JP2008291393A - 車両用マット材 - Google Patents

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【課題】
吸音材として列車や自動車などに適用でき、高い断熱性と吸音性を有するうえに、弾力性に富み且つ厳しいヨーロッパの地下鉄道仕様に適合する車両用マット材を提供する。
【解決手段】
この車両用マット材は、高温強度を1000℃以上で維持する高耐熱性の無機繊維35〜65%と、捲縮性の無機繊維または難燃性の有機繊維5〜15%と、低融点の有機繊維25〜50%とを均一に混綿し、得た綿状素材を熱処理することによって全体をマット化し、密度が5〜20kg/mである。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸音材として列車や自動車などに適用できる弾力性に富んだ車両用マット材に関し、特に有毒ガスの発生に厳しいヨーロッパの地下鉄道仕様に適合する車両用マット材に関する。
鉄道車両用や自動車用の吸音材は、従来から数多く存在し、例えば、鉄道用の断熱性吸音材として、特公昭63−19622号において、ガラスウールやロックウールに少量の有機性樹脂を含浸して板状に成形している。この吸音材は、高温燃焼時に有毒ガスを発生しやすい。このため、ガラスウールの積層体を炭素繊維のフェルトシートで包み込んだり、短繊維のセラミック繊維ウールの積層体をガラスクロスで包み込んでキルティング縫製した吸音材が提案されている。しかし、これらの吸音材は、自由裁断ができないので鉄道車両内部での施工が容易でなく、しかも軽量でないので車両重量が増加してしなう。実公平6−47715号では、アクリル焼成の耐炎繊維ラップをニードルパンチングし、さらにアクリル焼成耐炎繊維のニードルフェルト表面シートを貼り合わせている。この吸音材は、比較的軽量であるので車両の重量増加が少なく、高耐熱性が必要でない新幹線車両を含む日本の鉄道車両に採用されている。
自動車用として、ガラスウールの表面にアルミシートを貼着した吸音材も存在する。この吸音材は、エンジンルームにおいて高温になる排気マフラーの付近に設置すると、高温耐久性はあっても吸音性が不十分であった。特開昭59−227442号では、高軟化点を有する短繊維を合成繊維の不織布に散布した後にニードリングを施し、得た耐熱性の表皮材を接着剤を介してガラスウールに積層して加熱成形している。この吸音材は、使用繊維の融点がいずれも300℃以下であるため、高温耐熱性が要求されるエンジンルームに用いることができない。また、特開2006−138935号に開示の吸音材は、熱溶融温度または熱分解温度が370℃以上の耐熱性有機繊維を含有する繊維シートからなる表皮材と、同様の耐熱性有機繊維を含有する不織布とを積層している。この吸音材は、自動車用途においてほぼ満足すべき耐熱性を有している。
一方、特開2005−335279号は、自動車、電車、航空機などの内装に用いる易成形性の吸音材であると開示している。この吸音材では、不織布の片面に表皮材が積層され、この表皮材に樹脂バインダーを含有する。この吸音材は、成形性の点では有効であっても、有毒ガスを発生しやすい有機繊維の不織布を用いる点では前記の先行技術と同様である。
特公昭63−19622号公報 実公平6−47715号公報 特開昭59−227442号公報 特開2006−138935号公報 特開2005−335279号公報
ヨーロッパでは、事故が発生した際の危険性の高さを考慮して、ヨーロッパ地下鉄道の吸音材仕様に関して有毒ガスの発生に厳しい基準を設定し、さらに耐熱・断熱性に対する要求も非常に厳しい。この点に関し、実公平6−47715号のように主成分がアクリル焼成の耐炎繊維であったり、特開2006−138935号のように主成分が熱溶融温度または熱分解温度が370℃以上の耐熱性有機繊維であると、有毒ガスの発生について吸音材仕様に適合させることは難しく、断熱温度と耐熱性の点でも同様である。特開2005−335279号において、成形性の点で有効である吸音材は、有機繊維の不織布を用いる点では前記と同様であるため、有毒ガスの発生および断熱温度と耐熱性の点で吸音材仕様に適合させることは不可能であった。
