JP2008298820A - 光学フィルター用組成物、これを用いた光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルター - Google Patents

光学フィルター用組成物、これを用いた光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】スクアリリウム金属キレート化合物を含有した光学フィルター用組成物の提供にあり、可視域に色再現性上好ましい色相を有し、耐候性、保存性など堅牢性が良好な色素及び該色素を含有する光学フィルター及びディスプレイ用前面フィルターの提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート色素を含有することを特徴とする光学フィルター用組成物。
一般式(1)
M[(SQ)l(W1)m(W2)n]X
SQは下記一般式(2)で表される特定のスクアリリウム化合物である。
【化1】
Figure 2008298820

【選択図】なし

Description

本発明はスクアリリウム金属キレート化合物を含有する光学フィルター用組成物、これを用いた光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターに関する。
近年、大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器の表示パネルとして、プラズマディスプレイ、CRT、蛍光表示管、液晶ディスプレイ等、様々なディスプレイが開発され、その需要が増大している。また、有機ELディスプレイやFEDディスプレイなど新規ディスプレイ技術も実用化の域に達しており、今後もディスプレイの需要は大幅に拡大するものを推測されている。
こうした中でもプラズマディスプレイやCRTなど発光型ディスプレイでは、発光体に電子線や紫外線を照射させるなど種々の方法により、赤、青、緑のそれぞれの3原色発光を得て表示を行うが、これらの三色の発光に悪影響を及ぼさずに三色の色バランスを補正する色調整フィルターが求められている。
上記の色調整フィルター用色素には、可視域に良好な吸収特性を有する事、例えばモル吸光係数が大きいこと、半値幅が小さいこと、副吸収を有さないことが求められる。
また、同時にフィルター製造の観点から、種々の有機溶媒に対して溶解性が高いこと、バインダーとの相溶性が高いことなどが求められる。
また、更にディスプレイは長期間の使用が前提とされるため高い耐候性、特に耐光性が高いことが求められている。
プラズマディスプレイにおいては、色純度を向上させたり、色温度を上げたりするために560〜620nm近辺に吸収をもつ色素を配合する必要がある。
また、この波長域にはパネル内のネオンガスからの発光も含まれるため、このような不必要な発光を吸収する光学フィルターが求められている。
このような要望を受けて、様々な色素が提案されており、そのなかでもスクアリリウム色素は、モル吸光係数が大きく、半値幅も小さいという優れた吸収特性を有し、これを利用した光学フィルター、プラズマディスプレイ用フィルターが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
また、イミノ基を置換基として有するスクアリリウム色素をディスプレイ用フィルターに用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記文献に記載されているスクアリリウム系色素は、耐久性、特に耐光性は十分でなく、実用には不適当であるという問題点を有している。
さらにイミノ基を有するスクアリリウム化合物と金属との錯体に関しても、公知である(特許文献4参照)。
しかしながら該公報においては、具体的化合物として下記構造Aと銅化合物との混合物が例示されているのみであり、該化合物は赤外域に吸収を有することを特徴としている。
Figure 2008298820
特開2004−86133号公報 特開2004−99711号公報 特開2002−363434号公報 特開2000−159776号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、スクアリリウム金属キレート化合物を含有した光学フィルター用組成物の提供にあり、可視域に色再現性上好ましい色相を有し、耐候性、保存性など堅牢性が良好な色素及び該色素を含有する光学フィルター及びディスプレイ用前面フィルターを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.下記一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート色素を含有することを特徴とする光学フィルター用組成物。
一般式(1)
M[(SQ)l(W1)m(W2)n]X
(式中、Mは金属イオンを表す。SQは下記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表し、W1およびW2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。lは1以上の整数であり、mおよびnは各々0〜2の整数を表し、l+m+n≧2であり、Xは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。)。
Figure 2008298820
(式中、Aは任意の有機基を表し、B1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、芳香環を形成する。
1は水素原子または置換基を表す。)
2.前記金属イオンが、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであることを特徴とする前記1に記載の光学フィルター用組成物。
3.前記1又は2に記載の光学フィルター用組成物を含有することを特徴とする光学フィルター。
4.前記3に記載の光学フィルターがディスプレイ用前面フィルターであることを特徴とするディスプレイ用前面フィルター。
5.前記4に記載のディスプレイ用前面フィルターがプラズマディスプレイ用前面フィルターであって、下記一般式(1)で表される色素が560〜620nmの範囲に吸収極大を有することを特徴とするディスプレイ用前面フィルター。
一般式(1)
M[(SQ)l(W1)m(W2)n]X
(式中、Mは金属イオンを表す。SQは下記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表し、W1およびW2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。lは1以上の整数であり、mおよびnは各々0〜2の整数を表し、l+m+n≧2であり、Xは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。)。
Figure 2008298820
(式中、Aは任意の有機基を表し、B1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、芳香環を形成する。
1は水素原子または置換基を表す。)
本発明者らは、種々検討した結果、耐候性に優れ、環境保存性も向上した光学フィルター用組成物を提供することを見いだした。
また、本発明者らは上記手段によって可視光域に吸収極大を有し、優れた耐候性、特に高い耐光性を有し、環境保存性および分散剤との相溶性にも優れた光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターを提供するこができることも見いだした。
以下、本発明を詳細に述べる。
本発明の光学フィルター用組成物とは、前記一般式(1)で表されるように、スクアリリウム化合物と金属イオンとからなるスクアリリウム金属キレート化合物を含有し、可視光域に吸収極大を有することを特徴とする光学フィルター用組成物であって、さらにはこれを用いた光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターであることを特徴としている。
本発明の光学フィルターは、可視域に吸収極大を少なくとも一つ有する事が特徴であって、いわゆるカラーフィルターとして知られるように特定の色の光を透過させ、それ以外を遮るものではなく、特定の波長域の光を減色させる、あるいは遮り、それ以外の光は透過させるために用いられるものである。
前記一般式(1)において、Mは金属イオンを表す。
SQは前記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。lは1以上の整数であり、mおよびnは各々0〜2の整数を表し、l+m+n≧2であり、Xは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。
一般式(2)において、Aは任意の有機基を表し、B1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、芳香環を形成する。R1は置換基を表す。
本発明者らの検討によれば、種々のバインダーおよび金属イオン含有化合物と特定構造を有するスクアリリウム化合物とを混合した光学フィルター用組成物は可視光域に吸収極大を有し、優れた耐候性を有することがわかった。
さらには本発明の光学フィルター用組成物および光学フィルターは温度条件のような周辺環境の変動に対しても良好な保存性を有し、種々の光学部材、特に自発光型ディスプレイに対して好適に利用できることも明らかとなった。
本発明における特定構造のスクアリリウム化合物とは前記一般式(2)で表されるようにスクアリン酸骨格と結合した6員の芳香環を有し、さらにこの芳香環はスクアリン酸骨格との結合位の隣接位(o−位)にイミノ基を有することが特徴である。
