JP2008311556A - 半導体レーザ装置および表示装置 - Google Patents

半導体レーザ装置および表示装置 Download PDF

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香 長沼
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Abstract

【課題】高出力化することの可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】基板10上に互いに並列配置された複数のリッジ部13を有する半導体レーザアレイ10と、ヒートシンク20と、半導体レーザアレイ10とヒートシンク20との間に設けられた半田層30および応力緩和層31とを備える。ヒートシンク20は、リッジ部13の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有する。応力緩和層31は、リッジ部13の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有し、かつ半導体レーザアレイ10との対向領域の一部に配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は複数の帯状導波路を並列に配列してなる半導体レーザアレイを備えた半導体レーザ装置およびその半導体レーザ装置を内蔵する表示装置に関する。
帯状導波路の幅、すなわちストライプ幅を広げた、いわゆるブロードエリア型の半導体レーザは、小型・高信頼性で低コストの高出力レーザ光源として、ディスプレイ,印刷機器,光ディスク初期化装置、材料の加工または医療などさまざまな分野に利用されている。一般に、ブロードエリア型と呼ばれる半導体レーザでは、ストライプ幅が少なくとも5μm以上で、そのほとんどは10μm以上、最大で数百μm程度となっている。
特に、プロジェクションディスプレイなどの分野においては、高出力のレーザ光を1次元配列して射出することが要求されている。そのため、例えば、複数の帯状導波路を1次元配列して半導体レーザアレイを構成し、各帯状導波路に対応して射出される複数のレーザ光を照明レンズなどで平行光化することが有効である。
ところで、このようなブロードエリア型の半導体レーザアレイでは、各帯状導波路を近づけ過ぎると、互いに干渉し合ってNFP(Near Field Pattern)が不均一となったり、蓄熱によってエネルギー変換効率や、光出力、寿命が低下するなどレーザ特性に悪影響が生じることが知られている。そのため、通常、各導波路は十分な間隔を開けて、帯状導波路の形成されていない領域の幅が帯状導波路の幅よりも広くなるように配置されている。
また、半導体レーザアレイがエネルギー変換効率の低い材料からなる場合には、各導波路の間隔を開けただけでは、半導体レーザアレイの熱を十分に放散させることができないので、放熱性の良いヒートシンクを、サブマウントを介して半導体レーザアレイの下に配置することが一般的に行われている(特許文献1,2)。
特開平01-181490号公報 特開平08-228044号公報
しかし、サブマウントに一般的に用いられるAlN(窒化アルミニウム)の熱伝導率は230W/mKであり、ヒートシンクに一般的に用いられるCu(銅)の熱伝導率(390W/mK)よりも大幅に小さい。このため、半導体レーザアレイに大きな電流を流すと、熱飽和が生じ易く、サブマウントが半導体レーザアレイの高出力化を妨げる要因となっている。
そこで、サブマウントを用いずに半導体レーザアレイを直接ヒートシンクに接合することが考えられる。しかし、この方法では、半導体レーザアレイとヒートシンクとが半田層を介して接合されるので、半導体レーザアレイ(例えば6ppm/K)とヒートシンク(例えば17ppm/K)との熱膨張係数の違いによって、圧縮歪が半導体レーザアレイに印加されてしまい、レーザ特性や信頼性に悪影響を及ぼす。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高出力化することの可能な半導体レーザ装置を提供することにある。
本発明の半導体レーザ装置は、基板上に互いに並列配置された複数の帯状導波路を有する半導体レーザアレイと、ヒートシンクと、半導体レーザアレイとヒートシンクとの間に設けられた半田層および応力緩和層とを備えたものである。ここで、ヒートシンクは、帯状導波路の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有している。応力緩和層は、帯状導波路の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有し、かつ半導体レーザアレイとの対向領域の一部に配置されている。本発明の表示装置は、上記半導体レーザ装置を備えたものである。
