JP2008289113A - バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 - Google Patents

バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 超広帯域であり、且つUWB用のバンドパスフィルタとして適度な通過帯域幅を有するバンドパスフィルタおよびそれを用いた無線通信モジュールならびにそれを用いた無線通信機器を提供する。
【解決手段】 上下面に第1および第2のアース電極21,22が配置された複数の誘電体層11からなる積層体10の一つの層間に、一方端が接地された複数の共振電極31a、31b、31c、31dがコムライン型に配置され、積層体の異なる層間に、入力段の共振電極31aにインターデジタル型に対向する入力結合電極42aと、出力段の共振電極31dにインターデジタル型に対向する出力結合電極42bとが配置されたバンドパスフィルタとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特にUWB(Ultra Wide Band)に好適に使用可能な非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものである。
近年、新しい通信手段としてUWBが着目されている。UWBは10m程度の短い距離において広い周波数帯域を使用して大容量のデータ転送を実現するものであり、例えば米国FCC(Federal Communication Commission)の規定によると3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使用する計画となっている。このようにUWBの特徴は非常に広い周波数帯域を用いることである。
このようなUWBに使用可能な超広帯域のフィルタに関する研究は近年盛んに行なわれており、例えば、方向性結合器の原理を応用したバンドパスフィルタによって、通過帯域幅が比帯域(帯域幅/中心周波数)で100%を超える広帯域な特性が得られたとの報告がある(例えば、非特許文献1を参照)。
一方、従来よく使用されるフィルタとして、複数の1/4波長ストリップライン共振器を併設して相互に結合させて構成したバンドパスフィルタが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
「マイクロストリップ−CPWブロードサイド結合構造を用いた超広帯域バンドパスフィルタ」2005年3月電子情報通信学会総合大会講演論文集 C-2-114 p.147 特開2004−180032号公報
しかしながら、上述したバンドパスフィルタはそれぞれ問題点を有しており、UWB用のバンドパスフィルタには適さないものであった。
例えば、非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎるという問題があった。すなわち、UWBは最終的に3.1GHz〜10.6GHzの周波数帯域を使用するが、当初は3.1GHz〜4.9GHzの周波数帯域を使用する計画となっており、比帯域で45%となる。よって、これに使用されるフィルタには比帯域で40%程度の通過帯域幅が要求される。また、W−LAN(802.11.a)との間の影響を考慮する必要があり、5.15GHzにおける減衰が要求されている。よって、通過帯域幅が比帯域で100%を超えるような特性を有する非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎて使えないものであった。
また、従来の1/4波長共振器を使用したバンドパスフィルタの通過帯域幅は狭すぎ、広帯域化を図った特許文献1に記載のバンドパスフィルタの通過帯域幅であっても比帯域で10%にも満たないものであった。よって、比帯域で40%に相当する広い通過帯域幅を要求されるUWB用のバンドパスフィルタとして使えるものではなかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、超広帯域であり、且つUWB用のバンドパスフィルタとして適度な通過帯域幅を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、該積層体の下面に配置された、アース電位に接続される第1のアース電極と、前記積層体の上面に配置された、アース電位に接続される第2のアース電極と、前記積層体の一つの層間に、相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設され、一方端がアース電位に接続されて1/4波長共振器として機能するとともに少なくとも入力段の共振電極と出力段の共振電極とを含む複数の共振電極と、前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記複数の共振電極のうち入力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記複数の共振電極のうち出力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備え、前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記入力段の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の共振電極の他方端に近い側に位置しており、前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記出力段の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の共振電極の他方端に近い側に位置していることを特徴とするものである。
また、本発明のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に、前記第1のアース電極または前記第2のアース電極と対向するように配置され、貫通導体によって前記共振電極の他方端に接続された補助共振電極が、前記複数の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記積層体の前記一つの層間に前記複数の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の共振電極の前記一方端が接続された環状アース電極を備えることを特徴とする
ものである。
またさらに、本発明のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記環状アース電極に対向する領域を有するように配置され、貫通導体によって前記共振電極の前記他方端側に接続された共振補助電極が、前記複数の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記積層体の前記一つの層間に対して前記入力結合電極と同じ側に位置する層間に前記共振補助電極のうち前記入力段の共振電極に接続された入力段の共振補助電極が配置され、前記積層体の前記一つの層間に対して前記出力結合電極と同じ側に位置する層間に前記共振補助電極のうち前記出力段の共振電極に接続された出力段の共振補助電極が配置されており、前記積層体の前記一つの層間および前記入力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に前記入力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて前記入力結合電極の前記電気信号入力点に接続された入力結合補助電極と、前記積層体の前記一つの層間および前記出力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に前記出力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて前記出力結合電極の前記電気信号出力点に接続された出力結合補助電極とを備えることを特徴とするものである。
本発明の無線通信モジュールは、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを備えることを特徴とするものである。
本発明の無線通信機器は、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とするものである。
