JP2008308109A - 自動車の前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の前部の外観を損ねることなく、自動車が前進する際に車体下から車体側方へ流出する空気の量を少なくすることのできる自動車前部構造を提供する。
【解決手段】ボンネット前端部3の下方に配置されたフロントバンパフェイシャ4と、フロントバンパフェイシャ4の下端から後方に延びて、その後部が左右の前輪ホイールハウス7の下端の間に位置する平板状のアンダカバーとを有する車体前部構造であって、フロントバンパフェイシャ4の左右のコーナー部12の下半部には、コーナー部12の上半部よりも前方に膨出させた断面円弧状のスカート部16が形成されており、スカート部16は、コーナー部12の下端18から所定の幅を持って上方へ略同一の曲率半径でもって立上がるとともに、スカート部16の上端19は前輪ホイール6のセンタ高さよりも下方に位置し、平面視で、スカート部16の外周の曲率半径は、前輪ホイール6のセンタ高さにおけるコーナー部12外周の曲率半径よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の前部構造に関する。
従来より、自動車の外観を損なわずに、自動車の走行特性を向上させるための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、フロントバンパフェイシャのコーナー部に椀型突起面が設けられた自動車の前部構造が開示されている。この自動車の前部構造では、自動車の走行時に、椀型突起面の表面近傍に負圧の面圧が生じることで、自動車を前側に引っ張る力が生じて自動車の空気抵抗が減少するとともに、前記椀型突起面はフロントバンパフェイシャを全体的に前方へ膨出させるものではないため、自動車前部の外観は損なわれていない。
また、図10,11,12に示すように、フロントバンパフェイシャ4のコーナー部12に車体前側へ膨出するスカート部100を設けた自動車が存在している。スカート部100は、コーナー部12の下部に形成され、車体後方に向かって尻上がりの形状を呈している。このスカート部100が設けられていることで、自動車にダウンフォースが与えられ、また、コーナー部12の表面に沿って流れる走行風が前輪ホイールに衝突することが回避できるようになっている。また、視覚的に影響の大きなコーナー部12の上部21は、スカート部100が形成されていないことで角張った形状を呈していないため、自動車前部の外観は損なわれていない。
特開平10−203429号公報
ところで、車体の前部オーバーハング長、すなわち側面視における前輪位置から車体前端部までの長さを短くすることで、ヨー慣性モーメントが効果的に減少して車体の運動性能が向上する等の技術的な効果の他に、自動車外観の安定感が増したり、車体がFRスポーツ車的な外観を有するようになるといったデザイン上の顕著な効果が得られることが知られている。
しかしながら、近年では、衝突時の安全性を向上させることを目的に、車体をデザインするにあたって、フロントサイドフレームを前後方向の延長を長くしたり、フロントバンパに大型のレインフォースメントを内蔵させることが要求されているため、前部オーバーハング長を短くすることは困難なものと認識されている。
そこで、近年では、車幅方向におけるフロントサイドフレーム位置での充分な前部オーバーハング長さが確保された状態で、車体を真横以外の方向(例えば斜め後方)から見た場合の見かけ上の前部オーバーハング長さが短くなるように、平面視における前部コーナー部の曲率を大きくするデザインが車体に施されている。
しかしながら、このようなデザインが施された車体では、前部コーナー部の曲率が小さい従来の車体に比して、空気抵抗が大きくなるということが経験的に知られている。そうして、この要因を明らかにすべく研究を行った結果、発明者らは、前記前部コーナー部の曲率によって、車体前縁部から車体下に入り込む空気の流れの状態が相違し、この相違が、車体の空気抵抗の大小を支配的に影響していることを解明した。
