JP2008291198A - アクリル樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル樹脂の特徴である透明性や耐候性を損なうことなく、吸湿性や硬化収縮性の改善されたアクリル樹脂組成物およびその成形体を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とするアクリル樹脂組成物において、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導され、アクリル酸ブチルを原点としたハンセン(Hansen)の溶解度パラメーターの寄与率差が11.0以上であるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、テルペン系(メタ)アクリル酸エステルを単量体成分として含有するアクリル樹脂組成物およびその成形体に関するものである。
アクリル樹脂は、機械的強度や成形加工性、耐候性等にバランスのとれた性質を有しており、シート材料あるいは成形材料として多方面に使用されている。更に、アクリル樹脂は、高透明性、高アッベ数、低複屈折等の光学的にも優れた特性を有している。最近ではこうした特性を活かして、ビデオディスク、オーディオディスク、コンピューター用追記型ディスク等のディスク材料や、カメラ、ビデオカメラ、投写型テレビ、光ピックアップ等のレンズ材料、さらに光ファイバー、光コネクター等種々の光伝送材料、また導光板、光拡散板等のIT用材料として用途が広がっている。
しかしながら、アクリル樹脂は吸湿性が高いという問題点を有している。即ち、吸湿による寸法変化や成形品のそりが生じたり、吸湿と乾燥の長期繰り返しサイクルによりクラックが発生したりすることもあるため、その使用が制限されている用途もある。特に、ディスク材料やそれらの光学系に用いる光ピックアップレンズ、コネクター等に用いる場合には吸湿による寸法変化の悪影響が大きいといわれている。またアクリル樹脂からなるシートは、吸湿によるそりが生じることもある。
そこでアクリル樹脂の特性を保持しながら、吸湿性を改善する技術に関して数多くの提案がなされている。例えばアクリル樹脂に低吸水性を付与した樹脂として、メタクリル酸メチル単位にメタクリル酸イソボルニル等の単量体を共重合した低吸湿性メタクリル樹脂(特許文献1参照)、メタクリル酸エステル/イソブテン/マレイミドからなる共重合体(特許文献2参照)が提案されている。
特開昭60−115605号公報 特開平6−136058号公報
しかし特許文献1の低吸湿性メタクリル樹脂では、十分に吸湿性が改善されず、特許文献2のメタクリル酸エステル/イソブテン/マレイミドからなる共重合体はマレイミド成分を含むため着色するという問題があった。
さらにアクリル樹脂組成物を紫外線硬化させた硬化物は、硬化過程で収縮が大きいという問題点も有している。これはとりわけ被着体が薄いものであるときに反りやゆがみを生じたり、硬化物にクラックを生じたりするという問題を引き起こす。この問題を解決するために特許文献3では(メタ)アクリロイル基を1つ以上含有するアクリルオリゴマーをアクリル樹脂組成物に添加する方法が提案されているが、硬化時の収縮低減は十分に改善されない。
特開2006−193660号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたもので、アクリル樹脂の特徴である透明性や耐候性を損なうことなく、吸湿性や硬化収縮性の改善されたアクリル樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とするアクリル樹脂組成物において、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも必須の構成単位とすることで、アクリル樹脂の特徴である透明性や耐候性を損なうことなく、吸湿性や硬化収縮性が改善されることを見出した。
また本発明は、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルにおいて、アクリル酸ブチルを原点としたハンセン(Hansen)の溶解度パラメーターの寄与率差が11.0以上であるアクリル樹脂組成物を提供する。
また本発明は、上記記載のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルとして、下記式(1)および/または式(2)に示す単量体成分とするアクリル樹脂組成物を提供する。
Figure 2008291198
上記式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。
また本発明は、あらゆる成形方法での製品化が可能な上記アクリル樹脂組成物からなる成形体を提供する。
本発明のアクリル樹脂組成物は、アクリル樹脂の特徴である透明性や耐候性を損なうことなく、吸湿性や硬化収縮性が改善されるため、本発明のアクリル樹脂組成物および該組成物を用いた成形体はディスク材料やレンズ材料、光伝送材料、IT用材料等、エレクトロニクス分野の用途に最適である。
本発明のアクリル樹脂組成物および該組成物を用いた成形体について説明する。本発明のアクリル樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とし、(メタ)アクリル酸メチルには、メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルが挙げられる。これらは、単独または二種類以上を組み合わせて使用することができる。なお「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」または「アクリル」を意味する。
(メタ)アクリル酸メチルの使用割合は、望ましくは50〜99.9質量%であり、さらに望ましくは60〜95質量%である。50質量%より少ない場合はアクリル樹脂本来の特性が損なわれ、99.9質量%を越える場合は吸湿性や硬化収縮性の低減について効果が得られない。ただし上記使用量は、目的とする成形体の種類や用途によって添加剤や成形剤等の副材料を配合することにより、適宜変更使用が可能である。
