JP2008291130A - アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、加工時に環境や人体への負荷が少なく、粒子径が小さくかつ保存安定性に優れ、水分散体を乾燥して固形物とした時に着色や界面活性剤のブリードアウトがなく、さらには、耐熱性、耐油性、耐候性、透明性、柔軟性、基材との密着性等などに優れるアクリル系ブロック共重合体の水分散体およびその製造方法およびアニオン性水分散体から得られる成形品または粘着剤を得ることである。
【解決手段】 アクリル系ブロック共重合体を、該アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して1〜15重量部のアニオン系界面活性剤の存在下で乳化分散させたアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、およびその製造方法およびアニオン性水分散体から得られる成形品または粘着剤とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体およびその製造方法およびアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体から得られる成形品または粘着剤に関する。
熱可塑性エラストマーは、ゴムと同じ弾性体でありながらプラスチックと同様な機械成形ができる特徴を有し、各種材料が幅広い工業分野で使用されている。これらの中でも特に、ブタジエンをソフトセグメントとして導入したSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体)のようなスチレン系熱可塑性エラストマーは、古くから製造されている。しかし、これらスチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリブタジエンのブロック部分に不飽和結合をもつため耐熱性や耐候性が劣る等の問題点を有している。
この改良品として、不飽和結合を水添することで耐熱性や耐候性が改良されたSEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブタジエン)−ポリスチレンブロック共重合体)タイプのスチレン系熱可塑性エラストマーが製造されているが、少量の不飽和結合が残存するためにさらに改善を求められる場合がある。また、これらSBSやSEBSは低極性分子からなるため、耐油性が必要とされる部位や極性を有する基材との接着性や密着性が必要とされる部位には使用が制限されていた。
これに対して、近年、メタアクリル酸メチルなどをハードセグメントに、アクリル酸ブチルなどをソフトセグメントに有するアクリル系ブロック共重合体のような熱可塑性エラストマーが提案されている。アクリル系ブロック共重合体は不飽和結合がないため、耐熱性や耐候性に非常に優れているだけでなく、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を主鎖骨格として有するため、耐油性や柔軟性、基材との密着性、粘着性、さらには透明性に優れるという特徴を有する材料として開発が進められている(特許文献1および2参照)。
これらのアクリル系ブロック共重合体の多くは、押し出し成形や射出成形等の機械成形により利用されるが、各種材料へのコーティング剤、粘接着剤に利用する場合、有機溶剤に溶解した溶液状態での供給が主であり、含有する有機溶剤の気化による環境への問題や作業上、人体への問題などがあった。
WO2004/013192号公報 特開平09−059583号公報
本発明の目的は、加工時に環境や人体への負荷が少なく、粒子径が小さくかつ保存安定性に優れ、水分散体を乾燥して固形物とした時に着色や界面活性剤のブリードアウトがなく、さらには、耐熱性、耐油性、耐候性、透明性、柔軟性、基材との密着性等などに優れるアクリル系ブロック共重合体の水分散体およびその製造方法およびアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体から得られる成形品または粘着剤に関する。
上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、アクリル系ブロック共重合体をアニオン系界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させることにより、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち本発明は、
(I).メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)を、該アクリルブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜15重量部のアニオン系界面活性剤(B)の存在下、水中に乳化分散させることを特徴とするアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(II).アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよび、アクリル酸−2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体50〜100重量%と、これらと共重合可能なアクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよび、アクリル酸−2−メトキシエチル以外の、アクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体50〜0重量%からなることを特徴とする(I)記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(III).メタアクリル系重合体ブロック(a)がメタアクリル酸メチル50〜100重量%とこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%からなることを特徴とする請求項1または2に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(IV).アクリル系ブロック共重合体(A)が、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を、1分子中に少なくとも1個以上有することを特徴とする(I)〜(III)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(V).アニオン系界面活性剤(B)がジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1つである(I)〜(IV)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(VI).前記アニオン性水分散体中のアクリル系ブロック共重合体(A)が平均粒子径0.1〜3μmの粒子状であることを特徴とする(I)〜(V)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体、
(VII).(I)〜(VI)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体(A)のアニオン性水分散体から得られるアクリル系ブロック共重合体の成形品、
(VIII).(I)〜(VII)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体(A)のアニオン性水分散体から得られるアクリル系ブロック共重合体の粘着剤、
(IX).有機溶剤に溶解させたアクリル系ブロック共重合体(A)と、水に溶解させたアニオン系界面活性剤(B)とを混合し、乳化させた後、前記有機溶剤を留去することを特徴とする(I)〜(VIII)の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体の製造方法、
に関する。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、加工時に環境や人体への負荷が少なく、着色や界面活性剤のブリードアウトがなく、さらには、耐熱性、耐油性、耐候性、透明性、柔軟性、基材との密着性等などに優れるアクリル系ブロック共重合体を用いた成形体や粘着剤を得ることができる。
以下、本発明の各成分につき、詳細に説明する。
<アクリル系ブロック共重合体(A)>
本発明のアクリル系ブロック共重合体(A)の構造は、特に問うものではなく、線状ブロック共重合体または分岐状(星状)ブロック共重合体またはこれらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、必要とされるアクリル系ブロック共重合体(A)の物性に応じて適宜選択すれば良いが、コスト面や重合容易性の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。また、線状ブロック共重合体はいずれの構造(配列)のものであってもよいが、線状ブロック共重合体の物性、または組成物の物性の点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)をa、アクリル系重合体ブロック(b)をbと表現したとき、(a−b)型、b−(a−b)型および(a−b)−a型(nは1以上の整数、たとえば1〜3の整数)からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体であることが好ましい。これらの中でも、加工時の取扱い容易性や、組成物の物性の点からa−b型のジブロック共重合体、a−b−a型のトリブロック共重合体、またはこれらの混合物が好ましい。
アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量はとくに制限されず、メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体系ブロック(b)にそれぞれ必要とされる分子量から決めればよい。なお、分子量が小さい場合には、エラストマーとして十分な機械特性を発現出来ない場合があり、逆に分子量が必要以上に大きいと、加工特性が低下する場合がある。このような観点から、アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量は数平均分子量で30,000〜200,000が好ましく、より好ましくは35,000〜150,000、さらに好ましくは50,000〜130,000である。
アクリル系ブロック共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)も、とくに制限はないが、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。Mw/Mnが1.8をこえるとアクリル系ブロック共重合体の均一性が悪化し、成形体として利用する場合は機械強度や伸び等の機械特性が低下し、粘着剤として利用する場合は溶融性や高温での保持力が低下する場合がある。
アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の組成比は、メタアクリル系重合体ブロック(a)が5〜90重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が95〜10重量%に設定するのが好ましい。成形体として利用する場合は、成形時の形状の保持およびエラストマーとしての弾性の観点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)が10〜60重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が90〜40重量%に設定するのがより好ましく、メタアクリル系重合体ブロック(a)が15〜50重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が85〜50重量%に設定するのが更に好ましい。メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が5重量%より少ないと、成形時に形状が保持されにくい傾向があり、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が10重量%より少ないと、エラストマーとしての弾性や柔軟性および成形時の溶融性が低下する傾向がある。
粘着剤として利用する場合は、粘着剤の粘着力と保持力の観点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)が5〜40重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が95〜60重量%に設定するのがより好ましく、メタアクリル系重合体ブロック(a)が5〜30重量%、アクリル系重合体ブロック(b)が95〜70重量%に設定するのが更に好ましい。メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が5重量%より少ないと、高温での保持力が低下する傾向にあり、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が60重量%より少ないと、粘着力低下する傾向がある。
アクリル系ブロック共重合体の硬度の観点からは、メタアクリル系重合体ブロック(a)の割合が少ないと硬度が低くなり、また、アクリル系重合体ブロック(b)の割合が少ないと硬度が高くなる傾向があり、アクリル系ブロック共重合体の必要とされる硬度に応じて適宜組成を設定する。また加工の観点からは、(a)の割合が少ないと粘度が低く、また、(b)の割合が少ないと粘度が高くなる傾向があり、必要とする加工特性に応じて適宜組成を設定する。
アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の関係は、成形体の場合はエラストマー特性およびゴム弾性を付与する点で、粘着剤の場合は粘着力と保持力を付与する点で、どちらか一方の重合体ブロックのガラス転移温度が他方の重合体ブロックのガラス転移温度より高いことが好ましく、ガラス転移温度の調整の容易性から、各ブロックのガラス転移温度(メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度をTg、アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度をTgとする)が下式の関係を満たすことがより好ましい。
Tg>Tg
重合体(メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b))のガラス転移温度(Tg)の設定は、下記のFox式に従い、各重合体部分の単量体の重量比率を設定することにより行なうことができる。
1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg)+…+(W/Tg
+W+…+W=1
式中、Tgは重合体部分のガラス転移温度を表し、Tg,Tg,…,Tgは各重合単量体のガラス転移温度を表す。また、W,W,…,Wは各重合単量体の重量比率を表す。
前記Fox式における各重合単量体のガラス転移温度は、たとえば、Polymer Handbook Third Edition(Wiley−Interscience 1989年)記載の値を用いればよい。
なお、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピークにより測定することができるが、メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)の極性が近すぎたり、ブロックの単量体の連鎖数が少なすぎると、それら測定値と、上記Fox式による計算式とがずれる場合がある。
<メタアクリル系重合体ブロック(a)>
メタアクリル系重合体ブロック(a)は、メタアクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックであり、メタアクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなることが好ましい。メタアクリル酸エステルの割合が50重量%未満であると、メタアクリル酸エステルの特徴である、耐候性や透明性などが損なわれる場合がある。
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成するメタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−ペンチル、メタアクリル酸n−ヘキシル、メタアクリル酸n−ヘプチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸ステアリルなどのメタアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸イソボルニルなどのメタアクリル酸脂環式炭化水素エステル;メタアクリル酸ベンジルなどのメタアクリル酸アラルキルエステル;メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイルなどのメタアクリル酸芳香族炭化水素エステル;メタアクリル酸2−メトキシエチル、メタアクリル酸3−メトキシブチルなどのメタアクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル;メタアクリル酸トリフルオロメチル、メタアクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタアクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、メタアクリル酸2−トリフルオロエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロエチル、メタアクリル酸パーフルオロメチル、メタアクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタアクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタアクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタアクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのメタアクリル酸フッ化アルキルエステルなどがあげられる。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、加工性、コストおよび入手しやすさの点で、メタアクリル酸メチルが好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成するメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸脂環式炭化水素エステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイルなどのアクリル酸芳香族炭化水素エステル;アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸アラルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチルなどのアクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル;アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのアクリル酸フッ化アルキルエステルなどをあげることができる。
