物を含みうる。ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンは、両性イオンの性質を有する中性脂質である。
該中性のホスファチジルコリンまたはホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの混合物は、少なくとも20モル%、好ましくは少なくとも25モル%または30モル%、およびより好ましくは40モル%超に至るまで脂質相中に存在しうる。
一部の実施形態では、該ホスファチジルコリンは、POPC、天然もしくは水素化大豆PC、天然もしくは水素化卵PC、DMPC、DPPCまたはDOPCからなる群から選択されうる。(本明細書中で用いられる脂質の参照を容易にするために、かかる略式名称の用語集が下記に含められる。一部の場合には、かかる略語は当業者によって共通に用いられるものである)。
ここで好ましいホスファチジルコリンは、POPC、非水素化大豆PCおよび非水素化卵PCである。
ホスファチジルエタノールアミンは、DOPE、DMPEおよびDPPEからなる群から選択されうる。
最も好ましくは、該中性脂質は、DOPEおよびPOPC、大豆PCまたは卵PCを含む。
脂質相は両性脂質を含有しうる。適切な両性脂質が、国際公開第02/066489号パンフレットおよび国際公開第03/070735号パンフレットの中で開示される(これら双方の内容は参照により本明細書中に援用される)。好ましくは、該両性脂質は、HistChol、HistDG、isoHistSuccDG、アシルカルノシンおよびHCCHolからなる群から選択される。
最も好ましくは、両性脂質はHistCholである。
両性脂質の含量は5モル%〜30モル%、好ましくは10〜25モル%でありうる。
あるいは、脂質相は、国際公開第02/066012号パンフレット中に開示されるように(その内容は参照により本明細書中に援用される)、pHに感受性を示すアニオンおよび/またはカチオン成分を使用して調合されうる。pHに感受性を示すカチオン脂質は、国際公開第02/066489号パンフレットおよび国際公開第03/070220号パンフレット(これら双方の内容は参照により本明細書中に援用される)ならびにそれらの中でなされた参考文献、特にブドカー(Budker)ら、1996年、Nat Biotechnol.14(6):760−4頁において開示されており、構成的に帯電されたアニオン脂質またはpHに感受性を示すアニオン脂質と組み合わせて使用されうる。逆にカチオン電荷は、pHに感受性を示すアニオン脂質と組み合わせた、当業者には既知の構成的に帯電された脂質からも導入されうる。
好ましいカチオン成分は、DPIM、CHIM、DORIE、DDAB、DAC−Chol、TC−Chol、DOTMA、DOGS、(C18)2Gly+N,N−ジオクタデシルアミド−グリシン、CTAB、CPyC、DODAPおよびDOEPCである。
特に好ましいカチオン脂質は、DMTAP、DPTAP、DOTAP、DC−Chol、MoCholおよびHisCholである。
両性混合物は、pHに応答して構成的にまたは条件付きで帯電したアニオン脂質をさらに含み、かかる脂質も当業者に既知である。本発明での使用にとって好ましい脂質は、DOGSucc、POGSucc、DMGSucc、DPGSucc、DMPS、DPPS、DOPS、POPS、DMPG、DPPG、DOPG、POPG、DMPA、DPPA、DOPA、POPA、CHEMSおよびCetyl−Pである。
特に好ましいアニオン脂質は、DOGSucc、DMGSucc、DMPG、DPPG、DOPG、POPG、DMPA、DPPA、DOPA、POPA、CHEMSおよびCetyl−Pである。
一部の実施形態では、該カチオン脂質は、DOTAP、DC−Chol、MoCholおよびHisCholのうちの1種またはそれ以上を含みうる。該アニオン脂質は、DMGSucc、DOGSucc、DOPA、CHEMSおよびCetyl−Pのうちの1種またはそれ以上を含みうる。
局所適用時の粘膜への両性リポソームの生体接着を証明するため、本発明によるとリポソームがカチオン表面電荷を有することが有利であることが認められている。両性リポソームは、弱酸性pH、より正確にはリポソームの等電点未満のpHではカチオン性である。両性リポソームは、かかるpHで投与される場合、望ましくは凝集または融合しないことが求められる。酸性pHでの両性リポソームのかかる凝集または融合は、リポソームの脂質組成物およびカーゴの存在に依存しうる。例えば、特定の空でかつ薬剤が負荷された両性リポソームが4〜5へのpHシフト時に安定であることが認められている。
本発明に記載の両性リポソームがpH7.5およびpH4〜5の双方で安定でありうることと、pH4〜5でのアンチセンスを負荷された両性リポソームの局所投与が炎症性疾患または免疫関連疾患の治療において特に有効でありうることが認められている。
核酸を負荷された両性リポソームをpH4〜5で凍結乾燥可能であることも認められている。したがって、両性リポソームは、安定な保存形態をもたらしかつ有効な薬剤適用を促進するための手段を提供しうる。
例えば、荷電脂質DOTAPおよびCHEMSを含有する両性リポソームは、中性脂質POPCが二層内にも存在する場合、酸性pHで安定であることが認められている。ここで「安定な」とは、リポソームが酸性化時に凝集しないことを意味する。それに対し、POPCをDOPEと置き換えると、低いpHで膜の不安定化が生じる可能性がある。混合物中でのカチオン:アニオン比の範囲においてもかかる不安定化が認められている。
したがって、有利にも、該脂質相は、POPC、DOTAPおよびCHEMSを含有し、DOTAPよりも大きいモル量のCHEMSを含有しうる。本発明の一部の実施形態では、脂質相は、全体が100モル%として、20〜60モル%のPOPC、10〜40モル%のDOTAPおよび20〜70モル%のCHEMSを含有しうる。
好ましい一実施形態では、脂質相は、全体が100モル%として、約60モル%のPOPC、約10モル%のDOTAPおよび約30モル%のCHEMSを含有しうる。
MoCholおよびCHEMSは、POPCと安定な二層も形成しうる。脂質相中のMoCholの量は、CHEMSのモル量に実質的に等しいかまたはそれよりも多い可能性がある。CHEMSおよびMoCHOLの全モル量は脂質相の約30〜約80モル%でありうる。
したがって好ましい一実施形態では、脂質相は、全体が100モル%として、約30モル%のPOPC、約35モル%のMoCholおよび約35モル%のCHEMSを含有しうる。
有利には、該脂質相はDOPEをさらに含有する。
したがって別の好ましい実施形態では、該脂質相は、全体が100モル%として、約15モル%のPOPC、約45モル%のDOPE、約20モル%のMoCholおよび約20モル%のCHEMSを含有する。
さらにここでの別の好ましい実施形態では、該脂質相は、全体が100モル%として、約6モル%のPOPC、約24モル%のDOPE、約46モル%のMoCholおよび約23モル%のCHEMSを含有する。
一部の実施形態では、該脂質相は、POPC、DOPE、MoCholおよびDMGSuccを含有しうる。脂質相は、DMG−Succよりも多いかまたはそれに実質的に等しいモル量のMoCholを含有し、DMG−SuccおよびMoChOLの全モル量は脂質相の30〜80モル%でありうる。
したがって、さらに別の好ましい実施形態では、該脂質相は、全体が100モル%として、約15モル%のPOPC、約45モル%のDOPE、約20モル%のMoCholおよび約20モル%のDMG−Succを含有する。
さらに別の好ましい実施形態では、該脂質相は、全体が100モル%として、約6モル%のPOPC、約24モル%のDOPE、約46モル%のMoCholおよび約23モル%のDMGSuccを含有する。
一部の実施形態では、脂質相はコレステロールをさらに含有する。一部の実施形態では、該脂質相は10〜40モル%、好ましくは15〜25モル%のコレステロールを含有しうる。一実施形態では、該脂質相は、全体が100モル%として、約30モル%のPOPC、約10モル%のDOTAP、約20モル%のCHEMSおよび約40モル%のCholを含有しうる。
下記の実施例は、本発明の実施に適する両性リポソームのさらなる混合物を提供する。本発明が実施例に限定されないように、他の両性リポソームを同定しかつ試験するためのアッセイについても記載される。
