JP2008504320A - ビスフェノールaの調製によるフェノール含有ストリームからフェノールを分離するためのプロセス - Google Patents

ビスフェノールaの調製によるフェノール含有ストリームからフェノールを分離するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、ビスフェノールAの調製において生成され、40〜90質量%のフェノールと、5〜40質量%のビスフェノールAと、フェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを得る反応により生成される5〜40質量%の第二成分と、を含む部分ストリームからフェノールを連続的に分離するためのプロセスであって、
a)上記部分ストリームを、少なくとも5つの分離理論段を含む蒸留塔に供給する工程と、
b)上記蒸留塔において、フェノールをその上部において蒸留する工程と、
c)当該プロセスから残留生成物の第1の部分を放出する工程と、
d)滞留時間コンテナに連続的に上記残留生成物の第2の部分が移送され、上記残留生成物に含まれる第二成分が、190℃より高い温度、水力学的滞留時間少なくとも120分、酸触媒存在下で、少なくとも部分的に異性化され、その後上記蒸留塔に再び戻される工程と、を含み、滞留時間コンテナに供給される残留生成物部分の質量流量は、工程a)において蒸留塔に導入される部分ストリームの質量流量の30%より大きいプロセスに関する。

Description

フェノール及びカルボニル化合物の濃縮生成物であるビスフェノールは、数多くの商業的製品の生成のための出発材料若しくは中間体である。フェノールとアセトンとの反応による濃縮生成物(2、2−ビス(4−ハイドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、BPA))は、特に工業的に重要である。BPAは、例えばポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン及び修正されたフェノールホルムアルデヒド樹脂などの様々なポリマー材料の生成のための出発材料として用いられる。エポキシ樹脂及びポリカーボネートの生成は、好ましい応用分野である。
BPAのための工業的に適切な調製方法は、フェノールとアセトンとの酸触媒反応に基づいており、5:1より大きいフェノール−アセトン比率が当該反応において規定される。酸性の触媒として、同種の及び異種のブレンステッド酸若しくはルイス酸、例えば塩酸若しくは硫酸等の無機強酸を使用してもよい。ゲル状若しくは多孔質のスルホン化架橋ポリスチレン樹脂(酸性のイオン交換器)を使用することが好ましい。以下の形態は、触媒としての酸性イオン交換器を使用するプロセスに関連する。これらは、単分散であってもよいし、又は多分散であってもよい。
高い選択性を達成するために、フェノールとアセトンとの反応は共触媒であるメルカプト化合物の存在下で実行される。これらは、それぞれ反応溶液中に均一に溶解していても良く、イオン結合若しくは共有結合を介してスルホン化ポリスチレンマトリクスに固定されていてもよい。反応ユニットは、これを介して溶液が上方若しくは下方に流れる層状ベッド若しくは流動化ベッド、若しくは反応性蒸留塔等のコラムである。
反応の選択性、並びに触媒の長時間の保管安定性は、使用される原料フェノール及びアセトンの品質により強く影響を受ける。例えばBPA等の高品質のプラスティックのための原料として特にBPAの調剤を調製するため、使用される基礎材料フェノール及びアセトンの純度に対して非常に高い要求がなされる。一般的に、製品における高い純度を達成するため、触媒不活性化を最小とするため、不純物を低く一定に保ちつつ(S<0.5ppm、Fe<1ppm)、フェノールに対しては純度を99.95質量%より大きく、アセトンに対しては純度を99.90質量%より大きくすることが好ましい。例えば、EP−A−876319には、モルキュラーシーブを用いた処理により厄介な不純物を商業的フェノールから取り除き、それによりBPA調製プロセスにおける利便性を確実に向上させることが記載されている。
EP−A−680913には、BPA合成のためフェノールからハイドロキシアセトンを排除するため、改良された酸性イオン交換器を使用することが記載されている。