ここでいうイミノ基とは一置換アミノ基を示す。
こうした特定構造を有するスクアリリウム化合物と金属イオン含有化合物を混合させると、スクアリリウム化合物と金属イオンとの相互作用によってスクアリリウム金属キレート色素を生成し、可視光域に吸収極大を有しさらに優れた耐候性を示すことが明らかとなった。
以下、スクアリリウム金属キレート化合物を少なくとも1種含有した光学フィルター用組成物、更に可視域に色再現性上好ましい色相を有し、耐候性、保存性など堅牢性が良好な色素及び該色素を含有する光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターについて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
《一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物を含有する光学フィルター用組成物》
本発明のスクアリリウム金属キレート化合物は前記一般式(1)で表されることを特徴とする。
一般式(1)において、Mは金属イオンを表す。
金属Mイオンは一般に入手可能なものであれば特に限定されないが、例えば銅、ニッケル、コバルト、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、鉄、銀、クロム、マンガン、イリジウム、バナジウム、チタン、ルテニウム、モリブデン、スズ、ビスマス、オスミウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ガリウム、ゲルマニウム、白金、金、水銀などを挙げることが出来る。
周期表3族〜12族に含まれる元素であることが好ましく、より好ましくは周期表7族〜12族に含まれる金属イオンである。価数としては2価あるいは3価の金属であることが好ましい。
この中でも具体的にはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウムあるいは白金であることが好ましく、特に取り扱い上の観点から銅、コバルト、ニッケル、あるいは亜鉛であることがより好ましい。
一般式(1)におけるSQは前記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表す。
尚、本発明においては、異種の金属イオン有するスクアリリウム金属キレート化合物と併用しても良い。
一般式(2)において、R1は水素原子または置換基であり、R1で表される置換基として、具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、ヘテロ環基(複素環基とも呼び、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、ホスホリル基(例えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシル基などが挙げられる。R1は置換基であることが好ましく、置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホリル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基、シアノ基、であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヘテロアリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であることが好ましく、より好ましくはアシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基である。またこれらは更に同様の置換基よって置換されても良い。
1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、単環6員芳香環を形成する。
このときB1、B2、B3およびB4のうち少なくとも一つは炭素原子であることが好ましく、より好ましくは少なくとも二つが炭素原子であって、さらには全て炭素原子であることがより好ましい。
1、B2、B3およびB4のいずれかが炭素原子である場合、水素原子または置換基を有する。
置換基の数としては特に限定されないが1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上であることであり、さらに3以上であることが好ましい。
置換基として具体的には上記R1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。
この中でも好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、アゾ基、アルキルスルホニルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アシル基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基であり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アシル基、アミド基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基が挙げられ、溶解性向上の観点からは少なくとも一つの置換基は炭素数4原子以上の直鎖あるいは分岐のアルキル基を有する事が好ましい。
また、特にB2上の置換基としてヒドロキシル基、アミノ基が好ましく、より好ましくはアミノ基である。アミノ基としてはアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、特にジアルキルアミノ基が好ましい。このとき、アミノ基の置換基は同一でも異なっていても良く、互いに、あるいはB1、B3上の置換基と結合してさらに環を形成しても良い。
このとき形成される環としては、アミノ基の置換基が互いに結合したヘテロ環、ヘテロアリール環であることが好ましく、形成される環の大きさは特に限定されないが5員または6員であることが好ましく、5員環であることがより好ましい。
スクアリリウム化合物は分子中央部にスクアリン酸骨格を持ち、その対角線上に位置する二ヶ所の炭素原子に芳香族化合物からなる置換基を有した構造をしている。
それら二つの芳香族置換基が同一である場合には、これを便宜上、対称型スクアリリウム化合物(または対称型スクアリリウム色素)と呼んでおり、異なる場合には、非対称型スクアリリウム化合物(または非対称型スクアリリウム色素)と呼んでいる。
本発明のスクアリリウム金属キレート化合物に用いられるスクアリリウム化合物については対称型スクアリリウム化合物であっても非対称型スクアリリウム化合物であっても良いが、色調調整の観点から非対称型スクアリリウム化合物であることが好ましい。
Aは任意の有機基を表し、有機基としては例えば前述したR1、R2、R3およびR4で表される置換基と同義の基をあげることができ、好ましくはアリール基または複素環基または一般式(1−A)で表される置換基が挙げられる。
Figure 2008298820
一般式(1−A)において、A1は5員環または6員環を形成する原子群を表し、A1で表される5員環としては、ピラゾリジンジオン環、イソオキサゾロン環、ピラゾロン環、ピロリドン環(たとえば1H−ピロール−2(5H)−オン環)、チオキサチアゾリジノン環(例えば、ローダニン環、4−チオキサイミダゾリジン−2−オン環、5−チオキサイミダゾリジン−2−オン環)、ピロロトリアゾール環(例えば、7,7a−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−b][1,2,4]トリアゾール環、7,7a−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,2,4]トリアゾール環)、ピラゾロトリアゾール環(例えば、7,7a−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアゾール環、7,7a−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール環)、ピラゾロピリミジン環、イミダゾール環(例えば4H−イミダゾール環)、イミダゾロピラゾール環、ピロール環、イソオキサゾリジンジオン環、チオキサイミダゾリジノン環(例えば、4−チオキサイミダゾリジン−2−オン環)、イミダゾリジンジオン環(例えばヒダントイン環)、イミダゾリジンジチオン環(例えばイミダゾリジン−2,4−ジチオン環)、チアゾリジンジオン環、ピラゾールジオン環、インドール環等が挙げられ、これらは任意の位置に前述したR1で表される置換基と同様の基を有していても良い。
1で表される6員環としては、例えば、シクロヘキサジエン環(1、3−シクロヘキサジエン環、1、4−シクロヘキサジエン環)、ジヒドロピリジン環(1、4−ジヒドロピリジン環、3、4−ジヒドロピロジン環)、4H−ピラン環、4H−チオピラン環、ピリドン環(例えば、ピリジン−2(3H)−オン環)、ピリジンチオン環(例えば、ピリジン−2(3H)−チオン環)、ピリジンジオン環(例えばピリジン−2,4(3H,5H)−ジオン環)、バルビツール酸環、チオバルビツール酸環、オキサジン環、チアジン環、ジヒドロピリミジンジオン環(例えば、ジヒドロピリミジン−4,6(1H,5H)−ジオン環)、ジヒドロピリミジンジチオン環(例えば、ジヒドロピリミジン−4,6(1H,5H)−ジチオン環)、オキサジンジオン環(例えば、4H−1,3−オキサジン−4,6(5H)−ジオン環)、オキサジアジン環(例えば、4H−1,2,3−オキサジアジン環)等があげられ、これらは任意の位置に前述したR1で表される置換基と同義の基を有していても良い。
