JP2008303938A - オイルシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転部材の外周面に摺接する摺接部に生じた摩擦熱を充分に低下させることができ、簡単な構造で、摺接部の摩耗が少ない耐久性に優れたオイルシール構造を提供すること。
【解決手段】内部に潤滑オイルLが封入されたケース12とクランクシャフト13との間をシールするオイルシール構造10において、クランクシャフト13を囲んでケース12とクランクシャフト13の間に位置し、ケース12の内部に開口する開口端を有してケース12に支持された環状のオイルシール11を設け、オイルシール11が、摺接部を有する放射内方側壁と、嵌合部を有する放射外方側壁と、開口端に対向して放射内方側壁と放射外方側壁とを連結する連結側壁とを有し、放射内方側壁と放射外方側壁との間に潤滑オイルLを滞留させるオイル溜まり35を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑オイルを密封するオイルシール構造に関し、詳しくは、自動車のクランクシャフトの端部からエンジンオイルが外部に漏出しないよう密封するクランクシャフトのオイルシール構造に関する。
一般に、この種のオイルシール構造は、内部に潤滑オイルが封入されたケースとケースに回転自在に支持された回転部材との間をシールするよう、ケースの内部に開口する開口端を有してケースに支持された環状のオイルシールを設け、このオイルシールが、回転部材の外周面に摺接する摺接部と、ケースに嵌合する嵌合部と、この摺接部と嵌合部とを連結する側壁部と、を含んで構成されており、この摺接部の内壁面、側壁部の内壁面および嵌合部の内壁面に潤滑オイルが掛かるようになっている。この構成により、潤滑オイルが摺接部に供給されると、摺接部が潤滑され、さらに、摺接部、側壁部および嵌合部の各内壁面を通過して、摺接部、嵌合部および側壁部が冷却されるようになっている。
この摺接部は回転部材の外周面と所定の圧力(kPa)で接触しているので、回転部材が所定の回転速度(周速:m/s)で回転すると、この摺接部で摩擦熱が生じ易い。ここで摩擦熱による摺接部の温度上昇をΔTとし、回転部材の周速をS(m/s)とし、摺接部のシール形式、例えば、ばね無し、ばね入りやばね入りダストリップ付きなどにより定まる定数をKとすると、おおまかに温度上昇ΔT(℃)は、次式、ΔT≒K√Sで表され、回転部材の周速Sが高くなるほど、摺接部の温度上昇ΔTが高くなる関係にある。
このため、回転部材が高速回転になるほど摺接部の温度が高くなり、摺接部が劣化するいわゆるリップ表面焼けが生ずる。このようなリップ表面焼けが発生すると、摺接部の摩耗が促進されてしまい、オイル漏れの原因となるので、この種のオイルシール構造において、摺接部の温度が上昇しないよう防止する温度上昇防止対策が採られている。
従来、この種のオイルシール構造として、内燃機関の外側に位置するシリンダブロックの外側面および軸受キャップの外側面の少なくともいずれかに、オイルシールのリップ部に潤滑オイルを供給するためのオイル供給壁部を設け、リップ部に直接潤滑オイルを供給してリップ部を冷却するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のオイルシール構造として、内燃機関のクランク軸端部にオイルシールケースを設け、クランク軸の軸受用の軸受キャップに形成した突出部とオイルシールケースの先端部とがオーバラップするようにして、オイルシールのリップ部に潤滑オイルを供給し易くし、リップ部を潤滑しリップ部を冷却するようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
実用新案登録第2568533号公報 実開昭55−168713号公報
しかしながら、従来のオイルシール構造においては、内燃機関の潤滑オイルがリップ部に供給されリップ部が潤滑されるものの、リップ部に供給された潤滑オイルは、リップ部の表面を流動するだけで、オイルシール構造の下部に設けられているオイルパン内に落下してしまうので、オイルシール構造内で潤滑オイルが貯留することはない。その結果、温度の高いリップ部の熱を比較的温度の低い潤滑オイルに移動させる熱交換が充分になされず、リップ部に生じた摩擦熱を充分に低下させることができないという問題があった。
また、従来のオイルシール構造においては、クランク軸の軸受用の軸受キャップに突出部を形成するとともに、この突出部とオイルシールケースの先端部とがオーバラップするよう構成されているので軸受キャップとオイルシールケースとにより構成されるオイルシール構造が複雑になってしまうという問題があった。
本発明は、前述のような従来の諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、回転部材の外周面に摺接する摺接部に生じた摩擦熱を充分に低下させることができ、簡単な構造で、摺接部の摩耗が少ない耐久性に優れたオイルシール構造を提供することを目的とする。
