JP2008514614A - ハロコンブスタチンとその合成の方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ハロコンブスタチンと命名される新規化合物に関する。ハロコンブスタチンは、コンブレタスタチンA−3の誘導体であり、ヒト癌細胞系のパネルとマウスP388白血病に対する癌細胞増殖阻害だけでなく、チューブリン重合化の阻害剤とコルヒチンのチューブリンへの結合の阻害剤としての活性を明示する化合物が含まれる。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、そのいずれの開示も参照によりそのまま本明細書へ組み込まれる、2004年9月24日に出願された米国特許出願第10/948,926号と、やはり2004年9月24日に出願された米国仮特許出願第60/612,888号に基づいて、これらへの優先権を主張する。
連邦支援研究に関する陳述
本発明への資金支援は、米国政府、癌治療及び診断部門、国立癌研究所、厚生福祉サービス分野優秀研究助成番号(the United States Government, Division of Cancer Treatment and Diagnosis, National Cancer Institute, Department of Health and Human Services Outstanding Investigator Grant Numbers)CA44344−05−12;R01−CA90441−01;及びR01 CA090441−03−441;アリゾナ疾患制御研究委員会契約番号(the Arizona Disease Control Research Commission contract Number)9815;及び、民間寄付金により提供された。従って、米国政府は、本発明に一定の権利を有する可能性がある。
技術分野
本発明は、癌の治療において、及び/又は抗微生物薬として有用性を有する新規化合物に関する。
背景技術
癌及び/又は腫瘍を治療するための医薬剤が広く求められている。有望な抗腫瘍治療剤として抗血管新生剤が探究されている。コンブレタスタチンA−4は、1つのそのような抗血管新生剤である。種々の研究は、コンブレタスタチンA−4が培養中のヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)の微小管を破壊することを実証した。該化合物が細胞に入るときに、無細胞系において示されるチューブリン結合特性が保持されること、そしてチューブリン結合が生物活性の重要な要素であることも示されている。
アフリカヤブヤナギ(African Bush Willow)の Combretum caffrum は、コンブレタスタチンと呼ばれる癌細胞増殖阻害性の構成成分のきわめて重要な供給源であることがわかっている。これらの構成成分の中で最も強力であるのは、コンブレタスタチンA−4(1a,「CA−4」)であり、そのリン酸ナトリウム誘導体(1b,「CA−4P」)は、1998年にフェーズIヒト癌臨床試験へ進んだ(Remick, S. C. et al., (1999) Phase I Pharmacokinetics Study of Single Dose Intravenous (IV) Combretastatin A-4 Prodrug (CA4P) in Patients (pts) with Advanced Cancer「進行癌の患者でのコンブレタスタチンA−4プロドラッグ(CA4P)単回静脈内投与(IV)のフェーズI薬物動態試験」, Molecular Targets and Cancer Therapeutics Discovery, Development, and Clinical Validation「分子標的及び癌治療薬の探索、開発、及び臨床評価」, Proceedings of the AACR-NCI-EORTC International Congress, Washington, DC, #16, p. 4.)。全体の結果は依然として有望であり、ヒト癌フェーズII及び組合せIbの試験が現在進行中である。
CA4Pの抗血管、抗血管新生、及び全般的な抗転移活性だけでなく、他の抗癌剤、放射免疫療法、及び高熱療法との組合せにおけるその相乗的な有用性も、積極的な研究対象の分野である(Griggs, J., et al., Combretastatin A-4 Disrupts Neovascular Development in Non-Neoplastic Tissue「コンブレタスタチンA−4は、非新生物組織における新血管発生を妨害する」, British J. of Cancer 2001, 84, 832-835; Folkman, J., Angiogenesis-Dependent Diseases「血管新生依存性の疾患」, Seminars in Oncology 2001, 28, 536-542; Kruger, E. A. et al., Approaches to Preclinical Screening of Antiangiogenic Agents「抗血管新生剤の前臨床スクリーニングへのアプローチ」, Seminars in Oncology 2001, 28, 570-576; Jin, X., et al., Evaluation of Endostatin Antiangiogenesis Gene Therapy in vitro and in vivo「エンドスタチン抗血管新生遺伝子治療の in vitro 及び in vivo での評価」, Cancer Gene Therapy 2001, 8, 982-989; Vacca, A. et al., Bone Marrow Angiogenesis in Patients with Active Multiple Myeloma「活動性多発性骨髄腫の患者における骨髄血管新生」, Seminars in Oncology 2001, 28, 543-550; Rajkumar, S. V., et al., Angiogenesis in Multiple Myeloma「多発性骨髄腫における血管新生」, Seminars in Oncology 2001, 28, 560-564; Griggs, J., et al., Potent Anti-metastatic Activity of Combretastatin A-4「コンブレタスタチンA−4の強力な抗転移活性」, Int. J. Oncol. 2001, 821-825; Pedley, R. B. et al., Eradication of Colorectal Xenografts by Combined Radioimmunotherapy and Combretastatin A-4 3-O-Phosphate「放射免疫療法とコンブレタスタチンA−4 3−O−リン酸塩の組合せによる結直腸異種移植片の根治」, Cancer Research 2001, 61, 4716-4722; Eikesdal, H. P., et al., Tumor Vasculature is Targeted by the Combination of Combretastatin A-4 and Hyperthermia「腫瘍の脈管構造は、コンブレタスタチンA−4及び高熱療法の組合せの標的になる」, Radiotherapy and Oncology 2001, 61, 313-320 を参照のこと)。
本発明の化合物のいくつかは、甲状腺癌の治療に特に関わる。2002年には、約20,000の米国民が甲状腺癌と診断され;この分布は、約80%が乳頭状であり、14%が、甲状腺ホルモンを産生する小胞性上皮細胞より派生した小胞分化癌であった。残る甲状腺の悪性腫瘍のうち、約4%は髄様癌(神経内分泌)であり、2%は例外的に侵襲性の未分化癌(メジアン生存期間は4〜5ヶ月で、ほぼ100%致死性のアウトカム)であった。重要にも、小胞癌と未分化癌の発症は、ヨウ素欠乏の地理領域において上昇する。甲状腺癌では、放射線被曝が最も一般的な危険因子である。さらに、甲状腺の発育及び機能を調節するのにきわめて重要である、脳下垂体ホルモンの甲状腺刺激ホルモン(THS)の過剰産生は、甲状腺癌の病因において重要であるかもしれない。これまで使用されてきた甲状腺癌の臨床療法には、外科手術、THSの抑制、131I−放射線療法、及び抗癌剤が含まれる。しかし、2002年には、米国でほぼ1,300人の甲状腺癌の犠牲者が死亡し、より定常的に有効な抗癌剤への大きなニーズが重視されている。
発明の要約
本発明は、コンブレタスタチンA−3(3a)とそのリン酸エステルプロドラッグ(3b)の修飾を構成する新規化合物に関連し、ここでは、3−ヒドロキシキ又は3−ヒドロキシ及び5−ヒドロキシ基がハロゲン化物に置き換えられている。代表的なハロゲン化物は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素である。この新規化合物の塩も本明細書に開示する。また本明細書に記載するのは、3−フルオロ、3−クロロ、3−ブロモ、及び3−ヨードースチルベンのリン酸エステル誘導体である。
本発明の化合物は:
Figure 2008514614
[式中、Xは、F、Cl、Br、又はIである];
Figure 2008514614
[式中、Xは、F、Cl、Br、又はIであり、Rは、Na、Li、K、Cs、Rb、Ca、Mgのような金属カチオンであるか、又はモルホリン、ピペリジン、グリシン−OCH、トリプトファン−OCH、又はNH(CHOH)である];及び、
Figure 2008514614
[式中、Xは、F、Cl、Br、又はIであり、Zは、Na、Li、K、Cs、Rb、Ca、Mgのような金属カチオンであるか、又はモルホリン、ピペリジン、グリシン−OCH、トリプトファン−OCH、又はNH(CHOH)である]を含む。
本発明の化合物のいくつかは、ヒト癌細胞系のパネルとマウスP388白血病に対して、CA−4及びCA−3のような先行技術のコンブレタスタチン化合物に比較して、きわめて高められた(>10〜100x)癌細胞増殖阻害を明示する。このヨード化合物は、甲状腺癌の治療に特に有望であるように見える。本発明の化合物は、チューブリン重合化とコルヒチンのチューブリンへの結合の阻害活性を明示する。さらに、本化合物のいくつかは、抗微生物特性を明示する。
発明の詳細な説明
癌、特に腫瘍の治療のための療法アプローチとしての抗血管新生の概念は、有望な戦略として活発に探究されている。化合物、コンブレタスタチンA−4は、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)の微小管を培養において破壊するとかつて実証された。それらの研究により、その化合物が細胞に入ったときに、無細胞系において示されたチューブリン結合特性が保持されること、そしてチューブリン結合が生物活性の重要な要素であることが確かめられた。
