JP2008281094A - センサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置 - Google Patents

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桂 小八木
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直樹 森村
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Abstract

【課題】 軸受装置外部にデフレクタなどの別途のシール装置を設ける必要がないレベルまでシール性を向上させたセンサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 センサ付きシール装置7は、弾性シールとして、水分浸入防止用円筒部63の軸方向外側の端部に設けられて回転側シール部材9の円筒部32およびフランジ部33の両方に摺接する接触弾性シール23と、回転側シール部材9の軸方向外側の端部に設けられて樹脂部材22および芯金64のいずれにも接触しない非接触弾性シール24とを有している。
【選択図】 図2

Description

この発明は、センサ装置を内蔵したセンサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置に関する。
従来、自動車のハブユニットにおいて好適に使用されるセンサ付きシール装置として、固定部材に嵌合固定される芯金および芯金に樹脂モールドされたセンサを有している固定側シール部材と、回転部材に嵌合固定される円筒部および円筒部の軸方向外側の端部に連なって固定側シール部材に向かってのびるフランジ部を有する回転側シール部材とからなり、固定側シール部材の芯金は、固定部材に嵌合固定される嵌合用円筒部と、同円筒部の軸方向内側の端部に連なって回転側シール部材の円筒部に向かってのびるフランジ部と、フランジ部に連なって軸方向外方にのびる水分浸入防止用円筒部とを有し、嵌合用円筒部の外側の端部が樹脂部材内に位置するようにインサート成形されるとともに、水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部および回転側シール部材の軸方向外側の端部の少なくとも一方に弾性シールが設けられているものが知られている(特許文献1)。
特開2006−183701号公報
上記従来のセンサ付きシール装置は、自動車のハブユニットにおいて使用される際には、ハブユニットが過酷な泥水環境にあるため、通常、軸受装置外部にデフレクタなどと称されている金属製シールリングを設けることによって、そのシール性を向上させている。しかしながら、デフレクタの使用は、部品費の増加や、デフレクタ圧入部の加工費が必要となるなど、コスト増加要因となっており、デフレクタを除去することが課題となっている。
この発明の目的は、軸受装置外部にデフレクタなどの別途のシール装置を設ける必要がないレベルまでシール性を向上させたセンサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置を提供することにある。
この発明によるセンサ付きシール装置は、固定部材に嵌合固定される芯金および芯金に樹脂モールドされたセンサを有している固定側シール部材と、回転部材に嵌合固定される円筒部および円筒部の軸方向外側の端部に連なって固定側シール部材に向かってのびるフランジ部を有する回転側シール部材とからなり、固定側シール部材の芯金は、固定部材に嵌合固定される嵌合用円筒部と、同円筒部の軸方向内側の端部に連なって回転側シール部材の円筒部に向かってのびるフランジ部と、フランジ部に連なって軸方向外方にのびる水分浸入防止用円筒部とを有し、嵌合用円筒部の外側の端部が樹脂部材内に位置するようにインサート成形されるとともに、水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部および回転側シール部材の軸方向外側の端部の少なくとも一方に弾性シールが設けられているセンサ付きシール装置において、弾性シールは、水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部に設けられて回転側シール部材の円筒部およびフランジ部の両方に摺接する接触弾性シールと、回転側シール部材の軸方向外側の端部に設けられて樹脂部材および芯金のいずれにも接触しない非接触弾性シールとからなることを特徴とするものである。
固定部材は、例えば、転がり軸受の外輪または内輪とされ、回転部材は、例えば、転がり軸受の内輪または外輪とされるが、これに限られるものではない。