なお、「前記一つの層間と異なる層間」とは、前記一つの層間以外の層間であることを意味し、1個の層間であっても複数の層間であっても構わない。よって、「前記一つの層間と異なる層間に配置された電極」は、前記一つの層間以外の1個の層間に配置されていてもよく、また、前記一つの層間以外の複数の層間に分かれて配置された部分同士が接合されているようなものでも構わない。同様に、「前記一つの層間に対して前記入力結合電極と同じ側に位置する層間」も、1個の層間であってもよいし、複数の層間であっても構わない。また、「出力結合電極において、出力段の共振電極との対向部の中央よりも出力段の共振電極の他方端に近い側」とは、出力段の共振電極との対向部の中央を境界にして出力結合電極を長さ方向に2つの領域に分けたときに、出力段の共振電極の他方端に最も近接する部分を含む側の領域のことを意味する。
本発明のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、積層体の下面に配置された、アース電位に接続される第1のアース電極と、積層体の上面に配置された、アース電位に接続される第2のアース電極と、積層体の一つの層間に、相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設され、一方端がアース電位に接続されて1/4波長共振器として機能するとともに少なくとも入力段の共振電極と出力段の共振電極とを含む複数の共振電極と、積層体の一つの層間とは異なる層間に複数の共振電極のうち入力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、積層体の一つの層間とは異なる層間に複数の共振電極のうち出力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えている。このような構成を備える本発明のバンドパスフィルタによれば、入力段の共振電極および出力段の共振電極と入力結合電極および出力結合電極とがブロードサイド結合するので、入力段の共振電極および出力段の共振電極と入力結合電極および出力結合電極とを強く電磁界結合させることができる。よって、広い通過帯域においても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
また、本発明のバンドパスフィルタによれば、電気信号入力点は、入力結合電極において、入力段の共振電極との対向部の中央よりも入力段の共振電極の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点は、出力結合電極において、出力段の共振電極との対向部の中央よりも出力段の共振電極の他方端に近い側に位置していることから、入力段の共振電極および出力段の共振電極と入力結合電極および出力結合電極とは、インターデジタル型に結合するため、磁界による結合と電界による結合とが加算されてより強く結合する。よって、広い通過帯域においても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
このように、本発明のバンドパスフィルタによれば、入力段の共振電極と入力結合電極とがブロードサイド結合かつインターデジタル型に結合し、出力段の共振電極と出力結合電極とがブロードサイド結合かつインターデジタル型に結合するので、入力段の共振電極および出力段の共振電極と入力結合電極および出力結合電極とを非常に強く電磁界結合させることができる。これにより、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
また、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の一つの層間とは異なる層間に、第1のアース電極または第2のアース電極と対向するように配置され、貫通導体によって共振電極の他方端に接続された補助共振電極が、複数の共振電極の各々に対応して配置されていることから、各々の補助共振電極と第1のアース電極または第2のアース電極との間に静電容量が生じて、補助共振電極が接続された第1の共振電極とアース電位との間の静電容量に加算されるので、各々の共振電極の長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の一つの層間に複数の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の共振電極の一方端が接続された環状アース電極を備えることから、各々の共振電極の一方端を環状アース電極に接続することによって容易にアース電位に接続することができる。
またさらに、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の一つの層間とは異なる層間に環状アース電極に対向する領域を有するように配置され、貫通導体によって共振電極の他方端側に接続された共振補助電極が、複数の共振電極の各々に対応して配置されていることから、各々の共振補助電極と環状アース電極との間に静電容量が生じて、共振補助電極が接続された共振電極とアース電位との間の静電容量に加算されるので、各々の共振電極の長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
さらにまた、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の一つの層間および入力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に入力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて入力結合電極の電気信号入力点に接続された入力結合補助電極と、積層体の一つの層間および出力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に出力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて出力結合電極の電気信号出力点に接続された出力結合補助電極とを備えることから、入力段の共振補助電極と入力結合補助電極との間に電磁界結合が生じて、入力段の共振電極と入力結合電極との間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の共振補助電極と出力結合補助電極との間に電磁界結合が生じて、出力段の共振電極と出力結合電極との間の電磁界結合に加算される。そして、これによって、入力結合電極と入力段の共振電極との間の電磁界結合、および出力結合電極と出力段の共振電極との間の電磁界結合がさらに強まるので、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
このとき、貫通導体を介して入力結合補助電極が接続された入力結合電極の電気信号入力点が、入力結合電極において、入力段の共振電極との対向部の中央よりも入力段の共振電極の他方端に近い側に位置しており、貫通導体を介して出力結合補助電極が接続された出力結合電極の電気信号出力点が、出力結合電極において、出力段の共振電極との対向部の中央よりも出力段の共振電極の他方端に近い側に位置していることにより、外部回路からの電気信号が入力結合補助電極を介して入力結合電極に入力され、出力結合電極から出力結合補助電極を介して外部回路へ電気信号が出力される場合においても、入力結合電極と入力段の共振電極とがインターデジタル型に結合され、出力結合電極と出力段の共振電極とがインターデジタル型に結合されることになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合を生じさせることができる。
本発明の無線通信モジュールおよび本発明の無線通信機器によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタを送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタを通過する送信信号および受信信号の減衰が少なくなる。このため、受信感度が向上するとともに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくできるので増幅回路における消費電力が少なくなる。よって受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュールおよび無線通信機器を得ることができる。