従って、本発明の目的は、チューブリン結合剤として有用であり得る新しい化合物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、抗血管新生特性を保有する化合物を提供することである。
本発明のなお別の目的は、癌、特に腫瘍に罹患した、ヒトが含まれる哺乳動物の治療に療法剤として使用の化合物を提供することである。
本発明のなおさらなる目的は、抗微生物薬として使用の化合物を提供することである。
結果と考察
本発明のスチルベンの製造は、本明細書において詳しく記載するようにして達成した。この反応系列は、tert−ブチルジフェニルシリルエーテル(4)としてのイソバニリンの保護により開始した。ホウ水素化ナトリウムを使用して、ベンズアルデヒド(4)をベンジルアルコール(5)へ還元し、臭化ホスホニウム(6)への変換を続けた。THF中のn−ブチルリチウムを使用する、ウィテッヒ中間体(6)のそれぞれのハロ−アルデヒドとの縮合により、シリル基保護化スチルベン(7〜10)を得た。フッ化テトラブチルアンモニウムでの後続の脱保護化(図3a)により、3−ハロ−スチルベン(11〜14)を得た。亜リン酸ジベンジル(dibenzylphosphite)、ジイソプロピルエチル−アミン、N,N−ジメチルアミノ−ピリジン、及び四塩化炭素をアセトニトリル中で使用して、Z異性体(11a、13a、及び14a)をリン酸化して、リン酸ビスベンジル(15〜17)を得た。トリメチルシリルブロミドに続いて対応の塩基を使用して、リン酸エステル(15〜17)の脱ベンジル化を達成して、リン酸エステル(phosphate)(18〜20)を得た(Pettit, G. R. et al., Antineoplastic Agents 440. Asymmetric Synthesis and Evaluation of the Combretastatin A-1 SAR Probes (1S,2S) and (1R,2R)-1-2-Dihydroxy-1-(2', 3'-dihydroxy-4'-methoxyphenyl)-2-(3",4",5"-trimethoxyphenyl)-ethane「抗新生物剤440.コンブレタスタチンA−1 SARプローブ(1S,2S)及び(1R,2R)−1−2−ジヒドロキシ−1−(2',3'−ジヒドロキシ−4'−メトキシフェニル)−2−(3”,4”,5”−トリメトキフェニル)−エタンの不斉合成と評価」,J. Nat. Prod. 2000, 63, 969-974; Pettit, G. R. et al., Antineoplastic Agents 460. Synthesis of Combretastatin A-2 Prodrugs「抗新生物剤460.コンブレタスタチンA−2プロドラッグの合成」,Anticancer Drug Design,. 2001, 16, 185-194; Pettit, G. R. et al., Antineoplastic Agents 463. Synthesis of Combretastatin A-3 Diphosphates「抗新生物剤463.コンブレタスタチンA−3二リン酸エステルの合成」,Anticancer Drug Design,. 2000, 15, 397-404; Ladd, D. L., et al., A New Synthesis of 3-Fluoroveratrole and Z-Fluoro-3,4 Dimethoxy Benzaldehyde「3−フルオロベラトロール及びZ−フルオロ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒドの新たな合成」,Synth. Cummun. 1985, 15. 61 を参照のこと)。
化合物(11a)〜化合物(20a)として表Iに、そして化合物として表Iaに示す新たなハロ−スチルベン又はハロコンブスタチンは、関連のコンブレタスタチンに比べて、いずれもきわめて強い癌細胞増殖の阻害を明示した。リン酸塩へ変換した3つのスチルベン(11a,13a,14a)は、いずれも強い活性を保持して、それらの3−ハロ−スチルベン前駆体より著しく優れた水溶性を示した。評価したE幾何異性体は、in vitroで、癌細胞増殖の阻害剤としてずっと有効でないように見えた。
ヨード−スチルベン系列の癌細胞増殖を阻害する能力について特に検証して、コンブレタスタチンA−3及びコンブレタスタチンA−4と比較した(表Ia)。リン酸塩へ変換したヨード−スチルベンは、いずれも強い活性を保持して、予期されるように、ヨード−スチルベン前駆体より著しく優れた水溶性を示した(表Ia)。
2系統のヒト未分化甲状腺癌、KAT−4及びSW1736を利用する別の試験において(表7を参照のこと)、新規化合物のいくつかを、特異性増加のポテンシャルについて評価した。ジヨードコンブスタチン(22a)は、ヨードコンブスタチン(14a,表7)よりやや阻害性であることがわかった。カリウムリン酸塩の(20c)及び(24c)は、同様の活性を生じた。ヒト甲状腺癌、KAT−4細胞の増殖は有意に抑えられたが、SW1736細胞は、上記化合物に対してやや抵抗性であるように見え、概して言えば、特異性の増加を認めなかった。今後、療法アプローチとしての抗血管新生を有望な抗腫瘍戦略として積極的に探究する。
それらの強力な細胞傷害性のために、4種のハロコンブスタチン(11a、12a、13a、及び14a)について、チューブリン重合化と[H]コルヒチンのチューブリンへの結合に対する阻害効果をコンブレタスタチンA−4(1a)と比較した。この比較の結果を表IIに示す。これらの実験結果は、この5種の化合物がチューブリンとの見かけの相互作用において本質的に同一であることを実証する。4種のハロコンブレタスタチンは、重合化反応を1.5〜1.6μMのIC50値で阻害し、これに対してCA4(1a)では、1.8μMのIC50値であった。これらの化合物間のわずかな差は、標準偏差により示されるように、実験誤差内にあった。
同様に、4つのcis−スチルベンは、いずれもコルヒチン結合アッセイのきわめて強力な阻害剤であった。[H]コルヒチンの1/5の濃度であるが、チューブリン濃度に等しいモル濃度で存在する場合、放射標識リガンドの結合は、75〜89%阻害された(最低の阻害効果と最高の阻害効果がスチルベン(11a)と(13a)で観察されて、これらが重合化アッセイでは最大の阻害効果を表示した2つの化合物であることに注目せよ)。より初期の試験において、A環のC−3位にメトキシキ又はハロゲンの代わりにヒドロキシル置換基があるコンブレタスタチンA−3(3a)は、チューブリンアセンブリーの阻害剤としてCA4(1a)の約半分の活性、チューブリンへのコルヒチン結合の阻害剤として約1/5の活性、そして細胞増殖の阻害剤としては約1/7の活性であることが見出された(Lin, C. M., et al, Interactions of Tubulin with Potent Natural and Synthetic Analogs of the Antimitotic Agent Combretastatin: A Structure-activity Study「抗有糸***剤、コンブレタスタチンの強力な天然及び合成類似体とチューブリンの相互作用:構造−活性研究」,Mol. Pharmacol., 1988, 34, 200-208 を参照のこと)。関連した知見は、C−3置換基を水素原子で置き換えることによって完全に消失させると、重合化に対する阻害効果の約7倍の低下と細胞傷害活性の完全な消失をもたらすことである(Cushman, M., et al., Synthesis and Evaluation of (Z)-1-(4-methoxyphenyl)-2-(3,4,5-trimethoxyphenyl)ethane as Potential Cytotoxic and Antimitotic Agents「潜在的な細胞傷害剤及び抗有糸***剤としての(Z)−1−(4−メトキシフェニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタンの合成及び評価」, J. Med. Chem. 1992, 35, 2293-2306 を参照のこと)。
従って、上記の理論に束縛されることを企図しないが、CA4(1a)と本発明の新規ハロコンブスタチンで観察される最適の活性には、ある大きさ(ここでは、フッ素原子が最小であり得る)のC−3置換基が必要とされるようである。故に、この置換基の支配的な効果がリガンドのタンパク質との相互作用の直接的な亢進より生じることはありそうにないと思われる。最もあり得るのは、A環の置換基が、活性のあるcis−スチルベンに薬物−チューブリン相互作用に有利であるコンホメーションをより高い確率で取らせることである(Hamel, E.; Evaluation of Antimitotic Agents by Quantitative Comparisons of Their Effects on the Polymerization of Purified Tublin「精製チューブリンの重合化に対する効果の定量比較による抗有糸***剤の評価」,Cell Biochem. Biophys., 投稿中、を参照のこと)。
チューブリン重合化は、Beckman DU7400/7500分光光度計を他所で詳しく記載されるように使用する350nmでの濁度測定によって評価した(National Committee for Clinical Laboratory Standards「臨床実験の全国委員会基準」酵母のブロス希釈抗真菌感受性試験の標準法を参照のこと。承認スタンダード:M27−A。ペンシルヴェニア州ウェイン:NCCLS,1997)。様々な濃度の薬物を10μM:M(10mg/ml)の精製チューブリンとプレインキュベートした(Hamel, E., et al., Separation of Active Tubulin and Microtubule-associated Proteins by Ultracentrifugation and Isolation of a Component Causing the Formation of Microtubule Bundles「超遠心分離による活性チューブリンと微小管会合タンパク質の分離と、微小管束の形成を引き起こす成分の単離」,Biochemistry 1984, 23, 4173-4184 を参照のこと)。試料を氷上で冷やし、GTP(0.4mM)を加えて、重合化を30℃で追跡した。測定する変数は、20分後の反応の程度であった。先に詳しく記載されたようにして、コルヒチン結合を測定した。反応混合物は、1.0μM:Mチューブリン、5.0:M[H]コルヒチン(Dupontより)、及び1.0μM:Mの阻害剤を含有した。インキュベーションは、37℃で10分間であった。
