JP2008300991A - 無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、移動端末の位置情報と基地局の位置情報に基づいて無線信号の送信タイミングを設定することにより、移動端末と基地局間の距離による遅延の影響を軽減しうる無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法を提供することを目的としている。
【解決手段】中継サーバ140を介して接続された複数の基地局120と、複数の基地局120と無線通信を行う移動端末110と、を備える無線通信システムにおいて、移動端末110の位置情報を取得する端末位置取得部220と、移動端末110と通信する基地局120の位置を取得する基地局位置取得部222と、移動端末110に備えられ、移動端末110の位置および基地局120の位置に応じて、該移動端末110から送出する無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定部224とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、時分割複信に基づくタイムスロットを通じて基地局と無線通信を行う無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法に関する。
PHSなどの無線通信の代表的な方式の一つとして、TDMA−TDD方式がある(TDMA: Time Division Multiple Access:時分割多重方式,TDD:Time Division Duplex:時分割複信)。TDDは通信経路を時間軸で細分化し、短時間に送信と受信を切り替える方式である。TDMAは、1つの周波数を時間軸で細分化し、複数の相手と通信を行う方式である。
図10にTDMA−TDD方式の信号の送受信の例を示す。TDMA通信において、基地局(CS:Cell Station)が送信するタイミングでは、移動端末(PS:Personal Station)は受信を行い、逆に移動端末が送信するタイミングで、基地局は受信を行う。また、データは1タイムスロット毎に分割され、データの送受信が行われる。なお、時分割多重方式において移動端末は、別のチャネルを使用して複数の基地局と通信を行うことも、1つの基地局で別の複数のチャネルを使用して通信を行うことも可能である。
例えば図10(a)に示すように、ある移動端末が第3スロットを割り当てられたとすれば、基地局のスロットTx3から送信されたデータは、移動端末のスロットRx3で受信する。同様に移動端末のスロットTx3から送信されたデータは、基地局のスロットRx3で受信することとなる。
このように移動端末が2つの基地局からチャネルの割当を受ける場合、そのチャネルに対応するタイムスロットは排他的な(タイムスロット同士が重畳しない)タイミングで設定される。従って、移動端末は、2つの基地局からそれぞれ別のタイミングでフレームデータを受信でき、安定した無線通信を遂行できる。
現状として実施されているサービスにおいて、1つのフレームは8スロットから構成される。1つのスロットは625[μs]、240bitで構成されている。図10(b)は1スロットの構成を示しており、情報部の220bitの他にランプビット(R)とガードビット(G)が存在する。ガードビットは16ビットあり、このガードビットにより遅延による影響をある程度吸収することができる。
ここで、基地局と端末との距離が離れるほど、電波伝搬距離が伸びることにより遅延が発生する。距離が100[m]の場合、電波伝搬速度を3×10[m/s]とすると遅延時間は0.33[μs]となり、距離が1,000mの場合、遅延時間は3.3[μs]となる。基地局と移動端末とは通信開始時に同期されるため、絶対時間として移動端末は遅延時間に相当するΔtだけ遅れたタイミングで動作する。そして送信タイミングと受信タイミングの間隔は固定であるため、移動端末から基地局に到達する信号は、往復路の距離に応じた2Δtの遅延が生じてしまう。
上記のように基地局と端末との距離が離れることによって遅延が増大した場合、移動端末から送信された無線信号が基地局側で受信可能な範囲を超えてしまい、通信できない状況が発生する。特に直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiplex Access)では、深刻な影響が予測される。
従来からも、特許文献1(特開平10−233727)には、基地局と端末の距離に応じてデータの送信タイミングを可変制御することが提案されている。具体的には、符号誤り率が所定値以上である場合に、受信電界強度が高ければ(近すぎると想定して)送信タイミングを遅らせ、受信電界強度が低ければ(遠すぎると想定して)送信タイミングを早めることにより、符号誤り率の向上を図るものである。
また特許文献2(特開2000−284040)に示されるように、観測された遅延プロファイルを用いて電波伝搬路を予測することにより、送信点と受信点の間の距離を測定することも提案されている。
