JP2008307642A - 防振工具及びその製造方法 - Google Patents

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幸治 内海
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吐夢 加藤
Yasuo Miyashita
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Abstract

【課題】本発明は、工具本体の振動特性が変化しても、前記振動特性の変化ごとに、動吸振器の最適化をおこなうことなく、大きな振動抑制効果が得られる動吸振器を内蔵したため、動吸振器の最適調整時間を削減することができる防振工具及びその製造方法を提供する。
【解決手段】カバー1の中空部7に、錘25と錘25の両端に固定された低弾性ゴム24から構成される動吸振器が、低弾性ゴム24により中空部7の内部に支持されており、工具本体の振動特性が変化しても動吸振器の自励振動抑制効果が大幅に増減せず、安定した自励振動抑制効果が得られる動吸振器構造を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、特に圧縮機インペラの羽根部形状を切削加工する際に有効な防振工具及びその製造方法に関する。
エンドミルなどの防振工具を用いた切削加工による、深穴や深溝の切削加工において、深穴の奥面や深溝の側面の切削加工を行うためには、工具の突き出し長さが長い、長尺な防振工具を用いて被削材を切削する必要がある。しかし、工具の突き出し長さが長いと、工具剛性が低くなってしまい、切削加工中に工具に作用する切削力に対する工具剛性の不足から、工具の自励振動が発生し、加工面粗さの悪化や、工具欠損が生じ易くなる。このため、長尺工具を用いた切削加工では、工具自励振動を発生させないように、切込み量や送り速度といった加工諸元を低く設定せざるを得ないため、加工能率が低くなってしまう問題がある。
このような問題を引き起こす工具自励振動を抑制する手段として、従来、種々の抑制方法が提案されている。例えば特開2002-233903(特許文献1)に記すように、工具外周部に超硬素材からなる棒を固着させる方法や、特開2002-233911(特許文献2)に記すように、工具本体の外周部に超硬素材、セラミックなどの硬質材料を溶射する方法によって、工具剛性を高め、自励振動を抑制する方法がある。加えて工具本体の素材を一般的に用いられている鋼素材から超硬素材に変更し、剛性を高めた工具も市販されている。
この一例として、図1に工具の剛性を高めた場合の工具周波数応答の一例を示す。超硬素材といった硬質材料のヤング率は鋼の2倍程度を有しており、剛性は最大で2倍まで向上するため、一般に使用される鋼製工具の振動波形50は、波形60になり、振動の最大振幅が抑制される。
別の方法として、例えば特開2003-62735(特許文献3)や特開2006-305674(特許文献4)のように、工具内部に質量、バネ、減衰からなる動吸振器を内蔵する方法がある。この方法は、工具内部に内蔵された動吸振器を構成する、質量とバネにより決まる動吸振器の固有振動数を、動吸振器を内蔵させる工具本体の固有振動数に合わせて最適調整することで、動吸振器が工具本体(カバー)の振動の位相と逆位相で振動し、工具本体の振動を相殺することができる。加えて、動吸振器の錘を支持している減衰は、錘の振動を粘弾性体が受けて粘弾性体が歪み、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し散逸することで、振動が収まるまでの時間を早めることができる。
このように、動吸振器を内蔵した前記防振工具は、前記動吸振器の固有振動数の調整と、減衰による振動エネルギーの散逸により、工具の振動を効果的に抑制する方法である。
この方法を用いた前記動吸振器を構成する部材として、質量は密度7800kg/m3以上の高密度材料であり、例えばヘビーメタル(密度18000kg/m)などが用いられ、減衰はヤング率100KPa以下、引っ張り強度1〜100KPa、伸び200〜400%の粘弾性体や、粘性流体(例えばシリコーンオイル)が用いられ、バネは機構に応じて金属やゴムを含む弾性体が用いられている。
