JP2008285424A - プロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性の高い天然物の中からプロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分とするプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤、又はシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を提供する。
【解決手段】プロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤に、ウスベニアオイの花部からの抽出物を含有せしめる。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤に関する。
天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors;NMF)の主成分であるアミノ酸は、ケラトヒアリン顆粒に由来するフィラグリンが角質層内で分解されて産生される。このフィラグリンは、角質層直下の顆粒層に存在する表皮ケラチノサイトでプロフィラグリンとして発現する。その後、直ちにリン酸化し、ケラトヒアリン顆粒に蓄積され、脱リン酸,加水分解を経てフィラグリンへと分解され、角質層に移行して、ケラチンフィラメントの凝集効率を高め、角質細胞の内部構築に関与することが知られている(非特許文献1参照)。
近年、このフィラグリンが、皮膚の水分保持に非常に重要かつ必要不可欠であること、及び乾燥等の条件によってフィラグリンの合成力が低下し、角質層におけるアミノ酸量が低下することが知られている(非特許文献2参照)。
したがって、表皮ケラチノサイトにおいて、プロフィラグリンmRNAの発現促進を通じて、フィラグリンの産生を促進し、それにより角質層内のアミノ酸量を増大させることで、角質層の水分環境を本質的に改善できることが期待される。
このようなプロフィラグリン産生促進剤及びフィラグリン産生促進剤としては、例えば、カンゾウ抽出物(特許文献1参照)、天然植物中に含まれるフラバノン配糖体として知られるリクイリチン(特許文献2参照)、プロフィラグリン及びフィラグリン蛋白産生促進剤として、Citrus属に属する植物エキス又は酵母エキス(特許文献3参照)等が知られている。
また、炎症は、発赤、浮腫、発熱、痛み、機能障害等の症状を示す複雑な反応である。微視的に見ると、炎症は、血漿漏出を起こす血管反応、白血球の浸潤、炎症性細胞による組織破壊等の共通する反応からなり、発熱反応や痛覚過敏等の中枢神経系も関与する、全身反応も引き起こす場合もある。このような炎症の個々の反応には、プロスタグランジンが重要な役割を果たしており、この炎症時におけるプロスタグランジンの産生には、主として誘導型のシクロオキシゲナーゼであるシクロオキシゲナーゼ−2が関与することが明らかとなっている。
このため、炎症反応の防止及び予防を図る目的で、アスピリンに代表される多くのシクロオキシゲナーゼ阻害剤が用いられている(非特許文献3参照)。また、植物由来のシクロオキシゲナーゼ阻害剤としては、マンゴスチン果皮抽出物中のα−マンゴスチン及びγ−マンゴスチン等が知られている(特許文献4参照)。また、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有する化合物としては、2−フェニル−1,2−ベンズイソセレナゾール−3(2H)−オン、その塩、又はその水和物等が知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、高いプロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有し、安価であり、安全性の高いプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤に対する消費者の要望は強く、さらなる新しいプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤の開発及び提供が強く求められているのが現状である。
特開2002−363054号公報 特開2003−146886号公報 特開2001−261568号公報 特開2002−47180号公報 特開2000−16935号公報 「フレグランスジャーナル臨時増刊」,2000年,Vol.17,p.14-19 「Arch. Dermatol. Res.」,1996,Vol.288,p.442-446 「薬理学アトラス」,福原武彦監訳,文光堂,1995年,p.184
本発明は第一に、安全性の高い天然物の中からプロフィラグリン産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とするプロフィラグリン産生促進剤を提供することを目的とする。
本発明は第二に、安全性の高い天然物の中からフィラグリン産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とするフィラグリン産生促進剤を提供することを目的とする。
本発明は第三に、安全性の高い天然物の中からシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有するものを見出し、それを有効成分とするシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ウスベニアオイの花部抽出物が、優れたプロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有し、乾燥肌、しわ、肌荒れ、アトピー性皮膚炎等を予防・改善することができることを知見した。
本発明は、本発明者らによる新規な知見に基づくものであり、すなわち、本発明のプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、ウスベニアオイの花部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明によれば、天然物であるウスベニアオイの花部からの抽出物を含有し、安全性の高いプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤を提供することができる。
