JP2008304651A - 凹凸パターン形成シートの製造方法および凹凸パターン形成シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加熱収縮性フィルムの片面または両面に、硬質層が、少なくとも1層積層された積層シートの状態で、該積層シートの少なくとも一方向に張力を作用させて、加熱収縮させることにより、前記積層シートの少なくとも硬質層を蛇行変形させることを特徴とする凹凸パターン形成シートの製造方法である。
【選択図】 図1
Description
また、前記凹凸パターンの平均ピッチが1〜10μmの凹凸パターン形成シートは光拡散体として利用できることが知られている(特許文献1,2)
[2] 前記加熱収縮性フィルムが、少なくとも幅方向に加熱収縮する連続シート状加熱収縮性フィルムであり、該連続シート状加熱収縮性フィルムの片面または両面に、硬質層を少なくとも1層積層し、連続シート状積層シートを作製する工程と、該連続シート状積層シートを加熱収縮ゾーンに導入する工程と、加熱収縮ゾーンの入口から出口にかけて、該連続シート状積層シートの幅が連続的に減少するように張力を与える工程を有する[1]に記載の凹凸パターン形成シートの製造方法。
[3] 前記凹凸パターンの平均ピッチが50nm〜100μm、凹凸パターンの底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上である[1]及び/または[2]に記載の方法で製造された凹凸パターン形成シート。
本発明の凹凸パターン形成シートの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の凹凸パターン形成シートの製造方法は、図1に示すように、1軸方向加熱収縮性フィルム11の片面の全面に、表面が平滑な硬質層12a(以下、表面平滑硬質層12aという。)を設けて積層シート10aを形成する工程と、積層シート10aの加熱収縮方向に張力を作用させて、加熱収縮させる工程とからなる。
上記方法を採用することにより、積層シートの硬質層を蛇行変形させ、図2に示すような凹凸パターン13が、1軸方向加熱収縮性フィルム11の片面の全面に形成された、凹凸パターン形成シート10が得られる。
ここで、表面平滑硬質層12aとは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ0.1μm以下の層である。
また、「蛇行変形」とは、図2に示すような、波状の凹凸パターンを形成するような変形をいう。
ここで、平均ピッチAは、各ピッチA1,A2,A3・・・の平均値である。
また、各ピッチA1,A2,A3・・・は、平均ピッチAが50nm〜100μmであることを満たした上で、連続的に変化してもかまわない
また、1軸方向加熱収縮性フィルム11と表面平滑硬質層12aとの間には、密着性の向上等を目的として、プライマー層を形成してもよい。
幅方向に加熱収縮する連続シート状積層シート(加熱収縮前)10aの幅方向に張力T1およびT2を作用させる目的で把持グリップ30で耳部を把持しながら、加熱ゾーン40に導入し、加熱ゾーン40内で積層シート10aの幅を連続的に減少させ、凹凸パターン形成シート10を製造する。
特に、このような横延伸機に積層シート10aを加熱ゾーン出口から入口に向かって導入したり、またはテンターの幅を加熱ゾーン入口から出口にかけて連続的に減少するように設置し、積層シート10aを加熱ゾーン入口から導入することで、張力を作用させながら、積層シート10aを幅方向に連続的に加熱収縮させることができ、その結果、不均一な収縮やシワの発生を抑制することができ、さらに得られた光学素子は、幅方向に光学特性として問題となるムラがない。
また、光学素子としての性能を向上させるために、平均深さBが、平均ピッチAを100%とした際の30%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
ここで、収縮率とは、(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/(収縮前の長さ)×100(%)のことである。
また、各深さB1,B2,B3・・・は、平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上であることを満たした上で、連続的に変化してもかまわない。
ここで、収縮率の20%以下とは、例えば、加熱収縮後の積層シート10aの幅が加熱収縮前の幅の40%になった場合、収縮率は60%で拡幅処理はその20%以下、つまり、もとの長さの12%以下となる。
また、1軸方向加熱収縮性フィルム11の加熱収縮率を制御することにより、凹凸パターン13の平均深さBをコントロールすることができる。
具体的には、表面平滑硬質層12aの弾性率が大きいほど、あるいは厚さが大きいほど平均ピッチAが大きくなる。また、加熱収縮率が大きいほど平均深さBが大きくなる。
上述の条件を適宜選択することで所望の品質を得ることができる。
2軸方向加熱収縮性フィルムを使用する場合には、最も大きく変形する方向の収縮率を5%以上にすることが好ましい。
また、この製造方法によれば、容易に、凹凸パターン13の平均ピッチAおよび平均深さBをコントロールでき、さらには、加熱収縮性フィルムの加熱収縮時の収縮ムラやしわの発生を引き起こすことなく、凹凸パターン形成シート10を製造できる。
さらに、本発明によれば、製造した光学素子は光学特性において幅方向のムラがなく、反射防止体として用いた場合には、光学特性として反射率の幅方向のムラがない。
また、光拡散体として用いた場合には、光学特性として拡散特性の幅方向のムラがなく、均一になる。
本発明の反射防止体は、上述した凹凸パターン形成シート10を備え、凹凸パターン13の平均ピッチAが1μm以下で、凹凸パターン13の底部13bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上である。
本発明の反射防止体においては、凹凸パターン形成シート10の片面または両面に他の層を備えてもよい。例えば、凹凸パターン形成シート10の、凹凸パターン13が形成されている側の面に、その面の汚れを防止するために、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂を主成分として含有する厚さ1〜5nm程度の防汚層を備えてもよい。
