JP2008502720A - 細菌の排出ポンプ阻害薬および細菌感染症を治療する方法 - Google Patents

細菌の排出ポンプ阻害薬および細菌感染症を治療する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗菌薬の分野に関し、より具体的には、薬物耐性病原体により引き起こされる感染症の治療のための抗菌薬と共投与される排出ポンプ阻害薬(EPI)化合物に関する。このEPI化合物は、組織蓄積について低減傾向を示すソフトドラッグである。本発明は、排出ポンプ阻害薬として有用な新規な化合物、上記排出ポンプ阻害薬を含む組成物および装置、ならびに上記化合物の治療的使用を含む。

Description

本発明は、化学および医学の分野に関する。より詳しくは、本発明は、新規な化合物および組成物ならびに抗菌薬および排出ポンプ阻害薬(EPIs)を含む治療薬としての化合物の使用に関する。
抗生物質は、過去半世紀の間、感染症の治療における有効な手段であった。抗生物質治療の開発以来1980年代の末期まで、先進国においては、細菌感染はほとんど完全に抑制されていた。しかしながら、抗生物質使用の圧力に応えて、多剤耐性機構が広範囲に及ぶようになり、抗菌性治療の臨床有用性を脅かしている。耐抗生物質菌株の増加は、主要な病院および介護センターにおいて特に一般的になっている。耐性菌の増加の影響としては、より高い罹患率および死亡率、より長い患者の入院、ならびに治療費の増加が挙げられる。
耐性細菌株の出現は、病院における一番の感染症の脅威であると考えられており、米国ヘルスケアシステムに、年間50億ドルの費用がかかっている。抗生物質によりかつては治療可能であった感染症が、治療が困難に、場合によっては不可能になりつつある。その結果、米国においては毎年入院中に2百万人の人々が病原菌に感染し、そのうち約90,000人が死亡し、大部分が大きな医薬経済コストのかかる長期の入院および/または外来の抗生物質治療を受けている。これらの感染症に関与する70%を超える細菌が、それらと闘うために通常使用される少なくとも1つの抗生物質に耐性を示す。したがって、耐性の防止は、感染症臨床医の間の最優先事項であると考えられる。
耐性は、特定の抗生物質についての単独の問題ではなく、すべての抗生物質に影響を及ぼす全体的なものである。数多くの研究により、抗生物質の使用の増加と細菌の耐性の増加との間に強い相関のあることが実証されており、それは治療中にさえ時々起こり得る。例えば、一研究によれば、緑膿菌のフルオロキノロン耐性は、1997年の25%から2002年には33%まで増大したことが実証されている。別の研究は、緑膿菌のフルオロキノロンに対する耐性が、1999年の29%から2001年には38%に増加し、病院によっては60%もの高さの耐性率が報告されていることを報告した。フルオロキノロン使用のレベルは、耐性のレベルと直接相関しており、それが、異なる病院での耐性のばらつきを説明している。耐性菌およびまたは治療中に耐性を発現する菌株により引き起こされる感染症は、もしそうでなければ安全かつ有効なフルオロキノロンの、病院での第一線の治療としての使用を限定したものにする。
細菌は、抗生物質の作用に打ち勝ついくつかの異なる機構を発現している。これらの耐性の機構は、分子または一群の抗生物質に対して特異的であり得るか、または非特異的であって関係のない抗生物質に対する耐性に関与し得る。耐性のいくつかの機構が単一の細菌の菌株中に存在することができ、抗生物質または組み合わされた抗生物質の作用に耐えるために、これらの機構が独立に作用するかまたはそれらが相乗的に作用することができる。具体的な機構としては、薬物の分解、酵素による修飾による薬物の不活性化、および薬物標的の変更が挙げられる。しかしながら、薬物耐性のより一般的な機構が存在し、抗生物質の標的への接近が、抗生物質の細胞への輸送の減少または細胞から外側培地への薬物の排出の増加よって阻止または減じられる。両方の機構とも、標的部位における薬物の濃度を低下することができ、さもなければ細菌細胞を阻害または殺すはずである1個または複数の抗生物質が存在する中での細菌の生存を可能にする。細菌によっては、細胞壁(細胞膜を含む)の低い透過性を抗生物質の活発な排出と組み合わせて両方の機構を利用する。
近年、排出が介在する細菌の耐性への関心が、臨床分離株における排出ポンプと関係するデータ量の増加により引き起こされている。抗生物質排出の現象は、腸内細菌におけるテトラサイクリン耐性の機構との関連で、1980年に最初に発見された。それ以来、抗生物質の排出は、単一の生物体中で複数のポンプにより媒介することができ、ほとんどすべての抗生物質がこの機構による耐性の影響を受けやすいことが示されている。
いくつかの排出ポンプは、特定の抗生物質を選択的に追い出す。そのようなポンプの例としては、テトラサイクリンまたはクロラムフェニコールをそれぞれ追い出すことができるTetまたはCmlAトランスポーターが挙げられる。その他の排出ポンプ、いわゆる多剤耐性(MDR)ポンプは、構造的に多種多様ないろいろな化合物を追い出す。後者の場合は、単一の排出システムが、異なる作用形態を有する多数の抗生物質に対する耐性を与えることができる。この点において、細菌のMDRポンプは、哺乳類のMDRトランスポーターと類似している。実際に、1つのそのようなポンプ、最初に発見されたMDRポンプであるP-糖タンパクは、癌細胞に対して多数の薬物耐性を与え、抗癌治療に対する腫瘍の耐性の主要な理由の1つと考えられている。細菌のMDRポンプの典型的な例は、緑膿菌からのMexAB-OprMである。このポンプは、フルオロキノロン、β-ラクタム、マクロライド、フェニコール、テトラサイクリン、オキサゾリジノン等のほとんどすべての抗生物質の種類に対するこの菌の感受性に影響を与えることが示されている。
グラム陽性菌中の排出ポンプは、それらの基質を単一の細胞膜を越えて排出する。これは、グラム陰性菌におけるいくつかのポンプの場合もそうであり、その結果それらの基質は、細胞膜周辺腔の中に排出される。グラム陰性菌からの他の排出ポンプは、それらの基質を、周辺質および外膜を迂回して直接外部媒体に排出する。これらのポンプは、内膜と外膜の両方を横切る複雑な三成分構造に組織化されている。それらは、細胞膜中に位置するトランスポーター、外膜チャネルおよび他の2つの成分を接触させる周辺質の「リンカー」タンパク質からなる。グラム陰性菌にとって周辺質および外膜を迂回して薬物を排出することは明らかに有利である。グラム陰性菌中で外膜は親油性および親水性薬剤の両方の侵入を著しく鈍化させる。前者、例えばエリスロマイシンおよびフシジン酸は、外膜二重層の外側の小葉のリポ多糖類により妨げられる。親水性薬剤は、水が充填されたポリンを通って外膜を越えるが、その大きさがフルオロキノロンおよびいくつかのβ-ラクタム類のような小さな化合物に対してさえも急速な拡散を妨げる。したがって、直接の排出は、細胞に有力な防衛機構を提供するために2つの異なる機構が相助的に作用する可能性を生み出す。その上、媒体中への直接の排出は、細胞質腔中のみでなく細胞膜周辺腔中の薬物の量の減少をもたらす。これにより、排出ポンプが、グラム陰性菌をβ-ラクタム抗生物質から保護し、その標的のペニシリン結合性タンパク質が周辺質中に見出されるという明らかに矛盾した発見を説明することができた。
多くのMDRポンプが、細菌染色体の正常成分である遺伝子によってコード化される。この場合、増大した抗生物質耐性は、これら遺伝子の過剰発現の結果である。したがって、細菌は、複数の特定の耐性決定因子を獲得することなく、多剤耐性を発現する可能性を有している。場合によっては、排出ポンプおよびその他の同じ細胞中の耐性機構の同時稼働が相乗効果を生じる。
排出ポンプをコード化するいくつかの遺伝子は、野生型細胞中では発現せず、発現が起こるためには誘発または調整力のある突然変異を必要とするが、他の排出遺伝子は、構成的に発現する。その結果、野生型細胞は、基礎レベルの排出活性を有する。野生型細胞における多剤排出ポンプのこの基礎的な活性は、固有の抗生物質耐性、またはより正確には、減少された抗生物質感受性に寄与する。この固有の耐性は、細菌が依然として治療に対して臨床的に影響を受けることためには十分に低いかもしれない。しかしながら、排出ポンプが機能しないようにされた場合、細菌は、さらにより感受性となり、より低用量の抗生物質が有効となりうる。例えば、測定可能量の排出ポンプを何ら生成しない緑膿菌の実験室生成された突然変異菌株PAM1626は、基礎レベルのMexAB-OprM排出ポンプを生成する親株の緑膿菌PAM1020より、レポフロキサシンおよびメロペネムに対して8から10倍感受性が高い。排出ポンプがなかったら、多くのいわゆる「グラム陽性の」抗生物質の抗菌力スペクトラムは、以前は非感受性であったグラム陰性種まで拡大することができよう。これは、「狭スペクトル」のβ-ラクタム、マクロライド、リンコサマイド、ストレプトグラミン、リファマイシン、フシジン酸、およびオキサゾリジノンに適用することができる-それらすべてが排出ポンプのない改変突然変異菌に対して有力な抗菌作用を有する。
多くの場合、もし排出が介在する耐性を無効にできれば、問題のある病原体の感受性に対する劇的効果が、大幅に高められることは明らかである。抗菌薬剤の効能に対する排出の悪影響と闘う2つの試み:排出されない既知の抗生物質の誘導体の同定、および排出ポンプの輸送活性を阻害する治療薬の開発を想定することができ、それらの有効性を増すために既存の抗生物質と組み合わせて使用することができよう。
最初の試みが旨く実行に移された場合のいくつかの例がある。これらの例としては、黄色ブドウ球菌または肺炎連鎖球菌中の多剤耐性ポンプにより影響されない新規なフルオロキノロン、あるいは対応する抗生物質特異的ポンプにより認識されない新規なテトラサイクリンおよびマクロライド誘導体が挙げられる。しかしながら、この試みは、グラム陰性菌からの多剤耐性ポンプの場合は成功とはとても言えないようである。グラム陰性菌においては、容認される薬物の構造には特別な制約が課せられる:それらは両方の膜を越えるために両親媒性でなければならない。抗生物質をグラム陰性菌からの多剤耐性排出ポンプの良好な基質にしているのがまさにこの特性である。それらの細菌の場合、排出ポンプを阻害する試みが、既存の抗菌治療の臨床的有効性を改良する主要な方策となっている。
米国特許第6114310号明細書 米国特許第6245746号明細書 米国特許第6399629号明細書 the Merck Index, Merck & Company, Rahway, NJ Gilmanら(編集者); Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Press Design of Prodrugs, (ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985) T. HiguchiおよびV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、Vol. 14、A.C.S. Symposium Series、American Chemical Society (1975) 「Bioreversible Carriers in Drug Design: Theory and Application」、E. B. Roche編、Pergamon Press: New York, 14〜21頁 (1987) GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3編、John Wiley & Sons、New York, NY、1999年 Protective Groups in Organic Chemistry (ed. J. F.W. McOmie, Plenum Press, 1973) R. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers、1989年 L. Paquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1995年 Principles of Peptide Synthesis、第2編、M. Bodanszky、Spriner-Verlag、Berlin、1993年 T. Redmanら、Mol. Diversity, 4: 191〜197頁、(1998) Synthesis of Optically Active α-Ainino Acids、RM Williams、Pergamon、New York、1989年 Sato, K. ら、1992年、Antimicrob Agents Chemother. 37:1491〜98頁 Tanaka, M.ら、1992年、Antimicrob. Agents Chemother. 37: 2212〜18頁 Remington's Pharmaceutical Sciences、第18編、Mack Publishing Co.、Easton、PA (1990) Sheddenら、Clin. Ther.、23 (3):440〜50 (2001) Mayerら、Ophthalmologica、210 (2):101〜3 (1996) Joshi, A.、J. Ocul. Pharmacol.、10 (1):29〜45 (1994) Almら、Prog. Clin. Biol. Res.、312:447〜58 (1989) Mordenti, Toxicol. Sci.、52(1):101〜6 (1999) Finglら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、1975年 Antimicrobial Combinations, Antibiotics in Laboratory Medicine, Ed. Victor Lorian, M. D., Fourth Edition, 1996, pp 333〜338 National Committee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS), 1997, Methods for Dilution of Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically, Fourth Edition; Approved Standard. NCCLS Document M7-A4, Vol 17 No. 2
本明細書に開示されている一実施形態は、式(II)の構造を有する化合物であって、
Figure 2008502720
上記式中:
L-AA-1は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって、(S)-配置を有する天然または人工α-アミノ酸残基であり(但し、(S)-アミノ酸残基中のα-アミノ官能基が複素環の一部ではないという条件、および前記化合物が下記式:
Figure 2008502720
を有していないという条件である);
D-AA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって、(R)-配置を有する天然または人工α-アミノ酸残基であり;
CG-1は、水素、または炭素連結キャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよく;
アミド基の一部ではない任意のアミノ基が、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基により任意選択でアシル化されていてもよい化合物である。いくつかの実施形態において、L-AA-1は、アミノ基を含む。いくつかの実施形態において、D-AA-2は、アミノ基を含む。いくつかの実施形態において、アミノ基は第一級アミンである。いくつかの実施形態において、CG-1は、水素である。いくつかの実施形態において、本化合物は少なくとも2個のアミノ基を含む。いくつかの実施形態において、
L-AA-1は、以下の、
Figure 2008502720
(上記式中:
X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
m1は、0から4の整数であり;
n1は、0から1の整数であり;
R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH(=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
p1は、0から1の整数であり;
添え字Nのついた波線は、L-AA-1に結合しているアミン基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、L-AA-1に結合しているカルボニル基への結合点を示す)
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、D-AA-2は、
Figure 2008502720
(上記式中:
Arは、任意選択で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
R31は、任意選択で置換されていてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
X3は、-CH2-、-C (CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数である)
からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、D-AA-1は、以下の、
Figure 2008502720
(上記式中:
R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2 、- CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
添え字Nのついた波線は、D-AA-2に結合しているアミノ基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、D-AA-2に結合しているカルボニル基への結合点を示す)
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、CG-1は、水素、任意選択で置換されてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
CG-2は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン基により任意選択で置換されていてもよく;
各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
m5は、1から3の整数であり;
n5は、0から2の整数であり;
p5は、0から4の整数である。
いくつかの実施形態において、-N(CG-1)(CG-2)は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、-N(CG-1)(CG-2)は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
本明細書に開示されている別の実施形態は、下記式(III)の構造を有する化合物であって、
Figure 2008502720
上記式中:
R1は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
m1は、0から4の整数であり;
n1は、0から1の整数であり;
R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH (=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
p1は、0から1の整数であり;
R3は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
Arは、任意選択で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数であり;
R31は、任意選択で置換されていてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
R4は、水素、任意選択で置換されていてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
R5は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン部分により任意選択で置換されていてもよく;
各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
m5は、1から3の整数であり;
n5は、0から2の整数であり;
p5は、0から4の整数であり;
R4は、任意選択でR5に結合して5員または6員の複素環を形成してもよく;
いずれのアミノ基も、任意選択で、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基とアシル化していてもよく;
ただし、本化合物は、式:
Figure 2008502720
を有しないことを条件とする化合物である。
いくつかの実施形態において、R3は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
上記式中:
R31は、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択され;
R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数である。
いくつかの実施形態において、R4は、R5に結合して5員または6員複素環を形成しており、式IIIの化合物は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、-N(R4)(R5)は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、上記の化合物は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、上記の化合物の1個または複数のアミノ基を任意選択でアシル化しているアミノ酸残基は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アシル化された化合物は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
本明細書に開示されている別の実施形態は、上記の化合物を微生物の排出ポンプを阻害するのに有効な量で含んでいる医薬組成物である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、上記化合物を抗菌薬と組み合わせて含んでいる医薬組成物である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染に罹患している対象に微生物の排出ポンプを阻害するのに有効な量の上記化合物を投与することを含む微生物感染を治療または予防する方法である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物に上記化合物および抗菌薬を接触させることを含む抗菌薬耐性微生物の増殖を処置または防止する方法である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、対象を排出ポンプ阻害薬で治療する方法であり、この中で、対象は排出ポンプ阻害薬を組織中に蓄積可能であり、本方法はその治療用に上記の化合物を選択することを含む。
本明細書に開示されている別の実施形態は、対象における細菌感染(感染を引き起こす細菌は、排出ポンプ機構を介して抗生物質耐性を示す)を、予防または治療する方法であり、対象に細菌が耐性を有する抗生物質を投与すること、および対象に上記化合物をこの抗生物質と併せて投与することを含み、ここで上記化合物は、組織がそれらを蓄積することによる組織の損傷を減少または排除するように選択される。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染の治療または予防のために用いる上記化合物である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染の治療または予防のために用いる抗菌薬と組み合わせた上記化合物である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染を治療または予防する方法であって、
組織中に下記式IIA:
Figure 2008502720
の化合物を蓄積可能な対象を特定することと、
この対象に下記式II
Figure 2008502720
の化合物を投与することとを含み、
上記式中:
D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第一の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
L-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに代って(S)-配置を有する第一のα-アミノ酸残基であり;
D-AA-2は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第二の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい
方法である。
上記方法のいくつかの実施形態において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態においては、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、微生物は細菌である。いくつかの実施形態においてこの細菌は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナスアシドボランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナスアルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロフォモナスマルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)、アエロモナスヒドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シトロバクターフロインデイ(Citrobacter freundii)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラフレックスネリ(Shigella flexneri)、ソンネ(赤痢)菌(Shigella sonnei)、エンテロバクタークロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラオキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、モルガネラモルガニー(Morganella morganii)、プロテウスミラビウス(Proteus mirabilis)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシアアルカリフェシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシアレットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシアスチュアティ(Providencia stuartii)、アシネトバクターカルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクターヘモリチカス(Acinetobacter haemolyticus)、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)、エルシニアインターメディア(Yersinia intermedia)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ボルデテラパラペルツシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルスパラインフルエンゼ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルスヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルスパラヘモリティカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘモフィルスデュクレイイ(Haemophilus ducreyi)、パスツレラマルトシダ(Pasteurella multocida)、パスツレラヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ブランハメラカタラーリス(Branhamella catarrhalis)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、カンピロバクターフィタス(Campylobacter fetus)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクターコリ(Campylobacter coli)、ボレリアブルグドルフェリー(Borrelia burgdorferi)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リストニアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、キンゲラ属(Kingella)、モラクセラ属(Moraxella)、膣ガルドネラ菌(Gardnerella vaginalis)、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデスディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス3452Aホモロジー群(Bacteroides 3452A homology group)、バクテロイデスブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデスオバラス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス属細菌(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデスユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデスエゲルチイ(Bacteroides eggerthii)、およびバクテロイデススプランクニカス(Bacteroidessplanchnicus)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗菌薬は、キノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、クメルマイシン(coumermycin)、クロラムフェニカール、リポペプチド、グリコペプチド、グリシルサイクリン、ケトライド、マクロライド、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、リファマイシン、ストレプトグラミン、およびテトラサイクリンの1つである抗菌薬からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗菌薬は、シプロフロキサシン、レポフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シノキサシン、ゲミフロキサシン、ノルフロキサシン、ロモフロキサシン(lomofloxacin)、ペフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、およびDX-619からなる群から選択される。
本明細書に開示されている別の実施形態は、排出ポンプ阻害薬に有用であるが組織中に著しくは蓄積しない化合物を特定する方法であって、
排出ポンプの阻害に有効である下記式IIAの構造:
Figure 2008502720
を有する化合物を特定すること;
下記式II:
Figure 2008502720
の化合物を製造すること、および;
式IIの化合物が組織中に著しく蓄積しないかどうかを測定することを含み;
上記式中:
D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第一の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
L-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに代って(S)-配置を有する第一のα-アミノ酸残基であり;
D-AA-2は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第二の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
CG-1は、水素、または炭素連結キャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい、
方法である。
本明細書に開示されている別の実施形態は、患者を治療する方法であって、本方法は、排出ポンプ阻害薬を抗生物質と併用して投与すること〔前記排出ポンプ阻害薬は、下記構造:
Figure 2008502720
(上記式中、AA-1およびAA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基とともに天然または人工α-アミノ酸残基を表す)を有する。〕、
患者における排出ポンプ阻害薬の細胞蓄積の減少が所望どおりであるかどうかを確かめること、およびそうである場合は、
前記排出ポンプ阻害薬を、下記式II:
Figure 2008502720
(上記式中:
L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい)を有する排出ポンプ阻害薬から選択すること、による。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染を治療または予防するための医薬を調製するための下記式IIの化合物の使用であって、式IIの化合物が組織中に著しく蓄積することのない使用である:
Figure 2008502720
上記式中:
L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
CG-1は、水素、または炭素連結キャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成してもよい。
本明細書に開示されている別の実施形態は、微生物感染を治療または予防するための医薬を調製するための抗菌薬と組み合わせた下記式IIの化合物の使用であって、式IIの化合物が組織中に著しく蓄積することのない使用である:
Figure 2008502720
上記式中:
L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
CG-1は、水素、または炭素連結キャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい。
[好ましい態様の詳細な説明]
ある種のジペプチドが、有効な排出ポンプ阻害薬(EPI, efflux pump inhibitor)であることが示されている。例えば、いくつかのEPI化合物がフルオロキノロンと組み合わせて緑膿菌に対して有効であることが示されている。両方ともその全体を参照により本明細書に援用する米国特許第6114310号明細書および同第6245746号明細書を参照されたい。1つのそのような化合物は、レボフロキサシンに対する固有の耐性を、野生型菌株中(>8倍)、排出ポンプを過剰に発現する菌株中(最大128倍)、ならびにMIC50およびMIC90を減少させる臨床分離株中(16倍)で減少することを示した。動物モデルにおけるインビトロとインビボの両方で、多数からなる排出ポンプの阻害の際立った有利な結果が、フルオロキノロンに対する臨床的に関係するレベルの耐性を有する緑膿菌株発現の頻度の劇的な減少として示された。
一定のジペプチド/ジアミン化合物は、感染のさまざまな動物モデルにおいて魅力的な微生物学的な側面および顕著な効能を保有することを示しているものの、これらの化合物のいくつかは、長い組織半減期を有しており、反復投与すると、組織(例えば、腎臓、肝臓、および肺)中に細胞および臓器の損傷を誘発するレベルまで蓄積することが本明細書で明らかにされている。物理化学的特性を体系的に変化させることにより組織蓄積を避ける類似物を同定するこれまでの努力は、失敗している。したがって、いくつかの実施形態においては、組織蓄積の減少およびこれら期待できる将来の治療薬の可能性として毒性の減少をもたらすジアミンEPI類の構造改変が提供される。
いくつかの実施形態において、ジアミンEPI治療薬は、それらが望ましい標的親和性を保持し、一方で組織中での蓄積に対するそれらの性向が組織中例えば蓄積の部位で観察される化合物の改変によって減少するような方法で構造的に改変される。いくつかの実施形態において、この改変は、加水分解等の化合物分解である。抵抗機構として排出ポンプ(単数または複数)を用いている微生物感染に罹患している患者に投与する場合、そのような薬物は、組織選択的な分解を受け(すなわち、組織ソフトドラッグ)、低下した組織蓄積の傾向を示すと同時に耐性排出ポンプ(単数または複数)の活性を阻害し、共投与した抗菌薬が、感染している微生物の周辺質または細胞質中に微生物を殺すかまたはその増殖を阻害するのに十分な量で蓄積し、感染を治療することを可能にする。したがって、いくつかの実施形態は、原因となる微生物が排出ポンプ抵抗機構を用いるものである微生物感染を治療する方法に関するものであり、微生物細胞を抗菌薬と組み合わせたソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、ソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬は、本明細書に開示されているジペプチド構造を含む。いくつかの実施形態においては、そのジペプチド構造は、化合物中のペプチド結合の一部ではない2個のアミノ官能基を含む。いくつかの実施形態においては、ジペプチド構造は、化合物の減少された組織蓄積特性を裏付ける絶対立体化学を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ジペプチド構造はL,D立体化学を有しており、N-末端アミノ酸がL-配置を有しており、C-末端アミノ酸がD-配置を有しており、本明細書にはそれが他の立体化学(例えばD,D)と比較して減少した組織蓄積特性を有することが示されている。
別の実施形態は、哺乳動物の予防的治療の方法を含む。この方法においては、ソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬が、微生物感染、例えば細菌感染の危険のある哺乳動物に投与される。いくつかの実施形態においては、抗菌薬が、ソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬と組合せて投与されるかまたは共投与される。
別の実施形態は、微生物に対する抗菌薬の抗菌活性を高める方法であって、その微生物をソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬および抗菌薬と接触させる方法を含む。
さらに他の実施形態においては、動物、例えば哺乳動物、の細菌または真菌等の微生物による感染の治療に有効である医薬組成物が提供される。この組成物は、本明細書に記載の、医薬として許容できる担体およびソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬を含む。好ましい実施形態は、また、抗菌薬、ソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬、および担体、を含む抗菌薬製剤を提供する。好ましい実施形態においてこの抗菌薬は抗生物質である。
本明細書における開示は、主として抵抗機構として排出ポンプ(単数または複数)を用いる微生物の感染を治療するための化合物を対象としているが、治療薬が組織蓄積に対する低下傾向を示すことが望ましいその他の適応症の治療に適するソフトドラッグの製造においても、本明細書に記載の方法が有用であり得ることがわかる。
[定義]
用語「投与」または「投与する」とは、哺乳動物、鳥、魚、または両性動物を含む脊椎動物または無脊椎動物に、ある用量の抗菌医薬組成物を与える方法を指し、この方法は、例えば、呼吸器内、局所、経口、静脈内、腹腔内、または筋肉内である。投与の好ましい方法は、さまざまな要因、例えば、医薬組成物の成分、可能性があるかまたは実際の細菌感染の部位、関与する微生物、および実際の細菌感染の重症度に依存して変動し得る。
「担体」または「賦形剤」とは、化合物の投与を容易にするため、例えば化合物の溶解性を増すために使用する化合物または材料である。固体の担体としては、例えば、デンプン、ラクトース、第二リン酸カルシウム、スクロース、およびカオリンが挙げられる。液体の担体としては、例えば、滅菌水、生理食塩水、緩衝液、非イオン性界面活性剤、およびピーナッツ油もしくはゴマ油等の食用油が挙げられる。加えて、技術的に通常使用されているようなさまざまな賦形剤を含むことができる。これらおよびその他のそのような化合物は、文献、例えば、the Merck Index, Merck & Company, Rahway, NJに記載されている。医薬組成物中へのさまざまな成分の包含に対する考察が、例えば、Gilmanら(編集者); Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8編、Pergamon Pressに記載されている。
本明細書で使用の「診断の」とは、健康状態または病状の識別および特徴付けで役に立つ化合物、方法、システムまたは装置である。この診断は当技術分野で知られているとおりに標準的アッセイで使用することができる。
用語「排出ポンプ」とは、細胞の細胞質または周辺質からの基質分子をエネルギー依存様式で運び出すタンパク質の組立てを指す。したがって、排出ポンプは、細胞の細胞膜中(細胞膜内外に渡り)に一般的には位置する。グラム陰性細菌においては、ポンプは、細胞膜周辺腔に渡ることができ、外膜に渡る排出ポンプの部分も存在し得る。
「排出ポンプ阻害薬、effulux pump inhibitor」(「EPI」)とは、排出ポンプがその正常基質、または抗生物質等のその他の化合物を運び出す能力を特に妨げる化合物である。その阻害薬は、それ自身の固有の抗菌活性を有していてもよい(例えば抗生物質)が、関係する活性の少なくとも重要部分が排出ポンプ阻害活性によっている。
本明細書で使用する「ハイスループットスクリーニング」とは、複数候補の薬剤または試料を同時にスクリーニングするアッセイを指す。以下でさらに記載されているように、上記アッセイの例としては、少量の試薬および試料を用いて多数のアッセイを同時に行うことができるために特に便利であるマイクロタイタープレートの使用が挙げられる。
本明細書で使用の用語「対象」とは、本明細書に開示されている化合物を投与することができ、その上で本明細書に開示されている方法を実施することができる生物体を指す。いくつかの実施形態において、対象は動物である。いくつかの実施形態において、動物は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
用語「哺乳動物」は、その通常の生物学的意味で使用される。したがって、それは、特に、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、およびネコを含むが、多くの他の種も含む。
用語「微生物感染」とは、生命体が脊椎動物、非脊椎動物、魚、植物、鳥、または哺乳動物であろうとなかろうと、病原微生物による宿主生命体の侵入を指す。これは、哺乳動物またはその他の生命体の体内かそれに接して常に存在する微生物の過剰増殖を含む。より一般的には、微生物感染は、微生物個体群(単数または複数)の存在が宿主哺乳動物に損傷を与える何らかの状況であり得る。したがって、過剰数の微生物個体群が哺乳動物の体内かそれに接して存在するとき、または微生物個体群(単数または複数)の存在の影響により、哺乳動物の細胞またはその他の組織が損傷されているとき、哺乳動物は微生物感染に「罹患して」いる。特にこの記述は、細菌感染に当てはまる。好ましい実施形態の化合物は、また、細胞培養もしくはその他の媒体、あるいは無生命の表面または物体の微生物増殖または汚染の処置においても有用であり、本明細書中の化合物はいずれも、特許請求の範囲に明白にそう特定されている場合を除いて、好ましい実施形態を高等生物の治療に限定すべきではない。
用語「多剤耐性ポンプ」とは、特定の抗生物質に高度には特異的ではない排出ポンプを指す。この用語は、したがって、広汎な基質のポンプを含む(例えば、様々な構造特性をもつ多数の化合物を排出するもの)。これらのポンプは、テトラサイクリンに対して高度に特異的であるポンプとは異なる。テトラサイクリン排出ポンプは、細菌中のテトラサイクリンに対する特異的耐性にあずかる。しかしながら、それらはその他の抗生物質に対する耐性を与えない。テトラサイクリンポンプ成分に対する遺伝子が、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のプラスミド中に存在する。
用語「非蓄積性ソフトドラッグ」とは、例えば、代謝、分解、および加水分解を含む変性によりそれをインビボで変性することを可能にする構造的特徴を備えた薬物を指す。そのようなソフトドラッグは、組織蓄積、例えば、リソソーム内蓄積、核内蓄積、細胞質蓄積などの低減傾向を示すことができる。
用語「医薬として許容できる担体」または「医薬として許容できる賦形剤」は、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング類、抗菌薬および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬として活性な物質のための上記媒体および作用物質の使用は、技術的によく知られている。従来型の媒体または作用物質が活性成分と相容れない範囲を除いて、治療組成物中でのその使用が考えられる。補助的な活性成分もまた、組成物中に組み込むことができる。
用語「医薬として許容できる塩」とは、好ましい実施形態の化合物の生物学的有効性または生物学的特性を保持する塩をいい、これは生物学的に、もしくはその他の意味で望ましくないものではないものである。多くの場合、好ましい実施形態の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基あるいはそれと類似の基の存在のおかげで、酸および/または塩基の塩を形成することが可能である。医薬として許容できる酸付加塩は、無機酸および有機酸によって形成することができる。塩に誘導することができる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、などが挙げられる。塩に誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。医薬として許容できる塩基付加塩は、無機および有機塩基によって形成することができる。塩に誘導することができる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ;特に好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。塩に誘導することができる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に産する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、特にイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。
「溶媒和物」とは、溶媒と、ソフトドラッグ、代謝産物またはそれらの塩との相互作用により形成された化合物を指す。好適な溶媒和物は、水和物を含めた、医薬として許容できる溶媒和物である。
細菌等の微生物の抗菌薬に対する応答との関連で、用語「感受性」とは、微生物の抗菌薬の存在に対する感度を指す。したがって、感受性を増すとは、微生物が、微生物細胞を取り巻く媒体中のより低い濃度の抗菌薬によって阻害されるであろうことを意味する。これは、微生物が抗菌薬によりいっそう感じやすいと言うのと同じである。ほとんどの場合、そのような抗菌薬の最低阻害濃度(MIC)は低下しているであろう。
好ましい実施形態中に開示されているように、「治療有効量」または「医薬的有効量」とは、排出ポンプ阻害薬の量、または個々に排出ポンプ阻害薬および抗菌薬の量を意味し、それは、微生物感染を引き起こすかそれに寄与する微生物細胞の正常な代謝をある程度阻害することを一般に指す治療効果を有する。排出ポンプおよび抗菌薬の組合せで治療として役立つ投与量は、治療有効量である。したがって、本明細書で使用される場合、治療有効量とは、組み合わせて使用したときに、臨床試験結果および/またはモデル動物の感染の検討により判定された望ましい治療結果を生み出すような排出ポンプ阻害薬および抗菌薬の量を意味する。特定の実施形態においては、排出ポンプ阻害薬および抗菌薬は、予め決められた割合で組み合わされ、したがって、治療有効量は、その組合せの量となる。この量および排出ポンプ阻害薬および抗菌薬の量は、個々に、当業者によっていつもどおりに決めることができ、関連する特定の微生物菌株および使用される特定の排出ポンプ阻害薬および抗菌薬等のいくつかの要因によって変動する。この量は、さらに、患者の身長、体重、姓、年齢および病歴に左右され得る。予防的治療に対して、治療有効量は、微生物感染が仮に存続していた場合に有効である量である。
治療効果は、感染の1つまたは複数の症状をある程度取り除き、感染を治癒することを含む。「治癒」とは、活発な感染の症状が除去されることを意味し、感染に関与する生存可能な微生物の過剰部分を排除することを含む。しかしながら、感染の一定の長期間また永続的な影響は、治癒が得られた後もなお存続するかもしれない(大きな組織の損傷など)。
本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療(treatment)」または「処置(treating)」とは、予防および/または治療目的のために医薬組成物を投与することを指す。用語「予防的治療」とは、特定の感染症にまだ感染してはいないが、感染しやすいか、さもなくばその危険がある患者を処置することを指す。用語「治療上の処置」とは、感染症に既に罹患している患者に治療を施すことを指す。したがって、好ましい実施形態において、処置とは、哺乳動物に(治療目的または予防目的のために)治療に有効な量のソフトドラッグ排出ポンプ阻害薬と抗生物質(または抗菌薬)との組合せを(同時にまたは順次)投与することである。
[ソフトドラッグ機構]
本明細書で使用される場合、非蓄積性ソフトドラッグとは、好ましくはそれらがその治療的役割を果たした後に、代謝、好ましくは細胞内の加水分解による不活性化などによる、予測可能であり制御可能な細胞内のインビボでの非蓄積性生成物への変性によって特徴づけられる薬物である。
有用な治療特性を有する多数の化合物は、いわゆる、リソソーム作用性を有する。一般に、この特性は、1個または複数の塩基官能基(例えばアミン)を有し、それらがリソソーム内pHで高度にプロトン化される分子により示される。そのような化合物は、リソソーム膜を通して受動的に浸透するかまたは膜に結合した輸送タンパク質により能動的に輸送される。膜を通過すると、その化合物は、リソソームの酸性(pH〜5)の環境に出会い、高度にプロトン化された状態となり、リソソーム腔内に捕捉されたままとなる。リソソーム内部のそのような化合物の蓄積は、リソソーム酵素装置の適切な機能を崩壊することがあり得る。上記蓄積は、また、リソソーム内部の浸透圧の増加を引き起こすことがあり得、リソソーム膜の破壊に続いてリソソームの酵素の中身の細胞質中への漏出をもたらしうる。
リソソーム小胞が豊富な細胞を含有している組織は、塩基性分子のリソソーム内蓄積の毒性効果に特に敏感である。腎組織における塩基性分子のリソソーム内蓄積による腎臓毒性は、広範囲にわたって文書に著されている事象であり、新規な治療薬の開発に対する重大な障害としてしばしば遭遇してきた。そのような分子の時には望ましくない蓄積は、他の臓器中(例えば、肺または肝臓)に存在するリソソームまたはその他の酸性液胞の内部にも起こることがあり得、同様に臓器毒性を生じ得る。
組織蓄積の一例は、薬物ペンタミジンで起こる。ペンタミジンは、細胞レベルおよび動物ならびに臨床的に人類で、広範囲にわたって機構的に研究されてきた。これらの陽イオン性化合物の最も重要な特徴は、それらが多数の体器官中に蓄積することであり、最も顕著なのは、腎臓および肝臓に蓄積して明らかな腎毒性および肝毒性作用をもたらすことである。AIDS患者における遡及的臨床研究において、非経口ペンタミジンによる腎臓毒性の発生率は75%を超える。
灌流させたラットの腎臓の研究は、機構(濾過、能動的分泌、および受動的再吸収)の組合せが腎臓のペンタミジンの処分にかかわることを示している。投与量釣り合いの研究により、ペンタミジンの非直線的***量および薬物の著しい腎臓蓄積が示された。腎臓内隔離の程度と腎臓機能、最も顕著にはGFR(糸球体濾過速度)、の混乱の間の明白な相関が確立され、ペンタミジンの尿細管毒性(tubulotoxicity)が投与量と関係するというラットにおける所見とすべて一致した。
有機陽イオンは、促進拡散および能動的陽イオン輸送に関する多段階のプロセスにおいて、近位尿細管により腎臓中に輸送される。ひとたび管状細胞の内部では、細胞内隔離は、サイトゾルタンパク質に結合するかまたは小胞状のコンパートメント(例えば、エンドソームおよびリソソーム)中に蓄積することによって過剰な薬物濃度をもたらし得る。これらの細胞小器官の酸性のpHは、陽イオン性化合物をイオントラップすることができる。
組織に蓄積しやすい薬物の他の例は、アミノグリコシドである。アミノグリコシドは、リソソーム中に蓄積し、付随する腎臓毒性によりリソソーム酵素活性を阻害する。
したがって、治療化合物中のアミノ基等の塩基官能基の存在は、望ましくなくかつ毒性の可能性のある組織蓄積を促進しかねない。しかしながら、多くの生物学的活性分子は、それらの対応する分子標的との相互作用を通してそれらの治療効果を発揮するために塩基官能基(場合によっては1分子当り複数の塩基官能基)を必要とする。したがって、その他の点では有望な治療薬の変性を、それらが望ましい標的親和性を保持しながらリソソーム内蓄積またはその他の組織コンパートメント内の蓄積に対して減少した傾向を示す方法で可能にする一般的な方法は、新しい治療分子の設計に役立つ極めて有用な手段を意味し、それ故、非常に望ましい。このために、いくつかの実施形態は、塩基官能基を有し、化合物の立体化学が組織蓄積を減少するように調整されている化合物を提供する。
リソソームは、かなり大きな数(約60個)のそのほとんどがプロテアーゼ活性を有する酵素を含有することが知られている。そのような酵素の多くはリソソームの外側では感知できるほどの量では存在しないので、リソソーム作用剤がこれらの酵素によって開裂され得る官能基を含有するという条件で、これらの酵素のタンパク質分解活性の特異性は、リソソーム作用剤の解毒作用についての可能性をもたらす。結果として生じるリソソーム作用剤崩壊産物は、リソソーム機能の崩壊に対して大幅に減少した傾向を潜在的に示すことができる。リソソーム作用剤は、また、リソソームの内部に捕捉されたままでいることはなく、例えばリソソーム内タンパク質分解から得られる多くの小断片のように、能動的排出機構によってリソソームから除去され得る。リソソーム内のある特定の酵素はエステラーゼ活性を示し、これはリソソーム作用剤の解毒作用の可能性を同様に提供することができる。
多くのリソソームタンパク質分解酵素のタンパク質分解活性などの酵素活性における重要な因子は、それらの最適な活性のために必要なpHである。正常なリソソームのpHで示されるそれらの触媒活性は、pHがpH単位で1または2上昇したとき、しばしば大きく低下するか完全に消失してしまう。
薬物分子等の治療薬が、代謝タンパク質分解またはエステラーゼクリアランスの影響を受けやすいとき、それは通常薬物分子の分解に関与する血清、器官特異の間質液、またはサイトゾルの酵素活性である。そのような酵素による薬物分子の大規模な分解は、容認しがたいほど高いクリアランスをもたらすことがあり得、薬物の量を治療上役立つレベル以下に低下させうる。他方では、リソソーム中に抽出される薬物部分は一般的には非常に少ないので、リソソーム酵素は治療薬の代謝クリアランスにわずかに参加するのみである。それ故、上記の解毒機構を使用するためには、治療薬分子が、非リソソーム酵素のタンパク質分解活性に敏感ではないが、リソソームの内部に存在する酵素または酵素群の影響を受けやすい官能基を含有することが望ましいかもしれない。このことは、リソソーム作用薬物が望ましい薬物動態学的特性を示すことを可能にし、同時に、リソソーム中に抽出された薬物部分は、リソソーム酵素または酵素群の特異的活性による解毒を受ける。
特定の理論に束縛されるものではないが、非ソフトジアミンEPI化合物は、リソソーム内に蓄積されるようである。ジアミンEPI類の陽イオン特性が、リソソーム内蓄積が実証されているペンタミジンおよびアミノグリコシドとそれらを似たものにしている。対照的に、本明細書に開示されている非蓄積性ソフトドラッグのEPI類は、リソソーム内で加水分解されるようである。この結論の裏づけとしては: 1)血清安定性およびソフトEPI類の組織媒介加水分解が、加水分解が細胞内で起こることを示していること; 2)これらの化合物中のペプチド結合の存在が、タンパク質分解されやすさを提供していること; 3)真核細胞が、サイトゾルおよび核中に、(a)リソソームプロテアーゼおよび(b)ATP依存およびユビキチン支援プロテアソームペプチダーゼの2つの重要な細胞内のタンパク質分解活性を有していること、が挙げられる。多くのソフトEPI類は、ユビキチン化分解に必要な特徴を欠き得るが、それらの加水分解はpH依存性であってリソソーム内での分解を示している。分解の効率はリソソームの内部にある酸性pHで劇的に増大した。リソソームは、酸性のpHで最適の活性であり且つ細胞質および細胞外コンパートメント内に存在するような中性のpHで不活性である酸ヒドロラサーゼ(hydrolasases)を最大で40種類まで含有する。4)ソフトEPI類の予測される加水分解生成物の形成が、インビトロおよびインビボの両方で観察される。5)タンパク質分解酵素の組織ホモジネートの溶解性画分中への局在性(膜結合薬物代謝性P450酵素とは対照的)が、それらがリソソーム内に局在していることを示唆している。
非蓄積性ソフトドラッグは、細胞内で加水分解するので臓器選択的酵素加水分解を受けることができる。臓器選択的加水分解とは、本明細書では、血漿ではなくさまざまな臓器の組織から調製されるホモジネート中で見られる酵素加水分解の意味を意味する。モデル生物としてげっ歯類を使用することにより、インビトロで臓器選択的加水分解を受ける化合物は、動物に投与された後、これらの臓器の組織中に蓄積しないことが実証された。したがって、臓器中の組織蓄積が臓器毒性をもたらすことが予想される場合には、臓器選択的加水分解を受ける能力は有利である。この点で、臓器選択的酵素加水分解は、臓器に特異的な毒性を制限する方法と考えることができる。
臓器選択的酵素加水分解の存在は、変化しやすい可能性のあるペプチド結合を含有する化合物が、血清中では安定であるが、いくつかの臓器(例えば、腎臓、肝臓、および肺)の組織から得られたホモジネート中では不安定であるという事実によってさらに裏付けられた。モデル化合物のタンパク質加水分解の予想された生成物が、組織ホモジネート内のバイオ分析後に同定された。同じ生成物が、親化合物を受容した動物の組織中にも発見され、インビトロで見られた加水分解がインビボでも起こることを示している。
臓器選択的加水分解を受けやすいペプチド結合を含有する薬物を対象とした上で述べた原則は、リソソーム等の細胞内コンパートメント中に見出される臓器特異的加水分解酵素の影響を受けやすい他の化学結合を含有する化合物、または他のインビボ酵素により変性され得る化合物にも適用することができる。したがって、一実施形態において、治療化合物を投与している間、臓器中の薬物の臓器特異的な毒性または蓄積を避けるための方法であって、蓄積の部位で起こる酵素による変性を経て、1つまたは複数の臓器中での蓄積に抵抗するように適応した化合物を投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、酵素による変性とは、化合物の分解である。いくつかの実施形態において、この分解とは選択的代謝である。いくつかの実施形態において、選択的代謝とは、選択的な酵素による加水分解である。いくつかの実施形態において、臓器は、腎臓、肝臓、肺、皮膚、筋肉、脳、膵臓、胸腺、副腎、甲状腺、卵巣、子宮、乳腺、脾臓、心臓、精巣、精嚢、骨、軟骨、腱、および靭帯からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、蓄積の部位は、細胞内である。いくつかの実施形態において、蓄積の部位は細胞質内である。いくつかの実施形態において、蓄積の部位は、これらには限定されないが、ペルオキシソーム、エンドソーム、またはリソソーム等の細胞内の小胞内である。いくつかの実施形態において、選択的代謝は、これらには限定されないが、酸化酵素、または加水分解酵素を含む酵素により促進される。いくつかの実施形態において、加水分解酵素は、酸性加水分解酵素である。いくつかの実施形態において、酸性加水分解酵素は、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、ヌクレアーゼ、またはプロテアーゼである。いくつかの実施形態において、プロテアーゼは、リソソームプロテアーゼである。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示した非蓄積性ソフトドラッグは、酵素的に安定な類似物と比較して、組織中での蓄積が少ないという利点を有し、酵素的に安定な薬物および不安定な薬物の類似した血清薬物動態は、ソフトドラッグとそれらの安定な類似物の同程度の効能をもたらす。
いくつかの実施形態は、ソフトドラッグの設計および治療への使用を目的とする。いくつかの実施形態において、そのソフトドラッグは、組織中に蓄積する傾向の低下を示す改質ペプチド様かまたはエステル含有分子である。いくつかの実施形態において、ソフトドラッグ特性には、酸性小胞型細胞小器官(リソソームなど)中への蓄積に対する低下傾向が含まれるが、それは、活発なタンパク質分解またはエステラーゼ酵素の分解事象が小胞の内部で起こるために、小胞の内部で高濃度に達することはない。細胞内部でのベース化合物の蓄積を防止する上記の分解機構が無い場合、上記非蓄積性ソフトドラッグに近い同族体は、臓器毒性(例えば、腎臓毒性)を生じさせ得る蓄積を示す。
[化合物]
いくつかの実施形態において、下記式IIの構造を有する化合物、ならびにそれらのプロドラッグ、医薬として許容できる塩、および水和物が、提供される:
Figure 2008502720
上記式中:
L-AA-1は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって、(S)-アミノ酸残基中のα-アミノ官能基が、複素環の一部ではないという条件および上記化合物が下記式:
Figure 2008502720
を有していないという条件で、(S)-配置を有する天然または人工α-アミノ酸残基であり;
D-AA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって、(R)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基であり;
CG-1は、水素、または炭素連結キャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよく;
アミノ基はいずれも、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基によって任意選択でアシル化されていてもよい。
いくつかの実施形態において、L-AA-1および/またはD-AA-2は、第一級アミン等のアミノ基を含む。一実施形態において、上記化合物は、アミド基の一部ではない少なくとも2個のアミノ基を含む。一実施形態においてCG-1は、水素である。
一実施形態において、L-AA-1は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され、
上記式中:
X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
m1は、0から4の整数であり;
n1は、0から1の整数であり;
R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH(=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
p1は、0から1の整数であり;
添え字Nのついた波線は、L-AA-1に結合しているアミン基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、L-AA-1に結合しているカルボニル基への結合点を示す。
一実施形態において、D-AA-2は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され、
上記式中:
Arは、任意選択で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
R31は、任意選択で置換されてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数である。
一実施形態において、D-AA-1は、
Figure 2008502720
からなる群から選択され、
上記式中:
R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2、- CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
添え字Nのついた波線は、D-AA-2に結合しているアミン基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、D-AA-2に結合しているカルボニル基への結合点を示す。
いくつかの実施形態において、CG-1は、水素、任意選択で置換されていてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
CG-2は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン基により任意選択で置換されていてもよく;
上記式中:
各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
m5は、1から3の整数であり;
n5は、0から2の整数であり;
p5は、0から4の整数である。
別の実施形態においては、下記式(III)の構造を有する化合物、ならびにそれらのプロドラッグ、水和物、および医薬として許容できる塩が提供される:
Figure 2008502720
上記式中:
R1は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
m1は、0から4の整数であり;
n1は、0から1の整数であり;
R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH(=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
p1は、0から1の整数であり;
R3は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
Arは、任意選択で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数であり;
R31は、任意選択で置換されていてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
R4は、水素、任意選択で置換されていてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
R5は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン部分により任意選択で置換されていてもよく;
各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
m5は、1から3の整数であり;