本発明は、従来の吸音材に関する有毒ガスの発生および高温断熱性の問題点を改善するために提案されたものであり、高温断熱性が高く且つ有毒ガスを殆ど発生しないことによって安全性の高い車両用マット材を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、高い断熱性および吸音性を達成するとともに、弾力性に富んでいるので設置場所に応じて容易に屈曲可能な車両用マット材を提供することである。本発明の別の目的は、有毒ガスの発生に関するヨーロッパ地下鉄道の吸音材仕様にも適合する車両用マット材を提供することである。
本発明に係る車両用マット材は、ガスバーナーの炎を5分間当接する燃焼試験の際にマット背面に手をかざすことができる。本発明の車両用マット材は、高温強度を1000℃以上で維持する高耐熱性の無機繊維35〜65重量%と、捲縮性の無機繊維または難燃性の有機繊維3〜15重量%と、低融点の有機繊維25〜50重量%とを均一に混綿する。本発明の車両用マット材は、得た綿状素材を熱処理することによって全体がマット化され、密度が5〜20kg/mである。
本発明の車両用マット材において、捲縮性無機繊維が捲縮ガラス繊維であると好ましい。また、高耐熱性の無機繊維は、シリカ繊維、Sガラス繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、アルミナシリケート繊維、チタン酸アルカリ繊維、セラミック繊維の単独または混合体であり、特にシリカ繊維であると好ましい。
本発明の車両用マット材について、原料繊維を混綿する前に、それぞれの繊維を撥水剤で処理することが可能である。また、車両用マット材の少なくとも片面に、難燃性シートを貼り合わせたり、難燃性の樹脂を塗布することも可能である。
本発明を図面によって説明すると、本発明の車両用マット材1は綿状素材からなり、該綿状素材は、高耐熱性の無機繊維2(図1において細線で例示)35〜65重量%と、捲縮性の無機繊維3(図1において一点鎖線で例示)5〜15重量%と、低融点の有機繊維5(図1において太線で例示)25〜50重量%とを均一に混綿して製造する。捲縮性の無機繊維3の代わりに、難燃性の有機繊維を使用することも可能である。
車両用マット材1において、主成分である高耐熱性の無機繊維2は、全量の35〜65重量%であることが望ましい。高耐熱性の無機繊維は、全量の35重量%未満であると、高い耐熱・断熱性に関してヨーロッパ地下鉄道の吸音材仕様に適合させることが困難になる。一方、全量の65重量%以上使用すると、高い吸音材仕様に適合させるために好適であって一般的に経済的にも有利であるが、65重量%を超えると弾力性を欠くので車両用マット材としての設置が困難になる。
本発明の車両用マット材に関して、主成分である高耐熱性の無機繊維2は、高温強度を1000℃以上で維持することを要する。熱溶融温度について、Sガラスは1493℃およびEガラスは1121℃であるが、Eガラス繊維は約800℃で高温強度が急激に低下するので、ガラス繊維のうちでSガラス繊維だけが使用可能である。また、ニッケル繊維、タングステン繊維やチタン繊維などの金属繊維および炭素繊維は、高い熱溶融温度の点では使用可能であっても、金属繊維および炭素繊維は一般に熱伝導率が高いので、吸音材の断熱性が低くなってしまう。さらに、ステンレススチール繊維は、融点1050℃であっても700〜800℃に長時間加熱すると脆化する。
したがって、好適な高耐熱性の無機繊維2として、シリカ繊維、Sガラス繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、アルミナシリケート繊維、チタン酸アルカリ繊維、セラミック繊維の単独または混合体が例示できる。炭素繊維または金属繊維は、高耐熱性の無機繊維の一部としてならば、素材として添加できる可能性が残っている。この無機繊維について、特に、シリカ繊維を主体として用いることが好ましい。
シリカ繊維は、一般にシリカガラス繊維とも称し、原繊維から可溶性成分や有機分を除去した後に焼成する。例えば、シリカ繊維として、Eガラス、ソーダシリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライム系ガラスなどの短繊維をブロー法によって製造し、この短繊維を酸処理して可溶性成分を溶出してから焼成してシリカ骨格を形成させると、例えばシリカ分は約95%以上に達する。一般に、シリカ繊維の原繊維として、アルカリ含有率1%以下のボロンシリケートガラスであるEガラス繊維を用いると、コストと物性の点で好ましい。
