JP2008298598A - 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法 - Google Patents

微小流体素子とその利用方法およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008298598A
JP2008298598A JP2007145289A JP2007145289A JP2008298598A JP 2008298598 A JP2008298598 A JP 2008298598A JP 2007145289 A JP2007145289 A JP 2007145289A JP 2007145289 A JP2007145289 A JP 2007145289A JP 2008298598 A JP2008298598 A JP 2008298598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
liquid
space
microfluidic device
swollen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007145289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008298598A5 (ja
Inventor
Satoru Hatakeyama
哲 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007145289A priority Critical patent/JP2008298598A/ja
Publication of JP2008298598A publication Critical patent/JP2008298598A/ja
Publication of JP2008298598A5 publication Critical patent/JP2008298598A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、微小流路やチップにおいて液体試料を搬送する際に流路内微小構造部位などに生ずる気泡の滞留や発生を原理的に抑え、かつ微小構造体を構築した微小流路やチップ内で行う種々のプロセスを精度よく、均一な状態で行える微小流体素子とその微小流体素子の利用方法、製造方法を提供する。
【解決手段】液体を導入するための導入口と排出するための排出口を有する空間と該空間内に固定されたポリマーとを有する微小流体素子であって、前記ポリマーは液体中の成分によって膨潤し、且つ飽和状態まで膨潤した際に空間の断面を閉塞させないことを特徴とする微小流体素子。液体を搬送する際に空間内に固定したポリマーが膨潤して流路内微小構造を形成する。本発明は、また微小流体素子を液体試料の濃縮素子、分子相互作用反応素子などとしての利用、及び素子の利用方法と製造方法を開示する。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小流体素子とその利用方法およびその製造方法に関し、特に微小流路やチップ上での生体分子反応やその検出を含む化学分析や化学合成を行う装置において用いる微小流体素子であり、また、その素子の利用方法に関する。
近年、マイクロマシーニング技術の発展に伴い、ガラスやシリコン、プラスティック等の基板上に微小流路を形成し、この流路に蓋をすることによって微小な空間を形成することができるようになった。この流体を流通させるための微小空間を有する微小流体素子においては、各種液体の混合・反応・分離・精製・抽出・分析などの場に利用するため、様々な場に特徴的な微小流体素子の開発が注目されている。微小流体素子を用いてこれらの場を提供するシステムは、小型化分析システム、μ−TAS(Micro Total Analysis System)あるいはLab on a Chipと呼ばれている。そして、通常、反応流路の等価直径(流路の断面を円に換算したときの直径)が500μmよりも小さいものが微小流路とされている。このように、流路のスケールが微小化してくると、単位体積当たりの表面積が非常に大きくなるという特徴が得られる。この特長によって、熱伝導、物質移動拡散などの効率が向上し、従来のバッチ式に比べ、反応時間の短縮や反応速度の向上等の利点が得られる。また、薬品や触媒試薬類などの使用量を大幅に低減することができ、経済的にも有効である。μ−TASは、システムの小型化、低価格化および分析時間の大幅な短縮が可能なことから、在宅医療やベッドサイドモニタ等の医療分野、DNA解析やプロテオーム解析等のバイオ分野での応用が期待されている。
μTASシステムをバイオ分野に応用する場合、一般的に検出したい生体分子を捕捉するプローブ分子を流路内の内壁面に固定し、流路へ生体分子を含む検体試料を送液し反応させたり、酵素を固定して基質と反応させたりする。このように二つの分子が会合する工程を含む反応は、一般的に拡散律速であるので、反応効率を高めるためには検体試料中の生体分子が固定化されているプローブ分子と出会う確率をどう増やすかが大きなポイントとなる。
μTASシステムは、バッチ方式に比べて各種反応やプロセスの効率、必要試薬量の低減などの点では格段に良くなっている。しかし、在宅医療やベッドサイドモニタ等の医療分野や極微量の検体を扱うような分野での利用などを考えると、更なる反応効率向上と検体採取量の微量化や試薬投入量ロスにつながる工夫が望まれているのも事実である。
流路内での反応効率を向上させる工夫としていくつかの方法が開発されている。例えば、非特許文献1には、プローブ分子を固定する表面積を大きくするために、キャピラリー流路中に多孔質モノリスシリカを形成し、モノリスシリカ表面に酵素を固定化する酵素固定化モノリスシリカカラムが開示されている。また、特許文献1には、鋳型成型により基材にピラー状の突起物を形成することが開示されている。
フォトリソグラフィーとエッチング技術の進展により、流路自体を数μmやサブμm径という極小の流路や流路内微小構造体の作製が現在可能となり、μTASシステムへの応用が期待されている。
また、特許文献2には、微小流路内での反応効率向上の別のアプローチとして、流路内の溶液を攪拌させるための微小構造を前もって構築することも開示されている。その微小構造体により流路内に乱流を形成させ、反応効率を向上することを開示している。
特開2004−170935号公報 特開2004−283083号公報 Analytical Chemistry Vol.74 4081-4088 (2002)