以下、本発明のバンドパスフィルタおよびそれを用いた無線通信モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。図2は図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図3は図1に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図4は図1に示すバンドパスフィルタのA−A’線断面図である。
本例のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層11が積層されてなる積層体10と、積層体10の下面に配置された第1のアース電極21と、積層体10の上面に配置された第2のアース電極22と、第2のアース電極22の一部がくり抜かれてこのくり抜かれた領域に形成された入力端子電極41aおよび出力端子電極41bと、積層体10の一つの層間に相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設された共振電極31a、31b、31c、31dと、同じく積層体10の一つの層間に形成され、共振電極31a、31b、31c、31dの一方端が接続された第3のアース電極23と、共振電極31a、31b、31c、31dの配置された層間よりも上側の層間に入力段の共振電極31aと対向するように配置された入力結合電極42aおよび出力段の共振電極31dと対向するように配置された出力結合電極42bと、入力端子電極41aと入力結合電極42aとを接続する貫通導体51aと、出力端子電極41bと出力結合電極42bとを接続する貫通導体51bで構成されている。
第1のアース電極21は積層体10の下面の全面に、第2のアース電極22は積層体10の上面の入力端子電極41aおよび出力端子電極41bのそれぞれの周囲を除いたほぼ全面に配置されており、どちらもアース電位に接続されて、共振電極31a、31b、31c、31dとともにストリップライン共振器を構成している。
共振電極31a、31b、31c、31dは、第1のアース電極21および第2のアース電極22と共にストリップライン共振器を構成しており、それぞれ一方端が共振電極と同層にある第3のアース電極23に接続されてアース電位に接続されることによって1/4波長共振器として機能する。
また、共振電極31a、31b、31c、31dは、積層体10の一つの層間に、相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設されていて、相互にエッジ結合している。そして、共振電極31a、31b、31c、31dの一方端がそれぞれアース電位に接続されるようになっていて、共振電極31a、31b、31c、31dはコムライン型に結合している。本例では、共振電極31a、31b、31c、31dのそれぞれの一方端をアース電位に接続するために、共振電極31a、31b、31c、31dの長さ方向に垂直な方向に延びる第3のアース電極23を共振電極31a、31b、31c、31dの配置された層間と同一の層間に形成し、共振電極31a、31b、31c、31dのそれぞれの一方端をこの第3のアース電極23に接続させている。ここで、共振電極31a、31b、31c、31d同士の間隔は小さい方が強い誘導性の結合が得られるが、間隔が狭すぎると製造が困難になるので、例えば、0.01〜0.3mm程度に設定される。このように共振電極31a、31b、31c、31dを相互にエッジ結合し、共振電極の間隔を近づけることで強い結合を得られ、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、UWB用のバンドパスフィルタとして好適な比帯域で40%程度という広い通過帯域幅を得るのに適度なものとしている。
入力結合電極42aは、共振電極31a、31b、31c、31dが配置された層間とは異なる層間(上側の層間)に、その全体が入力段の共振電極31aに対向し入力段の共振電極31aの長さの半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置されている。このように、入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとはブロードサイド結合しており、エッジ結合する場合と比較して強く結合している。
また、入力結合電極42aは、貫通導体51a(図2では点線で示している)によって入力端子電極41aと電気的に接続され、電気信号が入力結合電極42aに入力されるように構成されている。そして、電気信号が入力される電気信号入力点が前記入力段の共振電極の他方端に近い側(本例では端部)に設けられている。したがって、入力段の共振電極31aの一方端側(短絡端側)と、入力結合電極42aの電気信号入力点の設けられた端部とは反対側の端部が誘電体層11を介して向かい合う構造となっている。
これによって、入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとはインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合や単に容量結合する場合と比較してより強く結合している。このように、入力結合電極42aは、その全体に渡って入力段の共振電極31aとブロードサイド結合しており、且つインターデジタル型に結合しているので、入力段の共振電極31aと非常に強く結合している。
同様に、出力結合電極42bは、共振電極31a、31b、31c、31dが配置された層間とは異なる層間(上側の層間)に、その全体が出力段の共振電極31dに対向し出力段の共振電極31dの長さの半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置されている。このように、出力結合電極42bと出力段の共振電極32dとはブロードサイド結合しており、エッジ結合する場合と比較して強く結合している。
また、出力結合電極42bは、貫通導体51b(図2では点線で示している)によって出力端子電極41bと電気的に接続され、電気信号が出力結合電極42bから出力されるように構成されている。そして、電気信号が出力される電気信号出力点が出力段の共振電極31dの他方端に近い側(本例では端部)に設けられている。したがって、出力段の共振電極31dの一方端側(短絡端側)と、出力結合電極42bの電気信号出力点の設けられた端部とは反対側の端部が誘電体層11を介して向かい合う構造となっている。
これによって、出力結合電極42bと出力段の共振電極31dとはインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合や単に容量結合する場合と比較してより強く結合している。このように、出力結合電極42bは、その全体に渡って出力段の共振電極31dとブロードサイド結合しており、且つインターデジタル型に結合しているので、出力段の共振電極31dと非常に強く結合している。
このように入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとが非常に強く結合し、出力結合電極42bと出力段の共振電極31dとが非常に強く結合しているので、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
そして、入力結合電極42aおよび出力結合電極42bの形状寸法は、入力段の共振電極31aおよび出力段の共振電極31dと同程度に設定されるのが好ましい。入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとの間隔、および出力結合電極42bと出力段の共振電極31dとの間隔については、小さくすると結合は強くなるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.3mm程度に設定される。
また、図2および図3では、共振電極31bと共振電極31cが若干長く表されているが、これは広い帯域が得られるように各共振電極31a、31b、31c、31dの長さを調整したことによる。また、帯域の調整には、各共振電極31a、31b、31c、31dの長さに加えて共振電極の間隔も調整している。
