JP5621298B2 - 表面微細凹凸体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、凹凸パターンの平均ピッチが1〜10μmの表面微細凹凸体は、光拡散体として利用できることが知られている(特許文献1,2)。
また、特許文献4には、同様の方法で表面微細凹凸体を製造した後、その凹凸パターン上に金属細線状の金属層を形成することで、ワイヤーグリッド偏光板を製造できることが記載されている。
本発明の転写体の製造方法は、前記製造方法で製造された表面微細凹凸体の前記凹凸パターンを転写する転写工程を有することを特徴とする。
前記製造方法で製造された表面微細凹凸体または転写体は、例えば、反射防止体、ワイヤーグリッド偏光子などの光学素子に好適に使用される。
(表面微細凹凸体)
図1は、本実施形態の製造方法で製造されるシート状の表面微細凹凸体を模式的に示すものである。この表面微細凹凸体10は、樹脂製の加熱収縮性フィルムが加熱により収縮(熱収縮)した基材11と、基材11の片面全体に設けられた樹脂製の硬質層12とを備えて構成され、硬質層12がシート状の表面に沿って周期的に繰り返される波状の凹凸パターン12aを有するものである。
図1の表面微細凹凸体10は、一軸方向(この例では、Cross Machine Direction:CD方向(幅方向))に主に加熱収縮する加熱収縮性フィルムを基材11として具備したものである。そのため、この例では、CD方向が収縮の主方向(以下、主収縮方向という。)であり、凹凸パターン12aを形成している筋状の凸部と凹部とは、CD方向と直交する方向(Machine Direction:MD方向)に沿って延びて形成されている。
以下、ヤング率は、JIS K 7113−1995に準拠して測定した値である。
加熱収縮温度における基材11と硬質層12とのヤング率の差は、凹凸パターン12aを容易に形成できることから、0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。
例えば、表面微細凹凸体10が反射防止体に使用される場合には、1〜100nmの範囲が好ましく、異方性拡散体に使用される場合には、0.05〜5μmの範囲が好ましく、ワイヤーグリッド偏光子に使用される場合には、1〜100nmの範囲が好ましい。このような硬質層12の厚みであれば、それぞれの用途に応じた適切なサイズの凹凸パターン12aを形成することができる。
また、基材11と硬質層12との間には、密着性の向上やより微細な構造を形成することを目的として、プライマー層を形成してもよい。
また、硬質層12の上には、樹脂層を設けてもよい。
具体的には、表面微細凹凸体10の用途が例えば異方性拡散体の場合には、1〜20μmが好適である。また、このような拡散体用途である場合に、最頻ピッチが1μmを超え、5μm以下であると、ギラツキが抑制され、視認性に優れた拡散体とすることができる。一方、表面微細凹凸体10の用途が反射防止体やワイヤーグリッド偏光子の場合には、0.2μm以下が好適である。また、凹凸パターン12aを容易に形成できる点からは、好ましくは0.05μm以上である。
すなわち、凹凸パターンについて、原子間力顕微鏡、レーザー顕微鏡などによりHeight像を観察(グレースケール画像に変換する)し、その観察したグレースケール画像をフーリエ変換する。このフーリエ変換像は、フーリエ変換像のXF−YF座標面上に、頻度が濃淡で表される。これには凹凸パターン12aのピッチおよび配向の情報が含まれる。
ついで、このフーリエ変換のZF軸情報の頻度について、必要に応じてスムージングを行う。フーリエ変換像の中心部を除く部分の最大頻度を示す位置(XFmax、YFmax)から、最頻ピッチA=1/{√(XFmax 2+YFmax 2)}を求める。なお、最頻ピッチは、各ピッチの平均値とみてもよい。
また、各ピッチA1,A2,A3・・・は、連続的に変化しても構わない。
平均深さHとは、凹凸パターンの凸部のピークから凹部の底までの深さの平均のことを意味し、ここでは次のようにして求める。
すなわち、凹凸パターンを原子間力顕微鏡により観察し、その観察から表面微細凹凸体10の断面図(筋状の凸部および凹部と直交する方向に切断した表面微細凹凸体の厚み方向の断面図)を得る。1つの凹部の底までの深さは、両隣の2つの凸部のピークから凹部の底までの距離の和の1/2である。そこで、無作為に抽出した10個以上の各凹部について、このように両隣の2つの凸部のピークから凹部の底までの距離の和を求め、さらにその1/2をそれぞれ求め、得られた値の平均値を平均深さHとする。
また、各深さH1,H2,H3・・・は、平均深さHが最頻ピッチAを100%とした際の10%以上であることを満たした上で、連続的に変化しても構わない。
配向度は、以下のようにして求められる。
すなわち、上述と同様にしてフーリエ変換像を求め、その最大輝度部分をXF−YF座標面のXF軸上にθだけ回転させてXF軸上に最大輝度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像を作成し、(XFmax、YFmax)を通るYF軸に並行な補助線Y’Fを引き、補助線Y’Fを横軸として、補助線Y’F上の輝度(ZF軸)を縦軸としたY’F−ZF図を作成する。このY’F−ZF図のY’F軸の値を最頻ピッチの逆数(1/A)で割ったY”F−ZF図を作成し、Y”−ZF図からピークの半値幅W(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)を求める。この半値幅Wが配向度である。