図2に上記動吸振器を内蔵した防振工具の質点系振動モデルを示す。このモデルは、工具の持つ質量m1,バネ定数k1、減衰比ζ1と,動吸振器の錘質量m2,バネ定数k2、減衰比ζ2から構成されており、工具に加振力fが作用したときの、工具本体の振動振幅x1を計算できるモデルである。
動吸振器を効果的に使用するためには,動吸振器の固有振動数を決定する因子であるバネ定数k2と、動吸振器の減衰比ζ2を工具本体の振動特性m1、k1、に合わせて最適な値に設定する必要がある。動吸振器の最適設計値は、工具本体の質量m1と動吸振器の錘錘質量m2の比である、質量比μが決まれば以下の式(1)、(2)により求められる。
Figure 2008307642
Figure 2008307642
ここで,ω1は工具本体の固有振動数,ω2は動吸振器の固有振動数である。従来の防振工具は、使用する工具本体の振動特性m1、k1を実験的または解析的に見積り,これを設計の入力値として式(1)(2)に代入し、工具本体に内蔵する動吸振器のバネ定数k2と、減衰比ζ2の設定値を決定し、前記設定値になるように、動吸振器のバネ、減衰の調整作業を行い動吸振器の最適化を行うことが可能である。
図3は,カバー1に質量21・バネ22・減衰23からなる動吸振器2aを内蔵した従来の防振工具3aを、コレットチャックAと、別の種類のコレットチャックBを介して、それぞれを工作機械4に取り付けて支持する使用形態の一例を示している。
この使用形態において,まず、コレットチャックAに防振工具3aを取り付ける場合、コレットチャックAの剛性が工作機械4の持つ剛性と比較し大幅に低下するため、カバー1を十分に固定支持する条件とはならず、カバー1の振動特性にコレットチャックAの振動特性が影響を及ぼす。従来の防振工具3aは、常に同じコレットチャックAを使用する場合であれば、この使用形態におけるカバー1の振動特性m1,k1から、式(1)(2)を用いて動吸振器2aの振動特性k2、ζ2を最適値に設定し、大きな振動抑制効果が得られる。
図4に、式(1)(2)を用いて動吸振器のバネ定数k2、減衰ζ2を最適化した場合の、錘質量m2,バネ定数k2、減衰ζ2から構成される従来の動吸振器2aを内蔵した防振工具3aの周波数応答の一例を示す。
例えばカバー1がm1=0.25kg、k1=3.0e6N/m、ζ1=0.01の振動特性を持つ場合、動吸振器2aの質量をm2=0.1kgとすると、質量比μ=0.4であるたのめ,式(1)(2)より動吸振器2aの最適なバネ定数と減衰比の設定値は、k2=6.1e6N/m、ζ1=0.23となる。
この結果を用いて動吸振器2aの振動特性k2、ζ2を最適化すると、前記動吸振器2aを内蔵した防振工具3aの振動波形は61となり、従来防振工具3aは動吸振器2aを前記設定値に調整しておけば,動吸振器2aを内蔵していないカバー1のみの工具の振動波形51の最大振幅を大幅に抑制可能である。
特開2002-233903号公報 特開2002-233911号公報 特開2003-62735号公報 特開2006-305674号公報
しかし、上記特許文献1や特許文献2の場合、超硬素材の材料費は、鋼の数倍高いため、工具の製造コストに対する自励振動抑制効果が小さい場合や、ヤング率の向上倍率と同等の自励振動抑制効果が得られず、所望の効果が得られない場合があるという課題がある。
また、特許文献3や特許文献4の場合、前記使用形態では、工具の突き出し長さLtや、工具径φD、または加工方法に応じて、使用するコレットチャックAを、例えばコレットチャックBに変更して使用するのが一般的である。
この一例を図3に合わせて示す。同図に示すように、コレットチャックAに合わせて最適化された前記動吸振器2aを内蔵する前記防振工具3aをコレットチャックBに取付けた場合、動吸振器2aを内蔵していないカバー1の波形51は波形52に変わり、これに伴い、防振工具3aの振動波形は、波形61から波形62のように変化し、波形52の最大振幅を効果的に抑制できなくなる。
以上述べたように、工具を固定するために用いるコレットチャックにより、工具本体の振動特性が変化する図4の使用形態では、従来の質量・バネ・減衰からなる動吸振器では工具本体の振動特性の変化に柔軟に対応できず工具自励振動の抑制効果が著しく減少してしまい、製品加工時の加工能率が低下する課題があった。