本発明に係るオイルシール構造は、上記目的達成のため、(1)内部に潤滑オイルが封入されたケースと前記ケースに回転自在に支持された回転部材との間をシールするオイルシール構造において、前記回転部材を囲んで前記ケースと前記回転部材の間に位置し、前記ケースの内部に開口する開口端を有して前記ケースに支持された環状のオイルシールを設け、前記オイルシールが、前記回転部材の外周面に摺接する摺接部を有する放射内方側壁と、前記ケースに嵌合する嵌合部を有する放射外方側壁と、前記開口端に対向して前記放射内方側壁と前記放射外方側壁とを連結する連結側壁と、を有し、前記放射内方側壁と前記放射外方側壁との間に潤滑オイルを滞留させるオイル溜まりを設けたことを特徴とする。
この構成により、例えば、エンジンが始動して回転部材が回転すると、エンジン内のポンプも起動し、オイルパン内に貯蔵された潤滑オイルが、エンジンの各潤滑要素に供給される。この潤滑オイルは、ケース内および回転部材内に形成されたオイル通路を経由して回転部材の軸受に供給される。この軸受に供給された潤滑オイルは、さらにオイルシールに供給される。また、ケース内および回転部材内に形成されたオイル通路を流動した潤滑オイルは、そのオイル通路から直接オイルシールに供給される。このようにオイルシールに供給された潤滑オイルは、摺接部を潤滑するとともに、その摺接部および嵌合部の内周面に掛かり、または内周面に沿って流動し、摺接部および嵌合部の各内周面から、摺接部と回転部材の外周面との接触部分で生じた摩擦熱を受け取り、さらに、オイル溜まりで貯留する。潤滑オイルがオイル溜まりで貯留している間に、比較的高温になっているオイルシールの熱エネルギーが、貯留している潤滑オイルに移転するいわゆる熱交換が行われる。熱交換が行われた潤滑オイルは、後からオイルシールに供給される潤滑オイルに押し流されて、オイル溜まりから下部のオイルパンの方向に落下する。回転部材が回転するとともにケースの振動に伴って回転部材が振動するので、オイル溜まりに貯留する潤滑オイルは、一時的に貯留した後オイル溜まりから外側に排出され、順次新たな潤滑オイルが貯留する。そのため、オイルシールに生じた摩擦熱は、オイル溜まりで一時的に貯留している潤滑オイルにより奪われ、オイルシールの温度が低下する。特に摺接部の温度が低下すると、摺接部の劣化が防止され耐久性が向上する。また、本発明に係るオイルシール構造においては、摺接部と嵌合部との間に潤滑オイルを貯留させるオイル溜まりを備えるだけの簡単な構造で、摺接部の劣化が防止され耐久性の向上が実現される。
本発明に係るオイルシール構造は、上記(1)に記載のオイルシール構造において、(2)前記放射外方側壁が、前記オイルシールの開口端に向かって突出するオイルシール突出部を有し、前記オイル溜まりが、前記放射外方側壁の内周面と、前記連結側壁の内周面と、前記オイルシール突出部の内周面と、により画成されるよう構成されてもよい。
この構成により、オイル溜まりが、放射外方側壁の内周面と、連結側壁の内周面と、オイルシール突出部の内周面とにより画成されると、オイルシールに供給された潤滑オイルは、その摺接部および嵌合部の内周面に掛かり、または内周面に沿って流動した後、オイルシール突出部の内周面で下方に落下するのを確実に阻止される。その結果、下方に落下しようとする潤滑オイルは、放射外方側壁の内周面とオイルシール突出部の内周面とにより確実に貯留される。
本発明に係るオイルシール構造は、上記(1)に記載のオイルシール構造においては、(3)前記ケースの一部を構成し前記オイルシールを保持するオイルシールリテーナを備え、前記オイルシールリテーナが、前記嵌合部と嵌合するリテーナ円筒部と、前記リテーナ円筒部の内周面から前記オイルシールの開口端に向かって突出して前記リテーナ円筒部と一体的に形成されたリテーナ突出部と、を有し、前記オイル溜まりが、前記放射外方側壁の内周面と、前記連結側壁の内周面と、前記リテーナ突出部の内周面と、により画成されるよう構成されてもよい。
この構成により、オイル溜まりが、放射外方側壁の内周面と、連結側壁の内周面と、リテーナ突出部の内周面とにより画成されるので、オイルシールに供給された潤滑オイルは、その摺接部および放射外方側壁の内周面に掛かり、または内周面に沿って流動した後、リテーナ突出部の内周面で下方に落下するのを確実に阻止される。その結果、下方に落下しようとする潤滑オイルは、放射外方側壁の内周面と、連結側壁の内周面と、リテーナ突出部の内周面とにより確実に貯留される。
本発明によれば、回転部材の外周面に摺接する摺接部に生じた摩擦熱を充分に低下させることができ、簡単な構造で、摺接部の摩耗が少ない耐久性に優れたオイルシール構造が得られる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るオイルシール構造を自動車のクランクシャフトの端部からエンジンオイルが外部に漏出しないよう密封するクランクシャフトのオイルシール構造に適用した例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、オイルシール構造の要部断面図を示し、(b)は、図1(a)の矢印Aで示す部分の拡大図を示す。図2は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の要部斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の側面の一部を切断した部分断面図である。
まず、その構成について説明する。