Rは水素原子または置換基を表し、該置換基は前述したR1で表される置換基と同義の基である。
Rは好ましくは水素原子またはアルキル基またはハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子またはアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基であり、最も好ましいのは水素原子である。
Aで表される有機基のうち、より好ましくはアリール基、ヘテロ環基が挙げられ、さらにはヘテロ環基であることが好ましく、より好ましくは具体的には下記一般式(C−1)〜(C−32)で表される構造が挙げられ、色調など光学特性の観点からより好ましくは(C−1)〜(C−15)であり、さらに好ましくは(C−1)〜(C−10)である。
また、特に分光特性の観点から(C−1)、(C−9)および(C−10)が好ましい。
Figure 2008298820
一般式(C−1)〜(C−32)において、Ra〜Rgは水素原子または置換基であり、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよく、置換基の種類としては前記R1で表される置換基と同様の基が挙げられる。
Raの置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヘテロアリール基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、アミノ基、シアノ基が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アシル基、アミド基、カルバモイル基、アミノ基が挙げられる。
アルキル基としてはその一部あるいは全てがフッ素原子で置換されたアルキル基も同様に好ましい。またアルキル基としてより好ましくは分岐アルキル基(例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、tert−アミル基など)である。
また、少なくとも一つはキレート可能な基を有することが同様に好ましい。
キレート可能な基とは非共有電子対を有する原子を含有する置換基を表し、具体的にはヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、ヘテロ環オキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン基、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルホニル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、およびヘテロ環チオ基等が挙げられ、より好ましくはヒドロキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン基、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられ、更に好ましくはヒドロキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、ヘテロ環基等が挙げられる。
また、一般式(1)において、lは1以上の整数であり、1〜3で表される整数である。
1およびW2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。
1およびW2としては、例えば特開2000−251957号、特開2000−311723号、特開2000−323191号、特開2001−6760号、特開2001−59062号、特開2001−60467号等に記載されているようなものが挙げられる。
具体的にはハロゲンイオン、水酸イオン、アンモニア、ピリジン、アミン(たとえばメチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン等)、シアン化物イオン、シアン酸イオン、チオラートイオン、チオシアン酸イオン、およびビピリジン類、アミノポリカルボン酸類、8−ヒドロキシキノリン等の各種のキレート配位子が挙げられ、キレート配位子については上野景平著「キレート化学」等に例示されている。
1座配位子としてはアシル基、カルボニル基、チオシアネート基、イソシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基で配位する配位子、或いはジアルキルケトン又はカルボンアミドからなる配位子が好ましい。
2座配位子としてはアシルオキシ基、オキザリレン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アルキルチオ基又はアリールチオ基で配位する配位子、或いはジアルキルケトン又はカルボンアミドからなる配位子が好ましい。
以下に具体例を示すが、本発明はこれらに限定される事はない。尚、ここに示す構造式は幾つも取り得る共鳴構造の中の1つの極限構造に過ぎず、共有結合(−で示す)と配位結合(…で示す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
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Figure 2008298820
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また、下記一般式(4)で表される化合物が配位子として更に好ましい。
Figure 2008298820
一般式(4)において、E1、E2およびR’は置換基を表す。
置換基として、具体的には、前記R1で表される置換基と同様のものを挙げることができる。これら置換基は更に同様の置換基よって置換されても良く、また置換基同士が更に互いに結合して環を形成しても良い。
1及びE2は電子吸引性基であることが好ましく、電子吸引性の度合いを示す指標としてハメット置換基定数(σp)が0.1以上0.9以下の電子吸引性基であることが好ましく、より好ましくは、E1がハメット置換基定数(σp)0.35以上0.9以下であることが好ましく、さらに好ましくはE1およびE2がともにハメット置換基定数(σp)が0.35以上0.9以下であることである。
電子吸引性の度合いを示すハメットの置換基定数(σp)が0.1以上0.9以下の置換基について説明する。
ここでいうハメットの置換基定数σpの値としては、Hansch,C.Leoらの報告(例えば、J.Med.Chem.16、1207(1973);ibid.20、304(1977))に記載の値を用いるのが好ましい。
例えば、σpの値が0.10以上の置換基または原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基(例えばトリクロロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチルチオメチル、トリフルオロメタンスルホニルメチル、パーフルオロブチル)、脂肪族、芳香族もしくはヘテロ環アシル基(例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル)、脂肪族・芳香族もしくはヘテロ環スルホニル基(例えばトリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル)、置換アリール基(例えばペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル)、ヘテロ環基(例えば2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンズチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、1−テトラゾリル)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)、ジトリフルオロメチルアミノ基、トリフルオロメトキシ基、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アシロキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、ホスホリル基(例えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)などが挙げられる。
また、σpの値が0.35以上の置換基としてはシアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、フッ素置換アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロブチル)、脂肪族、芳香族もしくはヘテロ環アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル)、脂肪族、芳香族もしくはヘテロ環スルホニル基(例えば、トリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル)、フッ素又はスルホニル基置換芳香族基(例えば、ペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、1−テトラゾリル)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ)、ホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基などが挙げられる。