また本発明は、得られる成形体の吸湿性や硬化収縮性の観点から、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも必須の構成単位とするアクリル樹脂組成物および該組成物を用いた成形体である。
炭素数12〜26以外のテルペン骨格を有する脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルであると、アクリル樹脂組成物の主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルへの相溶性が低下したり、得られる成形体の吸湿性や硬化収縮性の低減について、効果が十分でなかったりする。
さらに、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルにおいて、アクリル酸ブチルを原点としたハンセン(Hansen)の溶解度パラメーターの寄与率差が11.0以上であることが望ましく、例えば下記式(1)〜(8)等のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも、特に式(1)および/または式(2)に示すテルペン系(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
Figure 2008291198
上記式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R3は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R4は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R5は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R6は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R7は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R8は水素原子またはメチル基を表す。
なお本発明の式(1)のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルは、例えば下記式(9)〜(11)などの構造異性体を示すが、単独でも混合でもよく、特に限定しない。
Figure 2008291198
上記式中、R9は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R10は水素原子またはメチル基を表す。
Figure 2008291198
上記式中、R11は水素原子またはメチル基を表す。
ここで、ハンセン(Hansen)の溶解度パラメーターの寄与率差について説明する。寄与率差の計算方法は、2005年3月31日株式会社情報機構発行、山本秀樹著「SP値基礎・応用と計算方法」第2刷(第81頁〜第84頁)に記載されている。
まずHansenがHildebrandの溶解度パラメーター(δ)に関与している分散力、双極子相互作用、水素結合の効果を考慮して提案した数式1に示される溶解度パラメーターを用いて、アクリル酸ブチルやテルペン系(メタ)アクリル酸エステルのδ(分散力による寄与)、δ(極性相互作用による寄与)、δ(水素結合による寄与)を計算し、さらに数式2〜数式4を用いてHansenの溶解度パラメーターの寄与率を算出した。これらの値からアクリル酸ブチルを原点とした距離(寄与率差)を求めた。
Figure 2008291198
δは分散力による寄与、δは極性相互作用による寄与、δは水素結合による寄与を表す。
Figure 2008291198
Figure 2008291198
Figure 2008291198
上記式(1)または式(2)に示すテルペン系(メタ)アクリル酸エステルのアクリル酸ブチルを原点とした寄与率差は、式(1)のR1が水素原子を表す際は14.55、R1がメチル基を表す際は15.47であり、式(2)のR2が水素原子を表す際は14.65、R2がメチル基を表す際は15.55といずれも11.0以上の値となっている。
例えば、アクリル酸ブチルの寄与率が、f=61.05%、f=11.55%、f=27.40%に対し、式(1)に示されるR1が水素原子を表す際のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの寄与率は、f=72.91%、f=6.26%、f=20.83%であることから、式(1)に示されるR1が水素原子を表す際のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルとアクリル酸ブチルの距離(寄与率差)は((72.91−61.05)+(6.26−11.55)+(20.83−27.40))の平方根が14.55となる。
アクリル酸ブチルに対する寄与率差が11.0未満の場合は極性が高いことを示すため、アクリル樹脂組成物の主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルへの相溶性が低下することから好ましくない。アクリル酸ブチルに対する寄与率差が11.0未満のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルには、寄与率差が8.92のアクリル酸イソボルニルが挙げられる。
本発明のテルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルにおいて、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物は、例えばピネン、リモネン、テルピネン、ミルセン、オシメン、ジペンテン、テルピノレン、フェランドレン、シルベストレン、サビネン、カレン、カンフェン、トリシクレン、フェンチェン等の炭化水素系モノテルペンを出発物質として酸触媒付加反応、酸化反応、還元反応、水素添加反応等の過程を経て反応したものを示し、例えば下記式(12)〜式(16)に示すものが具体的に挙げられる。