水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部に設けられた接触弾性シールは、回転側シール部材の円筒部およびフランジ部の両方に摺接することによって、シール性を確保することができる。回転側シール部材のフランジ部に設けられた非接触弾性シールは、非接触とされていることで樹脂部材に影響を及ぼすことはなく、また、これが回転側に設けられていることで、泥水等を振り切ることが可能であり、接触弾性シールだけでは確保できない泥水の浸入の防止効果が確保される。こうして、このシール装置とは別にデフレクタなどのシール部材を設けることが不要となる。
センサは、例えば、MR素子またはホール素子を用いた磁気センサとされるが、これに限られるものではない。通常、回転側シール部材の円筒部には、磁気センサに対向してこれに信号を与えるパルサが設けられる。
芯金と樹脂部材とはインサート成形され、この際、嵌合用円筒部の外側の端部が樹脂部材内に位置させられる。すなわち、芯金が樹脂部材の表面にのみ密着させられるのではなく、芯金の端部が樹脂部材の内部にインサートされる。
回転側シール部材は、支持部材および着磁体からなるパルサを有しており、パルサの支持部材は、回転部材より大きい径を有し外径に着磁体が設けられている大径円筒部と、大径円筒部の軸方向外側の端部に連なって回転側シール部材の円筒部に向かってのびる連結部と、連結部に連なって軸方向外方にのびかつ回転側シール部材の円筒部の外径に嵌合固定された小径円筒部とからなることが好ましい。そして、連結部が軸方向内側となるように、回転側シール部材の円筒部の軸方向内側部分にパルサの支持部材の小径円筒部が嵌合固定されることにより、回転側シール部材の円筒部と回転部材との嵌合部は、パルサの支持部材の小径円筒部によって補強され、その剛性が向上させられるようにすることが好ましい。
パルサの支持部材の小径円筒部は、大径円筒部に比べて、その軸方向の長さが短くされていることが好ましい。大径円筒部は、着磁体が設けられるためにある程度の軸方向長さが必要であり、剛性の点からは、小径円筒部も大径円筒部と同じ軸方向長さとされることが好ましいが、この場合には、プレス成型しにくくなるという問題が生じる。連結部が軸方向内側となるように、パルサの支持部材の小径円筒部が回転側シール部材に嵌合固定される場合、小径円筒部の軸方向長さは、大径円筒部よりも短いものとしても十分剛性を向上させることができ、こうして、製造性を悪化させることなく、剛性を向上させることができる。
非接触弾性シールは、軸方向内側に向けられて芯金および樹脂部材間でラビリンスを形成する内側ラビリンスリップと、軸方向外側に向けられて樹脂部材間でラビリンスを形成する外側ラビリンスリップとを有していることが好ましい。このようにすると、外側ラビリンスリップが泥水等を振り切ることで、シール性を向上させることができる。
接触弾性シールは、回転側シール部材のフランジ部に摺接する少なくとも1つのアキシャルリップと、回転側シール部材の円筒部に摺接する少なくとも2つのラジアルリップとを有していることが好ましい。
上記センサ付きシール装置は、固定部材としての固定輪、回転部材としての回転輪および両輪間に配置された転動体からなる転がり軸受と、転がり軸受に一体に設けられたセンサ付きシール装置とを備えている転がり軸受装置において好適に使用される。
この場合、固定輪が外輪、回転輪が内輪とされてもよく、固定輪が内輪、回転輪が外輪とされてもよい。
この転がり軸受装置は、固定輪が車体への取付け部を有する車体側軌道部材とされ、回転輪が車輪取付け部を有する車輪側軌道部材とされることにより、自動車用ハブユニットとして好適に使用される。
この発明のセンサ付きシール装置によると、固定側シール部材に設けられた接触弾性シールは、回転側シール部材の円筒部およびフランジ部の両方に摺接しているので、固定側部材に芯金の嵌合用円筒部が嵌合固定された後に、芯金と樹脂部材との境界にできた隙間から水分が浸入しても、この水分は、嵌合用円筒部と樹脂部材との間およびフランジ部(の軸方向外側の面)と樹脂部材との間を経て、水分浸入防止用円筒部と樹脂部材との間から軸方向外側に送り出されることになり、このセンサ付きシール装置が取り付けられている装置の内部に水分が浸入することが防止される。さらにまた、回転側シール部材に設けられた非接触弾性シールによって、泥水等の振り切り効果が付加されるので、より一層シール性が向上させられる。この結果、軸受装置外部にデフレクタなどの別途のシール装置を設ける必要がない。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1および図2は、この発明のセンサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置の1実施形態を示している。以下の説明において、左右は図1の左右をいうものとする。なお、左が車両の内側に、右が車両の外側となっている。