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。
シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。
共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。
ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができる。
マレイミド系化合物としては、たとえば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。
これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらのビニル系単量体は、メタアクリル系重合体ブロック(a)に要求されるガラス転移温度の調整、アクリル系ブロック体(b)との相溶性などの観点から好ましいものを選択する。
成形体や粘着剤として利用する場合、メタアクリル系重合体ブロック(a)の凝集力やガラス転移温度Tgが上昇すると、耐熱性や保持力が上昇する傾向にある。
メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度は、アクリル系ブロック共重合体の熱変形性(耐熱性や保持力)の観点および成形性の観点から、25〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃である。ガラス転移温度が200℃より高くなると、成形性が低下する傾向にあり、50℃より低くなると、熱変形性が悪化する傾向にある。
この点から、メタアクリル系重合体ブロック(a)は、メタアクリル酸メチルを主成分とするのが望ましく、メタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度を調整する目的で、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体を重合することが好ましい。このうち、メタアクリル酸メチルとの相溶性の点でアクリル酸エチルが特に好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(a)のTgの設定は、前記のFox式に従い、各重合体部分の単量体の重量比率を設定することにより行なうことができる。
<アクリル系重合体ブロック(b)>
アクリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックであり、アクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなることが好ましい。アクリル酸エステルの割合が50重量%未満であると、アクリル酸エステルを用いた場合の特徴である組成物の物性、とくに柔軟性、耐油性が損なわれる場合がある。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成するアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体として例示したアクリル酸エステルと同様の単量体をあげることができる。
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、柔軟性、ゴム弾性、低温特性およびコストのバランスの点で、アクリル酸−n−ブチルが好ましい。耐油性と機械特性が必要な場合は、アクリル酸エチルが好ましい。また、低温特性と耐油性の付与、および樹脂の表面タック性の改善が必要な場合は、アクリル酸−2−メトキシエチルが好ましい。また、耐油性および低温特性のバランスが必要な場合は、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチルおよびアクリル酸−2−メトキシエチルを組み合わせて用いるのが好ましい。粘着特性を付与する場合には、アクリル酸−n−ブチルおよび/またはアクリル酸−2−エチルヘキシルを用いるのが好ましい。さらには、コストや物性バランスの点で、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよび、アクリル酸−2−メトキシエチル、およびアクリル酸−2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体50〜100重量%と、これらと共重合可能な他のアクリル酸エステルおよび/又は他のビニル系単量体50〜0重量%からなることがより好ましい。
アクリル系重合体ブロック(b)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができ、これらの具体例としては、メタアクリル系重合体ブロック(a)に用いられる前記のものと同様のものをあげることができる。
これらのビニル系単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系単量体は、アクリル系重合体ブロック(b)に要求されるガラス転移温度および耐油性、メタアクリル系重合体ブロック(a)との相溶性などのバランスを勘案して、適宜好ましいものを選択する。たとえば、組成物の耐油性の向上を目的とした場合、アクリロニトリルを共重合するとよい。
アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度は、アクリル系ブロック共重合体の柔軟性や、ゴム弾性、粘着特性の観点から、25℃以下であるのが好ましく、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−20℃以下である。アクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度がエラストマー組成物の使用される環境の温度より高いと、柔軟性や、ゴム弾性、粘着特性が発現されにくい。
アクリル系重合体ブロック(b)のTgの設定は、前記のFox式に従い、各重合体部分の単量体の重量比率を設定することにより行なうことができる。
本発明においては、必要に応じて、アクリル系ブロック共重合体(A)が、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を、1分子中に少なくとも1個以上有していても良い。官能基を導入することにより、得られる成形体や粘着剤に耐熱性や保持力、さらには粘着性を付与することができる場合がある。
本発明において官能基は、耐熱性や保持力、粘着性の付与やアクリル系ブロック共重合体(A)への導入の容易さ、コストなどの点から、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
これらの官能基は、官能基を適当な保護基で保護した形、または、官能基の前駆体となる形でアクリル系ブロック共重合体(A)に導入し、そののちに公知の化学反応で官能基を生成させることもできる。
これらの官能基は2種以上併用することもできるが、2種以上を併用する場合には、お互いに反応しない官能基を選ぶことが好ましい。
官能基は、メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)のどちらか一方のブロックのみに含有していてもよいし、両方のブロックに含有していてもよく、アクリル系ブロック共重合体(A)の反応点や、アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するブロック(メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b))の凝集力やガラス転移温度、さらには必要とされるアクリル系ブロック共重合体(A)の物性など、目的に応じ官能基の導入条件が好適になるよう使いわけることができる。
たとえば、アクリル系ブロック共重合体(A)の耐熱性や耐熱分解性向上の点では、官能基をメタアクリル系重合体ブロック(a)に導入すればよく、アクリル系ブロック共重合体(A)に耐油性や、圧縮永久歪み特性、さらには粘着特性を付与する観点では官能基をアクリル系重合体ブロック(b)に導入すればよい。特に限定されないが、反応点の制御や、耐熱性、ゴム弾性、機械強度、柔軟性などの点では、メタアクリル系重合体ブロック(a)あるいはアクリル系重合体ブロック(b)のどちらか一方のブロックに官能基を導入することが好ましい。
前記官能基の含有数は、官能基の凝集力、アクリル系ブロック共重合体(A)の構造および組成、アクリル系ブロック共重合体(A)を構成するブロックの数、ガラス転移温度、ならびに、官能基の含有される部位および様式によって変化する。そのため、必要に応じて設定すればよく、好ましくはアクリル系ブロック共重合体(A)1分子あたり1.0個以上であり、より好ましくは2.0個以上である。1.0個より少なくなるとアクリル系ブロック共重合体(A)の耐熱性向上や粘着特性付与が不充分になる傾向がある。
官能基を、メタアクリル系重合体ブロック(a)に導入する場合、アクリル系ブロック共重合体(A)の成形性が低下しない範囲で導入することが好ましい。