本発明の位相差板は、上述した凹凸パターン形成シート10を備え、凹凸パターン13の平均ピッチAが1μm以下で、凹凸パターン13の底部13bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上である。ただし、凹凸の方向はランダムではなく、一方向に沿ったものである。本発明の位相差板においても、上記反射防止体と同様に、凹凸パターン形成シート10の片面または両面に他の層を備えてもよく、例えば、凹凸パターン形成シート10の、凹凸パターン13が形成されている側の面に防汚層を備えてもよい。
本発明の光拡散体は、上述した応答パターン形成シート10を備え、凹凸パターン13の平均ピッチAが1μmを超え、20μm以下であり、凹凸パターン13の底部13bの平均深さBが平均ピッチAを100%とした際の10%以上である。
また、1軸方向加熱収縮性フィルム11を使用した場合、光拡散性に異方性が現れ、2軸方向加熱収縮性フィルムを用いた場合、光は等方的に拡散する。
本発明の光学素子製造用工程シート原版(以下、工程シート原版という)は、上述した凹凸パターン形成シート10を備えたものであり、凹凸パターンを、以下に示すような方法で他の素材に転写させることにより、該工程シート原版と同等の平均ピッチおよび平均深さの凹凸パターンが表面に形成された、反射防止体や位相差板、光拡散体等の光学素子として使用可能な凹凸パターン形成シートを大面積で大量に製造するための型として用いられるものである。
(a)工程シート原版の凹凸パターンが形成された面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工し、電離放射線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を工程シート原版から剥離する方法。ここで、電離放射線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本発明では、可視光線、X線、イオン線等も含む。
(b)工程シート原版の凹凸パターンが形成された面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗工し、加熱して前記液状熱硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を工程シート原版から剥離する方法。
(c)工程シート原版の凹凸パターンが形成された面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させ、該熱可塑性樹脂を工程シート原版に押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却し、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を工程シート原版から剥離する方法。
(d)工程シート原版の凹凸パターンが形成された面に、ニッケル等の金属めっきを行って、めっき層(凹凸パターン転写用材料)を積層し、そのめっき層を工程シート原版から剥離し、金属性の2次工程シートを作製し、次いで、2次工程シートの凹凸パターンと接していた側の面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工し、電離放射線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を2次工程シートから剥離する方法。
(e)(d)と同様にして2次工程シートを作製し、該2次工程シートの凹凸パターンと接していた側の面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗工し、加熱により該樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を2次工程シートから剥離する方法。
(f)(d)と同様にして2次工程シートを作製し、該2次工程シートの凹凸パターンと接していた側の面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させ、該熱可塑性樹脂を2次工程シートに押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却し、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を2次工程シートから剥離する方法。
工程シート原版の凹凸パターンが形成された面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工するコーターとしては、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーター等が挙げられる。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。
また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
しかし、これら枚葉のシートを用いる方法において、光学素子を大量生産するためには、凹凸パターンを形成する工程を多数回繰り返す必要がある。電離放射線硬化性樹脂と工程シートとの離型性が低い場合には、多数回繰り返した際に凹凸パターンに目詰まりが生じ、凹凸パターンの転写が不完全になる傾向にある。
これに対し、図6に示す方法では、工程シート原版がウェブ状であるため、大面積で連続的に凹凸パターンを形成させることができるため、凹凸パターン形成シートの繰り返し使用回数が少なくても、必要な量の光学素子を短時間に製造できる。
また、(b)の方法における硬化温度は、工程シート原版のガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度が工程シート原版のガラス転移温度以上であると、硬化時に工程シート原版の凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
シート状の熱可塑性樹脂を2次工程シートに押圧する際の圧力は1〜100MPaであることが好ましい。押圧時の圧力が1MPa以上であれば、凹凸パターンを高い精度で転写させることができ、100MPa以下であれば、過剰な加圧を防ぐことができる。
また、(c)の方法における熱可塑性樹脂の加熱温度は、工程シート原版のガラス転移温度より低いことが好ましい。加熱温度が工程シート原版のガラス転移温度以上であると、加熱時に工程シート原版の凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