本発明の活性薬剤は核酸に基づいている。上記のように、これらはタンパク質、ポリペプチドまたはRNAにおける1つもしくは複数の特異的な配列をコードする核酸およびタンパク質の発現を特異的に下方制御しうるオリゴヌクレオチドに分類される。
したがって、本発明の一部の実施形態では、核酸に基づく治療は、脊椎動物細胞内でmRNA、shRNA、miRNAまたはリボザイムでありうる1種またはそれ以上のRNAへの転写能を有する核酸を含みうる。ここでかかるmRNAは1種またはそれ以上のタンパク質またはポリペプチドをコードする。かかる核酸治療薬は、環状DNAプラスミド、線形DNAコンストラクト、国際公開第98/21322号パンフレットもしくはDE19753182号明細書に開示されたMIDGE(Minimalistic Immunogenically Defined Gene Expression)ベクター類または翻訳可能な状態のmRNA(例えばEP1392341号明細書)でありうる。
本発明の別の実施形態では、特異的なタンパク質をコードする既存の細胞内核酸を標的にしうるオリゴヌクレオチドが使用されることにより、タンパク質の発現が弱まる可能性がある。「標的核酸」という用語は、特異的なタンパク質をコードするDNA、ならびにかかるDNA由来のプレ−mRNAもしくはmRNAといったすべてのRNAを包含する。標的核酸とかかる配列に特異的な1種またはそれ以上のオリゴヌクレオチドの間の特異的なハイブリダイゼーションを行う結果、タンパク質の発現が阻害されうる。かかる特異的なターゲティングを行うため、オリゴヌクレオチドは、適切には標的核酸の配列に相補的なヌクレオチドの連続ストレッチを含む必要がある。
上記の基準を満たすオリゴヌクレオチドは、多数の異なる化学物質またはトポロジーを包含しうる。オリゴヌクレオチドは一本鎖または二本鎖でありうる。一本鎖オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして周知であるDNAに基づくオリゴヌクレオチド、固定化核酸、2’−修飾オリゴヌクレオチドおよびその他を含むがこれらに限定されない。骨格または塩基修飾は、ホスホチオエートDNA(PTO)、2’O−メチルRNA(2’Ome)、2’O−メトキシエチル−RNA(2’MOE)、ペプチド核酸(PNA)、N3’−P5’ホスホアミデート(NP)、2’フルオロアラビノ核酸(FANA)、固定化核酸(LNA)、モルホリンホスホアミデート(モルホリノ)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロ−DNA(tcDNA)およびその他を含みうるがこれらに限定されない。さらに、混合化学物質は当該技術では既知であり、共重合体、ブロック共重合体またはギャップマーとして、あるいは他の配列において単一のヌクレオチドよりも多くの種から構成される。
上記オリゴヌクレオチドに加え、タンパク質の発現は、相補配列モチーフを含む二本鎖RNA分子を用いても阻害されうる。かかるRNA分子は、当該技術ではsiRNA分子として知られている(例えば、国際公開第99/32619号パンフレットおよび国際公開第02/055693号パンフレット)。この場合にも様々な化学物質がこのクラスのオリゴヌクレオチドに適合される。さらにDNA/RNAハイブリッド系が当該技術では既知である。
本発明の別の実施形態では、デコイオリゴヌクレオチドが使用されうる。これらの二本鎖DNA分子は核酸ではなく転写因子を標的にする。これは、デコイオリゴヌクレオチドが配列特異的なDNA結合タンパク質に結合しかつ転写に干渉するように適合されることを意味する(例えば、チョ・チュン(Cho−Chung)ら、Curr Opin Mol Ther.、1999年)。
あらゆる上記のオリゴヌクレオチドは、10程度、好ましくは15、およびより好ましくは18ヌクレオチドから50、好ましくは30、およびより好ましくは25ヌクレオチドの間で長さが変化しうる。オリゴヌクレオチドと標的配列の間の適合性は、好ましくは、オリゴヌクレオチドの各塩基が上記オリゴヌクレオチド数の連続ストレッチを上回る標的核酸上のその相補的塩基と塩基対を形成することによって完全である。しかしあまり好ましいことではないが、配列対は、塩基対の該連続ストレッチ内に1個もしくは数個のミスマッチを含みうる。
治療物質は、治療または予防がなされるべき疾患症状または疾患に応じて選択されうる。一部の実施形態では、本発明の医薬組成物がCD40をコードする核酸を標的にするオリゴヌクレオチドを含むことにより、哺乳類細胞内でのかかるCD40の発現が弱まる可能性がある。上記のように、本明細書では「CD40をコードする核酸」とは、CD40をコードするDNAおよびかかるDNA由来のプレ−mRNAまたはmRNAといったRNAを意味する。
上記オリゴヌクレオチドに加え、CD40の発現は、相補配列モチーフを含む二本鎖RNA分子を用いても阻害されうる。かかるRNA分子は、当該技術ではsiRNA分子として知られている。この場合にも様々な化学物質がこのクラスのオリゴヌクレオチドに適合される。さらにDNA/RNAハイブリッド系が当該技術では既知である。
より詳細には、本明細書では、かかるオリゴヌクレオチドに有用な配列および化学物質について述べた米国特許第6,197,584号明細書および米国特許出願公開第2004/0186071号明細書(いずれもベネット(Bennett))が参照される。CD40の阻害のためのsiRNA配列モチーフについて述べたプルビネ(Pluvinet)ら、Blood、2004年もまた参照される。さらに、siRNAモチーフは公開されており、例えばサンタクルース・バイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)(サンタクルース(Santa Cruz)、米国)から入手してもよい。
リポソームの作製のための方法は当業者にとっては既知である。それらには、所定の孔径の膜を介した押し出し、エタノール中の脂質溶媒のカーゴを含有する水相への注入、または高圧均一化が含まれる。
さらに、核酸治療薬を実質的に中性pHで賦形剤と接触させることにより、核酸を含有する溶液のうちの特定の百分率を占める大量の封入体が生成されうることは当該技術では既知である。薬剤の実質上のカプセル封入を促進するためには、約50mM〜約150mMの範囲の高濃度の賦形剤が好ましい。
かかる標準的方法に対し、両性リポソームは、それらの等電点またはその近傍でオリゴ核酸と結合することによって薬剤をリポソーム表面に集結させるという確かな利点をもたらす。かかるプロセスは、参照により本明細書中に援用される国際公開第02/066012号パンフレット中により詳細に記載されている。
実際の作製プロセスとは無関係に、リポソームが密度の高い容器として形成される初期作製ステップの後に、任意の非カプセル封入活性薬剤がリポソームから除去されうる。この場合も、技術文献および本明細書中に含められる参考文献ではかかる方法について詳細に記載され、かつ適切なプロセスステップには、サイズ排除クロマトグラフィー、沈降、透析、限界濾過またはダイアフィルトレーションなどが含まれうるがこれらに限定されない。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも50重量%および好ましくは80重量%超の薬剤がリポソーム内部に配置される。
しかし、非カプセル封入物質のかかる除去は必須ではなく、本発明の一部の実施形態では、組成物は遊離薬剤および捕捉薬剤を含みうる。
組成物の粒径は50〜1000nm、好ましくは100〜500nmでありうる。
作製プロセス後に、組成物の凍結乾燥は安定化のためのさらなる手段を提供しうる。本発明の好ましい一実施形態では、組成物は、使用に先立ち上記の酸性pHで凍結乾燥され、次いで注射用水で再構成されうる。凍結乾燥の間の酸性pHおよびそれに続く再構成は、薬剤とリポソーム膜との相互作用によるカプセル封入核酸物質の損失を阻止する。もし凍結乾燥が作製手順の一部である場合、糖、アミノ酸またはポリマーなどの保護剤が担体中に存在しうる。
低いpHで特に有利な場合に医薬組成物の適用がなされるが、当然ながら本発明の実施はそれに限定されない。本発明の一部の実施形態では、組成物は約7〜約8の生理的pHで適用されうる。
