JP2008286745A - フロー核磁気共鳴装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フローNMR計測における静磁場の均一性と電磁波照射の均一性を確保する。
【解決手段】アンテナ200の長さの80%から100%の範囲の長さを持ちアンテナ200の位置に試料を収める信号検出管330、外径が信号検出管330の外径と等しく内径が信号検出管330の内径よりも小さい第1及び第2の接合管340,320、信号検出管330の内径よりも小さな内径を有する注入支持管350及び排出支持管310からなるサンプル管を用いる。第1及び第2の接合管は、試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つ。
【選択図】図1

Description

本発明は、NMR(核磁気共鳴)装置に係り、特に、磁場の均一性と照射電磁波の均一性を良好に保ち、試料の注入排出を可能とするサンプル管を備えるNMR装置に関する。
NMR測定では、磁石が発生する均一静磁場の中に設置した試料に対して、試料が含む原子核スピンのラーモア周波数に対応する電磁波を照射し、核スピンが放出する自由誘導減衰(以下、FIDという)信号をアンテナにて検出する。
均一静磁場の中に試料を設置する方法として、まず、NMR計測に適した磁場均一性を得られる空間内にアンテナを設置し、測定対象の試料を入れたサンプル管をアンテナ内部に固定する方法が一般的である。この設置方法では、一端に開口部を持った形状のサンプル管を用いるのが一般的である。この従来のサンプル管は、石英ガラスやパイレックスといった理化学用途に適したガラス素材で作成されることが多い。従来のサンプル管では、アンテナ近傍の磁場均一性を確保するために、アンテナの長さよりも十分に長い試料容積部を維持できるようにサンプル管へ試料を入れることが一般的に行われている。この場合、アンテナからはみ出した余剰試料位置において照射電磁波の均一性が著しく低下し、FID信号が劣化する。従来、この信号劣化に対しては、余剰試料への電磁波の照射と余剰試料由来の信号の検出を抑制するために、アンテナあるいはサンプル管周辺へのシールド設置を行っている。
一方、磁場均一度の維持と試料体積の低減のために幾つかの方法が考案されている。その一つは、磁化率を試料溶媒の磁化率に一致又は近づけた物質をサンプル管の底部と上部に挿入し、測定試料の上下を磁化率の近い物質で覆うことで磁場均一度を維持する方法である(非特許文献1参照)。もう一つは、サンプル管自身の磁化率を調節して磁場均一度の向上を図る試みである。試料溶媒の磁化率に一致あるいは近い値に調節したガラス材料を用いてサンプル管と、上部挿入物を作成し、測定試料の上下を磁化率の近い物質で覆う(特許文献1参照)。
また、フローNMR計測では、試料を注入あるいは排出する口が1つ以上設けられたサンプル管を用い、この試料を注入あるいは排出する口に管を接続して、磁石の外から試料をサンプル管へ送りこみ、計測後に試料の排出を行う。注入口と排出口を設けたサンプル管は、定常的な試料の注入と排出が可能であり、試料の定常的な流れの下でのNMR計測も可能である。この注入口と排出口を設けたサンプル管は、高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)とNMRを結合した計測にも用いられる。特許文献2には、HPLCで分離した成分が存在する時間幅を極力短くするために、試料を極力一定流で流し、サンプル管の体積を小さくことが記載されている。特許文献2に記載のサンプル管は、HPLCシステムが発生する圧力を許容できる機械的強度を有する。
"Doty Susceptibility-Matched Sample Plugs for High Resolution Liquids NMR", http://www.dotynmr.com/acc/acc_susplugspg.htm 特開平7−84023号公報 特表平11−507441号公報
従来のサンプル管形状及びアンテナ配置では、実際に信号を検出する領域よりも大きい体積の試料を必要とし、希少試料や同位体標識されたタンパク質の計測における計測コストを高くしてしまう。また、磁化率を調節した物質で試料の上下を覆う方法は、試料を含んだサンプル管を均一静磁場の中に静置して計測する場合には有用であるが、外部から直接試料の注入、排出を行うフローNMR計測に適用するのは困難である。さらに、従来のサンプル管は、サンプル管自身で照射電磁波の均一性と磁場の均一性を確保することが困難であった。