具体的には官能基を導入後のメタアクリル系重合体ブロック(a)のガラス転移温度Tgが200℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは130℃以下になるような範囲で導入することが好ましい。
官能基を、アクリル系重合体ブロック(b)に導入する場合、アクリル系ブロック共重合体(A)の柔軟性、ゴム弾性、低温特性が悪化しない範囲で導入することが好ましい。官能基の導入によりアクリル系重合体ブロック(b)の凝集力やガラス転移温度Tgが向上すると、柔軟性、ゴム弾性、低温特性が悪化する傾向にある。具体的には官能基を導入後のアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度Tgが25℃以下、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−20℃以下になるような範囲で導入することが好ましい。
以下に、官能基として好ましい例示として、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基について説明する。
<水酸基>
水酸基は、アクリル系ブロック共重合体(A)の主鎖中に導入されていても、側鎖に導入されていても良いが、アクリル系ブロック共重合体(A)への導入の容易性から、側鎖中へ導入されていることが好ましい。
水酸基のブロック共重合体(A)への導入方法は、特に限定されないが、水酸基を含有する(メタ)アクリルモノマーをブロック共重合体(A)の重合時に直接重合してもよく、ブロック共重合体(A)を重合した後に、ジオール成分にてエステル化反応やエステル交換反応を利用して導入しても良い。反応が容易である点から、水酸基を含有する(メタ)アクリルモノマーをブロック共重合体(A)の重合時に直接重合することが好ましい。ここで、本願において、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタアクリルを意味する。
具体的な(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、ブレンマーEシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPEシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAEシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーP(日本油脂(株))、ブレンマーPPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPEPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAEPシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPETシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAETシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーPPTシリーズ(日本油脂(株))、ブレンマーAPTシリーズ(日本油脂(株))などが例示される。
これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルが、重合が容易である点や、入手容易性の点で好ましい。また、特に限定されないが、メタアクリル系重合体ブロック(a)に含む場合は水酸基含有メタアクリル酸エステル誘導体であることが好ましく、アクリル系重合体ブロック(b)に含む場合は、水酸基含有アクリル酸エステル誘導体であることが好ましい。メタアクリル系重合体ブロック(a)に含む場合に水酸基含有アクリル酸エステル誘導体である場合や、アクリル系重合体ブロック(b)に含む場合に水酸基含有メタアクリル酸エステル誘導体である場合は、アクリル系ブロック共重合体(A)の重合操作が煩雑になったり、メタアクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)のガラス転移温度の差が小さくなり、アクリル系ブロック共重合体(A)のゴム弾性や柔軟性が低下する傾向にある。
<カルボキシル基>
カルボキシル基は、アクリル系ブロック共重合体(A)の主鎖中に導入されていても、側鎖に導入されていても良いが、アクリル系ブロック共重合体(A)への導入の容易性から、主鎖中へ導入されていることが好ましい。
カルボキシル基の導入は、カルボキシル基を有する単量体が重合条件下で触媒を失活させることがない場合は、直接重合により導入することが好ましく、カルボキシル基を有する単量体が重合時に触媒を失活させる場合には、官能基変換によりカルボキシル基を導入するのが好ましい。
官能基変換によりカルボキシル基を導入する方法では、カルボキシル基を適当な保護基で保護した形、または、カルボキシル基の前駆体となる官能基の形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、そののちに公知の化学反応で官能基を生成させることができる。この方法により、カルボキシル基を導入することができる。
例えば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルなどのように、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体を含むアクリル系ブロック共重合体を合成し、加水分解もしくは酸分解など公知の化学反応によってカルボキシル基を生成させる方法(特開平10−298248号公報、特開2001−234146号公報)や、例えば、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸α,α−ジメチルベンジル、(メタ)アクリル酸α−メチルベンジルなどの単位量を含むアクリル系ブロック共重合体を合成し、溶融混練する方法(特開2006−104419号公報)により導入することができる。
<酸無水物基>
酸無水物基は、特に限定されないが、アクリル系ブロック共重合体(A)の主鎖中に導入されていても良いし、側鎖に導入されていても良い。酸無水物基はカルボキシル基の無水物基であり、アクリル系ブロック共重合体(A)への導入の容易性から主鎖中へ導入されていることが好ましく、具体的には一般式(1)で表される形で導入されることが好ましい。一般式(1):
(式中、Rは水素またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数、mは0または1の整数) 一般式(1)中のnは0〜3の整数であって、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。nが4以上の場合は、重合が煩雑になったり、酸無水物基の環化が困難になる傾向にある。
酸無水物基の導入方法については、酸無水物基を有する単量体が重合条件下で触媒を失活させるることがない場合は、直接重合により導入することが好ましく、酸無水物基を有する単量体が重合時に触媒を失活する場合には、官能基変換により酸無水物基を導入する方法が好ましい。特に限定されないが、(メタ)アクリル酸−t−ブチルなどの、酸無水物基の前駆体となる形でアクリル系ブロック共重合体に導入し、そののちに溶融混練する方法(WO2004/013192公報)により導入することができる。
<エポキシ基>
エポキシ基は、エポキシ環を含有する有機基であれば特に限定されないが、例えば、1,2−エポキシエチル基、2,3−エポキシプロピル基(すなわちグリシジル基)、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル基などのエポキシ環を有する脂肪族炭化水素(例えばアルキル)基;3,4−エポキシシクロヘキシル基などのエポキシ環を有する脂環式炭化水素基などを挙げることができる。これらは、必要に応じて、反応性、反応速度、入手の容易性、コストなどから選択すれば良い。特に制限されないが、これらの中では入手容易性からグリシジル基が好ましい。
エポキシ基の導入方法については、エポキシ基を有する単量体を直接重合により導入することが好ましい。エポキシ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸とエポキシ環を含有する有機基含有アルコールとのエステル;4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2エポキシドなどのエポキシ基含有不飽和化合物などを挙げることができる。これらは、必要に応じて、反応性、反応速度、入手の容易性、コストなどから選択すれば良く、特に限定されないが、これらの中では、入手容易性の点から、(メタ)アクリル酸グリジシルが好ましい。
<アクリル系ブロック共重合体(A)の製法>
アクリル系ブロック共重合体(A)を製造する方法としては、とくに限定されないが、開始剤を用いた制御重合法を用いることが好ましい。制御重合法としては、リビングアニオン重合法や連鎖移動剤を用いるラジカル重合法、近年開発されたリビングラジカル重合法があげられる。なかでも、リビングラジカル重合法が、アクリル系ブロック共重合体の分子量および構造の制御の点から好ましい。
リビングラジカル重合法は、重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合法である。リビング重合法とは狭義においては、末端が常に活性をもち続ける重合法のことを指すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合法も含まれる。ここでの定義も後者である。リビングラジカル重合法は、近年様々なグループで積極的に研究がなされている。