さらに、従来防振工具を用いて振動抑制効果を得るためには、使用するチャック毎に再度最適調整が必要となり、調整にともなう作業時間の延長により、全体の製造コストが高くなってしまう課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決し、工具本体の振動特性が変化しても、前記振動特性の変化ごとに、動吸振器の最適化をおこなうことなく、大きな振動抑制効果が得られる動吸振器を内蔵した防振工具及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決する手段として、工具本体に内蔵する動吸振器構造にランチェスタダンパ方式を採用することで、工具本体の振動特性が変化しても動吸振器の自励振動抑制効果が大幅に増減せず、安定した自励振動抑制効果が得られることを特徴とする動吸振器構造を有している防振工具である。
本発明によれば、加工面精度の低下や工具欠損の原因となる工具自励振動を抑制し、加工能率を向上するために、工具内部に中空部を設け、振動特性の変化ごとに動吸振器の調整を行うことなく大きな振動抑制効果が得られる動吸振器を備えることにより、工具本体の振動特性が変化しても、動吸振器の自励振動抑制効果が大幅に増減せず、安定した自励振動抑制効果が得られ、動吸振器の最適調整時間を削減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
まず、本実施例の動吸振器の特徴と、防振工具の構造を述べる。図5は、本実施例のランチェスタダンパ方式を採用した動吸振器を質点系振動モデルで表したものである。このダンパは図2のバネ定数k2をk2<<k1とすることで,錘質量m2を減衰比ζ2のみで支えている振動モデルとなる。このダンパ方式は、制振対象(カバー1)の振動特性m1、k1が変化しても、動吸振器を最適調整することなく、大きな振動抑制効果が得られることを特徴としている。
図6は上記ダンパ方式を有する本実施例の防振工具の構造を示したものである。本実施例の防振工具3bに内蔵されている動吸振器2bは、両端に凹形状を有する錘25と、前記錘25の両端に設けられた凹形状に合う、凸形状を有する低弾性ゴム24のような粘弾性体から構成されており、低弾性ゴム24と錘25の中心軸が一致する構造となっている。
錘25はカバー1の軸方向に設けられた中空部に低弾性ゴム24により支持された構造を有する防振工具であり、錘25側面と中空部7の側面の間には、クリアランスCが設けられている。
さらに、前記動吸振器2bは、カッター5とカバー1を連結するための固定具6により、工具中空部内に固定されており、固定具6を取り外すことで、内部の動吸振器2bを容易に取り出せる構造となっているため、防振工具3bの製造段階で、錘25の長さL1と、低弾性ゴムの厚さL2をカバー1の振動特性に合わせて調整することが容易な構造となっている。
上記構造を有する本実施例の防振工具3bでは、切削加工中にカッター5が受ける切削力による工具自励振動が、固定具6、カバー1、低弾性ゴム24を介して錘25に伝わることで、錘25がカバー1の振動と位相差をもって軸方向と垂直な平面内で振動し、低弾性ゴム24がカバー1の軸方向と垂直な平面内で歪むことで、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し散逸して振動を抑制するものである。このため、錘25は十分に振動できるクリアランスCが必要となる。本実施例ではクリアランスCが0.5mm以上あることが好ましく、本実施例ではクリアランスCを1.0mmとしている。
次に、上記構造を有する本実施例の防振工具に用いる素材について説明する。
本実施例の動吸振器に用いる低弾性ゴム24は、硬さがJISK6253に準じた試験で30〜60(タイプA)、伸びが500〜900%、静的せん断弾性率が0.3〜0.8MPa、反発弾性が2〜13%のものが適しており、さらに好ましい低弾性ゴムとしては、内外ゴム株式会社製「ハネナイト」GP-35L、GP-60L、CP-40S、CP−55S、AP-30、AP−50、GP-40HB、GP-50Vが本実施例の実施形態に適している。この中で本実施例では、GP-35Lが用いられている。
また、錘25には、超硬材料、タングステン、銅-タングステン合金などの密度13000〜19000kg/m3の高比重合金が適している。この中で本実施例では、銅-タングステン合金(密度14000kg/m3)を用いている。