n5は、0から2の整数であり;
p5は、0から4の整数であり;
R4は、任意選択でR5に結合して5員または6員の複素環を形成していてもよく;
いずれのアミノ基も、任意選択で、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基とアシル化していてもよく;
ただし、上記化合物は、式:
Figure 2008502720
を有しないことを条件とする。
いくつかの実施形態において、R3は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択され:
上記式中:
R31は、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択され;
R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
m3は、1から2の整数であり;
n3は、0から2の整数である。
いくつかの実施形態においては、R4は、R5に結合して5員または6員複素環を形成しており、式IIIの化合物は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
式IIまたはIIIの化合物のいくつかの実施形態において、-N(CG-1)(CG-2)または-N(R4)(R5)は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、以下の、
Figure 2008502720
Figure 2008502720
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、以下のものからなる群から選択される。
2-(S)-アミノ-N-{4-アミノ-1-(S)-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5,6,7,8-テトラヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロ-フェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-([1,6]ナフチリジン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-トリフルオロメチル-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-ブチルアミド;
2-(S),6-ジアミノ-ヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(メチル-キノリン-3-イル-カルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノキサリン-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミド;
2(R)-(2-(S),5-ジアミノ-ペンタノイルアミノ)-5-メチル-ヘキサン酸キノリン-3-イルアミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-4-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピルアミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3-メチル-ブチルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-7-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(3,4,5-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(2,3,4-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-クロロ-2-フルオロ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
3-(S)-アミノ-N-{4-(S)-アミノ-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸;
2-(R)-[2-(S)-アミノ-3-(2-アミノ-エトキシ)-プロピオニルアミノ]-4-フェニル-N-キノリン-3-イル-ブチルアミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(シンノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-エチル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-エチル]-アミド;
3-アミノ-(S)-N-{4-(S)-(2-(3)-(S)-アミノ-3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミド;
5-アミノ-2-(S)-メチルアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミド;
2-(S),4-ジアミノ-N-[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-ブチルアミド;
2-(S),5-ビス-ホルムイミドイルアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロ-フェニル)-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-6-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノキサリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-エチル]-アミド;
2-(S)-アミノ-6-メチルアミノ-ヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S)-アミノ-6-ジメチルアミノ-ヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(4,5,6,7-テトラヒドロ-ベンゾチアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2,5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5-フェニル-[1,3,4]チアジアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(4-フェニル-チアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(3-フェニル-[1,2,4]チアジアゾール-5-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-ブロモ-チアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5-ピリジン-3-イル-チアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2',4'-ジメチル-[4,5']ビチアゾリル-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(4-[1,2,4]チアジアゾール-3-イル-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミド;
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸{3-フェニル-1-(R)-[(3-フェニル-[1,2,4]チアジアゾール-5-イルメチル)-カルバモイル]-プロピル}-アミド;および
2-(S),4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)プロピル]-ブチルアミド。
式IIまたはIIIの化合物の他の実施形態において、-N(CG-1)(CG-2)または-N(R4)(R5)は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式IIまたはIIIの化合物中の1個または複数のアミノ基を任意選択でアシル化していてもよいアミノ酸残基は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アシル化化合物は、以下の、
Figure 2008502720
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物のプロドラッグ、代謝産物、水和物、および医薬として許容できる塩が提供される。
「プロドラッグ」とは、インビボで親薬物に変換される薬物を指す。プロドラッグは、時として、それらが親薬物より投与するのが容易であり得るのでしばしば有用である。それらは、例えば、親がそうではないのに対して経口投与により生物学的利用することができうる。プロドラッグは、また、親薬物を超える、医薬組成物中での改良された溶解性を有することができる。プロドラッグの非限定的な一例は、水溶性が移動にとって有害となる細胞膜を横切る送達を容易にするエステル(「プロドラッグ」)として投与するが、水溶性が有利である細胞の内部に一旦入ったときに、代謝的に加水分解されて活性要素であるカルボン酸になる化合物である。プロドラッグのさらなる例は、アミド結合を介して結合している短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であり得、そのペプチドは、代謝されて活性部分を現す。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製する従来手段は、例えば、その全体を参照により本明細書に援用するDesign of Prodrugs, (ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985)に記載されている。
用語「プロドラッグエステル」とは、生理的条件下で加水分解されるいくつかのエステル形成性基のどれかの付加によって形成される本明細書に開示されている化合物の誘導体を指す。プロドラッグエステル基の例としては、ピボイルオキシメチル(pivoyloxymethyl)、アセトキシメチル、フタリジル、インダニルおよびメトキシメチル、ならびに(5-R-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基を含む、当分野で公知のその他のそのような基が挙げられる。プロドラッグエステル基のその他の例は、例えば、T. HiguchiおよびV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、Vol. 14、A.C.S. Symposium Series、American Chemical Society (1975) ;および「Bioreversible Carriers in Drug Design: Theory and Application」、E. B. Roche編、Pergamon Press: New York, 14〜21頁(1987) (カルボキシル基を含有する化合物のプロドラッグとして有用なエステルの例を提供している)。上記の各参考文献は、その全体を参照により本明細書に援用する。
本明細書に開示されている化合物の代謝産物としては、生物学的環境に本化合物を導入した際に生成する活性種が挙げられる。
用語「医薬として許容できる塩」とは、それが投与された生命体に重大な刺激を引き起こさず、その化合物の生物活性および特性を抑止しない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態において、その塩は、本化合物の酸付加塩である。医薬品塩は、化合物を、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と反応させることによって得ることができる。医薬品塩は、また、化合物を、脂肪族または芳香族のカルボン酸またはスルホン酸などの有機酸、例えば、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸またはナフタレンスルホン酸と反応させることによって得ることもできる。医薬品塩は、化合物を塩基と反応させて塩を形成させることによっても得ることができ、塩は例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1〜C7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩等である。
医薬製剤の製造が、医薬賦形剤と活性成分のその塩の形態との完全な混合を含む場合は、非塩基性の医薬賦形剤、すなわち、酸性または中性の賦形剤を使用することが望ましい。
さまざまな実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、単独か、本明細書に開示されている他の化合物との組合せか、または本明細書に記載されている治療領域内で活性な、1個または複数の他の薬剤との組合せで使用することができる。
本明細書で使用する用語「ハロゲン原子」は、元素の周期表の7列の放射性安定原子、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素のいずれか1つを意味し、フッ素および塩素が好ましい。
用語「エステル」は、式-(R)n-COOR'をもつ化学基をいい、RおよびR'が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)およびヘテロ脂環式(環炭素を介して結合している)からなる群から独立に選択され、nが、0または1である。
「アミド」は、式-(R)n-C(O)NHR'または-(R)n-NHC(O)R'をもつ化学基をいい、RおよびR'が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)およびヘテロ脂環式(環炭素を介して結合している)からなる群から独立に選択され、nが、0または1である。アミドは、本発明の分子に結合し、それによってプロドラッグを形成している連結アミノ酸またはペプチド分子であり得る。
本発明の化合物のアミン、ヒドロキシ、またはカルボキシル側鎖は、いずれも、エステル化またはアミド化することができる。この目的を達成するために使用する手順および特定の基は、当業者には知られており、その全体を本明細書に援用するGreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons、New York, NY、1999年等の参照源の中に容易に見出すことができる。
用語「芳香族」は、共役π電子系を有する少なくとも1個の環を有しており、炭素環式アリール(例えば、フェニル)および複素環式アリール基(例えば、ピリジン)の両方を包含する芳香族基を指す。この用語は、単環式または縮合環の多環式(すなわち、隣接した炭素原子対を共有する環)基を含む。用語「炭素環式」は、1個または複数の共有結合で閉ざされた環構造を含有しており、環の骨格を形成している原子がすべて炭素原子である化合物を指す。この用語は、したがって、炭素環式環を、環の骨格が少なくとも1個の炭素とは異なる原子を含有する複素環式環から区別する。用語「複素環式芳香族」は、少なくとも1個の複素環式環を含有する芳香族基を指す。
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、任意の非分枝または分枝の置換または非置換飽和炭化水素を意味する。そのアルキル残基は、分枝鎖、直鎖、または環状であり得る。そのアルキル基は1から20個の炭素原子を有することができる(それが本明細書に現れるときはいつも、「1から20」等の数の範囲は、与えられた範囲の各整数を指し;例えば、「1から20個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、20個以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、また、数の範囲が指定されていない用語「アルキル」が出てきた場合もカバーする)。このアルキル基は、また、1から10個の炭素原子を有する中型のアルキルでもあり得る。このアルキル基は、また、1から5個の炭素原子を有する低級アルキルでもあり得る。このアルキル基は、「C1〜C4アルキル」として、または類似の表示で表すことができる。ほんの一例として、「C1〜C4アルキル」は、アルキル鎖中に1から4個の炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、およびt-ブチルからなる群から選択されることを表す。
アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。置換されている場合、置換基(単数または複数)は、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換シクロアルケニル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、複素環オキシ、ヘテロ脂環式、ヒドロキシル、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換アリールオキシ、アシル、チオール、置換または非置換チオアルコキシ、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、アシルアルキル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、ケト、チオケト、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、一置換および二置換アミノ基を含む置換または非置換アミノ、ならびにそれらの保護された誘導体、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アリールおよび-SO2-ヘテロアリールなどから個々にかつ独立に選択された1個または複数の基である。代表的なアルキル基としては、これらには全く限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、などが挙げられる。置換基が「任意選択で置換されていてもよい」と記されている場合は、置換基は、上記の置換基の1つで置換されていてもよい。
本文脈において、用語「シクロアルキル」は、炭素原子のみを含む3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、および8員環以上をカバーすることを意図している。シクロアルキルは、芳香族π電子系がどのようにでも生じることのないような状態に置かれている1個または複数の不飽和結合を場合によって含有することができる。「シクロアルキル」のいくつかの例は、炭素環類のシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、1,3-シクロヘキサジエン、1,4-シクロヘキサジエン、シクロペンタン、またはシクロヘプテンである。
「アルケニル」残基とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる基を指す。アルケニルは、ポリ不飽和炭化水素を含む非分枝または分枝の、置換または非置換の不飽和炭化水素であり得る。いくつかの実施形態において、アルケニルは、C1〜C6の非分枝、一不飽和または二不飽和非置換炭化水素である。用語「シクロアルケニル」とは、好ましくは5個から12個の原子を有していて環を含む任意の非芳香族炭化水素環を指す。
「アルキン」残基とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる基を指す。
他に指摘がない限り、それ自身および数の表示なしで現れる置換基「R」は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を介して結合している)およびヘテロ脂環式(環炭素を介して結合している)からなる群から選択される置換基を指す。
用語「アルコキシ」とは、任意の、非分枝または分枝の、置換または非置換の、飽和または不飽和エーテルを指し、C1〜C6の非分枝の飽和の非置換エーテルが好ましく、メトキシが好ましく、また、ジメチル、ジエチル、メチル-イソブチル、およびメチル-t-ブチルエーテルも好ましい。用語「シクロアルコキシ」とは、任意の非芳香族炭化水素環を指し、好ましくは5個から12個の原子を有しており、環を含む。
「O-カルボキシ」基は、RC(=O)O-基を指し、ここでRは本明細書で定義されているとおりである。
「C-カルボキシ」基は、-C(=O)OR基を指し、ここでRは本明細書で定義されているとおりである。
「アセチル」基は、-C(=O)CH3基を指す。
「トリハロメタンスルホニル」は、X3CS(=O)2-基を指し、ここでXは、ハロゲンである。
「シアノ」基は、-CN基を指す。
「イソシアナート」基は、-NCO基を指す。
「チオシアナート」基は、-CNS基を指す。
「イソチオシアナート」基は、-NCS基を指す。
「スルフィニル」基は、-S(=O)-R基を指し、ここでRは、本明細書で定義されているとおりである。
「S-スルホンアミド」基は、-S(=O)2NRを指し、ここでRは、本明細書で定義されているとおりである。
「N-スルホンアミド」基は、RS(=O)2NH-を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、X3CS(=O)2NR-基を指し、XおよびRは、本明細書で定義されているとおりである。
「O-カルバミル」基は、-OC(=O)-NR-基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「N-カルバミル」基は、ROC(=O)-NH-基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「O-チオカルバミル」基は、-OC(=S)-NR基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「N-チオカルバミル」基は、ROC(=S)NH-基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「C-アミド」基は、-C(=O)-NR2基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
「N-アミド」は、RC(=O)NH-基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりである。
用語「ペルハロアルキル」は、水素原子のすべてがハロゲン原子により置換されているアルキル基を指す。
用語「アシルアルキル」は、RC(=O)R'-基を指し、Rは、本明細書で定義されているとおりであり、R'は、ジラジカルのアルキレン基である。アシルアルキルの例としては、非限定で、CH3C(=O)CH2-、CH3C(=O)CH2CH2-、CH3CH2C(=O)CH2CH2-、CH3C(=O)CH2CH2CH2-などが挙げられる。
他に指摘のない限り、置換基が、「任意選択で置換されていてもよい」と考えられるとき、それは、置換基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、ならびに一置換および二置換アミノ基を含むアミノ基、ならびにそれらの保護された誘導体から独立に選択することができる1個または複数の基で置換されていてもよいことを意味する。上記置換基の保護誘導体を形成することができる保護基は、当業者には知られており、上記のGreeneおよびWutsなどの参考文献中に見出すことができる。
用語「ヘテロシクリル」は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環および8員環以上であって、炭素原子が1から3個のヘテロ原子とともに前記環を構成しているものを意味することを意図している。ヘテロシクリルは、芳香族π電子系がどのようにでも生じることのないような状態に置かれている1個または複数の不飽和結合を場合によって含有することができる。ヘテロ原子は、酸素、硫黄、および窒素から独立に選択される。
ヘテロシクリルは、1個または複数のカルボニルまたはチオカルボニル官能基をさらに含有することができ、その定義に、ラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、環状カルバメートなどのオキソ系およびチオ系を含めることができる。
ヘテロシクリル環は場合によってはアリール環に縮合することができ、その定義は二環構造を含む。一般的には、そのような縮合ヘテロシクリル基は、1個の結合を、任意選択で置換されていてもよいベンゼン環と共有する。ベンゾ縮合ヘテロシクリル基の例としては、これらに限定されないが、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、およびメチレンジオキシベンゼン環構造が挙げられる。
「ヘテロシクリル」のいくつかの例としては、これらに限定されないが、テトラヒドロチオピラン、4H-ピラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、1,3-ジオキシン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキシン、1,4-ジオキサン、ピペラジン、1,3-オキサチアン、1,4-オキサチイン、1,4-オキサチアン、テトラヒドロ-1,4-チアジン、2H-1,2-オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、モルホリン、トリオキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、1,3-ジオキソール、1,3-ジオキシラン、1,3-ジチオール、1,3-ジチオラン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、および1,3-オキサチオランが挙げられる。本複素環への結合は、ヘテロ原子の位置または複素環の炭素原子を介するか、またはベンゾ縮合誘導体についてはベンゼノイド環の炭素を介することができる。
本文脈において、用語「アリール」は、炭素環式芳香族環またはその環系を意味することを意図している。さらに、用語「アリール」は、少なくとも2個のアリール環、または少なくとも1個のアリールと少なくとも1個のC3〜8シクロアルキルとが、少なくとも1個の化学結合を共有している縮合環系を含む。「アリール」環のいくつかの例としては、任意選択で置換されていてもよい、フェニル、ナフタレニル、フェナントレニル、アントラセニル、テトラリニル、フルオレニル、インデニル、およびインダニルが挙げられる。用語「アリール」は、例えば、環形成炭素原子の1つを介して接続しており、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキルアミド、アシル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、アルキルスルフェニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、またはトリフルオロメチルから選択される1個または複数の置換基を場合によって有するベンゼノイド基を含む芳香族に関する。アリール基は、パラおよび/またはメタ位で置換されることができる。他の実施形態においては、アリール基はオルト位で置換されることができる。アリール基の代表的な例としては、これらに限定されないが、フェニル、3-ハロフェニル、4-ハロフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、3-アミノフェニル、4-アミノフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、3-シアノフェニル、4-シアノフェニル、ジメチルフェニル、ナフチル、ヒドロキシナフチル、ヒドロキシメチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、アルコキシフェニル、4-モルホリン-4-イルフェニル、4-ピロリジン-1-イルフェニル、4-ピラゾリルフェニル、4-トリアゾリルフェニル、および4-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェニルが挙げられる。
本文脈において、用語「ヘテロアリール」は、芳香環中の1個または複数の炭素原子が、窒素、硫黄、リンおよび酸素からなる群から選択された1個または複数のヘテロ原子で置換されている複素環芳香族基を意味することを意図している。
その上、本文脈において、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のアリール環および少なくとも1個のヘテロアリール環、少なくとも2個のヘテロアリール環、少なくとも1個のヘテロアリール環および少なくとも1個のヘテロシクリル環、または少なくとも1個のヘテロアリール環および少なくとも1個のシクロアルキル環が、少なくとも1個の化学結合を共有している縮合環系を含む。
用語「ヘテロアリール」は、1個の酸素もしくは硫黄原子または最大4個までの窒素原子、あるいは1個の酸素もしくは硫黄原子の最大2個までの窒素原子との組合せをさらに含有する芳香族のC3〜8の環状の基、ならびに、それらの置換誘導体ならびにベンゾ−およびピリド縮合誘導体、例えば、環形成炭素原子の1つを介して結合している誘導体に関連するものと理解される。ヘテロアリール基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキルアミド、アシル、C1〜6-アルコキシ、C1〜6-アルキル、C1〜6-ヒドロキシアルキル、C1〜6-アミノアルキル、C1〜6-アルキルアミノ、アルキルスルフェニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、またはトリフルオロメチルから選択される1個または複数の置換基を有することができる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、上のリストから選択される互いに同じか異なることもできる0、1、または2個の置換基を有する5員または6員の芳香族複素環系であり得る。ヘテロアリール基の代表的な例としては、これらに限定されないが、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、インドール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、インダゾール、テトラゾール、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、プリンおよびピラジン、フラザン、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、プテリジン、フェノキサゾール、オキサジアゾール、ベンゾピラゾール、キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、およびキノキサリンが挙げられる。いくつかの実施形態において、置換基は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、O-C1〜6アルキル、C1〜6アルキル、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、およびアミノ-C1〜6アルキルである。
[調製方法]
本明細書に開示した化合物は、以下に記載した方法、またはこれらの方法の修正により合成することができる。その方法を修正するやり方には、なかでも、温度、溶媒、試薬などが含まれ、この方法は当業者には明らかであろう。一般には、本明細書に開示されている化合物の調製方法のいずれかの工程で、いずれかの関係する分子の敏感なまたは反応性の基を保護することが必要でありかつ/または望ましい可能性がある。これは、両方ともその全体を参照により本明細書に援用するProtective Groups in Organic Chemistry (ed. J. F.W. McOmie, Plenum Press, 1973) ;およびGreene & Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、1991年に記載されているものなどの従来の保護基により達成することができる。保護基は、技術的に既知の方法を用いて都合のよいその後の段階で除去することができる。応用できる化合物を合成するのに有用な合成化学変換は、技術的に知られており、例えば、両方ともその全体を参照により本明細書に援用するR. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers、1989年、またはL. Paquette編、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1995年に記載されているものが含まれる。
以下のスキームにおいて、P、P1、P2は、反応順序に適合する保護基を示すために使用する。特定の合成スキーム中に存在する保護基P、P1、P2は、異なる保護基を表すことができるが、合成戦略が保護基の直交性を必要としない場合は同一の保護基を表すこともできる。SS-は、ポリマー固定担体への中間体の共有結合を記すために使用する。Xは、アミドカップリング中または炭素-炭素結合形成中の脱離基を示す。RL、RDおよびRLDは、それぞれ、ホモキラル-L、ホモキラル-Dおよびラセミのα-アミノ酸官能基のα位における置換基を示す。使用されるその他の略語としては以下が挙げられる: Boc=t-ブトキシカルボニル、OBn=ベンジルエステル、CBz=カルボベンジルオキシ、およびOSu=N-ヒドロキシスクシンイミドエステル。
以下のスキームにおいて、置換基RLおよびRDの操作のためにさらなるステップが必要となり得る。例えば、アミノメチル基を脱マスキングするために、シアノ基について触媒存在下での水素化を実施することができる。
以下に示されているペプチド性化合物を組み立てる一般的戦略は、説明のためのものであり決して限定することを意味していない。
キラル中心の絶対立体化学は、構造中に通例のウェッジボンド表示で示されており、ラセミ混合物のキラル中心は、通例の波線結合表示で示されている。したがって、1個のウェッジボンドと1個の波線結合を含む構造は、ジアステレオ異性体の混合物を表す。