σpの値が0.60以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、脂肪族・芳香族もしくはヘテロ環スルホニル基(例えば、トリフルオロメタンスルホニル、ジフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)などが挙げられる。
また、E1およびE2で表される置換基のファンデルワールス(VDW)体積が75Å3以下であることが好ましく、45Å3以下であることがより好ましい。特にE2はファンデルワールス(VDW)体積が35Å3以下であることが好ましい。
置換基のファンデルワールス(VDW)体積とは、アクセルリス社製分子シミュレーションソフトCerius2を用いて求められるパラメーターを用いるが、ベンゼン環に置換基を導入し、Dreiding Force Fieldを用いて、MM計算で分子構造を最適化して、Connoly Surfaceを用いて求めたVolume値と定義する。具体的な置換基のファンデルワールス(VDW)体積の例を数例以下に示す。
置換基 Å3
メチル基 25.4
エチル基 42.6
イソプロピル基 59.5
ter−ブチル基 76.2
フェニル基 74.9
メトキシ基 34.0
アミノ基 22.2
ヒドロキシル基 16.7
塩素原子 22.4
臭素原子 26.5
フッ素原子 13.3
トリフルオロメチル基 42.5
1及びE2で表される置換基の好ましい例として、具体的にはハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
また、E1がハロゲン置換アルキル基、シアノ基であることがより好ましく、さらに好ましくはハロゲン置換アルキル基であることであって、最も好ましくはフッ素置換アルキル基であることである。
2はシアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基あるいはカルボニル基であることがより好ましく、さらに好ましくはシアノ基、ニトロ基であることであって、最も好ましくはシアノ基であることである。
R’はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基であることが好ましく、より好ましい置換基としては炭素数2〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基が挙げられ、更に好ましくは炭素数2〜18のアルキル基又は炭素数1〜18のアルコキシ基、アリールオキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜16のアルコキシ基である。
mおよびnはそれぞれ0〜2の整数を表し、m+n≧1である。
以下に前記一般式(4)で示される配位子の具体例を示すが本発明はこれらに限定される事はない。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
Wは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表し、例えば、ある金属イオン含有化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その金属、配位子、および置換基に依存する。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、この場合にも分子全体の電荷はXによって中和される。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)、アルカリ金属イオンおよびプロトンであり、一方、陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イオン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、エノレート(アセチルアセトナート、ヘキサフルオロアセチルアセトナート)、水酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン、テトラアルキルボレート、サリシネート、ベンゾエート、ヘキサフルオロアンチモン等が挙げられる。sは0〜3の整数であって、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0である。
Xは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表し、例えば、ある化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その金属、配位子、および置換基に依存する。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持っても良く、この場合にも分子全体の電荷はXによって中和される。
典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)、アルカリ金属イオンおよびプロトンであり、一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イオン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、エノレート(アセチルアセトナート、ヘキサフルオロアセチルアセトナート)、水酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン、テトラアルキルボレート、サリシネート、ベンゾエート、ヘキサフルオロアンチモン等が挙げられる。
mおよびnは0〜2の整数を表す。このときl+m+n≧2であって、好ましくは6≧l+m+n≧2、より好ましくは6≧l+m+n≧3、最も好ましくはl+m+n=4である。
以下に、本発明における一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物の代表的な具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
Figure 2008298820
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Figure 2008298820
Figure 2008298820
Figure 2008298820
以下にキレートの金属とスクアリリウムの組合せを示す。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
本発明に係る前記一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物において一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物は、例えば、特開平5−155144号公報、特開平5−239366号公報、特開平5−339233号公報、特開2000−345059号公報、特開2002−363434号公報、特開2004−86133号公報、特開2004−238606号公報等に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
また、本発明のスクアリリウム金属キレート化合物は、一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物と配位能を有する金属イオンを与える原料(金属イオン含有化合物)とを、溶媒中、室温〜120℃の間の温度で3時間〜24時間反応させることにより得られる。
またもう一つの好ましい態様は、スクアリリウム化合物と配位能を有する金属イオンを与える原料とを微粒子状に粉砕、あるいは高分子分散剤や界面活性剤とともに種々の分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等)を用いて微粒子状に分散しながら混合すると、反応に必要なエネルギーの低減が図られるので好ましい。
金属イオン含有化合物と前記一般式(2)で表される化合物の混合比(モル比)に制限はなく、スクアリリウム化合物:金属イオン含有化合物=1:Yと表す場合、Yは好ましくは0.1〜100を表し、より好ましくは0.3〜10、更に好ましくは0.5〜2を表す。
金属イオンを与える原料としては、例えば、ビス(アセチルアセトナート)銅、酢酸銅、臭化銅、硝酸銅、シュウ酸銅、硫酸銅、塩化銅、過塩素酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、シアン化銅、沃化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、チオシアン酸銅、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、ニッケル(カルボネート)、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、テトラフルオロホウ酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、テトラフルオロホウ酸亜鉛、ビス(アセチルアセトナート)亜鉛、硝酸コバルト、亜硝酸コバルト、酢酸コバルト、ビス(アセチルアセトナート)コバルト、臭化コバルト、塩化コバルト、シュウ酸コバルト、チオシアン酸コバルトおよび一般式(3)で表される配位子を有する金属イオン化合物などが用いられる。
一般式(3) M(X1)m(X2)l・Ws
