JP2008515800A - 眼科疾患の処置剤としてのポリアミン類似化合物 - Google Patents

眼科疾患の処置剤としてのポリアミン類似化合物 Download PDF

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Abstract

本開示は、ポリアミン類似化合物、特にコンホメーションが制約を受けるポリアミン類似化合物を用いて、眼科疾患を処置する方法に関する。処置される眼科疾患は、黄斑変性を含む、新脈管形成および/または新生血管形成によって特色づけられる種々の眼科疾患を含む。湿潤性黄斑変性および乾燥黄斑変性の両方ともが、本発明の方法を用いて処置され得る。本発明は、持続性放出処方物および持続性放出デバイスを含む、眼科処方物もまた提供する。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、2004年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/616,089号および2005年4月29日に出願された米国仮特許出願第60/676,638号に関する優先権の利益を請求する。これらの出願の全内容を、本明細書によって、本明細書において参考として援用する。
(連邦政府によって後援される研究または開発に関する声明)
本発明は、National Eye Instituteにより与えられた助成金第EY05951号、第EY12609号および第P30EY1765号の下における政府の後援を伴いなされた。
(技術分野)
本出願は、ポリアミン類似化合物、特にコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を用いて、黄斑変性などの眼科疾患を処置する方法に関する。
(背景技術)
加齢性黄斑変性(age−related macular degeneration)(AMD)は、工業化した国家における失明の首位の原因である。黄斑は網膜の中心部分であり、精巧に焦点を合わせられる視覚を担う。黄斑の外側の網膜の部分は、辺縁網膜と呼ばれ、周辺視を担う。黄斑は全網膜の小さい部分しか占めないが、黄斑は、ヒトが読み、顔および他のイメージを認識し、細部の知覚を必要とする他の仕事を行うことを可能にする。このように黄斑変性は、視覚能力の破壊的な損失を引き起こし得る。
黄斑変性は典型的に、「乾燥」黄斑変性かまたは「湿潤性」黄斑変性かのどちらかに分類される。乾燥黄斑変性は、黄斑変性のほとんどの症例を占め、通常湿潤性黄斑変性よりも猛烈ではない。乾燥黄斑変性は、典型的にはドルーゼンの形成によって特色付けられる。ドルーゼンは、網膜色素上皮(retinal pigment epithelium)(RPE)とブルーフ膜(Bruch’s membrane)の間の眼中に形成される沈積物である。RPEおよびブルーフ膜は、網膜に支持を提供し、養分が網膜に到達するのを可能にする構造物である;これらの構造物の異常は、視覚を担う網膜細胞の萎縮および細胞死へと導き得る。ドルーゼンの構成内容は完全には知られていないが、ドルーゼン中にアミロイド−βが見つかっており、そしてこのアミロイド−βが、増加した炎症および酸化ストレスを引き起こすと推測されている(非特許文献1を参照のこと)。乾燥黄斑変性による視覚喪失は、比較的漸進的になりがちである。
湿潤性黄斑変性は、黄斑変性の症例の約10%のみ占める。しかし、それは、乾燥黄斑変性よりも、より猛烈であり得、そしてより急速に生じ得る。湿潤性黄斑変性は、黄斑の後ろで新しい血管が形成し始める場合(新生血管形成として知られる過程)に起こる;これは典型的には、ドルーゼン沈積物の近くの領域で起こり、そしてブルーフ膜の分解に関わっているらしい。これらの新たに形成した血管は、漏れがちで、網膜剥離および瘢痕形成を引き起こし、これは黄斑への猛烈な損傷となる。
黄斑変性のためのいくつかの処置が提案されている。このような処置の一つでは、新生血管形成を阻害する薬剤を使用する。血管内皮成長因子(VEGF、新脈管形成および新生血管形成に関与する因子)の活性の阻害が、数人の研究者によって、新生血管形成を阻害するために、提案されている;例えば特許文献1を参照のこと。別の黄斑変性のための処置が、光線療法を使用し、光活性化化合物が、患者に投与される。この化合物は、次に光によって活性化し得、異常な血管を選択的に処置する;例えば特許文献2を参照のこと。ビスダイン(ベルテポルフィン)は、現在、光力学療法に使用される薬である;たとえば特許文献3を参照のこと。新生血管形成を処置するための照射療法の使用が、同様に提案されている(非特許文献2)。
他の出版物として特許文献4が挙げられ、これはD−ペニシラミン以外の化合物などの銅キレート化化合物を用いて、眼の炎症を処置する方法に関している;いくつかの実施形態では、このような化合物は、トリエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミンなどのポリアミンであり得る。特許文献5は、ポリアミンでありえる治療剤を含む局所眼科組成物を用いる、眼の後方の区域に関係する眼科障害の予防処置および治療処置のための方法および組成物に関する。特許文献6は、老眼、老人環、加齢性黄斑変性および加齢に関係する他の状態などを含む有害な眼の状態の予防および処置のための眼科処方物に関している。その出願は、シクラム(cyclam)(1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン)などのポリアミンに言及している。
黄斑変性の予防は、この疾患に罹患する危険性のある患者に対して顕著な有用性もまた有する。栄養補充−平均より高いレベルの酸化防止ビタミンおよび亜鉛の消費−は、黄斑変性に罹患する危険性を低下させる。例えば非特許文献3を参照のこと。紙巻タバコの喫煙は、黄斑変性および他の眼科疾患と強く関係しており(例えば非特許文献4を参照のこと)、これおよび他の健康上の理由から、喫煙中止は、大いに勧める価値がある。特定の一塩基多型と黄斑変性の関連性の報告は、AMDに罹患する危険性のある個人を同定するのに役立ち得る(非特許文献5を参照のこと)。黄斑変性に罹患する危険性が増加している個人を示すのに役立ち得る、他の遺伝子および突然変異もまた同定されている。
これらの努力にもかかわらず、黄斑変性は非常に多数の人々を襲い続けている。このように、この疾患に対する新たな治療法が必要とされる。コンホメーションが制約を受けるポリアミンの、脈絡膜新生血管形成(CNV)の抑制および退縮における使用が提案されている;非特許文献6および非特許文献7を参照のこと、これらでは化合物CGC−11144およびCGC−11150を検討している。非特許文献8;特許文献7;および特許文献8も参照のこと。
コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物およびこのような類似化合物の合成の方法が、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16および特許文献17に開示されている。これらの化合物は、インビトロまたはインビボで、抗癌効果を有することが示された。
本願は、黄斑変性(本疾患の乾燥型および湿潤型の両方)などの眼科疾患の処置のための、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物などの、ポリアミンおよびポリアミン類似化合物の使用に関する。
米国特許第6,676,941号明細書 米国特許第6,622,729号明細書 米国特許第4,883,79号明細書 国際公開第02/43722号パンフレット 国際公開第01/68053号パンフレット 国際公開第2004/058289号パンフレット 国際公開第99/21542号パンフレット 米国特許出願公開第2005/0159493号明細書 米国特許第5,889,061号明細書 米国特許第6,392,098号明細書 米国特許第6,794,545号明細書 米国公開特許出願第2003/0072715号 米国公開特許出願第2003/0195377号 国際公開第98/17624号パンフレット 国際公開第00/66587号パンフレット 国際公開第02/10142号パンフレット 国際公開第03/050072号パンフレット Dentcevら,Molecular Vision,2003年,第9巻,p.184−190 Flaxel,Ophthalmol Clin North Am.2002年,第15巻,p.437−44 Sackettら,Insight,2002年,第27巻,p.5−7 Chengら,Hong Kong Med J.,2000年,第6巻,p.195−202 Science,2005年,第308巻,p.385−9 Silvaら,「Polyamine analogs suppress choroidal neovascularization(CNV)」,Investigative Ophthalmology & Visual Science,2004年,第45巻,p.U730 Silvaら,「Suppression and regression of choroidal neovascularization by polyamine analogues」,Investigative Ophthalmology & Visual Science,2005年,第46巻,p.3323 Haidtら,「Evidence for systemic immune activation in patients with ARMD」,Investigative Ophthalmology & Visual Science,2004年,第45巻,p.U64
(発明の開示)
本発明は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物などの、ポリアミン類似化合物を用い、眼科疾患を処置する方法に関する。本発明の方法は、眼科疾患を処置するための、ポリアミン類似化合物およびポリアミン類似化合物を含む組成物の使用を包含する。一つの実施形態では、眼科疾患は、望ましくない細胞の増殖または新生血管形成によって特色付けられる。この疾患としては、それらに限られるわけではないが、黄斑変性などの、網膜または脈絡膜の新生血管形成によって引き起こされる疾患が挙げられる。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物は、コンホメーションが制約を受けており、処置される眼科疾患は、黄斑変性である。別の実施形態では、眼科疾患は、湿潤性黄斑変性である。別の実施形態では、眼科疾患は、乾燥黄斑変性である。別の実施形態では、望ましくない細胞増殖は、癌または他の悪性疾患を除外する。
一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものであり;この実施形態では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、炭素−炭素二重結合によるものであるという条件が加えられる。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中のシクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものであり;この実施形態では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、シクロアルキル基によるものまたはシクロプロピル基よるものであるという条件が加えられる。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けているポリアミン類似化合物は、大員環ポリアミン類似化合物ではない;即ち窒素のコンホメーションの制約が、環または大員環に2個以上窒素が発生することによって生じない;この実施形態では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、そのコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、大員環ポリアミン類似化合物ではないという条件が加えられる。本発明の一つの実施形態では、化合物CGC−11144およびCGC−11150は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の群には含まれないと言う条件が加えられる;この実施形態では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、そのコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11144でもCGC−11150でもないという条件が加えられる。本発明の別の実施形態では、10個の窒素を有する、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の群には、含まれないと言う条件が加えられる;この実施例では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、そのコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、10個の窒素を有する、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物ではないと言う条件が加えられる。本発明の別の実施形態では、10個の窒素を有しおよび炭素−炭素二重結合から生じるコンホメーションの制約を有する、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の群には、含まれないと言う条件が加えられる;この実施例では、以下の実施形態のいずれかまたは全てに対して、そのコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、10個の窒素を有しおよび炭素−炭素二重結合から生じるコンホメーションの制約を有する、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物ではないと言う条件が加えられる。
一つの実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の化合物そしてこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体から選択される:
Figure 2008515800
ここで、Aは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から独立に選択され;Bは:単結合、C〜CアルキルおよびC〜Cアルケニルからなる群から独立に選択され;およびEは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から独立に選択され;少なくとも一つのA部分が、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から選択されるかまたは、少なくとも一つのB部分がC〜Cアルケニルからなる群から選択されるかのいずれかであると言う条件を有する。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。
この型の化合物の特定の実施形態としては、
Figure 2008515800
Figure 2008515800
およびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体が挙げられる。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の化合物そしてこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体の群から選択される:
Figure 2008515800
式中、Aは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から独立に選択され;Bは、単結合、C〜CアルキルおよびC〜Cアルケニルからなる群から独立に選択され;Eは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から独立に選択され;xは、2から16までの整数であり;少なくとも一つのA部分が、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から選択されるかまたは、少なくとも一つのB部分がC〜Cアルケニルからなる群から選択されるかのいずれかであると言う条件を有する。別の実施形態では、xは4,6,8または10である。別の実施形態では、xは4である。別の実施形態では、xは6である。別の実施形態では、xは8である。別の実施形態では、xは10である。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。