以上の構造、素材を用いた防振工具3bの工具自励振動の抑制効果を図7に示す。同図は動吸振器2bを内蔵した本実施例の防振工具3bを用いて、図5のコレットチャックAと32にそれぞれ取り付けた場合の、防振工具の振動抑制効果を周波数応答で示した一例である。コレットチャックAを用いて、動吸振器を内蔵しないカバー1のみを支持した場合の振動波形51が、本実施例の動吸振器2bを内蔵させることで、波形63へと変化し、振動の最大振幅が抑制される。
また、コレットチャックAをコレットチャックBに変更した場合における、動吸振器を内蔵しないカバー1のみの振動波形52は、本実施例の動吸振器2bを内蔵させることで、波形64へと変化し、上記コレットチャックAの振動抑制効果を持続できていることが分かる。
以上述べたように、本実施例の防振工具3bは、カバー1の振動特性の変化に柔軟に対応でき、且つ、カバー1の振動特性の変化ごとに、動吸振器2bを最適化しなくても、大きな工具の自励振動抑制効果が得られることが特徴である。
また、本実施例の防振工具3bは、図6の錘25と低弾性ゴム24において、予め用意された錘25の長さL1が異なる複数の錘と、低弾性ゴム24の厚さL2が異なる複数の低弾性ゴムとの組み合わせの中から、中空部の長さLと一致するように、錘25と低弾性ゴム24の組み合わせを一つ選択し、制振ゴム24の厚さL2を変えることで、動吸振器2bの減衰比ζ2を最適な値に設定することが可能である。最適化を行う際は、工具本体の質量m1と動吸振器の錘質量m2の比である、質量比μを用いて、下記の式(3)の減衰比になるよう、低弾性ゴムの厚さL2を調整すれば容易に最適化が可能である構造を有していることを特徴とした防振工具構造である。
Figure 2008307642
上述の方法を用いた本実施例の防振工具3bのカバー1は、工具材料としてSCM440(降伏強度410GPa)を用いられている。工具径φD=12〜80mmにおいてLt/Dが10以下であれば、降伏強度を満足するように中空部7を設計することが可能である。しかし、Lt/Dが7.5以下で工具径が12mmより小さくなると、中空部7を設ける際に降伏強度を満足できなくなり、これ以上小さな工具径で防振工具を製造できなくなる。
これに対し、本実施例ではφ12mm以下でLt/Dが10以下となる防振工具を製作するために、カバー1の材料をSCM440から、降伏強度1000GPa以上となる超硬材料を用いて製造してもよい。また、上記材質の変更は、工具径φD=16〜80mmにおいてLt/Dが10以上となる防振工具を製作するために、カバー1に超硬材料(降伏強度1000GPa以上となる、JIS規格の分類E2、E3、E4、E5、V10、V20、V30、V40、V50、V60に属する材質)を用いてもよい。
本実施例の防振工具を用いることで、例えば長尺工具による圧縮機用インペラの羽根形成のための切削加工がの加工能率を向上することができる。以下、圧縮機用インペラの羽根切削加工における、本実施例の効果について述べる。
一般に、圧縮機用インペラは製造コストの増加を抑制するため、鍛造やプレスによって形成した羽根を軸に溶接することで製造されていた。インペラ性能を向上させるためには、羽根枚数を増やし、羽根の形状を、羽根高さが高い複雑な曲面を持つ3次元形状にする必要がある。しかし、従来の鍛造もしくはプレスによる羽根の形成だけでは、形状精度が悪いため、インペラの性能を向上させることが困難である。性能を向上させるためには、バルク材である鍛造素材から切削工具を用いて、羽根形状を切削加工て形成する方法が望ましい。
しかし、上述のように、羽根が羽根高さの高い3次元形状になっているため、切削加工に必要となる工具は小径で長尺な工具を用いる必要があるが、工具の持つ剛性が低くなり、工具の自励振動が発生しやすくなるため、切削加工による諸望の羽根の形状精度を得られない場合や、工具の刃先が欠損してしまい切削を続行することが不可能な状況になり易くなる。このため、小径で長尺な工具を用いた羽根の切削加工の加工能率を向上させることが非常に困難であった。
この問題は、従来の防振工具を適用することで改善することが可能であるが、圧縮機用インペラの羽根切削加工では、使用するコレットチャックが複数あるため、工具の支持条件が多数存在する。一方、従来防振工具は、上述したように、個々のコレットチャックで決まる、工具の支持条件に合わせて内蔵している動吸振器のバネ定数や減衰比を、最適化しなければ諸望の自励振動抑制効果が得られない。
