JP2008279623A - パージング材及びこれを用いるパージング方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 熱劣化して成形機壁面にこびりついたような樹脂の排出除去に優れ、パージ効率が良好なパージング材及びパージング方法を提供する。
【解決手段】 樹脂/水(重量比)が30/70〜70/30の割合で、熱可塑性樹脂と水とを配合してなる含水樹脂を主成分とするパージング材であり、前記熱可塑性樹脂はエチレン−ビニルエステル共重合体のケン化物がを好ましい。成形機の溶融領域の温度を、80〜120℃に設定した状態で上記パージング材を通過させることにより、パージング材に含まれる水分を被パージ樹脂に効率よく供給して、排出しやすくできる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記する)等のOH基を多数有する親水性熱可塑性樹脂を、射出成形、押出成形等の溶融成型する際に用いられるパージング材及び当該パージング材を用いるパージング方法に関し、更に詳しくは、劣化した親水性熱可塑性樹脂のパージングを効率よく行なう事なうことが出来るパージング材及びパージング方法に関する。
射出成形や押出成形等の溶融成形を行なった後、別の樹脂に切り替えて成形を行なう場合、先の溶融成形に用いた樹脂が成形機の内壁面に付着していた樹脂が、切り替えた樹脂成形品に混入し、いわゆるブツやゲルとなって現れる。あるいは長期間続けて溶融成形を行ない続けた場合、成型品のゲートやスクリューより遠い位置にある樹脂が熱劣化して、成形品に混入する場合がある。このため、従来より、成形樹脂の切り替え時、長期間、連続して溶融成形を行なう場合、パージング材を成形機に流して、先の成形に使用した樹脂や熱劣化した樹脂を成形機から排出するようにしている。
パージング材としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂が一般に用いられている。ポリオレフィン樹脂は溶融粘度が高い(メルトインデックスが低い)ので、パージング材として用いることで、成形機内壁面に付着していた樹脂や成形機内に滞留していた熱劣化した樹脂などを、押出すことができる。
しかしながら、EVOH、PVA等のOH基を多数有する熱可塑性樹脂の場合、金属との親和性が高いことから、他の熱可塑性樹脂と比べて、成形機内壁面に付着しやすく、長時間の連続成型により、内壁面にこびりついたような状態となっている。こびりついた樹脂は、熱劣化し、ひどい場合には焼けた状態となっているので、成形温度では流動しない場合が多い。再度、成形機を立ち上げたとき、新たな成型品においてゲル、ブツ、焼けとなって現れるため、不良原因となる。このような不良原因除去のためには、壁面にこびりついた樹脂の引き剥がし、排出除去が不可欠であるが、溶融粘度が高いポリオレフィン樹脂等のパージング材による吐出力だけでは不十分であり、問題にならない程度にまでパージするためには、時間がかかりすぎて、製品ロスが大きいといった特有の問題がある。
EVOH、PVA等のOH基を多数有する熱可塑性樹脂のパージには、ポリオレフィン樹脂等の溶融粘度の高い樹脂に代えて、流動性の高い樹脂からなるパージング材を用いて、吐出量を増やす等により、効率よくパージする方法が検討されている。
例えば、特許文献1(特許第3199279号)に、メルトインデックスが特定範囲内にあるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)をパージング材として用いることが提案されている。被パージ樹脂と同種類の樹脂を使用し、しかも被パージ樹脂のメルトインデックスよりも低く、かつ時間の経過とともに置換される熱可塑性樹脂のメルトインデックスよりも高くなるEVOHをパージング材として用いることで、パージング材自体も容易に排出されるようにしている。
特許文献2(特許3784499号)では、EVOHと沸点が300℃以下の低沸点化合物と、金属塩を含むパージング材で、加熱後の重量減少率を一定範囲としたパージング材が提案されている。ここで、水分等の低沸点化合物は、EVOHに対して、0.1〜20重量%添加されている。被パージ樹脂の押出成形後、続いて、押出成形条件下でパージング材を投入してパージしている。詳細は明らかにされていないが、パージング材に含まれる低沸点化合物が加熱発泡して、成形機内を高圧状態にすることで、溶融流路内に残存するEVOH及び滞留付着によりゲル化した樹脂をすみやかに排出すると考えられる(段落番号0015参照)。溶融粘度の調整に、金属塩等の無機物が有効であることも提案されている。