本発明の好ましい一実施形態では、組成物は弱酸性pH、特に賦形剤の等電点未満のpHで適用されうる。より好ましくは、組成物のpHは約pH3.5以上の場合があり、最も好ましくは、組成物は適用される場合に4〜5のpHを有する。
かかる適用における医薬的に許容できる担体は当業者には既知であり、所望のpHを有する組成物のために酢酸、クエン酸またはグリシンなどを含むがこれらに限定されない。より一般的には、担体は、水、緩衝液物質、塩、糖、ポリマーなどを含む任意の適切な医薬的に許容できる担体を含有しうる。
低いpHが核酸または脂質の長期安定性に対して有害でありうることから、pHは使用前に優先的により低い値に調節される。医薬的に許容できる標準状態下でこれを達成するための手段は、当業者には既知であり、保存が安定的なコロイドを、優先的により低いpHに緩衝化された、より好ましくはpH2〜pH4の緩衝液である、適量の酢酸、クエン酸またはグリシンと混合させるステップを含むがこれに限定されない。
以下は、本発明の異なる実施形態に記載の医薬組成物を調製するために有利に使用されうるプロセスステップの特定の組み合わせである。
(A)
I.中性pHでの核酸のカプセル封入
II.担体は水、生理食塩水または緩衝化生理食塩水でありうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.捕捉されなかった薬剤が除去される
V.保存形態:懸濁液
VI.pHが賦形剤の等電点未満に調節される
VII.酸性pHでの投与
(B)
I.中性pHでの核酸のカプセル封入
II.担体は水、生理食塩水または緩衝化生理食塩水でありうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.捕捉されなかった薬剤が除去される
V.保護剤の添加によってpHがリポソーム賦形剤の等電点未満に調節される
VI.凍結乾燥
VII.保存形態:粉末
VIII.酸性pHでの再構成および投与
(C)
I.0.5〜20、好ましくは1〜10である薬剤のアニオン電荷に対する賦形剤のカチオン電荷のモル比を用いた、賦形剤の等電点未満のpHでの核酸のカプセル封入
II.担体は酢酸、クエン酸などによって緩衝化されかつ塩化ナトリウムまたはスクロースをさらに含有しうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.抗凍結剤の添加および凍結乾燥
V.保存形態:粉末
VI.酸性pHでの再構成および投与
(D)
I.0.5〜20およびより好ましくは1〜10である薬剤のアニオン電荷に対する賦形剤のカチオン電荷のモル比を用いた、賦形剤の等電点未満のpHでの核酸のカプセル封入
II.担体は酢酸、クエン酸などによって緩衝化されかつ塩化ナトリウムまたはスクロースをさらに含有しうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.pHを中性に上昇させる
V.捕捉されなかった薬剤が除去される
VI.(A)、(B)、(C)からさらなるプロセスステップの組み合わせを選択する
(A)
I.中性pHでの核酸のカプセル封入
II.担体は水、生理食塩水または緩衝化生理食塩水でありうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.捕捉されなかった薬剤が除去される
V.保存形態:懸濁液
VI.pHが賦形剤の等電点未満に調節される
VII.酸性pHでの投与
(B)
I.中性pHでの核酸のカプセル封入
II.担体は水、生理食塩水または緩衝化生理食塩水でありうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.捕捉されなかった薬剤が除去される
V.保護剤の添加によってpHがリポソーム賦形剤の等電点未満に調節される
VI.凍結乾燥
VII.保存形態:粉末
VIII.酸性pHでの再構成および投与
(C)
I.0.5〜20、好ましくは1〜10である薬剤のアニオン電荷に対する賦形剤のカチオン電荷のモル比を用いた、賦形剤の等電点未満のpHでの核酸のカプセル封入
II.担体は酢酸、クエン酸などによって緩衝化されかつ塩化ナトリウムまたはスクロースをさらに含有しうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.抗凍結剤の添加および凍結乾燥
V.保存形態:粉末
VI.酸性pHでの再構成および投与
(D)
I.0.5〜20およびより好ましくは1〜10である薬剤のアニオン電荷に対する賦形剤のカチオン電荷のモル比を用いた、賦形剤の等電点未満のpHでの核酸のカプセル封入
II.担体は酢酸、クエン酸などによって緩衝化されかつ塩化ナトリウムまたはスクロースをさらに含有しうる
III.実際のリポソーム形成およびサイジングステップ
IV.pHを中性に上昇させる
V.捕捉されなかった薬剤が除去される
VI.(A)、(B)、(C)からさらなるプロセスステップの組み合わせを選択する
したがって、本発明は、粘膜、エクスビボでの移植に先立つ移植片または眼への局所適用のための核酸を含む医薬組成物を包含する。かかる組成物は、本明細書で提供される実施例に限定されることなく、炎症性腸疾患の治療において治療的活性を示しうる。一般に、本発明の組成物は、動物における異なる症状または疾患の予防あるいは治療にとって有用である。1つの特定のタスクは、移植片拒絶、対宿主移植片病、炎症性腸疾患、クローン病(Morbus Crohn)、潰瘍性大腸炎、気管支喘息およびCOPDを含む炎症、免疫または自己免疫疾患の予防あるいは治療における組成物の局所適用である。
本発明の組成物の投与は、当業者の通常の技能の範囲内にある。投与は、治療されるべき疾患の重症度および/または応答性、数日から数か月にかけて持続する治療の治療単位、あるいは治療が有効となっているかまたは疾患の徴候の減少が得られているまでの時間に依存しうる。至適な投与計画は、患者体内の薬剤蓄積の測定値から算出されうる。当業者であれば、至適用量、投与方法および反復率を容易に判定できる。至適用量は組成物における個々の薬剤の相対効力に依存して変化する場合があり、かつ一般に、動物モデルにおいて有効であることが認められたEC50値に基づいて評価されうる。用量は、毎日、週1回、月1回または年1回与えられるかあるいはより不規則に与えられる場合さえある。当業者であれば、体液中または組織内での薬剤の測定された滞留時間および濃度に基づく投与における反復率を容易に評価することができる。治療が成功した後、患者に維持療法を受けさせることで疾患状態の再発を予防することが望ましい場合があり、ここでは調合物が維持用量で1日に1回もしくは複数回ないし1年に1回投与されうる。
以下は、本発明の実施形態の添付図面についてあくまで例として記載するものである。
実施例1:両性リポソームの調製
脂質混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。脂質膜をPBS、pH7.5で水和した。得られた脂質濃度は50mMであった。懸濁液を水槽内、室温で25分間水和させ、5分間超音波処理し、−70℃で冷凍した。解凍後、リポソーム懸濁液を孔径200nmのポリカーボネート膜を介して15回押し出した。
実施例2:空の両性リポソームによるpHシフト実験
実施例1のリポソーム10μlを100mMクエン酸塩/リン酸塩緩衝液 pH4〜8で1:100に希釈し、室温で1時間インキュベートした。次いで、0.9%生理食塩水7.5mlを添加し、リポソームの大きさを動的光散乱によって特徴づけた。
実施例1のリポソーム10μlを100mMクエン酸塩/リン酸塩緩衝液 pH4〜8で1:100に希釈し、室温で1時間インキュベートした。次いで、0.9%生理食塩水7.5mlを添加し、リポソームの大きさを動的光散乱によって特徴づけた。
結果を図1に示す。1:3の比で荷電脂質DOTAPおよびCHEMSからなる両性リポソームは、中性脂質POPCも二層で少なくとも40%で存在する場合の酸性pH時に限って安定である。
実施例3:カルボキシフルオレセイン(CF)を負荷したリポソームの調製
脂質混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。脂質膜を10mMヘペス中10μM CF、150mM NaCl、pH7.5で水和した。得られた脂質濃度は10mMであった。懸濁液を水槽内、室温で45分間水和させ、5分間超音波処理してから、−70℃で凍結/解凍サイクルを3回行った。解凍後、リポソーム懸濁液を孔径200nmのポリカーボネート膜を介して15回押し出した。サイズ排除クロマトグラフィーによって非カプセル封入CFを取り出す一方、リポソームを6倍に希釈した。