上記した従来技術は、実際の検体試料を送液する前にあらかじめ流路内にあるいは流路作製と同時に微小構造体を作製し反応などのための微小場に用いることを開示しているが、前もって微小場を形成しておくと試料導入により気泡が滞留する懸念がある。そうすると、均一な反応や検出、送液圧力などを得ることができず、分析結果の信頼性を著しく損なう恐れが生じる。
上記懸念を解消するため、従来技術では微小場材料表面を親水処理するなどの工程の工夫を加えているが、工程の煩雑さや処理のばらつきなどの問題が生じる。
μTASシステムは、更なる微細化が可能になってきている一方で、実用面では微細であるがゆえに気泡の滞留といった問題が生じてきており、この微細な場に均一に検体試料を導入し、簡単かつ精度良く操作や反応、分析のできる素子や手法が求められている。
本発明の目的は、微小流路やチップにおいて液体試料を搬送する際に流路内微小構造部位などに生じる気泡の滞留や発生を原理的に抑えることのできる微小流体素子とその微小流体素子の利用方法、製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、微小流路やチップにおいて液体試料を搬送する際に微小構造体を構築した微小流路やチップ内で行う種々のプロセスを精度よく、均一な状態で行える微小流体素子とその微小流体素子の利用方法、製造方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、種々の用途に利用可能であり、簡便で安価な微小流体素子又はその利用方法と微小流体素子の製造方法を提供することである。
本発明に係る微小流体素子は、液体を導入するための導入口と排出するための排出口を有する空間と該空間内に固定されたポリマーとを有する微小流体素子であって、前記ポリマーは液体中の成分によって膨潤し、且つ飽和状態まで膨潤した際に空間の断面を閉塞させないことを特徴とする微小流体素子である。
また、本発明に係る微小流体そしの製造方法は、液体を導入するための導入口と排出するための排出口を有する空間と該空間内に固定されたポリマーとを有する微小流体素子であって、前記ポリマーは液体中の成分によって膨潤し、且つ飽和状態まで膨潤した際に空間の断面を閉塞させないことを特徴とする微小流体素子の製造方法であって、
前記ポリマーを膨潤させた状態で前記空間内に固定する工程と、
前記ポリマーを乾燥させる工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする微小流体素子の製造方法である。
本発明の効果について下記に列挙する。
本発明の微小流体素子において、空間に固定された、液体を導入する前の密にパックされている乾燥状態のポリマーは、該空間断面積に占めるポリマーの比率は膨潤して微小構造体を構築する状態に比べて小さい。よって、液体を導入する際に大きな該空間断面積を確保することができる。そして、大きな断面積をもつ空間に液体を導入することで、該空間内に前もって構築した微小構造体領域に液体を導入する場合に発生しがちな気泡の滞留を原理的に解消することが可能である。さらに、導入時に気泡の滞留を抑え、微小構造体領域に均一な液体の充填が可能になると、領域内での種々の反応やプロセス、検出、送液圧力などを均質にかつ精度よく行えることができ、分析結果の信頼性を著しく向上できることが期待できる。用途としては、化学分析以外に特に再現や精確さなどの信頼性が求められる在宅医療やベッドサイドモニタ等の医療分野、DNA解析やプロテオーム解析等のバイオ分野での応用が特に期待できる。
また、本発明の微小流体素子を用いることにより、ポリマーを固定配置した空間において、該ポリマーの膨潤とそれに伴って形成される微小構造体により、液体試料の濃縮や拡散範囲の減少、乱流や遷移流の形成による攪拌などを可能とする。その結果、微小流体素子内における反応効率を高めることができる。特にバイオ分子計測分野においては、微小流体素子内に配置される捕捉分子に対して、ターゲット生体分子の濃縮や拡散範囲の減少、乱流や遷移流の形成による攪拌効果により、ターゲット分子と固定化されている捕捉分子との衝突回数を増加させることができる。その結果、両者間の反応効率を高めることができる。このように反応効率を高めることにより、短時間で処理が完了することができるとともに、微量生体サンプルを低損失での計測かつ検出感度の高感度化ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における主な言葉の概念を明示する。
(空間)
本発明において開示する空間とは、液体を導入するための導入口と排出するための排出口を有し且つ、その内部にポリマーが配置されている空間である。そして、導入した液体の成分によりポリマーが膨潤しても導入口から排出口に対して空間断面全体を閉塞せず、優先的に液体が流れる設計可能な微小流路が確保されている空間を指す。
本空間が持つ特徴を損なうことがなければ、本空間の形態、材料と構成はどんなものでも良く制限はない。例えば、本空間の形態として、導入口と排出口の位置関係が一次元、二次元あるいは三次元的に配置されていても構わず、空間断面形状も四角、円、多角形など特に規定しない。また、導入、排出口の等価直径と異なる直径領域が空間内に存在することやポリマーの固定スペースのような液体の滞留領域の存在、他の流路との接合点や複数流路の分岐構造を持っていても良く、本発明の利用目的に応じて形態を決定することができる。
(ポリマーの固定/配置)
本発明において開示するポリマーの固定とは、上記概念で示す空間内にポリマーを直接的に、化学あるいは物理固定することと少なくともポリマーを包含する材料として空間内に間接的に化学あるいは物理固定することを意味する。固定されたポリマーは、液体の搬送により脱離しないことを特徴とする。固定方法は従来公知の固定法が用いることができる。例えば、基板表面の接着向上処理や基板やポリマーの表面の化学修飾などが挙げられる。また、ポリマーの配置とは、ポリマーが飽和状態まで膨潤した際のポリマーのサイズ・形状あるいはポリマーを包含する材料のサイズ・形状を加味して設計し、配置することを意味する。配置する際にポリマーは乾燥していても含水膨潤していても良い。飽和状態までポリマーが膨潤した状態で、前記空間の導入口から排出口に対してポリマーあるいはポリマー含有材料が空間断面の全体を閉塞せず、優先的に液体が流れる微小流路が確保できればポリマーをどんな形状でも空間内に配置することができる。また、空間の一部分あるいは全面に配置することができる。パターン配置とは、空間内壁に均一に配置していない、部分的あるいは形状やサイズ、種類などが位置により異なることを示す。