この型の化合物の特定の実施形態としては、
Figure 2008515800
およびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体が挙げられる。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の化合物そしてこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体の群から選択される、
Figure 2008515800
式中、Aは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアリールおよびC〜Cシクロアルケニルからなる群から独立に選択され;Bは、単結合、C〜CアルキルおよびC〜Cアルケニルからなる群から独立に選択され;Eは、C〜Cアルキル、C〜Cアルカノール、C〜CシクロアルカノールおよびC〜Cヒドロキシアリールからなる群から独立に選択され、少なくとも一つのE部分は、C〜Cアルカノール、C〜CシクロアルカノールおよびC〜Cヒドロキシアリールからなる群から選択されると言う条件を有し;xは、0から16までの整数である。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。
この型の化合物の特定の実施形態としては、
Figure 2008515800
およびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体が挙げられる。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の化合物そしてこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体の群から選択される、
Figure 2008515800
式中、Aは、C〜CアルケンおよびC〜Cシクロアルキル、シクロアルケニルならびにシクロアリールからなる群から独立に選択され;Bは、単結合およびC〜Cアルキルおよびアルケニルからなる群から独立に選択され;Dは、C〜Cアルキルおよびアルケニル、ならびにC〜Cシクロアルキル、シクロアルケニルならびにシクロアリールからなる群から独立に選択され;Eは、水素、C〜Cアルキルおよびアルケニルからなる群から独立に選択さる。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。
この型の化合物の特定の実施形態としては、
Figure 2008515800
(CGC−11093、以前はSL−11093);
Figure 2008515800
(CGC−11047、以前はSL−11047);
およびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体が挙げられる。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の大員環ポリアミンおよびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体から選択され、
Figure 2008515800
ここで、A、各A(もし存在する場合)およびAは、C〜Cアルキルから独立に選択され;各Yは、水素またはC〜Cアルキルから独立に選択され;Mは、C〜Cアルキルから選択され;kは0、1、2または3であり;およびRは、C〜C32アルキルから選択される。付加的な実施形態では、Y基は、−Hまたは−CHである。別の実施形態では、A、各A(もし存在する場合)およびAは、C〜Cアルキルから独立に選択される。さらに別の実施形態では、Mは−CH−である。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、下式の大員環ポリアミン類似化合物およびこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体から選択され、
Figure 2008515800
ここで、A、各A(もし存在する場合)およびAは、C〜Cアルキルから独立に選択され;Aは、C〜Cアルキルまたは存在しないから選択され;Xは、−H、−Z、−CN、−NH、−C(=O)−C〜Cアルキルまたは−NHZから選択され、Aが存在しない場合、Xは−H、−C(=O)−C〜Cアルキルまたは−Zであるという条件を有し;Zは、アミノ保護基、アミノキャッピング(amino capping)基、アミノ酸およびペプチドからなる群から選択され;各Yは、水素またはC〜Cアルキルから独立に選択され;Mは、C〜Cアルキルから選択され;kは0、1、2または3であり;およびRは、C〜C32アルキルから選択される。ある実施形態では、Aは存在しない。他の実施形態ではXは−Zであり、そして−Zは−Hである。他の実施形態ではXは−Zであり、そして−Zは4−モルホリノカルボニルである。他の実施形態ではXは−Zであり、そして−Zはアセチルである。他の実施形態ではXは−Zであり、そして−Zはt−BocまたはFmocである。他の実施形態では、Yは−CHである。他の実施形態では、Mは−CH−である。なおさらなる実施形態では、kは1である。さらなる実施形態では、AおよびAは−CHCHCH−である。なおさらなる実施形態では、−CHCHCHCH−である。なおさらなる実施形態では、Rは−C1327である。さらにさらなる実施形態では、A、X、Z、Y、M、k、A、A、およびRの1個以上の特定の限定が組み合わされる。
これらの大員環ポリアミン類似化合物のさらなる実施形態では、Aは、C〜Cアルキルであり、Xは−NHZであり、そしてZは20種の遺伝コードアミノ酸(アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン,チロシン)のうちの一つ、式アセチル−SKLQL−のペプチド、式アセチル−SKLQ−β−アラニン−のペプチドまたは式アセチル−SKLQ−のペプチドから選択される。Zがアミノ酸またはペプチドである、これらの場合に、使用されようとしている治療剤は、ポリアミン−アミノ酸結合体またはポリアミン−ペプチド結合体である。
別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11047である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11093である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11144である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11150である。
別の実施形態では、本発明は、眼科疾患を処置する方法であって、治療上有効な量で、眼科疾患を有する被験体に、1種以上のポリアミン類似化合物を投与する工程を含む方法を包含する。好ましくは、ポリアミン類似化合物は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物である。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。眼科疾患は、黄斑変性であり得る。一つの実施形態では、眼科疾患は乾燥黄斑変性である。別の実施形態では、眼科疾患は湿潤性黄斑変性である。本発明の方法は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物であり得る、ポリアミン類似化合物を、網膜新生血管形成を減少させるため、網膜新生血管形成を抑制するため、または網膜新生血管形成の発達を遅延させるために十分な量で、投与する工程を包含する。本発明はまた、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、脈絡膜新生血管形成を減少させるため、脈絡膜新生血管形成を抑制するため、または脈絡膜新生血管形成の発達を遅延させるために十分な量で、投与する工程を包含する。本発明はまた、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、網膜新生血管形成の退縮または脈絡膜新生血管形成の退縮を引き起こすために十分な量で、投与する工程を包含する。本発明はまた、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、網膜新生血管形成を予防するためまたは脈絡膜新生血管形成を予防するために十分な量で、投与する工程を包含する。網膜新生血管形成または脈絡膜新生血管形成の減少、抑制、遅延、退縮または予防は、部分的にかまたは実質上完全にかのいずれでもあり得る。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11047である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11093である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11144である。別の実施形態では、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、CGC−11150である。
別の実施形態では、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、防止的(preventive)または予防的(prophylactic)手段として投与される。一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の炭素−炭素二重結合(エテニル基、C=C)によるものである。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物の唯一のコンホメーションの制約は、分子中の、シクロプロピル基などのシクロアルキル基によるものである。ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性(湿潤性黄斑変性を含む)に罹患する危険性のある患者に、種々の間隔でおよび種々の投与方法で、投与し得る。網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、それだけに限られるわけではないが、ブルーフ膜の破損または断裂、乾燥黄斑変性、大量のドルーゼン沈積物、柔らかいドルーゼン沈積物または大きな融合性のドルーゼン沈積物を有する患者が挙げられる。網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、黄斑における色素の変化または黄斑における色素脱失領域を有する患者もまた挙げられる。他の網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、黄斑変性の発達に関与する遺伝子の中に少なくとも一つの変異を有する、または黄斑変性の発達に関与する遺伝子の少なくとも一つのハイリスク対立遺伝子を有する患者もまた挙げられる。他の網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、PLEKHA1中に少なくとも一つの変異を有する、またはPLEKHA1の少なくとも一つのハイリスク対立遺伝子を有する患者;LOC387715中に少なくとも一つの変異を有する、またはLOC387715の少なくとも一つのハイリスク対立遺伝子を有する患者;および/または補体因子H(CFH)中に少なくとも一つの変異を有する、または補体因子H(CFH)の少なくとも一つのハイリスク対立遺伝子を有する患者;もまた挙げられる。他の網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、遺伝子ABCR、ABCA4、APOE、fibulin5(FBLN5)、FBLN6(Hemicentin−1)、ELOVL4、TLR4、PRSS11、GRK5および/またはRGS10中に少なくとも一つの変異を有する、または遺伝子ABCR、ABCA4、APOE、fibulin5(FBLN5)、FBLN6(Hemicentin−1)、ELOVL4、TLR4、PRSS11、GRK5および/またはRGS10の少なくとも一つのハイリスク対立遺伝子を有する患者もまた挙げられる。他の網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に罹患する危険性のある患者としては、少なくとも一人の血族の家族構成員が網膜新生血管形成、脈絡膜新生血管形成または黄斑変性に冒されている患者もまた挙げられる。
一つの実施形態では、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、眼科投与に適切な処方物中に存在し、この処方物は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物および眼科投与に適切な薬学的担体を含む。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、眼周囲投与に適切な処方物中に存在し、この処方物は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物および眼周囲投与に適切な薬学的担体を含む。別の実施形態では、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、眼周囲注射に適切な処方物中に存在し、この処方物は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物および眼周囲注射に適切な薬学的担体を含む。眼科処方物を、眼への局所適用によって、注射によって、投与し得、眼または眼に付随する組織の種々の位置に、例えば眼内の、硝子体内、後眼腔、硝子体、網膜下の、眼周囲の、眼球後の、結膜下のまたはテノン嚢下に外科的に移植し得る。一つの実施形態では、眼科処方物は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物および適切な緩衝液システムを含む。別の実施形態では、眼科処方物は、生理的平衡灌流液を含む。別の実施形態では、眼科処方物は、乳酸加リンガー液を含む。
一つの実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に1週間に約1回のペースで投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に2週間に約1回のペースで投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に3週間に約1回のペースで投与する工程を包含する。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の、眼周囲への投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の、眼周囲への注射を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11144の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11150の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11093の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11047の投与を含む。
別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の、持続的放出処方物での、投与を包含する。一つの実施形態では、持続的放出処方物は、眼中に移植される。別の実施形態では、持続的放出処方物は、眼周囲組織へ移植される。