本発明の目的は、フローNMR計測に適し、静磁場の均一性を確保し、電磁波照射の均一性を確保できる構造を有するサンプル管を用いたNMR計測装置を提供することにある。
NMR計測装置は、静磁場を発生するマグネット、試料へ電磁波を照射し、試料由来のFID信号を検出するアンテナ、照射電磁波を生成する送信ユニット、検出したFID信号を処理する受信ユニット、及び試料をNMR計測に適した位置に設置するサンプル管を有する。NMR計測では、試料を照射する電磁波は、試料に対してできるだけ均一であることが望ましい。照射電磁波が均一でないと、試料内部に存在するNMR検出可能な原子核スピンの励起状態(スピンの倒れる角度)に不均一性が生じ、原子核スピンから発生するFID信号の位相ズレが生じる。特に、照射電磁波強度が最大強度に対して70%以下になる試料領域があると、タンパク質計測に代表される多次元計測ではこの位相ズレが信号強度の低下やノイズ発生の原因となる。
アンテナからサンプルへ照射した電磁波の強度は、アンテナ形状及び試料との位置関係に依存する。図5に、NMR計測で用いられる典型的なアンテナ形状の1つであるソレノイドコイルにおける照射電磁波の出力強度と試料位置の関係を示す。横軸はアンテナ200の中心を原点とした軸方向の位置変位を、縦軸は照射電磁波の出力強度をそれぞれ示す。図示されるように、アンテナ端部の位置Lの前後で急激に照射電磁波の出力強度が低下している。また試料位置がアンテナ端部の位置Lよりも遠方にあっても、微弱ながら試料はアンテナからの電磁波を受けている。
同様に、NMR計測で用いられる典型的なアンテナ形状の1つであるサドルコイルにおける照射電磁波の出力強度と試料位置の関係を図6に示す。横軸はアンテナ200の中心を原点とした軸方向の位置変位を、縦軸は照射電磁波の出力強度をそれぞれ示す。サドルコイルでもソレノイドコイルと同様の傾向を示し、アンテナ端部の位置Lの前後で急激に照射電磁波の出力強度が低下している。また試料位置がアンテナ端部の位置Lよりも遠方にあっても、微弱ながら試料はアンテナからの電磁波を受けている。
このアンテナ端部の位置Lよりも遠方にある試料からの信号を抑制するために、アンテナ端部の位置Lよりも遠方には試料を配置しないサンプル管構成を実現することで、出力強度が低下した領域からのFID信号の検出を抑制する。換言すると、照射電磁波の強度が70%以下となる領域に試料を存在させないために信号検出管の長さはアンテナの長さ以下とし、信号検出管をアンテナに覆われる位置に配置する。また、試料体積と比例関係にある検出信号の強度を低下させないためには、信号検出管の長さをアンテナ長さの80%以上とするのが好ましい。
通常、良好なFID信号を検出するためには、マグネットに組み込まれている補正コイルを用いて、マグネットで発生した磁場が均一な静磁場になるように調整を行う。しかし、試料とサンプル管の界面で発生する磁場の歪みを補正コイルによる調整で取り除くには多くの手間がかかる。そこで、試料を囲むサンプル管部分の磁化率と試料(特に試料の溶媒)の磁化率との間の差を小さくすることで、試料とサンプル管の界面で発生する磁場の歪みを小さくし、検出するFID信号の緩和時間を増大させ、スペクトルの線幅を細くする。
フローNMR計測で使用するサンプル管において、アンテナ端部の位置Lよりも遠方に試料を配置しない構成を実現するためには、(i)試料はアンテナ内部に蓄える、(ii)アンテナ端部近傍に位置し試料と接する部分は試料溶媒の磁化率と一致あるいは近い値へと調整した磁化率を持つ物質で構成し、アンテナ近傍でサンプル管内部に設ける試料給排のための流路はアンテナ中心に対して対称的に配置することが求められる。
試料と容器界面の磁化率の違いは、試料に印加する静磁場の均一性を低下させる不整磁場の発生原因となり、発生する不整磁場は界面の形状に依存した磁場分布を持つ。試料中心を中心とする球状の界面を有する試料容器の場合には、不整磁場が、方向に寄らず一様な最も低次元な磁場分布を持つ。界面が平面状となる円柱状の試料容器では、急峻な界面構造を反映して、方向に大きく依存し、急峻な磁場変化を伴う、高次元の磁場分布を持つ。