本発明者はまた、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)において微小管を破壊する、ハロコンブスタチン(11a)及び(12a)の能力を実証した。HUVECは、当業者に知られた方法に従って単離した(Jaffe, E. A. et al., Culture of Human Endothelial Cells Derived From Umbilical Veins. Identification by Morphologic and Immunologic Criteria「臍静脈に由来するヒト内皮細胞の培養。形態学及び免疫学の判定基準による同定」,J. Clin. Invest. 1973, 52, 2754-2756 を参照のこと)。
さらに詳しい実験の系列において、化合物(11a)(フルオロコンブスタチン)をHUVECに対して in vitro でさらに評価した。これらの細胞は、フルオロコンブスタチン(11a)に対して有意な感受性を示した:ED50 0.00025μg/mL。臍帯長さだけでなくジャンクション数も、未処置対照に比較して、0.01μg/mLと0.001μg/mLの両方で著しく低下した。内皮細胞に抗するそのような活性は、内皮細胞が血管新生プロセスにおいて中心的な役割を担うことが知られているので、重要である。モノ及びジヨードコンブスタチン(14a及び22a)の両方で、臍帯長さだけでなくジャンクション数も、未処置対照(図5A)に比較して、0.001μg/mlで著しく低下し(表IIIと図5B及び5Dを参照のこと)、0.0001μg/mlで対照と同様であった(図5C及び5E)。0.001μg/mlで、(20c)(図5F)は、(14c)(図5G)に比較して、臍帯サイズのやや大きな低下を示した。HUVEC内皮細胞に抗するそのような阻害活性は、これらの細胞が血管新生プロセスにおいて中心的な役割を担うので、きわめて興味深い。
本発明のハロコンブスタチンは、抗微生物特性も有するようである。より具体的に言えば、それらは、抗真菌及び/又は抗菌特性を有するようである。ハロコンブスタチンの抗微生物評価は、基準ブロス微量希釈アッセイによって実施する感受性試験を伴った。ハロコンブスタチンの抗菌活性はきわめて類似していて、グラム陽性菌と病原性真菌 Cryptococcus neoformans を標的とした。結果を表IVに示す。フルオロコンブスタチン(11a)のリン酸ナトリウム誘導体(16a)は、有意な抗微生物活性を保持しなかった。
同様に、本発明者は、コンブレタスタチンA−3(但し、そのリン酸ナトリウムプロドラッグではない)が病原性真菌 Cryptococcus neoformans の増殖を阻害することをすでに示した(Pettit, G. R., et al., Antineoplastic Agents 463. Synthesis of Combretastatin A-3 Diphosphates「抗新生物剤463.コンブレタスタチンA−3二リン酸塩の合成」,Anticancer Drug Design 2000, 15, 397-404 を参照のこと)。本化合物の抗微生物活性を判定するために、基準ブロス微量希釈アッセイによって感受性試験を実施した(National Committee for Clinical Laboratory Standards「臨床実験の全国委員会基準」好気的に増殖する細菌についての希釈抗微生物感受性試験法。承認スタンダード:M7−A5。ペンシルヴェニア州ウェイン:NCCLS,2000;National Committee for Clinical Laboratory Standards「臨床実験の全国委員会基準」酵母のブロス希釈抗真菌感受性試験の標準法。承認スタンダード:M27−A。ペンシルヴェニア州ウェイン:NCCLS,1997を参照のこと)。本発明のハロコンブレタスタチンの抗微生物活性はきわめて類似していて、グラム陽性菌と Cryptococcus neoformans を標的とした。これを表IVにさらに詳しく例示する。また、表Vには、ジヨードコンブスタチン(22a)及び(22b)の2つが M. Luteus に対して活性があり、ジヨードコンブスタチン(24a〜24h)が N. gonorrhoeae に対してきわめて活性があったことが示される(表V)。ヨードコンブスタチン(20d)、(20g)、及び(20h)も、N. gonorrhoeae に対しても活性があり、ヨードコンブスタチン(14a)は、病原性酵母 Cryptococcus neoformans に対してわずかな活性しかなかった(表V)。このように、見られるように、本発明の新規化合物のいくつかは、抗真菌剤及び抗菌剤のような抗微生物剤としてのポテンシャルを有するようである。
我々のヨード及びジヨードコンブスタチンの選択物をヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)に対してin vitro で評価した(表VI)。上記の細胞は、これらの化合物のいずれに対しても有意な感受性を示した。最も活性のあるヨードコンブスタチン(14a):ED50 0.000040μg/mLは、ジヨードコンブスタチン(22a)より活性があり、リン酸エステル(20c)と(20a)の間で同様のパターンが観察された。
表VIIは、ヒト未分化甲状腺癌細胞系に対する我々のヨード及びジヨードコンブスタチンの阻害値を示す。この阻害値(GI50)は、μm/mlで表す。
実験の部
材料と方法。溶媒(エーテルは、ジエチルエーテルを意味する)と試薬は、いずれも市販の供給元(Acros Organics,シグマ−アルドリッチ社,Alfa Aesar,City Chemicals、又はLancaster Synthesis社)より入手した。3−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアルデヒドは、Lancaster Synthesisより購入した。溶媒は再蒸留した。水溶液の溶媒抽出物は、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。VWR Scientific(70〜230メッシュ)又はメルク(230〜400メッシュ)からのシリカゲルを使用して、重力カラムクロマトグラフィーを実施した。TLCには、AnaltechシリカゲルGHLFプレートを利用した。
融点は、いずれも電気化学デジタル融点装置、Model 9100又はIA−9200で決定して、補正しなかった。H及び13C−NMRスペクトルは、Varian Gemini 300MHz又はVarian Unity 400又は500MHz機器を利用して、他に述べなければ、CDCl(テトラメチルシラン内部標準)を溶媒として記録した。31P−NMRスペクトルは、400MHz又はUnity 500MHz機器を利用して、CDCl又はDO溶液において85% HPOを外部標準として入手した。化学シフトは、CDCl又は(注目する場合は)DO中の内部標準としてのテトラメチルシランからの下方磁場(ppm)で報告する。高解像質量スペクトルは、Kratos Ms−50機器(ミッドウェスト質量分析センター、ネブラスカ−リンカーン大学)を用いて、又はアリゾナ州立大学・癌研究所においてJoel LCmate機器を用いて入手した。元素分析は、Galbraith Laboratories 社(テネシー州ノックスヴィル)により定量した。
ジメトキシハロベンズアルデヒドの合成の一般手順
3−フルオロ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド。100mLのDMFと5−フルオロバニリン(正味1.0g,5.88ミリモル)より調製した撹拌溶液へ15分後にヨードメタンを加えて、室温での撹拌を16時間続けた。水の添加により反応を止めて、この混合物をヘキサン(3x100ML)で抽出して、溶媒を真空で除去した。ヘキサン−酢酸エチル(4:1)を溶出液として使用するシリカゲルのカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、無色の固形物(1g,収率93%)を得た;
Figure 2008514614
3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド。5−クロロバニリン(10g,54ミリモル)を用いて先の反応を繰り返して本化合物を得て、これを先の実験に示したように単離して、無色の固形物(10.4g,収率97%)を得た;
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド。5−ブロモバニリン(10g,43.3ミリモル)を用いて先のアルデヒドについて記載のように実験を繰り返して化合物(6)を得て、ヘキサン−酢酸エチル(9:1)を溶出液として使用するシリカゲルのカラムでのフラッシュクロマトグラフィーにより分離して、無色の固形物(8g,収率75%)を得た;
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4−メトキシベンズアルデヒド。3,5−ジヨード−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5g,13.37ミリモル)の無水DMF(50ml)溶液を0℃へ冷やして、水素化ナトリウム(0.64g,16ミリモル、鉱油中60%分散液)をゆっくり加えた。次いで、ヨードメタンを加えて、撹拌を室温で暗所に19時間続けた。水(50mL)の添加により反応を止めて、EtOAc−ヘキサン(1:1,3x50mL)へ抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濾過して、濃縮した。EtOAc−ヘキサン(1:9)を溶出液として使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって残渣を分離して、無色の固形物(4.2g,80%;mp 123〜123℃,lit11 mp 124℃)を得て、これをヘキサンより再結晶して、無色の結晶を得た。
Figure 2008514614
元素分析 Cの計算値:C,24.77;H,1.56。実測値:C,24.86;H,1.58%。
3−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアルデヒドは、シグマ−アルドリッチ・ケミカル・カンパニーより入手した。
3−O−tert−ブチルジフェニルシロキシ−4−メトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド(6)。400mLの乾燥ジクロロメタンへベンジルアルコール(5)(84g,214ミリモル)(Pettit, G. et al., Antineoplastic Agents 463. Synthesis of Combretastatin A-3 Diphosphates「抗新生物剤463.コンブレタスタチンA−3二リン酸エステルの合成」,Anticancer Drug Design,. 2000, 15, 397-404)と三臭化リン(10mL,106ミリモル、0.5当量)を加えた。この反応混合物をそのまま16時間撹拌して、10% NaHCOの添加により止めて、生成物をジクロロメタンで抽出した。溶媒を(真空で)除去し、生じる臭化ベンジルを500mLのトルエンに溶かして、トリフェニルホスフィン(62g,236ミリモル、1.1当量)を加えた。この混合物を還流で1時間加熱して、室温で15時間撹拌した。沈殿を採取し、エーテルで摩砕して、132gのホスホニウム塩を収率86%で得た;