実施例4:実施例3の両性リポソームによるpHシフト実験
実施例3のリポソーム150μl、0.9%生理食塩水7.5mlおよび0.5Mクエン酸塩/リン酸塩緩衝液150μlの混合物をpH4〜8で調製し、リポソームの大きさを動的光散乱によって特徴づけた。
実施例3のリポソーム150μl、0.9%生理食塩水7.5mlおよび0.5Mクエン酸塩/リン酸塩緩衝液150μlの混合物をpH4〜8で調製し、リポソームの大きさを動的光散乱によって特徴づけた。
結果を図2および図3に示す。異なる比で荷電脂質DOTAPおよびCHEMSからなる両性リポソームはDOPEではなくPOPCの存在によって安定化されうる。
実施例5:空の両性リポソームの調製
脂質混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。脂質膜をPBS、pH7.5で水和した。得られた脂質濃度は100mMであった。懸濁液を水槽内、室温で25分間水和させ、5分間超音波処理し、−70℃で冷凍した。解凍後、リポソーム懸濁液を孔径400nmのポリカーボネート膜を介して15回押し出した。
実施例6:プラスミドを負荷した両性リポソームの調製
10容量%のエタノール脂質溶液を、ルシフェラーゼをコードする16μg/mlの7000bpプラスミドを含有する10mMのNaAc 150mMのNaCl pH4.5または10mMのNaAc pH4.5に注入することにより、リポソームを作製した。得られた脂質濃度は2mMであった。この溶液のpHは1/10容量の1Mヘペス pH8を用いて直ちにシフトした。希釈したリポソームを濃縮するため、懸濁液をTLA100.4ローター(ベックマン(Beckman) Optima−MAX)内、80,000rpmで1時間沈降させた。非カプセル封入プラスミドを取り出すため、濃縮したリポソーム懸濁液をスクロースストック溶液で希釈し、0.8Mスクロースにした。PBS中0.5Mスクロースおよび純粋なPBSを上部に層状化し、粒子外部のプラスミドを取り出すために勾配を形成した。スクロース勾配をMLS−50ローター(ベックマン(Beckman) Optima−MAX)内、40,000rpmで45分間回転させ、リポソームを上部相間から取り出した。
調合物POPC/DOTAP/CHEMSを以下のプロセスによって60:10:30で作製した。
脂質混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。脂質膜を100μg/mlのプラスミドPBSを含有する10mMのNaAc/150mMのNaCl、pH4.5で水和した。得られた脂質濃度は10mMであった。懸濁液を水槽内、室温で25分間水和させ、5分間超音波処理し、−70℃で冷凍した。解凍後、リポソーム懸濁液を孔径800/200/800nmのポリカーボネート膜を介して15回押し出した。非カプセル封入プラスミドを取り出すため、濃縮したリポソーム懸濁液をスクロースストック溶液で希釈し、0.8Mスクロースにした。PBS中0.5Mスクロースおよび純粋なPBSを上部に層状化し、粒子外部のプラスミドを取り出すための勾配を形成した。スクロース勾配をMLS−50ローター(ベックマン(Beckman) Optima−MAX)内、40,000rpmで45分間回転させ、リポソームを上部相間から取り出した。
実施例7:pH4.5で安定な両性リポソーム
リポソームをまずPBS pH7.5中で1:10に希釈し、その後で1/10の容量の1M酢酸塩、pH4.5を極めて速やかに添加した。試料をシフトバッファ(shift buffer)の添加直後に撹拌混合した。リポソームを動的光散乱によって特徴づけた。
リポソームをまずPBS pH7.5中で1:10に希釈し、その後で1/10の容量の1M酢酸塩、pH4.5を極めて速やかに添加した。試料をシフトバッファ(shift buffer)の添加直後に撹拌混合した。リポソームを動的光散乱によって特徴づけた。
実施例8:CD40−ODNを含有するリポソームの調製
85μモルのPOPC、42μモルのCHEMSおよび14μモルのDOTAPの混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。
85μモルのPOPC、42μモルのCHEMSおよび14μモルのDOTAPの混合物をクロロホルムに溶解し、丸底フラスコ内で蒸発させ真空下で乾燥させた。
アスタリスクがヌクレオチド間のホスホロチオエート連結を示す場合の配列T*C*C*TAGATGGACCGCT*G*Tを有するODNを用いた(ガオ(Gao)、博士論文、Goettingen 2003年、rAS3を参照)。
脂質膜を緩衝液(10mM酢酸ナトリウム、150mM NaCl pH4.5)1mL中の1mgのODNで水和した。懸濁液を水槽内、室温で25分間水和させ、5分間超音波処理し、最終的に−70℃で冷凍した。解凍後、リポソーム懸濁液を孔径400nmのポリカーボネート膜を介して15回押し出した。リポソーム懸濁液を1Mヘペス緩衝液を使用してpH7.5にし、ストック溶液を使用して0.8Mスクロースにした。非カプセル封入ODNを10mMヘペス、150mM NaCl pH7.5で重層させた0.5Mスクロースを介した浮遊により押し出した試料から除去し、リポソーム懸濁液を4℃で保存した。得られたリポソームを動的光散乱によって特徴づけると、大きさが220〜250nmであることがわかった。
実施例9:大腸炎の誘発
20mgのTNBSを150mMのNaCl中35%エタノール135μlに添加することによって調製した2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)の単一の結腸内部への適用を用いることにより、大腸炎を誘発した。光エーテル麻酔下で雄ウィスターラット(200〜250g)を置いて、肛門管を通して下行結腸に挿入された8cm長のカテーテルを使用して混合物を投与した。カテーテルを取り出した後、ラットを頭を下にした姿勢に30秒間保って腸からの流出を回避し、以後はラットを通常の状態で保持した。
20mgのTNBSを150mMのNaCl中35%エタノール135μlに添加することによって調製した2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)の単一の結腸内部への適用を用いることにより、大腸炎を誘発した。光エーテル麻酔下で雄ウィスターラット(200〜250g)を置いて、肛門管を通して下行結腸に挿入された8cm長のカテーテルを使用して混合物を投与した。カテーテルを取り出した後、ラットを頭を下にした姿勢に30秒間保って腸からの流出を回避し、以後はラットを通常の状態で保持した。
実施例10:治療および分析
大腸炎誘発の4時間前または3日後に、ラットを実施例1から得たCD40アンチセンスで治療した。実施例1から得たアンチセンス懸濁液を1M緩衝酢酸/酢酸ナトリウム pH4.0を使用してpH4.5にし、2.7μgのCD40アンチセンスを含有する全体で100μlの懸濁液を実施例2に記載の結腸に適用した。
大腸炎誘発の4時間前または3日後に、ラットを実施例1から得たCD40アンチセンスで治療した。実施例1から得たアンチセンス懸濁液を1M緩衝酢酸/酢酸ナトリウム pH4.0を使用してpH4.5にし、2.7μgのCD40アンチセンスを含有する全体で100μlの懸濁液を実施例2に記載の結腸に適用した。
大腸炎の誘発の7日後、動物を殺した。結腸を摘出し、縦方向に開いた。4%ホルムアルデヒドを含有するPBS中に結腸試料を固定した。パラフィン包埋切片(5μm)をヘマトキシリン/エオシンで染色してから顕微鏡検査した。
結腸障害を以下の基準によってスコアリングした。
結果を図4から図5A〜5Dに示し、それはスクランブルした対照アンチセンスではなくCD40に特異的なアンチセンスで治療した場合に実験大腸炎が極めて顕著に減少することを示している。かなり意外なことに、3日目で完全に発症した大腸炎に対してたとえ単回治療であっても、炎症が著しくほぼ完全に減少するに至った。それに対する確認として、疾患の開始前に調合物を予防的様式で適用した場合、大腸炎の予防も実現した。
実施例11:別の調合物