図1(a)、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造10は、オイルシール11と、ケース12と、回転部材としてのクランクシャフト13と、により構成されている。
図3に示すように、オイルシール11は、例えばフッ素樹脂などの耐油性のある弾性材料で成形された円環体からなり、放射内方側壁31と、放射外方側壁32と、連結側壁33とで構成されており、ケース12の内部に開口する開口端30を有している。
放射内方側壁31は、その放射内方に突出した山形の断面を有しており、この山形の摺接部31aでクランクシャフト13の外周面13cに所定の圧力で摺接し、クランクシャフト13が回転してもエンジン内部の潤滑オイルLが外部に漏出しないようになっている。また、山形の傾斜面31bには、円周方向に対して所定の角度をなす多数の突条31cが形成されており、エンジン内部からの摺接部31aとクランクシャフト13の外周面13cとの間を通過した潤滑オイルLをエンジン内部に押し戻すねじポンプとして作用し自吸効果によるシール性を高めている。
また、摺接部31aの裏面側には、溝31dが形成されており、この溝31dに円環状のガータスプリング37が嵌め込まれ、このガータスプリング37の放射外方に向かう付勢力により摺接部31aとクランクシャフト13の外周面13cとの間の接触圧力が好適な圧力になるようにしている。この接触圧力は、低すぎるとクランクシャフト13の外周面13cと摺接部31aとの間から潤滑オイルLが漏出し易くなり、高すぎるとクランクシャフト13の外周面13cと摺接部31aに生ずる摩擦熱が高まり、摺接部31aの表面の劣化によりオイルシール11の耐久性が低下する。そのため、車種やエンジンの諸条件に対応してこの接触圧力が好適な値になるよう、ガータスプリング37の放射外方に向かう付勢力の大きさや弾性材料の種類などが適宜設定される。
また、この放射内方側壁31には、開口端30から離隔した側の端部31eでその放射内方に突出したダストリップ31fが形成されており、このダストリップ31fがクランクシャフト13の外周面13cに、前述の摺接部31aとクランクシャフト13の外周面13cとの接触圧力より軽い接触圧力で接触するよう配置されている。このダストリップ31fにより、埃などの異物が摺接部31aとクランクシャフト13の外周面13cとの接触部分に入らないようになっている。
放射外方側壁32は、円環体の放射外方に形成され、嵌合部32aとオイルシール突出部32bとで構成されており、この嵌合部32aの外周面32cから突出した凸部32dを有している。この凸部32dと、ケース12に形成された嵌合溝14a、15aの内周壁の凹部とが嵌合するようになっている。また、放射外方側壁32は、その開口端30に向かって突出して形成されたオイルシール突出部32bを有する。このオイルシール突出部32bは、嵌合部32aの内周面32fから高さH(mm)、幅L(mm)で形成されている。この高さH(mm)および幅L(mm)は、車種、エンジンの種類、クランクシャフト13の大きさその他の設計条件により適宜選択することができる。
このオイルシール突出部32bは、開口端30に向かって全周囲に突出して形成されているが、オイルシール11の下半分のみ突出させ、または、図4に示すオイル溜まり35のオイルが溜まる部分のみ突出させて形成してもよい。このように、オイルシール突出部32bを部分的に突出させて形成した場合には、シリンダブロック14の嵌合溝14aと、クランクケース15の嵌合溝15aとにより形成される円環状の嵌合溝にオイルシール11が挿入される際に、部分的に形成したオイルシール突出部32bが、クランクケース15側に位置するよう所定の治具で位置決めされる。
このようなオイルシール突出部32bが放射外方側壁32に形成されていても、オイルシール突出部32bがフッ素樹脂などの柔軟性を有している弾性材料で形成されているので、放射内方側壁31、放射外方側壁32および連結側壁33を一体成形して型抜きする際に、金型から成形体となったオイルシールを容易に型から抜き出すことができる。
また、この放射外方側壁32には、その内部に断面が四角形の金属環34が一体成形により埋め込まれており、放射外方側壁32の凸部32dと、シリンダブロック14およびクランクケース15に形成された凹部とが嵌合する際に、より強く密着するよう放射外方側壁32を補強している。
連結側壁33は、一端部で放射内方側壁31の端部31eと、他端部で放射外方側壁32の端部32eとそれぞれ一体的に連結されており、エンジン内部の潤滑オイルLが外部に漏れないようになっている。この連結側壁33は、放射内方側壁31および放射外方側壁32と異なり、その外側で直接外気に触れるとともに、その内側で直接潤滑オイルLに触れるので、潤滑オイルLと外気との温度差が大きい場合に、外側から外気により好適に冷却され、内側から潤滑オイルLにより好適に冷却される。この連結側壁33においては、その側面部の表面積が大きいほど、その表面を流動する潤滑オイルLと、連結側壁33との熱交換が促進されるので、例えば、その側面部を階段状に形成してもよい。
以上の構成により、図3に示すように、前述の放射外方側壁32の内周面32fと、連結側壁33の内周面33aと、オイルシール突出部32bの内周面32gとによりオイル溜まり35が画成されており、オイルシール11の内周面に潤滑オイルLが供給され潤滑される際に、潤滑オイルLが下部のオイルパン26に落下せず、オイル溜まり35に溜まるようになっている。