本発明の半導体レーザ装置および表示装置では、帯状導波路の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有する応力緩和層が半導体レーザアレイとの対向領域の一部に配置されている。これにより、半導体レーザアレイがヒートシンクから圧縮歪を受ける一方で、半導体レーザアレイが応力緩和層から延伸歪を受けるので、ヒートシンクから受ける圧縮歪が応力緩和層から受ける延伸歪によって減殺され、半導体レーザアレイ全体にかかる応力が緩和される。
本発明の半導体レーザ装置および表示装置によれば、ヒートシンクから受ける圧縮歪が応力緩和層から受ける延伸歪によって減殺され、半導体レーザアレイ全体にかかる応力が緩和されるようにしたので、サブマウントを用いずに半導体レーザアレイをヒートシンクに接合することが可能となる。これにより、放熱性が向上するので、半導体レーザアレイを高出力化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ装置1の概略構成を表すものである。図2は、図1の半導体レーザアレイ10の一部を拡大して表したものである。図3は、図1の半導体レーザ装置1のうち半導体レーザアレイ10近傍の上面を拡大して表したものである。図4は、図3の半導体レーザ装置1をA−A矢視方向で切断したときの断面構成を表すものである。なお、図1〜図4は、模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。
この半導体レーザ装置1は、半導体レーザアレイ10と、ヒートシンク20とを備えたものである。半導体レーザアレイ10とヒートシンク20との間には、半田層30が挿入されており、半田層30により半導体レーザアレイ10とヒートシンク20とが互いに接合されている(図1、図4参照)。
半導体レーザアレイ10は、図2に示したように、基板11上に、互いに並列配置された複数のリッジ部13(帯状導波路)を有する半導体層12を備えたものであり、いわゆる端面発光型のレーザである。
基板11は例えばn型GaAsからなり、半導体層12は例えばAlGaInP系の半導体からなる。従って、半導体レーザアレイ10は各発光スポット12Aから赤色のレーザ光を射出することが可能である。なお、上記n型GaAs(さらには以下の述べるn型クラッド層およびn型ガイド層)に含まれるn型不純物としては、例えばケイ素(Si)またはセレン(Se)などが挙げられる。
半導体層12は、例えば、n型クラッド層、n型ガイド層、活性層、p型ガイド層、p型クラッド層およびp型コンタクト層(いずれも図示せず)を基板11側からこの順に積層して形成されている。また、p型コンタクト層およびp型クラッド層の一部には、レーザ光の射出方向(軸方向、y軸方向)に延在するストライプ状のリッジ部(突条部)13が形成されている。ここで、p型ガイド層、p型クラッド層およびp型コンタクト層に含まれるp型不純物としては、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などが挙げられる。
ここで、n型クラッド層は例えばn型AlInPからなり、n型ガイド層は例えばn型AlInPからなる。活性層は、例えばアンドープのGaInPからなる。この活性層のうちリッジ部13に対向する領域が発光領域12B(図4参照)となる。この発光領域12Bは、対向するリッジ部13の底部(p型クラッド層の部分)と同等の大きさのストライプ幅を有しており、リッジ部13で狭窄された電流が注入される電流注入領域に対応している。また、発光領域12Bの両端は、発光領域12Bのうち各リッジ部13の延在方向において互いに対向する一対のへき開面16に露出しており、この露出部分が発光スポット12Aとなる(図2参照)。p型ガイド層は例えばp型AlInPからなり、p型クラッド層15は例えばp型AlInPからなる。コンタクト層は例えばp型GaAsからなり、リッジ部17の上部に設けられている。
なお、以下では、上記半導体層12に含まれる各層を積層した方向を縦方向(z軸方向)と称し、レーザ光の射出方向(軸方向、y軸方向)および縦方向に垂直な方向を横方向(x軸方向)と称する。
半導体層12のうち各リッジ部13の上面には電極14が設けられており、基板11の裏面のうち各リッジ部13との対向部分を含む領域に電極15がそれぞれ別個に設けられている。また、半導体層12は、各リッジ部13の延在方向(y軸方向)において互いに対向する一対のへき開面16を有している。この一対のへき開面16のうち一方(図2の奥側)には高反射率の反射膜(図示せず)が設けられており、他方(図2の手前側)には低反射率の反射膜(図示せず)が設けられている。そして、低反射率の反射膜が設けられたへき開面16のうち各リッジ部13直下に対応する部分が上記した発光スポット12Aとなる。