不整磁場の磁場分布を均一化させるためには、発生した磁場と同等の次数と幾何学的特徴を持った磁場を発生させて打ち消す必要がある。高次元の磁場分布を打ち消すためには、高次元のシムコイルを準備してサンプル近傍の磁場調整を行う必要があるが、製作できるシムコイルの次元数に制限があることや高次元のシムコイルを用いた磁場調整には時間がかかることから、高次元の不整磁場の発生を抑えることが望ましい。そこで、図9に示すように、試料と容器の界面に曲面構造を用いることで、界面の急峻さを解消し、高次元の幾何学的特徴を持つ不整磁場を抑制することができる。
この試料との界面に曲面構造を用いた容器は、容器と試料溶媒の磁化率に差がある場合でも、高次元の不整磁場を抑制するので、溶媒濃度が変化して磁化率が変化するサンプルの計測に有効である。フローNMR計測では、溶液条件を変化させる計測が多いので、この試料との界面に曲面構造を用いた容器構造は有効である。溶媒試料の磁化率によらず、高次元の不整磁場分布を抑制することができるので、NMR滴定計測における磁場調整の回数や時間の短縮を図ることができる。
また、溶液条件が変化しても溶媒磁化率がほとんど変わらない、一定温度下で軽水濃度(あるいは重水濃度)が一定の測定などでは、試料との界面に平坦な円柱状の容器を用いてもよい。界面が平坦な容器は曲面構造に比べ、製作しやすく、製造コストを低く抑えられるメリットがある。
本発明によれば、フローNMR計測において静磁場の均一性と、試料に対する照射電磁波の高い均一性を維持したNMR計測が可能であり、照射電磁波の高い均一性はアンテナの形状、RFシールドの有無によらず得られる。また、NMR測定で必要な試料が蓄積される容器の長さはアンテナコイルの長さ以下なので、測定試料の低減化を図ることができる。
以下に、本発明のフロー核磁気共鳴装置の好適な実施の形態について説明する。
図1は、スプリットマグネットにおけるサンプル管とアンテナの配置図である。図1に示したように磁場を発生する磁石100を設置し、磁石の近傍に位置する磁場の均一領域に核磁気共鳴信号を検出するためのアンテナ200を設置する。図2は、一体型マグネットを磁石100に用いた場合のサンプル管とアンテナの配置図である。マグネット形態が異なった場合でも、本発明におけるアンテナ200とサンプル管との間の位置関係は変わらない。
図3に、サンプル管を構成する各部分の好適な形態を示す。アンテナ200の位置に試料を収める信号検出管330は、アンテナ200の長さの80%から100%の範囲の長さを持つことが望ましく、入口端部334と出口端部332を有する。信号検出管330はアンテナの上端と下端の間の領域に配置する。信号検出管330の外径は、アンテナ200の内径を超えない値である。信号検出管330の外径は、アンテナの内径に近いほど信号検出に用いるサンプル体積が大きくなるが、サンプル管着脱の観点から、アンテナ内面に接触しない値を用いると良い。
信号検出管330の厚みが薄いほど、検出信号の強度が大きくなるが、薄すぎると強度が弱くなってしまう。ガラスあるいは類似材料を用いる場合には、0.4mm以下で0.2mm以上の厚みが好適である。信号検出管330の材料は、当業者には周知の試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つように調整したNMR成立材料と接合でき、アンテナ200が試料のNMR信号を検出できる材料であれば何でもよいが、好適には試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つように調整したガラスと熱膨張係数を一致させたガラスを用いるとよい。この熱膨張係数を合わせてガラス管の接合を行うことは、ガラス加工業者には周知の技術である。
測定者が必要とする試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つNMR成立材料を第1の接合管340、第2の接合管320及び信号検出管330の材料に用いるのは本発明の範囲である。試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つNMR成立材料は、試料溶媒の磁化率の値から50%以上ずれると、界面で発生する磁化の違いが大きくなり、静磁場の調節が困難になる恐れがあるので、NMR成立材料の磁化率は試料溶媒の磁化率の±50%以内に抑えることが望ましい。