別の実施形態では、本発明は、持続的放出処方物中のポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を包含し、持続的放出処方物または持続的放出デバイス中の、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を含む。別の実施形態では、本発明は、眼中または眼近傍での投与または移植のために適切な持続的放出処方物中のポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を包含し、眼中または眼近傍での投与または移植のために適切な、持続的放出処方物または持続的放出デバイス中の、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を含む。別の実施形態では、本発明は、眼周囲組織での投与または移植のために適切な持続的放出処方物中のポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を包含し、眼周囲組織での投与または移植のために適切な、持続的放出処方物または持続的放出デバイス中の、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を含む。
(発明の詳細な説明)
用語「眼の(眼科の)(ocular)」は、「眼の、眼に関係する、眼に関連する」を意味する。
「被験体」または「患者」は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに適用する。本明細書において説明されるまたは本明細書において参考として援用されるポリアミン類似化合物は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを処置するために使用される。
本発明の方法を用いて疾患を「処置すること(treating)」または「処置する(to treat)」とは、疾患かまたは疾患の症状かのいずれかを、緩和する、改善する、安定化する、逆転させる、遅くする、遅らせる、防ぐ、縮小する、または排除するために、または疾患または疾患の症状の進行を妨げるもしくは止めるために、1種以上のポリアミン類似化合物を、追加の処置剤有りか無しかで、投与することとして定義される。ポリアミン類似化合物の「処置上の使用(therapeutic use)」とは、上で定義されたように、疾患を処置するために、1種以上のポリアミン類似化合物を使用することとして定義される。「治療上有効な量(therapeutically effective amount)」とは、上で定義されたように、疾患を処置するのに十分な量である。予防または抑制は、部分的でも全体的でもあり得る。
「望ましくない細胞増殖(undesirable cell proliferation)」は、細胞が成長しまたは増殖する状態で、そのような成長または増殖が望ましくない(例えば、疾患または求められていない症状を引き起こす)あらゆる状態を意味する。一つの実施形態では、良性腫瘍は、望ましくない細胞増殖によって特色づけられる状態から除かれる。別の実施形態では、悪性(癌性)腫瘍は、望ましくない細胞増殖によって特色づけられる状態から除かれる。別の実施形態では、良性および悪性(癌性)の腫瘍の両方が、望ましくない細胞増殖によって特色づけられる状態から除かれる。
「新生血管形成(neovascularization)」は、毛細血管などの新しい血管の形成を意味する。新生血管形成は、創傷治癒中または胚発生中などのように、望ましい効果であり得る一方、いくつかの疾患で、例えば黄斑変性で(新生血管形成および/またはその後の新生血管からの漏出が、網膜機能の損傷へと導く)、望ましくない効果であり得る。
「ポリアミン類似化合物(polyamine analog)」は、スペルミンおよび/またはスペルミジンおよびこれらの前駆体、ジアミンプトレシンなどの天然に産するポリアミンと構造的に類似であるが同一ではない有機カチオンを意味する。当該分野でよく理解されている用語の「ポリアミン」は、生合成的にアミノ酸に由来する脂肪族の直鎖アミンの群のいずれかを意味する;ポリアミンは、Martonら(1995)Ann.Rev.Pharm.Toxicol.35:55−91において概説されている。ポリアミン類似化合物は、分枝でも非分枝でもあり得る。ポリアミン類似化合物は、これらに限られるわけではないが、BE−4444[1,19−ビス(エチルアミノ)−5,10,15−トリアザノナデカン];BE−333[N1,N11−ジエチルノルスペルミン;DENSPM;1,11−ビス(エチルアミノ)−4,8−ジアザウンデカン;テルミン(thermine);Warner−Parke−Davis];BE−33[N1,N7−ビス(エチル)ノルスペルミジン];BE−34[N1,N8−ビス(エチル)スペルミジン];BE−44[N1,N9−ビス(エチル)ホモスペルミジン];BE−343[N1,N12−ビス(エチル)スペルミン;ジエチルスペルミン−N1−N12;DESPM];BE−373[N,N’−ビス(3−エチルアミノ)プロピル)−1,7−ヘプタンジアミン,Merrell−Dow];BE−444[N1,N14−ビス(エチル)ホモスペルミン;ジエチルホモスペルミン−N1−N14];BE−3443[1,17−ビス(エチルアミノ)−4,9,14−トリアザヘプタデカン];およびBE−4334[1,17−ビス(エチルアミノ)−5,9,13−トリアザヘプタデカン];1,12−Me−SPM[1,12−ジメチルスペルミン]を包含する。Feuersteinら(1991);Gosuleら(1978)J.Mol.Biol.121:311−326;Beheら(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1619−23;Jainら(1989)Biochem.28:2360−2364;Basuら(1990)Biochem.J.269:329−334;Porterら(1988),Advances in Enzyme Regulation,Pergamon Press,pp.57−79;Frydmanら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9186−9191;およびFernandezら(1994)Cell Mol.Biol.40:933−944もまた参照せよ。
「コンホメーションが制約を受けた」とは、ポリアミン類似化合物において、分子中の少なくとも2個のアミノ基が、お互いに相対的に動けなく(locked)されるまたはお互いに相対的に空間的な立体配置を限定されることを意味する。分子中のアミノ基は第1級、第2級、第3級または第4級であり得、および好ましくは第1級または第2級アミノ基であり得、より好ましくは第2級アミノ基であり得る。2個のアミノ基の相対的動きを、例えば、それらの間に環状部分または不飽和部分を組み込むことによって制約し得る(これらに限られるわけではないが、3炭素環、4炭素環、5炭素環、6炭素環などの環が、炭素の二重結合または三重結合などの二重または三重結合がよい例である)。ポリアミンは、2個以上のアミノ基を大員環構造に組み込むことによってもまた、制約し得る。立体障害によってコンホメーションの柔軟性を制約するが、しかしそれでも化合物の処置効果には好ましい基もまた使用され得る。コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物は、少なくとも2個の、お互いに相対的にコンホメーションが制約を受けたアミノ基を含み得る;ポリアミン類似化合物はまた、さらに他のアミノ基に対して相対的にコンホメーションが制約を受けないアミノ基を含み得る。スペルミンおよびBE−444などの柔軟な分子は、無数のコンホメーションを有し得、そしてそれゆえコンホメーションは制約を受けない。コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物としては、これらに限られるわけではないが、国際特許出願公開第98/17624号、米国特許第5,889,061号および米国特許第6,392,098号において開示される化合物;国際公開第00/66587号および米国特許第6,794,545号において開示される化合物;ならびに米国特許出願公開第2003/0072715号、米国特許出願公開第2003/0195377号および国際特許出願公開第02/10142号および国際特許出願公開第03/050072号において開示される化合物が挙げられる。これらの化合物のいくつかが、下の表1に描かれている。これらに限られるわけではないが、これらの特許または特許出願の明細書、特許請求の範囲、表、実施例、図および図解を包含する、これらの特許または特許出願において開示される全てのポリアミン類似化合物(コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物およびコンホメーションが制約を受けていないポリアミン類似化合物の両方)を、本発明における有用な化合物として、本明細書において特別に参考として援用する。これらに限られるわけではないが、これらの特許または特許出願の明細書、特許請求の範囲、表、実施例、図および図解を包含する、これらの特許または特許出願において開示される、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、本発明において有用な好ましい化合物として、本明細書において特別に参考として援用する。
ある実施形態では、米国特許出願公開第2003/0130356号において開示される飽和オリゴアミンを眼科疾患の処置のために使用し得、そしてこれらに限られるわけではないが、この特許出願の明細書、特許請求の範囲、表、実施例、図および図解を包含する、この特許出願において開示される、全てのオリゴアミン化合物を、本発明における有用な化合物として、本明細書において特別に参考として援用する。
ある追加の実施形態では、米国特許第6,649,587号において開示されるポリアミン類似化合物−ペプチド結合体を眼科疾患の処置のために使用し得、そしてこれらに限られるわけではないが、この特許の明細書、特許請求の範囲、表、実施例、図および図解を包含する、この特許において開示される、全てのポリアミン類似化合物−ペプチド結合体を、本発明における有用な化合物として、本明細書において特別に参考として援用する。
ある追加の実施形態では、国際特許出願公開02/38105号において開示されるポリアミン類似化合物−アミノ酸結合体を眼科疾患の処置のために使用し得、そしてこれらに限られるわけではないが、この特許出願の明細書、特許請求の範囲、表、実施例、図および図解を包含する、この特許出願において開示される、全てのポリアミン類似化合物−アミノ酸結合体を、本発明における有用な化合物として、本明細書において特別に参考として援用する。
一つの好ましい、ポリアミン類似化合物およびコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の部分集合は、8個、10個、12個または14個の窒素原子を含有するものである。このような化合物としては、CGC−11144およびCGC−11150(それぞれSL−11144およびSL−11150としても知られる)が挙げられ、これらのそれぞれは10個の窒素を含有する。
別の好ましい、ポリアミン類似化合物およびコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の部分集合は、CGC−11093およびCGC−11047(それぞれSL−11093およびSL−11047としても知られる)として知られる化合物を含み、これらのそれぞれは4個の窒素を含有する。
本発明は、本明細書において説明され、本明細書において参考として援用される化合物の全て(本明細書において説明されまたは本明細書において参考として援用される化合物のいかなるおよび全ての立体異性体、塩、水和物および溶媒和物を包含する)の使用を包含する。本発明は、本明細書において説明されまたは本明細書において参考として援用される全ての化合物の非塩、非水和物/非溶媒和物形態での使用もまた包含する。薬学的に許容可能な塩が、特に好ましい。薬学的に許容可能な塩は、その遊離した塩基の生物学的活性を保持し、そして生物学的にまたは他の点で有害ではない塩である。望ましい塩を、当該分野の技術者に公知の方法によって、化合物を酸で処理することによって、調製し得る。無機酸の例としては、これらに限られるわけではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。有機酸の例としては、これらに限られるわけではないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、スルホン酸およびサリチル酸が挙げられる。化合物とアミノ酸の塩を、例えばアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩を調製し得る。
本発明はまた、化合物の、ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含む全ての立体異性体、加えて立体異性体の混合物(これに限られるわけではないが、ラセミ混合物を含む)も包含する。構造に立体化学が明確に示されない限り、構造は、叙述される化合物の全ての可能な立体異性体を包含することを意図する。
用語「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、環状およびこれらの組み合わせを含む飽和脂肪族基であって、指定された数の炭素原子を有し、またはもし数が指定されていない場合は、12個までの炭素原子を有する飽和脂肪族基をいい、アルキル基の好ましい部分集合はC−C12、C−C10、C−C、C−CおよびC−Cアルキル基を包含する。「直鎖アルキル」基または「直線状アルキル」基は、環状でもなく、分枝もしていない、通常「n−アルキル」基として示されるアルキル基をいう。アルキル基の例としては、これらに限られるわけではないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ネオペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびアダマンチルなどの基が挙げられる。環状基は一つの環から(これに限られるわけではないが、シクロヘプチルなどの基が挙げられる)、または複数の縮合した環(これらに限られるわけではないが、アダマンチルまたはノルボルニルなどの基が挙げられる)からなり得る。
「置換アルキル(substituted alkyl)」は、1個以上の置換基で置換されたアルキル基をいい、置換基は、これらに限られるわけではないが、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード)、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、チオアルコキシ、カルボキシアルデヒド、カルボアルコキシおよびカルボキシアミドなどの基、または、もし本発明の目的のために必要ならば、保護基で適切にブロックし得る官能基を包含する。置換アルキル基の例としては、これらに限られるわけではないが、−CF、−CF−CFならびに他のペルフルオロ基およびペルハロ基が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル」は、特に、指定された数の炭素原子を有し、1個の−OH基で置換されたアルキル基をいう。このように、「C直線状ヒドロキシアルキル」は、−CHCHCHOH−、−CHCHOHCH−および−CHOHCHCH−をいう。
用語「アルケニル」は、直鎖(直線状)基、分枝鎖基、環状基およびこれらの組み合わせを含む不飽和脂肪族基であって、指定された数の炭素原子を有し、またはもし数が指定されていない場合は、12個までの炭素原子を有し、少なくとも1個の二重結合(−C=C−)を含有する不飽和脂肪族基をいう。アルケニル基の例としては、これらに限られるわけではないが、−CH−CH=CH−CH;および−CH−CH−シクロヘキセニル(ここでエチル基は、シクロヘキセニル部分とそのどれかの利用可能な炭素原子価で結合し得る)が挙げられる。用語「アルキニル」は、直鎖(直線状)基、分枝鎖基、環状基およびこれらの組み合わせを含む不飽和脂肪族基であって、指定された数の炭素原子を有し、またはもし数が指定されていない場合は、12個までの炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合(−C≡C−)を含有する不飽和脂肪族基をいう。「炭化水素鎖」または「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、直鎖、分枝鎖または環状のいかなる組み合わせのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基、およびこれらのいかなる組み合わせをいう。「置換されたアルケニル」、「置換されたアルキニル」および「置換された炭化水素鎖」または「置換されたヒドロカルビル」は、1個以上の置換基で置換されたそれぞれの基をいい、置換基は、これらに限られるわけではないが、ハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、チオアルコキシ、カルボキシアルデヒド、カルボアルコキシおよびカルボキシアミドなどの基、または、もし本発明の目的のために必要ならば、保護基で適切にブロックされ得る官能基を包含する。