図13に示すように、自動車が走行する際には、車体の側方にいくつかの渦流が生じることが知られている。図に示す渦流Aは、フロントウィンドに沿って流れる空気の一部が、フロントピラー(フロントガラスとサイドガラスの間にあるピラー)を越えて車体側方へ流出することで生じている。また、渦流Bは、自動車が走行する際に、車体下面と路面との間の空間や、前輪ホイールハウスや、タイヤホイールから車体側方へ流出する空気が、後方に流れるに従って上方に巻き上がることで生じている。そうして、前記車体下から車体側方へ流出する空気の量が多い場合には、渦流Bは、図14(a)に示すように大きくなり、前記車体下から車体側方へ流出する空気の量が少ない場合には、図14(b)に示すように小さくなる。そうして、図13に示すように、自動車が前進する際には、上述した渦流Bや渦流Aが車体の後方へ流れ、車体後端部での流れの大きな剥がれと複合して、大きな渦流Cが生じる。この渦流Cは、流れAや渦流Bの規模に応じて大きさが変化するものであって、渦流Bが大きい場合には渦流Cも大きくなり、この結果、車体のCd値は高くなってしまう(Cd値とは、自動車が走行時に受ける空気抵抗を自動車の正面投影面積と動圧(空気の流れの動圧)で除した値であって、Cd値が低い自動車ほど、空気抵抗は小さくなっている)。このため、Cd値を下げるためには、前記車体下から車体側方へ流出する空気の量をできるだけ少なくして渦流B,Cを小さくしなければならないが、前記車体下から車体側方へ流出する空気の量は、車体前部における車体下面の形状や、車体前面の表面近傍を流れる走行風の流れに応じて変わる。以下、図15〜21を参照しながら説明する。
図15は、三角翼の航空機の飛行中における翼下の圧力分布を示している。
三角翼の航空機が飛行する際において、該航空機の翼下では、翼外側の圧力は翼内側の圧力よりも低くなっている。これは、図16に示すように、翼下の翼外側で後方へ向かって流れる渦流Dが生じているためである。このような現象は、前進時における自動車の車体下でも生じるものであって、自動車が前進する際には、図17に示すように、車体下の車幅方向外側において、後方へ向かって流れる渦流Eが生じている。
図18は、自動車の前進する際において、車体前部の下方に生じる空気流を、該空気流の下方から視た状態を模式的に示す図である。図18において、(a)(b)(c)はそれぞれ車体前部における車体下面を示しており、(a)に示す車体下面は角張った形状を呈し、(c)に示す車体下面は、三角翼的な先細りの形状を呈し、(b)に示す車体下面は、(a)と(c)との中間の形状を呈している。
そうして、車体下面が(a)に示すように角張った形状を呈する場合には、車体前縁部が直線状であるため、車体の前方から車体前部の下方に入る空気の流れに対して、車体前縁部が与える影響は、車幅方向でほぼ均一となる。これにより、前記車体前部の下方に入り込んだ空気は、概ね直線的に後方へ流れていく。
また、車体下面が(b)に示す中間的な形状を呈する場合には、車体前縁部の車幅両端部近傍が曲線状を呈しているため、上述した三角翼の下方と同様の渦流現象が車体下で生じ、車体前部の下方に入り込んだ空気のうちの一部は、渦流となって車体後方へ流れる。この渦流は、車体後方になるにつれて、徐々に、より車幅外側を流れるようになるものであって、前輪ホイールハウス7に勢いよく流入するばかりではなく、車体下で渦流よりも車幅方向内側を流れる空気を吸い寄せる作用をする。しかしながら、車体下面が(b)に示す形状を呈する場合では、車体前縁部における車幅両端部近傍以外の部分は、直線状を呈していることから、渦流の規模はそれほど大きくならない。このため、渦流が車体下を流れる空気に及ぼす影響はそれほど大きくならない。
また、車体下面が(c)に示す形状を呈する場合では、車体前縁部における車幅方向中心よりも外側部分が全体に亘って傾斜することで、車体前縁部が、車幅方向中心を先端とする左右対称的な尖鋭状を呈していることから、上述の三角翼的な渦流現象が車体下で顕著に生じる。つまり、上述した渦流が、車体下における左右各領域の全体に亘って、車幅方向に並ぶような現象が生じる。この現象が生じることで、車体の前方から車体下に進入した空気は全て、上述した渦流となって、車体後方になるにつれて、徐々により車幅外側を流れるようになり、その内の一部の渦流が、前輪ホイールハウス7に向かって流れる。このため、車体下では、図の破線で示すように、車体後方になるにつれて、より車幅外側に向かう流れが支配的になる。この結果、前輪ホイールハウス7の下方から車体側方へ流出する空気Zの量が多くなる(図17参照)。