転がり軸受装置は、ハブユニット(1)、ならびにそれに設けられたセンサ装置(2)および被検出部であるパルサ(10)を備えている。
ハブユニット(1)は、車体側に固定される車体側軌道部材(3)、車輪が取り付けられる車輪側軌道部材(4)、両部材(3)(4)の間に2列に配置された複数の転動体である玉(5)、および各列の玉(5)をそれぞれ保持する保持器(6)を備えている。
車体側軌道部材(3)は、軸受の外輪(固定輪)機能を有しているもので、内周面に2列の外輪軌道が形成されている円筒部(12)と、円筒部(12)の左端部近くに設けられて懸架装置(車体)にボルトで取り付けられるフランジ部(13)とを有している。
車輪側軌道部材(4)は、第1の軌道溝(15a)を有する大径部(15)および第1の軌道溝(15a)の径よりも小さい外径を有する小径部(16)を有している中空軸(14)と、中空軸(14)の小径部(16)外径に嵌め止められて右面が中空軸(14)の大径部(15)左面に密接させられている内輪(17)とからなる。中空軸(14)の内周には、セレーションが設けられており、中空軸(14)の右端近くには、車輪を取り付けるための複数のボルト(19)が固定されているフランジ部(18)が設けられている。内輪(17)には、中空軸(14)の軌道溝(15a)と並列するように、軌道溝(17a)が形成されており、内輪(17)の左部に肩部(17b)が形成されている。中空軸(14)には、等速ジョイント(CVJ)(41)の軸部が挿入されている。車体側軌道部材(3)の右端部と中空軸(14)との間には、弾性シールおよび芯金からなるシール部材(20)が設けられている。
内輪(17)の肩部(17b)と車体側軌道部材(3)の左端部との間に、この発明によるシール装置(7)が設けられている。
シール装置(7)は、車体側軌道部材(3)に固定された固定側シール部材(8)と、車輪側軌道部材(4)に固定された回転側シール部材(9)とからなる。
固定側シール部材(8)は、芯金(21)と、インサート成形により芯金(21)に一体化された樹脂部材(22)と、芯金(21)に樹脂モールドされたセンサ(11)と、芯金(21)に接着された接触弾性シール(23)とを備えている。
樹脂部材(22)は、環状であり、その環状部分の外径は、固定側軌道部材(3)の左端部の外径にほぼ等しくなされている。そして、環状部分の上部に、径方向外方に突出する突出部(26)が設けられている。突出部(26)の上端部には、車体側に設けられた処理手段とセンサ(11)とを結ぶハーネスを取り付けるためのコネクタ部(27)が一体に成形されている。コネクタ部(27)にはセンサ(11)からの信号を取り出すためのコネクタピン(28)が設けられている。樹脂部材(22)の左端面には、孔あき円板状のカバー(40)が当てられている。
回転側シール部材(9)は、車輪側軌道部材(4)の内輪(17)の肩部(17b)に嵌合固定されたスリンガー(31)と、スリンガー(31)に固定されたパルサ(10)と、スリンガー(31)に接着された非接触弾性シール(24)とを備えている。
センサ(11)と、センサ(11)の出力を外部に取り出すコネクタ部(27)、コネクタピン(28)、コネクタ、リード線などの配線手段(図示略)と、信号処理手段(図示略)となどによってセンサ装置(2)が構成されている。センサ(11)は、磁気センサとされており、そのセンシング面は、パルサ(10)の外周面に径方向外方から臨まされている。
以下では、図2を参照して、シール装置(7)のより詳しい説明を行う。
固定側シール部材(8)の芯金(21)は、1つの剛性リングによって形成されており、車体側軌道部材(3)の左端部に嵌合固定された嵌合用円筒部(61)、同円筒部(61)の軸方向内側の端部(右端部)に連なって内方(回転側シール部材(9)に向かう方向)にのびる外側フランジ部(62)、外側フランジ部(62)に連なって軸方向外方(左方)にのびる水分浸入防止用円筒部(63)、および水分浸入防止用円筒部(63)に連なって内方にのびる内側フランジ部(64)を有しており、内側フランジ部(64)の内周縁部に、接触弾性シール(23)が接着されている。嵌合用円筒部(61)の左部は、車体側軌道部材(3)の左端よりも左方に突出させられて、樹脂部材(22)内に挿入されている。水分浸入防止用円筒部(63)は、樹脂部材(22)の内周面に当接させられており、その左端は、樹脂部材(22)の左端面よりも右方に位置させられている。なお、芯金(21)は、磁気センサ(11)の検出面に磁力線が入りやすいように、SUS304などの非磁性の金属製とされている。
スリンガー(31)は、車輪側軌道部材(4)の内輪(17)の肩部(17b)に軸方向内側の端部(右端部)が嵌合固定された円筒部(32)と、円筒部(31)の軸方向外側の端部(左端部)に連なって固定側シール部材(8)に向かってのびる外向きフランジ部(33)とからなる。外向きフランジ部(33)と固定側シール部材(8)の芯金(21)の内側フランジ部(64)との間には、接触弾性シール(23)を収めることができる空間が形成されている。