図18にポリマーとポリマー含有材料の構成に関して具体例を示す。図18の例示はすべて基板表面の接着力を上げる処理を施しているが、基板材料とポリマーあるいはポリマー含有材料の親和性により表面処理をしなくても良い。図18(a)(b)はポリマー含有材料の実施形態を示す。図18(a)は基板表面上に液体成分により膨潤する粒子状ポリマーをバインダー材料で包含するシート状複合材料を示す。粒子状ポリマーとバインダー間で架橋してもしなくても良いが、脱離しない意味で架橋させた方が好ましい。図18(b)は粒子状ポリマーを透水性材料で基板と挟んだ構成を示す、透水性材料はポリマーが均一に膨潤するように液体が基板平面方向に材料内で拡散しやすい材料が好ましい。例えば不織布や紙、樹脂などが好適である。また、上記透水性材料と粒子状ポリマー層を繰り返して多層にすることもできる。図18(c)は粒子状ポリマーを直接基板に固定した構成を、図18(d)シート状ポリマーを基板に直接固定した構成を例示する。シート状ポリマーとして例えば熱加工性を有するポリマー、溶剤に溶かして印刷や塗布により形成できるポリマーが挙げられ、パターニングが可能であることが好ましい。
ポリマーあるいはポリマー含有材料のパターン配置に関して、導入口と排出口の位置が一次元的に配置されている場合の代表的具体例として図1〜11示す。ここに示す導入・排出口の位置関係や空間形状、空間断面形状、ポリマー、ポリマーパターンに限るものではなく、目的用途によりパターン配置できる。例えば、図1、図2は空間内に一つの微小構造体を形成する例で、図1は基板上面に固定、図2は蓋に固定し、液体成分によりポリマーが膨潤した際に厚み方向に優先的に液体が流れる空間が確保されている状態を示す。図3、4、5は三つの微小構造体を形成する例で、液体の流れ方向に対して垂直に配置。図3は三つのポリマー含有材料が基板上面に固定、図4は三つのポリマー含有材料が蓋下面に固定、図5は、三つ中の中央のポリマー含有材料が蓋下面に固定でその他二つは基板上面に固定されている。これらのパターン配置では、液体成分によりポリマー含有材料が膨潤した際に厚み方向に優先的に液体が流れる空間が確保されている状態を示す。図6、7は5つの微小構造体を形成する例で、流れ方向に対して垂直に配置する。図6は五つのポリマー含有材料が基板上面に固定され、液体成分によりポリマー含有材料が膨潤した際に厚み方向と平面方向の両方に優先的に液体が流れる空間が確保されている状態を示す。図7は五つのポリマー含有材料が基板上面に固定され、液体成分によりポリマー含有材料が膨潤した際に平面方向のみに優先的に液体が流れる空間が確保されている状態を示す。図8、9は三つの微小構造体を形成する例で、液体の流れ方向に対して並行に配置。液体成分によりポリマー含有材料が膨潤した際に平面方向のみに優先的に液体が流れる空間が確保されている状態を示す。図10、11は空間内に六つのポリマー含有材料を配置する、ポリマー含有材料の固定スペースとして液体の滞留領域を設けた例を示す。図10は滞留領域の基板側面にポリマー含有材料を固定/配置。図11は滞留領域の基板上面にポリマー含有材料を固定/配置、好ましくはポリマー含有材料は透水材料との複合材料。
空間内に固定されるポリマーあるいはポリマー含有材料の配置は上記具体例に示す形状、数、固定個所、方向に限るものではなく、空間の形状やサイズと利用目的により自由に設計することができる。もちろん空間の全面に配置しても構わないし、複数種類のポリマーあるいはポリマー含有材料を同空間内に存在させても良い。
(ポリマー)
本発明で開示するポリマーとは、液体成分により膨潤するポリマーを示し、例えばハイドロゲル(=吸水性ポリマー)、オルガノゲルが挙げられる。分離能を有するポリマーとは、ポリマー成分の架橋度を制御しており、架橋密度により低分子はポリマーの膨潤によりポリマー内に取り込まれることため、分子サイズにより低分子と高分子を選択的に分離することが可能である。更に、生体内の分子の場合、ホルモンや低分子タンパク質、低分子化合物などを含む低分子量分子は高分子タンパク質と複合体を形成することで安定化することがある。そのような生体内分子を微小流体素子に導入する際に、複合体中の低分子化合物も高分子として選択的に分離することもできる。
(濃縮素子)
本発明で開示する濃縮素子とは、該微小流体素子に導入する液体が分析試料であり、ポリマーを膨潤させる成分が分析試料中の成分である場合の素子を指す。該微小流体素子への試料導入により気泡の滞留を抑えた微小構造体の構築と同時に分析試料の濃縮が可能になる。さらにポリマーが分子サイズにより分子を分離する機能をもつことが望ましい。
(分子相互作用反応素子)
本発明で開示する分子相互作用反応素子とは、ポリマーが飽和状態まで膨潤した際の空間断面の閉塞しない、微小構造体中の導通領域が形成されることによってできる、液体が優先的に流れる場を与える素子を指す。バイオ分子計測に該素子を用いる場合は、該素子に生体分子捕捉プローブ分子を包含していることを特徴とする。液体が優先的に流れる場は、液体の空間内での拡散範囲を極めて小さくすることができ、ポリマーの材質やサイズ、配置と空間の形状や構成する部材の選定などは効率よく分子相互作用を行えるように設計が可能である。
(分子相互作用検出)
本発明で開示する分子相互作検出とは、該微小流体素子を分子相互作用反応の検出に用いる場合を指す。検出方法はどんな方法でも良く、微小流体素子を検出用途に用いていれば特に規定されない。また、ポリマーの材質やサイズ、配置と空間の形状や構成する部材の選定など検出方法によって設計が可能である。
(液体攪拌)
本発明で開示する液体攪拌とは、該微小流体素子内の固定されているポリマーが液体中の成分によって膨潤し、空間内に微小構造体を形成し且つ飽和状態まで膨潤した際に空間の断面を閉塞していないことを利用するものである。その微小構造体を空間内に乱流や遷移流を発生することができるようにポリマーを設計配置し、液体の攪拌に適用する場合の微小流体素子を意味する。ポリマーの材質やサイズ、配置は特に規定しないが、攪拌が効率よく行えるように設計することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明における微小流体素子の実施形態の一例を示す概念図である。図1(a)は微小流体素子の上部図、図1(b)は、長手方向側面図、図1(c)は液体導入中あるいは後の長手方向側面図を示す。図1には示していないが(d)は短手方向側面図、(e)は液体導入中あるいは後の短手方向側面図を示す。以下、図1を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す微小流体素子は、液体を導入するための導入口101と液体を排出するための排出口102を有する空間103と該空間に固定されているポリマー104を有する。該空間は基板105と蓋106で形成され、ポリマーは基板に固定されている。導入口より液体を導入すると液体成分によりポリマーが膨潤し、空間内に微小構造体107を形成する。微小構造体107が形成した後も図1(c)に示す黒矢印のように空間内を優先的に液体が通る微小流路が確保されていることを示す。図1のポリマー固定位置を基板ではなく蓋にすることもできる(図2)。