ケース12は、シリンダブロック14およびクランクケース15とにより構成されており、その内部に潤滑オイルLが封入されている。
シリンダブロック14は、軽量なアルミ合金などからなり、ピストンを収容するシリンダボア、冷却水を通すウォータジャケット、潤滑オイルLを通す油路など公知のもので形成されている。このシリンダブロック14は、例えば、直列4気筒のエンジンを構成するものでもよく、それ以外の気筒数を構成するものでもよい。また、このシリンダブロック14には、内壁に凹部を有する嵌合溝14aが円弧状に形成されており、この嵌合溝14aにオイルシール11の放射外方側壁32の嵌合部32aが嵌合するようになっている。また、V型などの他の形式のエンジンを構成するものでもよい。シリンダブロック14の下部には、凹部14bが形成されており、この凹部14bでメタルベアリング17が保持されるようになっている。
クランクケース15は、軽量なアルミ合金などからなり、その内部にクランクシャフト13が収容されるよう公知のもので形成されている。また、このクランクケース15の一端部には、内壁に凹部を有する嵌合溝15aが円弧状に形成されており、この嵌合溝15aにオイルシール11の放射外方側壁32が嵌合するようになっている。このクランクケース15は、図示しない固定ボルトにより、シリンダブロック14の下部に固定されるようになっており、クランクケース15がシリンダブロック14に固定されると、前述したシリンダブロック14の嵌合溝14aと、クランクケース15の嵌合溝15aとにより、円環状の嵌合溝が形成され、この嵌合溝にオイルシール11が所定の治具で所定の位置になるまで押し込まれ、シリンダブロック14およびクランクケース15の嵌合溝を囲む内壁部とオイルシール11の放射外方側壁32の嵌合部32aとが嵌合するようになっている。
クランクシャフト13は、エンジンの気筒数に応じたクランクピンを有し、コネクティングロッドを介してピストンと連結され、ピストンの往復運動により回転運動するよう公知のもので形成されている。また、このクランクシャフト13は、ジャーナル部13aを有しており、このジャーナル部13aで、軸受キャップ16、メタルベアリング17、18を介して、シリンダブロック14に回転自在に保持されている。また、このジャーナル部13aの端部には、ジャーナル部13aより大径で形成され、ねじ穴13dを有する拡径部としてのフランジ部13bが形成されており、このねじ穴13dにフライホイール19を固定する固定ボルト22が挿入されるようになっている。このフランジ部13bの外周面13cにオイルシール11の放射内方側壁31の摺接部31aが接触し、エンジン内部の潤滑オイルLが外周面13cに沿って外部に漏れないようになっている。
軸受キャップ16は、例えば鋳鉄(FC)などの鉄材からなり、凹部16aが上部に形成されており、この凹部16aでメタルベアリング18が保持されるようになっている。この軸受キャップ16は、固定ボルト21によりシリンダブロック14に固定されており、クランクシャフト13のジャーナル部13aがメタルベアリング17および18により滑らかに回転するようになっている。また、このメタルベアリング17および18には、エンジン内の潤滑オイルLが供給され潤滑されるようになっている。
フライホイール19は、例えば、鉄製の円盤からなり、クランクシャフト13の軸線とフライホイール19の軸線とが一致するようクランクシャフト13のフランジ部13bに固定ボルト22により固定され、クランクシャフト13と一緒に回転するようになっている。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造10の作用について説明する。
図1(a)、(b)および図2に示すように、エンジンが始動するとコネクティングロッドを介して、ピストンの往復運動が回転運動に変換されてクランクシャフト13が回転するとともに、エンジン内のポンプが起動し、図示しない吸入口およびオイルストレーナを介してオイルパン26内に貯蔵された潤滑オイルLが、エンジンの各潤滑要素に供給される。この潤滑オイルLは、シリンダブロック14内に形成された図示しないオイル通路を経由して、メタルベアリング17、18およびオイルシール11にも供給される。
この潤滑オイルLは、シリンダブロック14内およびクランクシャフト13内に形成された図示しないオイル通路を経由してクランクシャフト13のジャーナル部13aに供給される。このジャーナル部13aに供給された潤滑オイルLは、さらに、オイルシール11に供給される。また、シリンダブロック14内およびクランクシャフト13内に形成されたオイル通路を流動した潤滑オイルLは、そのオイル通路から直接オイルシール11に供給される。このようにオイルシール11に供給された潤滑オイルLは、その放射内方側壁31および放射外方側壁32の内周面に掛かり、または内周面に沿って流動し、放射内方側壁31および放射外方側壁32の各内周面から、摺接部31aとフランジ部13bの外周面13cとの接触部分で生じた摩擦熱を受け取り、さらに、オイル溜まり35で貯留する。潤滑オイルLがオイル溜まり35で貯留している間に、比較的高温になっているオイルシール11の熱エネルギー(J)が、貯留している潤滑オイルLに移転するいわゆる熱交換が行われる。
