JP2008291172A - 硬化性組成物及びその硬化方法 - Google Patents

硬化性組成物及びその硬化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬度及びガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れ、かつ、硬化時の収縮性に優れ、安定性の高い硬化物が得られる硬化性組成物及びその硬化方法を提供する。
【解決手段】エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物が重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化することを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物及び該硬化性組成物の硬化方法に関する。詳しくは、紫外線(UV)、赤外線、X線、可視光線、太陽光線、電子線(EB)、アルゴンやCO2やエキシマ等のレーザー、放射や輻射等の熱線等のエネルギー線や熱等のエネルギーを用いて迅速に硬化する硬化性組成物とその効果方法に関する。
近年、硬化性組成物は広く様々な用途に利用されているが、特に光半導体封止用途に多く使われている。UV硬化性組成物に代表されるエネルギー線硬化性組成物は様々な分野・用途に使用されている。かかる組成物は一定量以上のエネルギー線が照射された部位のみを硬化するという特徴を有するが、エネルギー線は、組成物を透過する過程で減衰するので硬化物の深部まで到達し難く、もしくはエネルギー線と同等の波長を吸収する物質等によって減衰が大きい等の性質を有する。結果的に光硬化性組成物は一般的に、エネルギー線の到達する表層数μm〜mmのみしか硬化せず、深部は未硬化のため、光半導体封止用途のような厚肉材への適用が困難もしくは不可能という問題や、フィラー等を含有する組成物の場合、硬化阻害が発生するという問題を有し、利用範囲もフォトレジスト、コーティング、塗料、接着剤、ワニス等の分野が中心であった。一方でいわゆるリビング性による、暗反応が持続して起こることも知られている。
UV照射などによる厚物成形において、アリールスルホニウム塩タイプの光重合開始剤にフェノチアジン骨格を有する化合物を併用することで、深部までを硬化させる技術が開示されている(例えば参考特許文献1)。また、光硬化剤と熱硬化剤を併用し、UV照射後に加熱・加圧成形することで厚み精度の優れた積層体硬化物を作製する技術が開示されている(例えば参考特許文献2)。
しかし、前者の場合、前述の如くフィラーなどの添加による硬化性の低下が発生し、また後者の場合は加熱、加圧という手段を施すための設備が必要となり、生産コストが増大するというデメリットを伴っていた。また、組成物内に炭素繊維や、炭素繊維強化材料のようなものを混合して極めて光遮蔽性の高い組成物を初期に光を与えるだけで硬化させる技術が開示されている(例えば、参考特許文献3)。
しかしながら、上記の方法では、硬化性という点で不十分であり、できる硬化物の硬度、ガラス転移温度(Tg)、及び耐熱性が低いという問題が発生していた。
特開平8−283388号公報 特公昭61−38023号公報 特開2005−206847号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、硬度及びガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れ、かつ、硬化時の収縮性に優れ、安定性の高い硬化物が得られる硬化性組成物及びその硬化方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、初期に付与したエネルギーにより硬化性組成物の重合反応が開始すると、その重合反応によって発生した新たなエネルギーによって、更なる重合反応が、ある特定の重合性化合物を使用した場合において、特異的に進行することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物が重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化することを特徴とする硬化性組成物。
2.前記エポキシ化合物が、炭素間二重結合を有さないエポキシ化合物であることを特徴とする前記1に記載の硬化性組成物。
3.光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の硬化性組成物。
4.熱重合開始剤を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の硬化性組成物。
5.硬化性組成物中の前記オキセタン化合物の割合が50質量%以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
6.エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物の硬化方法において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物の重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化させることを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
本発明の上記手段により、硬度及びガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れ、かつ、硬化時の収縮性に優れ、安定性の高い硬化物が得られる硬化性組成物及びその硬化方法を提供することができる。
すなわち、硬化性組成物の表面に初期に与えたエネルギーで重合反応を開始させることによって、その後新たに自己発生したエネルギーにより連鎖的に重合反応させ、一定の大きさの硬化物を迅速に作製することができ、更に、当該組成物の硬化後の硬化物が硬度及びガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れ、かつ、硬化時の収縮性に優れ、安定性の高い硬化物となる硬化性組成物及びその硬化方法を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物が重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化することを特徴とする。この特徴は、請求項1〜6に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明に係る上記特徴は、反応機構的観点から説明すると、初期に付与したエネルギーにより、硬化性組成物の重合反応が開始され、その重合反応によって発生する新たな熱エネルギーの系外への放出が大きくなく、熱エネルギーが内包され、その内包された熱エネルギーが有効に利用されることによって重合反応が進行するものである。従って、硬化性組成物の重合反応が開始された際、該硬化性組成物が、新たに発生するエネルギーが外部へ放出され易い環境に存在する場合、連鎖的な重合反応は発生しにくいか、全く発生しなくなる場合もある。しかし、本発明によれば、外部への熱エネルギー放出が発生し易い環境においても容易に重合反応が連続して進行するものである。