また、特許文献3(特許3568327号)では、ポリオレフィン樹脂、EVOH等の親水性熱可塑性樹脂、結晶水含有化合物を配合したパージング材が提案されている。結晶水含有化合物としては、硫酸ナトリウム10水和物、硝酸マグネシウム6水和物などが用いられ、これらは、樹脂(ポリオレフィン樹脂+親水性熱可塑性樹脂)に対して結晶水が0.05〜10モル/kgとなるように含有されている。また、パージ方法としては、被パージ樹脂を押出成形後、同じ条件でパージング材を流している。
また、特許文献4(特許3810486号)には、ポリオレフィン樹脂、EVOH等の親水性熱可塑性樹脂、及び水を混合してなるパージング材が提案されている。被パージ樹脂を押出成形後、同じ条件でパージング材を流している。ここでは、溶融粘度が下がりすぎないように、水の含有量は、樹脂(ポリレフィン樹脂+親水性熱可塑性樹脂)100重量部に対して0.1〜20重量部とされている。
特許第3199279号公報 特許3784499号公報 特許3568327号公報 特許3810486号公報
しかしながら、上記いずれの方法も、成形機壁面にこびりついたような劣化樹脂の排出には十分ではなく、熱劣化物の完全除去にかかる時間の短縮、製品ロスの低減など、更なるパージ効率のアップが求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱劣化して成形機壁面にこびりついたような樹脂の排出除去に優れ、パージ効率に優れたパージング材及びパージング方法を提供することにある。
本発明者らは、OH基を多数有する親水性熱可塑性樹脂が壁面にこびりついて劣化し、高圧を与えても流動できないような場合であっても、水分が与えられることで軟化し、流動させることが可能となることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明のパージング材は、樹脂/水(重量比)が30/70〜70/30の割合で、熱可塑性樹脂と水とを配合してなる含水樹脂を主成分とするものであり、前記熱可塑性樹脂として、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化物を好ましく用いたものである。
また、本発明のパージング方法は、成形機の溶融領域の温度を、80〜120℃に設定した状態で、本発明のパージング材を通過させる方法である。
本発明のパージング材は多量の水分を含む含水樹脂を含んでいるので、成形機の溶融領域の温度を、80〜120℃に設定した状態で、本発明のパージング材を通過させる、本発明のパージング方法によれば、含水樹脂に含まれる水分を、被パージ樹脂に供給できる。壁面にこびりついた劣化樹脂であっても、水分を与えられることにより、軟化して流動することができるので、従来、排出除去に時間がかかっていた熱劣化しやすい被パージ樹脂のパージ効率を上げることができる。
〔パージング材〕
本発明のパージング材は、樹脂/水(重量比)が30/70〜70/30の割合で、熱可塑性樹脂と水とを配合してなる含水樹脂を主成分とするものである。このように、高率に水を含有した含水樹脂を主成分として用いることで、パージング材として多量の水を含有することになり、被パージ樹脂である親水性樹脂に水分を供給することが可能となり、これにより、壁面に硬くこびりついた被パージ樹脂を軟化することができる。
本発明のパージング材の主成分である含水樹脂中の樹脂/水(重量比)の割合は、30/70〜70/30であり、好ましくは40/60〜60/40である。さらに、熱可塑性樹脂に対する水の含有率の方が高く、且つ熱可塑性樹脂の飽和含水率にまで含水させることが好ましい。
本発明のパージング材に使用する熱可塑性樹脂は、通常、親水性樹脂であり、水を吸収し膨潤してゲル状の含水樹脂となり得るものである。このような熱可塑性樹脂は、通常、上記範囲の水分で膨張することにより、弾性体状の樹脂となる。具体的には、エチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化物(EVOH)、ポリアクリル酸などが挙げられるが、これらのうち、パージしようとする樹脂(被パージ樹脂)と親和性のよい樹脂が好ましく用いられる。本発明のパージング材は、後述するように、ポリビニルアルコールやEVOH等のOH基を多量に有する親水性樹脂のパージに好適に用いられることから、EVOHが特に好ましく用いられる。