また、図19及び図20に示すように、自動車が前進する際には、フロントバンパフェイシャ4の表面に沿って走行風が流れるが、図21に示すように、フロントバンパフェイシャ4におけるコーナー部12の表面近傍Gは、他の部位の表面近傍に比べて圧力が低く、走行風の流速が低下する領域となっている。このため、コーナー部12の表面近傍Gを通過する走行風Fは、その流れ方向がコーナー部12の表面形状によって変化されやすくなっているため、前記走行風Fの中には、コーナー部12の表面に誘導されることで、車体に対して斜め下方に向かって流れる走行風F1が生じ得る。そうして、この走行風F1が生じた場合には、この走行風F1が車体下に入り込むことで、車体下を流れる空気の量が多くなる。この結果、車体下の渦流Eが大きくなり、上記と同様に大きな渦流Eが前輪ホイールに衝突することで、前輪ホイールハウス7の下方から車体側方へ流出する空気Zの量が多くなる。
以上のように、自動車の前進時には、自動車前部における車体下面が先細りの形状を呈することや、前記車体に対して斜め下方に向かう走行風が生じることで、車体下から車体側方に流出する空気の量が多くなる。また、前者の要因を取り除くために、車体下面を図18(a)のように角張らせた結果、自動車前部のコーナー部(具体的には図19及び20に示すフロントバンパフェイシャ4のコーナー部12)が上下端に亘って角張ってしまった場合には、自動車の外観を損ねるといった問題が生じる。
ここで、特許文献1に記載された椀型突出面は、図18(a)のように車体下面を角張らせるものではないため、前記車体下から車体側方に流出する空気の量を少なくするものではない。
また、図10〜12に示した車体では、スカート部100は、自動車前部の車体下面を図18(a)のように角張らせる手段として有効になり得るが、尻上がりの形状を呈していることから、図11に示すように、スカート部100では、車幅方向の内側部分101の上下幅h1が、車幅方向の外側部分102の上下幅h2に比して小さくなっている。このため、コーナー部12の表面近傍を通過したことで流速の低下した走行風Fの中に、車幅方向の内側部分101を乗り越えることで車体に対して斜め下方へ向けて流れる走行風F1が発生し得る。そうして、この走行風F1が生じた場合には、上記と同様、該走行風F1が車体下に入り込むことで渦流Eが大きくなり、前輪ホイールハウス7の下方から車体側方へ流出する空気Zの量が多くなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動車の前部の外観を損ねることなく、自動車が前進する際に車体下から車体側方へ流出する空気の量を少なくすることのできる自動車前部構造を提供することにある。
請求項1の発明は、フロントバンパの下半部に前方に膨出するスカート部を形成することにより、自動車前部の上半部を角張らせることなく、自動車前部の車体下面を角張った形状にするようにしたものである。
具体的には、請求項1の発明は、ボンネット前端部の下方に配置されたフロントバンパフェイシャと、前記フロントバンパフェイシャの下端から後方に延びて、その後部が左右の前輪ホイールハウスの下端の間に位置する平板状のアンダカバーとを有する車体前部構造であって、前記フロントバンパフェイシャの左右のコーナー部の下半部には、該コーナー部の上半部よりも前方に膨出させた断面円弧状のスカート部が形成されており、前記スカート部は、前記コーナー部の下端から所定の幅を持って上方へ略同一の曲率半径でもって立上がり、平面視で、前記スカート部の外周の曲率半径は、前輪ホイールのセンタ高さにおける前記コーナー部外周の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、上述したスカート部がコーナー部の下半部に形成されていることにより、自動車前部における車体下面は、角張った形状を呈する。