Figure 2008291198
Figure 2008291198
Figure 2008291198
Figure 2008291198
Figure 2008291198
なお本発明の式(12)の脂環式ヒドロキシ化合物は、例えば下記の式(14)〜(16)などの構造異性体を示すが、特に限定しない。
Figure 2008291198
Figure 2008291198
Figure 2008291198
(メタ)アクリル酸化合物としては、(メタ)アクリル酸、無水(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘキシルなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好ましく用いられる。
テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化方法は、例えば上記式(12)または式(13)の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を共存させるエステル化反応、(メタ)アクリル酸エステルを使用するエステル交換反応、(メタ)アクリル酸クロリドを使用する縮合反応等、通常行われているエステル化方法により行うことができ、製造方法としては特に限定しない。特許文献4に式(1)または式(2)のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルについての出発物質、合成方法、合成レート等が記載されているが、特に限定しない。
特開平10−330315号公報
本発明の(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とするアクリル樹脂組成物とは、単量体成分として少なくともテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを必須の構成単位とし、成形体に成形加工する前の状態を言う。なお、テルペン系(メタ)アクリル酸エステルのアクリル樹脂組成物への導入方法は特に限定しない。成形体に成形加工する前の状態とは、例えば主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルの単量体とテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの単量体を重合開始剤や連鎖移動剤等の重合助剤等によって重合させた重合体に各種の添加剤を配合した成形材料での状態や、(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とする重合体の成形材料にテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするオリゴマーを配合した状態、セルキャスト法や連続キャスト法等のシート製造時で主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルの単量体とテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの単量体を重合助剤等によって重合させたシート材料での状態、成形体へ硬化させる前の状態で主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルの単量体とテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの単量体および/またはテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするオリゴマーが配合された状態等を示す。
(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とする重合体がアクリル樹脂組成物を構成する場合、重合体は懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、光重合法等の公知の重合方法によって得ることができ、特に限定しない。
ここでアクリル樹脂組成物を構成する重合体またはオリゴマーの重合方法として、溶液重合法を例に説明する。例えばテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの導入方法としては、主成分単位である(メタ)アクリル酸メチルとテルペン系(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、テルペン系(メタ)アクリル酸エステルの単独オリゴマー、さらにはテルペン系(メタ)アクリル酸エステルと共重合が可能な単量体との共重合オリゴマー等が挙げられる。なお共重合が可能な単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで本発明における共重合とは、ポリマー鎖中に取り込まれている状態のみならず、ポリマー末端に結合している状態をも指す。
テルペン系(メタ)アクリル酸エステルの使用割合は望ましくは0.1〜50質量%であり、さらに望ましくは1〜45質量%である。0.1質量%より少ない場合は吸湿性の低減について効果が小さく、50質量%を越える場合はアクリル樹脂の強度が著しく劣ったものとなる。ただし上記使用量は、目的とする成形体の種類や用途によって添加剤や成形剤等の副材料を配合することにより、適宜変更使用が可能である。