以上説明した表面微細凹凸体10は、加熱収縮性フィルムからなる樹脂製の基材11の少なくとも片面に、樹脂製の硬質層12を設けて積層フィルムを形成する積層フィルム形成工程と、得られた積層フィルムを加熱して基材11を収縮させることにより、硬質層12を折り畳むように変形させ、凹凸パターンを形成する収縮工程とを有する方法により製造できる。この際、収縮工程では、主収縮方向と直交する方向には収縮しないように、直交する方向を拘束しながら、積層フィルムを収縮させる。この方法によれば、深さが大きな凹凸パターン12aを備えた表面微細凹凸体10を製造できる。
具体的には、主収縮方向と直交する方向における積層フィルムの両端部を把持して固定するなどして拘束し、積層フィルムの主収縮方向と直交する方向に沿って、積層フィルムに張力が加わるような状態で、収縮工程を行う方法が挙げられる。
なお、本発明における収縮率とは、(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}/(収縮前の長さ)×100 である(但し、いずれの長さも収縮の主方向の長さである)。
基材11を熱収縮させる際の加熱温度(加熱収縮温度)は、使用する加熱収縮性フィルムの種類および目的とする凹凸パターン12aのピッチ、深さなどに応じて適宜選択することが好ましい。具体的には、硬質層12を構成する第2の樹脂のガラス転移温度Tg2以上の温度でもよいが、好ましくは、上述のとおり、硬質層12を構成するガラス転移温度Tg2と基材11を構成する第1の樹脂のガラス転移温度Tg1との間の温度で行うことが好ましい。このようにTg2とTg1の間の温度で熱収縮させると、基材11のヤング率が硬質層12のヤング率より高くなる条件で加工でき、その結果、硬質層12に凹凸パターン12aを容易に形成できる。
このような表面微細凹凸体10を使用することによって、反射率が小さく、透過率が大きな反射防止体を提供することができる。
また、詳しくは後述するが、このように深さの大きな凹凸パターンを備えた表面微細凹凸体10を用いると、ワイヤーグリッド偏光子を製造するにあたって、この表面金属凹凸体10の凹凸パターンに沿って、金属細線を精度よく形成することができる。その結果、偏光特性の優れたワイヤーグリッド偏光子を提供することができる。
仮に収縮工程において、主収縮方向と直交する方向を拘束しない場合には、一軸方向(この例ではCD方向)に主に加熱収縮する加熱収縮性フィルムを基材11に用いた場合でも、主収縮方向と直交する方向にも意図せず収縮してしまい、その結果、形成される凹凸パターンは深さの小さいものとなる。
上述の表面微細凹凸体10の凹凸パターンを転写する転写工程を行うことにより、凹凸パターン12aが転写された転写体を製造することができる。
転写体としては、上述の表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが転写された樹脂シート状の転写体が挙げられる。樹脂製のシート状の転写体は、上述の表面微細凹凸体10と同様に、光学素子などの用途に好適に使用できる。
(a)表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが形成された面に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗布する工程と、活性エネルギー線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を表面微細凹凸体10から剥離する工程とを有する方法。ここで、活性エネルギー線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本明細書においては、可視光線、X線、イオン線等も含むものとする。
(b)表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが形成された面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗布する工程と、加熱して前記液状熱硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を表面微細凹凸体10から剥離する工程とを有する方法。
(c)表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが形成された面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、該シート状の熱可塑性樹脂を表面微細凹凸体10に押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却する工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を表面微細凹凸体10から剥離する工程とを有する方法。
2次工程用成形物を用いる具体的な方法としては、下記(d)〜(f)の方法が挙げられる。
(e)表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが形成された面に、めっき層(凹凸パターン転写用材料)を積層する工程と、そのめっき層を表面微細凹凸体10から剥離して、金属製の2次工程用成形物を作製する工程と、該2次工程用成形物の凹凸パターンと接していた側の面(凹凸パターンが転写された面)に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗布する工程と、加熱により該樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を2次工程用成形物から剥離する工程とを有する方法。