熱交換が行われた潤滑オイルLは、後からオイルシール11に供給される潤滑オイルLに押し流されて、オイル溜まり35から下部のオイルパン26の方向に落下する。クランクシャフト13が回転するとともに自動車の振動に伴ってクランクシャフト13が振動するので、オイル溜まり35に貯留する潤滑オイルLは、一時的に貯留した後オイル溜まり35から飛散し、順次新たな潤滑オイルLが貯留する。そのため、オイルシール11に生じた熱は、オイル溜まり35で一時的に貯留している潤滑オイルLにより奪われ、オイルシール11の温度が低下する。特に放射内方側壁31の温度が著しく低下するので、放射内方側壁31の劣化が防止され耐久性が向上する。
また、オイル溜まり35に、順次新たな潤滑オイルLが貯留するので、オイル溜まり35には、例えば、潤滑オイルLが変質して固まりとなるいわゆるスラッジなどの異物が堆積することはなく、循環する潤滑オイルLにより好適にオイルシールが冷却される。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の冷却効果を示すグラフである。このグラフでは、縦軸にオイルシール11の放射内方側壁31における温度上昇度ΔT(℃)を表し、横軸にクランクシャフト13のフランジ部13bにおける周速(m/s)を表している。
図5に示すように、本発明のオイルシール構造10における潤滑オイルLによるオイルシール11の冷却効果は、従来のオイルシール構造における潤滑オイルLによるオイルシールの冷却効果に対して顕著に改善されている。以下その冷却効果について説明する。
図5に示す温度上昇度ΔT(℃)は、エンジンが停止している際のオイルシール11の放射内方側壁31における測定ポイントで測定した温度と、エンジンが始動しクランクシャフト13が所定の周速(m/s)で回転している際のオイルシール11の放射内方側壁31における前述の測定ポイントと同じ測定ポイントで測定した温度との差を表している。
この測定ポイントは、放射外方側壁32のオイルシール突出部32bが最適な高さH(mm)および最適な幅L(mm)で形成された本実施の形態におけるオイルシール11において、その放射内方側壁31の表面で円周方向に等間隔に4箇所配置された測定ポイントP1〜P4をいう。この各測定ポイントP1〜P4には、接触または非接触の表面温度計などからなる温度センサが設置されており、放射内方側壁31の各測定ポイントP1〜P4の表面の温度が測定されるようになっている。
また、温度上昇度ΔT(℃)は、エンジンが停止している際の測定ポイントP1〜P4の表面温度(℃)を複数回測定して算出した相加平均Ts−aveと、エンジンが始動しクランクシャフト13が所定の周速(m/s)で回転している際の測定ポイントP1〜P4の表面温度(℃)を複数回測定して算出した相加平均Tm−aveとの差、すなわち、(Ts−ave)−(Tm−ave)を表したもので、この温度上昇度ΔTは、次式、ΔT=(Ts−ave)−(Tm−ave)で表される。
実線で示す本発明の温度上昇度ΔTの曲線グラフは、■印で表される車種Aにおける温度上昇度ΔTAと、△印で表される車種Bの温度上昇度ΔTBとから、ΔTAとΔTBの相加平均を周速毎に算出し、算出した周速毎の温度上昇度ΔTを表したものである。
他方、点線で示す従来の温度上昇度ΔTの曲線グラフは、□印で表される前述の車種Bの周速毎の温度上昇度ΔTを表したものである。この曲線グラフによれば、従来の温度上昇度ΔTは、点線で示すように、周速5m/sでは、5℃、周速10m/sでは、10℃、周速15m/sでは、14℃、周速20m/sでは、ほぼ15℃、周速25m/sでは、18.5℃となり、周速が大きくなるほど、温度上昇度ΔTが大きくなっているのが分かる。他方、本発明の温度上昇度ΔTは、実線で示すように、周速5m/sでは、ほぼ0℃、周速10m/sでは、2℃、周速15m/sでは、3℃、周速20m/sでは、4℃、周速25m/sでは、6.5℃となり、各周速において、従来の温度上昇度ΔTよりも減少していることが分かる。
このグラフに示されるように、特にクランクシャフト13の周速が約25m/sのとき、従来の温度上昇度ΔT18.5℃に対して本発明の温度上昇度ΔTは6.5℃となっており、本発明の温度上昇度ΔTは、従来の温度上昇度ΔTに対して12℃減少していることが分かる。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、ベース部の内側面を湾曲させて形成したオイルシールの断面図を示し、(b)は、ベース部とリップ部とを金属材料で連結したオイルシールの断面図を示す。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、ベース部を金属材料で形成しその端部でリップ部と連結したオイルシールの断面図を示し、(b)は、ベース部を金属材料で形成しその側面部でリップ部と連結したオイルシールの断面図を示す。