回転側シール部材(9)のパルサ(10)は、組み合わされるセンサ(11)が回転信号を出力するために、N極とS極とを交互に配置して磁力を発生させるもので、環状の支持部材(35)と、これに接着された着磁体(36)とからなる。支持部材(35)は、SUS430などの磁性を有する金属製とされている。着磁体(36)は、ゴムをバインダとする磁性粉が着磁されることにより形成されている。
パルサ(10)の支持部材(35)は、回転側シール部材(9)のスリンガー(31)の円筒部(32)外径に嵌合固定されている小径円筒部(37)と、外径に着磁体(36)が設けられている大径円筒部(38)と、大径円筒部(38)と小径円筒部(37)とを連結する連結部(39)とからなる。小径円筒部(37)は、大径円筒部(38)に比べて、その軸方向の長さが短くされている。着磁体(36)は、センサ(11)に対向するように、大径円筒部(38)外径に設けられており、着磁体(36)と水分浸入防止用円筒部(63)との間の隙間は、両者が接触しない範囲でできるだけ小さい値とされている。
パルサ(10)の支持部材(35)は、連結部(39)が軸方向内側となるように、小径円筒部(37)がスリンガー(31)の円筒部(32)の軸方向内側部分に嵌合固定されている。これにより、スリンガー(31)の円筒部(32)と車輪側軌道部材(4)との嵌合部は、パルサ(10)の支持部材(35)の小径円筒部(37)がスリンガー(31)の円筒部(32)の内側端部に嵌合されることによって補強され、その剛性が向上させられている。
センサ(11)は、大径円筒部である嵌合用円筒部(61)と小径円筒部である水分浸入防止用円筒部(63)との間に充填された樹脂部材(22)内に位置させられている。
固定側シール部材(8)の芯金(21)の嵌合用円筒部(61)の外側の端部に、センサ(11)と信号処理手段とを接続する配線を通すための配線取出し用切欠き部(29)が設けられている。
接触弾性シール(23)は、芯金(21)の内側フランジ部(64)内周縁部に嵌め被せられて接着された嵌合部(71)と、嵌合部(71)の左面から左方にのびてスリンガー(31)のフランジ部(33)に摺接するアキシャルリップ(72)と、嵌合部(71)の底面から左方および径方向内方にのびてスリンガー(31)の円筒部(32)に摺接する第1のラジアルリップ(73)と、嵌合部(71)の底面から径方向内方にのびてスリンガー(31)の円筒部(32)に摺接する第2のラジアルリップ(74)とを有している。
非接触弾性シール(24)は、スリンガー(31)の外向きフランジ部(33)の外周縁部に嵌め被せられて接着された嵌合部(81)と、嵌合部(81)の右面から右方(軸方向内側)にのびて芯金(21)の内側フランジ部(64)および樹脂部材(22)の内径面との間でラビリンスを形成する内側ラビリンスリップ(82)と、嵌合部(81)の左面から左方(軸方向外側)にのびて樹脂部材(22)の内径面との間でラビリンスを形成する外側ラビリンスリップ(83)とを有している。
固定側シール部材(8)の芯金(21)と樹脂部材(22)とは、インサート成形により一体化されている。
インサート成形時の樹脂の収縮や、金属と樹脂との膨張率の差、泥水の浸入の繰り返し等により、芯金(21)と樹脂部材(22)との間の界面には、隙間が生じやすく、図2にAで示す位置から軸受内部に水分等の浸入の可能性があり、軸受機能の低下および寿命減が懸念される。この実施形態のシール装置(7)によると、図2にAで示す位置から浸入した水は、芯金(21)の嵌合用円筒部(61)と固定側軌道部材(3)との嵌め合わせにより防止されて右方には移動できず、芯金(21)の嵌合用円筒部(61)の外周と樹脂部材(22)との間から左方に浸入することになる。上述したように、樹脂部材(22)と芯金(21)との境界面には隙間が生じる可能性があることから、浸入した水は、嵌合用円筒部(61)の左端、同内周およびフランジ部(62)左面を経て、水分浸入防止用円筒部(63)左端部まで入り込む可能性があるが、この位置には、接触弾性シール(23)があるため、軸受内部への水の浸入は防止される。こうして、Oリングを使用しなくても、確実に水の浸入を防止することができる。また、固定側シール部材(8)の芯金(21)の嵌合用円筒部(61)が車体側軌道部材(3)に嵌合固定されているので、接触弾性シール(23)の摺動に伴うトルクによって、芯金(21)が固定側シール部材(8)に対して滑ることもなく、さらにまた、固定側シール部材(8)の芯金(21)の嵌合用円筒部(61)の左部が樹脂部材(22)内に挿入された状態でインサート成形されているので、芯金(21)と樹脂部材(22)との間のすべりも防止される。