「アリール(Aryl)」または「Ar」は、単一の環(これに限られるわけではないが、フェニルなどの基が挙げられる)または複数の縮合環(これらに限られるわけではないが、ナフチルまたはアントリルなどの基が挙げられる)を有する芳香族炭素環基(aromatic carbocyclic group)をいい、そして非置換および置換アリール基を包含する。「置換されたアリール」は、1個以上の置換基で置換されたアリールをいい、置換基は、これらに限られるわけではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、炭化水素鎖、ハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、チオアルコキシ、カルボキシアルデヒド、カルボアルコキシおよびカルボキシアミドなどの基、または、もし本発明の目的のために必要ならば、保護基で適切にブロックされ得る官能基を包含する。
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、指定された数の炭素原子を含有し(またはもし数が指定されていない場合は、12個までの炭素原子を有し)、1個以上のヘテロ原子を、その基の主鎖、分枝鎖または環状鎖の部分として含有する、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基をそれぞれいう。ヘテロ原子としては、これらに限られるわけではないが、N、S、OおよびPが挙げられ;NおよびOが好ましい。ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基およびヘテロアルキニル基は、分子の残りの部分に、ヘテロ原子(もし原子価が利用可能であるなら)においてか、または炭素原子においてかのいずれかで結合され得る。ヘテロアルキル基の例としては、これらに限られるわけではないが、−O−CH、−CH−O−CH、−CH−CH−O−CH、−S−CH−CH−CH、−CH−CH(CH)−S−CH、−CH−CH−NH−CH−CH−、1−エチル−6−プロピルピペリジノ、2−エチルチオフェニルおよびモルホリノなどの基が挙げられる。ヘテロアルケニル基の例としては、これに限られるわけではないが、−CH=CH−NH−CH(CH)−CH−などの基が挙げられる。「ヘテロアリール(Heteroaryl)」または「HetAr」は、単一の環(これに限られるわけではないが、ピリジル、チオフェンまたはフリル(furyl)などの例が挙げられる)または複数の縮合環(これらに限られるわけではないが、イミダゾーリル、インドリジニルまたはベンゾチエニルなどの例が挙げられる)を有し、これらに限られるわけではないが、N、O、PまたはSなどのヘテロ原子を含む少なくとも1個のヘテロ原子を環内に有する、芳香族炭素環基をいう。別なふうに指定されない限り、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基およびヘテロアリール基は、1個および5個の間のヘテロ原子ならびに1個および12個の間の炭素原子を有する。「置換されたヘテロアルキル」基、「置換されたヘテロアルケニル」基、「置換されたヘテロアルキニル」基および「置換されたヘテロアリール」基は、1個以上の置換基で置換されたヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基およびヘテロアリール基をいい、置換基は、これらに限られるわけではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ベンジル、炭化水素鎖、ハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、チオアルコキシ、カルボキシアルデヒド、カルボアルコキシおよびカルボキシアミドなどの基、または、もし本発明の目的のために必要ならば、保護基で適切にブロックされ得る官能基を包含する。このような置換されたヘテロアルキル基の例としては、これらだけに限られるわけではないが、窒素または炭素においてフェニル基またはベンジル基で置換され、分子の残りのものへは炭素または窒素上のどんな利用可能な原子価によっても結合するピペラジン、−NH−SO−フェニル、−NH−(C=O)O−アルキル、−NH−(C=O)O−アルキル−アリールおよび−NH−(C=O)−アルキルが挙げられる。もし化学的に可能であるならば、基のヘテロ原子および炭素原子は置換され得る。もし化学的に可能であるならば、ヘテロ原子はまた酸化型であり得る。
用語「アルキルアリール」は、1個、2個または3個のアリール基に付けられた、指定された数の炭素原子を有するアルキル基をいう。
用語「アルコキシ」は、本明細書において使用されるときは、酸素原子に結合するアルキル鎖、アルケニル鎖、アルキニル鎖または炭化水素鎖であって、指定された数の炭素原子を有し、またはもし数が指定されていない場合は、12個までの炭素原子を有するアルキル鎖、アルケニル鎖、アルキニル鎖または炭化水素鎖をいう。アルコキシ基の例としては、これらに限られるわけではないが、メトキシ、エトキシおよびt−ブトキシなどの基が挙げられる。
用語「アルカノエート」は、本明細書において使用されるときは、アセテート(CHC(=O)−O(−1))、プロピオネート(CHCHC(=O)−O(−1))その他などのイオン化したカルボン酸基をいう。「アルキルアルカノエート」は、酢酸エチル(CHC(=O)−O−CHCH)などの、アルコキシ基でエステル化されたカルボン酸をいう。「ω−ハロアルキルアルカノエート」は、カルボキシル基から最も離れたアルカノエート炭素原子上にハロゲン原子を有するアルキルアルカノエートをいう;このように、ω−ブロモプロピオン酸エチル(ethyl ω−bromo propionate)は、3−ブロモプロピオン酸エチル(ethyl 3−bromopropionate)のことをいい、ω−クロロn−酪酸メチル(methyl ω−chloro n−butanoate)は、4−クロロn−酪酸メチル(methyl 4−chloro n−butanoate)のことをいうなどである。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書において使用されるときは、Cl、Br、FまたはI置換基のことをいう。
「保護基」は、以下の特徴を示す化学基のことをいう:1)高収量で望ましい官能基と選択的に反応し、保護が望ましい計画された反応に対して安定な保護されたサブストレートを与える;2)保護されたサブストレートから選択的に除去可能な望ましい官能基をもたらす;3)このような計画された反応中に存在しまたは発生するその他の官能基と適合性の試薬によって高収量で除去可能である。適切な保護基の例を、Greeneら(1991)Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Ed.(John Wiley & Sons,Inc.,New York)に見出し得る。アミノ保護基としては、これだけに限られるわけではないが、メシチレンスルホニル(Mes)、ベンジルオキシカルボニル(CBzまたはZ)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、t−ブチルジメチルシリル(TBDIMSまたはTBDMS)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トシル、ベンゼンスルホニル、2−ピリジルスルホニル、または、6−ニトロベラトリルオキシ(6−nitroveratryloxy)カルボニル(Nvoc)、ニトロピペロニル、ピレニルメトキシカルボニル(pyrenylmethoxycarbonyl),ニトロベンジル、ジメチルジメトキシベンジル、5−ブロモ−7−ニトロインドリニルその他などの、適切な光不安定性保護基が挙げられる。ヒドロキシル保護基としては、これらに限られるわけではないが、Fmoc、TBDIMS、光不安定性保護基(ニトロベラトリルオキシメチルエーテル(Nvom)など)、Mom(メトキシメチルエーテル)、ならびにMem(メトキシエトキシメチルエーテル)、NPEOC(4−ニトロフェネチルオキシカルボニル)およびNPEOM(4−ニトロフェネチルオキシメチルオキシカルボニル)が挙げられる。
本発明において有用な化合物の例が表1に示されている。化合物のいくつかは、塩酸塩などの、塩として示されているが、当業者によってよく理解されているように、表中の開示は、そこに示される化合物の全ての塩、水和物および溶媒和物、ならびに化合物の非塩形態、非水和物形態/非溶媒和物形態を包含することが理解されるべきである。表1は、コンホメーションが制約を受けていないポリアミン類似化合物およびコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の両方を包含する。両方の型のポリアミン類似化合物が、本発明において有用であるが、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が本発明における使用には好ましい。
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(眼科疾患)
本発明は、種々の眼科疾患を処置する方法を包含する。これらの疾患は、これらに限られるわけではないが、網膜の新生血管形成、角膜の新生血管形成(トラコーマ、感染症、炎症、移植または外傷によって引き起こされるものなど)、増殖性硝子体網膜症、糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜水腫、糖尿病性黄斑水腫、虚血性網膜症、高血圧性網膜症、閉塞性網膜症、網膜血管疾患、支脈または主要脈静脈閉塞、網膜動脈閉塞による新生血管形成、眼虚血性症候群または頚動脈疾患、脈管炎、類嚢胞黄斑水腫、傍中心窩毛細血管拡張症または細動脈瘤、放射線網膜症、鎌状赤血球網膜症、コーツ病(網膜毛細血管拡張症)などの周辺部網膜新生血管形成、未熟児網膜症、外傷後の新生血管形成、感染後の新生血管形成、移植後の新生血管形成、網膜剥離または網膜変性後の新生血管形成、緑内障に関与する新生血管形成(前房および/または前房隅角新生血管形成など)、脈絡膜新生血管形成(CNV)および網膜下新生血管形成を包含する、眼の部位における新生血管形成または他の望ましくない成長によって特色付けられる疾患を含む。新生血管形成に終わり得る他の疾患としては、眼の裂傷または眼の穿刺、眼内異物、および眼を損傷するレーザー光または他の放射への曝露が挙げられる。本発明の方法によって処置され得る一つの特定の疾患が、加齢性黄斑変性を含む、黄斑変性である。「乾燥」黄斑変性および「湿潤性」黄斑変性の両方が、本発明の方法によって処置され得る。
乾燥黄斑変性は、ドルーゼン沈積物がブルーフ膜および網膜色素上皮の正常機能を妨げる場合に起こる。ドルーゼン沈積物の上に横たわる網膜細胞は萎縮し、その結果視覚の喪失となる。ドルーゼン沈積物は癒着して、より大きなドルーゼン斑となり得、広範囲の網膜の萎縮を引き起こす;この過程は「ジオグラフィックアトロフィー(geographic atrophy)」として知られる。ドルーゼン沈積物、特に「軟性」ドルーゼン沈積物(軟性ドルーゼン沈積物は、鮮明で、明確な境界を有する硬性ドルーゼン沈積物と比較すると、不明確な縁を有するドルーゼン沈積物である)を有する患者もまた、湿潤性黄斑変性を発達させる危険性がある。他の危険因子としては、黄斑または黄斑中の色素脱失領域中の色素変化が挙げられる。
湿潤性黄斑変性は、新生血管形成が黄斑の後ろで起こる場合に、起こる。新生血管は、過度に透過性があり、そして新生血管組織からの漏出および出血は、黄斑にひどい損傷を引き起こす。
ポリアミンが、レーザーによって誘起されたブルーフ膜の傷害後の新生血管形成を、抑制または予防し得ることが、実験によって証明された(下の、実施例を参照のこと;実施例では「抑制(suppression)」は「予防(prevention)」と同じ意味合いで使用されている)。破損はしばしば、加齢したブルーフ膜中で起こるので、被験体または患者がブルーフ膜中に破損を呈するときは、ポリアミンは、その被験体または患者の黄斑変性を抑制または予防するために、予防的に使用され得る。ポリアミンは、例えば大量のドルーゼン沈積物、大きい融合性のドルーゼン沈積物または軟性ドルーゼン沈積物などの、黄斑変性を発達させる危険性と関係のある他の特徴を見せる患者にもまた、予防的に使用され得る。乾燥黄斑変性を呈する患者における、湿潤性新生血管形成の発達の増加した危険性を考慮すれば、乾燥黄斑変性は、本発明の化合物を用いて、これらの化合物の抑制特性および予防特性を考えて、新生血管形成および湿潤性黄斑変性を抑制または予防するために、処置され得る。
黄斑変性について同定された他の危険因子としては、PLEKHA1、LOC387715および補体因子H(CFH)の3種の遺伝子の特定の対立遺伝子変異体が挙げられる。特に、これらの遺伝子の2種の一塩基多型が関与している:LOC387715のAla69SerおよびCFHのTyr402Hisである。Jakobsdottirら,Am.J.Hum.Genet.77:389−407(2005);RiveraらHum.Mol.Genet.,2005年9月20日の印刷物の出版の前の電子出版;doi:10.1093/hmg/ddi353 at World−Wide Web address hmg.oxfordjournals(.org)を参照のこと。Riveraらのデータでは、CFHおよびLOC387715の両方で危険対立遺伝子がホモ接合の個体で、ベースラインの非危険遺伝子型と比較した場合、57.6の疾患のオッズ比が示されている。これらのより高い危険性の対立遺伝子の一つまたは両方でヘテロ接合またはホモ接合の個体、および特に、より高い危険性の対立遺伝子の一つまたは両方についてホモ接合の個体は、本発明の化合物を用いた予防的処置の良い候補である。黄斑変性についてより高い危険性がある他の個体としては、例えばABCA4などのABCR(Allikmetsら,Science 277:1805−1807(1997))、APOE(Klaverら,Am.J.Hum.Genet.63:200−206(1998))、fibulin5(FBLN5)(Stoneら,N.Engl.J.Med.,351:346−353(2004))、FBLN6(Hermicentin−1)(Schultzら,Hum.Mol Genet.12:3315−3323(2003))、ELOVL4(Conleyら,Hum.Mol.Genet.14:1991−2002(2005))、およびTLR4(Zareparsiら,Hum.Mol.Genet.14:1449−1455(2005))に、変異またはより高い危険性の対立遺伝子を有する個体が挙げられる。
(投与の様式)
本発明の方法において有用な化合物は、患者または被験体に(好ましくはヒトの患者または被験体に)、これらだけに限られるわけではないが、本明細書において開示されるものを含む、当該分野で公知のいかなる経路を経ても投与し得る。投与の方法としては、これらに限られるわけではないが、全身性の、経胸膜の、静脈内の、経口の、動脈内の、筋肉内の、局所の、吸入(噴霧またはスプレー)を経た、鼻粘膜を経た、皮下の、皮膚を通した、腹腔内の、胃腸の、および眼または眼を取り巻く組織に直接のものが挙げられる。使用のために本明細書において説明されるまたは参考として援用される化合物は、錠剤、丸剤、粉剤混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射可能薬物、クリーム、溶液、坐剤、乳剤、分散剤、食事のための混合物、および他の適切な形態の形態で投与し得る。これらの化合物は、リポソーム処方物でも投与し得る。化合物はプロドラッグとしても投与し得、プロドらッグは、処置された被験体中で治療上有効な形態へと変換を受ける。追加の投与方法が当該分野において公知である。