本発明のパージング材で用いられるEVOHとしては、エチレン含有率15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜55モル%である。またケン化度は90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上である。エチレン含有率が低すぎた場合、90%以上の高ケン化物にして、上記割合で水を配合した場合、EVOHが溶解して水溶液のようになってしまい、含水樹脂を得ることが困難となる。また、含水樹脂を得ることができたとしても、パージング材自体が、成形機壁面に付着しやすく、熱劣化してこびりついてしまうこともあり、パージング材自体の排出に時間がかかる場合がある。逆にエチレン含有率が高すぎた場合、90%以上のケン化率でケン化しても、樹脂中に含まれるOH基の割合が少なくなるため、保水性能が低下し、上記範囲のように、高率で水を含有した含水樹脂が得にくくなる。また、ケン化度が低すぎた場合、EVOHの熱安定性が悪くなって、成形機内での残留が多くなり好ましくない。
本発明のパージング材に用いられるエチレン−ビニルエステル共重合体は、構成モノマーとしてのエチレン、ビニルエステルに代えて、少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいても差支えない。
本発明で用いられる含水樹脂は、樹脂/水(重量比)が30/70〜70/30となるように、樹脂に水分を直接的又は間接的に吸水させることにより得られる。例えば、樹脂のペレット又はフィルムを水中に浸漬、噴霧等することにより含水させる方法;樹脂を溶融し、そこに水を投入し、低温下でペレット化する方法;金属水酸化物と樹脂とを溶融混合させ、その熱により水分を発生させて、樹脂に吸水させる方法;EVOHのように、樹脂の製造過程でケン化工程を経る場合、ケン化後のEVOHペーストを水洗して、そのまま含水率を調整する方法等などが挙げられる。
本発明のパージング材は、以上のような構成を有する含水樹脂を主成分とするものである。具体的には、パージング材中に、上記含水樹脂が通常50〜100重量%、好ましくは80〜100重量%含有されているものである。含水樹脂の含有率が低くなりすぎると、結局、パージング材に含まれる水分割合が少なくなるため、壁面にこびりついた被パージ樹脂の軟化効果が不十分となる傾向にあるからである。
本発明のパージング材には、上記含水樹脂の他、パージング材中の水分散性、保水性を損なわない範囲であれば、OH基を有しない他の親水性樹脂、ポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂を含有していてもよい。また、必要に応じて、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン類等の熱安定剤;酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム等の金属塩;シリカ、ホウ酸などの無機物の粉末類;金属セッケン、シリコン系、弗素系脂肪酸エステル、アミド系滑剤;顔料;界面活性剤;可塑剤;発泡剤などが含有されていてもよい。
〔パージング方法〕
次に、本発明のパージング方法について説明する。
本発明のパージング方法は、上記本発明のパージング材を用いて、被パージ樹脂をパージするパージング方法であって、成形機の溶融領域の温度を80〜120℃に設定した状態で、上記本発明のパージング材を通過させることを特徴とする。このような温度では、通常、含水樹脂に含まれる水分が揮発しにくいと考えられる。
パージング材に含まれる水分が揮発しないような状態で成形機内の流路を通過させると、パージング材と被パージ樹脂との親和性から、流路に滞留していた被パージ樹脂や壁面にこびりついたような被パージ樹脂とパージング材とが接触したとき、パージング材に含まれる水分の被パージ樹脂への移行が可能となる。つまり、流路に滞留している被パージ樹脂や壁面にこびりついた被パージ樹脂の熱劣化物に水分を供給することができる。これにより、壁面にこびりついていた熱劣化した被パージ樹脂であっても、軟化して剥がれやすくなり、パージング材の流動にしたがって、排出されることができる。
本発明のパージング方法を適用できる樹脂、すなわち被パージ樹脂としては、OH基を多量に含有する親水性熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。具体的には、EVOH、PVAなどが好適である。これらの親水性樹脂は、溶融成形した場合、多量に含有するOH基に基づいて、成形機の内壁面に付着しやすく、さらには長期間の連続成形により、熱劣化した状態でこびりついてしまうと、溶融粘度が高い樹脂からなるパージング材の吐出力による除去では困難であったという特有の問題があり、本発明のパージング材によって剥がれやすくなるという本発明の効果が顕著だからである。