Figure 2008514614
スチルベン合成の一般手順
3−フルオロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−Z−スチルベン(7a)。ホスホニウム塩(6)(4.7g,6.5ミリモル)及びテトラヒドロフラン(25ml,−78℃へ冷却した)の混合物へn−BuLi(2.6mL,2.5M,6.5ミリモル、5分にわたり)を加え、続いて1時間撹拌した。次に、テトラヒドロフラン(10ml)中の3−フルオロ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド(1g,5.4ミリモル)を30分にわたり加えた(滴下)。この混合物をそのまま室温へ温めて、撹拌を16時間続けた。水(50mL)の添加によって反応を止め、生成物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を真空で除去して、得られる残渣(1:1 E/Z,収率75%)を、ヘキサン−酢酸エチル(9:1)を溶出液として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーへ処して、Z−スチルベン(7a)(1g,34%)を澄明なオイルとして得た;
Figure 2008514614
HRMS(C3336FOSiの計算値)[M+H]543.2368,実測値543.2372。
さらなる溶出によって、E−異性体(7b)(1.2g,収率41%)を得た:
Figure 2008514614
HRMS(C3336FOSiの計算値)[M+H]543.2368,実測値543.2392。
3−クロロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチル−ジフェニルシリル−Z−スチルベン(8a)。(7a)について上記に述べた実験手順を3−クロロ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド(2.8g,14ミリモル)で繰り返して、Z−異性体(8a)(1.6g,21%)を澄明なオイルとして得た:
Figure 2008514614
HRMS(C3336ClOSiClの計算値)561.2042[M+H],実測値561.2449,Cl 559.2071[M+H];実測値559.1996。
クロマトグラフィーカラムの継続溶出によって、E−スチルベン(8b)(4.9g,収率62%)の澄明なオイルとしての単離をもたらした;
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチル−ジフェニルシリル−Z−スチルベン(9a)。100mLのTHFへホスホニウム塩(6)(25.7g,36ミリモル)を加えて、この溶液を−78℃へ冷やした。温度が−78℃へ達したらすぐに、n−BuLi(14.4mL,2.5M,36ミリモル)を5分にわたり加えて、1時間撹拌することを続けた。次いで、ブロモ−ベンズアルデヒド(100mL THF中8g,33ミリモル)を30分にわたり滴下した。この混合物をそのまま室温へ温めて、撹拌を16時間続けた。次いで、水(50mL)の添加によって反応を止め、生成物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を真空で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって分離して、4.2gの(9a)(Z−スチルベン)、2:1,E:Z(全体収率65%)を得た;
Figure 2008514614
クロマトグラムのさらなる溶出によって、8.1gのE−異性体(9b)の単離をもたらした;
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチル−Z−スチルベン(10a)。ヘキサン中0〜3%酢酸エチルからの勾配カラムクロマトグラムによって、Z−スチルベン(10a)(1.4g)を収率21%で得た。mp 122〜124℃:HRMS,実測値:[M+H]651.1474。C3336Siは、[M+H]651.1427を要求する;
Figure 2008514614
シリルエーテル保護基の切断の一般手順
3−フルオロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(11a,フルオロコンブスタチン)。Z−異性体(7a)(2.4g,4.4ミリモル)、テトラヒドロフラン(50ml)、及び1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4.5ml,4.5ミリモル)より調製した溶液を3時間撹拌した。水(50ml)の添加によって反応を止め、この混合物を酢酸エチルで抽出して、溶媒を真空で除去した。1:4 酢酸エチル−ヘキサンを溶出液として使用するフラッシュクロマトグラフィーによる分離によってZ−スチルベン(11a)(1.12g,83%)を無色の固形物として得て、これを酢酸エチル−ヘキサンより再結晶した:
Figure 2008514614
HRMS C1718FOSiの計算値:305.1189[M+H]
3−フルオロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(11b)。シリルエステル(7b)(150mg,0.27ミリモル)の切断を(11a)の合成に記載のように実施した。酢酸エチル−ヘキサン(3:7)を使用するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによる分離によって、無色の固形物(11b)(75mg,収率88%)を得た:
Figure 2008514614
3−クロロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(12a)。シリルエステル(8a)(1.5g,2.7ミリモル)の脱保護を(11a)の合成について要約したように実施した。酢酸エチル−ヘキサン(3:7)を使用するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーによる分離によって、化合物(12a)(754mg,89%)を得た。ヘキサンからの再結晶によって白い固形物を得た;
Figure 2008514614
3−クロロ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(12b)。カラムクロマトグラフィー(7:3 ヘキサン−酢酸エチルでの溶出)によって無色の固形物、E−異性体(12b)(mp:138〜140℃)を収率79%で得た:
Figure 2008514614
HRMS C1717ClOの計算値:321.0894[M+H],実測値:321.0893。元素分析 C1717ClOのC,H。
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(13a)。(9a)(4g,6.6ミリモル)のシリルエステル切断反応をフェノール(11a)の合成について記載のように完了した。酢酸エチル−ヘキサン(1:4)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる単離によって、化合物(13a)(2.22g,92%)を得た。ヘキサンからの再結晶によって無色の固形物を得た:mp 108〜109℃;HRMS C1717BrOの計算値:364.0303,実測値[M+2]366.0287;
Figure 2008514614
HRMS C1717 81Brの計算値:366.0287。
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(13b)。フェノール(13a)を入手するために使用するのと同じ手順によって、シリルエステル(9b)をE−フェノール(13b)へ変換して、酢酸エチル−ヘキサン(3:7)を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって単離して、E−異性体(13b)(0.14g,81%)を得た。ヘキサンからの再結晶によって、無色の固形物を得た。
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(14a)。(10a)のシリルエステル切断反応をフェノール(11a)について記載のように完了した。粗生成物を、1:4 酢酸エチル−ヘキサンを溶出液として使用するカラムクロマトグラフィーによって分離して、1.38gのZ−異性体(14a)を収率81%で得た:mp 92〜94℃;HRMS C1718Siの計算値 実測値(M+H)413.0250。
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(14b)。カラムクロマトグラフィー(溶出液として30%酢酸エチル−ヘキサン)による分離によって、0.29gのE−異性体(14b)を収率98%で得た:
Figure 2008514614
(Z)−3−フルオロ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ジベンジル(15)。20mLのアセトニトリル(20mL)と3.5mL(36ミリモル)の四塩化炭素中のZ−スチルベン(11a)(1.1g,3.6ミリモル)を−10℃へ冷やして、10分間撹拌した。次いで、DIPEA(1.3mL,7.4ミリモル)に続いてすぐにDMAP(44mg,0.36ミリモル)を加えた。1分後、亜リン酸ジベンジル(1.2mL,5.4ミリモル)を5分にわたり加えて、この混合物を−10℃でさらに3時間撹拌した。この反応を0.5M KHPOの添加によって止め、この混合物を酢酸エチルで抽出し、溶媒を真空で除去して、生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサンでの1:1溶出)により単離して、1.5gのリン酸エステルを収率74%で得た:
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ジベンジル(16)。先述の反応(化合物(15)を参照のこと)をZ−スチルベン(13a)(1g,2.7ミリモル)で繰り返して、1.6gのリン酸エステル(16)を収率94%で得た:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ジベンジル(17)。リン酸エステル(15)を入手するために使用するリン酸化反応をZ−スチルベン(14a)(2.39g,0.95ミリモル)で繰り返して、0.55gのZ−スチルベン(17)を収率86%で無色のオイルとして得た:b.p.dec.274℃(0.01mmHg);HRMS C3131PIO[M+H]の計算値,673.0852;実測値[M+H],673.0808。
Figure 2008514614