このようにして、本例のバンドパスフィルタによれば、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた比帯域で40%という非常に広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有する、高性能でUWB用フィルタとして好適に使用可能なバンドパスフィルタを得ることができる。
(実施の形態の第2の例)
図5は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例を模式的に示す外観斜視図である。図6は図5に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図7は図5に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図8は図5に示すバンドパスフィルタのB−B’線断面図である。
なお、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例のバンドパスフィルタは、積層体10の下面に配置された第1のアース電極21に対向するように、共振電極31a、31b、31c、31dが配置された層間よりも下側の層間に、補助共振電極32a、32b、32c、32dを配置した構成になっている。この補助共振電極32a、32b、32c、32dは、第1のアース電極21と対向するように配置されている。また補助共振電極32a、32b、32c、32dは、貫通導体52a、52b、52c、52d(図6では点線で示している)によってそれぞれ共振電極31a、31b、31c、31dの他方端(開放端)に接続されている。
このように、補助共振電極32a、32b、32c、32dが第1のアース電極21と対向することで、第1のアース電極21との間に静電容量が発生し、これによって共振電極31a、31b、31c、31dの長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
この形態における共振電極31a、31b、31c、31dのそれぞれの長さは、補助共振電極32a、32b、32c、32dと第1のアース電極21との間に生じる静電容量の効果を考慮して、バンドパスフィルタの中心周波数における波長の1/4よりも短かく設定されている。例えば、中心周波数を4GHzとして誘電体層11の比誘電率を10程度とすると2〜6mm程度の長さに設定される。
なお、本例では、第1のアース電極21に対向するように補助共振電極32a、32b、32c、32dを形成したが、積層体10の上面に配置された第2のアース電極22と対向するような位置に補助共振電極を形成してもよく、第1のアース電極21および第2のアース電極22のそれぞれに対向するように形成してもよい。この場合、入力結合電極42aおよび出力結合電極42bと補助共振電極32a、32dとが電気的に接続しないように、例えば入力結合電極42aおよび出力結合電極42bが短く形成される。
このように、本例のバンドパスフィルタによれば、前述した本発明の実施の形態の第1の例のバンドパスフィルタと比較して、より小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
(実施の形態の第3の例)
図9は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態のさらに他の例を模式的に示す外観斜視図である。図10は図9に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図11は図9に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図12は図9に示すバンドパスフィルタのC−C’線断面図である。
本例においては前述した第2の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
積層体10の一つの層間に相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設された共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fと、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fの配置された層間よりも上側の層間に、入力段の共振電極31aの長さの半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された入力結合電極42aおよび出力段の共振電極31fの長さの半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された出力結合電極42bと、入力端子電極41aと入力結合電極42aとを接続する貫通導体51aと、出力端子電極41bと出力結合電極42bとを接続する貫通導体51bと、入力結合電極42aおよび出力結合電極42bの配置された層間と同一の層間に配置された共振電極結合導体33b、33cと、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fの配置された層間よりも下側の層間に配置された共振電極結合導体33a、33dと、入力結合電極42aと出力結合電極42bと共振電極結合導体33b、33cとが配置された層間よりも上側の層間に配置された補助共振電極32a、32dと、共振電極結合導体33a、33dの配置された層間よりも下側の層間に配置された補助共振電極32b、32cとで構成されている。
共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fは、第1のアース電極21および第2のアース電極22と共にストリップライン共振器を構成しており、それぞれの一方端が共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fと同層にある第3のアース電極23に接続されてアース電位に接続されることによって1/4波長共振器として機能する。この共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fは、相互にエッジ結合している。そして、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fの一方端がそれぞれアース電位に接続されていて、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fはコムライン型に結合している。ここでは、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fのそれぞれの一方端をアース電位に接続するために、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fの長さ方向に垂直な方向に延びる第3のアース電極23を共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fの配置された層間と同一の層間に形成し、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fのそれぞれの一方端をこの第3のアース電極23に接続させている。なお、本例では共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fのうちの所望の共振電極間を後述の共振電極結合導体33a、33b、33c、33dで結合するために、共振電極31a、31fの他方端(開放端)を屈曲させたり、共振電極31bおよび共振電極31eと共振電極31cおよび共振電極31dとは長さを異ならせたりしている。
補助共振電極32aは貫通導体52a(図10では点線で示している)によって共振電極31bの他方端と電気的に接続され、補助共振電極32dは貫通導体52d(図10では点線で示している)によって共振電極31eの他方端と電気的に接続されている。そして、補助共振電極32a、32dは第2のアース電極22に対向するように配置されていて、第2のアース電極22との間に静電容量が発生し、これによって共振電極31b、31eの長さを短縮させている。