好ましい投与の経路は、眼または眼に結合する組織へである。化合物は、例えば点眼剤または洗眼薬で、眼へ局所的に投与され得る。化合物は、眼への(眼内注射)または眼に結合する組織への注射を経ても投与され得る。化合物は、結膜下注射、隔膜を通した注射、硝子体内注射、経胸膜注射、網膜下注射、眼周囲注射、テノン嚢下注射または眼球後注射を経て投与され得る。化合物は、被験体または患者へ、移植片としても投与され得る。好ましい移植片は、化合物をある期間にわたって徐々に放出する、生物適合性および/または生分解性の持続性放出処方物である。薬剤送達のための眼移植片は、当該分野で周知である;例えば、米国特許第5,501,856号、米国特許第5,476,511号および米国特許第6,331,313号を参照のこと。化合物を被験体または患者に、イオン導入法を使用しても投与し得る。イオン導入法は、これらに限られるわけではないが、米国特許第4,454,151号ならびに米国特許出願公開第2003/0181531号および米国特許出願公開第2004/0058313号に説明されているイオン導入法を含む。
本発明において使用される化合物を含有する薬学的投与形態は、非毒性薬学有機担体または非毒性薬学無機担体と、便利に混ぜられる。典型的な薬学的に許容可能な担体としては、例えば、マンニトール、尿素、デキストラン、乳糖、ジャガイモおよびトウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、エチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、炭酸カルシウム、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、安息香酸ベンジル、炭酸ナトリウム、ゼラチン、炭酸カリウム、ケイ酸および他の従来から使用される許容可能な担体が挙げられる。薬学的投与形態は、乳化剤、保存剤または湿潤剤その他などの、非毒性の補助物質も含有し得る。適切な担体は、過度の副作用を起こさず、しかし化合物に生体内においてその薬理学的活性を保持させるものである。腸管外および非腸管外の薬剤送達のための処方物は、当該分野に公知であり、そしてRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott,Williams & Willkins(2000)に示される。錠剤、カプセル剤および粉剤などの固体形態を、当該分野で周知である、従来の錠剤化およびカプセル充填機械装置を使用して作り得る。単位用量提供形態での経口投与のための錠剤およびカプセル剤を含む、固体投与形態は、当該分野で公知のいかなる数の追加の非活性成分を含有し得、追加の非活性成分は、補形剤;乾燥剤;着色料;結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼらチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドンなど;充填剤、例えば乳糖、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシンなど;錠剤化潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカなど;錠剤分解物質、例えばジャガイモデンプン;または許容可能な潤滑剤、らウリル硫酸ナトリウムなど、などの従来の添加剤を含む。錠剤は、標準的製薬実践において周知である方法によって被覆し得る。摂取のための液体形態は、滅菌水、滅菌食塩水、懸濁剤、水中油エマルジョンおよび/または油中水エマルジョン、その他などの水性および非水性担体を含む、公知の液体担体を使用して処方し得る。液体処方物は、着色料、芳香剤、調味料、粘度修飾物質、保存料、安定剤その他を含む、いかなる数の追加の非活性成分もまた含有し得る。非経口投与については、本発明において使用される化合物は、追加の界面活性剤またはアジュバント有りまたは無しの、水、食塩水または油などの、生理学的に許容可能な希釈液または滅菌液体担体中の、化合物溶液または化合物懸濁液の注射可能投与物として、投与され得る。担体油の例示的リストは、動物および植物油(例えば、ピーナッツ油、大豆油など)、石油由来油(例えば鉱油など)および合成油を含む。
注射可能単位投与物については、水、生理食塩水、D−グルコースおよび関連する糖の溶液などの滅菌液体が、好ましい液体担体である。眼への投与については、ポリアミン類似化合物を、当該分野において公知の方法に従い、眼科投与のために適切な組成物として処方する。
本発明の化合物を、適切な眼科処方物で、溶液、懸濁液またはエマルジョン(分散液)として投与し得る。適切な緩衝液システム(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウムなど)を、加え得る。化合物のための眼科処方物の一部分としての、生理学的にバらンスの取れた灌注溶液を、組成物を眼内にまたは眼周囲に投与する場合に、使用し得る。本明細書で使用されるとき、用語「生理学的にバらンスの取れた灌注溶液」は、侵襲性または非侵襲性の医学的処置の間、組織の物理的構造および機能を維持するのに適合した溶液を意味する。この型の溶液は典型的に、電解質、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび/または塩化物など;エネルギー源、例えばD−グルコースなど;および生理学的レベルかまたはその近くに溶液のpHを維持する緩衝液、を含有する。この型の種々の溶液が公知である(例えば、乳酸加リンガー液)。BSS Registered TM Sterile Irrigating Solution およびBSS Plus Registered TM Sterile Intraocular Irrigating Solution(Alcon Laboratories,Inc.,Fort Worth,Tex.,USA)が、生理学的にバランスの取れた眼内灌注溶液の例である。
本発明の化合物は、局所眼科処方物として投与され得、眼科的に許容可能な保存料、界面活性剤、粘度増化剤、緩衝液、塩化ナトリウムおよび水を含み得、水性の滅菌眼科溶液および懸濁液を形成し得る。滅菌眼科ゲル処方物を、例えば類似の眼科調製物のための公開された処方に従った、Carbopol(登録商標)940(B.F.Goodrich Companyから入手可能なカルボキシビニルポリマー)の組み合わせから調製される親水性塩基中に化合物を懸濁することによって調製し得る。保存料および張度調整剤を、このようなゲル処方物に組み込み得る。
選択された薬学的単位投与物は、好ましくは、血中かまたは眼の組織および/または眼に結合する組織中かのいずれかで、薬剤が限定された最終濃度を与えるように、作られそして投与される。本発明の化合物の最適有効濃度は、経験的に決定され、そして疾患のタイプおよび重症度、投与経路、疾患の進行および健康状態、患者の質量および体面積に依存する。このような決定は、当業者の技術の範囲内である。全身性投与のために使用し得る投与量の例としては、これらだけに限られるわけではないが、約0.1μg/kg〜約300mg/kgの投与量範囲内の、または約1.0μg/kg体重〜約40mg/kg体重の範囲内の、または約10μg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲内の、または約0.1mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲内の、または約1mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲内の、または約0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲内の、または約1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲内の、または約0.1μg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲内の、有効量が挙げられる。体表面積(平方メートルまたはmで表す)に基づいた場合の、全身性投与のために使用し得る投与量の例としては、これらに限られるわけではないが、約0.1μg/m体表面積〜約300mg/m体表面積の投与量範囲内の、または約10μg/m体表面積〜約300mg/m体表面積の範囲内の、または約100μg/m体表面積〜約300mg/m体表面積の範囲内の、または約1mg/m体表面積〜約300mg/m体表面積の範囲内の、または約10mg/m体表面積〜約300mg/m体表面積の範囲内の、または約10mg/m体表面積〜約200mg/m体表面積の範囲内の、または約10mg/m体表面積〜約120mg/m体表面積の範囲内の、または約40mg/m体表面積〜約120mg/m体表面積の範囲内の、または約60mg/m体表面積〜約100mg/m体表面積の範囲内の、有効量が挙げられる。眼内および硝子体内の投与または注射については、使用し得る投与量の例としては、これらに限られるわけではないが、1眼につき約1μg、約5μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約50μg、約75μg、約100μg、約200μg、約300μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、または約5mgのいずれかである。眼周囲の投与または注射については、使用し得る投与量の例としては、これらに限られるわけではないが、1眼につき約25μg、約50μg、約100μg、約150μg、約200μg、約250μg、約300μg、約350μg、約400μg、約500μg、約600μg、約700μg、約750μg、約800μg、約900μg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、または約50mgのいずれかである。投与量は、毎日の単一回の用量で投与し得、または毎日の全投与量を、毎日2回、3回または4回の投与に分割して投与し得る。投与量は毎日よりもより少ない頻度でも投与し得、例えば、1週間に6回、1週間に5回、1週間に4回、1週間に3回、1週間に2回、1週間に約1回、2週間毎に約1回、3週間毎に約1回、4週間毎に約1回、6週間毎に約1回、2ヶ月毎に約1回、3ヶ月毎に約1回、4ヶ月毎に約1回、6ヶ月毎に約1回で投与し得る。
一つの実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に、1週間に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に、2週間毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に、3週間毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に、1ヶ月に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約2ヶ月〜約12ヶ月の間に、2ヶ月毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約3ヶ月〜約12ヶ月の間に、3ヶ月毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約4ヶ月〜約12ヶ月の間に、4ヶ月毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約5ヶ月〜約15ヶ月の間に、5ヶ月毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、約6ヶ月〜約12ヶ月の間に、6ヶ月毎に約1回投与する工程を包含する。別の実施形態では、本発明は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、限界のない期間または特定の臨床上の終了点を満たすまで、1週間に約1回、2週間毎に約1回、3週間毎に約1回、1ヶ月に約1回、2ヶ月毎に約1回、3ヶ月毎に約1回、4ヶ月毎に約1回、5ヶ月毎に約1回、6ヶ月毎に約1回、投与する工程を包含する。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の眼周囲への投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の眼周囲への注射を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11047の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11093の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11144の投与を含む。別の実施形態では、前述の投与レジメンは、CGC−11150の投与を含む。
一つの実施形態では、本発明は、望ましくない細胞増殖または新生血管形成を処置するのに、および特に黄斑変性を、特に湿潤性黄斑変性を処置するために有用であるものとして、本明細書において開示される化合物の眼科処方物を包含する。眼科処方物を、眼への局所適用によって、注射によって投与し得、または、例えば眼内、硝子体内、硝子体眼房、硝子体、網膜下、眼周囲、眼球後、結膜下またはテノン嚢下などの眼または眼に結合する組織中の種々の位置に、外科的に移植し得る。一つの実施形態では、眼科処方物は、ポリアミン類似化合物またはコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物および適切な緩衝液システムを含む。別の実施形態では、眼科処方物は生理学的にバランスの取れた灌注溶液を含む。別の実施形態では、眼科処方物は乳酸加リンガー溶液を含む。
本発明の一つの実施形態では、投与物は、持続性放出処方物でまたは持続性放出移植片で、例えば、本発明において使用される化合物をある期間にわたって徐々に放出し、および例えば1ヶ月に約1回の、2〜6ヶ月毎に約1回の、毎年約1回のまたは繰り返す必要のない単一回の投与などのようにより低頻度で、薬剤を投与することを可能にする移植片などで、投与し得る。持続性放出移植片、持続性放出デバイスまたは持続性放出処方物(小丸剤、ミクロスフェアその他など)を、眼への局所適用によって、注射によって投与し得、または、例えば眼内、硝子体内、硝子体眼房、硝子体、網膜下、眼周囲、眼球後、結膜下またはテノン嚢下などの眼または眼に結合する組織中の種々の位置に、外科的に移植し得る。持続性放出処方物は、イオン導入法と組み合わせ得る。
本発明において使用される化合物はただ一つの活性成分として投与し得るか、または別の活性成分と組み合わせて投与し得る。一つの実施形態では、D,L−α−ジフルオロメチル−オルニチンが、別の活性成分として使用される。別の実施形態では、L−α−ジフルオロメチル−オルニチンが、別の活性成分として使用される。別の実施形態では、D−α−ジフルオロメチル−オルニチンが、別の活性成分として使用される。
(キット)
本発明は、製造品および眼科疾患を処置するために有用な材料を含有するキットもまた提供する。製造品はらベルを有する容器を含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、ガラス瓶および試験管が挙げられる。容器は、ガらスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成し得る。容器は、眼科疾患を処置するために有効な活性因子を有する組成物を保持する。組成物中の活性因子は、1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物であり、好ましくは1種以上の、本明細書において開示されるまたは本明細書において参考として援用される、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物である。容器上のラベルは、組成物が、黄斑変性などの眼科疾患を処置するために使用されることを示し、そして使用法もまた示し得る。容器は、目薬のためのボトルなどの、眼への組成物の投与に適合した容器であり得る。容器は、眼へのまたは眼周囲組織などの眼を囲む組織への、移植または注射のために適合した容器またはユニットでもあり得る。容器中に存在する組成物は、本明細書において説明される眼科処方物または組成物のいずれでも含み得る。