cis−スチルベン(9a)(0.68g,1.64ミリモル)のアセトニトリル(7mL)溶液を−10℃へ冷やした。四塩化炭素(1.6mL,16.4ミリモル)を加えて、この混合物を暗所に−10℃で10分間撹拌した。次に、ジイソプロピルアミン(0.57mL,3.28ミリモル)に続いてすぐにDMAP(20mg,触媒)を加えた。1分後、亜リン酸ジベンジル(0.44mL,1.96ミリモル)を加えて、この混合物を−10℃で20分間撹拌した。この反応を0.5M KHPO(7mL)の添加によって止め、EtOAc(3x15mL)へ抽出し、この抽出溶液を乾燥させ、濾過して、濃縮した。油状の残渣を、4:1 ヘキサン−EtOAcを溶出液として使用するカラムクロマトグラフィーによって分離して、0.94g(86%)の純粋なオイルを得た:C3131IOPの元素分析 計算値:C,55.37;H,4.50。実測値:C,55.37;H,4.64%。
リン酸カチオン誘導体の合成の一般手順
方法A。ナトリウム塩(19a)を製造するための以下に概説した手順によって、それぞれの金属カチオン含有塩を入手した。金属対イオンは、リン酸を対応の水酸化物(例、カリウム、リチウム)又は酢酸塩(例、マグネシウム)のいずれかで処理することによって導入した。
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム(19a)。リン酸ジベンジル(16)(0.28g,0.45ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(10mL)溶液へトリメチルシリルブロミド(125μL,0.95ミリモル)を加えた。この反応混合物をアルゴン下に30分間撹拌して、反応をメタノール(20mL)の添加によって止めた。溶媒の(真空での)除去に続き、遊離リン酸をエタノール(10mL)に溶かして、ナトリウムメトキシド(49mg,0.9ミリモル)を残渣へ加えた。この反応混合物を30分間撹拌した後で、沈殿を採取し、エーテルで洗浄して、ナトリウム塩(19a)(0.17g)を無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
3−フルオロ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム(18a)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム(19b)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム(19c)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−フェニル−Z−スチルベン3’−O−リン酸セシウム(19d)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ルビジウム(19e)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カルシウム(19f)
Figure 2008514614
3−ブロモ−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸マグネシウム(19g)
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム(20a)
Figure 2008514614
方法B。カリウム塩(18c)(ほぼ30mg)を脱イオン水(1mL)に溶かし、Dowex−50w(HCR−W2)樹脂カラム(アミン又はアミノ酸)へ適用して、水によって展開した。溶出液を凍結乾燥によって濃縮して、必要とされる化合物を得た。
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−Z−スチルベン(10a)と3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−E−スチルベン(10b)
方法A。臭化ホスホニウム(6)(3.67g,5.13ミリモル)をDCMに0℃で溶かした。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.41g,10.2ミリモル)を加えると、この混合物は橙色になった。次に、3−ヨード−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド(1g,3.42ミリモル)を加えて、撹拌を21時間続けた。水(50mL)を加えることによって反応を止めて、DCM(3x50mL)で抽出して、これを乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られたオイルを、ヘキサン中0〜3%酢酸エチルの溶出液を用いたシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーへ処して、Z−スチルベン(10a)(0.86g,39%)を得て、これをヘキサンより無色の固形物として結晶させた:
Figure 2008514614
HRMS C3336IOSiの計算値:651.1428[M+H],実測値:651.1474;元素分析 C3335IOSiの計算値:C,60.92;H,5.45。実測値:C,60.79;H,5.67%。
さらなる溶出によって、E−スチルベン(10b)(0.96g,43%)を得て、これをヘキサンより無色の固形物として結晶させた;
Figure 2008514614
HRMS C3336IOSiの計算値:651.1428[M+H],実測値:651.1400;元素分析 C3335IOSiの計算値:C,60.92;H,5.45。実測値:C,60.88;H,5.63%。
方法B。臭化ホスホニウム(6)の乾燥THF(100mL)撹拌及び冷却(−70℃)懸濁液へブチルリチウム(4.5mL,11.3ミリモル)を加えた。この溶液を−70℃で30分間、次いで室温で6時間撹拌した。水(50mL)を加えて、この反応混合物をEtOAc(3x100mL)で抽出し、抽出物を乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られたオイルを、ヘキサン中0〜3%酢酸エチルの溶出液を用いたシリカでのフラッシュクロマトグラフィーへ処して、Z−スチルベン(10a)(1.4g,21%)を無色の固形物として得た:mp 122〜124℃。
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−O−tert−ブチル−ジフェニルシリル−Z−スチルベン(25a)と3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−O−tert−ブチル−ジフェニルシリル−E−スチルベン(25b)
方法A。臭化ホスホニウム(6)(2.77g,3.87ミリモル)(8)をDCMに0℃で溶かした。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.31g,7.7ミリモル)を加えると、この混合物は橙色になった。アルデヒド(1.0g,2.57ミリモル)を加えて、撹拌を7.5時間続けた。水(50mL)を加えることによって反応を止めて、DCM(3x50mL)で抽出した。この有機抽出物を乾燥させ、濾過して、濃縮した。油状の残渣を、ヘキサンを溶出液として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーへ処して、表題化合物の異性体の混合物(収率71%,1.35g)を得た。さらなる溶出によって、E−異性体(0.10g,5%)を無色のオイルとして純粋な形態で得た:
Figure 2008514614
及び、HRMS C3233Siの計算値:747.0289[M+H],実測値:747.0442。
方法B。臭化ホスホニウム(6)(1.01g,1.4ミリモル)の乾燥THF(80mL)撹拌及び冷却(−10℃)懸濁液へブチルリチウム(0.6mL,1.47ミリモル)を加えた。この橙色〜赤色の溶液を室温で10分間撹拌した。アルデヒド(0.50g,1.33ミリモル)を加えると、この反応混合物の色が赤色から黄色へ変化した。撹拌を室温で10分間続け、氷水(100mL)を加えて、この混合物をEtOAc(3x100mL)で抽出した。抽出物を水(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過して、濃縮した。生じるオイルを、ヘキサン−EtOAc(100:1)を溶出液として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって一部分離して、異性体の混合物(cis:trans,0.90g,90%)をほぼ1:1.9の比率で得た。
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(14a)。シリルエーテル(7a)(1.30g,1.99ミリモル)のTHF溶液へフッ化テトラブチルアンモニウム(2.2mL,2.2ミリモル)を加えた。この混合物をAr下に暗所で10分間撹拌して、水(5mL)の添加によって反応を止めて、生成物をEtOAc(3x100mL)で抽出し、抽出物を乾燥させ、濾過して、濃縮した。この粗生成物を、1:4 酢酸エチル:ヘキサンを溶出液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して、スチルベン(14a)(0.70g,85%)を無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
HRMS C1718IOの計算値:413.0259[M+H],実測値:413.0250;元素分析 C1717IOの計算値:C,49.53;H,4.16。実測値:C,49.38;H,4.24%。
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(14b)。cis−異性体(14a)の合成について上記に記載されるように、シリルエーテル(10b)(0.46g,0.7ミリモル)よりtrans−異性体(14b)(0.29g,98%)を入手した。カラムクロマトグラフィー(溶出液として7:3 ヘキサン−酢酸エチル)による分離によって、E−異性体(14b)(0.29g,98%)を無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
HRMS C1718IOの計算値:413.0257[M+H],実測値:413.0250;元素分析 C1718IOの計算値:C,49.53;H,4.16。実測値:C,49.38;H,4.24%。
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン(22a)と3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン(22b)
これらのスチルベンは、cis−異性体(14a)の合成について上記に記載のように、Z及びE−シリルエーテル混合物(21ab)(1.35g,1.81ミリモル)より入手した。この油状の混合物を、2:1 ヘキサン−EtOAcを溶出液とするカラムクロマトグラフィーにより分離して、cis−異性体(22a)(0.45g,49%)をオイルとして得た:
Figure 2008514614
HRMS C1615の計算値:508.9113[M+H],実測値:508.9111;元素分析 C1614の計算値:C,37.82;H,2.78。実測値:C,37.80;H,2.83。
さらなる溶出によって、E−スチルベン(22b)(0.46g,収率50%)を無色の固形物として得て、これをヘキサンより結晶させた:
Figure 2008514614
HRMS C1615の計算値:508.9113[M+H],実測値:508.9119;元素分析 C1614の計算値:C,37.82;H,2.78。実測値:C,38.01;H,2.91。
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−アセチル−Z−スチルベン(22c)
適切なフェノール(22a)(0.45g)をピリジン(3mL)−無水酢酸(170μL)に溶かして、2時間撹拌した。この混合物を減圧でトルエン(3x10mL)より濃縮した。残渣をEtOAc(30mL)で希釈し、水(10mL)、NaHCO(10%水溶液、10mL)で連続的に洗浄し、乾燥させて、この溶液を濾過して濃縮した。このアセテートを、1:24 ヘキサン−EtOAc:ヘキサンを溶出液として使用するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して、アセテート(22c)(0.20g,41%)を無色の固形物として得て、ヘキサンより再結晶させた。
Figure 2008514614
HRMS C1920の計算値:582.9479[M+CHOH],実測値:582.9482;元素分析 C1816の計算値:C,39.30;H,2.93。実測値:C,39.30;H,3.13%。
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−アセチル−Z−スチルベン(14c)
適切なフェノール(0.1g,0.24ミリモル)を3mL無水ピリジンに溶かした。無水酢酸(50μL,0.51ミリモル)を触媒量のDMAPとともに加えた。この混合物を90分間撹拌した。5mL CHOHの添加によって反応を止めた。この混合物をトルエンで希釈して、減圧で濃縮した。EtOAc:ヘキサン(1:9)を溶出液として使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーでこれを精製して、白い固形物(0.1mg,91%)を得た。この固形物をヘキサンより結晶させた:
Figure 2008514614
HRMS C1920IOの計算値:455.0355[M+H],実測値:455.0356;元素分析 C1919IOの計算値:C,50.24;H,4.22。実測値:C,49.67;H,4.18%。
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ジベンジル(23)
ヨウ化物(10a)の合成について上記に記載のように、適切なリン酸ジベンジル(0.38g,収率55%)を入手した(0.46g,0.91ミリモル)。無色のオイル:bp dec 220℃;
Figure 2008514614
HRMS C3028Pの計算値:768.9713[M+H],実測値:768.9699;31P−NMR(162 MHz, CDCl3)δ-5.51。
リン酸及び誘導体の合成の一般手順
方法A。水酸化リチウム又はナトリウムメトキシドのいずれかを使用するリン酸の処理によって導入する金属対イオン以外は、カリウム塩(20c)を製造するための本明細書に概説する手順によって、金属カチオンリン酸塩のそれぞれを入手した。
方法B。Dowex−50W(2g)(HCR−W2)をカラムに入れて、CHOH(50mL)、1N HCl(pH1まで)、水(pH7まで)、塩基/アミン/アミノ酸(pH7〜14まで)、そして水(pH7まで)で連続的に洗浄した。このカラムは、再使用した。カリウム塩又はその対応のジヨードリン酸塩(約25mg)を脱イオン水(1mL)に溶かし、Dowex−50w(HCR−W2)樹脂カラム(適正なアミン又はアミノ酸メチルエステルを担う)へ適用して、ほぼ40mLの水で展開した。溶出液を凍結乾燥によって濃縮して、必要とされるカチオン誘導体を得た。
方法C。アミノ酸メチルエステル。アミノ酸メチルエステル塩酸塩をCHOH溶液において炭酸カリウムを加えることによって中和した。エーテルを加えて塩化カリウムを沈殿させて、この溶液を濾過して濃縮した。次いで、アミノ酸メチルエステル残渣を、方法Bに記載のように、Dowex−50W(HCR−W2)へ適用した。
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム(20c)
リン酸エステル(9a)のDCM(40mL)冷却(0℃)溶液へトリメチルブロモシラン(277μL,1.8ミリモル)を加えた。90分間撹拌後、チオ硫酸ナトリウム(10%水溶液、10mL)を加えて、この混合物をさらに1分間撹拌した。相を分離させて、水相をDCM(20mL)に続いてEtOAc(2x20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、リン酸中間体を澄明なオイルとして得た。1時間乾燥(高真空)後、オイルをCHOH(10mL)に溶かし、0℃へ冷やして、KOH(1.8mL,CHOH中1M溶液)を加えた。この混合物を20分間撹拌し、沈殿を採取し、エーテルで摩砕して、カリウム塩を無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム(20a)
無色の固形物として単離した:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム(11c)
無色の固形物として明らかにした:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン(20d)
別の無色のオイル:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン(20e)
無色のオイル:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−O−Me(20f)
無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−O−Me(20g)
無色の固形物:
Figure 2008514614
3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris(20h)
無色の固形物:
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム(24a)
リン酸がEtOAcとDCMに溶けないので、水相をブチルアルコール(2x25mL)で抽出すること以外は、(20c)の合成について上記に記載のように、適切なエステル(9c)(0.29g,0.38ミリモル)よりリン酸エステル(0.20g,80%)を得た。このカリウム塩は、無色の固形物であった:
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム(24b)
無色の固形物として得た:
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム(24c)
250〜270℃(分解)で融ける無色の固形物;
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン(24d)
無色のロウ状の固形物:
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン(24e)
無色の固形物として単離した;
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−OMe(24f)
無色の固形物;
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−OMe(24g)
無色の固形物として採取した;125〜130℃で融ける;
Figure 2008514614
3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris(24h)
無色の固形物;
Figure 2008514614
癌細胞系の処理手順
国立癌研究所(National Cancer Institute)の標準スルホローダミンBアッセイを使用して、ヒト癌細胞増殖の阻害を評価した。48時間後、プレートをトリクロロ酢酸で固定し、スルホローダミンBで染色して、自動化マイクロプレートリーダーで読み取った。50%の増殖阻害(GI50、又は正味タンパク質増加の50%抑制を引き起こす薬物濃度)を光学密度データよりImmunosoftソフトウェアを用いて計算した。マウス白血病P388細胞の阻害を、10%ウマ血清/Fisher培地溶液で24時間に続く、化合物の系列希釈液との48時間インキュベーションで評価した。次いで、Z1 Beckman/Coulter粒子カウンターを使用して、細胞増殖阻害(ED50)を計算した。
チューブリン評価:当業者に知られるように、Beckman DU7400/7500分光光度計を使用して、35nmでの濁度測定によってチューブリン重合化を評価した。様々な濃度の化合物を10μMでプレインキュベートした。インキュベーションは、37℃で10分間であった。
抗血管新生
HUVEC手順
当業者に知られる Developmental Therapeutics Program(開発治療薬プログラム)NCI/NIHプロトコールに従って、インビトロマトリジェル(in vitro Matrigel)抗血管新生アッセイを実施した。基底膜マトリックスのマトリジェル(Matrigel)は、BD Biosciencesより入手した。GlycoTechより入手したヒト臍静脈内皮細胞を使用して、増殖阻害アッセイと臍帯形成アッセイを実施した。
臍帯形成アッセイ
氷冷96ウェルプレートの各ウェルに60マイクロリットルのアリコートを入れた。次いで、このプレートを室温に15分間放置してから、37℃で30分間インキュベートして、マトリゲルを重合させた。この間に、HUVEC細胞を採取して、2x10細胞/mlの濃度へ希釈した。次に、試験する化合物を含有する100μLの溶液を加えた。24時間のインキュベーション後、Nikon Diaphot倒立顕微鏡とD100デジタルカメラを使用して、各濃度について画像を撮った。形成される臍帯の長さとジャンクションの数を測定することによって、未処置対照に比較して、薬物効果を評価した。
標準スルホローダミンBアッセイ(上記の「癌細胞系の処理手順」を参照のこと)を使用して、HUVEC細胞を使用した結果を評価した。プロットしたデータより、IC50又はED50(50%阻害を引き起こす濃度)を算出した。
投与
投与量