NMR成立材料は、サンプル管に注入される試料の溶媒が軽水又は重水を主に含む場合には、0.71(cgs)を中心に±50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であるのが好ましく、溶媒がクロロホルム(重水素化も可)を主に含む場合には、0.74(cgs)を中心に±50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であるのが好ましく、溶媒がメチルアルコール(重水素化も可)を主に含む場合には、0.53(cgs)を中心に±50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であるのが好ましい。
図3に示したように、第1の接合管340は、信号検出管330の外径と等しい外径と、信号検出管330の内径よりも小さな内径と、入口端部344と出口端部342を有する。管の長さは、長いほどサンプル近傍の磁場均一性を高め、NMR信号の線幅を細くする効果を持つが、10mm以上20mm以下の長さが好適である。第2の接合管320は、信号検出管330の外径と等しい外径と、信号検出管330の内径よりも小さな内径と、入口端部324と出口端部322を有する。管の長さは、長いほどサンプル近傍の磁場均一性を高め、NMR信号の線幅を細くする効果を持つが、10mm以上20mm以下の長さが好適である。
第1の接合管340及び第2の接合管320の内径は信号検出管330の内径よりも小さな内径とすることで、試料を信号検出管330の中に収める効果を持つが、内径として0.75mm以下25μm以上の範囲が好適である。第1の接合管340及び第2の接合管320は、当業者には周知の試料溶媒の磁化率に一致あるいは近づけた磁化率を持つように調整したNMR成立材料から成り、信号検出部330に収容された試料との界面での磁気的性質の急激な変化を抑える。
第1の接合管340の出口端部342と信号検出管330の入口端部334との接合面では、試料が第1接合管340の出口端部面342に接する。第2の接合管320の入口端部324と信号検出管330の出口端部332との接合面では、試料が上記第2接合管の入口端部面に接する。第1接合管340の出口端部342の面及び第2接合管320の入口端部322の面が、信号検出管330の中心を基準として対称な位置に固定され、第1接合管340の出口端部342の面及び第2接合管320の入口端部322の面が平面状又は、球面状の形状を有する。
注入支持管350は、信号検出管330の内径よりも小さな内径と入口端部354と出口端部352を有し、入口端部に1つの注入口を有し、出口端部に1つの排出口を有する。排出支持管310は、信号検出管330の内径よりも小さな内径と入口端部314と出口端部312を有し、出口端部に1つの排出口を有し、入口端部に1つの注入口を有する。注入支持管350及び排出支持管310の内径は0.75mm以下25μm以上の範囲が好適であり、第1の接合管340及び第2の接合管320の内径と等しいことが望ましい。
注入支持管350の出口端部352は第1の接合管340の入口端部344と接合し、第1の接合管340の出口端部342は信号検出管330の入口端部334と接合する。また、排出支持管310の入口端部314は第2の接合管320の出口端部322と接合し、第2の接合管320の入口端部324は信号検出管330の出口端部332と接合する。
図4に示したように、注入支持管350の入口端部354に有る注入口400は、試料を注入するための管1000との接続に適した形状を有する。注入口400の好適な形状の1つは、管1000と等しい外径と内径を有し、HPLCで一般的に使用されているユニオンとフィティングの接続に必要な長さを有している管形状である。
排出支持管310の出口端部312に有る排出口500は、試料を排出するための管1100との接続に適した形状を有する。注入口500の好適な形状の1つは、管1100と等しい外径と内径を有し、HPLCで一般的に使用されているユニオンとフィティングを用いた接続に必要な長さを有している管形状である。
注入口400と管1000をHPLCで一般的に使用されているユニオンとフィティングで接続する場合には、注入支持管350の入口端部354とフィティング2100の間にOリング3100を挟むことで、サンプル管や管1000に横応力が働いた際の破損を防止できる。同様に、排出口500と管1100をHPLCで一般的に使用されているユニオンとフィティングで接続する場合には、排出支持管310の出口端部312とフィティング2200の間にOリング3100を挟むことで、サンプル管や管1100に横応力が働いた際の破損を防止できる。
信号検出管330、第1の接合管340、第2の接合管320、注入支持管350、排出支持管310を接合する際には、各管の軸が揃うように接合する。このために、各管の外径を揃えることは望ましい方法の1つである。