さらにまた、回転側シール部材(9)を構成するスリンガー(31)の外向きフランジ部(33)に設けられた非接触弾性シール(24)は、非接触とされていることで樹脂部材(22)に影響を及ぼすことはなく、また、これが回転側に設けられていることで、外側ラビリンスリップ(83)によって泥水等を振り切ることが可能であり、接触弾性シール(23)だけでは確保できない泥水の浸入の防止効果が確保される。
また、スリンガ(31)に対するパルサ(10)の嵌め合い位置に関しては、回転側シール部材(9)を構成しているスリンガ(31)の円筒部(32)の軸方向内側部分が車輪側軌道部材(4)に嵌合固定されている状態において、支持部材(35)の連結部(39)が軸方向内側となるようにすることで、スリンガ(31)と車輪側軌道部材(4)との嵌合部に支持部材(35)の小径円筒部(37)の嵌合部が重ね合わせられており、このため、スリンガ(31)の円筒部(32)と車輪側軌道部材(4)との嵌合部の剛性に関し、パルサ(10)の支持部材(35)の小径円筒部(37)によって補強されている分、相対的に高くなっている。したがって、同図にBで示す位置からの水分浸入に対して高いシール性が保持され、より一層シール性が向上させられている。
こうして得られたシール装置(7)によると、従来、デフレクタと称されているシール部材を等速ジョイント(41)に圧入により取り付けることで、シール装置のシール性能を補助していたのに対し、このようなシール部材を不要とすることができる。
なお、上記実施形態のハブユニット(1)は、等速ジョイント(41)の軸部が挿入可能なように中空軸(14)にセレーションが設けられた駆動輪用として示されているが、中空軸を従動輪の回転軸に代えることにより、従動輪用とすることができることはもちろんである。また、ハブユニット(1)を例に取り説明したが、上記シール装置(7)は、ハブユニット(1)以外の各種転がり軸受装置や相対的に回転を行う各種回転装置にも適用することができる。
図1は、この発明によるセンサ付きシール装置および転がり軸受装置の1実施形態を示す縦断面図である。 図2は、図1の拡大縦断面図である。
符号の説明
(1) ハブユニット(転がり軸受装置)
(2) センサ付きシール装置
(3) 車体側軌道部材(固定部材=軸受固定輪)
(4) 車輪側軌道部材(回転部材=軸受回転輪)
(5) 玉(転動体)
(8) 固定側シール部材
(9) 回転側シール部材
(10) パルサ
(11) センサ
(21) 芯金
(22) 樹脂部材
(23) 接触弾性シール
(24) 非接触弾性シール
(32) 円筒部
(33) フランジ部
(61) 嵌合用円筒部
(62) フランジ部
(63) 水分浸入防止用円筒部
(82) 内側ラビリンスリップ
(83) 外側ラビリンスリップ

Claims (4)

  1. 固定部材に嵌合固定される芯金および芯金に樹脂モールドされたセンサを有している固定側シール部材と、回転部材に嵌合固定される円筒部および円筒部の軸方向外側の端部に連なって固定側シール部材に向かってのびるフランジ部を有する回転側シール部材とからなり、固定側シール部材の芯金は、固定部材に嵌合固定される嵌合用円筒部と、同円筒部の軸方向内側の端部に連なって回転側シール部材の円筒部に向かってのびるフランジ部と、フランジ部に連なって軸方向外方にのびる水分浸入防止用円筒部とを有し、嵌合用円筒部の外側の端部が樹脂部材内に位置するようにインサート成形されるとともに、水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部および回転側シール部材の軸方向外側の端部の少なくとも一方に弾性シールが設けられているセンサ付きシール装置において、
    弾性シールは、水分浸入防止用円筒部の軸方向外側の端部に設けられて回転側シール部材の円筒部およびフランジ部の両方に摺接する接触弾性シールと、回転側シール部材の軸方向外側の端部に設けられて樹脂部材および芯金のいずれにも接触しない非接触弾性シールとからなることを特徴とするセンサ付きシール装置。
  2. 非接触弾性シールは、軸方向内側に向けられて芯金および樹脂部材間でラビリンスを形成する内側ラビリンスリップと、軸方向外側に向けられて樹脂部材間でラビリンスを形成する外側ラビリンスリップとを有していることを特徴とする請求項1のセンサ付きシール装置。
  3. 固定部材としての固定輪、回転部材としての回転輪および両輪間に配置された転動体からなる転がり軸受と、転がり軸受に一体に設けられたセンサ付きシール装置とを備えており、センサ付きシール装置が請求項1または2のいずれかとされている転がり軸受装置。
  4. 固定輪が車体への取付け部を有する車体側軌道部材とされ、回転輪が車輪取付け部を有する車輪側軌道部材とされて、自動車用ハブユニットとして使用されることを特徴とする請求項3の転がり軸受装置。
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