フェノールを酸触媒の存在下でアセトンと反応させることにより、及び共触媒であるメルカプト化合物と反応させることにより、未反応のフェノール及び任意であるがアセトンを含むと同時に、主としてBPA及び水を含む生成混合物を発生させる。更に濃縮反応による一般的な第2生成物、例えば、2−(4−ハイドロキシフェニル)−2−(2−ハイドロキシフェニル)プロパン(o,p−BPA)、置換インダン、ハイドロキシフェニルリンダノール、ハイドロキシフェニルクロマン、置換キサンテン、及び分子構造において3以上のフェニル環を備える高濃縮化合物が生成される。
水、フェノール及びアセトン並びに上述の第2生成物は、ポリマーの生成のためBPAの安定性を低下させ、そのため適切なプロセスにより分離しなければならない。特にポリカーボネートを生成するために、原料BPAの純度に対して高い要求がなされる。
例えば懸濁結晶化、溶融結晶化、蒸留及び/又は脱着等の適切な精製プロセスの多段カスケードによりBPAの加工及び精製が実行される。工業的な好ましい形態では、BPA/フェノール付加化合物を結晶化するとともに反応混合物を冷却することにより、BPAは、およそ等モル濃度の結晶性付加化合物の形態の、フェノール含有反応混合物から分離される。当該結晶化は懸濁結晶化の形態で実行することが好ましい。BPA/フェノール付加化合物結晶は、その後回転濾過器若しくは遠心分離器等の固液分離のための適切な装置により液相から分離されさらに精製される。そのようにして得られる付加化合物結晶は、一般的に、BPA、第二成分に対して99質量%より大きい純度のBPAを有し、付加化合物結晶の全量に対して約40質量%のフェノール含有量を有する。一般的にアセトン、水、フェノール、BPA及び第二成分から選択される1以上の成分を含む適切な溶液により洗浄することにより、当該付加化合物結晶には、表面に付着する不純物が存在しない。上述の反応溶液の懸濁結晶化及び固液分離により得られるBPA/フェノール付加化合物結晶は、更に広範な精製工程に付される。ここでは、フェノールが分離され、任意ではあるが第2生成物の濃度が適切な精製オペレーション(懸濁結晶化、層状結晶化、抽出、蒸留)を用いることにより減少する。
固液分離(母液(mother liquor))において得られる液体のストリームは、フェノール、BPA、反応において生成される水、未反応のアセトンを含み、BPAの調合において一般的に生成される第二成分において豊富である。好ましい形態では、母液の当該ストリームは反応ユニットに再び供給される。酸性のイオン交換器の触媒活性を維持するため、生成される水の全て若しくは一部を蒸留により事前に取り除く。未だに残っている全てのアセトンは、母液から全体的に若しくは部分的に取り除かれる。そのようにして得られた脱水反応ストリームは、フェノール及びアセトンが補給され、再び反応ユニットに戻される。別の形態では、BPA/フェノール付加化合物の懸濁結晶化が実行される前に、水及びアセトンを全体的に若しくは部分的に取り除いてもよい。上述の蒸留工程において、反応溶液に存在するフェノールの一部は蒸留により分離してもよい。
そのような閉回路手順(closed-circuit procedure)には、BPA調製の第2生成物が循環ストリームにおいて濃縮されるという問題を有する。これらの第2生成物は懸濁結晶化においてBPAの純度に悪影響を与え、触媒システムの不活性化をもたらす。循環ストリームにおける第二成分の過剰な濃縮を避けるため、母液混合物の一部を当該システムから排出しなければならない。この方式で当該プロセスにより取り除かれる第二成分の量は、平衡状態において当該反応により生成される第二成分の量に対応するはずである。当該排出は、一般的に、循環ストリームからの母液の部分を取り除くことにより実行される。これは、生成された反応水、未反応のアセトン、及び任意であるがフェノールの一部を蒸留により事前に取り除くことができる。この時点での母液の組成、及び放出される部分の組成が、一般的に70〜90質量%のフェノールと、3〜15質量%のBPAと、当該反応により生成される3〜15質量%の他の第二成分及びイソマーと、からなる。最後に言及した第二成分だけ当該プロセスから過剰に取り除かなければならないため、材料の損失を最小にするためには、放出物はさらに加工工程に付される。
単純な形態においては、残留量が10質量%未満となるまでフェノールは蒸留され、それにより、10質量%以下のフェノール、15〜85質量%のBPA、及び15〜85質量%第二成分を有する残留樹脂が得られる。この樹脂は当該プロセスから取り除かれ、例えば燃焼若しくはダンピングにより処理される。