本実施の形態における放射外方側壁32は、その内周面32fを平坦に形成し、端部にオイルシール突出部32bを形成した場合について説明したが、本発明における放射外方側壁32は、図6(a)に示すように、内周面32fを所定の曲率半径rを有する円弧状に形成し、この円弧状の放射外方側壁32の端部でオイルシール突出部32bを形成するようにしてもよい。このオイルシール突出部32bは、嵌合部32aの内周面32fから高さH(mm)、幅L(mm)で形成されている。この高さH(mm)および幅L(mm)は、車種、エンジンの種類、クランクシャフト13の大きさその他の設計条件により適宜選択することができる。また、この放射外方側壁32の内部に、その断面が円弧状の金属環34を一体成形により埋め込んでもよい。この場合、オイル溜まり35は、嵌合部32aの内周面32fと連結側壁33の内周面33aとで画成される。ここで、曲率半径とは、曲線における局所的な曲がり具合を円に近似した場合、この近似した円の半径をいう。
また、本発明における放射外方側壁32は、図6(b)に示すように、その内部に断面が略コの字状の金属環36を一体成形により埋め込んで、この金属環36により放射外方側壁32と放射内方側壁31とを連結するようにしてもよい。この場合、金属環36は、外側円筒部36aと、側壁部36bと、内側円筒部36cとを一体的に形成し、外側円筒部36aで放射外方側壁32が保持され、内側円筒部36cで放射内方側壁31が保持されている。また、この場合、オイル溜まり35は、内周面32gと嵌合部32aの内周面32fと側壁部36bの内周面36dとで画成されている。
また、本発明における放射外方側壁32は、図7(a)に示すように、その内部に断面が略コの字状の金属環44により形成し、この金属環44と、放射内方側壁31を連結するようにしてもよい。この場合、金属環44においては、シール円筒部44aと、オイルシール突出部44bと、側壁部43とが一体的に形成され、側壁部43の端部で放射内方側壁31が保持されている。また、この場合、オイル溜まり35は、内周面44cとシール円筒部44aの内周面44dと側壁部43の内周面43aとで画成されている。
また、本発明における放射外方側壁32は、図7(b)に示すように、その内部に断面が略コの字状の金属環62により形成し、この金属環62と、放射内方側壁31を連結するようにしてもよい。この場合、金属環62においては、シール円筒部62aと、オイルシール突出部62bと、金属環62の側壁部62cとが一体的に形成され、側壁部62cの外周面と、連結側壁33の内周面とが接合されている。また、この場合、オイル溜まり35は、内周面62dとシール円筒部62aの内周面62eと側壁部62cの内周面62fとで画成されている。
また、本実施の形態における放射外方側壁32は、その外周面32cに凸部32dを形成し、シリンダブロック14およびクランクケース15に形成された内周壁に凹部を有する溝とが嵌合する場合について説明したが、本発明における放射外方側壁32は、その外周面32cを平坦に形成し、さらに、シリンダブロック14およびクランクケース15に内周部が平坦な溝を形成し、放射外方側壁32の外周部とシリンダブロック14およびクランクケース15に形成された溝の内周部とが嵌合するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造の要部斜視図であり、図9は、本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、オイルシールをリテーナ突出部を有するオイルシールリテーナに組込んだ状態を示す。
なお、第2の実施の形態に係るオイルシール構造50においては、第1の実施の形態におけるオイルシールおよびオイルシールリテーナが異なっているが、他の構成は、同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1(a)、(b)から図4に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
まず、その構成について説明する。
図1および図2(a)、(b)に示す第1の実施の形態におけるオイルシール構造10と同様に、本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造50は、図8に示すように、オイルシール51と、オイルシールリテーナ52と、ケース12と、クランクシャフト13とにより構成され、ケース12の内部に開口する開口端30を有している。
図9に示すように、オイルシール51は、例えばフッ素樹脂などの耐油性のある弾性材料で成形された円環体からなり、放射内方側壁31と、放射外方側壁54と、連結側壁33とで構成されている。
放射外方側壁54は、円環体の放射外方に形成され、その外周面54aに凸部54bを有している。この凸部54bと、オイルシールリテーナ52に形成された凹部52dとが嵌合するようになっている。また、この放射外方側壁54には、その内部に断面が四角形の金属環58が一体成形により埋め込まれており、放射外方側壁54の凸部54bと、オイルシールリテーナ52に形成された凹部52dとが嵌合する際に、より密着するよう放射外方側壁54を補強している。
オイルシールリテーナ52は、例えば鉄製の円環体からなり、リテーナ円筒部52aとこのリテーナ円筒部52aの内周面52fから放射内方に突出したリテーナ突出部52bとで構成されており、このリテーナ円筒部52aの内周面52fと凹部52dとでオイルシール51を保持している。