60モル%のPOPC、20モル%のHistCholおよび20モル%のコレステロールの混合物を賦形剤として使用した場合でも実験大腸炎の治療が奏功するに至った。
60モル%のPOPC、20モル%のHistCholおよび20モル%のコレステロールの混合物を賦形剤として使用した場合でも実験大腸炎の治療が奏功するに至った。
実施例12:ノンリムーバル(non−removal)の外部アンチセンス
ノンリムーバルの非カプセル封入アンチセンスを調合物として使用した場合でも安定なコロイド状の担体系が生成した。
ノンリムーバルの非カプセル封入アンチセンスを調合物として使用した場合でも安定なコロイド状の担体系が生成した。
実施例13:材料
この実施例は、CD40の発現を調節しかつ本発明に記載の組成物における使用に適するオリゴヌクレオチドによって標的にされうるCD40ヌクレオチド配列の限定されない例を提供する。
この実施例は、CD40の発現を調節しかつ本発明に記載の組成物における使用に適するオリゴヌクレオチドによって標的にされうるCD40ヌクレオチド配列の限定されない例を提供する。
ヒトCD40 mRNA(ジェンバンク(GenBank)登録番号X60592)
本発明における標的対象のヒトCD40 mRNA配列は配列番号1内に存在する。関連配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書(すなわち配列番号85)、ベネット(Bennett)ら、米国特許第6,197,584号明細書(すなわち配列番号85)およびプルビネ(Pluvinet)ら、Blood、2004年、104(12)、3642−3646頁の中に認められ、それらの内容は参照により本明細書中に援用される。
(配列番号1):
本発明における標的対象のヒトCD40 mRNA配列は配列番号1内に存在する。関連配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書(すなわち配列番号85)、ベネット(Bennett)ら、米国特許第6,197,584号明細書(すなわち配列番号85)およびプルビネ(Pluvinet)ら、Blood、2004年、104(12)、3642−3646頁の中に認められ、それらの内容は参照により本明細書中に援用される。
(配列番号1):
ハツカネズミCD40 mRNA
本発明における標的対象のマウスCD40 mRNA配列は配列番号2内に存在する。関連配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書(すなわち配列番号132)中に認められ、その内容は参照により本明細書中に援用される。
(配列番号2):
本発明における標的対象のマウスCD40 mRNA配列は配列番号2内に存在する。関連配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書(すなわち配列番号132)中に認められ、その内容は参照により本明細書中に援用される。
(配列番号2):
ラットCD40 mRNA(ジェンバンク(GenBank)登録番号AF241231)
本発明における標的対象のラットCD40 mRNA配列は配列番号3内に存在する(ガオ(Gao)、博士論文、Goettingen 2003年を参照)。
(配列番号3):
本発明における標的対象のラットCD40 mRNA配列は配列番号3内に存在する(ガオ(Gao)、博士論文、Goettingen 2003年を参照)。
(配列番号3):
ブタCD40 cDNA
本発明における標的対象のブタCD40 cDNA配列は配列番号4内に存在する(図11)。関連配列情報が、ラッシュワース(Rushworth)ら、Transplantation、2002年、73(4)、635−642頁の中に認められ、その内容は参照により本明細書中に援用される。
本発明における標的対象のブタCD40 cDNA配列は配列番号4内に存在する(図11)。関連配列情報が、ラッシュワース(Rushworth)ら、Transplantation、2002年、73(4)、635−642頁の中に認められ、その内容は参照により本明細書中に援用される。
さらに以下に、本発明における使用に適する、アンチセンスCD40核酸配列を例とする抗−CD40オリゴヌクレオチドの限定されない例を提供する。
ヒトCD40に対するオリゴヌクレオチド
ヒトアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。さらに配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書中および米国特許第6,197,584号明細書中に認められ、それらの内容は参照により本明細書中に提供される。ベネット(Bennett)らによって示された配列番号を右側に示す。
ヒトアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。さらに配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書中および米国特許第6,197,584号明細書中に認められ、それらの内容は参照により本明細書中に提供される。ベネット(Bennett)らによって示された配列番号を右側に示す。
以下のsiRNA配列は本発明における使用に適し(例えば、プルビネ(Pluvinet)ら、Blood、2004年、104(12)、3642−3646頁を参照)、その内容は参照により本明細書中に援用される。
すべてのsiRNAは3’末端に2ヌクレオチドのオーバーハングを含む。
マウスCD40に対するオリゴヌクレオチド
マウスのアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。さらに、配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書中に認められ、これによってその内容は参照により本明細書中に援用される。ベネット(Bennett)らによって示された配列番号を右側に示す。
マウス
マウスのアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。さらに、配列情報が、ベネット(Bennett)ら、米国特許出願公開第2004/0186071号明細書中に認められ、これによってその内容は参照により本明細書中に援用される。ベネット(Bennett)らによって示された配列番号を右側に示す。
マウス
ラットCD40に対するオリゴヌクレオチド
ラットアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す(ガオ(Gao)、博士論文、2003年、ゲッチンゲン大学(University of Goettingen)、ドイツを参照)。
ラットアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す(ガオ(Gao)、博士論文、2003年、ゲッチンゲン大学(University of Goettingen)、ドイツを参照)。
ブタCD40に対するオリゴヌクレオチド
ブタアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。ラッシュワース(Rushworth)ら、Transplantation、2002年、73(4)、635−642頁を参照のこと。その内容は参照により本明細書中に援用される。
ブタアンチセンスCD40オリゴヌクレオチドの例を下記に示す。ラッシュワース(Rushworth)ら、Transplantation、2002年、73(4)、635−642頁を参照のこと。その内容は参照により本明細書中に援用される。
脂質における略称の用語集
脂質における略語は主に文献における標準使用を示し、有用な参照として本明細書内に含められる。
DMPC ジミリストイルホスファチジルコリン
DPPC ジパルミトイルホスファチジルコリン
DSPC ジステアロイルホスファチジルコリン
POPC パルミトイル−オレオイルホスファチジルコリン
DOPC ジオレオイルホスファチジルコリン
DOPE ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン
DMPE ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン
DPPE ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン
DOPG ジオレオイルホスファチジルグリセロール
POPG パルミトイル−オレオイルホスファチジルグリセロール
DMPG ジミリストイルホスファチジルグリセロール
DPPG ジパルミトイルホスファチジルグリセロール
DMPS ジミリストイルホスファチジルセリン
DPPS ジパルミトイルホスファチジルセリン
DOPS ジオレオイルホスファチジルセリン
POPS パルミトイル−オレオイルホスファチジルセリン
DMPA ジミリストイルホスファチジン酸
DPPA ジパルミトイルホスファチジン酸
DOPA ジオレオイルホスファチジン酸
POPA パルミトイル−オレオイルホスファチジン酸
CHEMS コレステロールヘミサクシネート
DC−Chol 3−β−[N−(N’,N’−ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
Cetyl−P セチルリン酸
DODAP (l,2)−ジオレオイルオキシプロピル)−N,N−塩化ジメチルアンモニウム
DOEPC 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン
DAC−Chol 3−β−[N−(N,N’−ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
TC−Chol 3−β−[N−(N’,N’,N’−トリメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール
DOTMA (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)(Lipofectin(登録商標))
DOGS ((C18)2GlySper3+)N,N−ジオクタデシルアミド−グリシル−スペルミン(Transfectam(登録商標))
CTAB セチル−トリメチルアンモニウムブロマイド
CPyC セチル−ピリジニウムクロライド
DOTAP (l,2−ジオレオイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DMTAP (1,2−ジミリストイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DPTAP (1,2−ジパルミトイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DOTMA (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)
DORIE (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−3ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド)
DDAB ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド
DPIM 4−(2,3−ビス−パルミトイルオキシ−プロピル)−l−メチル−lH−イミダゾール
CHIM コレステロール−(3−イミダゾール−l−ylプロピル)カルバメート
MoChol 4−(2−アミノエチル)−モルホリノ−コレステロールヘミサクシネート
HisChol ヒスタミニル−コレステロールヘミサクシネート
HCChol Nα−ヒスチジニル−コレステロールカルバメート
HistChol Nα−ヒスチジニル−コレステロール−ヘミサクシネート
AC アシルカルノシン、ステアリル−&パルミトイルカルノシン
HistDG 1,2−ジパルミトイルグリセロール−ヘミサクシネート−Nα−ヒスチジニル−ヘミサクシネート、&ジステアロイル−ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
IsoHistSuccDG 1,2−ジパルミトイルグリセロール−Oa−ヒスチジニル−Nα−ヘミサクシネート、&ジステアロイル−、ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
DGSucc 1,2−ジパルミトイルグリセロール−3−ヘミサクシネート&ジステアロイル−、ジミリストイル−ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
脂質における略語は主に文献における標準使用を示し、有用な参照として本明細書内に含められる。
DMPC ジミリストイルホスファチジルコリン
DPPC ジパルミトイルホスファチジルコリン
DSPC ジステアロイルホスファチジルコリン
POPC パルミトイル−オレオイルホスファチジルコリン
DOPC ジオレオイルホスファチジルコリン
DOPE ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン
DMPE ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン
DPPE ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン
DOPG ジオレオイルホスファチジルグリセロール
POPG パルミトイル−オレオイルホスファチジルグリセロール
DMPG ジミリストイルホスファチジルグリセロール
DPPG ジパルミトイルホスファチジルグリセロール
DMPS ジミリストイルホスファチジルセリン
DPPS ジパルミトイルホスファチジルセリン
DOPS ジオレオイルホスファチジルセリン
POPS パルミトイル−オレオイルホスファチジルセリン
DMPA ジミリストイルホスファチジン酸
DPPA ジパルミトイルホスファチジン酸
DOPA ジオレオイルホスファチジン酸
POPA パルミトイル−オレオイルホスファチジン酸
CHEMS コレステロールヘミサクシネート
DC−Chol 3−β−[N−(N’,N’−ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
Cetyl−P セチルリン酸
DODAP (l,2)−ジオレオイルオキシプロピル)−N,N−塩化ジメチルアンモニウム
DOEPC 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン
DAC−Chol 3−β−[N−(N,N’−ジメチルエタン)カルバモイル]コレステロール
TC−Chol 3−β−[N−(N’,N’,N’−トリメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール
DOTMA (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)(Lipofectin(登録商標))
DOGS ((C18)2GlySper3+)N,N−ジオクタデシルアミド−グリシル−スペルミン(Transfectam(登録商標))
CTAB セチル−トリメチルアンモニウムブロマイド
CPyC セチル−ピリジニウムクロライド
DOTAP (l,2−ジオレオイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DMTAP (1,2−ジミリストイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DPTAP (1,2−ジパルミトイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩
DOTMA (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)
DORIE (l,2−ジオレイルオキシプロピル)−3ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド)
DDAB ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド
DPIM 4−(2,3−ビス−パルミトイルオキシ−プロピル)−l−メチル−lH−イミダゾール
CHIM コレステロール−(3−イミダゾール−l−ylプロピル)カルバメート