放出物に含まれるBPAの部分が、放出された部分からフェノールの部分を蒸留し、このようにして得られた濃縮溶液を懸濁結晶化及びその後固液分離することにより回復される。フェノールの部分的分離を行う前若しくは後に、酸性のイオン交換器により充填された再配列ユニット(rearrangement unit)の上を当該放出物を通過させることが好ましいことが示された。このユニットは一般的に反応ユニットより高い温度で操作される。この再配列ユニットにおいて、その中で通用する条件の下、循環ストリームに存在する、BPA調剤による第二成分のいくらかがBPAに異性化され、BPAの全収率は増加しうる。固液分離において、現存するBPAの部分は、BPA/フェノール付加化合物結晶の形態で得られ、さらに精製工程に付してもよい。一般的に60〜90質量%のフェノール、3〜12質量%のBPA及び3〜18質量%の第二成分からなる濾液が付加的に得られる。この濾液に含まれるフェノールは、一般的に残留量が10質量%未満となるまで蒸留される。そして、10質量%未満のフェノール、14〜80質量%のBPA、20〜86質量%の第二成分を含む残留樹脂の結果物が処理に付される。
放出ストリームの加工のための上述のプロセスでは、フェノールの比較的大部分が、溶解しない形態若しくはBPA又は第二成分において結合された形態で、最終的に処理される残留樹脂に未だ存在するという問題を有していた。そのため、残留樹脂の処理により、原料を損失することになる。
したがって、本発明の目的は、BPA生成プロセスから放出ストリームを加工するプロセスであって、当該プロセスによりフェノールが高純度でしかも高収率で得られるようなプロセスを探求することにある。
そのようなプロセスは、次の要求を満たすことが好ましい。
1.残留樹脂におけるフェノールの最小化
2.残留樹脂におけるBPAの最小化
3.残留樹脂の量の最小化
4.低量の不純物(S、Fe、Cl)を有する高純度(99.8%より大)のフェノールを高い収率で加工プロセスから供給すること
5.装置及びエネルギーをできるだけ使用しない連続的手順。
本発明は、ビスフェノールAの調製において生成され、40〜90質量%のフェノールと、5〜40質量%のビスフェノールAと、フェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを得る反応により生成される5〜40質量%の第二成分と、を含む部分ストリームからフェノールを連続的に分離するためのプロセスであって、
a)上記部分ストリームを、少なくとも5つの分離理論段を含む蒸留塔に供給する工程と、
b)上記蒸留塔において、フェノールをその上部で蒸留する工程と、
c)当該プロセスから残留生成物の第1の部分を放出する工程と、
d)滞留時間コンテナに連続的に上記残留生成物の第2の部分が移送され、上記滞留時間コンテナにおいて、上記残留生成物に含まれる第二成分が、190℃より高い温度、水力学的滞留時間少なくとも120分、酸触媒存在下で、少なくとも部分的に異性化され、上記蒸留塔に再び戻される工程と、を含み、滞留時間コンテナに供給される残留生成物の部分の質量流量が、工程a)において蒸留塔に導入される部分ストリームの質量流量の30%より大きいプロセスに関する。
工程b)で蒸留されるフェノールは、99.8質量%より大きい純度を有する。
技術的な対象物は、滞留時間コンテナにおいて放出ストリームを酸触媒により開裂し、高い分離能力を有する真空塔の上部でフェノールを連続的に分離することにより得られる。
ビスフェノールAを調製するプロセスから放出される部分ストリーム1が、高い分解効率を有する蒸留塔2に供給される。この高い分解効率は、少なくとも5つのステージを有する分解理論段によって達成される。この蒸留塔において、フェノール蒸気3は上部において分離され、そして濃縮器4において濃縮され液体フェノール5となる。蒸留塔2からの残留生成物若しくは放出物6は、熱交換機7を介して循環され、フェノールの気化のために必要なエネルギーがそのシステムに導入される。濃縮器4及び蒸発器7は、装置の独立パーツであってもよく、それらは蒸留塔の構造体に組み込まれていてもよい。残留生成物の部分ストリーム9は、任意ではあるが緩衝タンク10に保管された後、残留樹脂の形態で処理機に供給される。残留生成物の他の部分ストリーム8は、滞留時間タンク11に供給される。この滞留時間タンクにおいて、フェノールの生成と共に、BPA及び二次成分の酸触媒異性化及び開裂が起こる。この開裂は、測定ユニット13による適当な酸(ストリーム12)の添加により加速される。滞留時間コンテナ11からのフェノール含有放出物14は、放出された部分ストリーム1と混合され、そしてそれによりフェノール回収のための蒸留ユニット2に再び供給される。