同様に、補助共振電極32bは貫通導体52b(図10では点線で示している)によって共振電極31cの他方端と電気的に接続され、補助共振電極32cは貫通導体52c(図10では点線で示している)によって共振電極31dの他方端と電気的に接続されている。そして、補助共振電極32a、32dは第1のアース電極21に対向するように配置されていて、第2のアース電極21との間に静電容量が発生し、これによって共振電極31c、31dの長さを短縮させている。
なお、共振電極31b、31eと共振電極31c、31dとの長さが異なっているのは、補助共振電極32a、32dと第2のアース電極22との間で発生する静電容量を補助共振電極32b、32cと第1のアース電極21との間で発生する静電容量と異ならせることによるものである。これは、後述の共振電極結合導体による結合のためである。
そして、本例では、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fが配置された層間よりも上側の層間(入力結合電極42aおよび出力結合電極42bの配置された層間)に、共振電極結合導体33b、33cを配置している。また、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fが配置された層間よりも下側であって補助共振電極32b、32cが配置された層間よりも上側の層間に、共振電極結合導体33a、33dを配置している。
共振電極結合導体33a、33b、33c、33dは、複数の共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fのうちの二つの共振電極と対向するように配置されている。具体的には、共振電極31aの他方端と共振電極31bの他方端とを共振電極結合導体33aにて電界結合し、共振電極31aの他方端と共振電極31cの他方端とを共振電極結合導体33bにて電界結合し、共振電極31dの他方端と共振電極31fの他方端とを共振電極結合導体33cで電界結合し、共振電極31eの他方端と共振電極31fの他方端とを共振電極結合導体33dで電界結合している。このように結合させて調整を図ることで、通過帯域より高域側に減衰極を形成することができる。他のシステムとの干渉を防止するために、バンドパスフィルタに急峻な減衰特性が要求される場合、本例のように共振電極結合導体33a、33b、33c、33dを設けて減衰極を発現させることで広い通過帯域でかつ、急峻な減衰特性をもつバンドパスフィルタを得ることができる。
(実施の形態の第4の例)
図13は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態のさらに他の例を模式的に示す外観斜視図である。図14は図13に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図15は図13に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図16は図13に示すバンドパスフィルタのD−D’線断面図である。
なお、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例のバンドパスフィルタは、積層体10の共振電極31a,31b,31c,31dが配置された一つの層間Pとは異なる層間Qに複数の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が入力される電気信号入力点45aを有する帯状の入力結合電極42aと、積層体10の一つの層間Pとは異なる層間Qに複数の共振電極31a,31b,31c,31dのうち出力段の共振電極31dの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が出力される電気信号出力点45bを有する帯状の出力結合電極42bとを備えている。
また、本例のバンドパスフィルタは、積層体10の複数の共振電極31a,31b,31c,31dが配置された層間Pに、複数の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続された環状アース電極24を備えている。
さらに、本例のバンドパスフィルタは、積層体10の一つの層間Pとは異なる層間Qに環状アース電極24に対向する領域を有するように配置され、貫通導体50によって共振電極の他方端側に接続された共振補助電極34a,34dが、共振電極31a,31dに対応して配置されており、積層体10の一つの層間Pとは異なる層間Rに環状アース電極24に対向する領域を有するように配置され、貫通導体50によって共振電極の他方端側に接続された共振補助電極34b,34cが、共振電極31b,31cに対応して配置されている。
またさらに、本例のバンドパスフィルタは、積層体10の共振電極31a,31b,31c,31dが配置された層間Pおよび入力段の共振補助電極34aが配置された層間Qとは異なる層間Sに入力段の共振補助電極34aに対向する領域を有するように配置されて入力結合電極42aの電気信号入力点45aに接続された入力結合補助電極46aと、積層体10の共振電極31a,31b,31c,31dが配置された層間Pおよび出力段の共振補助電極34dが配置された層間Qとは異なる層間Sに出力段の共振補助電極34dに対向する領域を有するように配置されて出力結合電極42bの電気信号出力点45bに接続された出力結合補助電極46bとを備えている。また、入力結合電極42aが貫通導体50を介して接続された入力結合補助電極46aは他の貫通導体50を介して入力端子電極41aに接続されており、出力結合電極42bが貫通導体50を介して接続された出力結合補助電極46bは他の貫通導体50を介して出力端子電極41bに接続されている。
このような構成を有する本例のバンドパスフィルタによれば、積層体10の一つの層間Pに複数の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続された環状アース電極24を備えることから、各々の共振電極の一方端を環状アース電極24に接続することによって容易にアース電位に接続することができる。また、環状アース電極24が共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を環状に取り囲むことによって、共振電極31a,31b,31c,31dから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。この効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に、モジュール基板の他の領域への悪影響を防止する上で特に有用である。
また、本例のバンドパスフィルタによれば、積層体10の一つの層間Pとは異なる層間Qに環状アース電極24に対向する領域を有するように配置され、貫通導体50によって共振電極の他方端側に接続された共振補助電極34a,34dと、積層体10の一つの層間Pとは異なる層間Rに環状アース電極24に対向する領域を有するように配置され、貫通導体50によって共振電極の他方端側に接続された共振補助電極34b,34cとを備えることから、共振補助電極34a,34b,34c,34dの各々と環状アース電極24との間に静電容量が生じて、共振補助電極34a,34b,34c,34dがそれぞれ接続された共振電極31a,31b,31c,31dとアース電位との間の静電容量に加算されるので、共振電極31a,31b,31c,31dの長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本例のバンドパスフィルタによれば、積層体10の一つの層間Pおよび入力段の共振補助電極34aが配置された層間Qとは異なる層間Sに入力段の共振補助電極34aに対向する領域を有するように配置されて入力結合電極42aの電気信号入力点45aに接続された入力結合補助電極46aと、積層体10の一つの層間Pおよび出力段の共振補助電極34dが配置された層間Qとは異なる層間Sに出力段の共振補助電極34dに対向する領域を有するように配置されて出力結合電極42bの電気信号出力点45bに接続された出力結合補助電極46bとを備えることから、入力段の共振補助電極34aと入力結合補助電極46aとの間に電磁界結合が生じて、入力段の共振電極31aと入力結合電極42aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の共振補助電極34dと出力結合補助電極46bとの間に電磁界結合が生じて、出力段の共振電極31dと出力結合電極42bとの間の電磁界結合に加算される。そして、これによって、入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとの間の電磁界結合、および出力結合電極42bと出力段の共振電極31dとの間の電磁界結合がさらに強まるので、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