基板105と蓋106、または図示していないが基板と蓋との間隔を形成するスペーサーを含め空間を構成する材料は、液体試料に対して耐性を有していれば特に制限はなく、加工性や材料費を加味し決定することができる。例えばガラス材料、シリコンなどの半導体材料、金属材料、プラスティック、テフロンまたはそれらの併用などが挙げられる。
このような空間を構成する材料にポリマー104を固定するため材料表面は処理されていなくても良い。または、ポリマーの接着強度を向上させる目的で、各種下地層(アンカーコート層)例えば光反応基などの化学反応基等を介在させたり、あるいはコロナ放電処理などの各種易接着処理を施すことができる。
導入する液体としては、例えば水やアルコールなどを溶媒とした溶液を用いることができる。特に水の場合、バイオ分野への利用という観点から生体分子含有水溶液が挙げられ、例えば核酸やタンパク質、糖類、脂質、生体低分子化合物あるいはその複合体のような生体成分含有水溶液を用いることができる。
ポリマー104としては、液体の成分により膨潤すればどんなポリマーでも良い。例えば、生体分子含有水溶液を微小流体素子に導入する場合、水分により膨潤する吸水性ポリマーが好適である。水分には水以外に目的対象外の低分子化合物を含んでいても良い。
この吸水性ポリマーとしては、従来公知の種々のものを用いることができる。例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸金属塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセロールメタクリレート、ポリグルコキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、デンプン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、ポリアルキレンオキサイドまたはこれらの共重合体の中で、単独あるいは複数種組み合わせて用いることができる。
このような吸水性ポリマーを吸水・保水性およびゲル強度、体積膨潤率の観点から適当な架橋剤により架橋することが好ましい。
共重合時に架橋性を有するポリマーの添加量を制御し、ゲル強度や吸水性などを制御することができる。例えば、多価ビニル化合物としては、通常の吸水性ポリマーの製造に用いられている架橋剤の中から任意に選ぶことができ、N,N-メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が例示できる。
また、ゲル強度や吸水性、体積膨潤率を制御する方法として公知の以下のような吸水性ポリマー製造技術も、この発明にも使用できる。そのような方法には、重合終了後、ポリマー官能基と反応する架橋剤を分散媒体中に少量添加しポリマー表面の架橋密度を高める手法がある。更にUVモノマーの添加とUV照射による架橋法やラジカル反応性不飽和基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーの添加と電離放射線照射による架橋法などがある。
微小流体素子におけるポリマーは、液体を導入する前として、乾燥状態であることができる。吸水ポリマーを用いた場合、特に限定はないが、使用する吸水ポリマーの最大吸水率の半分以下まで乾燥していることが望ましい。吸水性や膨潤率などの性能の観点から、より好ましくは1/3以下が望ましい。
本発明において、ポリマーの乾燥状態と膨潤状態の該空間内に占める容積の違いが大きい、つまり膨潤率が大きいポリマーほど好ましい。特に限定はないが、乾燥状態のポリマーあるいはポリマー含有材料の空間断面に占める比率が0.5以下であることが好ましい。気泡の滞留を抑制するという観点から、さらに好ましくは0.3以下が望ましい。
気泡の滞留を抑制する観点から、吸水ポリマーの選択として分子内に親水基が多い方が好ましい。特に−OH、−COOH、−NH2、(ポリ)オキシエチレンなどの親水性を有するものがより好ましい。
気泡の滞留を抑制する従来公知の技術を本発明に併用することができる。例えば、空間を構成する材料の液体に対する親和性がある材料の選択や材料の液体親和性処理、流速の最適化や液体の脱気処理、液体の粘度調整などが挙げられる。
本発明において、吸水性ポリマーの諸性能は微小流体素子の利用目的により決めることができる。
微小流体素子の空間形態、吸水性ポリマーの種類や形状、配置と液体動作条件(流速、ストップドフロー)などを適宜選択と調節を行うことができる。例えば、膨潤後の空間での液体動作条件は実際の圧力や流速をモニターしフィードバックすることができる。
該微小流体素子により微小流路(微小場)を液体導入中あるいは後から形成することができる。従来技術で示した前もって多孔質やピラー構造体を微小流路(微小場)として作製しておくと液体導入時に微小流路(微小場)内に気泡の滞留が生じる可能性を指摘した。本発明に開示する微小流体素子は液体導入前ポリマーが乾燥状態にあり空間断面に対して占めるポリマーの比率が小さいため液体をスムーズに導入できるので、気泡の滞留を抑制することが可能である。具体的な実施形態を図7、8、9の異なる概念図を用いて説明するが、本実施形態に限定されない。図7、8は液体の導入により基板上に固定されたポリマーが膨潤して蓋に接触している状態を示す。接触後、蓋とポリマー間で結合する工夫を施しても良い。蓋とポリマーあるいは両方に前もって結合しやすいように表面処理や官能基などの修飾をすることができる。図7、8は空間内に基板平面方向の二次元的な微小流路が構築されることを示す。図9は液体の導入により基板と蓋の両方に固定されたポリマーが膨潤して、基板に固定されたポリマーは蓋に接触し、蓋に固定されたポリマーは基板間に空間を確保している状態を示す。接触後、蓋とポリマー間あるいはポリマー間で結合する工夫を施しても良い。蓋とポリマーあるいは両方に前もって結合しやすいように表面処理や官能基などの修飾をすることができる。ポリマーの種類は複数使用することができる。例えば、基板に固定しているポリマーと蓋に固定しているポリマーが異なることができる。
微小流体素子の利用用途により、適宜ポリマーの選択と配置設計を行うことができる。より好ましくは選択するポリマーの膨潤速度から流速を決定することができる。また、ストプドフローなどによる流体操作も行うことができる。
また、ポリマーを膨潤させる液体と試料液体が異なっていても良い。例えば、気泡の滞留を抑制することを優先する場合、水でポリマーを膨潤させ、充填されている状態の素子についても本発明で開示する。その後の液体試料導入は、効果として気泡の滞留が抑制できる。