ここで、電極14は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をp型コンタクト層側からこの順に積層したものであり、p型コンタクト層と電気的に接続されている。電極15は、例えば、Auとゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層およびAu層とを基板11の裏面側からこの順に積層した構造を有しており、基板11と電気的に接続されている。
ヒートシンク20は、半導体レーザアレイ10から発せられる熱を放散させるものであり、例えば各リッジ部13の熱膨張係数(およそ6ppm/K)よりも大きな熱膨張係数を有する金属材料、例えばCu(銅)(およそ17ppm/K)からなる。また、半田層30は、半導体レーザアレイ10をヒートシンク20に直接接合するものであり、例えば各リッジ部13の熱膨張係数(およそ6ppm/K)よりも大きな熱膨張係数を有するAuSn(およそ17.5ppm/K)などからなる。
また、この半導体レーザ装置1では、図1に示したように、ヒートシンク20上において半導体レーザアレイ10の後方(光射出側とは反対側)に電極部材40が設けられており、この電極部材40とヒートシンク20との間に、絶縁材料からなる絶縁板41が挿入されている。この電極部材40は、例えば銅(Cu)からなり、絶縁性の固定部材42によってヒートシンク20に固定されている。この電極部材40には、半導体レーザアレイ10側の上面が切り欠かれた段部40Aが設けられており、段部40Aと半導体レーザアレイ10の各電極14とがワイヤ43を介して電気的に接続されている。また、段部40Aの上には、所定の空隙を介してワイヤ43を覆い隠す保護部材44が設けられている。
ところで、本実施の形態では、図3、図4に示したように、半導体レーザアレイ10とヒートシンク20との間に設けられた半田層30中に、応力緩和層31が埋め込まれている。具体的には、応力緩和層31は、図3に示したように、半田層30のうちヒートシンク20側の半田層30Aと半導体レーザアレイ1側の半田層30Bとの間に挟まれている。
この応力緩和層31は、半導体レーザアレイ10との対向領域の一部に配置されている。具体的には、応力緩和層31は、リッジ部13の延在方向に延在する複数の櫛歯を有する櫛状の形状となっており、各櫛歯の先端部分が半導体レーザアレイ10の各リッジ部13との対向領域を含む領域に配置されている。つまり、応力緩和層31の櫛歯の部分は、各リッジ部13の延在方向の長さよりも長くなっている。なお、応力緩和層31の厚さは0.1μm以上50μm以下となっていることが好ましい。また、応力緩和層31の櫛歯の部分(半導体レーザアレイ10と対向する部分)の幅Wは、以下の式(1)を満たすことが好ましい。また、応力緩和層31の各櫛歯の幅Wは互いに等しくなっていることが好ましいが、半導体レーザアレイ10の中央部分から端部に向かって広くなったり、狭くなったりするなど、互いに異なっていてもよい。
P−D<W<P…(1)
ここで、Pは各リッジ部13の中央線同士の間隔であり、Dはリッジ部13の幅である。
この応力緩和層31は、例えば各リッジ部13の熱膨張係数(およそ6ppm/K)よりも小さな熱膨張係数を有する材料、例えば、グラファイトシートの加工により、またはCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により形成されたグラファイト(およそ1ppm/K)、焼結されたAiN(およそ4.2ppm/K)、CVD法により形成されたダイヤモンド(およそ2.0ppm/K)、焼結されたSiC(およそ3.0ppm/K)、またはSi(およそ3.0ppm/K)を含んで構成されている。
なお、以下に参考として、各材料の熱膨張係数と、一部の材料の熱伝導率を表1に示す。
Figure 2008311556
このような構成の半導体レーザ装置1は、例えば次のようにして製造することができる。なお、半導体レーザアレイ10は公知の方法により形成することが可能であることから、その製造方法についての説明を省略し、以下では、ヒートシンク20上に半導体レーザアレイ10を実装する方法について主に説明する。
まず、例えば蒸着法により、ヒートシンク20上に半田層30Aを3μm程度形成する(図5(A)参照)。次に、例えば、半田層30A上に櫛状の開口部を有するマスク(図示せず)を形成したのち、CVD法により、厚さ1μm程度の櫛状のグラファイト層を形成し、マスクを除去する。これにより、半田層30A上に応力緩和層31が形成される(図5(B)参照)。このように応力緩和層31を櫛状に成型することにより、これ以降の工程において櫛歯同士の間隔がずれるのを抑制することができる。