(f)表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが形成された面に、めっき層(凹凸パターン転写用材料)を積層する工程と、そのめっき層を表面微細凹凸体10から剥離して、金属製の2次工程用成形物を作製する工程と、該2次工程用成形物の凹凸パターンと接していた側の面(凹凸パターンが転写された面)に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、該シート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物に押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却する工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物から剥離する工程とを有する方法。または、前記と同様の方法で作製した2次工程用成形物の凹凸パターンと接していた側の面(凹凸パターンが転写された面)に、溶融状態の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、溶融状態の熱可塑性樹脂を冷却しシート状とする工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物から剥がす工程とを有する方法。
未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。
また、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。
未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂には、硬化後の硬度を上昇させる目的で、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を使用してもよい。また、反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子を含有してもよい。
なお、表面微細凹凸体10は、枚葉のシートであってもよい。枚葉のシートを用いる場合、枚葉のシートを平板状の型として使用するスタンプ法、枚葉のシートをロールに巻きつけて円筒状の型として使用するロールインプリント法等を適用できる。また、射出成形機の型の内側に枚葉の表面微細凹凸体10を配置させてもよい。
また、(b)の方法における硬化温度は、表面微細凹凸体10のガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度が表面微細凹凸体10のガラス転移温度以上であると、硬化時に転写体の凹凸パターン12aが変形するおそれがあるからである。
シート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物に押圧する際の圧力は1〜100MPaであることが好ましい。押圧時の圧力が1MPa以上であれば、凹凸パターンを高い精度で転写させることができ、100MPa以下であれば、過剰な加圧を防ぐことができる。
また、(c)の方法における熱可塑性樹脂の加熱温度は、表面微細凹凸体10のガラス転移温度より低いことが好ましい。加熱温度が表面微細凹凸体10のガラス転移温度以上であると、加熱時に表面微細凹凸体10の凹凸パターン12aが変形するおそれがあるからである。
加熱後の冷却温度としては、凹凸パターン12aを高い精度で転写させることができることから、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満であることが好ましい。
以上説明した樹脂シート状の転写体は、例えば、異方性拡散体、ワイヤーグリッド偏光子、位相差板、反射防止体などの光学素子に好適に使用される。
また、凹凸パターンが形成されていない側の面には、例えば、反射防止体の基材として、例えばトリアセチルセルロース等の樹脂製のシートなどが備えられていてもよい。
本発明の製造方法では、収縮工程において、主収縮方向と直交する方向には収縮しないように、積層フィルムに力を作用させながら収縮させているため、反射防止体としての反射防止性能が高い、深さが大きな凹凸パターン12aを備えた表面微細凹凸体10を製造できる。そのため、その転写体も同様に反射防止性能が高い、深さが大きな凹凸パターンを備えたものとなる。反射防止体用途の場合の凹凸パターンの具体的な平均深さは、0.1〜0.5μmが好適である。
画像表示装置に取り付けた場合には、照明の映りこみを防止できるため、画像の視認性が向上する。発光ダイオードの発光部先端に取り付けた場合には、光の取り出し効率が向上する。太陽電池パネルの表面に取り付けた場合には、光の取り込み量が多くなるため、太陽電池の発電効率が向上する。
反射防止体には、転写体ではなく、表面微細凹凸体10を用いることもできる。
ワイヤーグリッド偏光子は、光の一方の偏光成分を透過し、他方を反射する反射型の偏光子である。ワイヤーグリッド偏光子は、平行に配置された多数の金属細線に垂直に振動する光を透過し、金属細線に平行に振動する光を反射する特性を有する。ワイヤーグリッド偏光子が偏光特性を示すのは、金属細線の周期が使用する光の波長より十分に短い場合である。