また、前記スカート部は、前記コーナー部の下端から所定の幅を持って上方へ略同一の曲率半径でもって立上がっていることから、スカート部の上下方向の幅は、車幅方向に均一になる。これにより、該スカート部の上下方向の幅を適切に設定することで、車体が前進する際には、前記コーナー部の表面近傍を通過した走行風は、スカート部の上面に沿って車体側方に向かって流れるようになり、スカート部を乗り越えて車体に対して斜め下方に向かって流れない。
以上のことから、自動車が前進する際には、車体下における車幅方向外側を流れる渦流は小さくなる。このため、該渦流が前輪ホイールに衝突することで前輪ホイールハウスの下方から車体側方に流出する空気の量は少なくなる。この結果、車体側方や車体後方で生じる渦流は小さくなるため、車体のCd値は低くなる。
また、視覚的に影響の大きなフロントバンパフェイシャの上半部には、スカート部は形成されない。これにより、前記フロントバンパフェイシャの上部は角張ばらないため、自動車前部の外観は損なわれない。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スカート部の外周は、車幅中心線上の車体先端から車幅方向外側のフロントバンパフェイシャへの接線である絞り角ラインと、前輪ホイールハウスの前端から車体前方のフロントバンパフェイシャへの接線であるキャンバー角ラインとのそれぞれに内接する、車幅の0.2倍の曲率半径を有する円弧に沿った形状であることを特徴とする。
本発明によれば、上述のようにスカート部が形成されることにより、請求項1の効果を実効ならしめる上で、自動車前部の車体下面は好ましい形状を呈する。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記スカート部の上端は前輪ホイールのセンタ高さよりも下方に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、フロントバンパフェイシャのコーナー部において、前輪ホイールのセンタ高さよりも上方には、スカート部は形成されない。このため、フロントバンパフェイシャにおいて、視覚的に影響の大きな前輪ホイールのセンタ高さよりも上方の部分が角張らない。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記フロントバンパフェイシャの車幅方向中央部の下半部には、開口部が形成され、前記スカート部は、前記開口部の車幅方向外縁から前記前輪ホイールアーチの前端に亘って車幅方向に連続して延びていることを特徴とする。
本発明によれば、自動車が前進する際に、スカート部の上方で、前記開口部の車幅方向外縁と前輪ホイールアーチの前端との間を流れる走行風は、スカート部により車体に対して斜め下方へ流れることが規制される。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記スカート部の上下方向における幅は、150mm以上200mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、請求項1の効果を実効ならしめる上で、スカート部は、好ましい上下方向の幅を有する。
請求項1の発明によれば、自動車が前進する際には、車体下における車幅方向外側を流れる渦流は小さくなるため、車体下から車体側方へ流出する空気の量は少なくなる。この結果、車体側方や車体後方で生じる渦流は小さくなるため、車体のCd値は低くなる。
また、視覚的に影響の大きなフロントバンパフェイシャの上半部は角張ばらないため、自動車前部の外観は損なわれない。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を実効ならしめる上で、自動車前部の車体下面は好ましい形状を呈する。
請求項3の発明によれば、フロントバンパフェイシャにおいて、視覚的に影響の大きな前輪ホイールのセンタ高さよりも上方の部分が角張らない。
請求項4の発明によれば、自動車が前進する際に、スカート部の上方で、開口部の外縁から前輪ホイールアーチの前端との間を流れる走行風は、スカート部により車体に対して斜め下方へ流れることが規制される。