その例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、第116巻、7943頁)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、第27巻、7228頁)、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などをあげることができる。本発明において、これらのうちいずれの方法を使用するかはとくに制約はないが、制御の容易さの点などから原子移動ラジカル重合法が好ましい。
原子移動ラジカル重合法の具体例としては、特開2004−107447号公報に記載されている方法をあげることができる。
<アニオン系界面活性剤(B)>
本発明では、アクリル系ブロック共重合体(A)を水中に乳化分散させるため、アニオン系界面活性剤を必須とする。
本発明で用いられる界面活性剤としては、アニオン系の界面活性剤であれば特に限定はなく、例えば脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ロジン酸塩および脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩等を挙げることができる。これらは適宜、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのアニオン系界面活性剤としては、なかでも、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
ジアルキルスルホコハク酸塩は、下記の一般式〔I〕
YOSCH(CHCOOR)COOR 〔I〕
(式中、Yは、ナトリウム原子、カリウム原子、アミノ基又はアンモニア基を表し、R、Rは、同一または異なってよく、炭素数5〜12のアルキル基又はフェニル基を示す。)で表される化合物である。
ジアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、例えば、ジオクチルスルホコハク酸塩、ジエチルヘキシルスルホコハク酸塩、ジアルキルフェニルスルホコハク酸塩、ジドデシルスルホコハク酸塩等を挙げることができる。それらの中でも特にジオクチルスルホコハク酸塩を使用した場合に好ましい結果が得られる。
脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩は、一般式〔II〕
(AO)SOY 〔II〕
(式中、Yは、ナトリウム原子、カリウム原子、アミノ基又はアンモニア基を表し、Rは、炭素数5〜24のアルキル基または炭素数5〜24のアルケニル基を表し、nは、付加モル数を示し2〜50の整数を示す。AOは、−(−CO−)n1−(−CO−)n2−(n1=0〜50、n2=0〜50、但し、n1+n2=2〜50であり、n1≠0且つn2≠0のとき、−CO−と−CO−との順番は問わず、ブロックでもランダムでもよい。)を表す。)で表される化合物である。
脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸塩等を挙げることができる。ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等が挙げられる。ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム等を挙げることができる。それらの中でも、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸塩、特にポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを用いた場合に、とりわけ好ましい結果が得られる。
脂肪酸塩は、一般式〔III〕
COOM 〔III〕
(式中、Rは、炭素数5〜24のアルキル基または炭素数5〜24のアルケニル基、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニア基またはアミノ基を表す。)で表される化合物である。
脂肪酸塩の具体例としては、例えば、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、等を挙げることができるが、それらの中で、特にオレイン酸塩を使用した場合に好ましい結果が得られる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩は、一般式〔IV〕
SO
(式中、Rは、炭素数5〜24のアルキル基、Mは、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム基またはアミノ基を表す。)で表される化合物である。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の具体例としては、例えば直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができるが、なかでも直鎖型アルキル(C10〜C14)ベンゼンスルホン酸塩が好ましく、特にドデシルベンゼンスルホン酸塩、それらの中で特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用した場合に好ましい結果が得られる。
アニオン系界面活性剤の添加量は、通常、アクリル系ブロック共重合体100重量部に対して1〜15重量部となるように設定するの必要であり、1〜7重量部になるよう設定するのがより好ましい。アニオン系界面活性剤の割合が1重量部未満の場合は、安定な水性分散体が得られない場合がある。逆に15重量部を超えると、乳化が容易になるものの不経済であり、また、得られるアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体の各種物性が損なわれる場合がある。
なお、アニオン系界面活性剤に加え、上述のようなアニオン系界面活性剤以外のノニオン系界面活性剤またはアニオン系やノニオン系の高分子分散安定剤を併せて用いることもできる。
ノニオン系界面活性としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体およびポリグリセリンエステルなどを挙げることができる。
一方、高分子分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステルの塩、アルギン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、アクリル系ブロック共重合体を、アニオン系界面活性剤を用いて乳化分散して得られるものであれば、特に限定はされない。例えばその製造方法として、(1)アクリル系ブロック共重合体を有機溶剤に溶解した有機相と、アニオン系界面活性剤を水に溶解した水相とを混合して乳化を行い、その後有機溶剤を留去することからなる方法、(2)アクリル系ブロック共重合体を水媒体中でアニオン系界面活性剤の存在下、加熱下で撹拌して乳化分散し、冷却することからなる方法等が挙げられる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体の製造方法としては、アクリル系ブロック共重合体が有機溶剤に溶解しやすい点から、(1)の方法が好ましく用いられる。
本発明における(1)の製造方法において、アクリル系ブロック共重合体を含む有機相を調製する際に用いられる有機溶剤は、特に限定されるものではないが、通常は、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤である。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。さらに、溶解助剤としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの非環式脂肪族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの低級ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級エステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタノール等の低級アルコール類を併用してもよい。
有機相を調製する際に、アクリル系ブロック共重合体の溶解割合は、特に限定されるものではないが、有機相中における固形分濃度が5〜50重量%になるよう設定するのが好ましい。溶解温度は、特に限定されるものではなく、通常100℃までの温度にて溶解される。
アニオン系界面活性剤を溶解した水相を調製する際は、通常、水中に界面活性剤を添加して溶解させる。この際、界面活性剤の添加量は、特に限定されるものではないが、水相における濃度が0.1〜50重量%になるよう設定するのが好ましい。
アクリル系ブロック共重合体を含む有機相と界面活性剤とを含む水相とを混合して乳化させる工程において、有機相と水相との混合割合は、通常、有機相100重量部に対する水相の割合が20〜500重量部になるよう設定するのが好ましく、25〜200量部になるよう設定するのがより好ましい。水相の割合が20重量部未満の場合は、乳化できない場合や、得られる乳化液の粘度が非常に高くなる場合がある。逆に500重量部を超えると、乳化は可能であるが、生産性が悪く実用的ではない。