本発明のプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤はウスベニアオイの花部からの抽出物を含有するものである。
本発明において、「ウスベニアオイの花部からの抽出物」には、ウスベニアオイの花部を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
本発明において使用する抽出原料は、ウスベニアオイ(学名:Malva sylvestris,英名:Mallow(マロー))の花部である。ここで、「花」とは、一般に、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体をいい、葉の変形である花葉と茎の変形である花軸とから構成され、花葉には、萼、花弁、雄しべ、心皮等の器官が含まれる。本発明において抽出原料として使用する「花部」には、種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体の他、その一部、例えば、花葉、花被(萼と花冠)、花冠、花弁等も含まれる。
ウスベニアオイ(Malva sylvestris)は、アオイ科アオイ属に属する多年生草本である。ウスベニアオイは、ヨーロッパ原産であり、アジアやアメリカ等に分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
ウスベニアオイの花部からの抽出物に含有されるプロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有する物質の詳細については不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、ウスベニアオイの花部からこれらの作用を有する抽出物を得ることができる。
例えば、上記植物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出による抽出に供することにより、プロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、ウスベニアオイの花部の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出溶媒としては、極性溶媒を用いるのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
ウスベニアオイの花部からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
以上のようにして得られるウスベニアオイの花部からの抽出物は、プロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有しているため、それぞれの作用を利用してプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤の有効成分として用いることができる。
本発明のプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、ウスベニアオイの花部からの抽出物のみからなるものであってもよいし、上記抽出物を製剤化したものであってもよい。
ウスベニアオイの花部からの抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯臭剤等を用いることができる。ウスベニアオイの花部からの抽出物は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
なお、本発明のプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、必要に応じて、プロフィラグリン産生促進作用、フィラグリン産生促進作用又はシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
本発明のプロフィラグリン産生促進剤は、ウスベニアオイの花部からの抽出物が有するプロフィラグリン産生促進作用を通じて、細胞内でのプロフィラグリンの産生を促進し、プロフィラグリンの加水分解により得られるフィラグリン量を増加させ、皮膚の保湿能力を改善することができ、これにより、皮膚の弾力性を維持し、皮膚の老化、肌荒れ等を予防・改善することができる。ただし、本発明のプロフィラグリン産生促進剤は、これらの用途以外にもプロフィラグリン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本発明のフィラグリン産生促進剤は、ウスベニアオイの花部からの抽出物が有するフィラグリン産生促進作用を通じて、細胞内でのフィラグリンの産生を促進し、皮膚の保湿能力を改善することができ、これにより、皮膚の弾力性を維持し、皮膚の老化、肌荒れ等を予防・改善することができる。ただし、本発明のフィラグリン産生促進剤は、これらの用途以外にもフィラグリン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
本発明のシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、ウスベニアオイの花部からの抽出物が有するシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を通じて、皮膚の炎症性疾患、アトピー性皮膚炎等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明のシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、これらの用途以外にもシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
なお、本発明のプロフィラグリン産生促進剤、フィラグリン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
以下、試験例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の試験例に何ら限定されるものではない。なお、本実施例においては、試料としてウスベニアオイ花抽出液(製品名:マローモイスチャー,丸善製薬社製)の凍結乾燥品を試料として用いた。
〔試験例1〕プロフィラグリン・フィラグリン産生促進作用試験