このとき、貫通導体50を介して入力結合補助電極46aが接続された入力結合電極42aの電気信号入力点45aが、入力結合電極42aにおいて、入力段の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の共振電極31aの他方端に近い側に位置しており、貫通導体50を介して出力結合補助電極46bが接続された出力結合電極42bの電気信号出力点45bが、出力結合電極42bにおいて、出力段の共振電極31dとの対向部の中央よりも出力段の共振電極31dの他方端に近い側に位置していることにより、外部回路からの電気信号が入力結合補助電極46aを介して入力結合電極42aに入力され、出力結合電極42bから出力結合補助電極46bを介して外部回路へ電気信号が出力される場合においても、入力結合電極42aと入力段の共振電極31aとがインターデジタル型に結合され、出力結合電極42bと出力段の共振電極31dとがインターデジタル型に結合されることになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合を生じさせることができる。
またさらに、本例のバンドパスフィルタによれば、入力段の共振補助電極34aおよび出力段の共振補助電極34dが、それぞれ入力段の共振電極31aおよび出力段の共振電極31dの他方端部分に接続されて、そこから入力段の共振電極31aおよび出力段の共振電極31dの一方端と反対側に向かってそれぞれ延出されていることから、入力段の共振電極31aおよび入力段の共振補助電極34aの接合体と入力結合電極42aおよび入力結合補助電極46aの接合体との対向領域を広くし、同様に、出力段の共振電極31dおよび出力段の共振補助電極34dの接合体と出力結合電極42bおよび出力結合補助電極46bの接合体との対向領域を広くすることができる。これにより、入力段の共振電極31aおよび入力段の共振補助電極34aの接合体と入力結合電極42aおよび入力結合補助電極46aの接合体とが全体的に広い領域でブロードサイド結合し、同様に、出力段の共振電極31dおよび出力段の共振補助電極34dの接合体と出力結合電極42bおよび出力結合補助電極46bの接合体とが全体的に広い領域でブロードサイド結合するので、それぞれをより強く電磁界結合させることができる。
さらにまた、本例のバンドパスフィルタによれば、入力結合補助電極46aの貫通導体50を介して入力結合電極42aに接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50を介して入力端子電極41aに接続されていることから、入力段の共振電極31aおよび入力段の共振補助電極34aの接合体と入力結合電極42aおよび入力結合補助電極46aの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、入力結合補助電極46aの長さ方向において、入力結合電極42aに接続される側と同じ側で入力端子電極41aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
同様に、本例のバンドパスフィルタによれば、出力結合補助電極46bの貫通導体50を介して出力結合電極42b接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50を介して出力端子電極41bに接続されていることから、出力段の共振電極31dおよび出力段の共振補助電極34dの接合体と出力結合電極42bおよび出力結合補助電極46bの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、出力結合補助電極46bの長さ方向において、出力結合電極42bに接続される側と同じ側で出力端子電極41bに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
このように、入力段の共振電極31aおよび入力段の共振補助電極34aの接合体と入力結合電極42aおよび入力結合補助電極46aの接合体とが、全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合し、同様に、出力段の共振電極31dおよび出力段の共振補助電極34dの接合体と出力結合電極42bおよび出力結合補助電極46bの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合するので、複数の共振電極31a,31b,31c,31dで形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに小さくなり、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
(実施の形態の第5の例)
図17は本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュール80およびそれを用いた無線通信機器85の構成例を示すブロック図である。
本発明の無線通信モジュール80は、例えば、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続されベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。
RF部82には本発明のバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号における通信帯域以外の信号をバンドパスフィルタ821によって減衰させている。
具体的な構成としては、ベースバンド部81にはベースバンドIC 811が配置され、RF部82にはバンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間にRF IC 822が配置されている。なお、これらの回路間には別の回路が介在していてもよい。
そして、無線通信モジュール80のバンドパスフィルタ821にアンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本発明の無線通信機器85が構成される。
このような構成を有する本発明の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタ821を送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタ821を通過する送信信号および受信信号の減衰を少なくすることができる。このため、受信感度が向上するとともに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるため、増幅回路における消費電力が少なくなる。よって、受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、誘電体層11の材質としては、例えばエポキシ樹脂等の樹脂や例えば誘電体セラミックス等のセラミックスを用いることができる。例えば、BaTiO,PbFeNb12,TiOなどの誘電体セラミック材料と、B,SiO,Al,ZnOなどのガラス材料とからなり、800〜1200℃程度の比較的低い温度で焼成が可能なガラス−セラミック材料が好適に用いられる。また、誘電体層11の厚みとしては、例えば0.01〜0.1mm程度に設定される。
上述した各種の電極および貫通導体の材質としては、例えば、Ag,Ag−Pd,Ag−Pt等のAg合金を主成分とする導電材料やCu系,W系,Mo系,Pd系導電材料等が好適に用いられる。各種の電極の厚みは、例えば0.001〜0.2mmに設定される。
本発明のバンドパスフィルタは、例えば、次のようにして作製できる。まず、セラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿状にするとともに、ドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを形成する。次に、得られたセラミックグリーンシートにパンチングマシーン等を用いて貫通導体となる貫通孔を形成し、Ag,Ag−Pd,Au,Cu等の導体ペーストを充填することで貫通導体を形成する。次に、セラミックグリーンシートに印刷法を用いて上述した各種の電極を形成する。次に、これらを積層し、ホットプレス装置を用いて圧着し、800〜1050℃で焼成することにより作製される。