次に、半田層30Aおよび応力緩和層31のうち応力緩和層31の各櫛歯の先端部分を含む帯状の部分の上に、半田層30Bを厚さ3μm程度のせる(図5(C)参照)。
次に、半田層30Bの上に半導体レーザアレイ10をのせたのち、半導体レーザアレイ10側から圧力をかけると共に、半田層30A,30Bの温度が半田層30A,30Bの融点を超える程度までヒートシンク20側から昇温することにより、ヒートシンク20と半導体レーザアレイ10とを接着する。このようにして、本実施の形態の半導体レーザ装置1が製造される。
次に、本実施の形態の半導体レーザ装置1の作用および効果について説明する。
本実施の形態の半導体レーザ装置1では、各電極14,15との間に所定の電圧が印加されると、各リッジ部13により電流狭窄され、活性層の電流注入領域に電流が注入され、これにより電子と正孔の再結合による発光が生じる。この光は、一対の反射膜(図示せず)により反射され、所定の波長でレーザ発振を生じ、レーザビームとして各発光スポット12Aから外部に射出される。
ところで、本実施の形態では、各リッジ部13の熱膨張係数(およそ6ppm/K)よりも小さな熱膨張係数を有する応力緩和層31が、半導体レーザアレイ10との対向領域の一部に配置されている。具体的には、応力緩和層31における各櫛歯の先端部分が半導体レーザアレイ10の各リッジ部13との対向領域を含む領域に配置されるように、半田層30内に埋め込まれている。これにより、半導体レーザアレイ10がヒートシンク20から圧縮歪を受ける一方で、半導体レーザアレイ10が応力緩和層31から延伸歪を受けるので、ヒートシンク20から受ける圧縮歪が応力緩和層31から受ける延伸歪によって減殺され、半導体レーザアレイ10全体にかかる応力を緩和することができる。その結果、本実施の形態のようにサブマウントを用いずに半導体レーザアレイ10をヒートシンクに接合することが可能となり、放熱性が向上するので、半導体レーザアレイ10を高出力化することができる。
なお、応力緩和層31を半導体レーザアレイ10との対向領域の全体に渡って配置した場合には、ヒートシンク20から受ける圧縮歪が半導体レーザアレイ10に及ぶのを防止することができるが、その代わりに半導体レーザアレイ10は応力緩和層31から延伸歪を受けることになり、レーザ特性や信頼性に悪影響が生じてしまう。一方、本実施の形態では、応力緩和層31を半導体レーザアレイ10との対向領域の一部にだけ配置し、ヒートシンク20から受ける圧縮歪を応力緩和層31から受ける延伸歪によって減殺しているので、レーザ特性や信頼性に悪影響が生じるような応力が半導体レーザアレイ10にかかることはない。
また、本実施の形態において、応力緩和層31をグラファイトにより構成した場合には、グラファイトの熱異方性(表1参照)により、半導体レーザアレイ10(より具体的には各発光領域12B)から発せられた熱を積層方向だけでなく、積層面内方向にも効果的に放散させることができる。つまり、応力緩和層31は放熱性の観点において障害となることはない。これにより、半導体レーザ装置1において熱が局所的に蓄積されることがなくなるので、排熱性が向上する。
[第1の変形例]
上記実施の形態では、応力緩和層31を半導体レーザアレイ10の各リッジ部13との対向領域を含む領域に配置していたが、例えば、図6に示したように、応力緩和層31を半導体レーザアレイ10のうち各リッジ部13との対向領域以外の領域に配置することも可能である。このとき、応力緩和層31の櫛歯の部分(半導体レーザアレイ10と対向する部分)の幅Wは、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
0<W<P−D…(2)
このようにした場合には、各発光領域12Bから発せられた熱が各リッジ部13の脇に設けられた応力緩和層31に引き込まれるようになるので、応力緩和層31を半導体レーザアレイ10の各リッジ部13との対向領域を含む領域に配置した場合と比べて、各発光領域12Bから発せられた熱をより一層、積層面内方向に放散させることが可能となる。これにより、排熱性がより一層向上する。
[第2の変形例]
また、上記実施の形態では、応力緩和層31を半田層30内に埋め込んでいたが、例えば、図7,図8に示したように、ヒートシンク20の表面上に設けてもよい。なお、この場合には、応力緩和層31とヒートシンク20との密着性を良くするために、例えばNi層などをこれらの間に挿入してもよい。
[第3の変形例]
また、上記実施の形態では、櫛状の応力緩和層31を1つ配置していたが、例えば、図9に示したように、互いに分離独立した複数の応力緩和層31を並列配置してもよい。
[実施例]