なお、エネルギーを硬化性組成物内部に自己発生させたか否かは、当該組成物の重合反応の際の反応熱を測定により確認することができる。具体的には、JIS K71221987「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して、示差走査熱量(DSC)測定装置(例えば、セイコーインスツルメンツ社製のDSC6100等)を使って、総発熱量を測定することにより確認することができる。
以下、本発明とその構成要素等について詳細な説明をする。
(エネルギー源)
本発明の硬化性組成物の重合反応を開始するために当該硬化性組成物に付与するエネルギーとしては、紫外線(UV)、赤外線、X線、可視光線、太陽光線、電子線(EB)、アルゴンやCO2やエキシマ等のレーザー、放射や輻射等の熱線等のエネルギー線や熱等のエネルギーを使用することができる。
(本発明の硬化性硬化物の好ましい態様)
本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物が重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化することを特徴とする。本発明において、本発明の効果の観点から、前記エポキシ化合物が、炭素間二重結合を有さないエポキシ化合物であることが好ましい。また、光重合開始剤を含有すること、及び熱重合開始剤を含有することが好ましい。
以下、本発明の硬化性組成物の構成要素について詳細な説明をする。
(重合性化合物)
本発明の硬化性組成物は、重合性化合物として、エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有することを特徴とするが、これらの化合物の他に、下記の各種の重合性化合物を含有することができる。以下、重合性化合物について説明するが、本発明に係る重合性化合物として使用できる化合物は、エポキシ化合物とオキセタン化合物の共存下において、重合反応し得る化合物であれば、下記の各種重合性化合物に限定されるものではない。
〈エポキシ樹脂〉
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型、脂肪族型、又はこれらの蒸留品、水添型などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。
グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂のような2官能エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、DPPノボラック型エポキシ樹脂、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂のような多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのうち好ましくは、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
好ましい脂環型エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名UVR6105、UVR6110及びCELLOXIDE2021なる市販品あり)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(商品名UVR6128の市販品あり)、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド(商品名CELOXIDE2000の市販品あり)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名CELOXIDE2081の市販品あり)、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン(商品名CELOXIDE3000の市販品あり)などの脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。前記UVR6105、UVR6110及びUVR6128の商品名を有する市販品は、いずれもダウ・ケミカル社から入手できる。前記CELOXIDE2000、CELLOXIDE2021、CELOXIDE2081及びCELOXIDE3000の商品名を有する市販品は、いずれもダイセル化学株式会社から入手できる。なお、UVR6105はUVR6110の低粘度品である。
更に好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008291172
(式中、R101は置換基を表し、m1は0〜2を表す。p1、q1はそれぞれ0または1を表す。r1は1〜3を表す。L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基または単結合を表す。)
上記の式中、R101は置換基を表す。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
m1は0〜2を表し、0または1が好ましい。
1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基あるいは単結合を表す。
主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15の2価の連結基の例としては、以下の基及びこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]
エチリデン基[>CHCH3]、
イソプロピリデン[>C(CH32
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]、
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]、
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH32CH2−]、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH32CH2−]、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH32CH2−]、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]、
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]、
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]、
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]、
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]、
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]、
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]、