溶液重合法は、重合開始剤を用いて(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸メチルとテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの混合物等を有機溶剤中で重合させる工程がある。その際用いる有機溶剤には、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶液、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶液、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等がある。これらの有機溶剤は、単独または二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤としては、所望の重合率と重合度が得られるものならば特に限定はなく、例えばアゾ系開始剤、過酸化物開始剤等、通常のラジカル熱重合に使用されているものを用いることができる。アゾ開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等があり、過酸化物開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。
重合開始剤は単独でも二種類以上を併用してもよく、配合量はアクリル樹脂組成物を構成する重合体やオリゴマーの単量体成分に対して0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜8質量%とすることが特に好ましい。この配合量が10質量%を超えると重合体やオリゴマーが熱によって着色し易くなり、0.01質量%より少ないと重合し難くなる傾向がある。ただし上記使用量は、目的とする成形体の種類や用途によって添加剤や成形剤等の副材料を配合することにより、適宜変更使用が可能である。
本発明の(メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とするアクリル樹脂組成物において、(メタ)アクリル酸メチル単位を含む重合体の重量平均分子量(Mw)は、流動性、機械強度の観点から10,000〜3,000,000が好ましく、30,000〜1,000,000がより好ましい。ここで重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定してポリスチレン換算したものである。
本発明のアクリル樹脂組成物には、アクリルオリゴマーを添加してもよく、特に限定されないが、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸エステルやテルペン系(メタ)アクリル酸エステル等を単量体成分として、単独オリゴマーや共重合オリゴマーが挙げられる。アクリルオリゴマーは、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、光重合法等の公知の重合方法によって得ることができ、特に限定しない。アクリルオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、溶解性の観点から10,000未満、好ましくは3,000〜7,000である。このアクリルオリゴマーの重量平均分子量(Mw)が10,000以上になると、アクリル樹脂組成物を構成する組成物に相溶し難くなる傾向にある。アクリルオリゴマーは、(メタ)アクリル酸メチルの単量体に対して、1〜50重量%とすることが好ましい。
アクリル樹脂組成物には、必要により、特徴である透明性、耐候性を低下させない程度に低分子量改質剤を配合してもよい。配合量は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチルの単量体に対して、3〜50質量%とするのが好ましい。低分子量改質剤としては、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂系等のオリゴマーが挙げられる。これらは単独または二種類以上を組み合わせて使用できる。
さらにアクリル樹脂組成物には、上記成分以外に通常配合される充填剤、顔料、染料、着色剤、希釈剤、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、光安定剤、カップリング剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、滑剤、重合禁止剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、沈降防止剤、防曇剤、繊維強化材、石目模様材、低収縮剤等の添加剤を必要に応じて添加してもよく、これらの添加剤は単独または二種類以上の使用が可能である。
また必要に応じてアクリル樹脂組成物にN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体や(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有物、さらにアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体等の単量体からなる単量体単位を併用することもできる。これらの単量体単位は、単独または二種類以上を組み合わせて(メタ)アクリル酸メチルを単位とした重合体に併用することができる。これら単量体単位の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
本発明のアクリル樹脂組成物を用いた成形体への成形方法は特に限定されないが、アクリル樹脂組成物を射出成形、押出成形、加圧成形、ブロー成形等することによって、透明性や耐候性を損なうことなく、吸湿性に優れた成形体を製造することができる。そしてこのようなアクリル樹脂組成物は、これらの特性が要求される用途としての材料に用いることができる。
またアクリル樹脂組成物を硬化して成形体を作製する場合は、公知の重合方法によって得ることができ、特に限定しないが、熱重合や光重合が挙げられる。例えば光ラジカル重合法により行う場合は、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤としては工業的UV照射装置の紫外線を効率良く吸収して活性化し、硬化樹脂を黄変させないものであれば特に特定されるものではなく、例えばベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシー2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のリン酸化合物、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1やカンファーキノン等が挙げられる。