次に、上記実施例ならびに第1および第2の変形例を代表して、第1の変形例に係る半導体レーザ装置1の実施例について説明する。本実施例では、応力緩和層31の幅Wおよび厚さYを、以下の式(3),(4)を満たすように設定した。
−ε2<ε(W,Y)<+ε1…(3)
ε(W,Y)=(X/2+1/2)×{(κ−α)×ΔT×(P−W)+[γ×(Y/(Y+Z))−α]×ΔT×W}/P…(4)
なお、式(4)において、(κ−α)×ΔT×(P−W)はヒートシンク20による歪量を表しており、[γ×(Y/(Y+Z))−α]×ΔT×Wは応力緩和層31による歪量を表している。また、式(4)において、{(κ−α)×ΔT×(P−W)+[γ×(Y/(Y+Z))−α]×ΔT×W}/Pが、1つのリッジ部13により形成されるレーザ構造において蓄積される歪量を表している。また、式(4)において、(X/2+1/2)は、半導体レーザアレイ10の端部から中心部までに含まれるリッジ部13の数である。従って、式(4)は、半導体レーザアレイ10に蓄積される歪量を表している。
ここで、+ε1は、半導体レーザアレイ10から出力される光の波長範囲を10nmとした場合に半導体レーザアレイ10に蓄積される圧縮歪の上限値である。なおプラス符号は、応力が圧縮方向であることを意味している。−ε2は、半導体レーザアレイ10から出力される光の波長範囲を10nmとした場合に半導体レーザアレイ10に蓄積される延伸歪の上限値である。なおマイナス符号は、応力が延伸方向であることを意味している。ε(W,Y)は、半導体レーザアレイ10に蓄積される歪量を表しており、この歪量が応力緩和層31の幅Wおよび厚さYの関数となっている。ΔTは、半田層30の融点と常温(例えば25℃)との差である。Pは、各リッジ部13の中央線同士の間隔である。Xは、半導体レーザアレイ10におけるリッジ部13の総数である。Yは、応力緩和層31の厚さである。Zは、応力緩和層31と半導体レーザアレイ10との距離である。αは、リッジ部13の熱膨張係数(半導体レーザアレイ10の基板10の熱膨張係数とほぼ同一)である。βは、ヒートシンク20の熱膨張係数である。γは、応力緩和層31の熱膨張係数である。κは、半田層30の熱膨張係数である。
そして、本実施例では、半導体レーザアレイ10の基板をGaAsで構成すると共に活性層をGaInPで構成し、各パラメータを以下のように設定した。
ε1=5.0×10−3
ε2=2.6×10−3
ΔT=280℃−25℃=255℃
P=400μm
X=25
0.1≦Y≦50μm
Z=3μm
227μm<W<281μm
α=6.0ppm/K
β=17.0ppm/K
γ=1.0ppm/K
κ=17.5ppm/K
これにより、ヒートシンク20から受ける圧縮歪を応力緩和層31から受ける延伸歪によって減殺し、半導体レーザアレイ10全体にかかる応力を緩和することができた。その結果、半導体レーザアレイ10から出力される光の波長範囲を10nm以内とすることができた。また、本実施例では、サブマウントを用いずに半導体レーザアレイ10をヒートシンクに接合したので、放熱性が向上し、半導体レーザアレイ10を高出力化することができた。
[適用例]
次に、上記実施例等の半導体レーザ装置1を、例えば、図10に示したようなプロジェクション型の表示装置100に適用した場合について説明する。
本適用例に係る表示装置100は、半導体レーザ装置1、照明レンズ2、GLV(Grating Light Valve)3、投影レンズ4、走査ミラー5、スクリーン6を備えたものである。ここで、照明レンズ2は、半導体レーザ装置1から射出された1次元状のレーザ光を平行光化すると共に、GLV3に入射させるものである。GLV3は、MEMSの要素技術を用いて作られたものであり、画素信号に応じてミラーの反射率を変え、光変調を行うものである。投影レンズ4は、複数のレンズ等からなり、GLV3での反射により変調された画像光を、走査ミラー5を介してスクリーン6上に投影して画像を表示させるものである。走査ミラー5は、画像光をスクリーン6上で走査して画像を表示させるものである。
このような構成の表示装置100において、上記実施例等の半導体レーザ装置1を用いた場合には、半導体レーザ装置1から高出力のレーザ光を出力することができるので、高輝度な画像を表示することができる。
本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ装置の概略構成図である。 図1の半導体レーザアレイの斜視図である。 図1の半導体レーザ装置における半導体レーザアレイ近傍の上面図である。 図3のA−A矢視方向の断面構成図である。 図1の半導体レーザ装置の製造工程を説明するための上面図である。 一変形例に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 他の変形例に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 その他の変形例に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 その他の変形例に係る半導体レーザ装置の断面構成図である。 一適用例に係る表示装置の概略構成図である。