このプロセスは連続的に行われ、短時間のうちに平衡状態へと達する。ビスフェノールAの調製のためのプロセスから放出される部分ストリーム1は、原則としてBPAを調製するプロセスによるあらゆる生成物ストリームであってもよく、以下の成分、即ち40〜90質量%のフェノール、5〜40質量%のビスフェノールA及び5〜40質量%の二次成分(フェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを得る反応において生成される)を含む。
部分ストリーム1は、懸濁結晶化及び固液分離を含むBPA調製プロセスからの放出部分ストリームであることが好ましく、二次生成物の放出のため固液分離で濾過された部分ストリームが、本発明に係るフェノールの分離のためのプロセスの方向に供給される。蒸留塔2に供給される前、上述の部分ストリーム1は、任意ではあるが付加的な再配列ユニットを通って供給される。当該再配列ユニットにおいて、濾液に含まれるBPAの部分は、酸性イオン交換器との処理、その後のフェノールの部分蒸留、結晶化、固液分離により回収され、主要プロセスに供給される。この場合、再配列ユニットにおいて固液分離された濾液は、蒸留塔2の供給ストリーム1として使用される。
できるだけ効率的な方法で、フェノール含有残留物質を開裂、分離、精製するため、本発明に係る手順において、次の境界条件を遵守しなければならない。すなわち、例えば、イソプロピルフェノール等の他の低沸点成分を分離し、蒸留塔2の上部において、フェノールの結果物を確実に純度99.8質量%まで濃縮させるために、蒸留塔2は、少なくとも5つ、より好ましくは少なくとも10個の分離理論段を有していなければならない。この蒸留は、蒸留塔の上部における絶対圧力が、70〜200ミリバール、より好ましくは90〜120ミリバールとなるよう実行することが好ましい。滞留時間タンク11は、循環ストリーム8の平均水力学的滞留時間が少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間となるように構築され、効率的にかつできるだけ完璧に、BPAと二次成分との分離を実現するように設置される。この滞留時間反応器は、上方流若しくは下方流で完全に満たされているか、若しくは平行に制御された方法で実行してもよい。
ステップd)において、滞留時間コンテナ11における異性化及びそれに対応する開裂は、酸触媒の存在下で実行される。ステップd)において、開裂のための酸触媒(ストリーム12)として、数多くの強酸性の低揮発性若しくは非揮発性ブロンステッド酸を原則として使用してもよい。このような酸には、リン酸、そのより高い濃縮物、硫酸、アルカン鎖において4より多い炭素原子を有するアルカンスルホン酸、芳香スルホン酸、アリルアルカンスルホン酸若しくはホスホニウム酸が含まれる。これらの単一的に用いられる酸に加えて、例えば強酸性の酸化アルミニウム、サポートされたルイス酸、酸性ゼオライト若しくは他のアルミナ若しくはポリスチレンスルホン酸等の異種開裂触媒を使用してもよい。この場合においては、測定装置13は必要でなく、適切な保持構造により、異種の触媒が滞留時間コンテナ11に導入され、必要であれば交換される。本発明の好ましい実施の形態では、工程dにおける異性化及び開裂は、硫酸、リン酸、若しくはpトルエンスルホン酸の存在下で、特に好ましくは硫酸と共に実行される。図1に示すように、測定装置13を通って、蒸留塔2の残留生成物の循環ストリームへと至るストリーム12として測定を実行してもよい。しかしながら、滞留時間コンテナ11への取り込みストリーム8に対して、若しくは滞留時間コンテナ11からの放出ストリーム14に対して測定を実行してもよい。最後に、蒸留塔2への部分ストリーム1について測定を行ってもよい。蒸留塔2の残留生成物の循環ストリームについて測定することが好ましい。
酸性の開裂触媒の好ましい濃度は、取込ストリーム内の開裂可能な第2生成物の量に、また使用される酸の特性に依存し、そして簡単な実験において容易に決定することができる。硫酸を使用する好ましい実施の形態では、酸の測定された量は以下のようになる。
M(硫酸)=c(1−X)M(1)
ここで、M(硫酸)は、硫酸の質量流量(kg/h)を、
cは、濃度係数を、
Xは、部分ストリーム1におけるフェノールの質量を、