該微小流体素子を濃縮素子に適用する場合、吸水性ポリマーの架橋密度を制御することで、分子を分子サイズにより分離する機能を保有させることができる。例えば、生体分子含有水溶液中の夾雑低分子化合物や水分を選択的に吸水性ポリマーの膨潤剤として吸収させ、目的の生体分子は吸収されないようにすることができる。目的生体分子の分子サイズと吸水性ポリマーの架橋度合いを含めた選択により達成できる。濃縮機能は吸水性ポリマーの選択にのみ依存するので、後述する他の機能と同時に効果を期待できる。一方、濃縮素子としての単機能利用方法として、図10、11に具体的な実施形態を示す。図10は空間内に設けた六つの液体滞留領域に分離能をもつシート状吸水性ポリマーを配置しており、滞留領域の基板側面に固定している。本素子に生体分子含有水溶液を導入すると図10(d)に示すようにポリマーが膨潤し、目的生体分子が濃縮され、排出口に濃縮された溶液が送液される。好ましくは、一定量の濃縮したい液体を導入し、飽和状態までポリマーが膨潤した後に排出口より濃縮液を排出することができる。送液速度や送液方法などは適宜決めることができる。図11はポリマーの固定位置が基板上面であることを示しており、効果としては図10で示した通りである。図10、11に示す液体滞留領域を設けるメリットとして、膨潤後のポリマー形状をポリマー種などにより精密に制御しなくても領域空間により制御されるので、簡単に作成可能であることが挙げられる。
本発明において微小流体素子を分子相互作用反応素子に適用する場合、図12〜17に具体的な実施形態を示し説明する。図12、13、16は図2に記載の微小流体素子を、図14、15は図1に記載の微小流体素子を、図17は図4に記載の微小流体素子を用いた例を示す。分子相互作用反応素子に適用すると、生体分子の相互作用を促進することができる。ターゲット生体分子を捕捉する分子(プローブ分子)を空間内に固定しておくことを特徴とする。固定方法は従来公知の技術を使用できる。例えばプローブ分子の持つアミノ基やチオール基、カルボキシル基などと反応できる官能基を固定したい部分に設けることができる。また、直接、基板や蓋に生体プローブ分子を固定しなくても良い。例えば磁性微粒子や金属微粒子、ラテックス微粒子などを介してプローブ分子を固定することができる。また、空間を構成する材料に検出に用いることができる薄膜を介して固定することも含むことができる。図12、16、17は基板にプローブ分子を固定、図13、15はポリマー表面に固定、図14は蓋に固定しており、どれもポリマーが膨潤するとターゲット分子の拡散範囲が非常に小さくなる。その結果、ターゲット分子とプローブ分子の出会う確率が上がり反応効率が向上し、生体分子反応が促進する。本素子に分離能を有するポリマーを用いることにより、ターゲット分子の濃縮効果が合わさり、更なる反応効率向上が期待できる。図12〜15は吸水性ポリマーとプローブ分子の固定位置が広義の意味で同じ場合を示す。図16はプローブ分子固定部位と吸水ポリマー固定位置とを広義の意味で異なるように配置した例を示すが、効果については同様である。また、図17はプローブ分子と吸水性ポリマーが広義の意味で同じものを含む場合の実施形態を示している。図17は空間内にパターン配置したポリマーが異なる効果をもたらす素子として機能している例を示す。例えば、左二つのポリマーは後述する攪拌素子と濃縮素子、右のポリマーは濃縮素子と分子相互作用反応素子として用いることができる。更に、図12〜17に例示した素子はすべて、分子相互作用反応検出に適用することができるが、相互作用検出を別の部位で行うこともできる。
本発明において微小流体素子を分子相互作用検出に適用する場合、検出方法に制限はないが、例えば、蛍光、発光、散乱、吸収、表面プラズモン共鳴、局在プラズモン共鳴などが挙げられる。また、分光学的に分子の相互作用を検出する場合、空間を作製する材料の少なくとも検出部位は透明な材料を用いることができる。検出方向は特に規定はないが、透過光や反射光を検出することができる。必要に応じてターゲット分子やプローブ分子を標識することができる。
本発明において微小流体素子を液体攪拌に適用する場合、図3、4、5、6に具体的な実施形態を示し説明する。図3〜5は吸水ポリマーの固定部位が異なる例を示し、図3は基板に固定、図4は蓋に固定、図5は基板と蓋に固定している例を示す。図6は基板に固定しているが、吸水性ポリマーの固定配置が図3〜5とは異なる例を示す。図3〜6に示すように、気泡の滞留を抑制して微小構造体を形成することにより空間内に乱流や遷移流が形成され、導入液体を攪拌することができる。
次に本発明の微小流体素子を製造する方法について説明する。図19は、微小流体素子の製造工程においてポリマーを固定配置する方法に関する具体的な実施形態を示す。まず、(1)基板に接着性を向上する表面処理を行い、(2)乾燥状態の粒子状ポリマーを均一に塗布する。(3)ポリマーを膨潤させた後、基板表面と結合反応をおこす。(4)その後結合していないポリマーを除去し、(5)乾燥させる。尚、(2)の工程において、膨潤させた状態で基板に塗布しても良い。例えば、表面処理として、光架橋基を有する表面を作成することができる。その場合、反応は光親和性反応を用いることができる。図19は粒子状ポリマーを用いる場合であるが、この例に制限されない。本発明は、微小流体素子製造方法において、少なくともポリマーの膨潤と固定と乾燥工程を含んでなる方法を提供する。また、本方法は現実的に膨潤時のサイズや形状を確認するのに有効である。
以下、実施例を用いて本発明を、より詳細に説明する。なお実施例中における、寸法、形状、材質、構成、製造プロセスは、一例である、本発明の要件を満たす範囲内であれば、設計事項として任意に変更できるものである。
実施例1(気泡の滞留有無)
本実施例では、図2に示した微小流体素子を作製し、気泡の滞留がないことを確認する。本実施例の微小流体素子の作製方法を説明する。まず、マイクロアレイ用スライドガラス(松浪ガラス工業)105に深さ100μm、幅が導入排出口部位で最小100μm、ポリマー固定部位にあたる部位で最大500μmの寸法の空間103をドライエッチングにより形成する。スライドガラス105のサイズは、短手25.4mm、長手76.2mm、厚み1mmである。次に100μm径の導入口101と排出口102の穴加工を施したスライドガラスと同サイズのガラス蓋106下面を大気プラズマ処理により表面改質処理する。続いて下記に示すポリマー成分を乾燥厚みが10μm、20μm、30μm、40μmになるように塗布する。表面改質をすることによりガラスとポリマーとの接着力を向上できる。次に塗膜を100℃、30分間乾燥させる。その後、電子線照射装置(キュアトロン、株式会社NHVコーポレーション)を用いて、加速電圧175kV、10Mradの電子線を塗膜に照射することによって架橋し、シート状吸水性ポリマーを作製する。次に、レーザー加工でポリマー形成領域寸法500μm角の領域のみを蓋上に残し、蓋106と基板105をエポキシ樹脂で接着し、微小流体素子を作製する。対照実験用に、該ポリマー固定領域に当たる部位に予め30、60、90μm厚のガラス製微小構造体をガラス加工により作製した蓋106を用いて微小流体素子を用意する。