式中、Mは金属イオンを表す。X1及びX2はそれぞれ独立に1座または2座の配位子を表し、同一であっても異なっていてもよく、X1とX2は連結していてもよい。
1及びX2として、例えば、特開2000−251957号、同2000−311723号、同2000−323191号、同2001−6760号、同2001−59062号、同2001−60467号の各公報に記載されている。
このとき、溶解性向上およびバインダーとの相溶性向上の観点から金属イオンを与える原料は有機物を対塩として有することが好ましく、このような例としてはジケトナート化合物や一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
以下に金属イオン含有化合物の代表的な具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、りん酸等の無機酸等があげられ、その使用量は、スクアリリウム化合物に対して0.1〜2.0当量(モル比)であるのが好ましい。
溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水等があげられ、その使用量はスクアリリウム化合物に対して1〜500倍量(質量比)であるのが好ましい。
以下に本発明のスクアリリウム金属キレート化合物について説明する。
本発明におけるスクアリリウム金属キレート化合物は、上記一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート化合物において、少なくとも一つの吸収極大波長が可視域(380〜780nm)に存在するもののことを指す。
本発明のスクアリリウム金属キレート化合物は、良好な分光特性を有する事から吸収極大波長から約200nmずれた波長域での吸光係数は吸収極大の吸光係数の100分の1〜1000分の1以下であり、実質上、吸収極大から100nm長波あるいは短波の波長域では吸収を有さないことが特徴である。
このように本発明におけるスクアリリウム金属キレート化合物は可視域に好ましい分光特性を有することを特徴とする。
以下に具体的に一般式(1)で表される化合物の合成法の一例を示すが、その他の化合物も同様にして合成することが可能であり、合成法としては、これらに限定されない。
〔合成例1〕
<MD−32の合成>
Figure 2008298820
D−90:0.30gをメタノール25mlに加温して溶解し、これに酢酸ニッケル(II)4水和物:0.13gのメタノール溶液:10mlを滴下し、そのまま50℃で2時間反応させると色相が変化した。反応液を濃縮し、再結晶した固体をろ取、水で洗浄してMD−32:0.26gを得た。
MASSスペクトル及び元素分析によって同定し、目的物であることを確認した。また、D−90:0.20gと酢酸ニッケル(II)4水和物をメタノールに溶解させた溶液のMASSスペクトルを測定したところ、MD−32の生成を示すMASSスペクトルが観測された。
〔合成例2〕
<MD−57の合成>
Figure 2008298820
D−23:0.33g、銅(II)テトラフルオロアセチルアセトナート水和物:0.40gをメタノールに溶解し、1時間加熱還流させた。溶液を冷却後、減圧濃縮し、さらに酢酸エチル、水を加え有機層を抽出した。有機層を減圧濃縮した混合物をメタノールに溶解し、これに過塩素酸ナトリウム:0.1gを少量ずつ加えると固体が析出した。
これをろ取してMD−57:0.28gを得た。MASSスペクトル及び元素分析によって同定し、目的物であることを確認した。
〔合成例3〕
<MD−98の合成>
Figure 2008298820
D−98:0.56g、MS−41(配位子にX−116を使用したもの):0.76gにアセトン:30mlを加えて1時間加熱還流した。
反応液を10ml程度まで減圧濃縮し、これにアセト二トリル:15mlを加え5℃まで冷却し、析出する結晶を濾過し、MD−98:0.97gを得た。MASSスペクトル及び元素分析によって同定し、目的物であることを確認した。
また、D−98:0.30gとMS−41:0.61gをメタノールに溶解させた溶液のMASSスペクトルを測定したところ、MD−98の生成を示すMASSスペクトルが観測された。
本発明のスクアリリウム金属キレート化合物を少なくとも1種含有する光学フィルター用組成物は、本発明の色素に加え、製膜安定性などのために分散剤(バインダー)との組成物、もしくはこれに更に溶媒を加えた組成物として用いられる。
バインダーとしては、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アラミド樹脂などが挙げられるが、好ましくは(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが好ましく用いられ、最も好ましくは(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂である。また、これらの共重合体も同様に好ましい。
(メタ)アクリレート系樹脂とは、種々のメタクリレート系モノマー、もしくはアクリレート系モノマーを単独重合、もしくは共重合することにより合成され、モノマー種及びモノマー組成比を種々変えることによって、望みの(メタ)アクリレート系樹脂を得ることができる。
また本発明においては、(メタ)アクリレート系モノマーと一緒に(メタ)アクリレート系モノマー以外の不飽和二重結合を有する共重合可能なモノマーと共に共重合しても使用可能であり、更に本発明においては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂と一緒に他の複数の樹脂を混合しても使用可能である。
本発明において用いられる(メタ)アクリレート系樹脂を形成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、塩化エチルトリメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−アセトアミドメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシランプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
ポリスチレン系樹脂とはスチレンモノマーの単独重合物、あるいはスチレンモノマーと共重合可能な他の不飽和二重結合を有するモノマーを共重合したランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。更に、かかるポリマーに他のポリマーを配合したブレンド物やポリマーアロイも含まれる。
前記スチレンモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルスチレン−p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、などの核アルキル置換スチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、ジクロルスチレン、ジブロモスチレン、トリクロルスチレン、トリブロモスチレンなどの核ハロゲン化スチレンなどが挙げられるが、この中でスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
これらを単独重合、もしくは共重合することによって本発明で用いられる樹脂は合成され、例えば、ベンジルメタクリレート/エチルアクリレート、あるいはブチルアクリレート等の共重合体樹脂、またメチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート等の共重合体樹脂、またメチルメタクリレート/メタクリル酸/ステアリルメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレートの共重合体樹脂、またスチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体樹脂、また、スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体、更には、2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体樹脂等が例として挙げられる。
《光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルター》
本発明の光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターは、基材中に本発明の色素を少なくとも1種含有してなる組成物からなるもので、本発明でいう基材に含有するとは、基材の内部に含有されることは勿論、基材の表面に塗布した状態、基材と基材の間に挟まれた状態等を意味する。
本発明における光学フィルターは、可視域に吸収極大を少なくとも一つ有する事が特徴であって、いわゆるカラーフィルターとして知られるような、RGB三色を1組として格子状に多数並び全体として四角形に配置され、CCDイメージセンサなど固体撮像素子、あるいは液晶を使用したカラーディスプレイに用いられる部品のように特定の色の光を透過させ、それ以外を遮るものではなく、特定の波長域の光を減色させる、あるいは遮り、それ以外の光は透過させるために用いられるものである。本発明のディスプレイ用前面フィルターは表示装置の中でも特にプラズマディスプレイパネル用前面フィルターであることが好ましい。
また、本発明におけるディスプレイ用前面フィルターは、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイのような自発光型表示装置の前面に配置され、色調補整や不要な波長域の発光を遮るために用いられる。