カルボン酸官能基が、アミド結合の形成のために活性化される場合、活性な中間体は、続くアミンとのカップリング反応のために単離することができ、あるいは、その活性化は、活性中間体の単離なしで、インサイチュで実施することができる。カルボン酸官能基の活性化は、適当な活性化試薬が選択されるという条件で、アミンの添加前、ならびにアミンの存在下で実施することができる。
以下のスキーム中に示されているさまざまな保護基、カップリング方法、脱保護反応は、ペプチド性結合の合成で一般に採用される方法の代表的な例であり(Principles of Peptide Synthesis、第2版、M. Bodanszky、Spriner-Verlag、Berlin、1993年)。示されている方法は説明のためのものであり決して限定することを意味していない。
[方法A]
Figure 2008502720
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物は上の方法Aにより合成される。方法Aによる合成の1つの具体例は、以下のものである:
Figure 2008502720
t-ブトキシカルボニル(Boc)基は、上で示したようにアミン官能基を保護するために使用することができるが、反応手順に適合するその他の任意の保護基もまた使用することができる。N-ヒドロキシスクシンイミドエステルによる活性化(ステップa)もまたここでは活性化方法の説明のための例を意味し、アミド結合の形成のために一般的に採用されているその他の任意の活性化方法もまた使用することができる。
[方法B]
Figure 2008502720
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、上の方法Bにより合成される。RD置換基を含有するアミノ酸中間体は、方法Bのステップbの生成物のカップリングおよび精製を容易にすることができるエステル型で使用することができる。方法Bによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
アミド結合形成のステップbにおいて使用されるベンジルエステル(Bn)は、上記合成手順に適合するカルボン酸保護基の例を表す。上記合成手順に適合する他のエステル基もまた採用することができる。
[方法C]
Figure 2008502720
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、上の方法Cにより合成される。D配置の所望のアミノ酸中間体がホモキラル型で容易に入手できない場合は、対応するラセミ中間体を用い、次に続いてそれをL配置のホモキラルアミノ酸に結合することによるカップリング手順を行うことができる。その結果得られるジアステレオマー混合物は、方法Cの一般スキームのステップcに示されているクロマトグラフィーによるかまたは結晶化により分離することができ、手順のさらなるステップを、立体化学的に均一な材料によって実施することができる。方法Cによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[方法D]
Figure 2008502720
方法Dは、所望のD配置のアミノ酸中間体がホモキラル型で容易に得られない場合のための方法Cに記載されているやり方として、および別法として使用することができる。所望の生成物のD配置アミノ酸の側鎖であることを意図した側鎖を含有するラセミ中間体は、ステップbに示されているように対応するL配置の保護アミノ酸と結合され、得られたジアステレオ異性体混合物は、手順の次のステップのために使用される。ジアステレオ異性体成分の分離は、クロマトグラフィーによるか結晶化による分離が容易に実施できるその後のステップで実施される。所望のジアステレオ異性体の単離は、ステップeにおいてかまたは保護基の最終的な除去をした後になお実施することができる。
方法Dによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[方法E]
所望のペプチド性生成物の調製は、保護されたアミノ酸中間体をポリマー固体の担体に結合することによって実施すればよく、それによって、その後のカップリング反応を容易にすることができ、中間体生成物の精製の必要性を排除することができる。L配置のアミノ酸のアミノ官能基は、ステップaに示されているように、固定担体材料に結合することができる。続く脱保護、活性化およびアミド結合形成のステップは、固定担体に結合した中間体上で実施することができ、固定担体からの生成物の解放は、次に手順の最後のステップで実施することができる。
Figure 2008502720
方法Eによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
上の例は、Lアミノ酸中間体のアミノ官能基が、t-ブトキシカルボニル保護基と類似のカルバメートリンカーを介して固定担体に結合することができる手順を示している(T. Redmanら、Mol. Diversity, 4: 191〜197頁、(1998) )。固定担体に結合した分子の組立てが完了した後、最後の脱保護ステップにより、存在するすべての保護基を除去し、生成物を固定担体から分離することができる。アミノ酸を固定担体に結合する他の開裂可能なリンカーもまた採用することができ、保護基を除去し、固定担体から生成物を分離するための別個のステップを必要とする。
[方法F]
本合成手順で用いられるα-アミノ酸は、所望するカップリング反応を実施するために、同様に保護基を必要とするかもしれないさらなるアミノ基を側鎖中に持つことができる。隣接するα-アミノ官能基の保護のために用いられる保護基と同一でもよいこれらの追加のアミノ官能基のために用いられる保護基は、また、異なってもよい。
Figure 2008502720
方法Fによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
上の例は、オルニチンのα-アミンとω-アミンの両方にt-ブトキシカルボニル保護基を利用しており、それはカップリングのためにステップaで活性化することができる。両アミノ官能基の脱保護は、したがって、ステップfで同時に行うことができる。
[方法G]
L-アミノ酸部分が2個のアミノ基を含有している場合、それらの1つは一般的なアミノ保護基で保護することができ、別の1つはポリマー固定担体に結合させるために使用することができ、それにより、その後のカップリング反応を容易にすることができ、中間体生成物の精製のための必要性を排除することができる。L配置のモノ保護アミノ酸の遊離のアミノ官能基は、ステップaに示されているように固定担体材料に結合させることができる。それに続く脱保護、活性化およびアミド結合形成のステップは、固定担体に結合した中間体上で行うことができ、固定担体からの生成物の解放は、次に手順の最後のステップで行うことができる。
Figure 2008502720
方法Gによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
上の例は、アミノ官能基の結合の特徴が、α-アミノ官能基の保護に使用されたt-ブトキシカルボニル基と性質が似ており、アミンの脱保護が固定担体からの生成物の分離と同時に行うことができる合成手順を説明している。リンカーおよび保護基の特徴は、また、2つの別個のステップが、アミン官能基の脱保護と固定担体からの生成物の分離に対して多分必要となるようなものであってもよい。
[方法H]
方法Hは、ホモキラルN-保護D-αアミノ酸中間体を、ステップaにおいてアミドに変換する合成手順を説明する。得られるアミドは、次に脱保護され、ホモキラルN-保護D-αアミノ酸とカップリングし、得られた中間体は所望の生成物を提供すべく次に脱保護することができる。所望する生成物のD配置アミノ酸の側鎖であることを意図した側鎖を含有するラセミ中間体でも、類似の手順を実施することができる。このラセミ中間体は、ステップcと同じように、対応するL配置の保護アミノ酸とカップリングすることができ、その結果得られたジアステレオマー混合物は、手順の次のステップのために用いることができる。ジステレオマー化合物の分離は、ステップcに続いてすぐに、またはそれに代えて、保護基の最後の除去後のその後のステップで実施することができる。
Figure 2008502720
方法Hによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[方法I]
本発明の対象である目的のペプチド性化合物の調製のために必要なホモキラル保護アミノ酸中間体は、容易に入手可能な場合に使用することができる。目的のペプチド性化合物の調製のために必要なホモキラル保護アミノ酸中間体は、また、立体選択的反応を用いるかまたはエナンチオマーの分離のための既知の戦略を採用する文献中で知られているさまざまな方法(Synthesis of Optically Active α-Amino Acids、RM Williams、Pergamon、New York、1989年)によって調製することもできる。それに代えて、所望する保護アミノ酸中間体は、さまざまな方法によりラセミ混合物の形で調製し、ケモキラル(chemochiral)成分(例えば、L配置アミノ酸の一部となることを意図したアミノ酸残基を含有する中間体)とのカップリングのため等に使用することができる。方法Iは、D配置アミノ酸の一部となることを意図した残基を有するラセミ保護アミノ酸中間体の調製のために使用することができる戦略を例示している。
ステップaにおいて、グリシンエステルのシッフ塩基は、D配置のアミノ酸の所望する保護前駆体のラセミ混合物を生成する適切なアルキル化試薬でアルキル化することができる。続くステップ(b〜e)において、この前駆体は、その最終の所望される生成物のジアステレオ異性体混合物に、保護された形で変換することができ、それはL、D配置の物質を単離するためにクロマトグラフィーによるかまたは結晶化により分離する(ステップf)ことができる。所望するジアステレオ異性体の分離はまた、最終の脱保護ステップに続いて行うこともできる(ステップfとgの順序が逆)。
Figure 2008502720
方法Iによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
上の例は、ステップaにおいて、グリシンエチルエステルのシッフ塩基を、置換ベンジルブロミドでアルキル化することができる合成手順を説明している。両方の保護基の加水分解およびアミンの保護(ステップb、c)により、所望する保護されたアミノ酸をラセミ型で得ることができる。一連のカップリングおよび脱保護ステップ(c〜e)の後、ジアステレオ異性体混合物をクロマトグラフィーまたは結晶化により分離することができる。
[方法J]
Figure 2008502720
方法Jは、N-末端二塩基性アミノ酸の特定のアミノ官能基の官能化のために使用することができる戦略を説明している。直交保護基P1、P2、P3およびP4を適切に選択することにより、3個の保護基の1つを除去し(ステップc、e)、追加のアミノ酸(L'部分を持っている)を二塩基性アミノ酸の選択されたアミノ基に結合することができる。
方法Jによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[方法K]
Figure 2008502720
方法Kは、方法Jに記載したものと類似の標的に誘導する別の戦略として使用することができる。2つの保護基P1、P2の直交性は、さらなるアミノ酸残基を二塩基性アミノ酸の選択されたアミノ基に導入する(ステップdおよびe)ことを可能にするのに十分である。直交性保護基P1、P2の脱保護の順序に応じて、追加のアミノ酸残基の導入は、二塩基性アミノ酸のアミノ基のいずれかに選択的に行うことができる。
方法Kによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[方法L]
Figure 2008502720
二塩基性アミノ酸のアミノ官能基の両方が、方法Lにより例示されているように同じ追加のアミノ酸の2つの残基で官能化することが意図されている場合は、2個の非直交性保護基を採用することができる。ステップdにおける脱保護により、アミノ基を両方とも脱マスキングし、それらの両方を同時に官能化することを可能にする(ステップe)ことができる。
方法Lによる合成の1つの具体例は以下のものである:
Figure 2008502720
[使用方法]
いくつかの実施形態において、微生物感染に罹患している対象に、前記微生物の排出ポンプを阻害するのに有効な量の上記の化合物を投与することを含む、微生物感染を治療または予防する方法が提供される。いくつかの実施形態において、その微生物は、細菌であり、排出ポンプ機構を介して抗生物質耐性を示す。いくつかの実施形態において、その化合物は、抗生物質と併用して投与され、該化合物はその化合物の組織蓄積による組織の損傷を減少または排除するように選択される。いくつかの実施形態において、対象は、排出ポンプ阻害薬を組織中に蓄積可能であり、これまでに開示されていた化合物を超える改良が提供され、それは組織中に著しく蓄積することのない化合物を選択することを含む。
いくつかの実施形態において、微生物を上で開示した化合物および抗菌薬と接触させることを含む抗菌薬耐性微生物の増殖を処置または防止する方法が提供される。
いくつかの実施形態において、下記式IIA:
Figure 2008502720
を組織中へ蓄積可能な対象を確認し、次いで、下記式II:
Figure 2008502720
の化合物をその対象に投与することを含む、微生物感染を治療または予防する方法が提供される。
上記式中:
D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第一の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
L-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに代って(S)-配置を有する第一のα-アミノ酸残基であり;
D-AA-2は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第二の天然または人工のα-アミノ酸残基であり;
CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい。
いくつかの実施形態において、排出ポンプ阻害薬を抗生物質と併せて投与することにより患者を治療する方法が提供され、排出ポンプ阻害薬は、下記構造:
Figure 2008502720
を有しており、上記式中、AA-1およびAA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基とともに天然または人工α-アミノ酸残基を表し、本方法は、患者における排出ポンプ阻害薬の細胞蓄積の減少が所望どおりであるかどうかを確かめ、そうである場合は、前記排出ポンプ阻害薬を下記式II:
Figure 2008502720
を有する排出ポンプ阻害薬から選択することを含み;
上記式中:
L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結したキャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい。
いくつかの実施形態において、特に哺乳動物を含む動物における微生物感染を、上記感染に罹患している動物を、抗菌剤およびその抗菌薬に対する微生物の感受性を増す排出ポンプ阻害薬で処置することにより治療する方法が提供される。そのような排出ポンプ阻害薬は、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物から選択することができる。このようにして、感染に関与する微生物は、少量の抗菌薬を使用して治療することができ、あるいは排出ポンプ阻害薬なしで使用する場合には治療上有効ではない抗菌薬で治療することができる。したがって、この治療方法は、高い投薬量レベル(望ましくない副作用を引き起こし得る)が必要なため、または臨床的に有効な抗菌薬が何もないために、抗菌薬単独を使用して治療することが困難な微生物菌株が関係する感染の治療に対して特に適している。また一方、特定の抗菌薬に感受性がある微生物が関係する感染症の治療に対しても、そのような特定の薬物の投与量を減少させる方法として適当である。これにより副作用の危険を低減することができる。それはまた、特定の抗菌薬に感受性がある微生物が関係する感染症の治療に対して、耐性菌が選択される頻度を低下させる方法としても適当である。特定の態様において、微生物は、例えば、上で示した任意の群または種からのものであり得る細菌である。
いくつかの実施形態において、哺乳動物の予防的治療のための方法が提供される。この方法においては、抗菌薬および排出ポンプ阻害薬が、微生物感染例えば細菌感染の危険がある哺乳動物に投与される。排出ポンプ阻害薬は、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物から選択することができる。
いくつかの実施形態において、微生物に対する抗菌薬の抗菌活性を高める方法が提供され、そこでは上記微生物を、排出ポンプ阻害薬および抗生物質と接触させる。その排出ポンプ阻害薬は、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物から選択することができる。したがって、この方法は、排出ポンプを発現する細胞に対して、その細胞が抗菌薬と排出ポンプとの組合せで処置されたとき、抗菌薬をより有効にする。特定の態様において、微生物はたとえば上で示したもののいずれかの細菌または真菌であり;抗菌薬は、例えば、β-ラクタム、グリコペプチド、アミノグリコシド、キノロン、オキサゾリジノン、テトラサイクリン、リファマイシン、クメルマイシン、マクロライド、およびクロラムフェニコールを含めた多数の構造種類の抗生物質から選択することができる。特定の実施形態において、上の種類の抗生物質は上記のとおりであり得る。
他の実施形態においては、微生物、例えば、排出ポンプ、例えば、非テトラサイクリン特異性排出ポンプを発現する細菌の増殖を抑圧するための方法が提供される。微生物が細菌である場合に明示されるように、本方法は、その細菌を、排出ポンプ阻害薬と、細菌の最小発育阻止濃度(MIC)より低い濃度の抗菌剤の存在下で接触させることを含む。その排出ポンプ阻害薬は、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物から選択することができる。この方法は、例えば、排出ポンプを保有する細菌による細胞培養液の汚染を防ぐためにまたは回復するために有用である。また一方、それは、そのような増殖の抑圧が望ましいどのような状況にも適応する。
いくつかの実施形態において、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物は、排出ポンプ阻害薬として、単独で、またはより好ましくは、その他の治療薬と併用して投与することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に総称的もしくは特定的に記載されている任意の化合物は、排出ポンプ阻害薬として、本明細書に特定的もしくは総称的に記載されている任意の抗菌薬と、ならびに、細菌が排出ポンプ抵抗機構を活用しないときは、処置すべきそのような細菌の種に対して有用な任意のその他の抗菌薬との併用で投与することができる。いくつかの実施形態において抗菌薬は、それらの通常の推奨される投与量で投与される。他の実施形態においては、抗菌薬は、医師によって決められる減らされた投与量で投与される。市場にあるすべての従来の抗菌薬、および臨床開発中の多くに対して、投与量範囲および投与の好ましい経路は確立されており、それらの投与量および経路は、好ましい実施形態の排出ポンプ阻害薬と併用して使用することができる。排出ポンプ阻害薬と組み合わせたときの抗菌薬の高められた効能により抗菌薬の投与量の削減が考えられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、抗菌薬とともに投与される。その2つの薬物は、所定の比率で投与することができる。例えば、その薬物は1:1の比率、1:2の比率、2:1の比率などで投与することができる。その薬物は、別々に、一緒に、同時に、または順次に投与することができる。その薬物は、組み合わせて固定した剤形としてか、または別々の剤形として投与することができる。
いくつかの実施形態において、対象は、抗菌薬に耐性のある細菌に感染している対象として確認される。その対象は、次に、本明細書に開示されている化合物と組み合わせた抗菌薬で治療することができる。ある対象は、その抗菌薬に対する感染の応答に有効性がみられないことを観察することに基づいて、耐性のある細菌に感染していることを確認することができる。別法では、当分野で公知の適切な微生物学的技術により、その細菌を培養し、既知の耐性菌として確認することができる。
いくつかの実施形態において、対象は、抗菌薬に対する耐性を発現することができる細菌に感染している対象として確認される。その対象は、次に、本明細書に開示されている化合物と組み合わせた抗菌薬で治療することができる。ある対象は、対象が耐性菌株を有することが知られている細菌種、または耐性菌株を有することが知られている群の一員である細菌による細菌感染独特の症状を有するものと診断することによって耐性を発現することができる細菌に感染していると確認することができる。別法では、その細菌を培養し、耐性菌株を有することが知られている細菌種または耐性菌株を有することが知られている群の一員である細菌として確認することができる。
いくつかの実施形態において、排出ポンプ阻害薬は、細菌における排出ポンプが媒介する耐性の出現を克服または抑圧するのに十分なレベルで投与される。いくつかの実施形態においては、このレベルが、感染の部位において有効な排出ポンプ阻害薬濃度を生みだす。別の実施形態においては、このレベルが、細菌中のすべての排出ポンプを閉鎖することと等しい効果を生みだす。
いくつかの実施形態において、対象は、細菌に感染する危険がある対象として確認される。次に、その対象を、耐性菌株による感染を予防するために、排出ポンプ阻害薬および抗菌薬で予防的に処置することができる。例えば、耐性菌を有していそうな環境、例えば病院、の対象を、予防的に処置することができる。
いくつかの実施形態において、対象は、別の場合には抗菌薬としては一般に有効ではない排出ポンプ阻害薬で処置される。したがって、例えば、排出ポンプ阻害薬のMICは、約32μg/ml、64μg/ml、128μg/ml、または256μg/mlを超えてもよい。
[微生物種]
上記のソフトドラッグなどの排出ポンプ阻害薬の使用により阻害される微生物種は、以下のものの1つのなどのその他の細菌群または種に由来するものであり得る: 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナスアシドボランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナスアルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロフォモナスマルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)、アエロモナスヒドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シトロバクターフロインデイ(Citrobacter freundii)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラフレックスネリ(Shigella flexneri)、ソンネ(赤痢)菌(Shigella sonnei)、エンテロバクタークロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラオキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、モルガネラモルガニー(Morganella morganii)、プロテウスミラビウス(Proteus mirabilis)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシアアルカリフェシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシアレットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシアスチュアティ(Providencia stuartii)、アシネトバクターカルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクターヘモリチカス(Acinetobacter haemolyticus)、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)、エルシニアインターメディア(Yersinia intermedia)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ボルデテラパラペルツシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルスパラインフルエンゼ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルスヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルスパラヘモリティカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘモフィルスデュクレイイ(Haemophilus ducreyi)、パスツレラマルトシダ(Pasteurella multocida)、パスツレラヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ブランハメラカタラーリス(Branhamella catarrhalis)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、カンピロバクターフィタス(Campylobacter fetus)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクターコリ(Campylobacter coli)、ボレリアブルグドルフェリー(Borrelia burgdorferi)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リストニアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、キンゲラ属(Kingella)、モラクセラ属(Moraxella)、膣ガルドネラ菌(Gardnerella vaginalis)、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデスディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス3452Aホモロジー群(Bacteroides 3452A homology group)、バクテロイデスブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデスオバラス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス属細菌(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデスユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデスエゲルチイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデススプランクニカス(Bacteroidessplanchnicus)、クロストリジウムディフィシレ(Clostridium difficile)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウムイントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)、ハンセン菌(Mycobacterium leprae)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウムウルセランス(Corynebacterium ulcerans)、肺炎球菌(Streptococcus pneunioniae)、ストレプトコッカスアガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカスフェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカスフェシウム(Enterococcus faecium)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、腐生ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカスインテルメヂウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・ハイカス亜種ハイカス(Staphylococcus hyicus subsp. hyicus)、ススタフィロコッカスヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカスオミニス(Staphylococcus hominis)またはスタフィロコッカスサッカロロティカス(Staphylococcus saccharolyticus)。
好ましい実施形態の排出ポンプ阻害薬の使用に対して適当な微生物の特に好適な例は、多くの通常使用される抗生物質に生来の耐性がある病原性細菌種の緑膿菌である。この細菌を排出ポンプ阻害薬にさらすことによって、細胞の内部からの抗生物質の搬出またはシデロホア(siderophore)の搬出を著しく遅くすることができる。それ故、別の抗生物質が、好ましい実施形態の排出ポンプ阻害薬と併用して投与される場合は、別の場合には搬出プロセスにより非常に低い細胞内濃度に維持されるであろうその抗生物質が、細菌の細胞の増殖を阻害する濃度までに蓄積しうる。この増殖阻害は、使用される特定の抗生物質に応じた静菌活性または殺菌活性のいずれかが原因であり得る。緑膿菌は好適な細菌の1例であるが、他の細菌および微生物種も類似の幅広い基質のポンプを含み、これがさまざまな抗菌薬を能動的に搬出する可能性があり、したがって、好適な標的であり得る。
[抗菌薬]
特定の実施形態において、さまざまな抗生物質を、本明細書に記載されている排出ポンプ阻害薬と組み合わせて使用することができる。これらには、キノロン、テトラサイクリン、グリコペプチド、アミノグリコシド、β-ラクタム、リファマイシン、マクロライド/ケトライド、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、クメルマイシン(coumermycin)、およびクロラムフェニコールが包含される。特定の実施形態において、上の種類の抗生物質は、例えば以下のものの1つであり得る。
[β-ラクタム抗生物質]
β-ラクタム抗生物質としては、これらに限定されないが、イミペネム、メロペネム、ビアペネム、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファラジン、セフメタゾール、セフォキシチン、セフォテタン、アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、モキサラクタム、アミジノシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、ベンジルペニシリン、カルフェシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ピペラシリン、スルベニシリン、テモシリン、チカルシリン、セフジトレン、SC004、KY-020、セフジニル、セフチブテン、FK-312、S-1090、CP-0467、BK-218、FK-037、DQ-2556、FK-518、セフォゾプラン、ME1228、KP-736、CP-6232、Ro 09-1227、OPC-20000、およびLY206763が挙げられる。
[マクロライド]
マクロライド類としては、これらに限定されないが、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、ロキタマイシン、ロサラミシン(rosaramicin)、ロキシスロマイシン、およびトロレアンドマイシンが挙げられる。
[ケトライド]
ケトライド類としては、これらに限定されないが、テリスロマイシンおよびセスリマイシン(cethrimycin)が挙げられる。
[キノロン]
キノロン類としては、これらに限定されないが、アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、オキソリン酸、ペフロキサシン、ロソキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、クリナフロキサシン、モキシフロキサシン; ジェミフロキサシン; ガレノフロキサシン; PD131628、PD138312、PD140248、Q-35、AM-1155、NM394、T-3761、ルフロキサシン、OPC-17116、DU-6859a(例えば、Sato, K. ら、1992年、Antimicrob Agents Chemother. 37:1491〜98頁参照)、およびDV-7751a(例えば、Tanaka, M.ら、1992年、Antimicrob. Agents Chemother. 37: 2212〜18頁参照)が挙げられる。
[テトラサイクリン、グリシルサイクリンおよびオキサゾリジノン]
テトラサイクリン類、グリシルサイクリン類およびオキサゾリジノン類としては、これらには限定されないが、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、チゲサイクリン、リネゾリド、およびエペロゾリド(eperozolid)が挙げられる。
[アミノグリコシド]
アミノグリコシド類としては、これらに限定されないが、アミカシン、アルベカシン、ブチロシン、ジベカシン、フォルティミシン(fortimicin)、ゲンタマイシン、カナマイシン、メオマイシン(meomycin)、ネチルミシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、およびトブラマイシンが挙げられる。