ポリマー成分
・ポリアクリルアミド 30%
・メチレンビスアクリルアミド 1%
水:メタノール(4:3)の溶媒に上記濃度で可溶化したもの
本微小流体素子にPBSバッファー(0.1 M NaCl, 10 mM リン酸ナトリウム(pH 7.4))を20μl/min.で空間内に液体を充填し、30min.静置する。液体充填中の気泡の滞留と静置後のポリマー膨潤厚をそれぞれ、目視と共焦点顕微鏡により確認する。各微小流体素子で実験を5回繰り返し(N = 5)行い平均値で評価する(表1)。No.4は、ポリマーが膨潤して蓋と接触したためバッファーが流れない。膨潤後厚と膨潤厚倍率は明示していない(表1参照)。
Figure 2008298598
実施例2(濃縮素子)
実施例1で示す乾燥時30μm厚のポリマーが固定されている微小流体素子を濃縮素子に利用して本発明の実施形態を説明する。まず、10μM 抗BSA抗体のPBS溶液を導入口101から20μl/min.の速度で導入し、空間103に充填された状態で30min.静置した後、同速度で排出口102から排出した溶液の濃度を分光光度計で測定する。結果として、濃度が約20μMとなり、およそ2倍に濃縮することができる。
実施例3(分子相互作用反応素子による反応と分子相互作用検出)
本実施例では、図12に示した微小流体素子を作製し、分子相互作用の場を与える素子と分子相互作用検出素子として利用する実施形態を説明する。図12に示す微小流体素子の作製方法は基本的に実施例1の作製方法を踏襲する。異なる点はプローブ分子の基板105への固定に関してのみであり、以下に示すように調製する。まず、加工した基板105表面をポリLリジンコートして、100μMのBSA水溶液を市販のアレイヤーにより50μm間隔、スポット径100μmで3×3スポットを作製して乾燥固定した後、5%スキムミルク溶液に1時間浸漬して室温で乾燥させる。その処理基板を基板105として使用する。基板106に固定するポリマーの厚みは乾燥時30μm厚のものを使用する。基板105上のBSA分子固定部位は蓋106のポリマー固定領域上に合わせる(図12)。同時にポリマーを固定しない図12に示す構成の微小流体素子を対照実験用素子として作製する。まず、本微小流体素子にPBSバッファーを導入口101より20μl/min.で導入し、空間をPBSバッファーで充填した状態で30min.静置してポリマーを膨潤させる。その後、連続して100μMのCy3標識した抗BSA抗体PBS溶液を5μl/min.で30min.間フローし、引き続きPBSバッファーを同流速で20min.流し洗浄する。対照実験用の微小流体素子も同様に100μMのCy3標識した抗BSA抗体PBS溶液を5μl/min.で30min.間フローして、その後PBSバッファーを同流速で20min.洗浄する。その後、蛍光顕微鏡でプローブ固定領域の蛍光イメージを取得し、蛍光強度をシオンイメージ(Sion社)で数値化する。結果として、対照実験で得られる蛍光強度を1とすると、本微小流体素子は、およそ10倍の強度が期待できる。
実施例4(濃縮素子且つ分子相互作用反応素子による濃縮と反応、分子相互作用検出)
本実施例では、図12に示した微小流体素子を作製し、濃縮素子、分子相互作用の場を与える素子と分子相互作用検出素子として利用する実施形態を説明する。図12に示す微小流体素子の作製方法は実施例2の作製方法に順ずる。対照実験として、同時にポリマーを固定しない図12に示す構成の微小流体素子を対照実験用素子として作製する。まず、本微小流体素子に100μMのCy3標識した抗BSA抗体PBS溶液を導入口101より20μl/min.で導入し、空間を上記液体試料で充填した状態で30min.静置してポリマーを膨潤させ、且つ濃縮と反応をさせる。その後、PBSバッファーを5μl/min.で30min.フローして洗浄する。対照実験用の微小流体素子も同様に100μMのCy3標識した抗BSA抗体PBS溶液を20μl/min.導入し30min.間静置して、その後PBSバッファーを5μl/min.で30min.フローして洗浄する。その後、蛍光顕微鏡でプローブ固定領域の蛍光イメージを取得し、蛍光強度をシオンイメージ(Sion社)で数値化する。結果として、対照実験で得られる蛍光強度を1とすると、本微小流体素子は、15倍程度の蛍光強度上昇が期待できる。
内部空間を形成する基板上面に微小構造体を固定した微小流体素子の態様を示す図である。 内部空間を形成する蓋に微小構造体を固定した微小流体素子の態様を示す図である。 3つの微小構造体が基板上面に固定された微小流体素子の態様を示す図である。 3つの微小構造体が蓋下面に固定された微小流体素子の態様を示す図である。 3つの微小構造体のうち、1つが蓋仮面に固定され、2つが基板上面に固定される微小流体素子の態様を示す図である。 5つの微小構造体を形成する微小流体素子の一例を示す図である。 5つの微小構造体を形成する微小流体素子の一例を示す図である。 3つの微小構造体を形成する微小流体素子の一例を示す図である。 3つの微小構造体を形成する微小流体素子の一例を示す図である。 液体の滞留領域を設けた基板の側面にポリマーを固定した微小流体素子の態様を示す図である。 液体の滞留領域を設けた基板の上面にポリマーを固定した微小流体素子の態様を示す図である。 図2の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 図2の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 図1の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 図1の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 図2の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 図4の微小流体素子を用いた分子相互作用反応素子の一例を示す図である。 ポリマーあるいはポリマー含有材料の構成の一例を示す図である。(a)粒子状ポリマーをバインダー材料で包含する(b)粒子状ポリマーを透水性材料で挟む(c)粒子状ポリマー。(d)シート状ポリマー。 微小流体素子の製造工程においてポリマーを固定配置する方法の一例を示す図である。
符号の説明
101 導入口
102 排出口
103 空間 流路空間部
104 基板固定化ポリマー
105 基板
106 蓋
107 微小構造体
201 蓋固定化ポリマー
202 微小構造体
301 基板固定化ポリマー
302 微小構造体
401 蓋固定化ポリマー
402 微小構造体
501 蓋固定化ポリマー
502 基板固定化ポリマー
503 微小構造体
601 基板固定化ポリマー
602 微小構造体