特開平10−233727号公報 特開2000−284040号公報
しかし、上記特許文献1に記載された構成にあっては、受信電界強度によって距離を推定する構成である。しかし受信電界強度は基地局や移動端末の種類によっても異なり、また天候や障害物によっても増減するため、距離を推定するには確実性がない。ひいてはタイミングの変更の方向性(早める/遅らせる)にも確実性がなく、かえって通信を不安定にしてしまうおそれがある。
また特許文献2に記載された遅延プロファイルによる伝搬路予測では、基地局と移動端末との距離を測定できるようにも思われるが、障害物が多いなど不安定な環境ほどマルチパスによる遅延広がり(信号の遅れの幅)が生じるという問題がある。したがって、これに応じてタイミングを変更すると距離を見誤ってしまい、かえって通信が不安定となるおそれがある。
さらには、特許文献1のようにエラー(符号誤り率)が高いときに送信タイミングを変更するように構成すると、マルチパスによって遅延広がりが大きいとき、すなわち伝搬路として不安定なときに送信タイミングを変更してしまうおそれがある。この相乗効果により、通信はさらに不安定となってしまうおそれがある。
そこで本発明は、移動端末の位置情報と基地局の位置情報に基づいて無線信号の送信タイミングを設定することにより、移動端末と基地局間の距離による遅延の影響を軽減しうる無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる無線通信システムの代表的な構成は、中継サーバを介して接続された複数の基地局と、複数の基地局と無線通信を行う移動端末と、を備える無線通信システムにおいて、移動端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得部と、移動端末に備えられ、移動端末の位置および基地局の位置に応じて、該移動端末から送出する無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定部とを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、移動端末の位置および基地局の位置に応じて送信タイミングを設定することにより、受信電界強度や遅延プロファイルによって距離を推定する場合に比して適切に送信タイミングを設定することができ、遅延による影響を確実に軽減することができる。
端末位置取得部は移動端末に備えられ、GPS衛星からの信号を受信して当該移動端末の経緯度を取得するGPS受信部であってもよい。これにより移動端末の位置を絶対座標として取得することができ、予めわかっている基地局の位置と合わせて考慮することにより、その遅延の影響を適切に軽減させることができる。
端末位置取得部は移動端末または中継サーバに備えられ、3以上の基地局から移動端末に対する位置依存情報を収集し、少なくとも3つの基地局に対する位置依存情報およびこれらの基地局の位置情報から、三点測量により移動端末の位置を取得してもよい。ここで位置依存情報とは、受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、電波到達時間(TDOA:Time Difference Of Arrival)、到達時間(TOA:Time of Arrival)、到来電波方位(AOA:Angle of Arrival)などを用いることができる。これにより、高い精度で移動端末の位置を取得することができ、その遅延の影響を適切に軽減させることができる。
送信タイミング設定部は、移動端末の位置および基地局の位置に基づいて算出したこれらの距離に応じて送信タイミングを設定してもよい。すなわち基地局と移動端末との遅延を直線距離を用いて考え、送信タイミングを設定することができる。
さらに中継サーバは地域に応じた無線信号の遅延情報を含む遅延情報テーブルを備え、基地局または移動端末は遅延情報テーブルから移動端末の位置に対応する遅延情報を取得する遅延情報取得部を備え、送信タイミング設定部は、遅延情報取得部が取得した遅延情報に基づいて、送信タイミングを設定してもよい。例えば障害物の多い都市部では電波が直線的に届きにくい場合もあるため、取得した移動端末の位置をその地域に応じた遅延情報に基づいて補正することにより、より適切に送信タイミングを設定することができる。
送信タイミング設定部は、移動端末と基地局の距離が所定距離以上である場合に、送信タイミングを設定してもよい。移動端末と基地局とがいかなる距離であっても送信タイミングを設定(変更)し続けることでも良いが、上記のように所定距離以上である場合にのみ送信タイミングを設定することにより、移動端末の処理を軽減することができる。
基地局位置取得部は移動端末に備えられ、基地局位置取得部は近隣の複数の基地局の位置を取得することでもよい。これにより移動端末は基地局から基地局のIDのみを受信すれば、基地局位置を取得することができる。したがって継続的に送信タイミングを設定する場合に送受信するデータを削減することができる。