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の第1〜第5の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、前述した実施の形態の例においては、共振電極の数が4個および6個の場合を示したが、必要とされる通過帯域幅および通過帯域外の減衰量等の電気特性に応じて共振電極の数をさらに増やしてもよく、また、減らしてもよい。但し、共振電極の数が増えすぎると大型化や通過帯域内における損失の増加が生じるので、共振電極の数は10個程度以下に設定されるのが望ましい。
また、前述した実施の形態の例においては、入力端子電極41aおよび出力端子電極41bを備えた例を示したが、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成される場合は入力端子電極41aおよび出力端子電極41bは必ずしも必要なく、例えば、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が、入力結合電極42aおよび出力結合電極42bに直接接続するようにしても構わない。この場合は、入力結合電極42aおよび出力結合電極42bと配線導体との接続点が、入力結合電極42aの電気信号入力点45aおよび出力結合電極42bの電気信号出力点45bとなる。また、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が入力結合補助電極46aおよび出力結合補助電極46bに直接接続するようにしても構わない。
さらに、前述した実施の形態の例においては、積層体10の下面に第1のアース電極21を配置し、積層体10の上面に第2のアース電極22を配置した例を示したが、例えば、第1のアース電極21の下にさらに誘電体層11を配置しても構わないし、第2のアース電極22の上にさらに誘電体層11を配置しても構わない。
またさらに、前述した実施の形態の第4の例においては、入力段の共振補助電極34aと出力段の共振補助電極34dとが同じ層間に配置され、入力結合電極42aと出力結合電極42bとが同じ層間に配置され、入力結合補助電極46aと出力結合補助電極46bとが同じ層間に配置された例を示したが、それぞれ入力側の電極と出力側の電極とが異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらにまた、前述した実施の形態の第4の例においては、入力段の共振補助電極34aおよび出力段の共振補助電極34dが入力結合電極42aおよび出力結合電極42bと同じ層間Qに配置された例を示したが、入力段の共振補助電極34aおよび出力段の共振補助電極34bが積層体10の他の層間に配置されるようにしても構わない。
またさらに、前述した実施の形態の第4の例においては、共振補助電極34b,34cが入力段の共振補助電極34aおよび出力段の共振補助電極34dと異なる層間に配置された例を示したが、共振補助電極34b,34cが入力段の共振補助電極34aおよび出力段の共振補助電極34dと同じ層間に配置されるようにしても構わない。
さらにまた、UWBに用いられるバンドパスフィルタを例示してこれまで説明を行なってきたが、広帯域を要求される他の用途においても本発明のバンドパスフィルタが有効であることは言うまでもない。
次に、本発明のバンドパスフィルタの具体例について説明する。
まず初めに、図5〜図8に示す構造を有する実施の形態の第2の例のバンドパスフィルタの電気特性を、電磁界シミュレータにて算出した。算出条件は、物性値としては、誘電体層11の比誘電率=9.4、誘電体層11の誘電正接=0.0005、各種電極の導電率=3.0×10S/mとした。形状寸法としては、共振電極31a、31b、31c、31dは幅0.15mm、長さ2.65mmとし、隣り合う共振電極同士の間隔は0.15mmとした。入力結合電極42aおよび出力結合電極42bは幅0.15mm、長さ2.65mmとした。補助共振電極32a、32b、32c、32dは、0.5〜1.5pF程度となるように、電極寸法を調整した。
図18はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、通過特性(S21)と反射特性(S11)を示している。図18に示すグラフによれば、通過特性(S21)において、従来の1/4波長共振器を用いたフィルタで実現されていた領域よりも遙かに広い、比帯域で40%に相当する3.2GHz〜4.7GHzの周波数範囲で低損失となっている。このように、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失である優れた通過特性が得られており、本発明の有効性が確認できた。
次に、図9〜図12に示す構造を有する実施の形態の第3の例のバンドパスフィルタの電気特性を、電磁界シミュレータにて算出した。算出条件は、物性値としては、同様に、誘電体層11の比誘電率=9.4、誘電体層11の誘電正接=0.0005、各種電極の導電率=3.0×10S/mとした。形状寸法としては、共振電極31a、31b、31c、31d、31e、31fは幅0.2mm、長さ3.5mmとし、隣り合う共振電極同士の間隔は0.15mmとした。入力結合電極42aおよび出力結合電極42bは幅0.2mm,長さ3.5mmとした。補助共振電極32a、32b、32c、32d及び共振電極結合導体33a、33b、33c、33dは、0.1〜0.5pF程度となるように、電極寸法を調整した。
図19はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、通過特性(S21)と反射特性(S11)を示している。図19に示すグラフによれば、通過特性(S21)において、比帯域で40%に相当する3.2GHz〜4.7GHzの周波数範囲で低損失となっている。さらに、52GHzに減衰極を形成しており、5.3GHzで30dBの減衰特性が得られている。図18に示す結果と比較して10dBの減衰特性改善が出来ている。このように、広帯域でかつ急峻な減衰特性を持つ、優れた通過特性が得られており、本発明の有効性が確認できた。
次に、図13〜図16に示す構造を有する実施の形態の第4の例のバンドパスフィルタの電気特性を、電磁界シミュレータにて算出した。算出条件としては、共振電極31a,31b,31c,31dは幅が0.15mmで長さが3.0mmの矩形状とし、共振電極31aと共振電極31bとの間隔および共振電極31cと共振電極31dとの間隔を0.1025mmとし、共振電極31bと共振電極31cとの間隔を0.095mmとした。入力結合電極42aおよび出力結合電極42bは幅が0.15mmで長さが2.7mmの矩形状とし、入力結合補助電極46aおよび出力結合補助電極46bは幅が0.15mmで長さが1.0mmの矩形状とした。共振補助電極34a,34dは,共振電極31a,31dの他方端から0.25mm離れた場所にそれぞれ配置した幅が0.35mmで長さが0.4mmの矩形と、それから共振電極31a,31dに向かう幅が0.15mmで長さが0.45mmの矩形とをそれぞれ接合した形状とした。共振補助電極34b,34cは,共振電極31b,31cの他方端から0.25mm離れた場所にそれぞれ配置した幅が0.425mmで長さが0.425mmの矩形と、それから共振電極31b,31cに向かう幅が0.15mmで長さが0.45mmの矩形とをそれぞれ接合した形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60bは一辺が0.2mmの正方形とした。第1のアース電極21,第2のアース電極22および環状アース電極24の外形は長さ5mm,幅2.4mmの矩形状とし、環状アース電極24の開口部は幅が1.6mmで長さが3.2mmの矩形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は幅2.4mmおよび長さが5mmで厚みが1.0mmとし、厚み方向の中央に共振電極31a,31b,31c,31dおよび環状アース電極24が位置するようにした。隣り合う層間の間隔(隣り合う層間に配置された各種電極同士の間隔)はそれぞれ0.035mmとした。各種電極の厚みは0.015mmとし、各種貫通導体の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.4とした。