このために本発明のディスプレイ用前面フィルターは可視領域に少なくとも一つの吸収極大を有することが特徴である。
これを実現するために本発明の色素は溶液状態において可視領域に吸収極大を有することが特徴であり、より好ましくは色調調整のために450〜620nmに吸収極大を有することが好ましく、特にネオン発光をカットするためには560〜620nmに吸収極大を有することが好ましく、580〜600nmに吸収極大を有することがより好ましい。
基材としては、透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス等が挙げられ、波長400〜700nmの光線透過率が40%以上の透明性があれば特に制限はない。
例えば、ポリイミド、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びトリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましく用いられる。
基材の厚さは、ある程度の機械的強度があれば特に制限はないが、通常は、20μm〜10mmであり、20μm〜1mmが好ましく、20μm〜200μmが特に好ましい。
上記光学フィルター用組成物を用いて本発明の光学フィルターおよびディスプレイ用前面フィルターを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、
(1)透明粘着剤に含有させる方法
(2)高分子成形体へ含有させる方法
(3)高分子成形体又はガラス表面にコーティングする
方法等が挙げられる。
(1)に挙げた透明粘着剤の具体的な例としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール粘着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等のシート状または液状の粘着剤等を挙げることができ、この中でもアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤が好ましい。本発明の色素の添加量は、通常10ppm〜30質量%であり、10ppm〜20質量%が好ましく、10ppm〜10質量%が特に好ましい。
(2)に挙げた高分子樹脂成形体へ含有させる方法としては、(A)樹脂に色素混合物を混錬し、加熱成形する方法と(B)有機溶剤に、樹脂または樹脂モノマーと色素混合物を分散、溶解させ、キャスティング法により高分子成形体を作製する方法が挙げられる。
(A)で使用される樹脂としては、板またはフィルム作製した際に、できるだけ透明性の高いものが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
加工条件としては、色素混合物をベース高分子の粉体或いはペレットに添加、混合し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形して板を作製する方法、押し出し機でフィルム化する方法、押し出し機で原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に1軸乃至2軸に延伸して、10〜200μm厚のフィルムにする方法、等が挙げられる。尚、混錬する際に可塑性等の通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えても良い。
(B)のキャスティング法では、樹脂又は樹脂モノマーの有機溶剤溶液もしくは有機溶剤に、色素混合物を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥又は重合・溶剤揮発・乾燥させることにより、板又はフィルムを製造することができる。
使用される樹脂としては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVA、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の樹脂モノマーが挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
(3)に挙げた高分子成形体又はガラス表面にコーティングする方法としては、本発明の色素をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解させて組成物とした後に塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン塗料に本発明の色素を微粉砕(50〜500nm)したものを分散させてアクリルエマルジョン系水性塗料にする方法等が挙げられる。塗料中には、酸化防止剤等の通常塗料に用いるような添加物を加えても良い。
バインダーとしては、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂等が挙げられる。
溶媒としては、ハロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、或いはそれらの混合物系等が挙げられる。
組成物の濃度は、グラム吸光係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂の質量に対して、通常、0.1ppm〜30質量%である。
また、樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜50質量%である。
上記の方法で作製した塗料は、基材上にバーコーダー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコーター、ダイコーター、或いはスプレー等のコーティング法等の公知の方法で薄膜を形成することにより、塗工することができる。
さらに本発明のディスプレイ用前面フィルターには、電磁波シールド機能や近赤外線遮断機能を持たせることが好ましい。
電磁波シールドとしては、銀薄膜を用いた積層体や銅を主として用いる金属のメッシュを用いることができる。
銀薄膜を用いた積層体としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の誘電体と銀を交互に、積層したようなものが好ましい。
金属のメッシュとしては、繊維に金属を蒸着した繊維メッシュ、フォトリソグラフィーの技術を用いパターンを形成してエッチングによりメッシュを得るエッチングメッシュ等を使用することができる。
また、金属を含有するインクによるパターニングを行う方法、ハロゲン化銀を塗布、現像定着させる方法なども好適に用いられる。
近赤線遮断機能については、銀薄膜を用いる電磁波シールドを用いる場合は、銀の自由電子による散乱のため、同時に、近赤外線の遮断を行うことができる。
その他、メッシュ、インクパターニングあるいは現像法などを用いた場合は、別途、近赤外線を吸収、もしくは反射するフィルムを用いる。
更に本発明のディスプレイ用前面フィルターには公知の反射防止層、防眩層、ハードコート層、静電防止層、防汚層などの機能性透明層を付加することができる。
また、紫外線カットについては、紫外線カットアクリル板を基板に使っても良いし、基板の一方の面あるいは両面に紫外線吸収層を形成させても良いが、本発明のディスプレイ用前面フィルムに、紫外線吸収剤を含有させても良い。
紫外線吸収剤として、例えば、サリチル酸誘導体(UV−1)、ベンゾフェノン誘導体(UV−2)、ベンゾトリアゾール誘導体(UV−3)、アクリロニトリル誘導体(UV−4)、安息香酸誘導体(UV−5)又は有機金属錯塩(UV−6)等があり、それぞれ(UV−1)としては、サリチル酸フェニル、4−t−チルフェニルサリチル酸等を、(UV−2)としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、(UV−3)としては、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2‘−ヒドロキシ−3’−5‘−ジ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、(UV−4)としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、メチル−α−シアノ−β−(p−メトキシフェニル)アクリレート等を、(UV−5)としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、2‘、4’−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、(UV−6)としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができる。
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子、プラズマディスプレイ等の光学装置の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
更に本発明のディスプレイ用前面フィルターには公知の反射防止層、防眩層、ハードコート層、静電防止層、防汚層などの機能性透明層を付加することができる。
本発明のディスプレイ用前面フィルターを用いて、電子ディスプレイ、またはプラズマディスプレイパネル表示装置を得るには、表示装置として、公知の表示装置あるいは市販品であれば特に限定なく用いることができる。
プラズマディスプレイパネル表示装置とは、次のような原理によってカラー画像の表示を行う装置である。