請求項5の発明によれば、請求項1の効果を実効ならしめる上で、スカート部は、好ましい上下方向の幅を有する。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の自動車前部を示す斜視図であり、図2は、本発明の自動車前部を示す側面図であり、図3は、本発明の自動車前部の車体下面を示す斜視図であり、図4は、本発明の自動車前部を拡大して示す斜視図である。
符号1は本実施形態にかかる自動車を示しており、図1,2,3において左側が自動車1の前側を示している。
図1及び図2に示すように、自動車1の前部は、エンジンルームを覆うボンネット2と、ボンネット2に対して車幅方向の両外側に配置された一対の板金製のフロントフェンダ5と、ボンネット前端部3及びフロントフェンダ前端24の下方に配置された樹脂製のフロントバンパフェイシャ4と、を備えている。
フロントバンパフェイシャ4は車幅方向に延びており、フロントバンパフェイシャ4の車幅方向の外側端縁17と、その後方に位置するフロントフェンダ5の下縁50とは、前輪ホイール6の上部を収容するアーチ状の前輪ホイールハウス7を構成している。
フロントバンパフェイシャ4の車幅方向中央部40(以下、単に中央部40)の下半部には、開口部10が設けられ、該開口部10にはフロントアンダーグリル11が嵌め込まれている。該フロントアンダーグリル11はメッシュ状を呈しており、このメッシュ構造により外気をエンジンルーム内に導入することができるようになっている。また、中央部40における開口部10の上方には、凹み8が形成されており、この凹み8には、外気をエンジンルーム内に導く隙間を備えたフロントグリル9が取り付けられている。
また、フロントバンパフェイシャ4において、中央部40の車幅外側に位置する左右のコーナー部12には、開口部13が形成されており、該開口部13には飾りとしてのダミーグリル14が嵌め込まれている。
また、図3に示すように、自動車1の下部には、フロントバンパフェイシャ4の下端部23から後方に延びて、その後部が左右の前輪ホイールハウス7の下端70の間に位置する平板状のアンダーカバー15が配置されている。本実施形態では、フロントバンパフェイシャ4の下面と、その後方に位置するアンダーカバー15の下面とから、自動車前部の車体下面28が構成されている。
そうして、フロントバンパフェイシャ4の左右のコーナー部12の下半部には、コーナー部12の上半部よりも前方に膨出させた断面円弧状のスカート部16が形成されている。
スカート部16は、コーナー部12の下端18から所定の幅を持って上方へ立上がっている。また、スカート部16は、コーナー部12の下端18から略同一の曲率半径R1で立上がっているとともに、該スカート部16の曲率半径R1は、前輪ホイール6のセンタ高さ20におけるコーナー部12の曲率半径R2よりも小さくなっている。
このスカート部16がコーナー部12の下半部に設けられていることによって、車体下面28は、図18(a)のように角張った形状を呈している。
また、図4に示すように、スカート部16が上述したように下端18から略同一の曲率半径R1で立上がっていることから、図10〜12に示したスカート部100と異なり、図2に示すように、スカート部16の上下方向の幅hは、車幅方向に均一となっている。これにより、この上下方向の幅hを適切に設定することによって、自動車1が前進する際には、フロントバンパフェイシャ4のコーナー部12の表面近傍を通過した走行風Fは、スカート部16の上面に沿って車体側方へ流れ(図1〜3参照)、図10〜12に示すF1のように、スカート部16を乗り越えて車体に対して斜め下方に流れない。
以上のことから、自動車1が前進する際には、自動車1下の車幅外側を流れる渦流Eは小さくなるため、渦流Eが前輪ホイール6に衝突することで、前輪ホイールハウス7の下方から車体側方へ流出する空気Zの量は少なくなる。その結果、図13に示す車体側方に生じる渦流Bが小さくなり、これに伴い、車体後方に生じる渦流Cも小さくなるため、自動車1のCd値は低くなる。