[リンコサミド]
リンコサミド類としては、これらに限定されないが、クリンダマイシンおよびリンコマイシンが挙げられる。
[排出ポンプ阻害薬のスクリーニング]
可能性のある排出ポンプ阻害薬を、さまざまな微生物のマルチドラッグ耐性排出ポンプを阻害するそれらの能力について試験し、本明細書に記載されている方法ならびに当技術分野で知られている方法を用いてさまざまな抗菌薬の薬効を相乗的に増すことができる。例えば、排出ポンプを過剰に発現することが知られている微生物の菌株は、試験用の排出ポンプ阻害薬化合物を備えた抗菌薬と備えていない抗菌薬とで処置することができる。抗菌薬と試験化合物の両方の濃度を変化させて相乗作用が観察される相対的濃度を決定するためにチェッカーボードアッセイを使用することができる。
1つの非限定例において、試験化合物による緑膿菌の処置により、1つまたは複数の以下の生物学的効果を得ることが可能となる:
1)緑膿菌菌株は、シュードモナス感染症の治療に使用できなかった抗生物質に対する感受性が高くなるか、または抗生物質に対してより感受性が高まるか、シュードモナス感染症の治療に現在使用されている抗生物質に対してより感受性が高まる。
2)シュードモナス感染症の治療に現在使用されている抗生物質に対する耐性を発現した緑膿菌が、これらの抗生物質に対して感受性となる。
3)ポンプの阻害が、そのポンプの基質である抗生物質に対する耐性発現の頻度の減少をもたらす。
これらの効果の1つでも得られることにより、この細菌による感染に対して可能性のある治療的処置が提供される。また、同様のポンプが他の微生物中にも存在する。上の効果のいくつかまたはすべてをこれらの微生物でも得ることができ、それらは、したがってまた、排出ポンプ阻害薬を発見するかまたは使用するための適切な標的である。
[医薬組成物]
別の態様において、本開示は、生理的に許容可能な界面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、平滑剤、懸濁剤、フィルム形成性物質、およびコーティング助剤、またはそれらの組合せ、ならびに本明細書に開示されている化合物を含む医薬組成物に関する。治療で使用するために受け入れられる担体または希釈剤は、製薬技術においてはよく知られており、例えば、全体として参照により本明細書に援用する、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.、Easton、PA (1990)に記載されている。防腐剤、安定剤、染料、甘味料、香料、調味剤、などを医薬組成物中に備えてもよい。例えば、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを防腐剤として加えることができる。さらに、酸化防止剤および懸濁剤を用いてもよい。さまざまな実施形態において、アルコール類、エステル類、硫酸化脂肪族アルコール類、などを界面活性剤として使用することができ;スクロース、グルコース、ラクトース、デンプン、結晶化セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、などを賦形剤として使用することができ;ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などを平滑剤として使用することができ;ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、ピーナッツ油、ダイズ油を懸濁剤または潤滑剤として使用することができ;セルロースまたは糖などの炭水化物の誘導体としての酢酸フタル酸セルロース、あるいはポリビニルの誘導体としての酢酸メチル-メタクリル酸エステル共重合体を、懸濁剤として使用することができ;フタル酸エステル類等の可塑剤などを懸濁剤として使用することができる。
用語「医薬組成物」とは、本明細書に開示されている化合物と希釈剤または担体等の他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、化合物の生命体への投与を容易にする。化合物を投与する多数の技術が存在し、これらに限定されないが、経口、注射、エアロゾル、非経口、および局所投与が含まれる。医薬組成物は、また、化合物を無機または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸など反応させることによって得ることもできる。
用語「担体」は、化合物の細胞または組織中への受け入れを容易にする化合物と定義される。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、それが多くの有機化合物の生命体の細胞または組織への摂取を容易にするので普通に利用される担体である。
用語「希釈剤」は、所定の化合物を溶解し、同時にその化合物の生物学的活性形態を安定化する、水に希釈した化合物と定義される。緩衝液中に溶解した塩を当技術分野では希釈剤として利用する。1つの普通に使用される緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水であり、なぜならそれがヒト血液の塩の状態とよく似ているためである。緩衝塩は低濃度で溶液のpHを制御できるので、緩衝化した希釈剤が、化合物の生物活性を変性することはめったにない。
用語「生理的に許容可能」とは、担体または希釈剤が化合物の生物学的活性および特性を抑制しないことと定義される。
本明細書に記載されている医薬組成物は、ヒトの患者にそれ自体で投与するか、または併用療法におけるように、それらが他の活性成分と、または適当な担体もしくは賦形剤(単数または複数)と混合されている医薬組成物として投与することができる。本出願の化合物の製剤化および投与の技術は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版、1990年、に見出すことができる。
投与の適当な経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜、局所、または腸投与;筋肉内、皮下、静脈内、脊髄内注射、ならびにくも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼球内注射を含む非経口送達が挙げられる。化合物は、また、所定の速度で、長期にわたりかつ/または指定時間に作動するパルス投与のための蓄積注射、浸透圧ポンプ、ピル、経皮(エレクトロトランスポートを含む)パッチなどを含む、持続放出または制御放出投薬形態で投与することができる。
本発明の医薬組成物は、それ自体知られている方法、例えば、従来型の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠づくり、研和、乳化、カプセル化、包括または錠剤化工程を用いて製造することができる。
本発明にしたがって使用するための医薬組成物は、したがって、医薬的に使用することができる製剤中への活性化合物の処理工程を容易にする賦形剤および助剤を含む1または複数の生理的に許容可能な担体を用いる従来法で製剤化することができる。適切な処方は、選択される投与の経路に左右される。任意の周知の技術、担体、および賦形剤は、当技術分野、例えば上記のRemington's Pharmaceutical Sciences中、で理解されているように、適切なものとして使用することができる。
注射液は、液体の溶液または懸濁液か、注射前の液体中の溶液または懸濁液に適した固形としてか、あるいは乳濁液としてかのいずれかの従来の形で調製することができる。適当な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システイン、などである。加えて、所望する場合は、注射可能な医薬組成物は、湿潤剤、pH緩衝剤その他等の少量の無毒性の補助剤を含有することができる。生理的に相性のよい緩衝液としては、これらに限定されないが、ハンクス液、リンガー液、または生理食塩水緩衝液が挙げられる。所望により、吸収促進製剤(例えば、リポソーム)を利用することができる。
経粘膜投与に対しては、バリアを通過するのに適切な浸透剤を製剤中に入れて使用することができる。
例えば、大量瞬時注入(ボーラス注入)または連続注入による非経口投与向けの医薬製剤としては、水溶性の形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。さらに、活性化合物の懸濁液を適切な油状注射懸濁液として調製することができる。適当な親油性溶媒または媒体としては、ゴマ油等の脂肪油、またはダイズ油、グレープフルーツ油またはアーモンドオイル等のその他の有機体の油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリド類等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、その懸濁液の粘度を上昇させる、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランのような物質を含有することができる。場合によって、この懸濁液は、また、極めて高濃度の溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解性を増す適当な安定剤または作用物質を含有することができる。注射用の製剤は、例えば、防腐剤が添加されているアンプルまたは複数用量容器中の単位投薬形態で与えることができる。その組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液または乳濁液などの形をとることができ、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤等の配合剤を含有することができる。別法では、活性成分は、使用前に、適当な媒体例えば発熱物質のない滅菌水との構成のための粉末の形をしていてもよい。
経口投与に対して、本化合物は、活性化合物を技術的によく知られている医薬的に許容可能な担体と組み合わせることにより容易に製剤化することができる。上記担体は、本発明の化合物を、錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして、治療されるべき患者により経口摂取されるように製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬品は、活性化合物を固体の賦形剤と組み合わせ、場合によっては得られた混合物をすりつぶし、必要に応じて適当な助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して錠剤または糖衣錠の核を得ることによって得ることができる。適当な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、ライスデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース調製品、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)等の充填剤である。所望する場合は、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩を添加してもよい。糖衣錠の核は、適当なコーティングを施す。この目的のため、任意選択により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい濃厚な砂糖溶液を使用することができる。染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに、識別のためまたは活性化合物投与量の異なる組合せを特徴付けるために、添加することができる。この目的のため、場合によって、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい濃厚な砂糖溶液を使用することができる。染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに、識別のため、または活性化合物投与量の異なる組合せを特徴付けるために添加することができる。
経口で使用することができる医薬調製品としては、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトール等の可塑剤でできている密閉軟カプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは、活性成分を、ラクトース等の充填剤、デンプン等の結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ならびに場合によって安定剤と混合して含有することができる。軟カプセル中では、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィン、または液体のポリエチレングリコール等の適当な液体中に溶解または懸濁させることができる。さらに安定剤を添加することができる。経口投与用のすべての製剤は、投与に適した投与量になければならない。
頬側投与に対しては、本組成物は、従来の方式で製剤化された錠剤またはトローチ剤の形をとることができる。
吸入による投与に対しては、本発明による使用のための化合物は、適当な高圧ガス、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適当なガスを用いた加圧型のパックまたは噴霧器からのエアゾールスプレー提供の形で都合よく送達される。加圧式エアロゾルの場合、投与量単位は、計量した量を送達するバルブを備えることによって決定することができる。吸入器または注入器で使用するための例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物とラクトースまたはデンプン等の適当な粉剤ベースとの粉末混合物を含有させて製剤化することができる。
本明細書でさらに開示されているのは、眼球内、鼻腔内、および耳介内送達を含む使用に対する医薬品技術においてよく知られているさまざまな医薬組成物である。これらの使用に対する適当な浸透剤は、当技術分野では一般に知られている。眼球内送達用の医薬組成物としては、水溶性の形の活性化合物の水性の眼科溶液、例えば、点眼薬、またはジェランガム(gellan gum)(Sheddenら、Clin. Ther.、23 (3):440〜50 (2001) )またはヒドロゲル(Mayerら、Ophthalmologica、210 (2):101〜3 (1996) )中の点眼薬; 眼軟膏; 眼科懸濁液、例えば、微粒子状物質、液体のキャリア媒体に懸濁させた薬物含有ポリマー微粒子(Joshi, A.、J. Ocul. Pharmacol.、10 (1):29〜45 (1994) )、脂質可溶性製剤(Almら、Prog. Clin. Biol. Res.、312:447〜58 (1989))、およびミクロスフェア(Mordenti, Toxicol. Sci.、52(1):101〜6 (1999) ); ならびにオキュサート(ocular insert)が挙げられる。上記の参考文献はすべてその全体を参照により本明細書に援用する。上記の適切な医薬品製剤は、ほとんどの場合、好ましくは、安定性および快適性のために、滅菌、等張および緩衝化して製剤化する。鼻腔内送達用の医薬組成物としては、また、正常な繊毛作用の維持を確保するために多くの点で鼻汁をシミュレートしてしばしば調製した点滴薬およびスプレーを挙げることができる。参照によりその全体を本明細書に援用するRemington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.、Easton、PA (1990) に記載されており、当業者にはよく知られているように、適切な製剤は、ほとんどの場合、好ましくは、等張で、5.5から6.5のpHを維持するためにわずかに緩衝化されており、ほとんどの場合、好ましくは、抗菌薬防腐剤および適切な薬物安定剤を含む。耳介内送達のための医薬組成物としては、懸濁液および耳内の局所適用のための軟膏が挙げられる。上記耳用製剤のための通常の溶媒としては、グリセリンと水が挙げられる。
本化合物は、また、例えば、カカオバターもしくはその他のグリセリド等の従来型座薬ベースを含有する座薬または固定浣腸等の直腸用組成物内に配合することもできる。
これまでに記載した製剤に加えて、本化合物は、また、デポー製剤として配合することもできる。そのような長時間作用型の製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内に)または筋肉注射により投与することができる。したがって、例えば、本化合物は、適当なポリマーまたは疎水性材料(例えば、認容性の油中乳濁液)またはイオン交換樹脂とともに、あるいはやや溶けにくい誘導体として、例えばやや溶けにくい塩として配合することができる。
疎水性化合物に対して、適当な医薬担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含む共溶媒系である。使用される普通の共溶媒系は、3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤Polysorbate80(商標)、および65%w/vのポリエチレングリコール300を無水エタノールに入れて所定の体積にした溶液であるVPD共溶媒系である。当然ながら、共溶媒系の比率は、その溶解性および毒性特性を破壊しないでかなり変化させることができる。さらにその上、共溶媒成分の同一性を変化させることができ:例えば、POLYSORBATE80(登録商標)の代わりに他の低毒性の無極性界面活性剤を使用することができ;ポリエチレングリコールの画分サイズを変化させることができ;他の生態適合性のポリマー、例えばポリビニルピロリドンを、ポリエチレングリコールと取り替えることができ;他の糖または多糖類に、デキストロースの代わりをさせることができる。
別法では、疎水性医薬化合物に対して他の送達システムを採用することができる。リポソームおよび乳濁液が、疎水性薬物に対する送達媒体または担体のよく知られた例である。ジメチルスルホキシド等の一定の有機溶媒もまた、通常はより大きな毒性が懸念されるが採用することができる。さらに、本化合物は、治療薬を含有する固体疎水性ポリマーの半透性の基質のような持続放出性製剤を用いて送達することができる。さまざまな持続放出性材料が確立されており、当業者にはよく知られている。持続放出性カプセルは、それらの化学的性質によって、数週間から最大100日を超えて本化合物を放出することができる。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性によって、タンパク質の安定化に対するさらなる方策を採用することができる。
細胞内に投与することを意図した薬剤は、普通の当業者にはよく知られている技法を用いて投与することができる。例えば、上記薬剤は、リポソーム中に封入することができる。リポソームが形成されるとき、水性溶液中に存在するすべての分子は、水性の内部に組み込まれる。リポソームの内容物は、外の微環境から保護されもするし、リポソームが細胞膜と融合するために細胞の細胞質中に効果的に送達されもする。そのリポソームは、組織特異的な抗生物質で被覆することができる。そのリポソームは、望ましい臓器を標的にし、望ましい臓器によって選択的に取り込まれる。別法では、微小な疎水性有機分子を、直接細胞内に投与することができる。
追加の治療薬または診断薬を、医薬組成物中に組み込むことができる。別法では、あるいはさらには、医薬組成物は他の治療薬または診断薬を含有する他の組成物と組み合わせることができる。
[投与の方法]
化合物または医薬組成物は、患者に任意の適切な方法で投与することができる。投与の方法の非限定例としては、本発明の化合物を生体組織と接触させるために当業者により適当と考えられる、とりわけ、(a)経口の経路による投与であって、カプセル、錠剤、顆粒、スプレー、シロップ、または他のそのような形態を含む投与;(b)直腸、膣、尿道内、眼球内、鼻腔内、または耳介内等の非経口の経路による投与であって、水性懸濁液、油性の調製品または同種のもの、あるいは点滴、スプレー、座薬、軟膏、外用薬または同種のものによる投与;(c)皮下、腹膜内、静脈内、筋肉内、皮内、眼窩内、関節内、髄腔内、胸骨内、または同種のものの輸液ポンプ送達を含めた注射による投与;(d)注射により直接腎臓または心臓領域への、例えばデポーの埋め込みによる局在的投与;ならびに(e)局所的投与が挙げられる。
投与に適した医薬組成物としては、活性成分を、その意図した目的を達成するために有効な量で含有している組成物が挙げられる。本明細書に開示されている化合物の治療的に有効な投与量として必要な量は、投与の経路、治療されるヒトを含む動物の種類、および考慮中の特定の動物の身体特性に左右されよう。投与量は、所望の効果を達成するために調整することができるが、体重、食べ物、同時に行う薬物治療およびその他、医療当業者が理解するその他の要因に左右されるであろう。さらに具体的に言えば、治療上有効な量とは、疾病の症状を防ぐか、軽減するかまたは改善するため、あるいは治療している患者の寿命を延ばすために有効な化合物の量を意味する。治療上有効な量の決定は、特に本明細書に提供されている詳細な開示を踏まえて、十分に当業者の能力の範囲内である。
当業者にはもとより明らかであろうが、投与されるべき実用的なインビボ投与量および投与の特定の方式は、年齢、体重および治療される哺乳動物の種類、採用される特定の化合物、ならびにこれらの化合物が採用される特定の用途によって変化しよう。有効な投与量レベル、すなわち望ましい結果を達成するために必要な投与量レベルの決定は、当業者により、日常的な薬理的方法を用いて達成することができる。一般的には、ヒトへの製品の臨床応用は、低めの投与量レベルで始まり、望ましい結果が得られるまで投与量レベルを増やしていく。別法では、許容可能なインビトロでの試験を使用して、確立されている薬理的方法を用いる本方法によって特定されている組成物の実用的な投与量および投与経路を確立することができる。
ヒト以外の動物の検討においては、可能性のある製品の応用は、高めの投与量レベルで始まり、投与量を望ましい効果がもはや得られなくなるかまたは不利な副作用が消えるまで低減していく。投与量は望ましい効果および治療上の適応によって幅広く変動し得る。一般的には、投与量は、体重1kg当り約10マイクログラムと100mgの間、好ましくは、体重1kg当り約100マイクログラムと10mgの間である。別法では、投与量は、当業者に理解されるように、患者の表面積に基づき、計算することができる。
本発明の医薬組成物についての正確な処方、投与の経路および投与量は、患者の状態を考慮する個々の医師により選択され得る(例えば、Finglら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、1975年を参照されたい。これは、特に第1章の1頁に関連してその全体を本明細書中に援用する)。一般的には、患者に投与される組成物の投与量範囲は、患者の体重1kg当り約0.5から1000mgであり得る。その投与量は、患者によって必要とされる1日または複数日の間に与えられるただの1回または連続した2回以上のものであり得る。化合物についてのヒトへの投与量が、少なくともある状態に対して確立されている場合において、本発明は、その同じ投与量か、またはその確立されているヒトへの投与量の約0.1%と500%の間、より好ましくは、約25%と250%の間である投与量を使用する。新規に発見された医薬組成物についての場合などの、ヒトへの投与量が確立されていない場合は、適切なヒトへの投与量は、ED50またはID50値、あるいは動物における毒性検討および有効性の検討により適格とされているインビトロまたはインビボでの検討から導かれたその他の適切な値から推測することができる。
注目すべきは、主治医は、毒性または臓器の機能障害により、投与を、どのように、いつ、終了、中断または調節するかを知る。反対に、主治医は、また、臨床反応が適切ではない(毒性を除外する)場合に、より高いレベルに治療を調節することを知る。重要な傷害の管理における投与した投与量の重要性は、治療されるべき状態の重症度および投与の経路により変化する。状態の重症度は、例えば、ひとつには標準的な予後の評価方法により評価することができる。さらに、投与量およびおそらく投与頻度もまた、個々の患者の年齢、体重、および反応により変化しよう。上で述べたものに相当するプログラムは、獣医学でも使用することができる。
正確な投与量は、薬物ごとの基準で決定されようが、ほとんどの場合、投与量に関してはある程度の一般化をすることができる。成人のヒトの患者に対する毎日の用量は、例えば、各活性成分の0.1mgと2000mgの間、好ましくは1mgと500mgの間、例えば、5から200mgの経口投与であり得る。他の実施形態の、静脈内、皮下、または筋肉内においては、0.01mgと100mgの間、好ましくは0.1mgと60mgの間、例えば1から40mgの各活性成分の投与量を用いる。医薬として許容可能な塩の投与の場合は、投与量は、遊離塩基として計算すればよい。いくつかの実施形態において、組成物は1日当り、1から4回投与する。別法では、本発明の組成物は、好ましくは1日当り最大で1000mgまでの各活性成分の投与量で連続的な静脈内注入により投与することができる。当業者には当然のように、ある一定の状況においては、本明細書に開示されている化合物を、特に侵攻性の疾病または感染症を効果的かつ積極的に治療するために、上で述べた好ましい投与量範囲を超えるかまたはさらにはるかに超える量で投与することが必要であり得る。いくつかの実施形態において、本化合物は、連続治療の期間、例えば、1週間以上、または数ヶ月または数年間投与される。
投与の量および間隔は、調節作用、または最小有効濃度(MEC)を維持するために十分である活性残基の血漿レベルを提供するように個々に調節することができる。このMECは、それぞれの化合物ごとに変化するが、インビトロのデータから見積もることができる。このMECを得るために必要な投与量は、投与の個別の特徴および経路に左右される。しかしながら、血漿濃度を測定するためにはHPLCアッセイまたはバイオアッセイを使用することができる。
投与間隔は、また、MEC値を用いて決定することができる。組成物はインターバル時間の10〜90%、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間で、MECを超える血漿レベルを維持する投与計画を用いて投与すべきである。
局在的投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度と関係づけることはできない。
投与される組成物の量は、治療される対象、対象の体重、病気の重症度、投与の方式および処方医の判断に左右され得る。
本明細書に開示されている化合物は、公知の方法を用いて有効性および毒性について評価することができる。一定の化学残基を共有している特定の化合物、またはその化合物のサブセットの毒物検査は、細胞株、例えば哺乳動物、好ましくはヒトの細胞株に対するインビトロ毒性を測定することによって確立することができる。そのような検討の結果により、哺乳動物等の動物またはより好ましくはヒトにおける毒性がしばしば予測される。別法では、マウス、ラット、ウサギ、またはサル等の動物モデルにおける特定の化合物の毒性が、公知の方法を用いて測定され得る。特定の化合物の有効性は、インビトロ法、動物モデル、またはヒトの臨床試験等のいくつかの認定されている方法を用いて確立することができる。認定されているインビトロのモデルは、これらに限定されないが、癌、循環器疾患、およびさまざまな免疫機能障害を含むほとんどすべての種類の状態に対して存在する。同様に、許容可能な動物モデルを用いてそのような状態を治療する化学薬品の有効性を確立することができる。有効性を測定するためのモデルを選択するとき、熟達者は、適切なモデル、投与量、および投与の経路、ならびに投与計画を選択するために最先端の指導を受けることができる。もちろん、ヒトの臨床試験もまた、ヒトにおける化合物の有効性を測定するために使用することができる。
本組成物は、所望により、活性成分を含有する1個または複数の単位投与量の形態を含有することができるパックまたはディスペンサー装置中に存在してもよい。そのパックは、例えば、ブリスターパックのように、金属またはプラスチックホイルを含むことができる。パックまたはディスペンサー装置は、投与のための取扱説明書を添えることができる。パックまたはディスペンサーは、また、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関により定められている形式で、容器と一緒にした注意事項を添えることができ、その注意事項は、ヒトまたは家畜投与用薬品の形態の政府機関による認可の反映である。そのような注意事項は、例えば、処方薬に対して米国食品医薬品局により認可されたラベリングであるかまたは認可された製品挿入物である。適合性の医薬担体中に配合された本発明の化合物を含む組成物は、また、製造して適切な容器中に収納し、指示された状態の治療のためのラベルを貼ることができる。
[実施例]
以下の実施例は、好ましい実施形態をより完全に説明すること、ならびに、好ましい実施形態のさまざまな態様を実施するために考えられる最良の方法を示すことに役立つ。当然のことながら、これらの実施例は、本発明の正確な範囲を限定することを目的としているのでは決してなく、むしろ、説明の目的のために提供されている。本明細書に引用されているすべての参考文献は、参照によりそっくりそのまま援用される。
[化合物の合成]
以下の合成方法は、以下に実施例として記載するすべての化合物を調製するために使用した。別段の断りのない限り、すべての化合物は、モノメタンスルホン酸塩の形で製造し、NMRスペクトルは、表題化合物のメタンスルホン酸塩のものである。いくつかの場合は、最初に得られたトリフルオロ酢酸塩をメタンスルホン酸塩に変換するステップを省略してその化合物を特性評価し、トリフルオロ酢酸塩の形で試験した。すべてのNMRスペクトルは、DMSO-d6中で記録した。メタンスルホン酸のピーク2.34ppm(3H)は、下に掲げたメタンスルホン酸塩のNMRスペクトルから除外した。別段の断りのない限り、マススペクトルは電気スプレー電離法(MS-ESI)を用いて得た。MS-EIとして示されているときは、電子衝撃イオン化を用いた。
(実施例1)
[方法F: 2-(S),5-ジアミノペンタン酸[3-フェニル-l-(R)-(4-フェニルトリアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドモノメタンスルホネート(化合物59)]
(A)D-ホモフェニルアラニンベンジルエステルトシレート
ベンゼン(30mL)中、塩酸D-ホモフェニルアラニンの溶液(1.7g、7.93mmol)、ベンジルアルコール(7.2 mL、64.0mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(1.8g、9.5mmol)を、ディーンスターク装置中で5時間加熱還流し、その時間の後、追加のベンゼン(100mL)を反応混合物から蒸去した。残留物をジエチルエーテルで完全に粉砕し、その固体を濾過し乾燥して表題生成物を得た(2.93g)。
Figure 2008502720
(B)NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンベンジルエステル
D-ホモフェニルアラニンベンジルエステルトシレート(2.48g、5.6mmol)を、酢酸エチル(25mL)中に懸濁させ、重炭酸ナトリウムの水中の飽和溶液を25℃で撹拌しながら分割して(25mL)加えた。水層を酢酸エチルで抽出した(3×10mL)。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、D-ホモフェニルアラニンベンジルエステルを得た。そのエステルをアセトニトリル(25mL)に溶解した。NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチン(2.0g、6.0mmol)を次に加え、続いて、N-ヒドロキシスクシンイミド(50mg)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(1.28g、6.2mmol)を加えた。反応物を25℃で30分間撹拌し、濾過して、その濾液を乾燥するまで濃縮して粗生成物を得た。それをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、それにより白色固体としての表題生成物(2.80g)を得た。
Figure 2008502720
C32H43N3O7に対して検出されたMS(EI) M+=583
(C)NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニン
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンベンジルエステル(2.80g、4.80mol)のメタノール(200mL)中の溶液を、10%Pd/C触媒(0.2g)で処理し、水素の雰囲気中25℃で3時間撹拌した。その触媒をセライトのパッドで濾過して除去し、濾液を乾燥するまで蒸発させて表題生成物(2.48g)を得た。
Figure 2008502720
(D)NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニン(2-アミノ-4-フェニルチアゾール)アミド
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニン(0.3g、0.6mmol)の塩化メチレン(10mL)中の溶液を、2-アミノ-4-フェニルチアゾール(0.16g、0.9mmol)で、続いてN-ヒドロキシスクシンイミド(10mg)およびジクロロヘキシルカルボジイミド(0.15g、0.7 mol)で処理した。その反応物を25℃で18時間撹拌し(HPLCモニタリングRP-18、250×4mm、水:アセトニトリル:トリエチルアミン:酢酸=500:500:0.6:1(mL)、UV検出器、λ=254nm)、濾過し、濾液を1Mの塩酸(25mL)、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(25mL)、および水(25mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、粗生成物を得た。その生成物をシリカゲルに基づくカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、それにより白色固体として表題生成物(0.37g)を得た。