金属系蒸着層の金属種としては、蒸着できる金属であれば公知のものを使用でき、ゲルマニウム、スズ、シリコン等の半金属やITO(酸化インジウム−スズ)などの金属化合物も含む。具体的には、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマス、ITOよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくはアルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、コバルト、金、銀、銅、ITOであり、特に好ましくは値段、金属光沢の安定性等の理由によりアルミニウムおよび/またはニッケルである。
金属系蒸着層の表面は、空気暴露により酸化されていても構わない。
ここで斜方蒸着角は、図2に示すように、金属の蒸着源Pと蒸着される場所Qを結んだ直線(以下、J線と呼ぶ。)と、蒸着される場所Qを通るシート法線方向の直線(シート面に対して直交する線。以下、H線と呼ぶ。)とのなす角度(J線とH線のなす角)αのことであり、J線とH線が一致する場合は斜方蒸着角が0°である。なお、ここでシート法線方向とは、表面微細凹凸体10全体または転写体全体としてのシート面に対する法線方向のことであり、各凹部や各凸部に対応した各々の法線のことではない。
また、斜方蒸着したシート状の転写体を該転写体の中心を軸として180°回転させて、再度蒸着することもできる。例えば、ロールツーロール式蒸着の場合は、シート搬送方向と凹部および凸部に沿う方向とが一致する場合、あるいはこれらの方向がなす角が45°以下の場合は、斜方蒸着したシートを180°回転させて、再度蒸着することが、得られる偏光板の偏光特性の面内均一性の観点から好ましい。なお、ここで「180°回転させて再度蒸着する」とは、斜方蒸着角αで蒸着した後、斜方蒸着角−αで蒸着することと同じことである。
ナノ金属塗布層は公知の塗布方式により形成することができる。例えば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等を好ましく挙げることができる。
また、ワイヤーグリッド偏光子には、必要に応じて公知の粘着層、反射防止層、拡散層、視野角補正層(液晶ディスプレーにこの偏光板を用いる場合は、例えばディスコティク液晶を斜め配向した視野角補正層、コレステリック液晶を用いた視野角補正層、棒状の液晶を配向させた視野角補正層等を設けることもできる。)を設けることができる。また位相差板、その他機能向上のため各種フィルム等を貼り合わせて用いたり、組み合わせて用いたりすることもできる。
また、このワイヤーグリッド偏光子は、公知の各種フラットパネルディスプレーに好ましく用いることができる。より好ましくは、液晶ディスプレー(LCD)、有機ELディスプレー、無機ELディスプレーである。従来からのヨウ素吸収型偏光板あるいは染料吸収型偏光板に変えて、これらのディスプレーに上述のワイヤーグリッド偏光子を用いることにより、輝度を向上させることができる。これは上述のワイヤーグリッド偏光子がS波(またはP波のどちらか)を選択的に反射するため、その反射されたS波(またはP波)を再度位相変換し透過可能なP波(またはS波)として有効利用できるからである。このワイヤーグリッド偏光子は、従来からのヨウ素吸収型偏光板あるいは染料吸収型偏光板と組み合わせて、必要に応じて貼り合わせるなどして、用いることもできる。
ワイヤーグリッド偏光子には、転写体ではなく、表面微細凹凸体10を用いることもできる。
以上説明した表面微細凹凸体の形態は上述した実施形態に限定されない。例えば、波状に繰り返される周期的な凹凸パターンの形成方向は、表面微細凹凸体のCD方向でもMD方向でもよい。また、凸部の形状は屈折率の点では、先端が尖っていることが好ましいが、先端が丸みを帯びていても構わない。また、表面微細凹凸体の形状はシート状の他、板状など他の形状であってもよい。
また、基材と硬質層の間には、密着性向上等の必要性に応じて、プライマー層が設けられていてもよい。
<製造例>
(積層フィルム形成工程)
基材として、表面が平坦で、一軸方向(CD方向)に主に加熱収縮する厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂社製ヒシペットLX−61S、ガラス転移温度70℃)を用いた。この片面に、ポリメタクリル酸メチル(ポリマーソース社製P4831−MMA、重量平均分子量11万、分散度(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比:Mw/Mn)1.15、ガラス転移温度95℃)をトルエンに希釈した液をグラビアコーティングにて塗工して硬質層を形成し、表面が平坦な積層フィルムを得た。この際、硬質層は、乾燥後の塗工厚さが0.05μmになるよう塗工して形成した。
なお、重量平均分子量および重合分散度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定した。分子量の標準物質としては既知の分子量のポリスチレンを用いた。測定には、カラムとして、東ソー社製TSKgel HZシリーズを用い、また、溶離液としてTHFを使用し、流速0.35ml/分、温度40℃の条件により行った。
また、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を使用して測定した。