車両用マット材1において、捲縮性の無機繊維3または難燃性の有機繊維が適量存在すると、該車両用マット材に適切な屈曲性と柔軟性および嵩高性を付与できる。また、カード通過性などによるカード形成度合いが良くなり、原料の歩留まりが向上する。
捲縮性の無機繊維3には、捲縮ガラス、捲縮ガラスウールまたはバイメタル金属繊維などが例示でき、特に捲縮ガラスが好ましい。捲縮性の無機繊維3は、5〜15重量%添加することが望ましい。この際に、捲縮性の無機繊維3が全量の5重量%未満であると、車両用マット材1に適当な屈曲性と柔軟性を付与しにくくなり、一方、全量の15重量%を超えると車両用マット材として嵩高になりすぎ、その断熱性も低下すしる。
捲縮性の無機繊維3の代わりに、難燃性の有機繊維を添加することも可能である。この場合にも5〜15重量%添加することが望ましい。この際に、難燃性の有機繊維が全量の5重量%未満であると、車両用マット材に適当な屈曲性と柔軟性を付与しにくく、一方、全量の15重量%を超えると車両用マット材の耐熱性が低下し、ヨーロッパ地下鉄道の吸音材仕様に適合させるのが困難になる。
好適な難燃性の有機繊維として、メタアラミド繊維、パラアラミド繊維、メラミン繊維、ポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンゾチアゾール繊維、ポリアリレート繊維(Uポリマー)、ポリエーテルスルホン(PES)繊維、液晶ポリエステル(LCP)繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルケトン(PEK)繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維またはポリアミドイミド(PAI)繊維の単独または混合体が例示できる。メラミン繊維とは、一般に、BASF社製のバソフィルファイバー(商品名)を意味する。
一方、低融点の有機繊維5は、綿状素材のマット化の達成のために全量の25〜50重量%を均一に混綿することが望ましい。低融点の有機繊維5は、次工程の熱処理によって溶融されて綿状素材のマット化を達成するので、この熱処理は該有機繊維の融点よりも高い温度で行うことを要する。この低融点の有機繊維が25重量%未満であると、車両用マット材として弾力性を欠くことになり、一方、50重量%を超えると、耐熱性が低下するとともに断熱試験時に発煙や有毒ガスが発生しやすくなり、ヨーロッパ地下鉄道に関する吸音材の吸音材仕様に適合させるのが困難になる。
低融点の有機繊維5は、一般に、融点が110〜150℃前後であるポリエステル、ポリプロピレン、アクリルのような熱可塑性繊維またはこれらの複合繊維などである。好ましくは、低融点の有機繊維と高融点の有機繊維との複合繊維が芯鞘型や並列型などの2層型であり、熱処理時の加熱温度で低融点の有機繊維だけが溶融し、その温度で高融点の有機繊維は形状を維持できるから、繊維自体の原形が保たれることで綿状素材のマット化を達成して弾力性に富むものになる。
無機繊維2,3および有機繊維5を含む原料繊維について、あらかじめ液状の撥水剤および/または難燃剤などで薬剤処理してから、カードウェブを形成することも可能である。例えば、撥水加工を行う場合、原料繊維をあらかじめ薬剤処理しておくと、綿状素材を後から薬剤処理する場合よりも嵩高な素材を得ることができる。また、難燃性を付与する場合には、低融点の有機繊維をあらかじめ難燃剤で処理することが好適であり、この処理によって、車両用マット材の難燃性、特にマット材表面での延焼性を改良できる。
この薬剤処理に用いる薬剤は特に限定されず、水系または溶剤系のフッ素系やシリコーン系などの撥水剤、リン窒素系などの難燃剤の水系ディスパージョンを用いることができ、加工性の点から水系のものを用いると好ましい。原料繊維を薬剤処理する際には、例えば、市販の水系のフッ素系撥水剤および/またはリン系難燃剤などをスプレーなどによって所定量付与した後に、原料繊維を十分乾燥させ、カード機に通してウェブを完成させる。この際に、原料繊維の乾燥が不十分であると、カード性が不良になるので注意すべきである。
車両用マット材1に関して、液状の撥水剤は、マット化のための溶融熱処理の後に施すことも可能である。用いる撥水剤は無機および/または有機の市販品であり、例えば、水性のフッ素樹脂または水性のフッ素系撥水剤とポリエステル樹脂をバインダーとするリン窒素系難燃剤などである。この撥水加工は、スプレー、ロールコーティングまたはディッピングなどのいずれかによって行えばよい。