Figure 2008502720
C34H45N5O6S(EI)に対して検出されたMS(EI) M+=651
(E)L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニン(2-アミノ-4-フェニルチアゾール)アミドメシレート
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニン(2-アミノ-4-フェニルチアゾール)アミドを、化合物3に対して以下で詳細に記載した方法に従って表題化合物のモノメシレート塩に変換した。
(実施例2)
[方法Ha: 2-(S),5-ジアミノペンタン酸[3-フェニル-l-(R)-(キノロン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドモノメタンスルホネート(化合物3)]
(A) N-Boc-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
N-Boc-D-ホモフェニルアラニン(3.0g、10.7mmol)の酢酸エチル(100mL)中の溶液を、3-アミノキノリン(3.08g、21.4mmol)、続いてジシクロヘキシルカルボジイミド(2.31g、11.2mmol)で処理した。その反応物を25℃で3時間撹拌し(HPLCモニタリングRP-18、250×4mm、水:アセトニトリル:トリエチルアミン:酢酸=500:500:0.6:1(mL)、UV検出器、λ=254nm)、濾過し、濾液を1Mの塩酸(25mL)、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(25mL)、および水(25mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、白色固体としての表題化合物(4.3g)を得た。
Figure 2008502720
C24H27N3O3に対して検出されたMS (M+H)+=406
(B)NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチン(2.79g、8.4mmol)、トリエチルアミン( 1.29mL、9.2mmol)および塩化メチレン(90mL)の溶液を25℃で10分間撹拌し、-10℃に冷却し、エチルクロロホルメート(0.80mL、8.4mmol)で処理した。その混合物を-10℃で2時間撹拌した。この時間のあいだ、N-Boc-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(2.27g、5.6mmol)を、トリフルオロ酢酸(15mL)で、25℃で1時間処理した。その溶液を乾燥するまで濃縮し、ジエチルエーテル(10mL)で処理した。固体を濾過し、乾燥させた。それを塩化メチレン(40mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(1.6mL、11.2mmol)で中和した。得られた溶液を前記混合酸無水物に滴下して加え、その混合物を25℃までそのまま温め、さらに1時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム(30mL)を加え、有機層を水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、粗生成物を得た。それをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)により精製し、白色固体として表題化合物(2.55g)を得た。
Figure 2008502720
C34H45N5O6に対して検出されたMS (M+H)+=620
(C)L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミドメシレート
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(3.26g、5.3mmol)を、トリフルオロ酢酸(25mL)で、25℃で処理した。1時間後、その反応物を真空で濃縮した。残留物を水(10mL)に溶解し、HP20を詰めたカラムに供給した。それを1.5%の重炭酸ナトリウム溶液(600mL)で、次に水(500mL)で洗浄し、次に、水:メタノール2:8容積比(600mL)で溶出した。有機物質を含有する画分(TLCモニタリング、エタノール:アンモニア=8:2のシリカゲル平板上の溶離)を、真空中で濃縮して乾燥し、表題化合物の遊離アミンを得た。それを水(50mL)中に懸濁させ、メタンスルホン酸(0.32mL、5mmol)を加えた。少し濁った溶液をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を乾燥するまで濃縮した。残留物をジエチルエーテル(50mL)とともに完全に粉砕し、その固体を濾過し乾燥して表題化合物(1.48g)を得た。
Figure 2008502720
C24H29N5O2に対して検出されたMS (M+H)+=420
(実施例3)
[方法Hb:4-(S)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド モノ-メタンスルホネート(化合物15)]
(A)D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
N-Boc-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(2.6g、6.42mmol、手順1A)を、トリフルオロ酢酸(15mL)で、25℃で1時間処理した。その溶液を乾燥するまで濃縮し、ジエチルエーテル(10mL)で処理した。その固体を濾過して乾燥させた。それを水(180mL)に溶解し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液でpH=7.5まで中和した。その混合物を1時間撹拌し、固体を濾過し、乾燥し、白色固体として表題化合物(1.30g)を得た。
Figure 2008502720
(B)N-Bocトランス-4-(N-Bocアミノメチル)-L-プロリニルD-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
N-Bocトランス-4-(N-Bocアミノメチル)-L-プロリン(0.15g、0.44mmol、米国特許第6399629号)およびD-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(0.23g、0.66mmol)の酢酸エチル(10mL)中の溶液を、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.12g、0.60mmol)で処理した。その反応物を25℃で3時間撹拌し(HPLCモニタリングRP-18、250×4mm、水:アセトニトリル:トリエチルアミン:酢酸=500:500:0.6:1(mL)、UV検出器、λ=254nm)、濾過し、濾液を1Mの塩酸(25mL)、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(25mL)、および水(25mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、粗生成物を得た。その生成物をシリカゲルに基づくカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:3)により精製し、白色固体として表題生成物(0.22g)を得た。
Figure 2008502720
(C)アミノ-トランス-4-アミノメチル-L-プロリニルD-ホモフェニルアラニンキノリン-3アミドメシレート
N-Boc-トランス-4-(N-Boc-アミノメチル)-L-プロリニルD-ホモフェニルアラニンキノリン-3アミドを、化合物3について記載した手順に従って表題生成物のモノメシレート塩に変換し、灰色がかった白色固体として表題化合物(0.11g)を得た。
(実施例4)
[方法I:2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-エチル]-アミド(化合物41)]
(A)N-(ジフェニルメチレン)(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニンエチルエステル
N-(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステル(1.10g、4.1mmol)および3,4,5-トリフルオロベンジルブロミド(0.91g、4.0mmol)のジメチルホルムアミド(10mL)中の溶液を無水炭酸カリウム(2.83g、20.5mmol)で処理し、25℃で18時間撹拌した。その混合物を濾過し、その濾液を乾燥するまで蒸発させて粗生成物を得た。それをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)表題化合物(1.2g)を得た。
Figure 2008502720
C24H20NO2F3に対して検出されたMS(EI) M+=411
(B) 塩酸(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニン
N-(ジフェニルメチレン)(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニンエチルエステル(1.33g、3.2mmol)を、25℃で水中(15mL)に懸濁させ、濃塩酸(5mL)で処理した。その混合物を4時間加熱して還流させ、乾燥するまで蒸発させた。残留物をジエチルエーテルとともに粉砕した(4×20mL)。固体を濾過し、乾燥して、表題化合物(0.72g)を得た。
Figure 2008502720
(C)N-Boc-(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニン
塩酸(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニン(0.72g、2.8mmol)を、塩化メチレン(20mL)中に懸濁させ、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(2.0mL、14mmol)およびジ-tert-ブチルジカーボネート(0.68g、3.1mmol)で処理した。その混合物をそのまま25℃まで温め、18時間撹拌し、乾燥するまで蒸発させた。残留物を水(50mL)に溶解し、ジエチルエーテルで抽出した(2×20mL)。水相を0℃まで冷却し、1Mの塩酸でpH=2まで酸性にした。その混合物を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機抽出液を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮して表題化合物(0.82g)を得た。
Figure 2008502720
(D) (3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニンキノリン-3-アミド トリフルオロアセテート
N-Boc-(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニン(0.81g、2.5mmol)のジメチルホルムアミド(10mL)中の溶液を3-アミノキノリン(0.55g、3.8mmol)で、続いてジシクロヘキシルカルボジイミド(0.52g、2.5mmol)により処理した。その反応物を25℃で18時間撹拌し(HPLCモニタリングRP-18、250×4mm、水:アセトニトリル:トリエチルアミン:酢酸=500:500:0.6:1(mL)、UV検出器、λ=254nm)、濾過し、濾液を乾燥するまで蒸発させた。その残留物を塩化メチレン(30mL)に溶解し、1Mの塩酸(25mL)、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(25mL)、および水(25mL)で洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過して乾燥するまで濃縮し、白色固体としてBoc保護された表題化合物(1.1g)を得た。それをトリフルオロ酢酸(10mL)で、25℃で1時間処理した。その溶液を乾燥するまで濃縮し、ジエチルエーテル(10mL)で処理した。その固体を濾過して乾燥し、表題化合物(1.31g)を得た。
Figure 2008502720
C23H22N3O3F3に対して検出されたMS(EI) M+=445
(E) NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-(3,4,5-トリフルオロ)-D-フェニルアラニンキノリン-3-アミド
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチン(1.25g、3.7mmol)、トリエチルアミン(0.57mL、4.1mmol)および塩化メチレン(60mL)の溶液を、25℃で10分間撹拌し、-10℃まで冷却し、クロロギ酸エチル(0.36mL、3.7mmol)で処理した。その混合物を-10℃で2時間撹拌した。(3,4,5-トリフルオロ)-D,L-フェニルアラニンキノリン-3-アミドトリフルオロ酢酸(1.31g)を塩化メチレン(20mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(0.70mL、5.0mmol)で中和した。得られた溶液を前記混合酸無水物中に滴下して加え、混合物をそのまま25℃まで加温し、さらに1時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム(30mL)を加え、有機層を水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、乾燥するまで濃縮して粗生成物を得た。TLC(シリカゲルMerck製プレート、ジエチルエーテル:酢酸エチル=1:1)により、2つのジアステレオ異性体の存在が明らかとなった。それらをジエチルエーテル:酢酸エチル=3:1でのシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより分離し、白色固体として表題化合物(0.25g)を得た。
Figure 2008502720
C33H40N5O6F3に対して検出されたMS (M+H)+=660
(F) L-オルニチル-(3,4,5-トリフルオロ)-D-フェニルアラニンキノリン-3-アミド メシレート
NαNδ-ビス-Boc-L-オルニチル-(3,4,5-トリフルオロ)-D-フェニルアラニンキノリン-3-アミドを、化合物3について記載した手順に従って表題生成物のモノ-メシレート塩に変換し、灰色がかった白色固体として表題生成物(0.15g)を得た。
(実施例5)
[方法K:3-(S)-アミノ-N-{4-(S)-アミノ-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸モノメシレート塩(化合物34)]
(A)NαBoc,Nδ-Cbz-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
NαBoc,Nδ-Cbz-L-オルニチンを使用したことを除いて方法Ha(化合物3)のステップ(B)におけるのと同様にして表題化合物を調製した。
Figure 2008502720
C37H43N5O6に対して検出されたMS(EI) M+=653
(B)Nα-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
NαBoc,Nδ-Cbz-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(2.0g、3.06mmol)のメタノール(220mL)中の溶液を、10%Pd/C触媒(0.1g)で処理し、水素雰囲気中40℃で3時間撹拌した。触媒をセライトパッドにより濾別し、濾液を乾燥するまで蒸発させて、表題生成物(1.64g)を得た。
Figure 2008502720
C29H37N5O4に対して検出されたMS (M+H)+=520
(C)N-Boc-β-ベンジル-L-アスパルチルNα-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
Nα-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(0.8g、1.54mmol)の塩化メチレン(10mL)中の溶液を、N-Boc-β-ベンジル-L-アスパラギン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.67g、1.60mmol)で処理し、25℃で18時間撹拌した。その混合物を濾過し、濾液を乾燥するまで濃縮した。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフ(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にかけて表題の生成物(1.15g)を得た。
Figure 2008502720
(D)Nδ-L-アスパルチル-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド
N-Boc-β-ベンジル-L-アスパルチルNα-Boc-L-オルニチル-D-ホモフェニルアラニンキノリン-3-アミド(1.1g、1.33mmol)のメタノール(200mL)中の溶液を、10%Pd/C触媒(0.1g)で処理し、水素雰囲気中40℃で3時間撹拌した。触媒をセライトパッドにより濾別し、濾液を乾燥するまで蒸発させた。残留物を、化合物3について記載した手順に従って表題生成物のモノ-メシレート塩に変換して、表題化合物を得た。
(実施例6)
〔2-(R),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物1)〕
2-(R),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(M+H)+=420
(実施例7)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物2)〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(M+H)+=420
(実施例8)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物3) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(M+H)+=420
(実施例9)
〔2-(R),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物4) 〕
2-(R),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(M+H)+=420
(実施例10)
〔2-(S)-アミノ-N-{4-アミノ-1-(S)-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸(化合物5) 〕
2-(S)-アミノ-N-{4-アミノ-1-(S)-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸を方法Kに従って得た。
Figure 2008502720
MS C28H34N6O5(M+H)+=535
(実施例11)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物6) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H33N5O2(M+H)+=424
(実施例12)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物7) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haにより得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(EI)M+=419
(実施例13)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロフェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物8) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロフェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Iによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H28N5O2F(M+H)+=438
(実施例14)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロ-フェニル)-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物9) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-(4-フルオロフェニル)-1-(S)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Iによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H28N5O2F(M+H)+=438
(実施例15)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-(4-フルオロ-フェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミド(化合物10) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-(4-フルオロフェニル)-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
Figure 2008502720
MS C23H26N5O2F(M+H)+=424
(実施例16)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物11) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H28N5O2F(M+H)+=438
(実施例17)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-トリフルオロメチル-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物13) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-トリフルオロメチル-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H28N5O2F3(M+H)+=488
(実施例18)
〔4-(R)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-l-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物14) 〕
4-(R)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-l-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H29N5O2(M+H)+=432
(実施例19)
〔4-(S)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-l-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物15) 〕
4-(S)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-l-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H29N5O2(M+H)+=432
(実施例20)
〔2-(S),4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-ブチルアミド(化合物16) 〕
2-(S),4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-ブチルアミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H27N5O2(M+H)+=406
(実施例21)
〔2-(S),6-ジアミノ-ヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物17) 〕
2-(S),6-ジアミノ-ヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H31N5O2(EI)M+=433
(実施例22)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(メチル-キノリン-3-イル-カルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物18) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(メチル-キノリン-3-イル-カルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H31N5O2(M+H)+=434
(実施例23)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノキサリン-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩(化合物19) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノキサリン-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩を、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H31N5O2(M+H)+=434
(実施例24)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩(化合物20) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩を、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
(実施例25)
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミド(化合物21)
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H26N5O2F3(M+H)+=474
(実施例26)
〔2(R)-(2-(S),5-ジアミノ-ペンタノイルアミノ)-5-メチル-ヘキサン酸キノリン-3-イルアミド(化合物22) 〕
2(R)-(2-(S),5-ジアミノ-ペンタノイルアミノ)-5-メチル-ヘキサン酸キノリン-3-イルアミドを、方法Iによって得た。
Figure 2008502720
MS C21H31N5O2(M+H)+=386
(実施例27)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミド(化合物23) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[2-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-エチル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H27N5O2(M+H)+=406
(実施例28)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物24) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボニル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H32N4O2(M+H)+=409
(実施例29)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-4-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物25) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-4-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C27H32N4O2(M+H)+=445
(実施例30)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル-アミド(化合物26) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ビフェニル-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C27H32N4O2(M+H)+=445
(実施例31)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-7-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物28) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-7-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2(M+H)+=420
(実施例32)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物29) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C22H26N4O2F4(M+H)+=455
(実施例33)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(3,4,5-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物30) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(3,4,5-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C21H25N4O2F3(M+H)+=423
(実施例34)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(2,3,4-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物31) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(2,3,4-トリフルオロ-フェニルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C21H25N4O2F3(M+H)+=423
(実施例35)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-クロロ-2-フルオロ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物32) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-クロロ-2-フルオロ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C21H26N4O2F35Cl(M+H)+=421
(実施例36)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物33) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H31N5O3(M+H)+=450
(実施例37)
〔3-(S)-アミノ-N-{4-(S)-アミノ-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸(化合物34) 〕
3-(S)-アミノ-N-{4-(S)-アミノ-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}-スクシンアミド酸を、方法Kによって得た。
Figure 2008502720
MS C28H34N6O5(M+H)+=535
(実施例38)
〔2-(R)-[2-(S)-アミノ-3-(2-アミノ-エトキシ)-プロピオニルアミノ]-4-フェニル-N-キノリン-3-イル-ブチルアミド(化合物35) 〕
2-(R)-[2-(S)-アミノ-3-(2-アミノ-エトキシ)-プロピオニルアミノ]-4-フェニル-N-キノリン-3-イル-ブチルアミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
Figure 2008502720
MS C24H29N5O3(M+H)+=436
(実施例39)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イリカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物36) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(3,5-ジクロロ-ピリジン-2-イリカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C20H25N5O235Cl2(M+H)+=438
(実施例40)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物37) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C21H27N4O3F(M+H)+=403