正常ヒト新生児皮膚表皮角化細胞(NHEK)を80cmのフラスコで正常ヒト表皮角化細胞培地(KGM)にて37℃、5%CO−95%airの条件下で培養し、常法により細胞を集めた。得られた細胞を同培地にて1.5×10個/mLの細胞密度になるように調整し、2mLずつ6穴コラーゲンコートプレートに播種して37℃、5%CO−95%airの条件下で4日間培養した。培養後、培地を0.25%DMSOに溶解した試料(試料濃度は下記表1を参照)を含むKGM2mLに交換し、37℃、5%CO−95%airの条件下で5日間培養した。培養終了後、常法により総タンパクの調整を行った。
<ウエスタンブロッティング>
10μg/列に調整したサンプルをSDS−PAGEにより展開し、PVDF膜に転写した。5%スキムミルクを含むPBS(−)でブロッキングを行った後、抗ヒトフィラグリンモノクローナル抗体(Harbor Bio-Products)、ビオチン標識抗マウスIg(Whole Ab,Amersham Biosciences社製)及びストレプトアビジンーペルオキシダーゼ複合体(CALBIOCHEM社製)を、0.1%Tween20、0.3%スキムミルクを含むPBS(−)で1000倍に希釈して順次反応させ、ECL Western blotting detection reagents and analysis system(Amersham Biosciences社製)の発光によりプロフィラグリン及びフィラグリンを検出した。検出したバンドをKODAK 1D Image Analysis Software EDAS290 Version3.5にて定量的に測定した。
結果は、試料添加及び無添加で培養した細胞のそれぞれから調製したタンパク10μg中のプロフィラグリン及びフィラグリンのNet intensity(バンド強度)を合算した値を用いて、試料のプロフィラグリン産生促進作用を評価し、プロフィラグリン産生促進率(%)を下記式に基づいて算出した。
プロフィラグリン産生促進率(%)=A/B×100
上記式において、Aは「試料添加時のNet intensity(プロフィラグリン及びフィラグリンの合計値)」を、Bは「試料無添加時(コントロール)のNet intensity」を表す。
上記試験結果を表1に示す。
[表1]
試料濃度(μg/mL) プロフィラグリン産生促進率(%)
50 396.8
12.5 293.9
表1に示すように、ウスベニアオイの花部からの抽出物は、優れたプロフィラグリン産生促進作用を有することが確認された。また、ウスベニアオイの花部からの抽出物が有するプロフィラグリン産生促進作用は、当該抽出物の濃度に依存することが確認された。なお、フィラグリンは、生体内でプロフィラグリンの加水分解により産生されるものであることから、プロフィラグリン産生促進作用を有するウスベニアオイの花部からの抽出物は、プロフィラグリンの産生を促進し、細胞内におけるプロフィラグリン量を増加させることで、フィラグリン量をも増加させることができ、結果としてフィラグリン産生促進作用を有するものと考えられる。
〔試験例2〕シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用試験
Hwang B.Y.らの方法(「Planta Medica」,2001,Vol.67,p.406-410)に一部修正を加えて行った。すなわち、マウス由来マクロファージ様細胞(RAW264.7)を前培養後、細胞を集め、1×10個/mLの細胞密度に調整し、96穴プレートに100μLずつ播種し、37℃で、500μmol/Lのアスピリンを含有する培地に交換し4時間培養した。細胞をPBS(−)で3回洗浄し、1μg/mLのLPSを含む培地で溶解した試料(試料濃度は下記表2参照)200μLを添加し、18時間培養した。培養後、上清中のプロスタグランジンE(PGE)をPGEEIA Kit(Cayman Chemical,Ann Arbor,MI,USA)を用いて定量し、対照と比較することによりPGE産生抑制率(%)を算出した。
PGEはシクロオキシゲナーゼを律速段階とする酵素反応で産生され、シクロオキシゲナーゼには、恒常的に活性を示す1型と、炎症時に誘導されて活性を示す2型が存在する。マウス由来マクロファージ様細胞をアスピリンで処理し、既に存在するシクロオキシゲナーゼ−1,2を失活させた後、LPSで処理すると、シクロオキシゲナーゼ−2が誘導され、PGEが産生される。すなわち、LPS誘導PGEの産生は、シクロオキシゲナーゼ−2を介するPGEの産生と考えられ、PGE産生抑制作用を有するということは、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有するということができる。そこで、PGE産生抑制率(%)から、シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害率(%)を算出した。
上記試験結果を表2に示す。
[表2]
試料濃度(μg/mL) シクロオキシゲナーゼ−2活性阻害率(%)
200 57.3
50 52.9
表2に示すように、ウスベニアオイの花部からの抽出物は、優れたしシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害作用を有することが確認された。
本発明のプロフィラグリン産生促進剤及びフィラグリン産生促進剤は、プロフィラグリン及びフィラグリンの産生を促進することにより、皮膚の保湿機能の向上に大きく貢献することができ、また、本発明のシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ−2の活性を阻害することで、皮膚の炎症性疾患等の予防・治療・改善に大きく貢献することができる。

Claims (3)

  1. ウスベニアオイの花部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするプロフィラグリン産生促進剤。
  2. ウスベニアオイの花部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするフィラグリン産生促進剤。
  3. ウスベニアオイの花部からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするシクロオキシゲナーゼ−2活性阻害剤。
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