有機相と水相とを混合して乳化させるための方法は、特に限定されるものではなく、例えば、適当な剪断力を有する乳化機、例えばホモジナイザーやコロイドミルなどを用いて攪拌混合する方法や、超音波分散機等を用いて分散・混合する方法を採用することができるが、攪拌混合する方法を採用するのが好ましい。また、乳化時の温度は、特に限定されるものではないが、5〜70℃の範囲に設定するのが好ましい。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、上述の乳化工程により得られた乳化液から有機溶剤を留去すると得られる。有機溶剤の留去は、一般に、減圧下で乳化液を加熱する通常の留去方法や、減圧下で乳化液にスチームを吹き込んで留去する方法従って実施することができる。このようにして得られるアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、必要に応じて加熱濃縮、遠心分離または湿式分離等の操作により所望の固形分濃度になるまで濃縮することもできる。
本発明において、水分散体中のアクリル系ブロック共重合体粒子の平均粒子径は、0.1〜3μmが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の場合は、水分散体の静置安定性は高まるが、粘度が高くなるため取扱いが困難になる場合がある。逆に、3μmを超えると、水分散体の静置安定性が低下する場合がある。なお、この平均粒子径は、乳化工程における攪拌混合操作を適宜調整することにより達成することができる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、水系の分散媒中にアクリル系ブロック共重合体粒子が乳化分散しているものであり、上述のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等に代表されるアニオン系界面活性剤を含んでいるためにアニオン性が付与されている。
上記アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散液に、得られる成形体や粘着剤の諸物性の調整を目的として、充填材、滑材、安定剤、可塑剤、柔軟性付与剤、難燃剤、顔料、帯電防止剤、抗菌抗カビ剤などを配合しても良い。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、上述のような特定のアニオン系界面活性剤を含有するために、分散しているアクリル系ブロック共重合体粒子の粒子径が小さく、しかも保存安定性、特に静置安定性に優れている。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体を乾燥することで、アニオン系界面活性剤とアクリル系ブロック共重合体を含む、皮膜、フィルム、シートなどの成形品が得られる。
本発明のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体から得られるアクリル系ブロック共重合体の成形品もまた、本発明の一つである。
前記成形品を作成するための温度条件としては、特に限定されないが、40〜200℃の温度にて、乾燥することが好ましい。
アニオン系界面活性剤は、熱安定性に優れているので、前記アクリル系ブロック共重合体の成形品は、アニオン系界面活性剤に起因する着色がない。
また、アニオン系界面活性剤は、アクリル系ブロック共重合体との相溶性に優れているので、前記アクリル系ブロック共重合体の成形品からのアニオン系界面活性剤のブリードは、殆ど見られない。
従って、このアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は、プラスチック成形体、繊維、紙、フィルム等のコーティング剤、フォームラバー用原料、繊維やガラス繊維の収束剤、粘着剤、あるいは表皮材料、タッチパネル等の良好な触感が求められる材料、シート、フィルム、パネル類、ハンドル類、グリップ類、スイッチ類のような部品、シール材ホース、チューブ、ベルト、ガスケット、パッキング成形材料の原料として広く利用可能であり、工業的価値の大きいものである。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例におけるBA、AA、MMAはそれぞれ、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸、メタアクリル酸メチルを表す。また、実施例中に記載した分子量や重合反応の転化率、各物性評価は、以下の方法に従って行った。
<分子量測定法>
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
<重合反応の転化率測定法>
本実施例に示す重合反応の転化率は以下に示す分析装置、条件で測定した。
使用機器:島津製作所(株)製ガスクロマトグラフィーGC−14B
分離カラム:J&W SCIENTIFIC INC製、キャピラリーカラムSupelcowax−10、0.35mmφ×30m
分離条件:初期温度60℃、3.5分間保持
昇温速度40℃/min
最終温度140℃、1.5分間保持
インジェクション温度250℃
ディテクター温度250℃
試料調整:サンプルを酢酸エチルにより約10倍に希釈し、酢酸ブチルまたはアセトニトリルを内部標準物質とした。
(製造例1)
MMA−BA−MMA(BA/MMA=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下BA7と略称する)の合成
BA7を得るために以下の操作を行なった。
窒素置換した後真空脱揮した500L反応機に、アセトニトリル6272gおよびBA、8940gを予め混合しておいた溶液を、反応機内を減圧にした状態で仕込んだ。次に臭化第一銅813.7gを仕込み、68℃に昇温して30分間攪拌した。その後、BA、48276.0gおよび酢酸ブチル1305.4gの混合溶液、ならびに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル339.0gをアセトニトリル3528.0gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しながらさらに30分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン98.2gを加えて、第一ブロックとなるアクリル酸ブチルの重合を開始した。トリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。
BAの転化率が96%に到達したところで、トルエン100249.6g、塩化第一銅561.5g、MMA、31094.8を仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン98.2gを加えて、第二ブロックとなるMMAの共重合を開始した。MMAの転化率が60%に到達したところで、トルエン77940gを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却して重合を停止させた。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが104800、分子量分布Mw/Mnが1.25であった。またNMRによる組成分析を行なったところ、BA/MMA=70/30(重量%)であった。
得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25wt%になるよう調整し、及びp−トルエンスルホン酸を728g加え、反応機内を窒素置換し、室温で3時間撹拌した。反応液をサンプリングして中和処理を行い、溶液が無色透明になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って固形分を除去した。このブロック共重合体溶液に対し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)1200gを加え、反応機内を窒素置換し、室温で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応を停止させた。その後溶液を払い出し、固液分離を行って吸着剤を除去した。
上記重合体溶液をベント口付き横形蒸発機(株式会社栗本鉄工所製、横型蒸発機SCP−100)に供給し溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行なうことで重合体を単離した。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.01MPa以下の減圧状態を保持した。このようにして標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
(製造例2)
MMA−(BA/AA)−MMA((BA/AA)/MMA)=70/30重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下BA7-COOHと略称する)の合成
重合体中へのカルボキシル基の導入はWO2003/068836号公報を参考に行なった。
500L反応容器に臭化銅731gを量り取り、反応器内を窒素置換した。アセトニトリル 6,272gおよびBA 57,010mL、TBA 1,490mL、酢酸ブチル 1,032mLをあらかじめ混合しておいた溶液を、反応器内を減圧した状態で仕込み、65℃に昇温して30分撹拌した。その後、開始剤2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル367gをアセトニトリル549gに溶解させた溶液を反応容器内に仕込み、85℃に昇温しながら、さらに30分間撹拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン106mLを加えて、第一ブロックとなるBA/TBAの共重合を開始した。転化率が96%に到達したところで、トルエン 92,023g、塩化第一銅 505g、MMA 23,993mLを反応器内に仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン 106mLを加えて、第二ブロックとなるMMAの重合を開始した。転化率66%に到達したところで、トルエン 60,620gを加えて反応溶液を希釈するとともに、反応容器を冷却させ重合を停止させた。