重合開始剤は単独でも二種類以上を併用してもよく、配合量はアクリル樹脂組成物を構成する(メタ)アクリル酸メチルとテルペン系(メタ)アクリル酸エステルの単量体成分に対して0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜8質量%とすることが特に好ましい。この配合量が10質量%を超えると硬化物が熱や紫外線によって着色し易くなり、0.01質量%より少ないと硬化し難くなる傾向がある。ただし上記使用量は、目的とする成形体の種類や用途によって添加剤や成形剤等の副材料を配合することにより、適宜変更使用が可能である。
さらに、必要に応じて汎用のラジカル発生促進剤も使用することができる。また硬化温度、窒素置換等の硬化条件も所望の重合率と重合度が得られるものならば特に限定はなく、通常の硬化条件が用いられる。
本発明のアクリル樹脂組成物の硬化方法としては、アクリル樹脂組成物を所望の部分に注型、ポッティング、または金型へ流し込み、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射および/または加熱などの方法によって行うことができる。硬化阻害や着色防止のため、あらかじめ窒素バブリングによって樹脂組成物中の酸素濃度を低減することが望ましい。熱硬化による硬化条件は、各成分の種類、組み合わせ、添加量にもよるが、最終的にラジカル重合が完結する温度、時間であればよく、特に限定されないが、好ましくは60〜150℃で5〜10時間程度である。また急激な硬化反応によって発生する内部応力を低減するために、硬化温度を段階的に昇温することが望ましい。紫外線の照射による硬化においては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フュージョンに代表される無電極放電ランプ等公知のものを用いることができる。また紫外線照射は、空気中でも、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でも行なうことができる。
本発明のアクリル樹脂組成物からなる成形体としては、ビデオディスク、オーディオディスク、コンピューター用追記型ディスク等のディスク材料や、カメラ、ビデオカメラ、投写型テレビ、光ピックアップ等のレンズ材料、さらに光ファイバー、光コネクターなど種々の光伝送材料、また導光板、拡散板、光ディスク、PTTV用レンチキュラーレンズ、PITV用フルネルレンズ、ピックアップレンズ、カメラレンズ、ビデオレンズ、めがね、ディスプレイ前面板、プリズム、光ファイバー等の光学部品等はもとより、透明基板、レンズ、粘接着剤、シール材、光導波路、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の光学部材、照明カバー、ランプシェード、シャンデリア等の照明用品、ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイ等のディスプレイ用品、車両用ランプカバー、車両用サイドバイザー、メーターカバー、風防板等の輸送機器用部品、ステレオカバー、銘板等の電子機器部品等、さらに特殊品として人口大理石、義歯等の成形用品または成形部品が挙げられる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例および比較例中の部および%は、特に断らない限り、重量基準である。
<分析方法>
実施例における分析は、下記の機器を使用した。
1.純度…ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC−MS)により求めた。装置;Hewlett Packard社製、HP6890 GC System、カラム;HP−5MS(Crosslinked 5% Ph Me Siloxane)径0.25mm×30m、イオン化モード;EI
2.分子量…ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)を求めた。装置;Waters社製、モデル510、カラム;Waters社製、Styragel (HR5+HR4)×2、溶媒;テトラヒドロフラン、標準物質;ポリスチレン
合成例1
(式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)の合成)
温度計、撹拌装置、滴下ロートおよび冷却管を備えた重合装置に、フェノール110部、強酸性陽イオン交換樹脂20部を仕込んだ後、80℃の温度に保持しながら、カンフェン(ヤスハラケミカル(株)製、純度95%)135部を滴下し、その後撹拌しながら後反応させた。次いで反応液から強酸性陽イオン交換樹脂を除き、トルエン300部を加えて溶解させ、蒸留水で洗浄した後、減圧蒸留を行い、沸点138℃〜148℃/5mmHgの留分を得た。オートクレーブ中に上記留分と、2−プロパノール200部および粉末状の5%ルテニウム担持アルミナ触媒1部を仕込み、水素ガスを導入した。撹拌しながら150℃まで加熱し、水素圧力40kg/cm2で反応させた。その後室温まで冷却し、エタノール300部を追加して触媒を濾別した。エバポレーターで減圧濃縮し、ガスクロマトグラフィーによる純度が95%である式(12)に示す脂環式ヒドロキシ化合物17.6部を得た。
次に還流装置付き油水分離器を装着した反応器に上記で得られた式(12)に示す脂環式ヒドロキシ化合物12部とトルエン50部、メタクリル酸5部、濃硫酸0.1部、ハイドロキノン0.05部を仕込み、加熱撹拌しながら110℃で反応した。次に反応油を水洗して減圧蒸留を行い、トルエン、未反応物を留去させ、釜残として微黄色液状物を得た。次にカラムクロマトグラフィーにより精製し、式(1)に示すテルペン系メタクリル酸誘導体(R1=メチル基)10部を得た。