さらには、移動端末に全ての基地局のIDと位置情報とを関連づけて格納してもよい。従来から移動端末は通信開始にあたって基地局のIDを取得しているため、上記構成によれば基地局に変更を加えることなく基地局の位置を取得し、自端末の位置とあわせて送信タイミングを設定することができる。
本発明にかかる移動端末の代表的な構成は、基地局と無線通信を行う移動端末において、当該移動端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、当該移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得部と、当該移動端末の位置および基地局の位置に応じて、無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定部とを備えたことを特徴とする。
さらに移動端末は、移動端末と基地局の距離が所定距離以上である場合に、ハンドオーバ先の基地局を探索するよう構成してもよい。これにより、受信電界強度が十分なうちからハンドオーバをすることができ、より円滑なシームレスハンドオーバを実現することができる。
本発明にかかる基地局の代表的な構成は、移動端末と無線通信を行う基地局において、当該基地局と通信する移動端末に、当該基地局の位置情報または当該基地局を含む近隣の基地局の位置情報を送信する基地局位置送信部を備えていることを特徴とする。これにより、移動端末において基地局との距離を算出することが可能となり、送信タイミングを設定するための利用に供することができる。
本発明にかかる無線通信方法の代表的な構成は、中継サーバを介して接続された複数の基地局と、複数の基地局と無線通信を行う移動端末と、を用いて無線通信を行う無線通信方法において、移動端末の位置情報を取得する端末位置取得工程と、移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得工程と、移動端末の位置および基地局の位置からこれらの距離を算出する距離算出工程と、算出した距離に応じて無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定工程と、を含むことを特徴とする。
上記無線通信方法によれば、移動端末と基地局の距離に応じて送信タイミングを設定することにより、適切に送信タイミングを設定することができ、遅延による影響を確実に軽減することができる。
本発明によれば、移動端末の位置および基地局の位置に応じて送信タイミングを設定することにより、適切に送信タイミングを設定することができ、遅延による影響を確実に軽減することができる。
[第一実施形態]
本発明にかかる無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法の第一実施形態について説明する。本実施形態において無線通信システムはPHS(Personal Handy phone System)であって、TDMA−TDD方式によって通信するものとして説明する。
図1は無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。かかる無線通信システム100は、移動端末110と、基地局120と、インターネットや専用回線等の通信網130と、中継サーバ140とを含んで構成される。
上記無線通信システム100では、移動端末110を利用して他の移動端末に電話しようと試みた場合、ユーザは、自己の移動端末110を操作して、無線通信可能領域にある基地局120と無線通信を確立し、通信網130、中継サーバ140、および、他の移動端末150の無線通信可能領域にある基地局120を介して、通信相手の有する他の移動端末150と音声通話を遂行する。
このとき、移動端末110は、通信可能な2つの基地局120に対し、時分割多重方式に基づく無線通信を並行して行い、各基地局120から排他的に提供される2つのタイムスロットを利用して無線通信を確立することができる(図10参照)。
また本実施形態においては、GPS衛星500からの信号を利用する。なおGPS衛星500は一般の利用に供されているものを用い、それ自体は本システムには含まれない。
以下、無線通信システム100における移動端末110と、基地局120とを詳述する。その後で、基地局120の送受信タイミングを基準として、移動端末110の送信タイミングを設定する例について説明する。
(移動端末110)
図2は、移動端末110の概略的な機能を示した機能ブロック図である。かかる移動端末110は、端末側制御部210と、端末側メモリ212と、表示部214と、操作部216と、無線通信部218とを含んで構成される。さらに本実施形態において移動端末110には、GPS受信部からなる端末位置取得部220、基地局位置取得部222、送信タイミング設定部224が備えられている。
端末側制御部210は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路により移動端末110全体を管理および制御する。端末側制御部210は、端末側メモリ212のプログラムを用いて、移動端末110を利用した通話機能やメール配信機能を遂行する。