図20はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、通過特性(S21)と反射特性(S11)を示している。図20に示すグラフによれば、通過特性(S21)において、比帯域で40%に相当する3.2GHz〜4.7GHzの周波数範囲のほぼ全体に渡ってS11が−20dB程度確保されており、図18,図19に示した特性と比較して大きく改善されている。これは、実施の形態の第4の例のバンドパスフィルタにおいては、実施の形態の第2,第3の例のバンドパスフィルタと比較して、共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される共振系と入出力との結合が強くなっているからである。これによって、通過特性(S21)においても、図18,図19に示した特性と比較して、通過帯域内がより平坦でより低損失な良好な特性が得られている。このように、広い通過帯域の全体に渡ってより平坦で低損失な優れた通過特性が得られており、本発明の有効性が確認できた。
本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図1に示すバンドパスフィルタのA−A’線断面図である。 本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例を模式的に示す外観斜視図である。 図5に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図5に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図5に示すバンドパスフィルタのB−B’線断面図である。 本発明のバンドパスフィルタの実施の形態のさらに他の例を模式的に示す外観斜視図である。 図9に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図9に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図9に示すバンドパスフィルタのC−C’線断面図である。 本発明のバンドパスフィルタの実施の形態のさらに他の例を模式的に示す外観斜視図である。 図13に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図13に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図13に示すバンドパスフィルタのD−D’線断面図である。 本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュールおよびそれを用いた無線通信機器の構成例を示すブロック図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果の他の例を示す図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果のさらに他の例を示す図である。
符号の説明
10:積層体
11:誘電体層
21:第1のアース電極
22:第2のアース電極
23:第3のアース電極
31a,31b,31c,31d,31e,31f:共振電極
32a,32b,32c,32d:補助共振電極
34a,34b,34c,34d:共振補助電極
41a:入力端子電極
41b:出力端子電極
42a:入力結合電極
42b:出力結合電極
45a:電気信号入力点
45b:電気信号出力点
46a:入力結合補助電極
46b:出力結合補助電極
51a,51b,52a,52b,52c,52d,50:貫通導体
80:無線通信モジュール
81:ベースバンド部
82:RF部
84:アンテナ
85:無線通信機器

Claims (7)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された、アース電位に接続される第1のアース電極と、
    前記積層体の上面に配置された、アース電位に接続される第2のアース電極と、
    前記積層体の一つの層間に、相互に電磁界結合するように一方端を揃えて並設され、一方端がアース電位に接続されて1/4波長共振器として機能するとともに少なくとも入力段の共振電極と出力段の共振電極とを含む複数の共振電極と、
    前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記複数の共振電極のうち入力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記複数の共振電極のうち出力段の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するように配置された、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備え、
    前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記入力段の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の共振電極の他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記出力段の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の共振電極の他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に、前記第1のアース電極または前記第2のアース電極と対向するように配置され、貫通導体によって前記共振電極の他方端に接続された補助共振電極が、前記複数の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記積層体の前記一つの層間に前記複数の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の共振電極の前記一方端が接続された環状アース電極を備えることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記積層体の前記一つの層間とは異なる層間に前記環状アース電極に対向する領域を有するように配置され、貫通導体によって前記共振電極の前記他方端側に接続された共振補助電極が、前記複数の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とする請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記積層体の前記一つの層間に対して前記入力結合電極と同じ側に位置する層間に前記共振補助電極のうち前記入力段の共振電極に接続された入力段の共振補助電極が配置され、前記積層体の前記一つの層間に対して前記出力結合電極と同じ側に位置する層間に前記共振補助電極のうち前記出力段の共振電極に接続された出力段の共振補助電極が配置されており、前記積層体の前記一つの層間および前記入力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に前記入力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて前記入力結合電極の前記電気信号入力点に接続された入力結合補助電極と、前記積層体の前記一つの層間および前記出力段の共振補助電極が配置された層間とは異なる層間に前記出力段の共振補助電極に対向する領域を有するように配置されて前記出力結合電極の前記電気信号出力点に接続された出力結合補助電極とを備えることを特徴とする請求項4に記載のバンドパスフィルタ。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタを備えることを特徴とする無線通信モジュール。
  7. 請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とする無線通信機器。
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