しかし、最適化により諸望の抑制効果を得るためには、防振工具の調整に時間を要し、切削加工の遅延を招き、製造コストが高くなってしまうため、加工能率が向上しても、製造全体のコスト削減効果は小さくなってしまう可能性がある。このため、従来防振工具を用いた加工能率向上が困難であった。
本実施例は、多数のコレットチャックにより決まる工具の支持部条件に対して、振動抑制効果が大幅に変化しないため、支持部条件毎の調整作業が不要となり、調整にともなう切削加工の遅延を削減できる。
図8は、本実施例の防振工具3bを回転数Sで回転させながらツールパス8に沿って移動させ、鍛造素材100から切削加工にて羽根101を形成し、圧縮機用インペラを製造する手法を示した一例である。
同図の加工で使用する工具が例えば4種類ある場合、すべての工具を従来防振工具にすると、調整に半日/本かかるため、すべてを調整するのに約2日かかる。一方、本実施例の防振工具は調整が要らないため、従来防振工具の調整にかける2日間で圧縮機用インペラを1台生産することができ、一月あたり12台生産しているとすると、13台生産できるようになり、生産効率を10%向上できる。
従来用いられている工具自励振動の抑制方法の一例を示した図である。 従来用いられている防振工具を質点系振動モデルで示した図である。 工具を異なるコレットチャックを介して工作機械に取り付ける際の模式図である。 従来防振工具を異なるコレットチャックを介して工作機械に取り付けた際の、工具自励振動抑制効果を示した図である。 本実施例の動吸振器を質点系振動モデルで表した図である。 本実施例の実施形態になる工具内部にランチェスタダンパを内蔵した防振工具を示した図である。 本実施例による動吸振器を内蔵した振工具を、異なるコレットチャックを介して工作機械に取り付けた際の、工具自励振動抑制効果を示した図である。 本実施例の防振工具による圧縮機用インペラの羽根切削加工を示す図である。
符号の説明
1…工具本体、2a…従来の動吸振器、2b…本実施例による動吸振器、21…質量、22…バネ、23…減衰、24…低弾性ゴム、25…錘、3a…従来防振工具、3b…本実施例の防振工具、4…工作機械、5…カッター、6…固定具、7…中空部、8…ツールパス、100…鍛造素材、101…羽根。

Claims (8)

  1. 本体内部の軸方向に設けられた中空部に、錘と粘弾性体から構成される動吸振器を、前記粘弾性体により支持する構造を備え、前記本体の軸方向に垂直な平面内における振動に対して、前記動吸振器が相対移動可能であることを特徴とする防振工具。
  2. 請求項1に記載の防振工具において、前記粘弾性体が、低弾性ゴムであることを特徴とする防振工具。
  3. 請求項2に記載の防振工具において、前記低弾性ゴムの硬さが、JISK6253に準じた試験で30〜60(タイプA)、伸びが500〜900%、静的せん断弾性率が0.3〜0.8MPa、反発弾性が2〜13%であることを特徴とする防振工具。
  4. 請求項1に記載の防振工具において、前記錘が、超硬材料、タングステン、銅-タングステン合金などの密度13000〜19000kg/m3の高比重合金であることを特徴とする防振工具。
  5. 請求項1に記載の防振工具において、前記錘の側面と前記中空部の側面の間に、0.5mm以上のクリアランスCを設けたことを特徴とする防振工具。
  6. 請求項1に記載の防振工具において、前記動吸振器は、カッターとカバーを連結するための固定具により、前記中空部内に固定されており、前記固定具を取り外すことで、内部の前記動吸振器を取り出せる構造であることを特徴とする防振工具。
  7. 本体内部の軸方向に設けられた中空部に、錘と粘弾性体から構成される動吸振器を備えた防振工具の製造方法であって、長さが異なる複数の錘と、厚さが異なる複数の粘弾性体との組み合わせの中から、前記中空部の長さと一致するように、前記錘と前記粘弾性体の組み合わせを一つ選択し、前記粘弾性体の厚さを変えることで、前記動吸振器の減衰比を設定することを特徴とする防振工具の製造方法。
  8. 請求項7に記載の防振工具の製造方法において、前記防振工具本体の質量と前記動吸振器の錘質量の比である質量比を用いて、前記粘弾性体の厚さを調整することを特徴とする防振工具の製造方法。
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