(実施例41)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(シンノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩(化合物39) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(シンノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩を、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H28N6O2(M+H)+=421
(実施例42)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物40) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O3(M+H)+=436
(実施例43)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-エチル]-アミド(化合物41) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-エチル]-アミドを、方法Iによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H24N5O2F3(M+H)+=460
(実施例44)
〔アミノ-(S)-N-{4-(S)-(2-(3)-(S)アミノ-3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}スクシンアミド酸トリスメタンスルホネート(化合物43) 〕
3-アミノ-(S)-N-{4-(S)-(2-(3)-(S)アミノ-3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)-4-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピルカルバモイル]-ブチル}スクシンアミド酸トリスメタンスルホネートを、方法Lによって得た。
Figure 2008502720
MS C32H39N7O8(M+H)+=650
(実施例45)
〔5-アミノ-2-(S)-メチルアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物45) 〕
5-アミノ-2-(S)-メチルアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H31N5O2(M+H)+=434
(実施例46)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミド(化合物46) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(6-フルオロ-キノリン-3-イルカルバモイル)-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-エチル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H25N5O2F4(M+H)+=492
(実施例47)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-6-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物50) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-6-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C22H27N5O2S(M+H)+=426
(実施例48)
〔4-(R)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩(化合物52) 〕
4-(R)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド トリストリフルオロ酢酸塩を、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H29N5O2(M+H)+=432
(実施例49)
〔4-(S)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドトリストリフルオロ酢酸塩(化合物53) 〕
4-(S)-アミノメチル-ピロリジン-2-(S)-カルボン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドトリストリフルオロ酢酸塩を、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C25H29N5O2(M+H)+=432
(実施例50)
〔2-(S)-アミノ-6-メチルアミノヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物55) 〕
2-(S)-アミノ-6-メチルアミノヘキサン酸[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-3-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Hbによって得た。
Figure 2008502720
MS C26H33N5O3(M+H)+=448
(実施例51)
〔2,5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5-フェニル-[1,3,4]チアジアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物58) 〕
2,5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(5-フェニル-[1,3,4]チアジアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H28N6O2S(M+H)+=453
(実施例52)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(4-フェニル-チアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミド(化合物59) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[3-フェニル-1-(R)-(4-フェニル-チアゾール-2-イルカルバモイル)-プロピル]-アミドを、方法Fによって得た。
Figure 2008502720
MS C24H29N5O2S(M+H)+=452
(実施例53)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-ブロモ-チアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物61) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(5-ブロモ-チアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Fによって得た。
Figure 2008502720
MS C18H24N5O2S78Br(M+H)+=454
(実施例54)
〔2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミド(化合物63) 〕
2-(S),5-ジアミノ-ペンタン酸[1-(R)-(ベンゾチアゾール-2-イルカルバモイル)-3-フェニル-プロピル]-アミドを、方法Fによって得た。
Figure 2008502720
MS C22H27N5O2S(M+H)+=426
(実施例55)
〔2-(S)-アミノ-4-フェニル-N-キノリン-3-イル-ブチルアミド(化合物67) 〕
2-(S)-アミノ-4-フェニル-N-キノリン-3-イル-ブチルアミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C19H19N3O(EI)M+=305
(実施例56)
〔2-(S)-4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-ブチルアミド(化合物68) 〕
2-(S)-4-ジアミノ-N-[3-フェニル-1-(R)-(キノリン-6-イルカルバモイル)-プロピル]-ブチルアミドを、方法Haによって得た。
Figure 2008502720
MS C23H27N5O2(M+H)+=406
[生物学データ]
(実施例57)
〔EPI活性に対する立体化学の影響〕
この実施例は、4つの立体異性体化合物(1から4)の排出ポンプ阻害(EPI)活性の最初の微生物学的な評価を示す。
Figure 2008502720
EPI活性は、MexAB-OprM排出ポンプを過剰に発現する緑膿菌、PAM1723の菌株のレボフロキサシンに対する感受性を8倍増すために必要なEPI化合物の濃度として記録した。試験化合物のレボフロキサシンの薬効を増強する働きは、NCCLSが推奨するように行う培養液微量希釈法(米国臨床研究所規格委員会National Committee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS), 1997, Methods for Dilution of Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically, Fourth Edition; Approved Standard. NCCLS Document M7-A4, Vol 17 No. 2、これはそっくりそのまま参照により本明細書に援用する)を用いるチェッカーボードアッセイ(Antimicrobial Combinations, Antibiotics in Laboratory Medicine, Ed. Victor Lorian, M. D., Fourth Edition, 1996, pp 333〜338、これはそっくりそのまま参照により本明細書に援用する)により評価した。このアッセイにおいては、2つの薬物、すなわちEPIおよびレボフロキサシンを、それらのそれぞれの最低阻害濃度(minimal inhibitory concentration, MIC)と同等、上および下の濃度で単独および組合せで試験した。すべてのEPI化合物は、水に容易に溶解し、原液は、10mg/mlの最終濃度で調製した。原液は、特定のアッセイの必要性によってはミューラーヒントンブロス(MHB)中にさらに希釈した。原液は-80℃で保存した。
チェッカーボードアッセイは、マイクロタイタープレート中で行った。レボフロキサシンは、x軸で希釈し、各カラムは単一濃度のレボフロキサシンを含有した。EPI類は、y軸で希釈し、各列は、同じ濃度の1つのEPIを含有した。これらの操作の結果は、マイクロタイタープレートの各ウェルが2つの薬剤の独自の濃度の組合せを含有することになった。アッセイは、5×105CFU/mlの最終接種菌液(対数期前半の培養液からのもの)でのMHB中で行った。マイクロタイタープレートは、35℃で20時間定温放置し、650nmにおけるマイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイシズ製)ならびにマイクロタイタープレートリーディングミラーを用いる目視観測を用いて読み取った。MICは、微生物の眼に見える増殖を完全に阻害する組合せ範囲内の抗生物質の最低の濃度と定義した。
Figure 2008502720
表1に示した実験は、4つの化合物のすべてが、緑膿菌のMexAB-OprM過剰産生株に対して同程度のレボフロキサシンの薬効増強活性(10から20μg/mlのMPC8)を有することを示している。
以下の実施例は、化合物3の3個の立体異性体類似物と比較した、化合物3のインビトロでの安定性について説明する。
(実施例58)
[インビトロ安定性]
本化合物のインビトロでの安定性を試験するために、以下の手順に従い、試料を調製し、LC/MS/MSにより分析した。
均一化(ホモジナイゼーション):新鮮な組織の塊を計量し、12×75mmのポリプロピレン丸底チューブ中で生理食塩水と1:1の比率(w/v)で混合した。その混合物をPolytronホモジナイザーで均一化した(氷上、7にセットし、10秒間隔で3×10秒)。
インキュベーションおよびTCA沈殿:組織のホモジネートの適当量を、エッペンドルフチューブ内で、37℃で2分間予熱した。試験すべき化合物を、2μg/mlの最終濃度までそのチューブに入れ、混合し、60μlのアリコートを直ちに取り(0時間試料として)、エッペンドルフチューブ中で120μlの4%TCA(トリクロロ酢酸)と混合した。組織試料の残りを含有するチューブの温度をインキュベーションのために37℃に戻した。その後、試料を予定どおりに取り、上記のようにTCAと混合した。血漿試料および洗浄試料を生理食塩水の添加とホモジナイゼーションなしで化合物と直接インキュベーションした。
LC/MS/MS試料バイアルの調製: TCAで沈殿させた試料のチューブを、30秒間ボルテックスし、微量遠心管中で、最高速度(13.2k rpm)で5分間遠心分離した。その上清を収集した。pHを酢酸アンモニウム緩衝液で中和して約3.5にした。試料(45μl)をガラスLC/MS/MSバイアル(Kimble製、11mm、1.5ml)に移し、5μlの内部標準を最終濃度500ng/mlまで加えた。LC/MS/MS分析をサンディエゴ州立大学の化学科で行った。
LC/MS/MS手順:試料の分析のため、電気スプレー(ESI)イオン化を備えたThermo-Finnigan社製TSQ Quantumトリプルセクター質量分析計を使用した。操作条件は:pH3.00の水/ギ酸:アセトニトリル-メタノール(容量で45%:5%:50%)の移動相;0.100mL/分で運転するThermo-Keystone Betabasic C-18カラム(2.1mm×50mm)である。
[ラット血清および組織ホモジネート中での安定性]
図1Aに示したデータによって表されるとおり、化合物1は、組織試験のすべてにおいて非常に安定であった。16時間のインキュベーション後も、反応チューブ中にまだ70〜80%の化合物が残っていた。
図1Bに示したデータによって表されるとおり、血清中の化合物2は中程度に安定であった。1.5時間のインキュベーション後、なお化合物の約半分が残っていたが、その化合物は4時間後にはほとんどすべて消失した。この化合物は、しかしながら、腎臓および肝臓中では非常に不安定であった。インキュベーションの最初の40分後にはいずれもほとんど残らなかった。
図1Cに示したデータによって表されているように、化合物3は、ラットの血清中で少なくとも1と同じくらい安定であった。しかしながら、この化合物は、腎臓および肝臓内で1より不安定にみえる。
(実施例59)
[異なるpHにおける組織中での安定性]
EPI化合物を分解することに関与する多くのプロテアーゼは、リゾチーム内に局在している。リゾチームは、一般的には酸性のpH(約4.8〜5)を有しているのに対して、調製された組織ホモジネート内のpHは、それより高かった(腎臓、pH6.8; 肝臓、pH6.6; 肺、pH7.5)。生理的条件により近い組織ホモジネートの効果を試験するために、組織ホモジネートに酢酸を添加することによってpHを約6に下げ、化合物の安定性を試験した。図2は、異なるpHにおける化合物1と3の安定性を示している。データは、異なる組織における化合物1の安定性が基本的に変化しないのに、化合物3の安定性は著しい違いを示したことを明示している。pH6で、化合物3は、pH変化なしにおけるよりも早く分解した。化合物3のpH依存性分解は腎臓のホモジネートで特に明白であった。
図3は、時間の関数としての化合物3および化合物3の予想される分解生成物(化合物67)のレベルを示している。ラットの腎臓のホモジネートにおいて、化合物3の消滅に伴って、分解生成物67は増加した。
Figure 2008502720
(実施例60)
[組織ホモジネート上清中の安定性]
図4は、腎臓組織ホモジネートの上清および沈殿物中での化合物3の安定性を示した棒グラフである。化合物3の大きな不安定性が、微量遠心機中での5分間の遠心分離後に得られた腎組織ホモジネートの上清中で観察された。この結果は、3の分解に寄与する酵素が、膜結合型とは対照的に可溶性であることを示している。
図5は、ラットの腎組織ホモジネート中での化合物1、3、および4の安定性を比較している。上清不安定性は、化合物3に対して選択的であった。化合物1と化合物4のいずれも同一条件で不安定性は何ら示さない。
さらに、高速の上清(80K)の存在下で観察された分解のレベルは、非分画化ホモジネートの存在下で観察されたものよりはるかに高いようにみえる。この結果は、細胞膜が化合物3の選択的劣化に関与するペプチダーゼの阻害因子を含み得ることを裏付けている。
(実施例61)
[ウサギの組織ホモジネート中の化合物3の安定性]
図6は、分画したウサギ腎組織ホモジネート中での化合物1と3の安定性を比較している。化合物1と比較して、化合物3の同様の不安定性が、ウサギの腎臓のホモジネート中で観察された。
18K上清と比較すると80K上清においてより大きい不安定性が観察される。
(実施例62)
[EPI活性の時間依存性]
化合物の安定性は、バイオアッセイを用いても評価した。320μg/mlの試験化合物を、ウサギの腎臓の上清で0、0.5、1および2時間処理した。指定された時間に120μlを取り、酵素を不活性化するために80℃で加熱し、遠心分離し、レボフロキサシンの薬効増強アッセイに使用して、それらのレボフロキサシン薬効増強活性が処理後に低下されるか否かを測定する。レボフロキサシン薬効増強活性とは、緑膿菌の菌株PAM1723のMICを8倍低下させるために必要な試験化合物の量(MPC8)として定義した。MPC8を確立するために、0.25μg/mlのレボフロキサシンの存在下で増殖させたPAM1723(MIC=2μg/ml)に対する試験化合物のMICを測定した。
Figure 2008502720
バイオアッセイは、化合物1ではなくて化合物3が、ウサギの腎臓のホモジネートの上清で処理した後にEPI活性の時間依存性の減少を明示することを示した(表2)。
(実施例63)
[ヒトの血清および組織ホモジネート中の化合物3の安定性]
げっ歯類でみられた、化合物3のインビトロでの安定性のパターン(血清中で安定であるが組織中では不安定)は、ヒトの腎組織または血清を用いても再現された。図7は、ヒトの腎組織の調合液中での化合物1と3のインビトロでの安定性を比較している。どちらの化合物も冷凍した死体腎から調製したホモジネートで処理したとき、化合物1ではなくて化合物3の時間依存性分解が明示された。さらに、化合物3の分解は低いpHでより強く、最大の加水分解活性のためには酸性のpHが必須であることを示した。
図8は、ヒトの腎組織における代謝産物である化合物67の形成を示している。化合物3の消失に伴って、推定されるリソソーム内での分解により、予想された代謝産物の化合物67の生成が、ヒトの腎臓を用いて検出された。
(実施例64)
[ヒト血清中での化合物3の安定性]
図9は、ヒト血清中での化合物1と3の安定性を時間の関数として比較している。化合物1と化合物3は両方とも、ヒトの血清との18時間のインキュベーションの後、安定であった。この結果は、化合物3の分解が、リソソーム内に存在するもののように低いpHが最適である細胞内酵素に対して選択的であることを裏付けている。
(実施例65)
[安定性バイオアッセイ]
ラットおよびヒトの血清における安定性も、バイオアッセイを用いて評価した。320μg/mlの試験化合物を、50%の血清で4時間処理した。次に、0.25μg/mlのレボフロキサシンの存在下で増殖させたPAM1723 (MIC=2μg/ml)に対する試験化合物のMICを測定し(MPC8)、4時間生理食塩水で処理した化合物のそれと比較した。ラットおよびヒトの血清中で不安定である化合物MC-207110(L-フェニルアラニン-L-オルニチン-α-ナフチルアミド)を、正の対照(ポジティブコントロール)として使用した(表3)。
Figure 2008502720
(実施例66)
[緑膿菌中での安定性]
排出ポンプ過剰発現性(PAM1723)または排出ポンプを欠く(PAM1626)、緑膿菌の2つの異なる菌株の一晩培養物を、50μg/mlの化合物1または3とさまざまな時間インキュベートした。化合物は4%TCAを用いて抽出し、LC/MC/MCによって分析した。図10に示した結果は、化合物1と3は両方とも、試験した細菌の菌株の培養物中で安定であることを示した。このデータは、加水分解に不安定なEPI化合物が細菌の細胞によって分解されないことを裏付けている。
(実施例67)
[いくつかのEPI化合物のバイオアッセイ]
実施例62および実施例65に記載のバイオアッセイを、血清およびウサギの腎臓のホモジネート中でのさまざまな化合物の安定性を評価するために使用した。処理後レボフロキサシン薬効増強活性が減少したことは、化合物の酵素不安定性を示唆している(表4)。
Figure 2008502720
これらの化合物は、血清では安定であるが、ウサギの腎臓のホモジネートの上清中では不安定であることを示している。ラットの腎臓のホモジネート中で不安定ないくつかの化合物は、ラットの血清中でも不安定である(例えば、化合物9、18、19、28、34、36、および39)。
以下のいくつかの実施例は、選択されたEPI化合物のインビボでの特徴づけを提供する。
(実施例68)
[1分のIVボーラス投与後のラット血清薬物動態]
IVボーラス投与後に、化合物1、2、3、および4のラット血清薬物動態を評価した(図11)。図11は、血清濃度を時間の関数として示している。化合物1、2および4のPKプロファイルは非常に類似していたが、化合物2のレベルはより急激にすばやく低下した。これらのデータは、化合物1、2および4の血清安定性と比較して、化合物2が血清中で不安定であることを裏付けている。
(実施例69)
[2時間のIV注入後のラット血清薬物動態]
化合物1、3、7、および21のラット血清薬物動態を、0.9%の生理食塩水中の1mg/mlのEPI溶液の2時間IV注入後に評価した。合計の注入投与量は10mg/kgであった。図12は、血清濃度を時間の関数として描いている。2区画モデルを使用してデータをフィッティングし、PKパラメーターを計算した。すべての化合物が、組織のホモジネート中でのそれらの安定性とは関係なく、類似したPKプロファイル、すなわち長めのベータ相をともなうアルファ排出を示した。組織ホモジネート中で不安定であった化合物7は、最良の血清PKプロファイルを有していた。
Figure 2008502720
(実施例70)
[IVボーラス投与後の1、2、3および4の組織中レベル]
化合物1、2、3および4の腎臓、肝臓および肺における8.4mg/kg IVボーラス投与6時間後の組織中レベルを評価した。図13は、レベルを時間の関数として描いている。IV注射後6時間で、化合物2のレベルは、試験したすべての組織中で検出できるレベル以下まで低下し、化合物3もまた非常に低いレベルで存在した。他方、化合物1と4は、特に腎臓においては比較的高いレベルで存在した。
この実験は、組織ホモジネート内での不安定性と試験化合物の組織中レベルの間に相関関係があることを示している。1および4は、組織ホモジネート中で安定であることが示され、同じ化合物が、組織中で不安定な化合物2および3よりはるかに高いレベルで存在する。
(実施例71)
[2時間IV注入後の選択されたEPI類の組織中レベル]
さまざまな組織におけるEPI類のレベルを、ラットにおいて、2時間IV注入後に評価した。ラットは、FVCを介して10mg/kgのIV注入を受けた。動物は、2つのグループに分け:グループ1は、注入の終了直後に、グループ2は、注入終了の2時間または4時間後に犠牲にした。各動物からの組織を収集し、ホモジナイズし、化合物を抽出した。組織を生理食塩水と1:1の比率(v/w)で12×75mmのポリプロピレン丸底チューブ中で混合した。その混合物をPolytronホモジナイザーでホモジナイズした(氷上、7にセットし、30秒間隔で3×10〜15秒)。50μlのホモジナイズした組織を、エッペンドルフチューブに直ちに移し、2容量の4%TCAを加えた。30秒間ボルテックスした後、そのチューブを、微量遠心管中で、最高速度(13.2k rpm)で5分間遠心分離した。その上清を収集し、45μlの上清を分析のためガラスLC/MS/MSバイアル(Kimble製、11mm、1.5ml)に移し、それが注入の終点および2時間後または4時間後のEPI類の組織中レベルの測定を可能にした。
Figure 2008502720
高レベルの化合物1が、腎臓、肝臓、および肺を含むいくつかの組織で観察された。化合物1のレベルの顕著な変化は、注入終了の2時間後には見られなかった(表5)。
Figure 2008502720
化合物1と比較してより低いレベルの化合物3が、腎臓、肝臓、および肺を含むいくつかの組織で観察された。化合物3のレベルの顕著な変化が、注入終了の2時間後に見られた(表6)。
Figure 2008502720
2時間の注入の終了時点では、比較的高いレベルの化合物7が組織中に見られたが、この化合物は、多分選択的なリソソーム内での分解により組織から比較的早く取り除かれた(表7)。
Figure 2008502720
化合物21のゆっくりした除去が、注入の終了の2時間後に見られた。著しく少量の化合物が2時間後に組織中に検出され、化合物21の組織特異的分解を示した(表8)。
(実施例72)
[ラットにおける5日間の反復投与後の化合物3の組織中レベル]
化合物3の1と比べた組織蓄積の減少を、マルチドース(multi-dose)実験で確認した。ラットは、いずれの化合物でも20mg/kgを1日2回、5日間受けさせた。動物を、最後の投与の6時間後に犠牲にし、腎臓、肝臓および肺中の化合物のレベルを測定した。図14は、測定された組織中レベルを描いている。化合物1と比較してほぼ100倍、60倍、および10倍少ない化合物3が、それぞれ腎臓、肝臓および肺に蓄積した。
(実施例73)
[ラットにおけるIV投与後の化合物67の組織中レベル]
化合物3のタンパク質分解性細胞内分解の予想される代謝産物である化合物67を、IV注入後にラットの組織中で検出し、化合物3の組織特異的分解を確認した(表9A、B)。
Figure 2008502720
Figure 2008502720
(実施例74)
[マウスにおけるIP投与後の化合物1および3の組織中レベル]
マウスにおける10mg/kgのIPボーラス投与後6時間の、化合物1および3の腎臓、肝臓および肺中のレベルを評価した。図15は、得られた組織中レベルを描いている。その結果は、マウスにおいて、推定される細胞内加水分解性分解も起こることを示している。したがって、化合物3および他の化合物は、マウスにおいて、緑膿菌感染の有効性モデルとして使用することができる。
(実施例75)
[アシル化した形態の投与後の化合物3の組織中レベル]
本実施例は、化合物3をそのα-NH2でアシル化した化合物5が、血清中で容易に代謝されて化合物3を生成することを示している。ラットに化合物5(8.4mg/kg)を注射し、親化合物3の血清中レベルを抽出後評価した。時間の関数としての血清中レベルが図16に描かれている。
化合物3をその遊離のアミン官能基の両方でアシル化した化合物43もまた、血清中で容易に代謝されて化合物3を生成する。ラットに10mg/kgの化合物43を2時間注入し、抽出後親化合物3の血清中レベルを評価した。図17は、時間の関数としての化合物3の血清中レベルを描いている。
(実施例76)
[アシル化化合物3の急性毒性]
本実施例は、化合物3の1個だけまたは両方の遊離アミン官能基のアシル基による置換が、親化合物の急性毒性を2倍から8倍低下することを明らかにしている。急性毒性は、最小致死量(MLD)として測定した。MLDは、マウスの尾の血管中にIVボーラス注射をした後、3匹の群の少なくとも1匹に対して致死効果を有する化合物の最小濃度として定義される。化合物5、34、および43は、インビトロで、最大80μg/mlまでの濃度でレボフロキサシンの薬効増強活性を有さなかった。
Figure 2008502720
以下のいくつかの実施例は、選択したEPI化合物の有効性を実証する。有効性の試験のために、生後6〜8週間のスイスウェブスターマウスの雄を使用した。
(実施例77)
[PA感染接種製剤のマウス敗血症モデルにおける化合物1の有効性]
MexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する緑膿菌菌株PAM1032を、ミュラーヒントンブロス(Mueller-Hinton Broth)(MHB)中で一晩増殖させた。翌日、その一晩培養物を、新鮮なMHB中に希釈し、そのまま〜108CFU/mL(OD600〜0.3)まで再増殖させた。その培養物をスピンダウンし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、PBS中に再懸濁させて〜1.2×107CFU/mL(OD=0.12)にした。次に、この培養物を、PBS中の14%ブタ胃粘素と1:1で混合し、6×106 CFU/mLの最終的接種材料を得た。
[感染および処置]
動物の各群を腹腔内(IP)の経路で0.5mLの接種材料で感染させ、次に、直ちに皮下(SQ)の経路でレボフロキサシンまたはPBSで、次いでIP経路で0.2mLのEPIで処置した。最初の処置の2時間後、動物を、SQ経路を経る0.2mLのレボフロキサシンまたはPBSおよびIP経路を経る0.2mLのEPIで再度処置した。24時間後、各処置群における生存する動物の割合を計算し、ED50を決定した。
[ED50を確定するための処置群]
5頭のマウスの12個の群を使用して、それぞれ固定した濃度のEPI化合物のレボフロキサシンのED50に対する効果を測定した。EPIの50mg/kgでの効果を、以下の実験計画に従って測定した。
Figure 2008502720
0、12.5、25、50、100、および200mg/kgのレボフロキサシン投与単独、ならびに、50mg/kgのMP-001,001を伴った、0、12.5、25、50、100、および200mg/kgのレボフロキサシン投与に対する感染24時間後の生存率を、図18にプロットする。この検討で、50mg/kgの化合物1の存在で、レボフロキサシンのED50が4倍低下することが観察された。
[PA感染のマウス敗血症モデルにおける3の有効性]
化合物1に対するのと同様に、マウス敗血症モデルで化合物3の有効性を評価した。いくつかの濃度の化合物3を用いてレボフロキサシンのED50に対するそれらの効果を測定した。これらの検討で、濃度が増加していく化合物3の存在下で、投与量に応じたED50の減少(最大4倍まで)が見られた。生存率は、図19中にある。
(実施例78)
[PA感染の好中球減少性マウス肺モデルにおける有効性EPI類]
感染の3日前と1日前に、シクロホスファミド100mg/kgIPにより好中球減少を生じさせた。MexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する緑膿菌の菌株29A2を、ミュラーヒントンブロス(Mueller-Hinton Broth)(MHB)中で一晩増殖させた。翌日、一晩培養物を、新鮮なMHB中に希釈し、そのまま〜108CFU/mL(OD600〜0.3)まで再増殖させた。その培養物をスピンダウンし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、PBS中に再懸濁させて〜4×107CFU/mLにした。50μの接種材料を、セボフルラン/酸素で麻酔したマウスの気管内点滴に使用した。マウスは、感染後0時間および2時間に、レボフロキサシンSQ(合計投与量は30mg/kg)および/またはEPI IP(合計投与量は100mg/kg)により処置した。処置開始後さまざまな時間に各処理群からの4匹のマウスを安楽死させた。肺を無菌的に除去し、生理食塩水中でホモジナイズし、直ちにプレーティングして、感染した肺中の細菌負荷(CFU/ml)を測定した。図20に緑膿菌を時間の関数としてプロットしてある。添加なし(0/0)または化合物1単独の100mg/kgのいずれでも緑膿菌の増殖に差異は見られなかった。30mg/kgでのレボフロキサシン(30/0)は、静的効果を有している一方で、レボフロキサシンへの化合物1の添加は、感染した肺中の細菌負荷を著しく減少しており(30/100)、インビボでの薬効増強効果を示した。
同一マウスモデルにおける化合物3の効果も検討した。緑膿菌のレベルを、化合物3を100mg/kg(図21A)および40mg/kg(図21B)で投与した後プロットした。肺組織ホモジネート中で化合物1より不安定である化合物3は、それでも、レボフロキサシンの薬効増強に投与量依存性の効果を有していた。
要約すると、化合物1と3は、肺細胞中でのそれらの安定性には差があるにもかかわらず、両方とも、緑膿菌感染の肺炎モデルにおいては類似した効果を有した。
[PA感染の好中球減少性のマウス肺モデルにおける化合物5の有効性]
同一マウスモデルにおける化合物3の効果も検討した。図22は、化合物5を投与した後の緑膿菌レベルのグラフである。化合物5は、血清中で化合物3に容易に変換されるようであるため、緑膿菌感染の動物モデルにおいて予想どおり有効であった。化合物5(レボフロキサシン薬効増強活性には欠ける)は、緑膿菌感染の好中球減少性マウス肺モデルにおいては有効であった。
(実施例79)
[PA感染の好中球減少性マウス大腿モデルにおけるEPI類の有効性]
緑膿菌感染の好中球減少性マウス大腿モデルにおけるEPI類の有効性を評価した。感染の3日前と1日前に、シクロホスファミド100mg/kgIPにより好中球減少を生じさせた。MexAB-OprM排出ポンプを過剰発現する緑膿菌菌株のPAM1723を、ミュラーヒントンブロス(Mueller-Hinton Broth)(MHB)中で一晩増殖させた。翌日、一晩培養物を、新鮮なMHB中に希釈し、そのまま〜108CFU/mL(OD600〜0.3)まで再増殖させた。その培養物をスピンダウンし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、PBS中に再懸濁させて〜4×106CFU/mLにした。次に、この培養物を、PBS中の14%ブタ胃粘素と1:1で混合し、2×106CFU/mLの最終的接種材料を生じさせた。感染は、0.1mLの接種材料(〜2×105CFU/大腿)を各マウスの両大腿に直接注射して開始した。処置開始後さまざまな時間に各処理群からの2匹のマウスを安楽死させた。大腿を無菌的に除去し、生理食塩水中でホモジナイズし、直ちにプレーティングして、感染した細菌負荷(CFU/ml)を測定した。処置は、感染後2時間に開始した。それぞれ0.2mlの生理食塩水中のレボフロキサシン(30mg/kg)およびEPI類(60mg/kg)をSQおよびIP投与した。