図1に示したように、上記の手順に従って作成したサンプル管を、信号検出管330がアンテナ200に覆われる位置に来るように設置して使用する。
注入支持管350の入口端部354から注入された試料は、注入支持管350に接合された第一の接合管340を通り信号検出管330内部に達し、第2の接合管320を通り排出支持管310の出口端部312から排出される。このとき、サンプル管の内部に収容された試料は、信号検出部330に最も多く収容される。
信号検出管330はアンテナ200に覆われた位置にあるので、試料はアンテナ200に覆われた位置に存在する。このことは、アンテナ200から照射される電磁波の均一性が著しく低下した領域から実効的に試料を排除できることを示している。この結果、照射電磁波の均一性が向上し、試料から発せられるFID信号を効率よく受信することができる。
また、第1の接合管及び第2の接合管の磁化率は試料の溶媒の磁化率と一致あるいは近い値を持つので、界面342と界面324での磁気的な不連続性を緩和し、試料近傍の磁場均一性を維持することが可能となる。この効果は、取得するFID信号から得られるスペクトルの線幅を細くする効果に繋がる。
実施例1で示したサンプル管において、注入支持管350の注入口と排出支持管310の排出口が凹型(メス型)の形状を持つ場合の構成について好適な実施の形態について図を参照して説明する。
図7に、凹型(メス型)の形状の注入支持管350の注入口と排出支持管310の排出口を持つ場合のサンプル管の構成例を示す。注入支持管350の注入端354側に、溝3200の切り込みを入れる。溝3200はフィティング2200のネジ山3210のピッチに合わせる。同様に、排出支持管310の注入端312側にネジ溝3200の切り込みを入れる。ネジ溝3200はフィティング2200のネジ山3210のピッチに合わせる。
管1000をフィティング2200の中に入れ、フィティング2200を注入支持管350へ接続する。接続をする際には、フッ素樹脂素材のテープなどをネジ山3210に巻いて、シールしても良い。同様に、管1100をフィティング2200の中に入れ、フィティング2200を排出支持管310へ接続する。接続をする際には、フッ素樹脂素材のテープなどをネジ山3210に巻いて、シールしても良い。
図1及び図2で示す、アンテナ200と信号検出管330の適切な位置関係を実現させるためには、注入側あるいは排出側のどちらかが、アンテナ200の内側を通過できる構造であればよい。ここに、注入支持管350あるいは排出支持管310のどちらかが複数の口を有する場合の好適な実施の形態について図を参照して説明する。
図8に、複数の口を有する注入支持管350を持つ場合のサンプル管構成を示す。試料を注入するための管1000以外に薬液などを注入する毛細管4000を注入支持管350へ接続する。この毛細管はガラスなどの素材で作成され、外側をポリイミドなどで被覆したものが望ましい。注入支持管350の側面から穴を開け、そこに毛細管4000を挿入、接合する。
毛細管4000の内径は注入支持管350の内径よりも小さな内径を持つ必要がある。注入支持管350の内径が0.5mmの場合での毛細管4000の好適な内径は100ミクロン以下である。ポリイミドで被覆された毛細管は自由に曲げることが出来るので、アンテナ200と信号検出管330を適切な位置関係にする作業を妨げることはない。
このような形態を用いることで、試料溶液への薬液注入直後のNMR計測を行うことができる。
また、NMR計測直後に試料を分けて取り出す場合には、図8において、注入支持管350の替わりに排出支持管310へ毛細管4000を接合させた形態を使用すればよい。このような形態も、本発明の範囲である。
タンパク質をはじめとする溶液中で特定の機能を有する化合物に対して本発明を適用することにより、溶液条件に関する反復計測のコストが低くなる。そして、ライフサイエンスの分野では生体内で生じている生化学プロセス解析の効率向上となり、医療や創薬分野では疾病関連タンパク質との結合強度計測による疾病メカニズム解析やスクリーニングの高効率化に繋がる。
スプリットマグネットにおけるサンプル管とアンテナの配置例を示す図。 一体型マグネットにおけるサンプル管とアンテナの配置例を示す図。 サンプル管の構成例を示す図。 サンプル管の構成及び、注入及び排出管との接続例を示す図。 ソレノイド型アンテナにおける試料位置−照射電磁波強度曲線を示す図。 サドル型アンテナにおける試料位置−照射電磁波強度曲線を示す図。 凹型(メス型)の注入口と排出口を持つサンプル管の構成例を示す図。 複数の口を有する注入支持管を持つサンプル管の構成例を示す図。 サンプル管の構成例を示す図。