M(1)は、部分ストリーム1の質量流量(kg/h)を示している。
効果的に開裂するためには、cは、0.001%〜2%、好ましくは0.005%〜1%、特に好ましくは0.01〜0.2%である。他の酸では、類似の等式0.001%<c<5%を満たす。
効果的な異性化及び開裂のため、滞留時間コンテナ11における温度は、190℃より高く、好ましくは200℃より高いことが必要である。付加的に装置を使用することを制限するため、好ましい実施の形態では、熱の供給は直接蒸留塔2の蒸発器7によりなされる。これは、滞留時間コンテナ11への取込ストリーム8は分離された熱交換器では加熱されず、蒸留塔2の底部と滞留時間コンテナ11とは同じ温度で稼働されることを意味する。
滞留時間コンテナ11からの出口ストリーム14からフェノールを効果的に分離するために、滞留時間コンテナを通る循環ストリームは、部分ストリーム1と比較して小さすぎないことが必要である。一方、開裂可能な副生成物の不完全な開裂が生じ、まだ開裂可能である材料が、物質の損失と関連する放出部分ストリーム9を介して放出される。それゆえ、滞留時間コンテナ11に導入された質量流量は、ビスフェノールAの調製のためのプロセスに起因する部分ストリーム1の質量流量の30%より大、好ましくは80%より大、特に非常に好ましくは100%より大である。
酸触媒開裂を上手く促進するため、滞留時間コンテナ11における水力学的滞留時間を少なくとも2時間、好ましくは少なくとも4時間に設定することがさらに必要である。
次の実施例1〜7を、図1に係る導入試験において実行する。
ビスフェノールA調製のための工業的装置は、BPAの反応及び分離後、放出部分ストリーム1を発生させる。当該放出部分ストリーム1は、真空蒸留塔2において蒸留により加工される。当該部分ストリーム1は、質量流量M(1)で当該蒸留塔2に供給され、そしてXの質量のフェノールと、(1−X)の質量の他の成分を含んでいる。ここで、他の成分は、実質的にBPA、及びそのイソマー並びにアセトン及びフェノールの様々な分枝された及びより濃縮された生成物(例えば、ハイドロキシフェニル置換インダン、クロマン、トリスフェノール、及び同様の開裂可能な生成物)を含んでいる。全ての実施例及び比較例における組成(フェノール成分は除く)は、p,p−BPA35〜40質量%、o,p−BPA9〜12質量%、ハイドロキシフェニル置換インダン15〜19質量%、ハイドロキシフェニル置換クロマン18〜22質量%、トリスフェノール3〜5質量%、他の成分9〜12質量%である。これは、ビスフェノールA精製装置からの放出ストリームの典型的な組成に対応している。
表1は、当該蒸留塔の上部における、フェノールストリーム5の結果物の純度C(5)及び質量流量M(5)を示している。これは、実施例1〜7が基づいているそれぞれの条件に対するものである。使用される蒸留塔2は、20個の理論段を有する。そして、これは、およそ0.6の環流比で、また所定圧、すなわち熱力学的平衡状態で、蒸留塔2の底部において温度T(11)となるような圧力で稼働される。滞留時間コンテナ11における温度は、蒸留塔2の底部における温度と同様である。この示された値は、蒸留塔の連続オペレーションにより数時間後に達成される平衡条件と関連する。
部分ストリーム1からフェノールを効率よく回収するために、分離されたフェノールストリーム5の質量流量M(5)及び純度C(5)を最小化することが好ましく、それにより最大量の高純度フェノールが得られる。同時に、例外的な残留樹脂9の質量流量M(9)は最小とされる。本発明に係る実施例1及び2において、分離されたフェノールストリーム5の質量流量M(5)は、部分ストリーム1に含まれる開裂可能な成分の開裂により増加し、それにより、部分ストリーム1におけるフェノールの質量Xに基づいて、フェノール収率Y=M(5)/(XM(1))>1.20が得られ、それと同時に、高純度C(5)のフェノールストリーム5が得られ、そして放出された残留樹脂9の質量流量M(9)が最小化される。
実施例1〜3及び5〜7において、滞留時間コンテナ11における開裂は、硫酸の添加により補助される。使用される硫酸の量M(硫酸)は、次式:M(硫酸)=c(1−X)M(1)により与えられる。
比較例3において、滞留時間コンテナ11における温度T(11)は180℃まで低下する。その結果、フェノール収率は1.03まで低下し、したがって効率的な開裂はもはや起こらない。
比較例4は、硫酸濃度の効果を示している。付加的な酸を注入しなければ(実施例4におけるC=0は、M(硫酸)=0を意味する。)、効果的な開裂が起こらず、そのためフェノール収率は、0.97まで低下する。