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]、
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]、
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2O CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−]、
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]、
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]、
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C58−]、
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C610−]、
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C610−]、
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C610−]、
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C46O−]
p−フェニレン基[−p−C64−]、
m−フェニレン基[−m−C64−]、
α,α’−o−キシリレン基[−o−CH2−C64−CH2−]、
α,α’−m−キシリレン基[−m−CH2−C64−CH2−]、
α,α’−p−キシリレン基[−p−CH2−C64−CH2−]、
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C64−C(CH32−p−C64−]
3価以上の連結基としては、以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基及びそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
1は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
1としては主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
p1、q1はそれぞれ0または1を表し、p1+q1が1以上であるのが好ましい。
p2、q2はそれぞれ0または1を表し、それぞれ1が好ましい。
以下に、本発明のエポキシ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008291172
Figure 2008291172
Figure 2008291172
Figure 2008291172
Figure 2008291172
Figure 2008291172
Figure 2008291172
〈エポキシ化合物の合成〉
本発明に係るエポキシ化合物の合成は、以下の特許に記載の方法に準じて行うことができる。
米国特許第2,745,847号、同第2,750,395号、同第2,853,498号、同第2,853,499号、同第2,863,881号明細書等。
オキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン環を有する化合物である。具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成(株)製商品名OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルを好ましく用いることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキセタン化合物は硬化性組成物中に、当該組成物全質量に対して、30〜95質量%、好ましくは50〜90質量%配合されることが好ましい。
<その他重合性化合物(1):ラジカル重合性化合物>
本発明の硬化性化合物は、重合性化合物として、上記のエポキシ化合物とオキセタン化合物の他に、下記の各種ラジカル重合性化合物を含有させることもできる。ラジカル重合性化合物として好ましい化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよい。モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学構造形態を有するものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するため、任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
その他のラジカル重合系化合物としては、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載された周知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
本発明の硬化性組成物に対するラジカル重合性化合物の添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
<その他重合性化合物(2):カチオン重合性化合物>
本発明の硬化性化合物は、重合性化合物として、上記のエポキシ化合物とオキセタン化合物の他に、下記の各種カチオン重合性化合物を含有させることもできる。例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
(4)N−ビニル化合物類
例えば、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等
カチオン重合性化合物の硬化性組成物に対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
<その他重合性化合物(3):光硬化型ポリビニルアルコール誘導体>
光硬化型ポリビニルアルコール誘導体とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチリルピリジニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、たとえば一級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、たとえば特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、たとえば特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)があげられる。
光硬化型ポリビニルアルコール誘導体の本発明の硬化性組成物に対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
<その他重合性化合物(4):マレイミド誘導体>