MoChol 4−(2−アミノエチル)−モルホリノ−コレステロールヘミサクシネート
HisChol ヒスタミニル−コレステロールヘミサクシネート
HCChol Nα−ヒスチジニル−コレステロールカルバメート
HistChol Nα−ヒスチジニル−コレステロール−ヘミサクシネート
AC アシルカルノシン、ステアリル−&パルミトイルカルノシン
HistDG 1,2−ジパルミトイルグリセロール−ヘミサクシネート−Nα−ヒスチジニル−ヘミサクシネート、&ジステアロイル−ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
IsoHistSuccDG 1,2−ジパルミトイルグリセロール−Oa−ヒスチジニル−Nα−ヘミサクシネート、&ジステアロイル−、ジミリストイル、ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
DGSucc 1,2−ジパルミトイルグリセロール−3−ヘミサクシネート&ジステアロイル−、ジミリストイル−ジオレオイルまたはパルミトイル−オレオイル誘導体
Claims (62)
- 治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物であって、
前記賦形剤が4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含みかつ前記組成物が3〜5の範囲内のpHを有するように調合されることを特徴とする医薬組成物。 - 前記組成物が4〜5の範囲内のpHを有するように調合されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記両性リポソームが両性脂質または両性の特性を有する脂質成分の混合物および中性リン脂質を含有する脂質相から形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
- 前記中性リン脂質がホスファチジルコリンを含むことを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
- 前記ホスファチジルコリンがPOPC、天然もしくは水素化大豆PC、天然もしくは水素化卵PC、DMPC、DPPCまたはDOPCからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
- 前記ホスファチジルコリンが、POPC、非水素化大豆PCまたは非水素化卵PCを含むことを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
- 前記中性リン脂質が、ホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの混合物を含むことを特徴とする、請求項4、請求項5または請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記ホスファチジルエタノールアミンがDOPEまたはDMPEおよびDPPEからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
- 前記ホスファチジルコリンが、POPC、大豆PCまたは卵PCを含み、かつ前記ホスファチジルエタノールアミンがDOPEを含むことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の医薬組成物。
- 前記中性リン脂質が前記脂質相の少なくとも20モル%を構成することを特徴とする、請求項4〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記両性脂質が、HistChol、HistDG、isoHistSuccDG、アシルカルノシンおよびHCCholからなる群から選択される単一の脂質を含むことを特徴とする、請求項3〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記両性脂質がHistCholであることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
- 両性の特性を有する前記脂質成分が2種以上のアニオンおよびカチオン脂質の混合物を含み、前記1種またはそれ以上のカチオン脂質が、DMTAP、DPTAP、DOTAP、DC−Chol、MoChol、HisChol、DPIM、CHIM、DORIE、DDAB、DAC−Chol、TC−Chol、DOTMA、DOGS、(C18)2Gly+N,N−ジオクタデシルアミド−グリシン、CTAP、CPyC、DODAPおよびDOEPCからなる群から選択され、かつ前記1種またはそれ以上のアニオン脂質が、DGSucc、DMPS、DPPS、DOPS、POPS、DMPG、DPPG、DOPG、POPG、DMPA、DPPA、DOPA、POPA、CHEMSおよびCetyl−Pからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記カチオン脂質が、DOTAP、DC−Chol、MoCholおよびHisCholのうちの1種またはそれ以上を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
- 前記アニオン脂質が、DMGSucc、DOGSucc、DOPA、CHEMSおよびCetyl−Pのうちの1種またはそれ以上を含むことを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、POPC、DOTAPおよびCHEMSを含有し、前記脂質相がDOTAPよりも大きいモル量のCHEMSを含有することを特徴とする、請求項13、請求項14または請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、20〜60モル%のPOPC、10〜40モル%のDOTAPおよび20〜70モル%のCHEMSを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項16に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約60モル%のPOPC、約10モル%のDOTAPおよび約30モル%のCHEMSを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項17に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、POPC、MoCholおよびCHEMSを含有することを特徴とする、請求項13、請求項14または請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相中のMoCholのモル量が実質的にCHEMSのモル量に等しいかまたはそれより大きいことを特徴とする、請求項19に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が約30モル%のPOPC、約35モル%のMoCholおよび約35モル%のCHEMSを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項20に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相がDOPEをさらに含有する、請求項19に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相がCHEMSよりも大きいかまたはそれと実質的に等しいモル量のMoCholを含有し、かつCHEMSおよびMoCHOLの全モル量が脂質相の約30〜約80モル%であることを特徴とする、請求項22に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約15モル%のPOPC、約45モル%のDOPE、約20モル%のMoCholおよび約20モル%のCHEMSを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項23に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約6モル%のPOPC、約24モル%のDOPE、約46モル%のMoCholおよび約23