得られた反応溶液にトルエンを加えて重合体濃度を25重量%とした。この溶液にp−トルエンスルホン酸を1,779g加え、反応容器内を窒素置換し、30℃で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が無色透明になっていることを確認して、昭和化学工業製ラヂオライト#3000を6,116g添加した。その後反応容器を窒素により0.1〜0.4MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機(濾過面積0.45m)を用いて固体分を分離した。
得られた濾液に対して、イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)750gを添加し、さらに内部標準物質としてTBMAを濾液100wt%に対して0.1wt%を添加した。この溶液を150℃で4時間加熱攪拌した。4時間後、溶液をサンプリングし、GC測定にてTBMAが消失していることを確認して反応終了とし、冷却した。
得られた溶液に対し、キョーワード500SH 9,275gを加え反応容器内を窒素置換し、30℃で1時間撹拌した。溶液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応終了とした。その後反応容器を窒素により0.1〜0.4MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機(濾過面積0.45m2)を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。得られた重合体溶液にイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)750gと、酸トラップ剤としてハイドロタルサイトDHT−4A−2(協和化学工業(株)製)1,325gを添加した。
引き続き重合体溶液から溶媒成分を蒸発した。蒸発機は株式会社栗本鐵工所製SCP100(伝熱面積1m)を用いた。蒸発機入口の熱媒オイルを180℃、蒸発機の真空度を90Torr、スクリュー回転数を60rpm、重合体溶液の供給速度を32kg/hに設定し重合体溶液の蒸発を実施して標記ブロック共重合体を作製した。一分子当たりのカルボキシル基数は平均約10個であった。
t−ブチルエステル部位のカルボキシル基への変換効率の測定は、280℃熱分解反応によりt−ブチル基から発生するイソブチレン量を定量することにより行った。測定の結果、得られた樹脂の変換効率は95%以上であった。
このようにして、目的のBA7-COOHのペレットを作成した。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量が109,200、分子量分布Mw/Mnが1.34であった。
(製造例3)
MMA−BA−MMA(BA/MMA=65/35重量%)型アクリル系ブロック共重合体(以下BA6と略称する)の合成
BA6を得るために以下の操作を行なった。
窒素置換したのち真空脱気した500L反応器に、反応器内を減圧にした状態で、BA 88,506gを仕込んだ。次に、臭化第一銅 658.6gを仕込み、30℃で15分間攪拌した。その後、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル 661.2gをアセトニトリル 7,764.6gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しつつ更に60分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン 79.6gを加えて、第一ブロックとなるBAの重合を開始した。BA転化率が95%に達したところで、トルエン 107,173g、塩化第一銅 454.5g、MMA 46,334.5gを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン 79.6gを加えて、第二ブロックとなるMMAの重合を開始した。
45分ごとにペンタメチルジエチレントリアミン 79.6gを加えてゆき、MMA転化率が90%に到達したところで、トルエン 240,000gを加えて反応溶液を希釈するとともに反応器を冷却した。得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが118,903、分子量分布Mw/Mnが1.39であった。またNMRによる組成分析を行なったところ、BA/MMA=70/30(重量%)であった。 得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25重量%になるように調整した。得られた重合体溶液1kgに対し、p−トルエンスルホン酸5.5gを加え、反応器内を窒素置換し、ジャケットを昇温した。内温148℃到達から7時間後に銅錯体が凝集し不溶化していることを確認した。
更にその30分後に冷却を開始した。冷却完了後、濾過助剤としてラヂオライト#3000(昭和化学工業(株)製)を5.0g添加し、30℃で30分攪拌した。加圧濾過機を用いて固体分を分離した。濾過後のブロック共重合体溶液約4.50kgに対し、キョーワード500SH 13.1gを加え反応容器内を窒素置換し、30℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が中性になっていることを確認して反応終了とした。その後反応容器を窒素により0.1〜0.4MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた上に示した加圧濾過機を用いて固体分を分離し、(メタ)アクリル系ブロック共重合体を含有する重合体溶液を得た。
上記重合体溶液をベント口付き横形蒸発機(株式会社栗本鉄工所製、横型蒸発機SCP−100)に供給し溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行なうことで重合体を単離した。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.01MPa以下の減圧状態を保持した。このようにして標記ブロック共重合体のペレットを作製した。
<実施例1>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例1で作製したアクリル系ブロック共重合体BA 7;30gとトルエン 170gとを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られたトルエン溶液に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<実施例2>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例2で作製したアクリル系ブロック共重合体BA7−COOH 30gとトルエン 170gとを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られたトルエン溶液に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<実施例3>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例2で作製したアクリル系ブロック共重合体BA6 30gとトルエン 170gとを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られたトルエン溶液に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<実施例4>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例1で作製したアクリル系ブロック共重合体BA7 30gとトルエン 170gとを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られたトルエン溶液に、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<実施例5>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例1で作製したアクリル系ブロック共重合体BA7 30gとトルエン 170gとを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られたトルエン溶液に、オレイン酸カリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<実施例6>
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、製造例1で作製したアクリル系ブロック共重合体BA7 30gとトルエン 170gを加え、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られた有機溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.5gを100gの水に溶解した水溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体が得られた。