端末側メモリ212は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成され、端末側制御部210で処理されるプログラムやアプリケーション等を記憶する。
表示部214は、カラーまたは単色のディスプレイで構成され、端末側メモリ212に記憶された、または通信網を介してアプリケーションサーバ(図示せず)から提供される、WebブラウザやアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)を表示することができる。
操作部216は、キーボード、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。
端末側無線通信部218は、無線通信システム100における基地局120と無線通信を行う。かかる無線通信としては、例えば、基地局120内でフレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれ移動端末110のチャネルに割り当てて通信を行うTDMA−TDD方式(TDMA: Time Division Multiple Access:時分割多重方式,TDD:Time Division Duplex:時分割複信)、OFDMA方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex Access:直交周波数分割多元接続)等が用いられる。
端末位置取得部220は、GPS衛星500からの信号を受信して当該移動端末の経緯度を取得するGPS受信部である。図1においてGPS衛星500は1つしか図示していないが、一般に3〜5個のGPS衛星500から信号を受け、現在位置の経緯度を絶対値として取得することができる。
基地局位置取得部222は、後述するように、基地局120から基地局の位置情報を取得する。位置情報としては経緯度情報を用いることができる。
送信タイミング設定部224は、後述するように、移動端末110から送信する無線信号の送信タイミングを設定する。
(基地局120)
図3は、基地局120の概略的な機能を示した機能ブロック図である。基地局120は、基地局側制御部230と、基地局側メモリ232と、無線通信部234と、通信網接続部236と、基地局位置送信部238とを含んで構成される。
基地局側制御部230は、中央処理装置を含む半導体集積回路により基地局120全体を管理および制御する。基地局側制御部230は、基地局側メモリ232のプログラムを用いて、移動端末同士間の通話もしくは通信を支援する。
基地局側メモリ232は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、基地局側制御部230で処理されるプログラムや、移動端末同士間で送受信されるデータを記憶する。
無線通信部234は、移動端末110と携帯電話網に基づく無線通信を行う。例えば、本実施形態では、基地局120内でフレームを時分割した複数のタイムスロットをそれぞれチャネルに割り当てて通信を行う時分割多重方式が採用される。
通信網接続部236は、通信網130を通じて中継サーバ140と通信信号の送受信を行う。通信網としては、ISDN通信網でもよく、IP通信網でもよい。
基地局位置送信部238は、移動端末110に対して、当該基地局120の位置情報または当該基地局120を含む近隣の基地局の位置情報を送信する。位置情報としては経緯度情報を用いることができ、各基地局の経緯度はそれぞれを設置した時点において決定され、基地局側メモリ232に格納しておくことができる。
(中継サーバ140)
図4は、中継サーバ140の概略的な機能を示した機能ブロック図である。中継サーバ140は、サーバ側制御部260と、サーバ側メモリ262と、通信網接続部264とを含んで構成される。
サーバ側制御部260は、中央処理装置を含む半導体集積回路により中継サーバ140全体を管理および制御する。サーバ側制御部260は、サーバ側メモリ262のプログラムを用いて、移動端末同士間の通話時に必要な基地局120を選択し、その接続支援を行う。そして、基地局120を通じた通信回線を確立すると、その音声通話処理を基地局に委ね、移動端末110側および無線端末装置150側の基地局120同士により直接音声信号の送受をさせる。それから中継サーバ140は、各移動端末110、150の通信環境の変化に応じて適切な基地局120を割り当てるための待機状態に移行する。
サーバ側メモリ262は、ROM、RAM、EPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、サーバ側制御部260で処理されるプログラムや、サーバ側制御部260が選択した基地局120の対応関係を移動端末110に関連付けたテーブル等に記憶する。