従って、本発明のパージング方法で使用するパージング材は、上記本発明のパージング材において、含水樹脂を構成する樹脂が被パージ樹脂と親和性の高い樹脂からなるものが用いられる。被パージ樹脂が上記のような親水性熱可塑性樹脂の場合、EVOHが好ましく用いられる。また、被パージ樹脂がEVOHの場合には、ポリマー組成が同一または近似のEVOHがより好ましく用いられる。被パージ樹脂と含水樹脂の親和性が高いほど、水分移行が起りやすく、本発明のパージング方法の効果が得られやすいからである。
本発明のパージング方法が適用される成形方法としては、熱可塑性樹脂を溶融して成形する方法であればよく、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などに適用できる。成形機としては、単軸押出機、二軸押出機が使用され、また単層フィルム押出機、単層インフレ押出機、射出成形機、多層フィルム押出機、多層インフレ押出機、多層ブロー成形機、共射出成形機などが挙げられる。
本発明のパージング方法は、溶融成形する樹脂を置換する際、あるいは成形機の運転を一定時間以上休止していたために、成形機内に先に使用していた樹脂が滞留、こびりついた状態で残っている場合の成形再開にあたっての成形機内を掃除するときなどの双方に適用できる。
パージング材の投入、成形機からの押出は、成型機の溶融領域の温度が80〜120℃、好ましくは85〜110℃、より好ましくは90〜100℃で行なう。このような温度では、含水樹脂に含まれる水分が揮発しにくく、且つ樹脂の軟化に寄与できると考えられるからである。一方、溶融領域の温度が高温になりすぎると、パージング材に含まれる多量の水分が蒸発して、成形機内に大量の水蒸気が充満することになり、成型環境の安全性が損なわれ、逆に低温であり過ぎると、パージング材が十分軟化せず、流動性が著しく低下する傾向にある。
成形機を一旦停止していた場合には、成形機の溶融領域を上記設定温度に設定して、パージング材を、投入すればよい。また、成形樹脂を置換する場合には、通常、成形温度は上記設定温度よりも高温であるから、上記設定温度にまで降温した後、パージング材を投入する。
パージング材を吐出条件は、特に限定しないが、吐出量10〜100kg/hr程度が好ましい。また、パージング材をを流す時間は、成形機の種類、被パージ樹脂の種類等により異なり、特に限定しないが、10分〜3時間程度が好ましい。短すぎると壁面等にこびりついた被パージ樹脂(熱劣化物)をはく離除去するのが困難であり、長すぎても効果は変わらないからである。
パージング材を所定量流した後、次の成形用樹脂を投入して、成形を再開してもよいし、所定量流した後、押出機、スクリューを取り出して、スクリュー及びバレル内の付着物を清掃してもよい。壁面にこびりついた熱劣化物が残存していても、本発明のパージング材と所定時間接触したことによって、熱劣化物に水分が供給され、ある程度、軟化しているので、擦ったりすることで剥がれやすくなっており、樹脂の除去作業が容易となっている。
パージ後、再起動するにあたり、成形に供する樹脂の種類は、特に限定しない。EVOHをはじめとする被パージ樹脂と同種類の樹脂であってもよいし、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の他の樹脂に切替えることもできる。これらの切り替え樹脂の押出初期には、パージで除去できなかった熱劣化物、ホッパーやホッパーからシリンダへ至る流路などでは、こびりついた熱劣化物が残存している場合があるが、パージング材との接触により軟化が進んで、剥がれやすくなっているので、切り替え樹脂に混入する熱劣化物、切り替え時の成形品に見られる焼けやゲル、ブツといった不純物の混入は、切り替え後、まもなく消失する。従って、製品ロスが少なくて済む。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、以下「%」とあるのは、特にことわりのない限り、重量基準を意味する。
〔含水率の測定〕
株式会社ケット科学研究所製のケット水分計FD−230を用いて、10gの含水樹脂を450℃で25分間加熱した。加熱後の重量減少率を含水率とした。
〔被パージ樹脂〕
EVOH(エチレン含有率29モル%、揮発分0.15重量%、210℃におけるメルトフローリングレート(MFR)8g/10分)100部と、層状無機化合物10部を混合したEVOH樹脂組成物を用いた。
〔含水樹脂の調製〕
熱可塑性樹脂としてEVOH(エチレン含有率29モル%、ケン化度99.6モル%、210℃、2160gでのMFR℃=8g/10分、直径2.5mm、長さ2.5mmの円柱ペレット)を用いて、かかるEVOHを加圧滅菌装置中で135℃条件下、3時間処理して含水量60%のEVOHを得た。