合成例2
(式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)の合成)
合成例1において、カンフェンをパラメンテンー1に変えた以外は同様に操作し、ガスクロマトグラフィーによる純度が92%である式(13)に示す脂環式ヒドロキシ化合物19部を得た。
さらに合成例1において、式(12)に示す脂環式ヒドロキシ化合物を上記で得られた式(13)の脂環式ヒドロキシ化合物に変えた以外は同様に操作を行い、式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)9部を得た。
単独オリゴマーの調整例
(式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)の単独オリゴマーの合成)
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた重合装置に式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)100部、チオグリコール酸(メルカプト酢酸、堺化学工業(株)製)3部、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド0.05部を仕込み、室温で撹拌しながら1時間窒素封入した。次いでこの混合物に緩やかに窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、70℃になるまで昇温し、重合反応を開始させた。発生する反応熱によって上昇する装置内温度を70℃〜80℃に保っように第1段階目の重合反応を約2時間行なった。ここにジ−tert−ヘキシルパーオキサイド0.05部を添加して、自己発生熱により生じる反応系内の温度上昇が緩やかになった後、反応系内温度を170℃にまで緩やかに昇温させ、第2段階目の重合反応を4〜6時間行ない、転化率が約95%、重量平均分子量(Mw)が4,000である式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)の単独オリゴマー(A)を得た。
実施例1
メタクリル酸メチル:式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)=80:20の重量比率で100部調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.2部、溶媒にトルエン150部を温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた重合装置に仕込んだ。窒素気流下で重合装置内を70℃まで昇温しながら撹拌し、反応を行った。さらにヘキサン1,500部を加えて除々に室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して溶剤を除去したところ、重量平均分子量(Mw)220,000の結晶55部を得た。
実施例2
式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)の代わりに式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)を配合した以外は実施例1と同様の操作を行い、重量平均分子量(Mw)230,000の結晶50部を得た。
実施例3
メタクリル酸メチルを100部調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.06部、溶媒に酢酸エチル150部を温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた重合装置に仕込んだ。窒素気流下で重合装置内を55℃まで昇温しながら撹拌を行い、反応を行った。さらにヘキサン1,500部を加えて除々に室温まで冷却し、析出した結晶を濾別して溶剤を除去したところ、重量平均分子量(Mw)が200,000である樹脂(B)の結晶20.2gを得た。
さらに上記樹脂(B)を用い、式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)の単独オリゴマー(A)を樹脂(B)100部に対して20部配合した。
比較例1
樹脂(B)を用いた。
比較例2
式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)の代わりにメタクリル酸イソボルニル(商品名「IBX」、大阪有機化学(株)製を配合した以外は実施例1と同様の操作を行い、重量平均分子量(Mw)230,000の結晶50部を得た。
実施例1〜3と比較例1、2をそれぞれテトラヒドロフランに溶解し、基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製:厚さ38μm)に乾燥後の厚さが20〜30μmとなるように塗布した後、100℃で1分間乾燥させた。その後、室温で24時間乾燥させて試料を作成した。
<評価方法>
評価方法は下記の通りである。
1.吸湿性…JIS K 7209「プラスチック−吸水率の求め方」に準じて測定を行った。5cm×5cmに調整した試料を120℃乾燥機中で一晩置き、十分乾燥させた後、重量(W1)を測定した。次にこの試料を23℃の蒸留水に浸漬し、192時間放置した。水中から取り出した後、布で水分を拭き取り、2分間放置した後、重量(W2)を測定し、下記式により吸水率を求めた。
吸水率(%)=[(W2−W1)/W1]×100
2.透明性…日本電色工業(株)製COH−300Aで試料の曇り度(Haze)を測定した。
3.耐候性…スガ試験機(株)製テーブルサンXT750に試料を入れ、照度48,0001x、照射100時間、温度50℃にて照射後、日本電色工業(株)製COH−300Aで黄色度(ΔYI値)を測定した。
Figure 2008291198
実施例4