リテーナ突出部52bは、リテーナ円筒部52aの内周面52fからの高さH(mm)、幅L(mm)で開口端30に向かって形成されている。高さHは、オイルシール51がオイルシールリテーナ52に収容された際、オイルシール51の内周面54eから所定の高さで突出するよう形成されている。また、この高さH(mm)および幅L(mm)は、車種、エンジンの種類、クランクシャフト13の大きさその他の設計条件により適宜選択することができる。また、このリテーナ円筒部52aの内周面52c側に凹部52dが形成されており、この凹部52dに、オイルシール51に形成されている凸部54bが嵌合するようになっている。
このリテーナ突出部52bは、リテーナ円筒部52aの内周面52cから放射内方側壁31に向かって全周囲に突出して形成されているが、オイルシールリテーナ52の下半分のみ突出させ、または、図4に示すオイル溜まり35と同様にオイル溜まり55の潤滑オイルLが溜まる部分のみ突出させて形成してもよい。このように、リテーナ突出部52bを部分的に突出させて形成した場合には、シリンダブロック14の嵌合溝14aと、クランクケース15の嵌合溝15aとにより形成される円環状の嵌合溝にオイルシールリテーナ52が挿入される際に、部分的に形成したリテーナ突出部52bが、クランクケース15側に位置するよう所定の治具で位置決めされる。
以上の構成により、オイルシール51がオイルシールリテーナ52に収容された際、リテーナ突出部52bの内周面52cと、オイルシール51の内周面54eと、連結側壁33の内周面33aの下部によりオイル溜まり55が画成されており、オイルシール51の表面に潤滑オイルLが供給され潤滑される際に、潤滑オイルLが下部のオイルパン26に落下しないよう、オイル溜まり55に潤滑オイルLが溜まるようになっている。
以下、本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造50の作用について説明する。
図1(a)、(b)および図2に示す第1の実施の形態と同様に、エンジンが始動するとコネクティングロッドを介して、ピストンの往復運動が回転運動に変換されてクランクシャフト13が回転するとともに、エンジン内のポンプが起動し、図示しない吸入口、オイルストレーナを介してオイルパン26内に貯蔵された潤滑オイルLが、エンジンの各潤滑要素に供給される。
この潤滑オイルLは、シリンダブロック14内に形成された図示しないオイル通路を経由してクランクシャフト13のジャーナル部13a、メタルベアリング17、18およびオイルシール51にも供給される。
図1(b)に示す第1の実施の形態と同様に、この潤滑オイルLは、シリンダブロック14内およびクランクシャフト13内に形成された図示しないオイル通路を経由してクランクシャフト13のジャーナル部13aに供給される。このジャーナル部13aに供給された潤滑オイルLは、さらにオイルシール51に供給される。また、シリンダブロック14内およびクランクシャフト13内に形成されたオイル通路を流動した潤滑オイルLは、そのオイル通路から直接オイルシール51に供給される。このようにオイルシール51に供給された潤滑オイルLは、その放射内方側壁31および放射外方側壁54の内周面に掛かり、または、内周面に沿って流動し、放射内方側壁31および放射外方側壁54の各内周面から、放射内方側壁31とフランジ部13bの外周面13cとの間で生じた摩擦熱を受け取り、さらに、オイル溜まり55で貯留する。潤滑オイルLがオイル溜まり55で貯留している間に、比較的高温になっているオイルシール51の熱エネルギー(J)が、貯留している潤滑オイルLに移転するいわゆる熱交換が行われる。
熱交換が行われた潤滑オイルLは、後からオイルシール51に供給される潤滑オイルLに押し流されて、オイル溜まり55から下部のオイルパン26の方向に落下する。クランクシャフト13が回転するとともに自動車の振動に伴ってクランクシャフト13が振動するので、オイル溜まり55に貯留する潤滑オイルLは、一時的に貯留した後、オイル溜まり55から飛散し、順次新たな潤滑オイルLが貯留する。そのため、オイルシール51に生じた熱は、オイル溜まり55で一時的に貯留している潤滑オイルLにより奪われ、オイルシール51の温度が低下する。特に放射内方側壁31の温度が著しく低下するので、放射内方側壁31の劣化が防止され耐久性が向上する。
また、オイル溜まり55に、順次新たな潤滑オイルLが貯留するので、オイル溜まり55には、例えば、潤滑オイルLが変質して固まりとなるいわゆるスラッジなどの異物が堆積することはなく、循環する潤滑オイルLにより好適にオイルシール51が冷却される。
その結果、本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造50においては、図5に示す本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造10の冷却効果と同様の冷却効果が得られる。すなわち、クランクシャフト13の周速が約25m/sのとき、従来の温度上昇度ΔTに対して本発明の温度上昇度ΔTを12℃減少させることができる。
本実施の形態においては、ケース12をシリンダブロック14およびクランクケース15により構成し、オイルシール11またはオイルシールリテーナ52と嵌合する嵌合溝14a、15aをシリンダブロック14およびクランクケース15に形成した場合について説明したが、本発明においては、ケース12をシリンダブロック14のみで形成し、オイルシール11またはオイルシールリテーナ52と嵌合する嵌合溝をシリンダブロック14に形成してもよい。