車両用マット材について、無機繊維の織布または不織布からなる不燃性シート14(図3)を、不燃性樹脂または接着性不織布15などを介してマット素材16に貼り合わせてもよい。不燃性シート14は、ガラス繊維、炭素繊維またはセラミック繊維などからなり、マット素材16自体は前記と同様である。不燃性シート14を貼り合わせると、鉄道車両または自動車両への施工時に裁断したり折り曲げても、マット素材16からシリカ繊維などの繊維粉末の落下が少なくなるので作業がいっそう容易になる。
車両用マット材1は、不燃性シート14の代わりに、綿状素材の片面または両面に難燃性の樹脂をさらに塗布して乾燥すると、繊維粉末の落下が少なくなり、且つ形状保持性が良くなるなどの作業性を改良できるので好ましい。ここで用いる樹脂は特に限定されず、リン系、リン窒素系、シリカ系などの難燃剤を含むポリエステル樹脂やアクリル樹脂であればよい。これらの難燃性の樹脂を付与する方法は特に限定されず、水系のディスーパジョンであればスプレー法やコーティング法で付与し、粉体であればスキャタリング法で付与することができる。樹脂付与量は、5〜70g/m程度が好ましく、より好ましくは、10〜40g/mである。樹脂付与量が5g/m未満では粉落ちなどの作業性が改善されず、一方、70g/mを超えると重量が重くなるうえにコスト高になってしまう。
車両用マット材1は、密度が5〜20kg/mであることが望ましい。この密度が5kg/m未満であると、厚みが薄く且つ繊維間が粗になりすぎるので所望の吸音性および断熱性を付与することができず、一方、密度が20kg/mを超えると、屈曲性を欠いて列車や自動車などへの内装作業が煩雑になりやすく、且つ車両用マット材として重くなりすぎるので、適合車両への重量に悪影響を与えることになる。
また、車両用マット材1は、厚さが8〜100mmであることが望ましい。この厚さが8mm未満であると、厚みが薄すぎるので列車や自動車などへの内装作業が煩雑になりやすく、一方、厚さが100mmを超えると、車両用マット材を曲げにくくなるので内装作業がやはり困難になる。
マット化後の車両用マット材1について、その表面をさらにニードルパンチング、毛焼きまたはカレンダーなどで平滑化することも可能であり、これによってその表面の延焼性を改良できる。特に、ニードルパンチングで処理すると、車両用マット材1の強度も向上させることが可能である。
本発明に係る車両用マット材は、その主成分が高耐熱性の無機繊維および低融点の有機繊維であり、低融点の有機繊維は熱処理で既に溶融しているので高温断熱性ならびに吸音性が高く、各種の自動車や鉄道車両用の吸音材として使用できることはもとより、より厳しいヨーロッパ地下鉄道の吸音材仕様にも適合している。本発明の車両用マット材は、高温断熱性と吸音性が高いうえに弾力性および屈曲性に富んでおり、各種の自動車、鉄道車両などに内装した際の作業が容易であり、しかも有毒ガスを発生しないので従来の吸音材よりも安全性が高くなる。
本発明の車両用マット材では、低融点の有機繊維を均一に混綿することにより、熱処理で有機繊維を溶融させ、全体が均一なマット材に加工することによって後加工時に構成繊維が折損することが少ない。本発明の車両用マット材は、施工時に裁断したり屈曲させても繊維脱落が少なくて作業環境を悪化させず、設置場所に応じて容易に屈曲可能である。本発明の車両用マット材は、比較的剛直な高耐熱性の無機繊維に対して比較的柔軟な捲縮性無機繊維または難燃性の有機繊維を少量添加することにより、内装工事の際に全体を屈曲させて所定の場所に押し込むことも可能である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下では、車両用マット材の製造について説明する。
高耐熱の無機繊維2としてシリカ繊維を、捲縮性の無機繊維3として捲縮ガラス繊維を、低融点の有機繊維5として芯鞘型の低融点ポリエステル繊維(商品名:サフメット、東レ製)をそれぞれ用いる。シリカ繊維および捲縮ガラス繊維には、水系のフッ素系撥水剤を乾燥後の繊維への付着量で2重量%となるようにスプレーにより付与した後に、加熱によって水分率が2重量%以下となるように乾燥処理する。また、低融点ポリエステル繊維は上記と同じ水系のフッ素系撥水剤とポリエステル樹脂をバインダーとするリン窒素系難燃剤の水系ディスパージョンとをそれぞれ付着量で3重量%ずつとなるようにスプレーにより付与した後に、同様に水分率で2%以下となるように乾燥処理する。