701 基板固定化ポリマー
702 微小構造体
801 基板固定化ポリマー
802 微小構造体
901 蓋固定化ポリマー
902 基板固定化ポリマー
903 微小構造体

Claims (11)

  1. 液体を導入するための導入口と排出するための排出口を有する空間と該空間内に固定されたポリマーとを有する微小流体素子であって、前記ポリマーは液体中の成分によって膨潤し、且つ飽和状態まで膨潤した際に空間の断面を閉塞させないことを特徴とする微小流体素子。
  2. 前記液体が生体分子含有水溶液であり、前記成分が水分であり、前記ポリマーが吸水性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の微小流体素子。
  3. 請求項1または2に記載の微小流体素子において、前記ポリマーが前記空間内でパターン配置されていることを特徴とする微小流体素子。
  4. 前記空間が液体で充填され、前記ポリマーが飽和状態まで膨潤していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の微小流体素子。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の微小流体素子において、前記ポリマーが分子サイズにより分子を分離する機能を保有していることを特徴とする濃縮素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の微小流体素子において、前記空間内にプローブ分子が固定されていることを特徴とする分子相互作用反応素子。
  7. 前記空間の導入口より液体を導入する工程と、
    前記液体により膨潤するポリマーが微小構造体を形成する工程と、
    前記ポリマーの膨潤により前記液体の成分を分子サイズにより分離する工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする、請求項5に記載の濃縮素子を用いた液体の濃縮方法。
  8. 前記空間の導入口より液体を導入する工程と、
    前記液体により膨潤するポリマーが微小構造体を形成する工程と、
    該微小構造体領域において導入する前記液体の成分とプローブ分子との相互作用反応をおこなう工程と、を少なくとも含むことを特徴とする、請求項6に記載の分子相互作用反応素子を用いた分子相互作用反応方法。
  9. 前記液体の成分と前記プローブ分子との相互作用反応を検出する工程を更に有することを特徴とする、請求項8に記載の分子相互作用検出方法。
  10. 前記空間の導入口より液体を導入する工程と、
    前記液体により膨潤するポリマーが微小構造体を形成する工程と、
    該微小構造体により液体が攪拌される工程と、
    を少なくとも含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の素子を用いた液体攪拌方法。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載の微小流体素子の製造方法において、
    前記ポリマーを膨潤させた状態で前記空間内に固定する工程と、
    前記ポリマーを乾燥させる工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする微小流体素子の製造方法。
JP2007145289A 2007-05-31 2007-05-31 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法 Pending JP2008298598A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007145289A JP2008298598A (ja) 2007-05-31 2007-05-31 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007145289A JP2008298598A (ja) 2007-05-31 2007-05-31 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008298598A true JP2008298598A (ja) 2008-12-11
JP2008298598A5 JP2008298598A5 (ja) 2010-07-15

Family

ID=40172246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007145289A Pending JP2008298598A (ja) 2007-05-31 2007-05-31 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008298598A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011099386A1 (ja) * 2010-02-12 2011-08-18 株式会社日立製作所 試料分析チップ及び試料分析システム
JP2011237277A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Hitachi High-Technologies Corp 核酸分析反応セルおよび核酸分析装置
US8968674B2 (en) 2010-07-13 2015-03-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Fluid sensor preventing generation of air bubbles
WO2022045355A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 藤森工業株式会社 液体試料分析用マイクロチップの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63151845A (ja) * 1986-12-16 1988-06-24 Fuji Photo Film Co Ltd イオン活量測定器具
JP2002346355A (ja) * 2001-05-28 2002-12-03 Fuji Electric Co Ltd マイクロミキサ
WO2004040289A1 (ja) * 2002-11-01 2004-05-13 Arkray, Inc. 固体成分濃縮手段を備えた測定用具
JP2007071711A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Fujifilm Corp 分析チップ