本発明は、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物の1種以上のどれでもを含むキットも提供する。いくつかの実施形態では、本発明のキットは、上記の容器を含む。他の実施形態では、本発明のキットは、上記の容器および緩衝液を含む第2の容器を含む。これはさらに、他の緩衝液、希釈液、濾過器、針、注射器および本明細書において説明されるいずれの方法(眼科疾患、例えば黄斑変性を処置するための方法)を実行するための使用説明書を有するパッケージ挿入物を含む、商業的および使用者の見地から望ましい他の材料を包含し得る。キット中に存在する組成物は、本明細書において説明される眼科処方物または組成物のどれでもを含み得る。
他の局面では、キットを、本明細書において説明されるいずれかの方法(例えば、眼科疾患を患う患者または被験体を処置する方法を含む)のために、使用し得る。いくつかの実施形態では、眼科疾患は、黄斑変性である。キットは、本明細書において説明される方法のいずれかを実行するための使用説明書を含み得る。
以下の実施例は、本発明の種々の実施形態を例示するために提供され、どのような様式でも本発明を限定することは意図されない。
以下の実施例のいくつかにおいて使用されるデカミン(decamine)、CGC−11144およびCGC−11150(以前はSL−11144およびSL−11150)を、以前に記載されているようにして(米国特許第6,794,545号;Valasinasら,Bioorg.Med.Chem.11:4121−4131(2003);Bacchiら,Antimicrob.Agents Chemother.46:55−61(2002))合成した。因子を、注射のために、リン酸緩衝溶液(PBS)中で希釈した。D,L−α−ジフルオロメチル−オルニチン(DFMO)は、Sigma(St.Louis,MO)から入手した。
(実施例1)
(脈絡膜新生血管形成(CNV)のマウスモデル:レーザーによって誘起されたCNV)
マウスは、Association for Research in Vision and Ophthalmologyの勧告およびU.S.National Institutes of Health Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに従って、処置した。ブルーフ膜のレーザー光凝固誘起断裂を、CNVを発生するのに使用した(Tobe T.ら,Am J Pathol 153:1641−1646(1998)を参照のこと)。手短に言えば、6〜8週齢のメスC57BL/6Jマウスを、塩酸ケタミンで(100mg/kg体重)麻酔し、そして瞳孔を1%トロピカミド(Alcon Labs,Inc.,Forth Worth,TX)で拡張した。各網膜に3ヶ所の焼け焦がしの532nmダイオードレーザー光凝固(スポットサイズが75μm、照射時間が0.1秒、120mW)を、OcuLight GL Photocoagulator(Iridex,Mountain View,CA)のスリットランプデリバリーシステム(slit lamp delivery system)およびコンタクトレンズとしてハンドヘルドのカバースライドグらスを使用して、与えた。焼け焦がしは、網膜後極の9時、12時および3時の位置に行った。レーザー照射時の泡の生成は、ブルーフ膜の断裂を示し、CNVを得るのに重要な要因であるので(Tobe T.ら,Am J Pathol 153:1641−1646(1998))、泡が生成した焼け焦がしのみを含めた。
ブルーフ膜を断裂した2週間後に、マウスを麻酔にかけ、そしてフルオレセインでらベルしたデキストらン(平均分子量が2x10、Sigma、St.Louis、MOから)を灌流し、そして以前に記載されているようにして(Nambuら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.44:3650−3655(2003))脈絡膜の平らな顕微鏡標本を調製した。手短に言えば、眼を取り出し、10%のホルマリンのリン酸緩衝溶液中で1時間固定し、そして角膜および水晶体を除去した。網膜全体を注意して眼カップ(eyecup)から切開し、眼カップの縁から赤道まで、全部で4個の四分円として、放射状に切り、そしてそれをAquamount中に平らにマウントした。平らな顕微鏡標本は、Axioskop microscope(Zeiss、Thornwood、NY)を使用して蛍光顕微鏡検査法によって検査し、そしてイメージは3CCD color video camera(IK−TU40A、Toshiba、Tokyo、Japan)およびframe grabberを使用してディジタル化した。Image−Pro Plusソフトウェア(Media Cybernetics、Silver Spring、MD)を、各CNV病変の面積を測定するために使用した。統計学的比較を、linear mixed model(Verbeke and Molenberghs,Linear Mixed Models for Longitudinal Data.New York,Springer−Verlag,Inc.,2000,pp93−120)を使用して行った。このモデルは、分散分析(ANOVA)に類似しているが、同じマウスからの測定値間の相関を計算に入れることで、マウス平均CNV面積についてよりも、各マウスからの全てのCNV面積測定値の分析を可能にしている。このモデルのANOVAに勝る利点は、これは、マウス間で異なる数の観測があることから生じる、マウス特異的平均測定値における異なる精度を計算に入れている点である。処理の比較のためのP値を、Dunnettの方法を使用した多重比較のために調整した。
(実施例2)
(CGC−11144およびCGC−11150の腹腔内(ip)投与)
腹腔内(ip)注射の効果を調査するために4つの独立した実験を行った:(1)8頭のマウスに週2回の10mg/kgのCGC−11144のip注射を与え、そして8頭のマウスに週2回の賦形剤のip注射を与えた、(2)10頭のマウスに週3回の20mg/kgのCGC−11144のip注射を与え、そして8頭のマウスに週3回の賦形剤のip注射を与えた、(3)8頭のマウスに週2回の10mg/kgのCGC−11150のip注射を与え、そして8頭のマウスに週2回の賦形剤のip注射を与えた、(4)10頭のマウスに週3回の20mg/kgのCGC−11150のip注射を与え、そして9頭のマウスに週3回の賦形剤のip注射を与えた。
週2回の10mg/kgのCGC−11144(図1A)またはCGC−11150(図1C)の腹腔内(ip)注射に、マウスはよく耐え、そして注射はCNV病変のサイズの統計学的に有意な減少を引き起こした。週2回の20mg/kgのCGC−11144(図1B)またはCGC−11150(図1D)の腹腔内注射には、マウスはあまりよく耐えられずに、数匹のマウスが2週間の処理期間の間に死んだ。生き残ったマウスは、賦形剤を注射された対照に比較して、CNV病変サイズは、小さい統計学的に有意な減少を示した;減少は、10mg/kgの用量で見られた減少に匹敵した。
(実施例3)
(CGC−11144およびCGC−11150の硝子体内投与)
硝子体内注射の効果を調査するために2つの独立した実験を行った:(1)ブルーフ膜の断裂後0日目および7日目に、10頭のマウスの片眼に20μgのCGC−11144の注射を与え、そしてもう片方の眼に賦形剤の注射を与えた、(2)ブルーフ膜の断裂後0日目および7日目に、10頭のマウスの片眼に20μgのCGC−11150の注射を与え、そしてもう片方の眼に賦形剤の注射を与えた。
ポリアミン類似化合物の硝子体内注射は、ブルーフ膜断裂部位においてCNVの実質上の減少を引き起こす。処置を受けていない眼は、ブルーフ膜の断裂後14日目で、矛盾がない量のCNVを有した(図2Aおよび図2D)。他のマウスは、ブルーフ膜のレーザー誘起断裂直後およびレーザーの7日後に、片方の眼に20μgのCGC−11144またはCGC−11150の硝子体内注射を与え、もう片方の眼には賦形剤の注射を与えた。賦形剤の硝子体内注射を受けた眼では、ブルーフ膜断裂部位におけるCNV領域は(図2Bおよび図2E)、未処置の眼において見られるもの(図2Aおよび図2D)と非常に類似して見えた。対照的に、断裂部位におけるCNV病変のサイズは、CGC−11144(図2C)またはCGC−11150(図2F)で処置した眼の方でより小さく見えた。イメージ分析によるCNV面積の測定は、CGC−11144(図2G)またはCGC−11150(図2H)を注射した眼は、賦形剤で処置した眼または未処置の眼に比較しておよそ40%の、統計学的に有意なCNV面積の減少を有することを示した。未処置の眼と賦形剤で処置した片方の眼の間で差がなかったことは、CGC−11144またはCGC−11150の眼内注射からは全身的効果はなかったことを示唆する。
(実施例4)
(エレクトロレチノグらム(ERG)によって評価するCGC−11144の硝子体内注射の網膜機能への効果)
成体メスC57BL/6マウスの一方の眼に2μg、4μg、または20μgのCGC−11144の硝子体内注射を与え、もう片方の眼に賦形剤の注射を与え、3日後ERGを、以前に記載されているようにして(Okoyeら,J.Neuosci.23:4164−4172(2003))記録した。ERGを、2週間の毎日の0.2mgCGC−11144の眼周囲注射の後にも行った。マウスは、夜通しの標準化12時間の期間暗順応させられ、そしてEspion ERG Diagnosys(Diagnosys LLL、Littleton、MA)を用いてERG記録を行った。全ての操作は、ほの暗い赤色光照明を用いて行った。それぞれの朝同じ時間から開始して、マウスを、25μl/g体重の、PBS中で1:39に希釈されたアベルチン(Aldrich、Milwaukee、WI)のip注射で麻酔した。角膜は、微量の0.5%塩酸プロパラカイン(Alcon Labs)で麻酔し、そして瞳孔は1%トロピカミドで拡張した。マウスを39℃に加熱したパッド上に配置し、そして白金電極を、ゴニオスコープのプリズム溶液(Alcon Labs)の適用後、各角膜上に配置した。基準電極を、眼の間の前方頭皮中に皮下的に配置し、そして接地電極を尾に挿入した。電極のインピーダンスを、測定される対の各眼について等しくした。マウスの頭を、眼への等しい照明を確実にする、Ganzfeld bowl 照明器の標準化された位置へ配置した。両方の眼からの同時記録を、−3.00log cd−s/mから+1.40log cd−s/mまでの範囲の、11の強度レベルの白色光について、行った。Espion ERG機は、各フらッシュ強度においてERG反応を6回測定し、そして平均値を記録する。
ERGは、網膜機能の評価を与える。20μgのCGC−11144の硝子体内注射の3日後、ERG A波およびERG B波の両方の振幅が劇的に減少した(図3B)。10μgのCGC−11144の注射もまた、ERG振幅の著しい減少を引き起こし、2μgのCGC−11144の注射の後では、A波振幅は最も高いフラッシュ強度で緩やかにのみ減少する一方、B波振幅は全てのフらッシュ強度において広く減少した。20μgのCGC−11144を注射された眼からの網膜切片標本は、賦形剤を注射されたもう片方の眼(図3EおよびF)に比較すると、網膜構造は、網膜機能と同様に、著しく崩壊している(図3CおよびD)ことを例示している。20μgのCGC−11150の硝子体内注射もまた網膜の損傷を引き起こす(示さない)。
(実施例5)
(CGC−11144およびCGC−11150の眼周囲投与)
CGC−11144の眼周囲注射の効果を調査する実験もまた行われた。この実験では、10頭のマウスが週3回、一方の眼に0.2mgのCGC−11144の5μlPBS溶液の眼周囲注射を受け、もう片方の眼に5μlのPBSの眼周囲注射を受けた。別の片方の眼での全身性の吸収からの効果を統制するために、5頭のマウスには処置は行わなかった。
これらの実験の結果は、CGC−11144の眼周囲注射は、網膜機能の減少なしに、CNVを抑制し、そしてCNVの退縮を引き起こし得ることを示した。ブルーフ膜の断裂後14日目、処置を受けなかった眼(図4A)または賦形剤の眼周囲注射を受けた眼(図4B)には広面積のCNVがあった。ブルーフ膜断裂部位におけるCNVは、200μgCGC−11144の眼周囲注射を週3回処置した眼の方で(図4C)より小さく現われた。イメージ分析によるCNV面積の測定は、CGC−11144の眼周囲処置を受けた眼が、有意に小さいCNVを有し、賦形剤を処置した眼(図4D)に比較して40%の面積の減少を有し、これは20μgのCGC−11144の眼内注射で見られた減少度と非常に類似していることを示した。
(実施例6)
(確立されたCNVの処置およびエレクトロレチノグらム(ERG)で評価するCGC−11144の眼周囲注射の網膜機能への影響)
成体メスC57BL/6マウスが、上記したようにして、各眼中の3位置にレーザー処置を受けた。泡が生成した焼け焦がしのみを含めた。1週間後、7日目に存在するCNVのベースライン量を測定するために何頭かのマウスを使用した;これらのマウスを、ブルーフ膜の断裂7日後、灌流し、そして脈絡膜の平らな顕微鏡標本上で、断裂部位におけるCNVの面積を測定した(「7日目ベースライン眼」)。他のマウスは、7日目および10日目に、一方の眼に20μgのCGC−11144を、もう片方の眼に賦形剤を処置するか、または、7日目、10日目および13日目に、一方の眼に200μgのCGC−11144を、もう片方の眼に賦形剤を眼周囲注射処置した。14日後、マウスを、フルオレセインでらベルしたデキストらンで灌流し、そして脈絡膜の平らな顕微鏡標本上で、ブルーフ膜断裂部位におけるCNV面積を測定した。いくつかの実験では、マウスにブルーフ膜の断裂を与え、そして次に7日目から14日目の間に毎日、一方の眼に5μlの賦形剤の眼周囲注射を、もう片方の眼に100μgのDFMOを含有する5μl、200μgのCGC−11144を含有する5μlまたは100μgのDFMOおよび200μgのCGC−11144の組み合わせを含有する5μlの眼周囲注射を与えた。
(CGC−11144の硝子体内投与):図3は、7日目および10日目に、マウスに、一方の眼に20μgのCGC−11144を、もう一方の眼に賦形剤を、硝子体内注射した実験の結果を示すものである。ブルーフ膜の断裂後14日目において、CGC−11144の注射をされてきた眼は、賦形剤で処置されてきたもう片方の眼に存在するものよりも面積が有意に小さいCNV病変を有し、そしてこれは7日目ベースライン眼におけるCNV病変の領域よりも同様に有意に小さかった。これはCNVの退縮があったことを示す(図3A)。
(CGC−11144の眼周囲投与):CNVがよく確立されている時点である、ブルーフ膜の断裂後7日目から始めて、7日目から14日目の間の3回の、200μgのCGC−11144の眼周囲注射は、CNV面積が有意に減少するという結果となった(図4E)。ゆえに、CGC−11144の眼内注射と同様に、眼周囲注射は、ブルーフ膜の断裂時に開始した場合、CNVの発達を抑制することができ、確立されたCNVを有する眼に投与した場合、CNVの部分的退縮を引き起こすことができる。しかし2μg以上のCGC−11144の眼内注射を与えた眼とは違って、14日間毎日200μgのCGC−11144の眼周囲注射処置をした眼は、賦形剤で処置した眼のそれと決して差がない、正常なERGA波およびERGB波の振幅を有した(図4F)。これらはまた、賦形剤の眼周囲注射を与えた眼からの網膜(図4H)と外観上類似した、正常に見える網膜(図4G)を有した。
(実施例7)
(CGC−11144の眼周囲注射の結果CNV病変内にアポトーシスが起こる)
ブルーフ膜のレーザー誘起断裂後7日目および8日目に、成体メスC57BL/6マウスに0.2mgのCGC−11144または賦形剤の眼周囲注射を与え、そしてそれらを安楽死させた。眼をOCT中に包埋し、そしてCNV病変を通して10μmの連続切片を切り出し、そして室温下で10分間1%パらホルムアルデヒドを用いて固定した。製造者の使用説明書に従い、ApopTag Fluorescein Red Kit(Intergen、Purchase、NY)を用いてTUNEL染色を行った。いくつかの切片上の血管細胞を明視化するために、隣接した切片をGSAで染色した;TUNEL染色は、隣接した切片上のアポトーシスを受けている細胞を同定するために行った。