本実施の形態においては、オイルシール構造を自動車のクランクシャフトに適用した場合について説明したが、本発明においては、オイルシール構造を他の機器、例えば、自動車のカムシャフトやドライブシャフト、船舶、農業機械などの内燃機関、工作機械などの産業機器、品質検査装置などの検査機器に適用することができる。
以上説明したように、本発明に係るオイルシール構造は、回転部材の外周面に摺接する摺接部に生じた摩擦熱を充分に低下させることができ、簡単な構造で、摺接部の摩耗が少なく耐久性が向上するという効果を奏し、回転部材を収容するケース内部の潤滑オイルが外部に漏出しないようにするオイルシール構造、例えば、自動車、船舶、農業機械などの内燃機関、工作機械などの産業機器、品質検査装置などの検査機器のオイルシール構造に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、オイルシール構造の要部断面を示し、(b)は、(a)の矢印Aで示す部分の拡大図を示す。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の要部斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の側面の一部を切断した部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の冷却効果を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、ベース部の内側面を湾曲させて形成したオイルシールの断面図を示し、(b)は、ベース部とリップ部とを金属材料で連結したオイルシールの断面図を示す。 本発明の第1の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、(a)は、ベース部を金属材料で形成しその端部でリップ部と連結したオイルシールの断面図を示し、(b)は、ベース部を金属材料で形成しその側面部でリップ部と連結したオイルシールの断面図を示す。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造の要部斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るオイルシール構造の断面図であり、オイルシールをリテーナ突出部を有するオイルシールリテーナに組込んだ状態を示す。
符号の説明
10、50 オイルシール構造
11、51 オイルシール
12 ケース
13 クランクシャフト(回転部材)
13a ジャーナル部
13b フランジ部
14 シリンダブロック(ケース)
14a 嵌合溝
15 クランクケース(ケース)
16 軸受キャップ
17、18 メタルベアリング
19 フライホイール
26 オイルパン
30 開口端
31 放射内方側壁
31a 摺接部
32、54 放射外方側壁
32a 嵌合部
32b オイルシール突出部
32f、32g 内周面
33、43 連結側壁
34、36、44、58、62 金属環
34a 内周面
35、55 オイル溜まり
37 ガータスプリング
52 オイルシールリテーナ
52a リテーナ円筒部
52b リテーナ突出部
L 潤滑オイル

Claims (3)

  1. 内部に潤滑オイルが封入されたケースと前記ケースに回転自在に支持された回転部材との間をシールするオイルシール構造において、
    前記回転部材を囲んで前記ケースと前記回転部材の間に位置し、前記ケースの内部に開口する開口端を有して前記ケースに支持された環状のオイルシールを設け、前記オイルシールが、
    前記回転部材の外周面に摺接する摺接部を有する放射内方側壁と、
    前記ケースに嵌合する嵌合部を有する放射外方側壁と、
    前記開口端に対向して前記放射内方側壁と前記放射外方側壁とを連結する連結側壁と、
    を有し、前記放射内方側壁と前記放射外方側壁との間に潤滑オイルを滞留させるオイル溜まりを設けたことを特徴とするオイルシール構造。
  2. 前記放射外方側壁が、前記オイルシールの開口端に向かって突出するオイルシール突出部を有し、前記オイル溜まりが、前記放射外方側壁の内周面と、前記連結側壁の内周面と、前記オイルシール突出部の内周面と、により画成されたことを特徴とする請求項1に記載のオイルシール構造。
  3. 前記ケースの一部を構成し前記オイルシールを保持するオイルシールリテーナを備え、前記オイルシールリテーナが、前記嵌合部と嵌合するリテーナ円筒部と、前記リテーナ円筒部の内周面から前記オイルシールの開口端に向かって突出して前記リテーナ円筒部と一体的に形成されたリテーナ突出部と、を有し、前記オイル溜まりが、前記放射外方側壁の内周面と、前記連結側壁の内周面と、前記リテーナ突出部の内周面と、により画成されたことを特徴とする請求項1に記載のオイルシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102494142A (zh) * 2011-12-01 2012-06-13 邓伦胜 双剖分式组合油封
CN112879420A (zh) * 2021-01-14 2021-06-01 沈睿 一种陶瓷轴承

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