通信網接続部264は、通信網130を通じて、移動端末110の通信経路として選択した基地局120にその旨の指令を送信する。また、基地局120からのハンドオーバ要求を受けて、サーバ側制御部260に新たに適切な基地局120を選択させ、その基地局120に対してハンドオーバ先となったことを通知する。
(無線通信方法)
上記構成を有する移動端末110、基地局120、中継サーバ140を備えた無線通信システム100による無線通信方法について説明する。
図5は通信中に送信タイミングを設定する例を示すフローチャートである。通信を開始しようとするとき、移動端末110は周辺の基地局を探索し、無線通信部218によって最適な基地局と接続する。通信を開始すると(S102)、移動端末110は基地局位置取得部222によって、基地局120からその基地局の位置情報として経緯度情報を取得する(基地局位置取得工程:S104)。次に、端末位置取得部220を用いてGPS衛星からの信号を受信し、自端末の経緯度情報を取得する(端末位置取得工程:S106)。
次に移動端末110の送信タイミング設定部224は、移動端末110の位置および基地局120の位置から、これらの距離を算出する(距離算出工程:S108)。さらに送信タイミング設定部224は、算出した距離に応じて、無線通信信号の送信タイミングを設定する(送信タイミング設定工程:S110)。そして通信が終了か否かを判断し(S112)、終了でなければ端末位置取得部220を用いてGPS衛星からの信号を受信し、自端末の現在位置を更新する。
ここで送信タイミングの設定は、本実施形態においては距離に応じて設定する。図6は送受信状態を説明する図である。基地局120と移動端末110との距離が離れるほど、電波伝搬距離が伸びることにより遅延が発生する。基地局と移動端末とは通信開始時に同期されるため、絶対時間として移動端末は遅延時間に相当するΔtだけ遅れたタイミングで動作する。そして往復路の距離に応じて、本来であれば2Δtの遅延が生じる。そこで本実施形態では、送出タイミングを2Δtだけ早めるように設定することにより、基地局120に対して正しいタイミングで到来させることができる。
例えば基地局120と移動端末110の距離が1000[m]の場合、電波伝搬速度を3×10[m/s]とすると遅延時間Δtは3.3[μs]となる。したがって移動端末110の送信タイミング設定部224は、2Δtである6.6[μs]だけ送出タイミングを早めるように設定することができる。
ここで625[μs]のスロットは、220ビットの情報部の前に4ビットのランプビット(約10.4[μs])があり、情報部の後に16ビットのガードビット(約41.7[μs])がある。送出タイミングがスロットからはみ出してしまうと他のスロットに影響を与えてしまうため、上記のランプビットまたはガードビットの範囲内で設定することが好ましい。ただし、直前のスロット(図6の場合はTx2)を使用しないこととすれば、さらに大幅にずらして送出タイミングを設定することができる。
上記構成によれば、移動端末110の位置および基地局120の位置に応じて送信タイミングを設定することにより、受信電界強度や遅延プロファイルによって距離を推定する場合に比して適切に送信タイミングを設定することができ、遅延による影響を確実に軽減することができる。
特にGPS衛星からの信号を受信して移動端末の経緯度を取得することにより、移動端末の位置を絶対座標として取得することができ、予めわかっている基地局の位置と合わせて考慮することにより、その遅延の影響を適切に軽減させることができる。
図7は通信前に送信タイミングを設定する例を示すフローチャートである。図5と説明の重複する部分については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
基地局120は、所定の間隔ごとに自局の経緯度情報をブロードキャストする(S202)。また移動端末110においても、通信しない場合であってもブロードキャストを受信し、基地局120の経緯度情報を取得しておく(S204)。これを通信開始するまで繰り返す(S206)。通信を開始しようとするとき、まず基地局120と移動端末の距離の計算と送信タイミングの変更を行う(S208)。なおステップS208は、図5に示した自端末の経緯度情報取得(S106)から送信タイミングの変更(S112)までをサブルーチン化したものである。
そして送信タイミングが設定された後に、通信を開始する(S102)。このように構成することにより、通信開始当初から安定した通信を行うことができる。さらに通信中は、図5に示した場合と同様に、通信が終了か否かを判断し(S112)、終了でなければ継続的に自端末の経緯度情報を取得し、距離の計算と送信タイミングの変更を行う(S210)。
[第二実施形態]