賦形剤を注射された眼からのCNV病変中には検出可能なアポトーシスはなかったが(図6Cおよび図6D)、CGC−11144の眼周囲注射を受けた眼は、CNV病変内に多くのTUNELで染色された細胞を示した(図6Aおよび図6B)。
(実施例8)
(CGC−11144の毎日の眼周囲注射;DFMOと組み合わせたCGC−11144の眼周囲注射)
より頻繁な投与がポリアミン類似化合物のCNVへの阻害効果を増加させるかどうか決定するために、CGC−11144の毎日の投与が調査された。CNVへの阻害効果を増加する別の潜在的戦略として、CGC−11144を、D,L−α−ジフルオロメチル−オルニチン(DFMO)と組み合わせても投与した。ポリアミン類似化合物と同様に、DFMOは細胞内ポリアミン濃度を減少させるが、ポリアミン合成を妨害することによって作用する。
7日目から14日目の間に、100μgのDFMOを含有する5μlの毎日の眼周囲注射を行った結果、7日目に存在したベースライン量に比較して、ブルーフ膜断裂部位においてCNV面積の有意な減少が見られた(図5)。
7日目から14日目の間に、200μgのCGC−11144を含有する5μlの毎日の眼周囲注射を行った結果、CNV面積の有意な減少が見られ(図5)、これは100μgのDFMOの毎日の注射で見られたものと非常に類似していた。
200μgのCGC−11144および100μgのDMFOの共注射を行ったところ(図5)、どちらでも一つのみの退縮効果をさらに促進する結果とはならなかった。
(実施例9)
(単一回の眼周囲注射を用いたCNV抑制の調査)
前の調査では、CGC−11144の複数回の眼周囲注射が、ブルーフ膜断裂においてCNVの発達を抑制できることを例示した。ブルーフ膜断裂時に、同じ用量のCGC−11144を単一回で眼周囲注射することの、2週間後に検知されるCNV量への効果を決定する調査が行われた。CGC−11144に加えて、この単一回眼周囲注射調査では、2種の他のポリアミン類似化合物、CGC−11047およびCGC−11093も、試験された。
成体メスC57BL/6マウスを、実施例1に上記したようにして、各眼のブルーフ膜の3位置にレーザー誘起断裂を与えた。マウスに、レーザー処置の直後に、単一回の、200μgのCGC−11144、2mgのCGC−11047、1.5mgのCGC−11093または賦形剤の眼周囲注射を与えた。ブルーフ膜の断裂2週間後に、マウスをフルオレセインでらベルしたデキストらンで灌流し、脈絡膜の平らな顕微鏡標本を調製した。ブルーフ膜断裂時の単一回のCGC−11144(図7A)、CGC−11047(図7C)またはCGC−11093(図7E)の眼周囲注射は、賦形剤を注射したもの(それぞれ、図7B、図7Dおよび図7F)に比較して、14日目に測定したCNV量を、有意に減少させた。これは、図7Gに図表として、例示されている。
(実施例10)
(単一回の眼周囲注射を用いたCNVの退縮の調査)
単一回の眼周囲注射の確立されたCNVへの効果を決定するために、各眼においてブルーフ膜を3位置でレーザー光凝固によって断裂した。7日目に1グループのマウスを、フルオレセインでらベルしたデキストらンで灌流し、そしてベースラインレベルを確立するためにCNV量を測定した。残りのマウスには、200μgのCGC−11144、2mgのCGC−11047、1.5mgのCGC−11093または賦形剤の単一回の眼周囲注射を与え、そして14日目のCNV量を測定した。
CGC−11047またはCGC−11093を処置したマウスは、賦形剤を処置したものよりも少ないCNVを有し、そして7日目に見られたCNVのベースライン量よりも少ないCNVを有した(図8)。
(実施例11)
(単一回眼周囲注射の効果の持続期間の調査)
ポリアミン類似化合物の単一回の眼周囲注射からの抗血管新生作用の持続期間を評価するために、ブルーフ膜のレーザー誘起断裂前の種々の時点において、注射を行った。賦形剤を注射したものに比較して、ブルーフ膜の断裂の1週間前に、200μgのCGC−11144、2mgのCGC−11047または1.5mgのCGC−11093を単一回眼周囲注射したものでは、レーザー処置後数週間に測定したCNV量は、有意に減少する結果となった。2mgのCGC−11047または1.5mgのCGC−11093の眼周囲注射を、ブルーフ膜の断裂の2週間前に行ったものでも、賦形剤を注射したマウスに存在する量よりも、有意に少ないCNVを有するという結果となった(図9B)。200μgのCGC−11144の注射をブルーフ膜の断裂の2週間前に行ったものからは有意な効果は得られず、2mgのCGC−11047または1.5mgのCGC−11093の注射をレーザー処置の3週間前に行ったものでもまた有意な結果は得られなかった(図9C)
(実施例12)
(酸素誘起性虚血性網膜症)
虚血性網膜症は、新生児のC57BL/6マウスに、記載されているようにして(Smith,L.E.ら,Invest.Opthalmol.Vis.Sci.35:101−111(1994))起こし得、そしてこれは未熟児網膜症の(ROP)のモデルとして役に立つ。生後7日目(P7)のマウスおよびそれらの母獣を気密の恒温器中に置き、そして75±3%の酸素の空気に5日間さらした。恒温器温度を、23±2℃に維持し、そして酸素はPROOX model 110酸素コントローら(Reming Bioinstruments Co.、Redfield、NY)を用いて、間断なくモニターした。生後12日目に、マウスを室内空気中に戻し、そして100μgのCGC−11144(n=4)、1mgのCGC−11047(n=4)、750μgのCGC−11093(n=4)または賦形剤を含有する3μlの眼周囲注射を与えた。生後17日目(P17)に、処置したマウスおよび対照のマウスを安楽死させ、そして網膜新生血管形成の量を測定した。
網膜新生血管形成の測定のために、眼を取りだし、そして2%のパらホルムアルデヒドのリン酸緩衝化生理食塩水溶液(PBS)中で1時間固定し、そして25%のショ糖のPBS溶液で2回ゆすいだ。標本を25%ショ糖のPBS溶液中に一晩インキュベートし、そしてOCT合成物(Miles Diagnostics、Elkhart、IN)中に包埋した。10μmの凍結切片を、0.5%グルタルアルデヒドのPBS溶液中で15分間後固定し(post−fixed)、そしてPBSで洗った。切片を、血管細胞に選択的に結合する、ビオチン化Griffonia simplicifolia lectin B4(GSA、Vector Laboratories、Burlingame、CA)で組織化学的にも染色した。スライドを、4℃下でメタノール/H中で10分間インキュベートし、0.05Mトリス緩衝化生理食塩水溶液、pH7.6(TBS)で洗い、そして10%の正常ブタ血清中で30分間インキュベートした。スライドを、室温下でビオチン化GSAと2時間インキュベートし、そして0.05M TBSでゆすいだ後、これらをペルオキシダーゼに結合したアビジン(Vector Laboratories、Burlingame、CA)と室温下で30分間インキュベートした。0.05MTBSで10分間洗った後、スライドをジアミノベンジジン(Research Genetics、Huntsville、AL)とインキュベートし、茶色の反応生成物を得た。
定量的評価を行うため、10μmの凍結連続切片を、眼の片側の虹彩根部から眼の反対側の虹彩根部まで切り出し、切片を10枚目毎にGSAで染色した。網膜をAxioskop顕微鏡で検査し、そしてイメージを3CCD color video cameraおよびframe grabberを用いてデジタル化した。Image−Pro Plusソフトウェアを、内境界膜上のGSAで染色された血管細胞の輪郭を描くのに使用し、そして染色された全面積を測定した。
網膜新生血管形成の量はP17では、CGC−11144、CGC−11047またはCGC−11093で処置された眼は、賦形剤で処置されたものと比較して、有意に少なかった(図10Aおよび10C)。
これらの因子の網膜新生血管形成の退縮への効果を調査するために、虚血性網膜症を誘起しそして処置しないままP17まで放置し、この時、一つのグループのマウスで網膜新生血管形成のベースライン量を測定した。生後17日目から20日目まで(P17〜P20)、残りのマウスに毎日、100μgのCGC−11144(n=4)、1mgのCGC−11047(n=4)、750μgのCGC−11093(n=4)または賦形剤の眼周囲注射を与えた。P20に、マウスを安楽死させ、そして処置したマウスおよび対照のマウスの網膜新生血管形成の量を、上記したようにして、測定した。P20では、CGC−11144、CGC−11047またはCGC−11093で処置されたマウスは、賦形剤で処置されたものよりも、有意に少ない新生血管形成を有した(図10B)。
(実施例13)
(ロドプシン/VEGFトらンスジェニックマウスの調査)
ロドプシンプロモーターが光受容体内でVEGF165の発現をさせるトらンスジェニックマウス(V6マウス)では、VEGFの発現は生後7日目(P7)に開始され、そしてその後すぐに、光受容体細胞層を通して網膜下空間へと成長する深い毛細血管床から発生する新生血管形成の発達が始まる。(Okamoto Nら,Amer.J.Pathol.151:281−91(1997);Tobe Tら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.39:180−188(1998))。ヘミ接合のトランスジェニック陽性マウスに、P7において、100μgのCGC−11144(n=3)、1mgのCGC−11047(n=3)、750μgのCGC−11093(n=3)または賦形剤(n=7)の眼周囲注射を与えた。生後21日目(P21)に、マウスを安楽死させ、そして、以前記載されたようにして(Tobe、同上)、網膜下新生血管形成の量を定量した。手短に言えば、マウスを麻酔し、フルオレセインでらベルしたデキストらンで灌流し、網膜の外表面上の新生血管病変の数およびそれらの全面積を、網膜の平らな顕微鏡標本上でイメージ分析によって、実施例1に説明されているようにして、測定した。
イメージ分析による網膜下新生血管形成の測定は、CGC−11144、CGC−11047またはCGC−11093の眼周囲処置を与えたマウスが、14日目には、賦形剤を処置した眼よりも、有意に少ない網膜下新生血管形成を有することを示した(図11)。
本明細書において、識別する引用によって参照される、全ての出版物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、本明細書によって、その全体を参考として本明細書において援用する。
本発明は、理解を明快にするために、図および実施例によって、ある程度詳細に説明されたが、当該分野の技術者に明白であるように、ある種の小さな変化形態および変更形態が実行される。それゆえ、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとしてとるべきではない。
図1は、ポリアミン類似化合物、CGC−11144またはCGC−11150の全身性投与が、統計学的に有意な、脈絡膜新生血管形成(CNV)の抑制を引き起こすことを示すデータを示す。各パネルは、CGC−11144(AおよびB)またはCGC−11150(CおよびD)の腹腔内への(ip)注射の、ブルーフ膜断裂部位でのCNV面積への効果を調査する独立した実験の結果を示すものである。実験マウスには、1週間に2回、10mg/kg(AおよびC)または20mg/kg(BおよびD)のip注射を与え、同じ遺伝的バックグらウンドを有し、1週間に2回、賦形剤のip注射処置をした対照のマウスと比較した。各バーは、各グループ中の測定が行われた断裂部位の総数(n)から計算した、平均(±SEM)CNV面積を表す。10mg/kg(A)もしくは20mg/kg(B)のCGC−11144の注射または10mg/kg(C)もしくは20mg/kg(D)のCGC−11150の注射は、小さいが、しかし有意なCNVの縮小になった。*は、unpaired t−test を使って検定して、賦形剤対照からの差はp<0.05であった。各実験グループは、それ自身の賦形剤対照グループを有した。 図2は、CGC−11144またはCGC−11150の眼内注射が、脈絡膜新生血管形成(CNV)を抑制することを示すデータを示す。ブルーフ膜の断裂後に処置を受けなかった眼は、大面積のCNVを示した(AおよびD)。ブルーフ膜の断裂後0日目および7日目に、賦形剤の注射を受けた片方の眼もまた、大面積のCNVを有した(BおよびE)。ブルーフ膜の断裂後0日目および7日目に、20μgのCGC−11144(C)またはCGC−11150(F)の注射を受けた眼は、より小さく現れるCNVの面積を有した。画像分析によるCNV面積の測定は、CGC−11144(G)またはCGC−11150(H)を注射された眼が、対応する対照(注射されていないものまたは賦形剤を注射された片方の眼)よりも有意に小さいCNVを有することを示した。バーは、各グループ中の測定が行われた断裂部位の総数(n)から計算した、平均(±SEM)CNV面積を示す。†は、Dunnettの多重比較法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、処置のないグループからの差はp<0.0001であった;*は、Dunnettの多重比較法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、賦形剤対照グループ(片方の眼)からの差はp<0.0001であった。 図3は、CGC−11144の硝子体内注射が、確立された脈絡膜新生血管形成(CNV)の退縮もまた引き起こすが、網膜の機能および構造を変えることを示すデータを示す。図3Aは、以下の実験の結果を示す。15頭のマウスに、各眼中のブルーフ膜の3位置に断裂を受けさせ;7日後、5頭のマウスに、フルオレセインでらベルしたデキストらンを灌流し、CNVのベースライン面積を測定した。残る10頭のマウスには、7日目および10日目に、一方の眼に20μgのCGC−11144、もう片方の眼に賦形剤の硝子体内注射を与え、次に、レーザー後14日で、各断裂部位でのCNV面積を測定した(各グループでn=30)。CNVの平均面積は、賦形剤を注射した片方の眼に比較して、または7日目に測定したCNVのベースライン面積に比較して、CGC−11144を注射した眼では、有意に小さかった。これは、CGC−11144の硝子体内注射が、確立されたCNVの退縮を引き起こしたことを示す。†は、Dunnettの多重比較法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、7日目のCNVのベースライン量からの差はp<0.0009であった;*は、Dunnettの方法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、14日目での賦形剤注射の片方の眼からの差はp<0.0001であった。図3Bは、以下の実験の結果を示す。マウスの一方の眼には2μg、4μgまたは20μgのCGC−11144を、もう片方の眼にはPBSを、硝子体内注射した。3日後、方法に説明されているようにして、ERGを行った。4μgまたは20μgのCGC−11144を注射した眼では、A波の振幅の有意な減少を有し、2μg、4μgまたは20μgのCGC−11144を注射した眼ではPBSに比較して、有意なB波の振幅の減少を有した(ANOVAで検定して、p<0.05)。図3Cおよび図3Dは、20μgのCGC−11144の硝子体内注射の2週間後、網膜、特に内網膜の形態の実質上の崩壊があったことを示す。対照的に、図3Eおよび図3Fでは、PBSの硝子体内注射の2週間後、網膜は正常の様相を有した。(図3C〜図3Fでは、網膜切片を、ヘマトキシリンおよびエオシンを用い染色した;図3Cおよび図3E、40X;図3Dおよび図3F、100X)。 図4は、CGC−11144の眼周囲注射が、脈絡膜新生血管形成(CNV)を抑制し、確立されたCNVの退縮を引き起こし、網膜の機能または構造への有害な影響は有さないことを示すデータを示す。図4Aでは、ブルーフ膜の断裂後処置を受けていなかった眼は、ブルーフ膜の断裂後14日目には、大面積のCNVを示した。図4Bでは、1週間に3回賦形剤を眼周囲注射した眼もまた大面積のCNVを有した。図4Cでは、200μgのCGC−11144を1週間に3回眼周囲注射した眼は、より小さい面積のCNVを有するようであった。