JP2007085819A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Citizen Watch Co Ltd 熱化学検査装置および熱化学検査装置用反応チップ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63151845A (ja) * 1986-12-16 1988-06-24 Fuji Photo Film Co Ltd イオン活量測定器具
JP2002346355A (ja) * 2001-05-28 2002-12-03 Fuji Electric Co Ltd マイクロミキサ
WO2004040289A1 (ja) * 2002-11-01 2004-05-13 Arkray, Inc. 固体成分濃縮手段を備えた測定用具
JP2007071711A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Fujifilm Corp 分析チップ
JP2007085819A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Citizen Watch Co Ltd 熱化学検査装置および熱化学検査装置用反応チップ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011099386A1 (ja) * 2010-02-12 2011-08-18 株式会社日立製作所 試料分析チップ及び試料分析システム
JP2011163993A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Hitachi Ltd 試料分析チップ及び試料分析システム
JP2011237277A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Hitachi High-Technologies Corp 核酸分析反応セルおよび核酸分析装置
US9150911B2 (en) 2010-05-11 2015-10-06 Hitachi High-Technologies Corporation Nucleic acid analysis reaction cell and nucleic acid analyzer
US8968674B2 (en) 2010-07-13 2015-03-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Fluid sensor preventing generation of air bubbles
WO2022045355A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 藤森工業株式会社 液体試料分析用マイクロチップの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7258837B2 (en) Microfluidic device and surface decoration process for solid phase affinity binding assays
JP3298882B2 (ja) 微細加工した検出構造体
US7201833B2 (en) Integrated solid-phase hydrophilic matrix circuits and micro-arrays
US7524462B2 (en) Capillary flow for a heterogenous assay in a micro-channel environment
US8586348B2 (en) Lateral flow microfluidic assaying device and related method
US9201069B2 (en) Microfluidic devices and methods including porous polymer monoliths
US20100204065A1 (en) Microarray using laminar flow and method of preparing the same
Muck et al. Chemical modification of polymeric microchip devices
JP2003520972A (ja) 生物学的反応を行う合成物および方法
JP4141494B2 (ja) マイクロ分析測定装置及びそれを用いたマイクロ分析測定方法
US20090280997A1 (en) Microarray system
WO2004081559A1 (ja) マイクロ流体素子及びその製造方法
JP2007216123A (ja) マイクロチャネルチップ
JP2003517156A (ja) 生物学的反応を行う組成物および方法
CN108169194B (zh) 一种基于大蓝闪蝶的微流体芯片及其制作方法
JP2008298598A (ja) 微小流体素子とその利用方法およびその製造方法
Fang Microfluidic chip
Song et al. Polymers for microfluidic chips
Tentori et al. Photopatterned materials in bioanalytical microfluidic technology
WO2004083863A1 (fr) Puce d'analyse integrant des reacteurs minimises et application associee
Tang et al. An equipment-free polydimethylsiloxane microfluidic spotter for fabrication of microarrays
US10393664B2 (en) Point-of-care test system and method for applying a sample
CN111250177A (zh) 一种生物分子检测方法
JP6661074B2 (ja) 機能性材料、機能性材料の製造方法
JP2005249399A (ja) マイクロ流体素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100531

A621 Written request for application examination

Effective date: 20100531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120710

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02