本発明にかかる無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法の第二実施形態について説明する。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は本実施形態にかかる無線通信システム100の構成を説明する図である。本実施形態においては、中継サーバ140に端末位置取得部266が設けられている。中継サーバ140は、3以上の基地局から移動端末110に対する位置依存情報を収集し、少なくとも3つの基地局に対する位置依存情報およびこれらの基地局の位置情報から、三点測量により移動端末110の位置を取得することができる。ここで位置依存情報とは、受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、電波到達時間(TDOA:Time Difference Of Arrival)、到達時間(TOA:Time of Arrival)、到来電波方位(AOA:Angle of Arrival)などを用いることができる。
遅延情報取得部226で検知した端末の位置情報は、基地局120を介して移動端末110の端末位置受信部228に送信される。そして移動端末110の送信タイミング設定部224は、上記第一実施形態と同様に、基地局120と移動端末110との距離を計算し、送信タイミングを設定することができる。これにより、GPS衛星を利用せずとも高い精度で移動端末110の位置を取得することができ、その遅延の影響を適切に軽減させることができる。
[他の実施形態]
上記第一実施形態においては、基地局120と移動端末110の距離を直線距離として考え、遅延時間を算出している。しかし、都市部におけるビルや山間部の回り込みなどにより、直線距離以上の遅延が生じる場合がある。
図9は無線通信システムの他の構成例であって、さらなる遅延情報を用いて送信タイミングを設定する例である。図9に示す無線通信システム100においては、中継サーバ140に遅延情報テーブル268を備え、移動端末110に遅延情報取得部226を備えている。遅延情報テーブル268には、地域に応じた無線信号の遅延情報を格納している。
ここで遅延情報とは、電波がその地域において平均的にどの程度遅延するかを表す指標である。例えば障害物の多い都市部では電波が直線的に届きにくい場合もあるため、第一実施形態で説明した送信タイミングの設定値(2Δt)に対し、都市部であったら1.2倍、農村部では1.0倍などというように設定することができる。このように取得した移動端末110の位置をその地域に応じた遅延情報に基づいて補正することにより、より適切に送信タイミングを設定することができる。
また上記第一実施形態において基地局120の位置情報は接続した基地局120の位置のみを取得するように説明したが、近隣の複数の基地局120の位置を取得することでもよい。これにより移動端末は基地局120からそのIDのみを受信すれば、基地局位置を取得することができる。したがって継続的に(繰り返して)送信タイミングを設定する場合に、送受信するデータを削減することができる。
さらには、移動端末110の端末側メモリ212に全ての基地局120のIDと位置情報とを関連づけて格納してもよい。従来から移動端末110は通信開始にあたって基地局のIDを取得しているため、上記のように構成することにより、基地局120に変更を加えることなくその位置を取得し、自端末の位置とあわせて送信タイミングを設定することができる。
また、上記第一実施形態において送信タイミング設定部224はいかなる距離であっても送信タイミングを設定し続けるように説明したが(図5)、移動端末110と基地局120の距離が所定距離以上である場合にのみ、送信タイミングを設定してもよい。これにより、遅延の大きいときにのみ処理を実行させることができ、移動端末110の負荷を軽減することができる。
さらに移動端末110は、移動端末110と基地局120の距離が所定距離以上である場合に、ハンドオーバ先の基地局120を探索するよう構成してもよい。従来は、現在接続している基地局120に対する受信電界強度が十分である場合には、次のハンドオーバ先の探索は行っていなかった。しかし移動端末110と基地局120との距離をハンドオーバを行うためのトリガーとすることにより、受信電界強度が十分なうちからハンドオーバをすることができ、より円滑なシームレスハンドオーバを実現することができる。
本発明は、時分割複信に基づくタイムスロットを通じて基地局と無線通信を行う無線通信システム、移動端末、基地局、および無線通信方法として利用することができる。
無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。 移動端末110の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 基地局120の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 中継サーバ140の概略的な機能を示した機能ブロック図である。 通信中に送信タイミングを設定する例を示すフローチャートである。 送受信状態を説明する図である。 通信前に送信タイミングを設定する例を示すフローチャートである。 本実施形態にかかる無線通信システム100の構成を説明する図である。 無線通信システムの他の構成例を示す図である。 従来のTDMA−TDD方式の信号の送受信状態を示す図である。
符号の説明