<比較例1>
実施例1においてジオクチルスルホコハク酸ナトリウムのかわりにポリオキシエチレンラウリルエーテルを用いた以外は実施例1と同様に操作し、アクリル系ブロック共重合体のノニオン性水分散体を得た。
<比較例2>
実施例1においてジオクチルスルホコハク酸ナトリウムのかわりにオクタデシルアミン酢酸塩を用いた以外は実施例1と同様に操作し、アクリル系ブロック共重合体のカチオン性水分散体を得た。
<比較例3>
実施例1においてジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを6g用いた以外は実施例1と同様に操作し、アクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体を得た。
<比較例4>
実施例1においてジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.15g用いた以外は実施例1と同様に操作し、ラテックス化を試みたが、トルエンの留去時に塊状物となり水性分散体は得られなかった。
<比較例5>
実施例1においてBA7にかえて、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体である、クレイトンD−1102K(スチレン含有量28.5重量%)(クレイトンポリマージャパン(株)製)を用いた以外は実施例1と同様に操作し、スチレン系ブロック共重合体のアニオン性水分散体を得た。
<比較例6>
実施例1においてBA7にかえて、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体である、シブスター103T(スチレン含有量30重量%)((株)カネカ製)を用いた以外は実施例1と同様に操作し、飽和型スチレン系ブロック共重合体のアニオン性水分散体を得た。
評価
<保存安定性>
実施例および比較例にて得られた水性分散液40gを50mlの容器に入れて密封し、25℃の温度環境下で放置した。そして、1ヶ月後に水性分散液の状態を目視により評価した。評価の基準は下記の通りである。
○:相分離なし
△:わずかに相分離している相がある
×:完全に相分離している。
<着色性>
実施例および比較例にて得られた水性分散液2gを5cm×5cmのガラス板上にのせ、40℃で12Hr乾燥することで、水性分散液の皮膜を得た。この皮膜の状態を目視にて、下記の評価基準に従い評価した。
○:皮膜の着色がない
×:皮膜が着色している。
<界面活性剤のブリード>
実施例および比較例にて得られた水性分散液2gを5cm×5cmのガラス板上にのせ、40℃で12Hr乾燥することで、水性分散液の皮膜を得た。この皮膜の状態を目視にて、下記の評価基準に従い評価した。
○:皮膜の表面から界面活性剤がブリードしていない
×:皮膜の表面から界面活性剤が少しブリードしている。
<耐熱性>
本実施例および比較例に示す耐熱性は以下に示す条件で測定した。
実施例および比較例にて得られた水性分散液2gを5cm×5cmのガラス板上にのせ、40℃で12Hr乾燥することで、水性分散液の皮膜を得た。得られた皮膜をガラス板につけたまま、130℃オーブン中に24Hr投入した。投入前後でのYIの変化率であるΔYIを測定した。YIの測定には、分光式色差計SE−2000(日本電色工業(株)製)を用い、透過法で測定した。
<透明性>
本実施例および比較例に示す透明性は以下に示す条件で測定した。
実施例および比較例にて得られた水性分散液2gを5cm×5cmのガラス板上にのせ、40℃で12Hr乾燥することで、水性分散液の皮膜を得た。得られた皮膜の全光線透過率(TT)(%)をガラス板につけたまま測定した。
測定には、濁度計NDH−300A(日本電色工業(株)製)を用いた。
<耐油性>
本実施例および比較例に示す耐熱性は以下に示す条件で測定した。
実施例および比較例にて得られた水性分散液2gを5cm×5cmのガラス板上にのせ、40℃で12Hr乾燥することで、水性分散液の皮膜を得た。
作製した皮膜にIRM903オイルをスポイトで1滴垂らし、110℃で24Hr放置した後、キムワイプでふき取り、ふき取り部分を目視にて観察した。
評価指標
膨れがないものを:○
膨れが認められるものを:×
として評価した。
<ボールタック試験>
本実施例および比較例に示す粘着性は以下に示すボールタック試験にて評価した。
ボールタック試験はJIS Z0237に準じて行った。ポリエステルフィルム上に実施例および比較例にて得られた水性分散液を塗布し、40℃で12Hr乾燥したものを用い、5cmの助走、傾斜角30°で試験を行い、皮膜上で止まった最大径のボールナンバーで表示した。
表1の実施例1〜6より、本発明により得られるアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体は保存安定性に優れており、水分散体から得られる皮膜は、界面活性剤のブリードや着色がないことがわかった。
一方、比較例1、2の方法によれば、ノニオン系やカチオン系の水分散体が得られるが、保存安定性や組成物の着色、界面活性剤のブリードがみられる。また比較例3の方法のようにアニオン系界面活性を多く用いても同様な水分散体が得られるが、組成物より界面活性剤のブリードがみられることより、本発明のアニオン性水分散体は優れた特性を有していることが明らかであった。
また、実施例1、3および比較例5、6より、従来のスチレン系ブロック共重合体のアニオン性水分散体に比較して、保存安定性に優れる上に、得られる皮膜の耐熱性、透明性、耐油性に優れることがわかった。透明性は、アクリル系ブロック共重合体自体が透明性に優れることと水への分散性が良いことに由来する。
さらには、実施例1および比較例5、6より、同じハードセグメント含有量(wt%)を有するアクリル系ブロック共重合体とスチレン系ブロック共重合体の水性分散体から得られる皮膜で比較すると、アクリル系ブロック共重合体の水性分散体から得られる皮膜は、スチレン系ブロック共重合体の水性分散体から得られる皮膜に比較して、粘着特性に優れることがわかった。このことから、種々の粘着剤やバインダーとして好適に用いることができる。
本発明によれば、加工時に環境や人体への負荷が少なく、着色や界面活性剤のブリードアウトがなく、さらには、耐熱性、耐油性、耐候性、透明性、柔軟性、基材との密着性等などに優れるアクリル系ブロック共重合体を用いた成形体(表皮材料、タッチパネル等の良好な触感が求められる材料、シート、フィルム、パネル類、ハンドル類、グリップ類、スイッチ類のような部品、シール材)や粘着剤を得ることができる。また、各種材料へのコーティング剤、エマルジョン等の改質剤、繊維の収束剤等としても使用することができる。

Claims (9)

  1. メタアクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)を、該アクリルブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜15重量部のアニオン系界面活性剤(B)の存在下、水中に乳化分散させることを特徴とするアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  2. アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよび、アクリル酸−2−メトキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体50〜100重量%と、これらと共重合可能なアクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルおよび、アクリル酸−2−メトキシエチル以外の、アクリル酸エステルおよび/又はビニル系単量体50〜0重量%とからなることを特徴とする請求項1記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  3. メタアクリル系重合体ブロック(a)がメタアクリル酸メチル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  4. アクリル系ブロック共重合体(A)が、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を、1分子中に少なくとも1個以上有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  5. アニオン系界面活性剤(B)がジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  6. 前記アニオン性水分散体中のアクリル系ブロック共重合体(A)が平均粒子径0.1〜3μmの粒子状であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体(A)のアニオン性水分散体から得られるアクリル系ブロック共重合体の成形品。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体(A)のアニオン性水分散体から得られるアクリル系ブロック共重合体の粘着剤。
  9. 有機溶剤に溶解させたアクリル系ブロック共重合体(A)と、水に溶解させたアニオン系界面活性剤(B)とを混合し、乳化させた後、前記有機溶剤を留去することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のアクリル系ブロック共重合体のアニオン性水分散体の製造方法。
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