モル%のCHEMSを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項23に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、POPC、DOPE、MoCholおよびDMGSuccを含有することを特徴とする、請求項13、請求項14または請求項15に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、DMGSuccよりも大きいかまたはそれと実質的に等しいモル量のMoCholを含有し、かつDMG−SuccおよびMoCHOLの全モル量が脂質相の30〜80モル%であることを特徴とする、請求項26に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約15モル%のPOPC、約45モル%のDOPE、約20モル%のMoCholおよび約20モル%のDMG−Succを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項27に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約6モル%のPOPC、約24モル%のDOPE、約46モル%のMoCholおよび約23モル%のDMGSuccを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項27に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相がコレステロールをさらに含有することを特徴とする、請求項3〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記脂質相が、約30モル%のPOPC、約10モル%のDOTAP、約20モル%のCHEMSおよび約40モル%のCholを含有し、全体が100モル%であることを特徴とする、請求項30に記載の医薬組成物。
- 前記両性リポソームが50〜1000nmの範囲内の大きさを有することを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記核酸が脊椎動物細胞内で1種またはそれ以上のRNAへの転写能を有し、前記RNAが、mRNA、shRNA、miRNAまたはリボザイムであり、前記mRNAが1種またはそれ以上のタンパク質またはポリペプチドをコードすることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記核酸が環状DNAプラスミド、線形DNAコンストラクトまたはmRNAであることを特徴とする、請求項33に記載の医薬組成物。
- 前記核酸がオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドが15〜50塩基対の長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドがホスホチオエート結合を含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドが2’MOE修飾核酸塩基を含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドがLNA核酸塩基を含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドがFANA核酸塩基を含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドが天然のリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドが15〜30塩基対の長さのsiKNAを含むことを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドが15〜30塩基対の長さのデコイオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項35に記載の医薬組成物。
- 前記核酸の一部が前記リポソーム内に配置されることを特徴とする、請求項1〜43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記核酸の少なくとも50モル%が前記リポソーム内に配置されることを特徴とする、請求項44に記載の医薬組成物。
- 前記核酸の少なくとも80モル%が前記リポソーム内に配置されることを特徴とする、請求項44に記載の医薬組成物。
- 前記組成物が非カプセル封入核酸を含む、請求項1〜46のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記組成物が、後続の注射用水を用いた再構成のために酸性pHで凍結乾燥される、請求項1〜47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 局所適用のための薬剤の製造における、請求項1〜48のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
- 前記組成物が粘膜、移植に先立つ移植片または眼への局所適用を目的とすることを特徴とする、請求項49に記載の使用。
- 前記組成物が、鼻、気道、口、腸または膣における粘膜への局所適用を目的とすることを特徴とする、請求項50に記載の使用。
- 炎症性、免疫または自己免疫疾患の治療あるいは予防における使用を目的とした薬剤の製造における、請求項1〜48のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
- 請求項1〜48のいずれか一項に記載の医薬組成物の治療的量または予防的量を、それを必要とするヒトまたは非ヒト動物患者に投与するステップを含む、炎症性、免疫または自己免疫疾患の治療あるいは予防の方法。
- 移植に先立ち移植片を処理する方法であって、前記移植片にエクスビボで請求項1〜32のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
- ヒトまたは非ヒト動物に遺伝子ワクチンをワクチン接種する方法であって、請求項1〜32のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を前記ヒトまたは動物に投与するステップを含む、方法。
- 前記組成物が使用時に3〜5の範囲内のpHに酸化されることを特徴とする、請求項53、請求項54または請求項55に記載の方法。
- 医薬組成物およびその使用のための使用説明書を含むキットであって、前記組成物が、治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む、キットにおいて、
前記賦形剤が4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含み、かつ前記組成物が実質的に中性pHの懸濁液の形態で提供され、前記使用説明書が約3〜約5の範囲内のpHへの使用に先立ち前記懸濁液の酸性化を指示することを特徴とする、キット。 - 前記組成物の前記低いpHへの緩衝化のための使用時に懸濁液への混和を目的とした別個の酸性化手段をさらに含む、請求項57に記載のキット。
- 前記酸性化手段が、酢酸、クエン酸またはグリシンを含むことを特徴とする、請求項58に記載のキット。
- 医薬組成物およびその使用のための使用説明書を含むキットであって、前記組成物が、治療物質としての核酸、リポソームを含む賦形剤およびそれらのための医薬的に許容できる担体を含む、キットにおいて、
前記賦形剤が4〜7.4の等電点を有する両性リポソームを含み、かつ前記組成物が水性媒体を用いた再構成時に前記再構成された組成物のpHが約3〜約5の範囲内であるように凍結乾燥された形態で提供され、前記使用説明書が使用時に前記凍結乾燥された組成物の再構成を指示することを特徴とする、キット。 - 使用時に前記組成物の再構成のための別個の水性媒体をさらに含む、請求項60に記載のキット。
- 前記水性媒体が実質的に緩衝化されていない水または生理食塩水を含むことを特徴とする、請求項61に記載のキット。
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