マレイミド誘導体としては公知の化合物が使用できる。例えば、特開昭61−250064号、特開昭62−64813号、特開昭62−79243号、特開平6−298817号、特開平11−124403号、特開平11−292874号、特開平11−302278号、特開2000−264922号、「Polymer Materials Science and Engineering」第72巻、第470〜472頁(1995年)、「Polymer Preprints」第37巻、第348〜349頁(1996年)、「第4回フュージョンUV技術セミナー」第43〜77頁(1996年)、「PolymerLetters」第6巻、第883〜888頁(1998年)、「第9回フュージョンUV技術セミナー」第5〜20頁(2001年)等に記載された化合物が使用できる。
マレイミドの本発明の硬化性組成物に対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
<光硬化促進剤:光重合開始剤等>
本発明の硬化性組成物に光照射等によって重合性組成物の重合反応を開始させるための光重合開始剤、開始助剤、光硬化促進助剤を添加することができる。
適用される光重合開始剤について特に制限はないが、一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、チタノセン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムとうからなるオニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩、スルホン化物、ハロゲン化物、鉄アーレン化合物、チタノセン化合物等があげられる。上記は単独で使用しても混合して使用してもよい。
光重合開始剤としては、上記の化合物の他に、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)、「イメージング用有機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版、1993年)の187〜192ページに記載等の文献で周知になっている化合物を適用することとしてもよい。
光重合(硬化)反応を進めるために開始助剤、光硬化促進剤を用いることもできる。
ここで、「開始助剤」とは、光照射により、電子供与、電子吸引、熱の発生等により開始剤にエネルギーを供与して、開始剤のラジカルまたは酸の発生効率を向上させる増感色素として作用する物質であり、開始剤と組み合わせて適用される。
開始助剤としては、例えば、キサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオキサンテン色素、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
また、開始助剤としては、上述の化合物の他、「高分子添加剤の開発技術」(シーエムシー出版、大勝靖一監修)等の文献で増感色素として作用することが周知になっている物質を適用することとしてもよい。なお、開始助剤は開始剤の一部をなす構成要素とみなすこともできる。
これらの光開始剤に加え、光重合(硬化)反応を促進するため促進助剤を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
光重合(硬化)促進剤は、0.1〜10質量%という添加量で添加することが好ましい。
(光・熱酸発生剤)
光・熱酸発生剤としては、公知のスルホニウム塩、アンモニウム塩などの他、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特開平8−143806号公報、同8−283320号公報などに記載のものから適宜選択して使用することができる。また、光・熱酸発生剤は市販品をそのまま使用することができる。光酸発生剤の代表例として、商品名CI−1370、CI−2064、CI−2397、CI−2624、CI−2639、CI−2734、CI−2758、CI−2823、CI−2855及びCI−5102の下に入手可能な市販品(いずれも日本曹達株式会社製)、商品名PHOTOINITIATOR2074の下に入手可能な市販品(ローディア社製)、商品名UVI−6974及びUVI−6990の下に入手可能な市販品(いずれもユニオンカーバイト社製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172の下に入手可能な市販品(アデカ製)などを挙げることができる。
また熱酸発生剤としては例えば、商品名サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−150Lの下に入手可能な市販品(三新化学社製)、商品名アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77の下に入手可能な市販品(アデカ製)などを挙げることができる。
(光増感剤等)
本発明の硬化性組成物には、増感剤として、例えば、光源(エネルギー源)の波長に適合するよう、増感色素を併用することも可能で、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が挙げられ、更に欧州特許568,993号、米国特許4,508,811号、同5,227,227号、特開2001−125255号、特開平11−271969号等に記載の化合物も用いられる。かかる光増感剤の使用量は、硬化性組成物中0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
(安定剤等)
本発明においては硬化性組成物の保存安定性を得るため、重合抑制剤を添加することができる。具体的には、公知のアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を用いることができる。このようなアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、具体的には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく挙げられる。より具体的に、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などを挙げることができる。またアルカリ土類金属化合物としては、具体的に、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどを挙げることができる。
また、アミン類、フォスフィン類等や低溶解度塩基性化合物として知られている、ミアンセリン、アポモルフィン、クロールプロマジン、イミプラミン及びプロメタジン等も用いることができる。
(その他添加剤)
本発明の重合性組成物は、適度なチキソ性を有していることが好ましく、チキソ比としては1.1以上5.0以下が好ましい。
チキソ性を付与する目的で、または粘度や硬化性、密着性などの諸物性を制御する目的で、各種フィラーを適宜用いることができる。添加可能なフィラーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ホウアルミニウム、セピオライトなどが挙げられる。また、光半導体封止などに用いられる場合には、必要に応じて蛍光体などを添加することもできる。
フィラーとして好ましくはシリカ、炭酸カルシウムであり、特に好ましくはシリカが挙げられる。