また、前輪ホイール6のセンタ高さ20よりも上方に位置するコーナー部12の上半部21(図1及び2参照)は、視覚的に影響の大きな部分であるが、図2に示すように、スカート部16の上端19は前輪ホイール6のセンタ高さ20よりも下方に位置しており、前記上半部21にはスカート部16は形成されていない。このため、コーナー部12の上半部21、より具体的にはコーナー部12において前輪ホイール6のセンタ高さ20よりも上方の部分は、角張っていない。これにより、スカート部16がコーナー部12に設けられたことで、自動車1の前部の外観は損なわれていない。
また、本実施形態では、スカート部16は、開口部10の車幅方向の外縁26から前輪ホイールハウス7の前端17(フロントバンパフェイシャ4の端縁17)に亘って車幅方向に連続して延びている。これにより、自動車1が前進する際には、スカート部16の上方で、開口部10の外縁26と前輪ホイールハウス7の前端17との間を流れる走行風Fは、スカート部16により車体に対して斜め下方へ流れることが規制される。
次に、本発明の実施例を説明する。
本発明の実施例として、上記実施形態の自動車1を製作して、該自動車1の表面近傍を流れる空気の状態を確認すべく風洞実験を行った。
図5は、本実施例の自動車前部を撮影した写真である。
本実施例の自動車1を製作するにあたって、スカート部16の上下方向の幅hは、150mm以上200mm以下の範囲内における所定値とした。
図6は、本実施例において、スカート部が形成された高さ範囲内における自動車の外周Wを示す図である。
また、自動車1を製作するにあたって、スカート部16の外周に沿った円弧Kの曲率半径R1が、車幅lの0.2倍になるとともに、円弧Kが、車幅中心線Y上の車体先端25から車幅方向外側のフロントバンパフェイシャ4への接線である絞り角ラインNと、前輪ホイールハウス7の前端(フロントバンパフェイシャ4の端縁17)から車体前方のフロントバンパフェイシャ4への接線であるキャンバー角ラインZとのそれぞれに内接するようにした。なお、本実施例では、直線Nが車幅方向Mに対して傾斜する角度θは10度に設定されている。
そうして、自動車1前部の表面にタフト22を設置した状態で、自動車1へ前方から風を吹き付けた。図5は、風を吹き付けた後のタフト22の状態を示している。風を自動車1に吹き付けた後において、スカート部16の上方に設置されたタフト22は、スカート部16の上面と略平行に延びている。このことから、スカート部16の上方を通過した空気は、車体に対して斜め下方に流れなかったことが確認された。
また、本実施例の自動車1が前進した際に、車体下を流れる空気の状態をシミュレーションにより把握した。
図7は、本実施例の車体下における空気の流れの状態を示すシミュレーション予測図であり、図において左側が、自動車1の前側であり、図に示す線は、車体下における空気の流線を示している。
シミュレーションによれば、本実施例の車体下における車幅方向外側では、前輪ホイール6の側面60と略平行に空気が流れることが予測され、大きな渦流Eが生じることは予測されなかった。このため、該渦流Eが前輪ホイール6に衝突することで前輪ホイールハウス7下方から車体側方に流出する空気の量は、少なくなることが把握された。
また、渦流の発生箇所の圧力は非発生箇所の圧力よりも小さくなることに基づき、車体側方に生じる渦流の状態を把握するために、本実施例の自動車1が前進した場合に、自動車1の側方に生じる圧力分布をシミュレーションにより予測した。また、比較のため、本実施例の自動車1からスカート部16を取り除いた形状を呈する自動車が、同じ条件で前進した場合に車体の側方に生じる圧力分布についてもシミュレーションにより予測した。なお、この比較例の自動車では、自動車前部の車体下面は、図18(c)に示す先細りの形状を呈している。
図8は、車体側方における圧力分布の予測位置を示す図であり、図8において左側が車体前側を示している。
圧力分布の予測位置として、前輪ホイールハウス7の側方を3カ所(O,P,Q)を選定した。
図9は、図8に示す予測位置における圧力分布を示すシミュレーション予測図であり、(a)が本実施例の車体側方における圧力分布を示し、(b)は、比較例の車体側方における圧力分布を示している。
同じ予測位置同士の圧力分布を比較すると明らかなように、本実施例の予測位置では、比較例の予測位置に比して、圧力の低い領域が狭くなることが予測された。これにより、スカート部16を設けて自動車前部の車体下面を角張らせることにより、車体側方に生じる渦流が小さくなることが把握された。