図4Dは画像分析によるCNV面積の測定の結果を示し、CGC−11144を注射した眼が、対応する対照(注射されていないものまたは賦形剤を注射された片方の眼)よりも有意に小さいCNVを有したことを示している。†は、Dunnettの多重比較法を伴ったmixed modelを使って検定して、処置のなかったものからの差はp<0.0001であった;*は、Dunnettの方法を伴ったmixed modelを使って検定して、もう片方の眼からの差はp<0.0001であった。図4Eは、各眼中のブルーフ膜の3位置に断裂を受けさせた15頭のマウスを用いた実験の結果を示す。7日後、5頭のマウスに、フルオレセインでらベルしたデキストらンを灌流し、CNVのベースライン面積を測定した。残る10頭のマウスには、7日目、10日目および13日目に、一方の眼に200μgのCGC−11144の、そしてもう片方の眼に賦形剤の眼周囲注射を与え、次に、レーザー処置後14日目で、各断裂部位でのCNV面積を測定した。CNVの平均面積(各グループについて、n=30の断裂部位)は、賦形剤を注射した片方の眼に比較して、または7日目に測定したCNVのベースライン面積に比較して、CGC−11144を注射した眼では、有意に小さかった。これは、CGC−11144の眼周囲注射が、確立されたCNVの退縮を引き起こしたことを示す。†は、Dunnett法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、7日目のCNVのベースライン量からの差はp<0.0001であった;*は、Dunnett法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、14日目での賦形剤注射の片方の眼からの差はp<0.0001であった。図4Fは、一方の眼に200μgのCGC−11144の、そしてもう片方の眼に賦形剤の眼周囲注射を14日間毎日受け、次に各眼にERGが行われたマウス(n=20)の結果を示す。CGC−11144または賦形剤対照を注射した眼間で平均のA波振幅またはB波振幅に違いはなかった。図4Gは、14日間毎日200μgのCGC−11144を眼周囲注射処置された眼が、正常に見え、賦形剤を処置した目のそれらと(図4Hに示す)同じに見える網膜を示すことのデータを与える。 図4は、CGC−11144の眼周囲注射が、脈絡膜新生血管形成(CNV)を抑制し、確立されたCNVの退縮を引き起こし、網膜の機能または構造への有害な影響は有さないことを示すデータを示す。図4Aでは、ブルーフ膜の断裂後処置を受けていなかった眼は、ブルーフ膜の断裂後14日目には、大面積のCNVを示した。図4Bでは、1週間に3回賦形剤を眼周囲注射した眼もまた大面積のCNVを有した。図4Cでは、200μgのCGC−11144を1週間に3回眼周囲注射した眼は、より小さい面積のCNVを有するようであった。図4Dは画像分析によるCNV面積の測定の結果を示し、CGC−11144を注射した眼が、対応する対照(注射されていないものまたは賦形剤を注射された片方の眼)よりも有意に小さいCNVを有したことを示している。†は、Dunnettの多重比較法を伴ったmixed modelを使って検定して、処置のなかったものからの差はp<0.0001であった;*は、Dunnettの方法を伴ったmixed modelを使って検定して、もう片方の眼からの差はp<0.0001であった。図4Eは、各眼中のブルーフ膜の3位置に断裂を受けさせた15頭のマウスを用いた実験の結果を示す。7日後、5頭のマウスに、フルオレセインでらベルしたデキストらンを灌流し、CNVのベースライン面積を測定した。残る10頭のマウスには、7日目、10日目および13日目に、一方の眼に200μgのCGC−11144の、そしてもう片方の眼に賦形剤の眼周囲注射を与え、次に、レーザー処置後14日目で、各断裂部位でのCNV面積を測定した。CNVの平均面積(各グループについて、n=30の断裂部位)は、賦形剤を注射した片方の眼に比較して、または7日目に測定したCNVのベースライン面積に比較して、CGC−11144を注射した眼では、有意に小さかった。これは、CGC−11144の眼周囲注射が、確立されたCNVの退縮を引き起こしたことを示す。†は、Dunnett法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、7日目のCNVのベースライン量からの差はp<0.0001であった;*は、Dunnett法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、14日目での賦形剤注射の片方の眼からの差はp<0.0001であった。図4Fは、一方の眼に200μgのCGC−11144の、そしてもう片方の眼に賦形剤の眼周囲注射を14日間毎日受け、次に各眼にERGが行われたマウス(n=20)の結果を示す。CGC−11144または賦形剤対照を注射した眼間で平均のA波振幅またはB波振幅に違いはなかった。図4Gは、14日間毎日200μgのCGC−11144を眼周囲注射処置された眼が、正常に見え、賦形剤を処置した目のそれらと(図4Hに示す)同じに見える網膜を示すことのデータを与える。 図5は、ポリアミン合成阻害剤、D,L−α−ジフルオロメチル−オルニチン(DFMO)の眼周囲注射が、脈絡膜新生血管形成(CNV)の退縮を引き起こすが、CGC−11144によって引き起こされる退縮を促進することはないことを指し示すデータを示す。34頭の成体C57BL/6マウスが、各眼中のブルーフ膜の3位置に断裂を受け、そして7日後、8頭のマウスが、フルオレセインでらベルしたデキストらンを灌流され、そしてCNVのベースライン面積が測定された。残るマウスには、毎日、一方の眼には200μgのCGC−11144の、100μgのDFMOのまたはその両方の眼周囲注射を、そしてもう片方の眼には賦形剤の眼周囲注射を与え;レーザー後14日目で、これらのマウスのCNV面積を測定した。クロス(†)は、3種全ての処置グループに適用され、そして、Dunnettの多重比較法を伴ったlinear mixed modelを使って検定して、それぞれのCNV面積が、7日目のCNVのベースラインレベルよりも、有意に小さい(p<0.01)ことを示す。アステリスク(*)は、3種全ての処置グループに適用され、そして、linear mixed modelおよびDunnett法を使って検定して、それぞれのCNV面積が、賦形剤対照のもう片方の眼のCNVの面積よりも有意に小さい(p<0.01)ことを示す。DFMOおよびCGC−11144を組み合わせた処置と、CGC−11144のみの処置との有意差はなかった。 図6は、CGC−11144の眼周囲注射がCNV病変のアポトーシスを引き起こすことを指し示すデータを示す。成体メスC57BL/6マウスが、一方の眼のブルーフ膜の3位置に、レーザー誘起断裂を受けた。レーザー処置後7日目および8日目に、マウスに、200μgのCGC−11144または賦形剤の眼周囲注射をした。レーザー後9日目に、マウスは安楽死させられ、目はOCTで凍結され、そしてCNV病変を通して10μmの連続切片が切り出された。CGC−11144で処置したマウスからの典型的切片は、CNV病変(図6A、矢印の部分)内に多数の赤いTUNEL法で染色された核を示し、これは近接した切片のGriffonia simplicifolia染色によって輪郭が表された(図6B)。対照的に、賦形剤の眼周囲注射を受けた眼では、CNV病変(矢印)内にTUNEL法陽性細胞は見られなかった(図6Cおよび図6D)。 図7はCGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の単一眼周囲注射の、CNVの抑制への影響を示す。 図8はCGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の単一眼周囲注射の、CNVの退縮への影響を示す。 図9は、単一眼周囲注射後の抗血管新生作用の持続を示す。パネルAは、レーザー誘起断裂の1週間前に注射したCGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の効果を示す。パネルBは、レーザー誘起断裂の2週間前に注射したCGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の効果を示す。パネルCは、レーザー誘起断裂の3週間前に注射したCGC−11047およびCGC−11093の効果を示す。 図10は、CGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の眼周囲注射の、酸素誘起虚血性網膜新生血管形成への影響を示す。パネルAおよびパネルCは、網膜新生血管形成の抑制を示し、そしてパネルBは、確立された網膜新生血管形成の退縮を示す。 図10は、CGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の眼周囲注射の、酸素誘起虚血性網膜新生血管形成への影響を示す。パネルAおよびパネルCは、網膜新生血管形成の抑制を示し、そしてパネルBは、確立された網膜新生血管形成の退縮を示す。 図11は、CGC−11144、CGC−11047およびCGC−11093の眼周囲注射の、ロドプシン/VEGFトらンスジェニックマウスの網膜新生血管形成への影響を示す。

Claims (29)

  1. 眼科疾患を処置する方法であって、
    1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を、眼科疾患を有する被験体に、該眼科疾患の治療上有効な量で、投与する工程を含み、
    該眼科疾患が、望ましくない細胞増殖または新生血管形成によって特徴づけられ、
    該1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、眼周囲投与を経て投与され、
    該コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が大員環ポリアミン類似化合物ではないという条件つきである、方法。
  2. 前記眼科疾患が新生血管形成によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記眼科疾患が網膜新生血管形成によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記眼科疾患が脈絡膜新生血管形成によって特徴づけられる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記眼科疾患が黄斑変性である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記眼科疾患が乾燥黄斑変性である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記眼科疾患が湿潤性黄斑変性である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、
    Figure 2008515800
    または、これのいずれかの立体異性体、塩、水和物または溶媒和物である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、
    Figure 2008515800
    または、これのいずれかの立体異性体、塩、水和物または溶媒和物である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、網膜新生血管形成を減少させるのに、網膜新生血管形成の発達を遅延させるのに、網膜新生血管形成の発達を予防するのに、または網膜新生血管形成の退縮を引き起こすのに十分な量で投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、脈絡膜新生血管形成を減少させるのに、脈絡膜新生血管形成の発達を遅延させるのに、脈絡膜新生血管形成の発達を予防するのに、または脈絡膜新生血管形成の退縮を引き起こすのに十分な量で投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、
    Figure 2008515800
    Figure 2008515800
    ならびにこれらの全ての立体異性体、塩、水和物および溶媒和物、からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、眼科投与に適切な組成物で投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、
    Figure 2008515800
    Figure 2008515800
    ならびにこれらの全ての立体異性体、塩、水和物および溶媒和物、からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記眼周囲投与が眼周囲注射である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、持続放出処方物、持続放出移植片または持続放出デバイスを経て、投与される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記持続放出処方物、持続放出移植片または持続放出デバイスが眼周囲組織に置かれる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記持続放出処方物、持続放出移植片または持続放出デバイスが眼周囲組織に注射される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、約2ヶ月から約12ヶ月の間に1週間に約1回の頻度で、約2ヶ月から約12ヶ月の間に2週間毎に約1回の頻度で、約2ヶ月から約12ヶ月の間に3週間毎に約1回の頻度で、約2ヶ月から約12ヶ月の間に4週間毎に約1回の頻度で、投与される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記眼周囲投与が眼周囲注射である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記1種以上のコンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が眼科処方物で投与される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記眼科処方物が、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはホウ酸ナトリウムからなる群から選択される緩衝液システムを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記眼科処方物が、生理学的にバランスのとれた灌注溶液を含む、請求項21に記載の方法。
  24. コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物、および眼周囲投与のために適切な薬学的担体を含む組成物。
  25. 前記組成物が眼周囲注射に適切である、請求項24に記載の組成物。
  26. 持続性放出処方物または持続性放出デバイス中に、コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物を含む、組成物またはデバイス。
  27. 前記持続性放出処方物または持続性放出デバイスが、眼科投与のために適切である、請求項26に記載の組成物またはデバイス。
  28. 前記持続性放出処方物または持続性放出デバイスが、眼周囲投与のために適切である、請求項27に記載の組成物またはデバイス。
  29. 前記コンホメーションが制約を受けたポリアミン類似化合物が、式
    Figure 2008515800
    の化合物であって、式中、Aは、C〜CアルケンおよびC〜Cシクロアルキル、シクロアルケニルならびにシクロアリールからなる群から独立に選択され;Bは、単結合およびC〜Cアルキルおよびアルケニルからなる群から独立に選択され;Dは、C〜Cアルキルおよびアルケニル、ならびにC〜Cシクロアルキル、シクロアルケニルならびにシクロアリールからなる群から独立に選択され;Eは、H、C〜Cアルキルおよびアルケニルからなる群から独立に選択され;そしてこれらの全ての塩、水和物、溶媒和物および立体異性体である、化合物の群から選択される、請求項1に記載の方法。
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