〔実施例1〕
パージング材として、上記で調製した含水樹脂、すなわち含水率60%の含水EVOHを用いた。
上記被パージ樹脂を、下記条件の二軸押出機を用いて、80kg/hrの吐出速度に調整しながら5時間の混練を行ない、そのままの吐出速度で、バレル内の樹脂全てを吐出した。
押出機の条件
押出機入口(樹脂供給部)の設定温度 190℃
シリンダバレルの設定温度 220℃
ダイ(押出機の出口部)の設定温度 220℃
二軸押出機のスクリュ径 57mm
次に、押出機入口、シリンダバレル、ダイ部の設定温度をいずれも95℃に下げ、パージング材を、40kg/hrの吐出速度で20kg吐出した。
続いて、押出機入口の設定温度を160℃、シリンダバレル及びダイ部の設定温度を190℃に昇温し、高密度ポリエチレン(HDPE、190℃、2160gにおけるMFR=0.35g/分)を、40kg/hrの吐出速度で10kg溶融成形した後、押出機の運転を停止した。
停止後、スクリューを抜き出し、スクリューへの樹脂の付着状況、バレル内壁面の樹脂付着状況を目視で観察したところ、いずれも問題となる程の付着はなかった。付着樹脂の完全除去のための掃除には、スクリュー、バレル内壁面のいずれも15分程度で済んだ。
再度、スクリューを装着して、押出機入口の設定温度を160℃、シリンダバレル及びダイ部の設定温度を190℃にて、上記高密度ポリエチレン(HDPE、190℃、2160gにおけるMFR=0.35g/分)を、40kg/hrで導入したところ、焼けが排出されたが、10分後には焼けの排出がなくなった。すなわち、劣化物の排出は、10分で済んだ。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして、被パージ樹脂を吐出した後、成形機の温度条件を変えずに、HDPEを40kg/hrの吐出速度で30kg吐出させた後、押出機の運転を停止した。停止後、スクリューを抜き出し、スクリューへの樹脂の付着状況、バレル内壁面の樹脂付着状況を目視で観察したところ、いずれにも多量の樹脂が付着していて、完全除去のための掃除には、1時間を要した。
再度、スクリューを装着して、押出機入口の設定温度を160℃、シリンダバレル及びダイ部の設定温度を190℃にて、上記高密度ポリエチレン(HDPE、190℃、2160gにおけるMFR=0.35g/分)を、40kg/hrで導入したところ、焼けが排出され、2時間、流し続けても焼けの排出がおさまらなかった。従って、劣化物の排出は、2時間以上かかるといえる。
上記実施例1及び比較例1を対照すると、表1のようになる。
Figure 2008279623
表1から明らかなように、本発明のパージング材は、ポリオレフィン樹脂の吐出力だけではパージングに時間がかかるEVOH樹脂であっても、使用量が少量で、短時間にて、効率よく効果的に、熱劣化したEVOH樹脂を排出することができた。
本発明のパージング材は、EVOH、PVA等の親水性樹脂の溶融成形後のパージに好適であり、本発明のパージング方法でパージすることにより、先に成形した樹脂が成形機壁面にこびりついていたような場合でも、排出除去が容易になる。したがって、成形機内壁面に熱劣化物がこびりつくような樹脂の溶融成形、成形樹脂の切り替えなどを効率よく行なうことができるパージング材、パージング方法として有用である。

Claims (7)

  1. 樹脂/水(重量比)が30/70〜70/30の割合で、熱可塑性樹脂と水とを配合してなる含水樹脂を主成分とするパージング材。
  2. 前記樹脂は、エチレン−ビニルエステル共重合体のケン化物である請求項1に記載のパージング材。
  3. 前記エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物のケン化度は、90%以上である請求項2に記載のパージング材。
  4. 前記エチレンビニルエステル共重合体ケン化物におけるエチレン含有量は15〜60モル%である請求項2又は3に記載のパージング材。
  5. 前記含水樹脂のパージング材における含有率は、50〜100重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のパージング材。
  6. 成形機の溶融領域の温度を80〜120℃に設定した状態で、請求項1〜5のいずれかに記載のパージング材を通過させるパージング方法。
  7. 被パージ樹脂が、OH基を多数有する親水性熱可塑性樹脂である請求項6に記載のパージング方法。
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