治療を必要とするヒトや他の動物へ投与すべき投与量は、新生物疾患又は微生物感染症の本体;その年齢、健康、及び体重が含まれる、関わる宿主のタイプ;(もしあれば)併用治療の種類;治療の頻度と療法比に依存するものである。以下は例示に他ならないものであり、投与する実際の投与量と投与又は送達の方法はそれから変化してよいという理解の基に、様々な可能な投与の投与量及び方法を下記に記載する。適切な投与量と投与の形態及び方法は、当業者が決定してよい。
例示的には、投与する有効成分の予測される投与量レベルは、以下の範囲にあり得る:静脈内、0.1〜約200mg/kg;筋肉内、1〜約500mg/kg;経口、5〜約1000mg/kg;鼻腔内点滴注入、5〜約1000mg/kg;及び、エアゾール、5〜約1000mg/kg(宿主の体重)。
濃度に関して表せば、有効成分は、本発明の組成物において、皮膚、鼻腔内、咽頭喉頭、気管支、膣内、直腸、又は眼の付近での局在化した使用に、組成物の約0.01〜約50%(w/w)、好ましくは約1〜約20%(w/w)の濃度で;そして、非経口使用には、組成物の約0.05〜約50%(w/v)、好ましくは約5〜約20%(w/v)の濃度で存在してよい。
本発明の組成物は、ヒト及び動物への投与のために、好適な量の有効成分を含有する、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、無菌の非経口溶液剤又は懸濁液剤、無菌の非腸管外溶液剤又は懸濁液剤、及び経口溶液剤又は懸濁液剤、等のような単位剤形で提示すると企図される。当該技術分野で知られた他の剤形も使用してよい。
経口投与では、固体又は液体の単位剤形のいずれを調製してもよい。
散剤は、有効成分を好適に微細な大きさへ粉砕して、同様に粉砕した希釈剤と混合することによって調製してよい。希釈剤は、乳糖又はデンプンのような食用の炭水化物材料であり得る。有利には、甘味剤又は糖だけでなく芳香オイルが存在する。
カプセル剤は、上記に記載の粉末混合物を調製して、成型されたゼラチンの鞘へ充填することによって製造してよい。有利には、充填操作への補助剤として、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、等のような滑沢剤を充填操作の前に粉末混合物へ加える。
軟ゼラチンカプセル剤は、許容される植物油、軽流動パラフィン、又は他の不活性オイル又はトリグリセリド、又は他の医薬的に許容される担体と有効成分のスラリーの機械被包化によって調製してよい。
錠剤は、粉末混合物を調製し、造粒又はスラッギング(slugging)、滑沢剤を加えて、錠剤へ圧縮することによって作製してよい。粉末混合物は、好適に粉砕した有効成分をデンプン、乳糖、カオリン、リン酸二カルシウム、等のような希釈剤又は基剤と混合することによって調製してよい。粉末混合物は、コーンシロップ、ゼラチン溶液、メチルセルロース溶液、又はアカシア粘液のような結合剤で加湿して、篩いに通過させることによって造粒することができる。造粒への代替法として、粉末混合物は、スラグにしてよい、即ち、錠剤機に通して、生じる不完全に成型された錠剤を破片(スラグ)へ壊してよい。このスラグは、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、又は鉱油の添加によって滑沢化させて、錠剤形成ダイへ粘着することを防ぐことができる。次いで、この滑沢化した混合物を錠剤へ圧縮する。
有利には、錠剤そのものの保護のために、及び/又は嚥下を容易にするために、錠剤は、密封コート又はシェラックの腸溶外皮コート、糖及びメチルセルロースのコーティング剤、及びカルナウバロウの光沢コーティング剤といった医薬的に許容されるコーティング剤とともに提供することができる。
茶さじ1杯の各組成物が投与用に予め決定された量の有効成分を含有する、シロップ剤、エリキシル剤、及び懸濁剤のような経口投与用の液体の単位剤形を調製してよい。
水溶性の形態は、糖、芳香剤、及び保存剤と一緒に水系の担体に溶かして、シロップ剤を形成してよい。エリキシル剤は、親水アルコール担体を芳香剤と一緒の好適な甘味剤とともに使用することによって調製する。不溶性の形態の懸濁剤は、アカシア、トラガカント、メチルセルロース、等のような医薬的に許容される懸濁剤の助けを借りて好適な担体とともに調製してよい。
非経口投与では、有効成分と無菌の担体、例えば水を利用して、液体の単位剤形を調製してよい。有効成分は、使用する形態及び濃度に依存して、担体中に懸濁させても、溶かしてもよい。溶液剤を調製するには、水溶液の有効成分を注射水に溶かして、濾過滅菌した後で、好適なバイアル又はアンプルへ充填して、密封することができる。有利には、局所麻酔薬、保存剤、及び緩衝剤のような補助剤を担体に溶かすことができる。非経口懸濁液剤は、有効成分を担体に溶かすのではなく懸濁させて、滅菌を濾過によって達成し得ないこと以外は、実質的に同じやり方で調製してよい。有効成分は、無菌の担体に懸濁させる前に、酸化エチレンへの曝露によって滅菌してよい。有利には、医薬的に許容される界面活性剤又は湿潤剤を組成物に含めて、有効成分の均一な分布を促進してよい。
経口及び非経口の投与に加えて、直腸及び膣の経路を利用することができる。坐剤の手段によって有効成分を投与することができる。融点をほぼ体温に有する担体、又は容易に溶ける担体を利用することができる。例えば、ココア脂や様々なポリエチレングリコール(Carbowaxes)が担体として役立つことができる。
鼻腔内点滴注入には、有効成分と精製水のような好適な医薬担体を利用して液体の単位剤形を調製してよく、吸入が選択される投与である場合は、乾燥散剤を製剤化することができる。
エアゾール剤としての使用では、有効成分を、気体又は液化の推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、二酸化炭素、窒素、プロパン、等と一緒に、必要であるか所望されるならば、助溶剤及び湿潤剤のような通常の補助剤とともに加圧エアゾール容器に詰めてよい。
本明細書と請求項に使用する用語「単位剤形」は、ヒト及び動物の被検者への単位投与量として好適な物理的に別個な単位を意味し、各単位は、所望される治療効果をもたらすように計算された活性材料の予め決定された量を、必要とされる医薬希釈剤、担体、又は運搬体と一緒に含有する。本発明の新規な単位剤形の仕様は、(a)活性材料の独自の特性と達成すべき特別な治療効果と(b)本明細書に開示されるような、ヒトにおける療法使用のために活性材料を調合する技術に内在する限界によって規定され、それに直接的に依存して、これらは、本発明の特徴である。本発明に一致した好適な単位剤形の例は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、坐剤、パウダーパケット剤、ウェーハ剤、カシェ剤、茶さじ量剤、大さじ量剤、滴ビン量剤、アンプル剤、バイアル剤、上記のいずれの分離複合剤、そして本明細書に記載する他の剤形である。
抗新生物剤として利用すべき有効成分は、それ自身が当該技術分野で利用可能であり、確立された手順によって調製することができる医薬材料を利用した単位剤形において調製してよい。以下の調製物は、本発明の単位剤形の調製の例示であり、それを限定するものではない。以下に示すのは、本発明の化合物の剤形の例であって、ここで「有効成分」は、本明細書に記載の化合物を意味する。
組成物「A」
硬ゼラチンカプセル剤
1002個の経口使用のための硬ゼラチンカプセル(各カプセルは、200mgの有効成分を含有する)は、以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
空気ミクロナイザーの手段によって微細化した有効成分を他の微粉化した成分へ加え、徹底的に混合してから、通常のやり方で被包化する。
上記の手順を使用して、上記に使用の200gの代わりに50g、250g、及び500gの有効成分を用いることによって、有効成分を50、250、及び500mgの量で含有するカプセル剤を同様に調製してよい。
組成物「B」
軟ゼラチンカプセル剤
1個の経口使用のための軟ゼラチンカプセル(空気ミクロナイザーの手段によって微細化した、200mgの有効成分をそれぞれ含有する)は、はじめに化合物を0.5mlのとうもろこし油に懸濁させて材料をカプセル化可能(capsulatable)にしてから、上記のやり方で被包化することによって調製してよい。
組成物「C」
錠剤
1000個の錠剤(200mgの有効成分をそれぞれ含有する)は、以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
空気ミクロナイザーの手段によって微細化した有効成分を他の成分へ加えてから、徹底的に混合してスラグにする。16号篩いに強制的に通すことによって、このスラグを壊す。次いで、生じる顆粒を錠剤へ圧縮する(各錠剤は、200mgの有効成分を含有する)。
上記の手順を使用して、上記に使用の200gの代わりに250g及び100gの有効成分を用いることによって、有効成分を250mg及び100mgの量で含有する錠剤を同様に調製してよい。
組成物「D」
経口懸濁液剤
経口使用のための1リットルの水性懸濁液剤(それぞれ茶さじ(5ml)用量に50mgの有効成分を含有する)は、以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
クエン酸、安息香酸、ショ糖、トラガカント、及びレモンオイルを十分な水に分散させて、850mlの懸濁液とする。空気ミクロナイザーの手段によって微細化した有効成分をこのシロップユニット中で撹拌して、均一に分配する。十分な水を加えて、1000mlとする。
組成物「E」
非経口製品
新生物疾患を治療するための30mgの有効成分を1mlに含有する、非経口注射用の無菌の水懸濁液剤は、以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
有効成分以外のすべての成分を水に溶かして、この溶液を濾過により滅菌する。この無菌溶液へ空気ミクロナイザーの手段によって微細化した無菌の有効成分を加えて、この最終懸濁液を無菌バイアルへ充填して、このバイアルを密封する。
組成物「F」
坐剤、直腸及び膣
それぞれ2.5gの重量で200mgの有効成分を含有する1000個の坐剤を以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
有効成分を空気ミクロナイザーの手段によって微細化してプロピレングリコールへ加えて、この混合物をコロイドミルに通して、均一に分散させる。ポリエチレングリコールを融かして、このプロピレングリコール分散液を撹拌しながらゆっくり加える。この懸濁液を40℃で非冷蔵の型へ注ぐ。この組成物をそのまま冷やして固めてから、型より外して、それぞれの坐剤ホイルを包む。
組成物「G」
鼻腔内懸濁液
1mlに20mgの有効成分を含有する、鼻腔内点滴注入用の1リットルの無菌水懸濁液を以下の種類と成分の量より調製してよい:
Figure 2008514614
有効成分以外のすべての成分を水に溶かして、この溶液を濾過により滅菌する。この無菌溶液へ空気ミクロナイザーの手段によって微細化した無菌の有効成分を加えて、この最終懸濁液を無菌容器へ無菌的に充填する。