前面ガラス板と背面ガラス板との間に表示電極対と、2枚のガラス板の間に設けた各画素(R(赤)、G(緑)、B(青))に対応するセルを設け、セルの中にキセノンガスやネオンガスを封入し、一方セル内の背面ガラス板側に各画素に対応する蛍光体を塗布しておく。
表示電極間の放電によって、セル中のキセノンガスおよびネオンガスの励起発光し、紫外線が発生する。
そしてこの紫外線を蛍光体に照射することによって、各画素に対応する可視光が発生する。
そして、背面ガラス板にアドレス用電極を設け、このアドレス用電極に信号を印加することにより、どの放電セルを表示するかを制御し、カラー画像の表示を行うものである。
本発明のディスプレイ用前面フィルターはセル内のネオンガスの発光を選択的に遮断するネオンカットフィルターとして好適に利用することができる。
上述したようにプラズマディスプレイでは蛍光体の発光によりカラー表示を行っているが、ネオン原子が励起された後基底状態に戻る際に600nm付近を中心とするいわゆるネオンオレンジ光を発光することが知られている(映像情報メディア学会誌Vol.51 NO.4P.459−463(1997))。
この為、プラズマディスプレイでは、赤色にオレンジ色が混ざり鮮やかな赤色が得られない欠点があった。
この欠点を解消するため、ネオン発光をカットすることが好ましく、本発明の組成物を用いてネオン発光吸収フィルターを作製する場合には、本発明の色素が溶液状態で560〜620nmに吸収極大を有していること好ましく、580〜605nmに吸収極大を有することが更に好ましい。
このとき560〜620nmの波長領域の吸収極大でのフィルターの透過率は、0.01〜80%の範囲であることが好ましく、1〜70%の範囲であることがさらに好ましい。
またディスプレイの色再現性を高めるために、560〜620nmの波長領域の吸収波形は、シャープであることが好ましい。
具体的には560〜620nmにおける吸収波形は、半幅値(吸収極大の吸光度の半分の吸光度を示す波長領域の幅)が、15〜100nmであることが好ましく、20〜70nmであることがより好ましく、25〜50nmであることがさらに好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
(光学フィルター)
(光学フィルター1A)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−1とポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡績(株)製)の20%ジメトキシエタン溶液を色素が0.05%の割合になるように混合し、ガラス基板上にバーコーターで塗工、乾燥して光学フィルター(試料1A)を作製した。このフィルターは、青紫色を呈しており、可視光線を有効に吸収することがわかった。
(光学フィルター1B)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−2の0.3%ジメトキシエタン溶液とアクリル樹脂(オリバインBPS5896:東洋インキ製造(株)製)を1:15の割合で混合し、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(厚み100μm)上にバーコーターで塗工、乾燥して光学フィルター(試料1B)を作製した。このフィルターは、水色を呈しており、可視光線を有効に吸収することがわかった。
(光学フィルター2A〜18A、2B〜18Bおよび比較の光学フィルター19A、20A、19B、20Bの作製)
スクアリリウム金属キレート色素MD−1およびMD−2の代わりに下記表5および表6に示す色素を用いた以外は同様にして本発明の光学フィルター比較の光学フィルターを作製した。
得られた光学フィルターの耐光性、環境保存性について以下の方法で評価した。結果を表5および表6に併せて示す。
《耐光性》
スガ試験機株式会社製キセノンウェザーメーターを用いてキセノン光(70000ルックス)を50時間曝射した後のフィルターの未曝射サンプルからの可視領域極大吸収波長における透過スペクトル濃度の低下率%(色素残存率%)を算出し、以下の評価基準で4段階評価した。実用上、○以上であることが望ましい。
(色素残存率%)=(曝射試料極大吸収波長濃度/未曝射試料極大吸収波長濃度)×100、に従って求め、以下の評価基準に基づいて5段階評価した。○以上であることが好ましい。
◎◎:耐光性が90%以上
◎:耐光性が80%以上、90%未満
○:耐光性が70%以上、80%未満
△:耐光性が60%以上、70%未満
×:耐光性が60%未満
《環境保存性》
作製直後の光学フィルターを密閉容器に入れ、80℃の恒温槽に1日間保存後、続いて−10℃の冷凍庫で1日間保存し、密閉容器を常温に戻した後、フィルターを取り出した。
(表面状態)
表面の状態を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて4段階評価した。A、Bが実用上問題ないレベルであり、環境保存性に優れていることを示す。
A:保存前後でフィルターの失透やヒビ、ワレなどが観察されないもの。
B:保存後若干の失透が見られるが実用上問題ないもの。
C:明らかな失透が観察されたもの。
D:ヒビ、ワレなどが観察されたもの。
Figure 2008298820
Figure 2008298820
(光学フィルターC)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−96をポリスチレン樹脂(St/HEMA/SMA=30/40/30共重合体、St:スチレン、HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、SMA:ステアリルメタクリレート)の20%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液(メチルエチルケトン:トルエン=9:1)に0.03%の割合になるように混合し、ガラス基板上にバーコーターで塗工、乾燥して光学フィルター(試料C)を作製した。このフィルターは、青紫色を呈しており、バインダーをポリスチレン樹脂に変更した組成物であっても可視光線を有効に吸収することがわかった。
(光学フィルターD)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−86を用い、ポリエステル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に変更した以外上記光学フィルター1Aの製造と同様にして光学フィルター(試料D)を作製した。このフィルターは、青紫色を呈しており、バインダーを変更した組成物であっても可視光線を有効に吸収することがわかった。
(光学フィルターE)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−55の0.5%テトラヒドロフラン溶液と熱溶融ポリエステル樹脂(ダイアボンド工業社製、商品名:SP3300X1)の20%ジメトキシエタン溶液を2:8の割合で混合し、剥離用ポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:MRF75、厚さ75μm)にバーコーターで塗工、乾燥した後、ポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300、厚さ100μm)を塗布面に熱ロールラミネート装置を用いて貼り付け、剥離用ポリエステルフィルムを剥がしてSP3300X1塗工面をガラス側にし、表面が約100℃のアイロンにて1分間熱をかけ、ガラス基板へ貼り合わせ、光学フィルター(試料E)を作製した。このフィルターは、青色を呈しており、バインダーを変更した組成物であっても可視光線を有効に吸収することがわかった。
《ディスプレイ用前面フィルター》
(デフィスイ用前面フィルター1の作製)
ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(厚み100μm)に、本発明のスクアリリウム金属キレート色素(MD−50)の0.2%テトラヒドロフラン溶液0.5g、ポリエステル樹脂の20%メチルエチルケトン/トルエン混合溶液6.5gを混合した後、バーコーターで塗工、乾燥して、膜厚5μmのコーティング膜を得た。
このディスプレイ用前面フィルターの透過率曲線は、610nmに極小値を有しており、これ以外に明瞭な極小値はなく、可視光透過率の最小値の波長がネオン発光の波長領域である560〜620nmにあることから、透過率が高く、ネオン発光を有効に吸収することのできるネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を色素塗布面の反対面より48時間露光した後のサンプルの未露光サンプルからの可視領域極大吸収波長における色素残存度%を算出したところ、94.5%であった。
また、10日間露光した後の色素残存率は78.4%であり、耐光性が良好なネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
(ディスプレイ用前面フィルター2の作製)
PET製フィルム(厚み100μm)に、本発明のスクアリリウム金属キレート色素(MD−91)の0.5%ジクロロエタン溶液0.4g、アクリル樹脂の35%ジメトキシエタン溶液5.0gを混合した後、バーコーターで塗工、乾燥して、膜厚5μmのコーティング膜を得た。
このディスプレイ用前面フィルターの透過率曲線は、589nmに極小値を有しており、これ以外に明瞭な極小値はなく、可視光透過率の最小値の波長がネオン発光の波長領域である560〜620nmにあることから、透過率が高く、ネオン発光を有効に吸収することのできるネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を色素塗布面の反対面より48時間露光した後のサンプルの未露光サンプルからの可視領域極大吸収波長における色素残存度%を算出したところ、91.2%であった。