加熱後の冷却温度としては、凹凸パターンを高い精度で転写させることができることから、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満であることが好ましい。
(d)〜(f)の方法では、熱による変形が小さい2次工程シートを工程シートとして用いるため、凹凸パターン形成シート用の材料として、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。
また、工程シート原版として用いた凹凸パターン形成シートあるいは2次工程シートを剥離せずに保護層として用い、光学素子の使用直前に保護層を剥離してもよい。
(1)平均ピッチ、平均深さの求め方
製造例1〜7の凹凸パターン形成シートの光学素子の上面を、原子間力顕微鏡(日本ビーコ社製ナノスコープIII)により測定した。
製造例1〜7の凹凸パターン形成シートの光学素子では、原子間力顕微鏡の測定結果から凹凸パターンを10箇所で測定し、それらを平均して平均ピッチおよび平均深さを求めた。
製造例1〜7の凹凸パターン形成シートのシワの状態を目視で観察した。
製造例1および6で得られた凹凸パターン形成シートについて、オプトシリウス株式会社製反射率測定装置を用いて反射率を全幅方向に等間隔で10箇所測定した。
また、製造例2〜5および7で得られた凹凸パターン形成シートについて、凹凸パターンが形成された面と反対の面から蛍光灯を照射し、凹凸パターンが形成された面からの出光の異方拡散性を、全幅方向に等間隔で10箇所測定したときの均一性を目視で評価した。
上述の凹凸パターン形成シートの光学素子適性、シワの状態および幅方向の光学性能の均一性を以下の基準で目視評価した。
◎:凹凸パターンが光学素子として適しており、シワの状態および幅方向の光学性能の均一性が極めて優れる。
○:凹凸パターンが光学素子として適しており、シワの状態および幅方向の光学性能の均一性が優れる。
△:凹凸パターンが光学素子として適しているが、シワの状態および幅方向の光学性能の均一性が劣る。
加熱収縮性フィルムとして、幅方向に熱収縮する厚さ50μmの連続シート状ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名ヒシペットLX−10S)の片面に、二酸化ケイ素を厚さが3nmになるように真空蒸着させ、表面平滑硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートの両耳部を把持し、張力を作用させながら、100℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(すなわち、収縮率60%で収縮させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
加熱収縮性フィルムとして、幅方向に熱収縮する厚さ50μmの連続シート状ポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名ヒシペットLX−14S、ガラス転移温度70℃)の片面に、トルエンで希釈したポリスチレン(ポリマーソース株式会社製、商品名PS、ガラス転移温度100℃)を厚さが0.5μmになるように塗工機により塗工し、硬質層を形成して積層シートを得た。
次いで、その積層シートの両耳部を把持し、張力を作用させながら、95℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(すなわち、収縮率60%で収縮させ)、硬質層が、収縮方向に対して直交方向に沿って波状の凹凸パターンを有する凹凸パターン形成シートを得た。
積層シートの両耳部を把持し、張力を作用させながら、80℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの60%に熱収縮させた(すなわち、収縮率40%で収縮させた)こと以外は、製造例2と同様にして、凹凸パターン形成シートを得た。
積層シートの両耳部を把持し、張力を作用させながら、97℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの30%に熱収縮させた(すなわち、収縮率70%で収縮させた)こと以外は、製造例2と同様にして、凹凸パターン形成シートを得た。
製造例2と同様の方法で得た積層シートの両耳部を把持し、張力を作用させながら、95℃で1分間加熱することにより、加熱前の長さの40%に熱収縮させた(すなわち、収縮率60%で収縮させた)後、温度を95℃に維持した状態で、加熱前積層シートの長さの5%の拡幅処理を行い、凹凸パターン形成シートを得た。
加熱の際に積層シートの両耳部を把持しないこと以外は、製造例1と同様にして凹凸パターン形成シートを得た。
加熱の際に積層シートの両耳部を把持しないこと以外は、製造例2と同様にして凹凸パターン形成シートを得た。
また、製造例2から製造例5、製造例7は、異方性拡散体に関する製造例を示した。製造例5が最も良好であった。
10a 積層シート
11 加熱収縮性フィルム
12 硬質層
12a 表面が平滑の硬質層(表面平滑硬質層)
13 凹凸パターン
13b 底部
Claims (3)
- 加熱収縮性フィルムの片面または両面に、硬質層が、少なくとも1層積層された積層シートの状態で、該積層シートの少なくとも一方向に張力を作用させて、加熱収縮させることにより、前記積層シートの少なくとも硬質層を蛇行変形させることを特徴とする凹凸パターン形成シートの製造方法。
- 前記加熱収縮性フィルムが、少なくとも幅方向に加熱収縮する連続シート状加熱収縮性フィルムであり、該連続シート状加熱収縮性フィルムの片面または両面に、硬質層を少なくとも1層積層し、連続シート状積層シートを作製する工程と、該連続シート状積層シートを加熱収縮ゾーンに導入する工程と、加熱収縮ゾーンの入口から出口にかけて、該連続シート状積層シートの幅が連続的に減少するように張力を与える工程を有する請求項1記載の凹凸パターン形成シートの製造方法。
- 前記凹凸パターンの平均ピッチが50nm〜100μm、凹凸パターンの底部の平均深さが前記平均ピッチを100%とした際の10%以上である請求項1及び/または2に記載の方法で製造された凹凸パターン形成シート。
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