符号の説明
1…半導体レーザ装置、2…照明レンズ、3…GLV、4…投影レンズ、5…走査ミラー、6…スクリーン、10…半導体レーザアレイ、11…基板、12…半導体層、12A…発光スポット、12B…発光領域、13…リッジ部、14,15…電極、20…ヒートシンク、30,30A,30B…半田層、31…応力緩和層、40…電極部材、40A…段部、41…絶縁板、42…固定部材、43…ワイヤ、44…保護部材、100…表示装置。

Claims (9)

  1. 基板上に互いに並列配置された複数の帯状導波路を有する半導体レーザアレイと、
    ヒートシンクと、
    前記半導体レーザアレイと前記ヒートシンクとの間に設けられた半田層および応力緩和層と
    を備え、
    前記ヒートシンクは、前記 帯状導波路の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有し、
    前記応力緩和層は、前記帯状導波路の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有し、かつ前記半導体レーザアレイとの対向領域の一部に配置されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記応力緩和層は、前記半導体レーザアレイとの対向領域において、前記帯状導波路の延在方向に延在している
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記応力緩和層は、前記帯状導波路の形成されていない領域との対向領域内に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記応力緩和層は、前記帯状導波路の形成されている領域との対向領域を含む領域に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記応力緩和層は、前記半田層内に埋め込まれている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記応力緩和層は、前記ヒートシンクに接している
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記応力緩和層の幅Wおよび厚さYは、以下の式(1),(2)を満たす
    ことを特徴とする請求項1記載のアレイ型半導体レーザ。
    −ε2<ε(W,Y)<+ε1…(1)
    ε(W,Y)=ΔT×(X/2+1/2)×{(κ−α)×(P−W)+[γ×(Y/(Y+Z))−α]×W}/P…(2)
    +ε1:前記半導体レーザアレイから出力される光の波長範囲を所定の値とした場合に前記半導体レーザアレイに蓄積される圧縮歪の上限値
    −ε2:前記半導体レーザアレイから出力される光の波長範囲を所定の値とした場合に前記半導体レーザアレイに蓄積される延伸歪の上限値
    ε(W,Y):前記半導体レーザアレイの中心部の応力
    ΔT:前記半田層の融点と常温との差
    P:前記各導波路の中央線同士の間隔
    X:前記導波路の総数
    Y:前記応力緩和層の厚さ
    Z:前記応力緩和層と前記半導体レーザアレイとの距離
    α:前記前記帯状導波路の熱膨張係数
    β:前記ヒートシンクの熱膨張係数
    γ:前記応力緩和層の熱膨張係数
    κ:前記半田層の熱膨張係数
  8. 前記応力緩和層は、グラファイトからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  9. 半導体レーザ装置を備えた表示装置であって、
    前記半導体レーザ装置は、
    基板上に互いに並列配置された複数の帯状導波路を有する半導体レーザアレイと、
    ヒートシンクと、
    前記半導体レーザアレイと前記ヒートシンクとの間に設けられた半田層および応力緩和層と
    を有し、
    前記ヒートシンクは、前記 帯状導波路の熱膨張係数よりも大きな熱膨張係数を有し、
    前記応力緩和層は、前記帯状導波路の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有し、かつ前記半導体レーザアレイとの対向領域の一部に配置されている
    ことを特徴とする表示装置。
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