最初の実験において、感染後2時間に、レボフロキサシンを30mg/kgで投与し、化合物1を60mg/kgで投与した。図23は、時間の関数としての細菌負荷を描いている。化合物1は、EPIの存在下での感染の部位における減少した細菌負荷によって明らかなように、レボフロキサシン単独と比較して、レボフロキサシンの活性を著しく高めた。
2番目の実験においては、感染後2時間に、レボフロキサシンを30mg/kgで投与し、化合物3または化合物43を60mg/kgで投与した。化合物43は、化合物3の誘導体であり、第一級アミンが2つともL-アスパルテートアミンに変換されている。図24は、時間の関数としての細菌負荷を描いている。化合物43は、インビトロのレボフロキサシン薬効増強活性は有していなかった。しかしながら、化合物3と43は2つとも、好球中減少性マウス大腿感染モデルにおいて示したように、インビボでレボフロキサシンの薬効を高めた。
[PA感染の好中球減少性マウス大腿モデルにおける化合物21の有効性]
化合物21(組織ホモジネート中で不安定であり、ラットの組織中に蓄積しない)を、同様に、上の大腿モデルで試験した。図25は、時間の関数としての得られた細菌負荷を描いている。化合物21は、EPIの存在下での感染の部位における減少した細菌の負荷によって明らかなように、レボフロキサシン単独と比較して、レボフロキサシンの活性を著しく高めた。
本明細書に引用されているすべての参考文献は、参照によりそっくりそのまま本明細書に援用する。参照により援用されている出版物および特許もしくは特許出願が明細書に含まれている開示と矛盾する範囲に対し、本明細書は、そのようないかなる矛盾する材料にも取って代わりかつ/または優先することを意図している。
明細書および特許請求の範囲で使用されている成分の量、反応条件その他を表現するすべての数字は、すべての場合に用語「約」により変形されるものとして理解することができる。したがって、別の指示がない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に示されている数に関するパラメーターは、本発明によって得られることが探求される望ましい特性によって変動し得る近似値である。最低限でも、請求項の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、それぞれの数に関するパラメーターは、有効数字の数および普通の丸め手法に照らして考えるべきである。
当業者には明らかなように、本発明の多くの修正および変更を、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載されている特定の実施例は、ほんの一例として提示されているのであり、決して限定することを意味していない。明細書および実施例は、単なる典型的なものとして考えられることが意図される。
組織ホモジネート中のEPI化合物の3つの立体異性体のインビトロでの安定性を描いている棒グラフである。 組織ホモジネート中のEPI化合物の3つの立体異性体のインビトロでの安定性を描いている棒グラフである。 組織ホモジネート中のEPI化合物の3つの立体異性体のインビトロでの安定性を描いている棒グラフである。 異なるpHにおける組織ホモジネート中のEPI化合物の2つの立体異性体のインビトロでの安定性を描いている棒グラフである。 EPI化合物の消失および同時に起こるその分解生成物の出現を描いているグラフである。 腎臓組織ホモジネートの上清および沈殿物中のEPI化合物の安定性を比較している棒グラフである。 ラットの腎臓組織ホモジネートの上清中のEPI化合物の3つの立体異性体の安定性を比較している棒グラフである。 ラットの腎臓組織ホモジネートの上清中のEPI化合物の2つの立体異性体の安定性を比較している棒グラフである。 ヒトの腎臓組織中のEPI化合物の2つの立体異性体の安定性を比較している棒グラフである。 ヒトの腎臓組織中のEPI化合物の代謝物の形成を描いている棒グラフである。 ヒトの血清中のEPI化合物の2つの立体異性体の安定性を時間の関数として比較している棒グラフである。 緑膿菌中のEPI化合物の2つの立体異性体の安定性を描いている棒グラフである。 ラットにおけるIVボーラス投与後のEPI化合物の4つの立体異性体の薬物動態を描いているグラフである。 ラットにおけるIV注入投与後のEPI化合物の4つの立体異性体の薬物動態を描いているグラフである。 ラットにおけるIVボーラス投与後の組織中のEPI化合物の4つの立体異性体の薬物動態を描いているグラフである。 ラットにおける5日の反復投与後のEPI化合物の2つの立体異性体の組織中レベルを描いている棒グラフである。 IPボーラス投与後のマウス中のEPI化合物の組織中レベルを描いている棒グラフである。 EPI化合物のプロドラッグを投与した後のEPI化合物の血清中レベルを描いているグラフである。 EPI化合物のプロドラッグを投与した後のEPI化合物の血清中レベルを描いているグラフである。 さまざまな濃度のレボフロキサシンとともにEPI化合物を投与した後のマウスの生存率を描いているグラフである。 さまざまな濃度のレボフロキサシンとともにEPI化合物を投与した後のマウスの生存率を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにEPI化合物を投与した後のマウスの肺感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにおよびなしでEPI化合物を投与した後のマウスの肺感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにおよびなしでEPI化合物を投与した後のマウスの肺感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにEPI化合物のプロドラッグを投与した後のマウスの肺感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにEPI化合物を投与した後のマウス大腿の緑膿菌感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 EPI化合物およびそのプロドラッグ レボフロキサシンを投与した後のマウス大腿の緑膿菌感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。 レボフロキサシンとともにEPI化合物を投与した後のマウス大腿の緑膿菌感染のモデルにおける緑膿菌の増殖を描いているグラフである。

Claims (45)

  1. 式(II)の構造を有する化合物であって、
    Figure 2008502720
    前記式中:
    L-AA-1は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって(S)-配置を有する天然または人工α-アミノ酸残基であり、(但し、(S)-アミノ酸残基中のα-アミノ官能基が、複素環の一部ではないという条件および前記化合物が式:
    Figure 2008502720
    を有していないという条件のもとである。);
    D-AA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基と一緒になって、(R)-配置を有する天然または人工α-アミノ酸残基であり;
    CG-1は、水素または炭素連結キャッピング基であり;
    CG-2は炭素連結キャッピング基であり、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい;
    アミド基の一部ではない任意のアミノ基が、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基により任意選択でアシル化されていてもよい化合物。
  2. L-AA-1が、アミノ基を含む請求項1に記載の化合物。
  3. 前記アミノ基が、第一級アミンである請求項2に記載の化合物。
  4. D-AA-2が、アミノ基を含む請求項1に記載の化合物。
  5. 前記アミノ基が、第一級アミンである請求項4に記載の化合物。
  6. CG-1が、水素である請求項1に記載の化合物。
  7. 少なくとも2個のアミノ基を含む請求項1に記載の化合物。
  8. L-AA-1が、
    Figure 2008502720
    (前記式中:
    X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
    m1は、0から4の整数であり;
    n1は、0から1の整数であり;
    R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH(=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
    各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
    R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
    Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
    p1は、0から1の整数であり;
    添え字Nのついた波線は、L-AA-1に結合しているアミン基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、L-AA-1に結合しているカルボニル基への結合点を示す)
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  9. D-AA-2が、
    Figure 2008502720
    (前記式中:
    Arは、任意選択で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
    R31は、任意選択で置換されていてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
    X3は、-CH2-、-C (CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
    m3は、1から2の整数であり;
    n3は、0から2の整数である)
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  10. D-AA-1が、
    Figure 2008502720
    (前記式中:
    R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
    R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2 、- CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    各A5は、4個以下のA5が=N-であってもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
    各B5は、3個以下のB5がヘテロ原子であってもよいという条件で、=CH-、=N-、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
    R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    添え字Nのついた波線は、D-AA-2に結合しているアミノ基への結合点を示し、添え字Cのついた波線は、D-AA-2に結合しているカルボニル基への結合点を示す)
    からなる群から選択される請求項9に記載の化合物。
  11. CG-1は、水素、任意選択で置換されてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
    CG-2は、
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン基により任意選択で置換されていてもよく;
    各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
    各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
    R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
    m5は、1から3の整数であり;
    n5は、0から2の整数であり;
    p5は、0から4の整数である
    請求項1に記載の化合物。
  12. -N(CG-1)(CG-2)が、
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項11に記載の化合物。
  13. Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項12に記載の化合物。
  14. -N(CG-1)(CG-2)が、
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項11に記載の化合物。
  15. 1個または複数のアミノ基を任意選択でアシル化している前記アミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  16. Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  17. 下記式(III)の構造を有する化合物であって、
    Figure 2008502720
    前記式中:
    R1は、
    Figure 2008502720
    からなる群から選択され:
    X1は、-O-および-S-からなる群から選択され;
    m1は、0から4の整数であり;
    n1は、0から1の整数であり;
    R11は、-NH2、-NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH (=NH)NH2、および-NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    R13は、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    R14およびR15は、水素、ハロゲン、メチル、エチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシルからなる群から別々に選択され;
    Y1は、-CH2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
    p1は、0から1の整数であり;
    R3は、
    Figure 2008502720
    からなる群から選択され:
    Arは、任意選択で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
    X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
    m3は、1から2の整数であり;
    n3は、0から2の整数であり;
    R31は、任意選択で置換されていてもよいC1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜10アルキニル、およびC1〜10シクロアルキルからなる群から選択され;
    R4は、水素、任意選択で置換されていてもよいC1〜6アルキル、および任意選択で置換されていてもよいC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され;
    R5は、
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択され、それぞれが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、ヒドロキシル、メトキシル、エトキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシル、またはハロゲン基により任意選択で置換されていてもよく;
    各A5は、各A5含有環が4個以下の=N-基を含有していてもよいという条件で、=CH-および=N-からなる群から別々に選択され;
    各B5は、各B5含有環が3個以下のヘテロ原子を含有していてもよいという条件で、-C=、-N=、-O-、-S-、-NH-、および-N(R6)-からなる群から別々に選択され;
    R6は、水素、C1〜6アルキル、およびC3〜6シクロアルキルからなる群から選択され;
    R51は、水素、メチル、エチル、およびシクロプロピルからなる群から選択され;
    m5は、1から3の整数であり;
    n5は、0から2の整数であり;
    p5は、0から4の整数であり;
    R4は、任意選択でR5に結合して5員または6員の複素環を形成していてもよく;
    いずれのアミノ基も、任意選択で、(S)-配置を有する天然または人工アミノ酸残基でアシル化されていてもよく;
    ただし、化合物は、式:
    Figure 2008502720
    を有しないことを条件とする化合物。
  18. R3が、
    Figure 2008502720
    からなる群から選択され:
    前記式中:
    R31は、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、t-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択され;
    R32およびR33は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、およびハロゲンからなる群から別々に選択され;
    R34は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、t-ブチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、メトキシル、トリフルオロメトキシル、ハロゲン、-NH2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-OCH2CH2NH2、-NH-CH(=NH)、-CH2NH-CH(=NH)、-NH-C(CH3)(=NH)、-CH2-NH-C(CH3)(=NH)、-C(=NH)NH2、-OCH2C(=NH)NH2、-NH-C(=NH)NH2、および-CH2NH-C(=NH)NH2からなる群から選択され;
    X3は、-CH2-、-C(CH3)2-、-O-、および-S-からなる群から選択され;
    m3は、1から2の整数であり;
    n3は、0から2の整数である
    請求項17に記載の化合物。
  19. R4がR5に結合して5員または6員複素環を形成しており、式IIIの化合物が、
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項17に記載の化合物。
  20. -N(R4)(R5)が、
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項17に記載の化合物。
  21. Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項20に記載の化合物。
  22. 1個または複数のアミノ基をアシル化しているアミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群から選択される請求項17に記載の化合物。
  23. Figure 2008502720
    からなる群から選択される請求項17に記載の化合物。
  24. 請求項1または17に記載の化合物を、細菌の排出ポンプを阻害するのに有効な量で含む医薬組成物。
  25. 請求項1または17に記載の化合物を、抗菌薬と組み合わせて含む医薬組成物。
  26. 微生物感染を治療または予防する方法であって、前記微生物感染に罹患している対象に前記微生物の排出ポンプを阻害する請求項1または17に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
  27. 前記対象がヒトである請求項26に記載の方法。
  28. 前記微生物感染が細菌感染である請求項26に記載の方法。
  29. 細菌が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナスアシドボランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナスアルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)、ステノトロフォモナスマルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)、アエロモナスヒドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シトロバクターフロインデイ(Citrobacter freundii)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラフレックスネリ(Shigella flexneri)、ソンネ(赤痢)菌(Shigella sonnei)、エンテロバクタークロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラオキシトーカ(Klebsiella oxytoca)、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、モルガネラモルガニー(Morganella morganii)、プロテウスミラビウス(Proteus mirabilis)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシアアルカリフェシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシアレットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシアスチュアティ(Providencia stuartii)、アシネトバクターカルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、アシネトバクターヘモリチカス(Acinetobacter haemolyticus)、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)、エルシニアインターメディア(Yersinia intermedia)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ボルデテラパラペルツシス(Bordetella parapertussis)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘモフィルスパラインフルエンゼ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルスヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルスパラヘモリティカス(Haemophilus parahaemolyticus)、ヘモフィルスデュクレイイ(Haemophilus ducreyi)、パスツレラマルトシダ(Pasteurella multocida)、パスツレラヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)、ブランハメラカタラーリス(Branhamella catarrhalis)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、カンピロバクターフィタス(Campylobacter fetus)、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクターコリ(Campylobacter coli)、ボレリアブルグドルフェリー(Borrelia burgdorferi)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リストニアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、キンゲラ属(Kingella)、モラクセラ属(Moraxella)、膣ガルドネラ菌(Gardnerella vaginalis)、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデスディスタソニス(Bacteroides distasonis)、バクテロイデス3452Aホモロジー群(Bacteroides 3452A homology group)、バクテロイデスブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデスオバラス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス属細菌(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデスユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデスエゲルチイ(Bacteroides eggerthii)、およびバクテロイデススプランクニカス(Bacteroidessplanchnicus)からなる群から選択される請求項28に記載の方法。
  30. 抗菌薬耐性菌の増殖を処置または防止する方法であって、微生物に請求項1または17に記載の化合物および抗菌薬を接触させることを含む方法。
  31. 前記微生物が細菌である請求項30に記載の方法。
  32. 前記抗菌薬が、キノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、クメルマイシン、クロラムフェニカール、リポペプチド、グリコペプチド、グリシルサイクリン、ケトライド、マクロライド、オキサゾリドノン、リファマイシン、ストレプトグラミン、およびテトラサイクリンである抗菌薬からなる群から選択される請求項30に記載の方法。
  33. 前記抗菌薬が、シプロフロキサシン、レポフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シノキサシン、ゲミフロキサシン、ノルフロキサシン、ロモフロキサシン、ペフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、およびDX-619からなる群から選択される請求項32に記載の方法。
  34. 対象を排出ポンプ阻害薬で治療する方法であって、前記対象が組織中に排出ポンプ阻害薬を蓄積可能であり、改善点が、請求項1または17に記載の化合物を前記治療用として選択することを含むことである方法。
  35. 対象における細菌感染を予防または治療する方法であって、前記感染を引き起こす細菌が排出ポンプ機構を介しての抗生物質耐性を示すものであり、
    対象に前記細菌が耐性を有する抗生物質を投与すること;及び
    前記対象に前記抗生物質と併せて請求項1または17に記載の化合物を投与すること、を含み、
    前記化合物を、組織がそれらを蓄積することによる組織の損傷を小さくまたは排除するように選択する方法。
  36. 前記抗生物質が、キノロン、アミノグリコシド、β-ラクタム、クメルマイシン、クロラムフェニカール、リポペプチド、グリコペプチド、グリシルサイクリン、ケトライド、マクロライド、オキサゾリドノン、リファマイシン、ストレプトグラミン、およびテトラサイクリンからなる群から選択される請求項35に記載の方法。
  37. 前記抗生物質が、シプロフロキサシン、レポフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シノキサシン、ゲミフロキサシン、ノルフロキサシン、ロモフロキサシン、ペフロキサシン、ガレノキサシン、シタフロキサシン、およびDX-619からなる群から選択される請求項36に記載の方法。
  38. 微生物感染を治療または予防する方法であって、
    組織中に式IIA:
    Figure 2008502720
    の化合物を蓄積可能な対象を特定することと、
    前記対象に式II:
    Figure 2008502720
    の化合物を投与することとを含み、
    前記式中:
    D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第一の天然または人工のα-アミノ酸残基を含み;
    L-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに代って(S)-配置を有する第一のα-アミノ酸残基を含み;
    D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第二の天然または人工のα-アミノ酸残基を含み;
    CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基を含み;
    CG-2は炭素連結キャッピング基を含み、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい、
    方法。
  39. 前記微生物感染が細菌感染である請求項38に記載の方法。
  40. 排出ポンプ阻害に有用であるが組織中に著しく蓄積しない化合物を特定する方法であって、
    排出ポンプの阻害に有効である式IIAの構造:
    Figure 2008502720
    を有する化合物を特定すること;
    式II:
    Figure 2008502720
    の化合物を製造すること;
    式IIの化合物が組織中に著しく蓄積しないかどうかを測定することを含み;
    前記式中:
    D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第一の天然または人工のα-アミノ酸残基を含み;
    L-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに代って(S)-配置を有する第一のα-アミノ酸残基を含み;
    D-AA-1は、結合しているアミンおよびカルボニル基とともに(R)-配置を有する第二の天然または人工のα-アミノ酸残基を含み;
    CG-1は、水素または炭素連結したキャッピング基を含み;
    CG-2は炭素連結キャッピング基を含み、CG-1が炭素連結キャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい、
    方法。
  41. 排出ポンプ阻害薬を抗生物質と併用して投与することにより患者を治療する方法であって、前記排出ポンプ阻害薬は、下記構造:
    Figure 2008502720
    (前記式中、AA-1およびAA-2は、結合しているアミン基およびカルボニル基とともに天然または人工α-アミノ酸残基を表す)を有し、
    改善点が、患者における排出ポンプ阻害薬の細胞蓄積の減少が所望どおりであるかどうかを確かめ、そうである場合は、
    前記排出ポンプ阻害薬を、式II:
    Figure 2008502720
    を有する排出ポンプ阻害薬から選択すること、を含み;
    前記式中:
    L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
    D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
    CG-1は、水素または炭素連結したキャッピング基であり;
    CG-2は炭素連結キャッピング基であって、CG-1が炭素連結したキャッピング基である場合にはCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい、方法。
  42. 微生物感染を治療または予防するために用いるための請求項1または17に記載の化合物。
  43. 微生物感染を治療または予防するために用いる抗菌薬と組み合わせた請求項1または17に記載の化合物。
  44. 微生物感染を治療または予防するための医薬を調製するための式IIの化合物:
    Figure 2008502720
    (前記式中:
    L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
    D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
    CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
    CG-2は炭素連結キャッピング基であって、CG-1が炭素連結したキャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい)の使用であって、式IIの化合物が組織中に著しく蓄積することのない使用。
  45. 微生物感染を治療または予防するための医薬を調製するための抗菌薬と組み合わせた式IIの化合物:
    Figure 2008502720
    (前記式中:
    L-AA-1は、(S)-配置を有するAA-2であり;
    D-AA-2は、(R)-配置を有するAA-2であり;
    CG-1は、水素、または炭素連結したキャッピング基であり;
    CG-2は炭素連結キャッピング基であって、CG-1が炭素連結したキャッピング基である場合はCG-1とCG-2とが任意選択で互いに連結して5員環または6員環を形成していてもよい)の使用であって、式IIの化合物が組織中に著しく蓄積することのない使用。
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