メタクリル酸メチル80部、式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)、および光ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1重量部を常温にて混合し、樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を、1mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、超高圧水銀ランプを用い照度11.6mW/cm2で積算露光量3000mJ/cm2でラジカル重合させた。
実施例5
式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)の代わりに式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)を配合した以外は実施例4と同様の操作を行った。
実施例6
メタクリル酸メチルを50部、式(2)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R2=メチル基)の単独オリゴマー(A)50部、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を常温にて混合し、樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を、1mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、オーブン中で、60℃で5時間、80℃で2時間加熱し、1mm厚の硬化物を得た。
比較例3
メタクリル酸メチルを100部、光ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1重量部を常温にて混合し、樹脂組成物を調整した。この樹脂組成物を、1mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型の中に流し入れ、超高圧水銀ランプを用い照度11.6mW/cm2で積算露光量3000mJ/cm2でラジカル重合させた。
比較例4
式(1)に示すテルペン系メタクリル酸エステル(R1=メチル基)の代わりにメタクリル酸イソボルニル(商品名「IBX」、大阪有機化学(株)製)を配合した以外は実施例4と同様の操作を行った。
実施例4〜6と比較例3、4で得られた硬化物について、硬化収縮性を下記に示す方法により測定した。
<評価方法>
1.硬化収縮性…樹脂組成物の比重(a)とその硬化物の比重(b)から下記式を用いて硬化収縮率を算出した。
硬化収縮率(%)=[(b−a)/b]×100
Figure 2008291198
産業上の利用の可能性
本発明である単量体成分として少なくとも式(1)および/または式(2)のテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを必須の構成単位とするアクリル樹脂組成物はビデオディスク、オーディオディスク、コンピューター用追記型ディスク等のディスク材料や、カメラ、ビデオカメラ、投写型テレビ、光ピックアップ等のレンズ材料、さらに光ファイバー、光コネクターなど種々の光伝送材料、また導光板、拡散板、光ディスク、PTTV用レンチキュラーレンズ、PITV用フルネルレンズ、ピックアップレンズ、カメラレンズ、ビデオレンズ、めがね、ディスプレイ前面板、プリズム、光ファイバー等の光学部品等はもとより、透明基板、レンズ、粘接着剤、シール材、光導波路、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の光学部材、照明カバー、ランプシェード、シャンデリア等の照明用品、ショーケース、仕切板、店舗ディスプレイ等のディスプレイ用品、車両用ランプカバー、車両用サイドバイザー、メーターカバー、風防板等の輸送機器用部品、ステレオカバー、銘板等の電子機器部品等、さらに特殊品として人口大理石、義歯等にも使用することができる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸メチルを主成分単位とするアクリル樹脂組成物において、テルペン骨格を有する炭素数12〜26の脂環式ヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸化合物とのエステル化反応により誘導されるテルペン系(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも必須の構成単位とするアクリル樹脂組成物。
  2. テルペン系(メタ)アクリル酸エステルにおいて、アクリル酸ブチルを原点としたハンセン(Hansen)の溶解度パラメーターの寄与率差が11.0以上である請求項1記載のアクリル樹脂組成物。
  3. テルペン系(メタ)アクリル酸エステルを下記式(1)および/または式(2)とする請求項1または2に記載のアクリル樹脂組成物。
    Figure 2008291198
    上記式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。
    Figure 2008291198
    上記式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物からなる成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114875A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 大阪有機化学工業株式会社 (メタ)アクリル酸ビシクロモノテルペンの製造方法
JP2013546184A (ja) * 2010-11-10 2013-12-26 ▲セン▼國光 カバーの作製方法及びパッケージ化発光ダイオードの作製方法
JP2014142669A (ja) * 2010-02-12 2014-08-07 Dexerials Corp 光学素子、日射遮蔽装置、建具、窓材および光学素子の製造方法

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