また、10日間露光した後の色素残存率は58.3%であり、耐光性が良好なネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
(ディスプレイ用前面フィルター3の作製)
上記ディスプレイ用前面フィルター1の色素含有層面と反対側のPET樹脂上に、イソシアネート樹脂をバインダーとし、酸化亜鉛を紫外線吸収剤として含有する紫外線吸収コート液(住友大阪セメント(株)製)をバーコーターでコーティングし、乾燥して、膜厚3μmの紫外線吸収層を形成した。
該フィルターにおいて可視光透過率の極小波長は変化しなかった。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を紫外線吸収層面より10日間露光した後のサンプルの未露光サンプルからの可視領域極大吸収波長における色素残存度%を算出したところ、86.1%であり、耐光性に優れた、紫外線吸収層を有するネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
(ディスプレイ用前面フィルター4の作製)
上記ディスプレイ用前面フィルター1の色素含有層面と反対側のPET樹脂面上に、近赤外線吸収色素(N、N、N′、N′−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジインモニウムの六フッ化アンチモン酸塩)の0.5%シクロヘキサノン溶液0.3g、ポリエステル樹脂20%シクロヘキサノン溶液3gを混合し、バーコーターで塗工し、乾燥して、膜厚6μmのでコーティング膜を得た。このディスプレイ用前面フィルターを日立分光光度計(U−3500)で測定した。透過率の最小値における波長は601nm及び1100nmであった。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を近赤外線吸収層面より10日間露光した後のサンプルの未露光サンプルからの可視領域極大吸収波長における色素残存度%を算出したところ、80.5%であり、耐光性に優れ、近赤外線吸収層を有するネオン発光カットフィルター、ディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。
(ディスプレイ用前面フィルター5の作製)
上記、近赤外線吸収色素(N、N、N′、N′−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジインモニウムの六フッ化アンチモン酸塩)の0.5%シクロヘキサノン溶液0.5g及び本発明のスクアリリウム金属キレート色素(MD−98)の0.5%テトラヒドロフラン溶液0.5gをポリエステル樹脂の20%テトラヒドロフラン溶液6.5gに混合し、PETフィルム(厚み100μm)に、バーコーターで塗工、乾燥して、膜厚5μmのコーティング膜を得た。このディスプレイ用前面フィルターを日立分光光度計(U−3500)で測定した。
透過率の最小値における波長は590nm及び1100nmであった。
さらにこのディスプレイ用前面フィルターの近赤外線吸収色素及び本発明のスクアリリウム金属キレート色素含有表面と反対側のPET樹脂面上に2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールを紫外線吸収剤として含有する紫外線吸収コート液をバーコーターでコーティングし、乾燥して、膜厚3μmの紫外線吸収層を形成した。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を紫外線吸収層面より48時間露光した後のサンプルの未露光サンプルからの可視領域極大吸収波長における色素残存度%を算出したところ、95.8%であり、また、10日間露光した後の色素残存率は72.7%であり、本発明のスクアリリウム金属キレート色素は近赤外線吸収色素と同じ層に用いた場合にも耐光性に優れたディスプレイ用前面フィルターを提供できた。
(ディスプレイ用前面フィルター6の作製)
酸化インジウム一酸化スズ競結体を用い、アルゴンガス、酸素ガスを用いて、ITO薄膜を作製したPETフィルム(厚み100μm)上に、上記ディスプレイ用前面フィルター5で作製した塗工液を用いて近赤外線吸収、ネオン発光吸収層を厚さ5μmで積層させた。さらに反対面上にアンチグレア層を有する厚み3mm、ARコーティング済みのPMMA板のノングレア層の形成されていない面と上記フィルターのITO面を貼り合わせて、プラズマディスプレイパネル用フィルターを作製したところ、平滑性の高い良好なフィルターを作製することができた。
(比較例)
(比較のディスプレイ用前面フィルター1の作製)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−99の代わりに、スクアリリウム化合物D−4を用いた以外は上記ディスプレイ用前面フィルター1と同様にして、比較のディスプレイ用前面フィルター1を作製した。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を紫外線吸収層面より48時間露光した後の色素残存度%は47.6%であり、10日間露光した後の色素残存率は14.2%であった。以上より、比較のディスプレイ用前面フィルター1は本発明のディスプレイ用前面フィルター1に比べ耐光性の点で大きく劣っており、本発明のスクアリリウム金属キレート含有組成物を用いたディスプレイ用前面フィルターは耐光性に非常に優れていることがわかる。
(比較のディスプレイ用前面フィルター2の作製)
本発明のスクアリリウム金属キレート色素MD−98の代わりに、スクアリリウム化合物D−68を用いた以外は上記ディスプレイ用前面フィルター5と同様にして、比較のディスプレイ用前面フィルター2を作製した。
キセノンフェードメーター(7万Lux)を用いてキセノン光を紫外線吸収層面より48時間露光した後の色素残存度%は53.1%であり、10日間露光した後の色素残存率は16.8%であった。比較のディスプレイ用前面フィルター2は本発明のディスプレイ用前面フィルター5に比べ、耐光性は大きく劣っており、本発明のスクアリリウム金属キレート含有組成物を用いたディスプレイ用前面フィルターは耐光性に非常に優れていることがわかる。
以上より、本発明のスクアリリウム金属キレート含有組成物を用いることで耐光性及び環境保存性に優れた光学フィルター、また同様に耐光性に優れ、透過率が高く、ネオン発光を有効に吸収できるネオン発光吸収フィルター及び紫外線吸収層、赤外線吸収層等を有するディスプレイ用前面フィルターを提供することができた。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるスクアリリウム金属キレート色素を含有することを特徴とする光学フィルター用組成物。
    一般式(1)
    M[(SQ)l(W1)m(W2)n]X
    (式中、Mは金属イオンを表す。SQは下記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表し、W1およびW2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。lは1以上の整数であり、mおよびnは各々0〜2の整数を表し、l+m+n≧2であり、Xは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。)。
    Figure 2008298820
    (式中、Aは任意の有機基を表し、B1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、芳香環を形成する。
    1は水素原子または置換基を表す。)
  2. 前記金属イオンが、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルター用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の光学フィルター用組成物を含有することを特徴とする光学フィルター。
  4. 請求項3に記載の光学フィルターがディスプレイ用前面フィルターであることを特徴とするディスプレイ用前面フィルター。
  5. 請求項4に記載のディスプレイ用前面フィルターがプラズマディスプレイ用前面フィルターであって、下記一般式(1)で表される色素が560〜620nmの範囲に吸収極大を有することを特徴とするディスプレイ用前面フィルター。
    一般式(1)
    M[(SQ)l(W1)m(W2)n]X
    (式中、Mは金属イオンを表す。SQは下記一般式(2)で表されるスクアリリウム化合物を表し、W1およびW2はそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、同一であっても異なっていても良い。lは1以上の整数であり、mおよびnは各々0〜2の整数を表し、l+m+n≧2であり、Xは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。)。
    Figure 2008298820
    (式中、Aは任意の有機基を表し、B1、B2、B3およびB4は炭素原子または窒素原子であって、炭素原子のとき水素原子または置換基を有し、芳香環を形成する。
    1は水素原子または置換基を表す。)
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