本発明の自動車前部を示す斜視図である。 本発明の自動車前部を示す側面図である。 本発明の自動車前部の車体下面を示す斜視図である。 本発明の自動車前部を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施例における自動車前部を撮影した写真である。 本実施例において、スカート部が形成された高さ範囲内における自動車の外周を示す図である。 本実施例の車体下における空気の流れの状態を示すシミュレーション予測図である。 車体側方における圧力分布の予測位置を示す図である。 図8に示す予測位置における圧力分布を示すシミュレーション予測図である。 従来の自動車前部構造を示す斜視図である。 従来の自動車前部構造を示す側面図である。 従来の自動車前部構造の車体下面を示す斜視図である。 自動車が前進する際に車体の側方及び後方に生じる空気の流れを示す図である。 自動車が前進する際に車体の側方に生じる渦流を示す図である。 三角翼の航空機の飛行中における翼下の圧力分布を示す図である。 三角翼の航空機の飛行中において翼下に生じた渦流の状態を示す図である。 自動車の前進時に車体下の車幅外側を流れる渦流の状態を示す図である。 自動車の前進時における車体下の空気の流れを示す図である。 自動車の前進時に自動車前部の表面近傍を流れる走行風の状態を示す斜視図である。 自動車の前進時に自動車前部の表面近傍を流れる走行風の状態を示す側面図である。 自動車の前進時における自動車前部の表面近傍の圧力分布を示す図である。
符号の説明
1 自動車、
3 ボンネット前端部、
4 フロントバンパフェイシャ、
6 前輪ホイール、
7 前輪ホイールハウス、
10 開口部、
12 コーナー部、
15 アンダーカバー、
16 スカート部、
18 コーナー部の下端、
20 センタ高さ、
23 フロントバンパフェイシャの下端、
26 外縁、
28 車体下面、
30 後輪ホイールハウス、
70 前輪ホイールハウスの下端、
h 上下方向の幅、
N 絞り角ライン、
Z キャンバー角ライン、
K 円弧、
R1 曲率半径。

Claims (5)

  1. ボンネット前端部の下方に配置されたフロントバンパフェイシャと、前記フロントバンパフェイシャの下端から後方に延びて、その後部が左右の前輪ホイールハウスの下端の間に位置する平板状のアンダカバーとを有する車体前部構造であって、
    前記フロントバンパフェイシャの左右のコーナー部の下半部には、該コーナー部の上半部よりも前方に膨出させた断面円弧状のスカート部が形成されており、
    前記スカート部は、前記コーナー部の下端から所定の幅を持って上方へ略同一の曲率半径でもって立上がり、
    平面視で、前記スカート部の外周の曲率半径は、前輪ホイールのセンタ高さにおける前記コーナー部外周の曲率半径よりも小さいことを特徴とする車体の前部構造。
  2. 前記スカート部の外周は、車幅中心線上の車体先端から車幅方向外側のフロントバンパフェイシャへの接線である絞り角ラインと、前輪ホイールハウスの前端から車体前方のフロントバンパフェイシャへの接線であるキャンバー角ラインとのそれぞれに内接する、車幅の0.2倍の曲率半径を有する円弧に沿った形状であることを特徴とする請求項1に記載の車体の前部構造。
  3. 前記スカート部の上端は前輪ホイールのセンタ高さよりも下方に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体の前部構造。
  4. 前記フロントバンパフェイシャの車幅方向中央部の下半部には、開口部が形成され、
    前記スカート部は、前記開口部の車幅方向外縁から前記前輪ホイールハウスの前端に亘って車幅方向に連続して延びていることを特徴とする請求項3に記載の車体の前部構造。
  5. 前記スカート部の上下方向における幅は、150mm以上200mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の車体の前部構造。
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