100…無線通信システム、110…移動端末、120…基地局、130…通信網、140…中継サーバ、150…無線端末装置、210…端末側制御部、212…端末側メモリ、214…表示部、216…操作部、218…無線通信部、220…端末位置取得部、222…基地局位置取得部、224…送信タイミング設定部、226…遅延情報取得部、228…端末位置受信部、230…基地局側制御部、232…基地局側メモリ、234…無線通信部、236…通信網接続部、238…基地局位置送信部、260…サーバ側制御部、262…サーバ側メモリ、264…通信網接続部、266…端末位置取得部、268…遅延情報テーブル、500…GPS衛星

Claims (11)

  1. 中継サーバを介して接続された複数の基地局と、該複数の基地局と無線通信を行う移動端末と、を備える無線通信システムにおいて、
    移動端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
    該移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得部と、
    前記移動端末に備えられ、前記移動端末の位置および前記基地局の位置に応じて、該移動端末から送出する無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定部とを備えたことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記端末位置取得部は前記移動端末に備えられ、GPS衛星からの信号を受信して当該移動端末の経緯度を取得するGPS受信部であることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記端末位置取得部は前記移動端末または前記中継サーバに備えられ、3以上の基地局から前記移動端末に対する位置依存情報を収集し、少なくとも3つの基地局に対する位置依存情報およびこれらの基地局の位置情報から、三点測量により前記移動端末の位置を取得することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  4. 前記送信タイミング設定部は、前記移動端末の位置および前記基地局の位置に基づいて算出したこれらの距離に応じて送信タイミングを設定することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  5. さらに前記中継サーバは地域に応じた無線信号の遅延情報を含む遅延情報テーブルを備え、
    前記基地局または前記移動端末は前記遅延情報テーブルから移動端末の位置に対応する遅延情報を取得する遅延情報取得部を備え、
    前記送信タイミング設定部は、前記遅延情報取得部が取得した遅延情報に基づいて、前記送信タイミングを設定することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  6. 前記送信タイミング設定部は、前記移動端末と前記基地局の距離が所定距離以上である場合に、送信タイミングを設定することを特徴とする請求項4記載の無線通信システム。
  7. 前記基地局位置取得部は前記移動端末に備えられ、該基地局位置取得部は近隣の複数の基地局の位置を取得することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  8. 基地局と無線通信を行う移動端末において、
    当該移動端末の位置情報を取得する端末位置取得部と、
    当該移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得部と、
    当該移動端末の位置および前記基地局の位置に応じて、無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定部とを備えたことを特徴とする移動端末。
  9. 前記移動端末と前記基地局の距離が所定距離以上である場合に、ハンドオーバ先の基地局を探索することを特徴とする請求項8記載の移動端末。
  10. 移動端末と無線通信を行う基地局において、
    当該基地局と通信する移動端末に、当該基地局の位置情報または当該基地局を含む近隣の基地局の位置情報を送信する基地局位置送信部を備えていることを特徴とする基地局。
  11. 中継サーバを介して接続された複数の基地局と、該複数の基地局と無線通信を行う移動端末と、を用いて無線通信を行う無線通信方法において、
    移動端末の位置情報を取得する端末位置取得工程と、
    該移動端末と通信する基地局の位置を取得する基地局位置取得工程と、
    前記移動端末の位置および前記基地局の位置からこれらの距離を算出する距離算出工程と、
    前記算出した距離に応じて無線通信信号の送信タイミングを設定する送信タイミング設定工程と、を含むことを特徴とする無線通信方法。
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