それぞれ薬剤処理したシリカ繊維50重量%、捲縮性ガラス繊維10重量%および低融点ポリエステル繊維40重量%を混綿し、カーディングによって目付350g/mのウエブを形成する。ついで、180℃で3分間熱処理して厚さ50mmで密度7kg/mの硬綿状マット素材を得た。このマット材は、十分な耐熱性(不燃性)を有しており、かつ加熱分解時の有毒ガスの発生もない。
車両用マット材1は、厚さが50mmの割りに密度7kg/mと小さくて弾力性があり、図2に例示するように、鉄道車両7などにおける凹部8や突出個所に自由に屈曲させて施工できる。車両用マット材1は、鉄道車両7の内部において、所望に応じて施工時に自由に裁断することができ、さらに複数本の桟10を除いて天井12の内部に充填することも容易である。
実施例1で得た硬綿状マット素材の片面にスプレーにより乾燥後重量で40g/mとなるようにポリエステル樹脂をバインダーとするリン窒素系難燃剤の水系ディスパージョンを付与し、次いで180℃で5分間熱処理した。この素材は、毛羽立ちや繊維脱落が抑えられて格段に作業性が向上し、かつ性能は十分な耐熱性(不燃性)を有しており、また加熱分解時の有毒ガスの発生も無いものであった。
図3に示すように、実施例1で得た硬綿状マット素材16の片面にポリアミド製接着性不織布15を介して不燃性シート(耐炎糸ペーパー)14を張り合わせる。得た車両用マット材18は、毛羽立ちや繊維脱落が抑えられて格段に作業性が向上し、かつ性能は十分な耐熱性(不燃性)を有していた。
車両用マット材の耐熱性および断熱性評価について
10cm角以上の大きさのマット材サンプルを水平な架台の上に置き、ガスバーナーの炎が高さ50〜80mmであり、内炎の高さが10〜15mmとなるように調整して、この炎の約10mmの部分が架台上サンプルの下面に当たるように架台またはガスバーナーの高さを調整する。架台上のマット材サンプルのほぼ中央に、ガスバーナーの炎を5分間当てる。この5分間の間に、穴あきがなければ耐熱性は○と判定し、少しでも穴が開いたら×と判定する。また、この実験時に、マット材の背面に手をかざすことができれば断熱性を○、できなければ×と判定する。実施例1〜3について、耐熱性および断熱性を評価した結果を下記の表1に示す。この結果、実施例1〜3のマット材は、いずれも良好な耐熱性と断熱性を示している。
Figure 2008291393
本発明に係る車両用マット材を概略的に示す断面図である。 本発明の車両用マット材の使用個所を例示する列車の概略断面図である。 本発明の変形例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 車両用マット材
2 高耐熱性の無機繊維
3 捲縮性の無機繊維または難燃性の有機繊維
5 低融点の有機繊維

Claims (7)

  1. ガスバーナーの炎を5分間当接する燃焼試験の際にマット背面に手をかざすことができる断熱性マット材であって、高温強度を1000℃以上で維持する高耐熱性の無機繊維35〜65%と、捲縮性の無機繊維または難燃性の有機繊維5〜15%と、低融点の有機繊維25〜50%とを均一に混綿し、得た綿状素材を熱処理することによって全体をマット化した密度が5〜20kg/mである車両用マット材。
  2. 捲縮性無機繊維が捲縮ガラス繊維である請求項1記載の車両用マット材。
  3. 高耐熱性の無機繊維は、シリカ繊維、Sガラス繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、アルミナシリケート繊維、チタン酸アルカリ繊維およびセラミック繊維からなる群から少なくとも1種選択される請求項1記載の車両用マット材。
  4. 高耐熱性の無機繊維がシリカ繊維である請求項3記載の車両用マット材。
  5. 原料繊維を混綿する前に、それぞれの繊維を撥水剤で処理している請求項1または2記載の車両用マット材。
  6. マット材の少なくとも片面に難燃性シートを貼り合わせる請求項1または2記載の車両用マット材。
  7. マット材の少なくとも片面に難燃性の樹脂を塗布する請求項1または2記載の車両用マット材。
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