符号の説明
100 磁石
200 アンテナ
310 排出支持管
312 排出支持管の出口端部
314 排出支持管の入口端部
320 第2の接合管
322 第2の接合管の出口端部
324 第2の接合管の入口端部
330 信号検出管
332 信号検出管の出口端部
334 信号検出管の入口端部
340 第1の接合管
342 第1の接合管の出口端部
344 第1の接合管の入口端部
350 注入支持管
352 注入支持管の出口端部
354 注入支持管の入口端部
400 注入口
500 排出口
1000 注入用の管
1100 排出用の管
2100 ユニオン
2200 フィッティング
3100 Oリング
3200 ネジ溝
3210 フィッティングのネジ山
4000 毛細管

Claims (8)

  1. 静磁場を発生する磁石と、
    上記静磁場内に配置された核磁気共鳴信号を検出するためのアンテナと、
    サンプル管とを備え、
    上記サンプル管は、
    上記アンテナの長さ以下の長さを持ち、入口端部と出口端部を有する信号検出管と、
    上記信号検出管の内径よりも小さな内径を持ち、入口端部と出口端部を有する第1の接合管と、
    上記信号検出管の内径よりも小さな内径を持ち、入口端部と出口端部を有する第2の接合管と、
    入口端部と出口端部を有し、入口端部に1つ以上の注入口を有し、出口端部に1つの排出口を有する注入支持管と、
    入口端部と出口端部を有し、出口端部に1つ以上の排出口を有し、入口端部に1つの注入口を有する排出支持管とから成り、
    上記注入支持管の出口端部を上記第1の接合管の入口端部と接合し、上記第1の接合管の出口端部を上記信号検出管の入口端部と接合し、上記排出支持管の入口端部を上記第2の接合管の出口端部と接合し、上記第2の接合管の入口端部を上記信号検出管の出口端部と接合して形成され、
    上記信号検出管を上記アンテナに覆われる位置に設置したことを特徴する核磁気共鳴装置。
  2. 請求項1記載の核磁気共鳴装置において、上記信号検出管は上記アンテナの長さの80%以上の長さを有することを特徴とする核磁気共鳴装置。
  3. 請求項1記載の核磁気共鳴装置において、上記第1及び第2の接合管は磁化率を、上記サンプル管に注入される試料の溶媒の磁化率の±50%以内に調整したNMR成立材料から成ることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  4. 請求項1記載の核磁気共鳴装置において、上記第1の接合管の出口端部と上記信号検出管の入口端部との接合部で試料が上記第1接合管の出口端部の面に接し、上記第2の接合管の入口端部と上記信号検出管の出口端部との接合部で試料が上記第2接合管の入口端部の面に接することを特徴とする核磁気共鳴装置。
  5. 請求項4記載の核磁気共鳴装置において、上記第1接合管の出口端部の面及び上記第2接合管の入口端部の面は平面又は球面状の凹面であることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  6. 請求項3記載の核磁気共鳴装置において、
    上記NMR成立材料は、上記サンプル管に注入される試料の溶媒が軽水又は重水を主に含む場合には、0.71(cgs)を中心に50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  7. 請求項3記載の核磁気共鳴装置において、
    上記NMR成立材料は、上記サンプル管に注入される試料の溶媒がクロロホルム(重水素化も可)を主に含む場合には、0.74(cgs)を中心に50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  8. 請求項3記載の核磁気共鳴装置において、
    上記NMR成立材料は、上記サンプル管に注入される試料の溶媒がメチルアルコール(重水素化も可)を主に含む場合には、0.53(cgs)を中心に50%の範囲の磁化率の値を持つ材料であることを特徴とする核磁気共鳴装置。
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