比較例5は、滞留時間コンテナ11に供給される残留生成物のストリームの質量流量の効果を示している。効果的な開裂、及びフェノールの回収が、残留生成物の十分な質量流量M(8)だけにより達成される。当該残留生成物の質量流量M(8)は滞留時間コンテナ11に供給され蒸留塔2に戻される。M(8)<0.3M(1)となるため、フェノール収率は1.05まで低下する。
比較例6は、分離効率のより低い蒸留塔(理論段数が1)を使用して、一方同様の構成とともに実行される。この場合、高いフェノール収率Y=1.27が実現されるけれども、蒸留塔の上部において、中程度のフェノール純度(C(5)=96.2質量%)しか達成されない。
比較例7は、実施例1〜5において既に使用された蒸留塔2を用いて実行されるが、滞留時間コンテナ11は、開裂のための滞留時間が利用できないように排除されている。その結果、硫酸を加えたにも拘わらずフェノールストリーム5における高いフェノール収率Yが達成されない。
実施例及び比較例により、蒸留塔2及び滞留時間コンテナ11を用い、酸性の開裂触媒を添加する、本発明に係るプロセスにおいて、蒸留塔上部で、高い純度のフェノールを高収率で得ることができ、それと同時に残留樹脂を最小化することができることが示された。
Figure 2008504320
ここで、M(1)を部分ストリーム1の質量流量、Xを部分ストリーム1におけるフェノール含有量、Cを硫酸の添加に対する濃度係数として、M(HSO)=c(1−X)M(1)を満たす。すなわち、96質量%の硫酸が添加される。T(11)を、滞留時間コンテナ11における温度、C(5)を、フェノールストリーム(5)における純粋な/ゲル状の含有物、M(5)をフェノールストリーム5の質量流量、Yを部分ストリームにおけるフェノールの含有量に基づくフェノールの収率として、1:Y=M(5)/(X*M(1))を満たす。M(9)は廃棄のための排出残留樹脂9の質量流量であり、M(8)は、滞留時間コンテナ11を通過する残留生成物の質量流量であり、τ(11)は、滞留時間11における水力学的滞留時間である。
注 1)20理論段を有する真空蒸留塔が使用されている。
2)60mの体積を有する滞留時間コンテナが使用されている。
3)1つの理論段を有する真空蒸留塔が使用されている。
4)滞留時間コンテナ11が排除されている。
図1は、本発明に係るプロセスの最良の実施の形態を示している。

Claims (5)

  1. ビスフェノールAの調製において生成され、40〜90質量%のフェノールと、5〜40質量%のビスフェノールAと、フェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを得る反応により生成される5〜40質量%の第二成分と、を含む部分ストリームからフェノールを連続的に分離するためのプロセスであって、
    a)上記部分ストリームを、少なくとも5つの分離理論段を含む蒸留塔に供給する工程と、
    b)上記蒸留塔において、フェノールをその上部で蒸留する工程と、
    c)当該プロセスから、残留生成物の第1の部分を放出する工程と、
    d)滞留時間コンテナに連続的に上記残留生成物の第2の部分を移送し、上記滞留時間コンテナにおいて、上記残留生成物に含まれる第二成分が、190℃より高い温度、水力学的滞留時間少なくとも120分、酸触媒存在下で、少なくとも部分的に異性化され、その後上記蒸留塔に再び戻される工程と、を含み、
    上記滞留時間コンテナに供給される残留生成物部分の質量流量が、工程a)において蒸留塔に導入される部分ストリームの質量流量の30%より大きいプロセス。
  2. 上記工程d)において酸触媒として硫酸が使用されることを特徴とする請求項1記載のプロセス。
  3. 上記工程d)における異性化が200℃より高い温度で実行されることを特徴とする請求項1又は2記載のプロセス。
  4. 上記工程d)における異性化が少なくとも4時間の水力学的滞留時間で実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 上記工程d)において、99.8質量%より高い純度を有するフェノールが得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。
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