本発明の重合性組成物は、特に白色光半導体封止用途などである場合には、硬化後の硬化物が1mmの厚さの時に、400〜800nmの全光透過率が80%以上であることが好ましい。また有色光半導体封止用途や、光線を散乱させるなどの場合は少なくとも400〜500nmにおける全光透過率が80%以下、少なくとも500〜600nmにおける全光透過率が80%以下、少なくとも600〜700nmにおける全光透過率が80%以下であることが好ましい。透過率を低下させる目的の一つとして、着色させるために用いる添加剤としては、有機、無機の顔料もしくは染料の中から、適宜最適なものを選択することができる。また、透過率を低下させる別の目的、すなわち光を散乱させる手段の一つとして濁りを生じさせるために用いる添加剤としては、前記チキソ性を付与するために用いられるフィラーと同様のものを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
表1に従って各材料化合物を配合、混合、混練、脱泡して、液状硬化性組成物を作製した。添加量は全て質量部で記載した。尚、化合物12及び化合物13は常温で固体であるため、各々90℃に加熱溶融した後、他のエポキシモノマー、オキセタンモノマーと混合した。
Figure 2008291172
以下に使用した化合物を説明する。
化合物11:EPICLON 830(商品名、大日本インキ工業株式会社製 ビスフェノールF型エポキシモノマー)
化合物12:EPICLON N−670(商品名、大日本インキ工業株式会社製 クレゾールノボラック型エポキシモノマー)
化合物13:EPICLON N−770(商品名、大日本インキ工業株式会社製 フェノールノボラック型エポキシモノマー)
化合物14:YX−8000(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製 水添ビスフェノールA型エポキシモノマー)
化合物15:セロキサイド2021P(商品名、ダイセル化学工業株式会社製 脂環式エポキシモノマー)
化合物16:EPP25(商品名、阪本薬品工業株式会社製 シクロヘキサン1,2,4−トリカルボン酸グリシジルエーテルモノマー)
化合物21:OXT−221(商品名、東亞合成株式会社製 アロンオキセタンOXT−221)
化合物22:OXT−101(商品名、東亞合成株式会社製 アロンオキセタンOXT−101)
化合物23:OXT−212(商品名、東亞合成株式会社製 アロンオキセタンOXT−212)
化合物31: UVI−6992(商品名、ダウケミカル株式会社製 光重合開始剤)
化合物32:下記構造式32の光重合開始剤
Figure 2008291172
化合物33:アデカオプトマー172(商品名、株式会社アデカ製 光重合開始剤)
化合物34:サンエイドSI−100L(商品名、三新化学工業株式会社製 熱重合開始剤)
化合物35:アデカオプトンCP−77(商品名、株式会社アデカ製 熱重合開始剤)
化合物41:DEA(商品名、川崎化成株式会社製 光増感剤)
化合物42:アデカオプトマーSP−100(商品名、株式会社アデカ製 光増感剤)
化合物51:アエロジルRY−200S(商品名、デグッサ株式会社製 フュームドシリカ)
化合物52:サイリシア350(商品名、富士シリシア株式会社製 無定形シリカ)
化合物53:ホワイトンB(商品名、白石カルシウム株式会社製 炭酸カルシウム)
化合物54:A−43−M(商品名、昭和電工株式会社製 微粒アルミナ)
以上作製した試料101〜109を円筒形のガラス容器(直径30mm×高さ50mm)に高さ40mmまで注入れ、容器開口部を除く外側を全て黒紙で覆った。この開口部側真上から、以下の条件でUV光を照射した。さらに、試料101〜109について、前記同様にUVを照射した後、160℃で30分間オーブンに保存したものも用意した。
装置名:ウシオ電機株式会社製 スポットキュアSP−V型
ランプ種:DeepUVランプ UXM−Q256BY型
ランプ強度:250W
ファイバ:SF−101AQ−U型
照射距離:7cm
ピーク照度:50mW/cm2
照射時間:85秒
積算照度:4250mJ/cm2
得られた硬化物について、以下の評価を行った。
(D硬度)
高分子計器株式会社製、D型ゴム硬度計(JIS K 7215)により、30mm径の底面の任意の点を5回測定した平均値を求めた。
(耐熱性)
試料を120℃で1000時間保存した前後の黄変を目視評価した。評価結果は、以下のように表現した。
◎:ほとんど黄変しない。
○:わずかに黄変が認められる。
△:黄変が認められる。
×:強く黄変する。
(ガラス転移点:Tg)
試料を以下の条件でTMA法により、ガラス転移点を測定した。
装置名:理学電機工業株式会社製 熱機械分析装置 TMA標準形 CN8098E1
昇温速度:5℃/分
サンプル厚み:2mm
(硬化収縮)
硬化前後の比重測定値に基づき、収縮率を算出した。
Figure 2008291172
表2の結果より、重合性物質がエポキシだけで、オキセタンを含有しない試料101〜103では、UV照射による硬化は、UV光が当たる表面とその近傍(数〜数十μm程度の厚さ)のみであり、内部まで十分に硬化していないことがわかる。さらに試料101、102では、UV照射に続いく加熱によっても硬化しないことがわかる。一方、熱発生剤を含有する103だけは、UV照射の後に加熱することで硬化はするものの、硬度や耐熱性に劣っている。
一方、オキセタンも含有する試料104〜109はいずれも、UV照射だけで内部まで十分に硬化していることがわかる。また本発明の構成のうち、エポキシオが脂環式だけで構成されている試料105、及び109はUV照射のみで硬化するだけでなく、耐熱性も非常に優れていることがわかる。さらにはオキセタン比率がエポキシの比率に比べて多く、熱酸発生剤も使用している試料107、108が特にUV照射後の物性も固くてガラス転移点も高めであっただけでなく、UV照射後の物性も優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物が重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記エポキシ化合物が、炭素間二重結合を有さないエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 熱重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  5. 硬化性組成物中の前記オキセタン化合物の割合が50質量%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. エポキシ化合物とオキセタン化合物を含有する硬化性組成物の硬化方法において、エネルギーを該硬化性組成物に付与することで該硬化性組成物の重合反応を開始し、その重合反応により新たにエネルギーを該硬化性組成物内部に自己発生させ、初期に付与したエネルギー及び新たに組成物内部に自己発生させたエネルギーにより硬化させることを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
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