次に、この積層フィルムを1m角に断裁したものについて、主収縮方向に直交する方向(MD方向)が収縮したり延伸したりしないように、MD方向の両端部を把持して拘束し、積層フィルムに張力が作用する状態としながら、90℃の乾燥機内で1分間、収縮工程を行った。
収縮後の積層フィルム(表面微細凹凸体)は55cm(主収縮方向)×100cm(主収縮方向に直交する方向)の大きさであった。
主収縮方向の収縮率は、45%であった。
表面微細凹凸体の硬質層側の表面を原子力顕微鏡(日本ビーコ社製ナノスコープIII)により測定した。
この原子力顕微鏡画像から、既に説明した方法により最頻ピッチAを求めた。
すなわち、顕微鏡画像をグレースケール画像に変換した後、2次元フーリエ変換を行った。このフーリエ変換像の頻度(ZF)のスムージングを行い、フーリエ変換像の中心部を除く部分の最大頻度を示す位置(XFmax、YFmax)から最頻ピッチA=1/{√(XFmax 2+YFmax 2)}を求めた。その結果、最頻ピッチA1は160nmであった。
続いて、このフーリエ変換画像を用いて、既に説明した方法により配向度を求めた。
すなわち、フーリエ変換像の最大輝度部分をXF−YF座標面のXF軸上にθだけ回転させてXF軸上に最大輝度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像を作成し、(XFmax、YFmax)を通るYF軸に並行な補助線Y’Fを引き、補助線Y’Fを横軸として、補助線Y’F上の輝度(ZF軸)を縦軸としたY’F−ZF図を作成した。このY’F−ZF図のY’F軸の値を最頻ピッチの逆数(1/A)で割ったY”F−ZF図を作成し、Y”−ZF図からピークの半値幅W1(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)を求めた。半値幅、すなわち配向度W1は、0.15であった。また、原子間力顕微鏡測定より得られる断面画像にて、凹凸パターンの凸部のピークから凹部の底までの深さを10箇所について測定し、平均深さH1を求めたところ、125nmであった。結果を表1に示す。
次に、得られた表面微細凹凸体の凹凸パターンのニッケル電鋳によりスタンパーを製造し、ロールtoロールUVナノインプリント機(東芝機械社製)にてPET基材(コスモシャインA4300:厚さ100μm[東洋紡社製])とUV樹脂(PAK−02[東洋合成社製])用いて、転写シート(凹凸パターンを有する転写体)を製造した。
得られた転写シートの凹凸パターンについて、上記と同様にして平均深さH2、最頻ピッチA2、配向度W2を求めた。結果を表1に示す。
得られた転写シートの光学素子としての性能として、反射率および透過率を日本分光の評価装置(V−7200)を用いて評価したところ、表1に示すように、波長550nmでの反射率は0.8%、透過率は94%であった。
次に比較として、収縮工程において、主収縮方向に直交する方向に拘束しないで加熱収縮を行い、収縮フィルムを得た。収縮後のフィルムは55cm(主収縮方向)×93cm(主収縮方向に直行する方向)の大きさであった。この収縮フィルムから同様にして転写シートを得た。これらについても、平均深さH1、H2、最頻ピッチA1、A2、配向度W1、W2を求めた。また、この転写シートの波長550nmでの反射率と透過率を同様に測定したところ、反射率は2.2%、透過率は91%であった。結果を表2に示す。
11 基材
12 硬質層
12a 凹凸パターン
Claims (8)
- 加熱収縮性フィルムからなる樹脂製の基材の少なくとも片面に、樹脂製の硬質層を設けて積層フィルムを形成する積層フィルム形成工程と、
前記積層フィルムを加熱して前記基材を収縮させることにより、前記硬質層を折り畳むように変形させ、凹凸パターンを形成する収縮工程とを有し、
前記収縮工程では、前記収縮の主方向と直交する方向には収縮せず、かつ延伸しないように、該直交する方向を拘束しながら、前記積層フィルムを収縮させることを特徴とする表面微細凹凸体の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする表面微細凹凸体。
- 請求項2に記載の表面微細凹凸体の前記凹凸パターンを転写する転写工程を有することを特徴とする転写体の製造方法。
- 前記転写工程は、
前記表面微細凹凸体の前記凹凸パターンが形成された面に、多官能(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を含有する未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗布する工程と、
活性エネルギー線を照射して前記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を前記表面微細凹凸体から剥離する工程とを有することを特徴とする請求項3に記載の転写体の製造方法。 - 請求項3または4に記載の製造方法で製造された転写体。
- 請求項2に記載の表面微細凹凸体または請求項5の転写体を備えることを特徴とする光学素子。
- 反射防止体であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
- ワイヤーグリッド偏光子であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
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