組成物「H」
散剤
バルク形態の5グラムの有効成分を空気ミクロナイザーの手段によって微細化する。この微小化した粉末をシェーカー型の容器に入れる。
組成物「I」
経口散剤
バルク形態の100グラムの有効成分を空気ミクロナイザーの手段によって微細化してよい。この微小化した粉末をそれぞれ200mgの用量へ分割して、包装する。
組成物「J」
絶縁剤(insulation)
バルク形態の100グラムの有効成分を空気ミクロナイザーの手段によって微細化する。
当然ながら、本開示に対峙する当業者が容易に思いつくような修飾、改変、及び適応は、本発明の精神内にあるとみなされると理解される。
表I.ハロコンブスタチンと他の化合物のヒト癌細胞系増殖阻害(GI50μg/mL)及びマウスP388リンパ球性白血病阻害活性(ED50μg/mL)
Figure 2008514614
表Ia.いくつかの合成修飾体の溶解度、ヒト癌細胞系阻害(GI50μg/mL)、及びマウスP388リンパ球性白血病阻害活性(ED50μg/mL)
Figure 2008514614
溶解度の数値は、1mL DOを25℃で使用して得た。
表Iaの記号
1a=コンブレタスタチンA−4
1b=コンブレタスタチンA−4リン酸ナトリウム
3a=コンブレタスタチンA3
11a=フルオロコンブスタチン
14a=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン
14b=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン
22a=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン
22b=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン
22c=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−アセチル−Z−スチルベン
14c=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−アセチル−Z−スチルベン
20c=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム
20a=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム
11c=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム
20d=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン
20e=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン
20f=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−O−Me
20g=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−O−Me
20h=ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris
24a=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム
24b=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム
24c=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム
24d=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン
24e=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン
24f=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−OMe
24g=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−OMe
24h=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris
表II.チューブリン重合化と[H]コルヒチンのチューブリンへの結合のハロコンブスタチンによる阻害
Figure 2008514614
表III.形成される臍帯の長さ、ジャンクションの数、及び相対増殖百分率
Figure 2008514614
Figure 2008514614
表IV.ハロコンブスタチンと他の化合物の抗微生物活性
Figure 2008514614
表V.ヨードコンブスタチンの抗微生物活性
Figure 2008514614
表Vの記号
11a=フルオロコンブスタチン
14a=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン
22a=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−Z−スチルベン
22b=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−ヒドロキシ−E−スチルベン
22c=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−3’−アセチル−Z−スチルベン
20c=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム
20a=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム
11c=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム
20d=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン
20e=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン
20f=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−O−Me
20g=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−O−Me
20h=3−ヨード−4,4’,5−トリメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris
24a=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸カリウム
24b=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ナトリウム
24c=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸リチウム
24d=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸モルホリン
24e=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸ピペリジン
24f=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸グリシン−OMe
24g=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸トリプトファン−OMe
24h=3,5−ジヨード−4,4’−ジメトキシ−Z−スチルベン3’−O−リン酸tris
表VI.ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)
μg/mLで表した阻害値(GI50
Figure 2008514614
表VII.μg/mLで表したヒト未分化甲状腺癌細胞系阻害値(GI50
Figure 2008514614
図1は、いくつかの先行技術の化合物の構造式を示す。 図2は、本発明の化合物の構造式が含まれる、本発明の化合物のいくつかを合成するための反応スキームを示す。 図3は、図2の反応スキームの続きを示す。 図4は、本発明の化合物の構造式が含まれる、本発明の化合物のいくつかを合成するための反応スキームを示す。 図5−1は、臍帯形成アッセイの結果の写真を示す。 図5−2は、臍帯形成アッセイの結果の写真を示す。

Claims (17)

  1. 以下:
    Figure 2008514614
    [式中、Xは、F、Cl、Br、又はIである]の構造を有する化合物。
  2. 以下:
    Figure 2008514614
    [式中、Xは、F、Cl、Br、又はIであり、Rは、Na、Li、K、Cs、Rb、Ca、Mgのような金属カチオンであるか、又はモルホリン、ピペリジン、グリシン−OCH、トリプトファン−OCH、又はNH(CHOH)である]の構造を有する化合物。
  3. 以下:
    Figure 2008514614
    [式中、Xは、F、Cl、Br、又はIであり、Zは、Na、Li、K、Cs、Rb、Ca、Mgのような金属カチオンであるか、又はモルホリン、ピペリジン、グリシン−OCH、トリプトファン−OCH、又はNH(CHOH)である]の構造を有する化合物。
  4. X=Fであり、Z配置で存在する、請求項1の化合物。
  5. X=Iであり、Z配置で存在する、請求項1の化合物。
  6. X=Fである、請求項2の化合物。
  7. X=Iである、請求項2の化合物。
  8. X=Iである、請求項3の化合物。
  9. 請求項1の化合物の有効量をヒト又は哺乳動物へ投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
  10. 請求項2の化合物の有効量をヒト又は哺乳動物へ投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
  11. 請求項3の化合物の有効量をヒト又は哺乳動物へ投与することを含んでなる、癌を治療するための方法。
  12. 癌が甲状腺癌であり、化合物においてX=Iである、請求項9の方法。
  13. 癌が甲状腺癌であり、化合物においてX=Iである、請求項10の方法。
  14. 癌が甲状腺癌であり、化合物においてX=Iである、請求項11の方法。
  15. 請求項1の化合物とそのための医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物。
  16. 請求項2の化合物とそのための医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物。
  17. 請求項3の化合物とそのための医薬的に許容される担体を含んでなる医薬組成物。
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